JPH1112920A - 立毛シートの製造方法 - Google Patents

立毛シートの製造方法

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JPH1112920A
JPH1112920A JP15823397A JP15823397A JPH1112920A JP H1112920 A JPH1112920 A JP H1112920A JP 15823397 A JP15823397 A JP 15823397A JP 15823397 A JP15823397 A JP 15823397A JP H1112920 A JPH1112920 A JP H1112920A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高級なスエード感を有しながら均一な表面立毛
を有し、平滑感、タッチ、毛羽脱落性に優れかつ天然皮
革様の風合いを有したシートを得る。 【解決手段】極細繊維束からなる三次元絡合不織布とそ
の繊維束間に存在する多孔質高分子弾性体からなるシー
トの少なくとも一方の面を加熱ロールで加熱プレスする
ことにより、該シートを構成する高分子弾性体の一部を
溶融して該シートの表面を平滑化したのち起毛処理を施
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、均一な立毛を有す
ることにより高級感を有し、かつ風合いが良好で毛羽脱
落性の改良された立毛シートの製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来よりスエード調の外観を有するシー
トについては様々な提案がなされ、多くの方法が生み出
されてきた。これらのスエード調シートの製造方法とし
ては、シートの表面に多孔質性の高分子弾性体の層を形
成せしめ、その後この高分子弾性体層の表面層を研削
し、多孔性の表面にすることによりスエード調の外観を
得る方法、あるいは構成する高分子弾性体の構造で表面
に当たる光の反射を散乱させることによりあたかも多孔
性表面を有するかのごとき高分子弾性体層を表面に構成
する方法などが提案されてきた。
【0003】ライティング性、フィンガーマーク性を有
する高級感に優れたスエード調シートを得る方法として
は、表面が繊維質シートと高分子弾性体から構成される
シートの表面を起毛処理する方法が知られている。例え
ば特公昭61−32432号公報には、繊維質シートに
高分子弾性体を含浸せしめ、さらに高分子弾性体の溶剤
であってかつ繊維質の非溶剤である液体を塗布して高分
子弾性体の一部を溶解/膨潤せしめ、これにより繊維立
毛の根元を締め付け、次いで起毛処理を行う方法が記載
されており、また特公昭55−32828号公報には、
繊維質シートおよび高分子弾性体からなる複合シートに
離型性付与効果のあるポリオルガノシリコン化合物を付
与し、該シリコン化合物が表面に付着した状態で立毛処
理を施してスエード調シートを得る方法が記載されてい
る。
【0004】また特開平2−154078号公報には、
繊維質シートと高分子弾性体からなる基材の起毛した表
面に繊維を溶解/膨潤させる溶剤を塗布した後、該表面
を加熱鏡面ロールで平滑化し、着色して仕上げる方法が
記載されており、さらに特公昭43−21112号公報
には、極細繊維発生型繊維よりなる繊維質シートの表面
を加熱ロールでプレスし極細繊維発生型繊維を融着し表
面平滑性、毛羽固定を図る方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法のうち、
シートの表面に多孔質性の高分子弾性体の層を形成せし
め、その後高分子弾性体層の表面層を研削し、多孔性の
表面にすることによりスエード調の外観を得る方法や構
成する高分子弾性体の構造で表面に当たる光の反射を散
乱させる方法の場合には、得られるスエード調シートの
表面は高分子弾性体層があるのみで天然皮革のようなラ
イティング性、フィンガーマーク性が得られず、スエー
ド調シートとしては高級感に欠けるものである。
【0006】また繊維質シートと高分子弾性体から構成
されるシートの表面を起毛処理してスエード調シートを
得る方法の場合には、起毛処理前の面に凹凸があり、そ
のため表面を均一に起毛処理することができず、立毛に
長短のばらつきが現れて短い立毛の部分は立毛を寝かせ
た際にシートの立毛部分ではなく根元部分の高分子弾性
体が現れシミや欠点のように見えることとなり、高級感
を有する立毛シートは得られないという問題点を有して
いる。また高分子弾性体を含浸せしめた繊維質シートの
表面に高分子弾性体の溶剤であってかつ繊維質の非溶剤
である液体を塗布する方法の場合には、高分子弾性体の
表面が溶解してフィルム状になることにより、最表面層
のみの密度が上昇して密度勾配が悪く、表面のみが硬い
段ボールのような風合いとなる問題点を有している。
【0007】また前記したポリオルガノシリコン化合物
を付与する方法の場合には、表面の多孔質高分子弾性体
は多孔質表面の孔径が微少な面積において安定していな
いため、表面に塗布するシリコン化合物の塗布量が不安
定になり、よって起毛する立毛の長さが変化して高級な
スエード感が得られないという問題点を有している。ま
たこの方法で得られるスエード調シートは、表面の密度
が高く表面から厚み方向に深くなるほど密度が低くなる
密度勾配を有さないため折り曲げたときの充実感や反発
性において天然皮革様の風合いが得られないという問題
点もあった。
【0008】本発明の目的は、均一な立毛を有すること
により高級感を有し、かつ風合いが良好で、毛羽脱落性
の改良されたスエード調の立毛シートを製造する方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、極細繊維また
は極細繊維束からなる三次元絡合不織布とその繊維間又
は繊維束間に存在する多孔質高分子弾性体からなるシー
トの少なくとも一方の面を、該高分子弾性体のガラス転
移点以上の温度に加熱されたロールで加熱および印圧す
ることにより、該シートを構成する高分子弾性体の一部
を溶融して該シートの表面を平滑化したのち起毛処理を
施すことを特徴とする立毛シートの製造方法であり、よ
り好ましくは、表面層を加熱および印圧する工程と起毛
する工程の間に、該シートを構成する高分子弾性体の非
溶剤に溶解又は分散した高分子弾性体含有液を加熱面に
塗布する方法、あるいは表面層を加熱および印圧する工
程と起毛する工程の間に、該シートを構成する高分子弾
性体の溶剤を含む液体を加熱処理面に塗布する方法であ
る。
【0010】以下に本発明の構成について詳細に説明す
る。まず本発明方法に用いる極細繊維または極細繊維束
は、相溶性を有していない少なくとも2種類のポリマー
を混合紡糸あるいは複合紡糸して得られる公知の極細繊
維発生型繊維から造られる。例えば、海成分が溶剤や水
酸化ナトリウム等の分解剤により溶解除去または分解除
去することで島成分が残りフィブリル化する抽出型海島
構造繊維、あるいは該極細繊維発生型繊維を機械的また
は処理剤によって処理することにより各ポリマーが界面
で剥離し極細繊維束にフィブリル化する分割型繊維等が
あげられる。なかでもスエード調立毛シートとしての風
合い、起毛後のライティング性の優美さ等から、海成分
を抽出除去又は分解除去し島成分を残すことにより極細
繊維束を発生させる方法が好ましい。これ以外にも、極
細繊維を紡糸により直接得る方法も用いることができる
が、好ましくは上記した一旦極細繊維発生型繊維を得
て、それから極細繊維束を得る方法である。また立毛シ
ートの風合いおよびライティング性、フィンガーマーク
の優美さの点から、極細繊維あるいは極細繊維束を構成
する極細繊維の太さとしては単糸デニールが平均で0.
001〜0.1デニールの範囲にあることが好ましい。
さらには0.006〜0.03デニールの範囲であるこ
とが立毛の優美さおよび立毛処理の均一性の点からより
一層好ましい。
【0011】極細繊維又は極細繊維束を構成するポリマ
ーとしては、6−ナイロン、66−ナイロンをはじめと
する溶融紡糸可能なポリアミド類、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、カチオン可染
型変性ポリエチレンテレフタレートをはじめとする溶融
紡糸可能なポリエステル類、ポリオレフィン類などが挙
げられる。
【0012】抽出型海島繊維で抽出除去または分解除去
される成分(海成分)は、極細繊維成分(島成分)と比
べると溶剤または分解剤に対する溶解性または分解性が
高く、極細繊維成分との相溶性の小さいポリマーであ
り、かつ紡糸条件下で極細繊維成分より溶融粘度が小さ
いかあるいは表面張力が小さいポリマーであり、例えば
ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンプロピレン
共重合体、変性ポリエステル類などのポリマーから選ば
れた少なくとも1種類のポリマーである。
【0013】極細繊維発生型繊維はカードで解繊し、ウ
ェッバーを通してウェッブを形成し、得られた繊維ウェ
ッブは、所望の重さ(厚さ)に積層し、次いでニードル
パンチや水流絡合などの公知の方法で絡合処理を行い繊
維絡合不織布とする。繊維絡合不織布は、内部や裏面側
に編織物等を積層したものであってもよい。繊維絡合不
織布は、樹脂液の含浸に先立って、必要に応じて水溶性
樹脂などの仮固定用の樹脂液を含浸させたりプレス処理
により表面平滑化することも立毛シートとしての平滑性
改良の点で好ましい。
【0014】上記方法により得られた繊維絡合不織布に
高分子弾性体を含浸する方法については、高分子弾性体
を含む溶液を該不織布に塗布後あるいは含浸後該高分子
弾性体を凝固させる方法などが挙げられ、繊維絡合不織
布の少なくとも表面層を含む範囲に高分子弾性体を付与
できる方法であれば特に限定されない。含浸する高分子
弾性体に関しても、後にアルカリ液で繊維中の海成分を
抽出除去する工程を採用する場合には耐アルカリ性が要
求されるが、それ以外の場合には、通常の耐加水分解性
及び耐熱水性を備えていれば特に限定されない。しかし
ながら、優れた柔軟性及び皮革様の風合いが得られるこ
とから、高分子弾性体としては、ポリウレタンを用いる
のが好ましい。なかでも耐加水分解性、耐アルカリ性の
点から、ソフトセグメントとして、炭素数6以上10以
下のアルカンジオールとジカルボン酸またはそのエステ
ル形成性誘導体とを反応させて得られるポリエステルジ
オール、ポリラクトンジオール、ポリカーボネートジオ
ール、ポリエーテルジオールからなる群より選ばれ、数
平均分子量が500〜5000である少なくとも1種の
ポリマージオールを使用し、それとジイソシアネートと
低鎖伸長剤を反応せしめて得られる、いわゆるセグメン
テッドポリウレタンが好適な化合物例として挙げられ
る。
【0015】炭素数6以上10以下のアルカンジオール
としては、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オク
タンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デ
カンジオールなどがあげられる。アルカンジオールにお
いて炭素数が6より小さいと、ポリウレタンとした場合
に耐久性、特に耐加水分解性が悪くなってしまう場合が
ある。また炭素数が10より大きいと、ポリウレタンと
した場合に硬くなり得られたシートの風合いが悪くなっ
たり、耐寒性が悪くなったりする場合がある。ジカルボ
ン酸の代表例としてはコハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバチン酸などの脂肪族ジカルボン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボ
ン酸などがあげられる。このほかにポリマージオールと
しては、上記以外のポリエステルジオール、ポリラクト
ンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエーテル
ジオールを単独で、または任意の割合で混合して用いる
ことができる。なかでもポリテトラメチメチレンエーテ
ル系のポリマージオールは、柔軟な多孔質構造が得られ
ることから特に優れている。ポリマージオールの数平均
分子量が500未満の場合には、柔軟性に欠け、皮革様
の風合いが得られないため好ましくない。またポリマー
ジオールの数平均分子量が5000を越える場合には、
ウレタン基濃度が減少するため柔軟性および耐久性、耐
熱性、耐加水分解性にバランスの取れたシートが得にく
い。
【0016】また低分子量の鎖伸長剤の好適例として
は、例えばエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ヘキサンジオールなどがあげられ
る。またジイソシアネート化合物としては、例えば4,
4’−ジフェニルメタンイソシアネート、トリレンジイ
ソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレ
ンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類が好
適例として挙げられる。
【0017】上記のような高分子弾性体を溶剤あるいは
分散剤に溶解あるいは分散させて得た高分子弾性体溶液
または分散液を繊維絡合不織布に含浸させ、多孔質状
(すなわちスポンジ状)に凝固させ繊維質基体を得る
が、この高分子弾性体溶液または分散液には、必要に応
じて着色剤、凝固調節剤、酸化防止剤、分散剤等の添加
剤を配合していてもよい。多孔質状に凝固させる方法と
しては、高分子弾性体溶液を湿式凝固させる方法や高分
子弾性体液に発泡剤を添加しておき、これを発泡させる
方法などが挙げられるが、微細で柔軟な多孔質状のもの
が得られることから、湿式凝固方法が最も適している。
極細繊維化処理を行った後の繊維質基体(すなわち高分
子弾性体を含浸させ極細化処理した絡合不織布)に占め
る高分子弾性体の比率としては、基体に柔軟な風合いと
弾性回復性を持たせ、何より重要なことである平滑性の
高い繊維質基体表面を形成するために、固形分として重
量割合で10%以上が好ましく、より好ましくは30〜
50%の範囲である。高分子弾性体の割合が10%未満
では、緻密な弾性体多孔質層の孔が形成されず、基体表
面を起毛する際に十分に極細繊維を固定できないため立
毛が不均一となり好ましくない。
【0018】次に高分子弾性体を含有した繊維質基体
を、極細繊維及び高分子弾性体の非溶剤でありかつ極細
繊維発生型繊維の海成分(分散媒成分)を溶解または分
解させる溶剤または分解剤等によって処理するか、ある
いは機械的な処理あるいは化学的な処理により繊維を構
成ポリマー間を剥離させることで極細繊維発生型繊維を
極細繊維束にする。
【0019】続いて繊維質基体の片面を加熱ロールでプ
レスする。使用する加熱ロールとしては、平面を有しか
つ立毛予定面に加熱が可能なロールであればいずれでも
よく、好ましくは鏡面を有するカレンダーロールであ
る。加熱ロールの材質としては、熱による変形、ゆが
み、耐久性の点から金属ロールが好ましい。また工程通
過性および繊維質シート表面の平滑性の点から、ロール
表面に繊維質基体を構成する高分子弾性体が溶着しにく
い材質であるテフロン等をコートしたものが好ましい。
【0020】加熱する条件としては、温度は立毛シート
を構成する高分子弾性体のガラス転移点以上でかつ該高
分子弾性体の融点より30℃高い温度以下であることが
好ましく、さらには高分子弾性体の融点より20℃低い
温度以上で融点より5℃高い温度以下であることがより
均一な立毛面が得られることから一層好ましい。ガラス
転移点以下ではプレスによる繊維質シートを構成する高
分子弾性体の変形が得られず目的とする該シートを構成
する高分子弾性体の平滑化が得られず、立毛処理後に立
毛が不均一となり好ましくない。また高分子弾性体の融
点より30℃高い温度を越える場合には、高分子弾性体
が大きく溶融し、立毛を構成する極細繊維と強く接着す
るため毛羽脱落性は改良するが、立毛シート全体がプレ
スにより密度が上昇し高級感を有する風合いが得られ
ず、また立毛面の高分子弾性体が加熱鏡面ロールに融着
し、シートを構成する高分子弾性体の剥離などが起こ
り、後処理品に欠点として現れるなど工程通過性、収率
が低下するため好ましくない。
【0021】また加熱ロールにてプレスする条件は、立
毛となる極細繊維束と該シートを構成する高分子弾性体
の融着が起こる条件であれば特に限定されないが、好ま
しくは高級感を有する風合いとなる密度勾配が得られる
条件であるプレス後で立毛シートの厚みがプレス前の厚
みの60%から100%の範囲になる条件が好ましい。
プレス後の厚みがプレス前の厚みの60%未満となった
場合には、立毛シート全体の密度の上昇が大きく、反発
力が大きくなり、ゴム板状の風合いになるため好ましく
ない。
【0022】またプレスの方法としては、厚みの変化を
制御でき、かつ繊維質基体の表面にのみ熱をかけること
ができる方法であれば特に限定されないが、好ましくは
厚みクリアランスを取った加熱プレス方法が好適に使用
される。繊維質シート内に高分子弾性体が存在し、反発
性を有するため加熱プレス時の厚みクリアランスの設定
値は目標厚みよりも薄い設定が好ましく、好ましい厚み
クリアランスとしては立毛シート厚みの50%から90
%である。しかし高分子弾性体の反発性によって厚み変
化が変わるため、上記の範囲に限定される必要はない
【0023】また立毛面の加熱鏡面ロールプレス後の処
理として、毛羽脱落防止の方法を用いるのが好ましい。
好適に用いられる方法としては、立毛シートを構成する
高分子弾性体の溶剤を含む液体を加熱処理面に塗布する
方法、立毛シートを構成する高分子弾性体の非溶媒に溶
解又は分散した高分子弾性体を含む液体を加熱処理面に
塗布する方法が挙げられる。繊維質基体を構成する高分
子弾性体としてポリウレタンを使用している場合には、
高分子弾性体の溶剤として表面に塗布する液体として
は、好ましくはジメチルホルムアミドが挙げられる。高
分子弾性体表面への塗布液の浸透性をコントロールしや
すい点から、アセトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル
などの高分子弾性体の非溶剤と混合して用いるのが好ま
しい。混合比(重量)は溶剤/非溶剤=5/95〜40
/60の範囲にあることが好ましい。そしてこの液に
は、高分子弾性体や各種安定剤が添加されていてもよ
い。
【0024】高分子弾性体を溶解する液体を塗布する方
法としては、コンマコート、エアドクタコート、ナイフ
コートなど公知のコーティング方法が挙げられるが、塗
布液の浸透性および塗布量の管理の点でグラビアコーテ
ィング方法が好ましい。高分子弾性体を溶解する液体の
塗布量は5g/m2〜30g/m2の範囲内にあることが
好ましい。塗布量が5g/m2以下の場合には、高分子
弾性体の表面の溶解が不十分であり毛羽脱落効果が少な
いため好ましくない。また塗布量が30g/m2を越え
る場合には、塗布量が多すぎるため高分子弾性体の内部
まで浸透して溶解するため、好適な風合いが得られず好
ましくない。
【0025】また毛羽止めの方法として、前記したよう
に、繊維質シートの加熱ロールにてプレスされた面に繊
維質基体を構成する高分子弾性体の非溶剤に溶解又は分
散した高分子弾性体を塗布しても構わない。これに用い
る高分子弾性体液としては、タッチおよび処理の安定性
の点から水に分散したポリウレタンエマルジョンが挙げ
られる。また高分子弾性体の非溶剤として、酢酸ブチ
ル、アセトンなどの有機溶剤を使用しても構わない。塗
布する高分子弾性体の塗布量は固形分で5g/m2〜1
5g/m2の範囲内にあることが好ましい。塗布量が5
g/m2未満である場合には、高分子弾性体の表面への
付着が不十分であり目的とする効果が得られないため好
ましくない。また塗布量が15g/m2を越える場合に
は、塗布量が多すぎるため表面に膜状に存在し、立毛処
理時に除去されることとなるため好ましくない。また塗
布量が多くなる場合、表面は塗布した高分子弾性体のタ
ッチとなり、加熱ロールでのプレスの目的とするタッチ
と異なるため好ましくない。また液中の高分子弾性体の
濃度(重量)としては5%〜60%の範囲であることが
好ましく、さらに塗布処理の安定性およびタッチの改良
として該溶液中に増粘剤、架橋剤、顔料、浸透剤などの
添加剤が添加されていても構わない。
【0026】続いて加熱処理面に起毛処理を行うが、起
毛処理する方法としては、針布起毛機による起毛なども
用いられるが、サンドペーパーなどによるバフィングが
繊細かつ均一な起毛が可能なことより好ましい。
【0027】
【実施例】次に本発明の実施態様を具体的な実施例にて
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中の部、%はことわりの無いか
ぎり重量に関するものである。高分子弾性体のガラス転
移点および融点については、レオロジ(株)DVEレオス
ペクトラーを用いて温度に対する応力緩和より測定し
た。シート厚みについては、JISL−1094に従い
JIS厚み計にて測定した。毛羽の均一感の評価とし
て、立毛処理が均一に行われなかった場合、ライティン
グ性、フィンガーマークができたときに毛羽の短い部分
はシートの表面が表れてシミや欠点のように見えるた
め、ライティングをつけて黙視にてシミなどの欠点の状
態を判断した。平滑感、タッチとしては官能値であり、
複数の有識者にてザラザラしたタッチを1級、スムース
なタッチを5級として評価してもらった。また毛羽脱落
性の測定は、平面にシートを固定し、立毛表面を綿布に
て荷重をかけて200回擦り、綿布の表面に付着した立
毛の毛羽の程度で評価した。また風合いは天然皮革と比
較して評価した。
【0028】実施例1 6−ナイロン60部(島成分)と高流動性低密度ポリエ
チレン(海成分)40部からなる海島型複合繊維を溶融
紡糸により得て、これを70℃の熱水中で2.5倍に延
伸し、繊維油剤を付与し、機械捲縮をかけて乾燥後、5
1mmにカットして3.5デニールのステープルとし
た。この海島型複合繊維の島成分の太さは平均0.00
5デニールであった。このステープルをカードで解繊
し、クロスラップ法で目付500g/m2のウェッブを
形成、ついで両面から交互に合わせて約500パンチ/
2のニードルパンチングを行い、さらに加熱し、カレ
ンダーロールでプレスすることで表面の平滑な絡合不織
布をつくった。この絡合不織布の目付は540g/
2、見かけ密度は、0.3g/cm3 であった。
【0029】この絡合不織布にポリテトラメチレンエー
テル系ポリウレタン(ポリテトラメチレングリコールの
平均分子量:3000、ジイソシアネート成分:4,
4’−ジフェニルメチレンジイソシアネート、鎖伸長
剤:エチレングリコール、ガラス転移点:−10℃、融
点195℃)を主体とするポリウレタンのジメチルホル
ムアミド(DMF)溶液(ポリウレタン濃度20%)を
含浸し、DMF/水=3/7の混合液の中に浸して湿式
凝固した後、熱トルエン中で複合繊維中の海成分を溶出
除去して極細繊維を発現させ、厚み0.6mmの繊維質
基体を得た。繊維質基体中のポリウレタン含有率は44
%であり、ポリウレタンは多孔質状態となっていた。
【0030】この繊維質基体の片面をプレスロールとバ
ックロールの間に0.35mmのクリアランスをとって
表面温度をポリウレタンの融点の−15℃(すなわち1
80℃)にてカレンダーロールを使用してプレスした。
プレスにより厚みは83%に減少した。このあと立毛処
理としてサンドペーパーにてバフィングを施した。得ら
れた立毛シートを染色したところ風合いおよび毛羽脱落
性に優れた立毛シートが得られた。表面の平滑感が良
く、タッチにスムース感があり、引っかかるような感触
もなく良好であった。また厚み方向について立毛表面に
近づくほど基体の密度が向上した天然皮革様の風合いを
有したスエード調の立毛シートが得られた。このシート
の厚みを測定すると0.5mmであり、場所による厚み
の不均一性はなかった。表面を指でなぞると指の後がつ
いて優美なライティングが現れた。また、ライティング
を立毛表面につけたときに表面にシミのような欠点は見
られなかった。
【0031】比較例1 実施例1で得られた繊維質基体を加熱ロールによる処理
を行わずに実施例1と同様に起毛処理して染色したとこ
ろ、表面は優美なスエード感を有したシートとなった
が、均一な立毛ではなく所々に立毛が短いところがみら
れ、ライティングしたときにシミの様な欠点が所々に見
られた。また、タッチもザラザラしていて、毛羽のもつ
れや脱落が多く高級感を損ねるものであった。
【0032】比較例2 実施例1で得られた繊維質基体の片面に表面温度をポリ
ウレタンの融点の+35℃(すなわち230℃)にてク
リアランスなしで加熱鏡面ロールでプレスし、起毛処理
して染色したところ、立毛が繊維質シートを構成する高
分子弾性体と融着して立毛が短くなったが、表面は優美
なスエード感を示し、タッチも良好であり、ライティン
グを立毛表面につけたときに、毛羽脱落性に優れてい
た。しかし、厚みが0.35mmしかなく、風合いも反
発力が大きく硬く感じられ、天然皮革様の高級な風合い
ではなかった。
【0033】実施例2 実施例1で得られた繊維質基体の片面を、プレスロール
とバックロールの間に0.35mmのクリアランスをと
って表面温度をポリウレタンの融点の−15℃(すなわ
ち180℃)にてカレンダーロールにてプレスし、厚み
0.45mmのシートを得た。得られたシートの表面に
水95部およびイソプロピルアルコール5部の溶媒に分
散した水性ポリウレタンエマルジョン溶液(ポリウレタ
ン濃度:15%)を30g/m2の塗布量にて加熱処理面
に塗布・乾燥した後、塗布面をサンドペーパーを用いて
バフィングして、このシートを染色、整毛してスエード
調立毛シートを得た。このシートは、天然皮革様の風合
いを有し、かつライティングを立毛表面につけたときに
シミの様な欠点が表れない均一な立毛を有ていた。また
毛羽脱落性にも優れる立毛シートとなった。またタッチ
が付着したポリウレタンエマルジョンの効果でドライな
タッチとなり、より天然皮革に似た立毛シートとなっ
た。
【0034】比較例3 実施例1で得られた繊維質基体の片面を、ともに繊維質
基体の非溶媒である水95部およびイソプロピルアルコ
ール5部の混合液に分散した水性ポリウレタンエマルジ
ョン溶液(樹脂濃度10%)を30g/m2の塗布量に
て塗布した後サンドペーパーを用いてバフィングして立
毛シートを得た。このシートはライティングを立毛表面
につけたときにシミの様な欠点が所々表れ、高級感が不
足していた。また毛羽脱落性に優れる立毛シートとなっ
たが、風合いは反発力が低く、風合いは柔軟ではあるが
天然皮革のような充実感は得られなかった。
【0035】実施例3 実施例1で得られた繊維質基体の片面を、プレスロール
とバックロールの間に0.35mmのクリアランスをと
って表面温度を基体を構成するポリウレタンの融点の−
15℃(すなわち180℃)にてカレンダーロールにて
プレスした。得られたシートの厚みは0.50mmであ
った。得られたシートの表面に該シートを構成する高分
子弾性体の溶剤であるDMFを15%含む溶液(構成溶
剤:酢酸ブチル:アセトン:DMF=42.5:42.
5:15)をグラビアコーティング方式にて塗布量15
g/m2にて加熱処理面に塗布した後サンドペーパーを
用いてバフィングし、このシートを染色、整毛してスエ
ード調立毛シートを得た。このシートは天然皮革様の風
合いを有し、かつ、ライティングを立毛表面につけたと
きにシミの様な欠点が表れない均一な立毛を有した立毛
シートであり、かつタッチがスムースであり毛羽脱落性
に優れる立毛シートであった。
【0036】比較例4 実施例1で得られた繊維質基体の片面に実施例3に用い
た高分子弾性体と同一の該基体を構成する高分子弾性体
の溶剤を含む溶液を片面に塗布した後サンドペーパーを
用いてバフィングし、染色、整毛してスエード調立毛シ
ートを得た。このシートはライティングを立毛表面につ
けたときにシミの様な欠点が表れ、高級感が不足してい
た。また毛羽脱落はほとんど見られず、毛羽脱落性に優
れる立毛シートとなったが、風合いは反発力が低く、柔
軟ではあるが、充実感にかけた風合いとなった。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明により得られる立毛シートは、毛
羽の長さが均一でライティング、フィンガーマークのつ
けた面で毛羽が均一で、シミの様に見えることがない均
一な表面立毛感に優れ、天然皮革様の風合いを有し、か
つ毛羽脱落性優れる立毛シートである。従って本発明の
スエード調シートを使用して衣料、靴、バッグ類におい
て、高級感を有する製品とすることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】極細繊維または極細繊維束からなる三次元
    絡合不織布とその繊維間または繊維束間に存在する多孔
    質高分子弾性体からなるシートの少なくとも一方の面を
    該高分子弾性体のガラス転移点以上の温度に加熱された
    ロールで表面層を加熱および印圧することにより、該シ
    ートを構成する高分子弾性体の一部を溶融して該シート
    の表面を平滑化したのち起毛処理を施すことを特徴とす
    る立毛シートの製造方法。
  2. 【請求項2】表面層を加熱および印圧する工程と起毛す
    る工程の間に、該シートを構成する高分子弾性体の非溶
    剤に溶解又は分散した高分子弾性体液を加熱処理面に塗
    布する請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】表面層を加熱および印圧する工程と起毛す
    る工程の間に、該シートを構成する高分子弾性体の溶剤
    を含有する液体を加熱処理面に塗布する請求項1記載の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003013844A1 (fr) * 2001-08-06 2003-02-20 Daikin Industries, Ltd. Resine moulee, objet en couches, et procedes de production associe
US6592960B1 (en) 1999-05-07 2003-07-15 Japan Absorbent Technology Bulky non-woven fabric and method for manufacturing the same
JP2007092184A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Toray Ind Inc パイル編織物
WO2011121940A1 (ja) 2010-03-31 2011-10-06 株式会社クラレ 皮革様シート
JP2012533695A (ja) * 2010-11-11 2012-12-27 タン,ウェイレン 超細繊維人工皮革及びその製造方法

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