JP3066120B2 - 皮革様複合シート状物の製造方法 - Google Patents

皮革様複合シート状物の製造方法

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JP3066120B2 JP3190634A JP19063491A JP3066120B2 JP 3066120 B2 JP3066120 B2 JP 3066120B2 JP 3190634 A JP3190634 A JP 3190634A JP 19063491 A JP19063491 A JP 19063491A JP 3066120 B2 JP3066120 B2 JP 3066120B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は皮革様複合シート状物の
製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は特定の構
造のポリカーボネート系ジオール成分とポリエーテル系
ジオール成分とを必須成分とするポリウレタンの発泡層
と繊維質基体からなる皮革様複合シート状物に関する。
【0002】本発明の皮革様複合シート物は特に優れた
柔軟性、風合、ドレープ性を有し、かつまた耐久性、耐
寒性、耐熱性を有していることから医療、インテリア、
袋物、鞄、靴などの素材として有用である。
【0003】
【従来の技術】従来より、繊維質基体およびポリウレタ
ン系樹脂よりなる皮革様複合シート状物として、いわゆ
る銀付き調またはスエード調の種々の合成皮革および人
工皮革が知られている。
【0004】優れた耐久性を要求される場合には該ポリ
ウレタン系樹脂としてポリカーボネート系のポリウレタ
ンを用いた例が知られている。例えば特公昭63−54
833号公報にはポリカーボネート系ポリウレタンエラ
ストマーを用いた耐光性及び耐加水分解性に優れた合成
皮革シート材料とその製造方法に関する内容が開示され
ている。また、特開平2−33384号公報には、2−
メチル−1,8−オクタンジオール単位を含有するポリ
カーボネート系ポリオールを有機ジイソシアネートおよ
び鎖伸長剤と反応させて得られるポリカーボネート系ポ
リウレタンを表皮材として用いることによって、柔軟性
および耐加水分解性の良好な合成皮革を製造し得ること
が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年の消費生活におけ
る高級化志向ならびに感性重視およびファッション重視
の傾向には目を見張るものがあり、合成皮革および人工
皮革のごとき皮革様シート状物においても従来は要求さ
れなかった特性に対する要求が厳しくなってきている。
本発明者らが皮革様複合シート状物の柔軟性、風合、耐
久性について検討したところ、上記特開昭63−548
33号公報にはポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が
用いられているが、樹脂が硬いため実質的にトップコー
トとして用いられているのみである。また特開平2−3
3384号公報に記載されているようなポリカーボネー
ト系ジオールと鎖伸長剤および有機ジイソシアネートと
を反応させて得られたポリウレタンの有機溶剤溶液を繊
維質基体に塗布した後、水中で凝固せしめて得られた皮
革様シート状物は耐久性には優れていたが、長鎖アルキ
レングリコールを使用しており極性が低いためか、ポリ
ウレタンエラストマーからなる層が一部発泡不良になっ
てしまい、結果として風合、ドレープ性が未だ満足のい
くものではなかった。また、ポリエーテル系のポリウレ
タンは耐加水分解性は優れるが、耐光性、耐熱劣化性が
悪いことは一般によく知られている。
【0006】本発明の目的は、繊維質基体およびポリウ
レタンエラストマー多孔質層からなり、特に柔軟性、風
合い、ドレープ性に優れ、かつ耐湿熱性、耐熱劣化性に
優れた皮革様複合シート状物の製造方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば上記の目
的は、(A)メチル基で置換されていてもよい1,8−
オクタンジオールおよび1,9−ノナンジオールからな
る群から選ばれる少なくとも一種の炭素数8〜10のア
ルカンジオールから誘導されるアルカンジオール単位と
カルボニル単位とを含むポリカーボネート系ジオール、
(B)両末端水酸基含有ポリオキシエチレン化合物より
なるポリエーテル系ジオールと鎖伸長剤および有機ジイ
ソシアネートとを、重量比で(A)/(B)=60/4
0〜90/10の比率で共重合させて得られるポリウレ
タンの有機溶剤溶液を繊維質基体に塗布し、ポリウレタ
ンの非溶剤で凝固せしめることによって達成される。
【0008】まず、本発明で使用する(A)成分のポリ
マージオールについて説明する。本発明において用いら
れるポリカーボネート系ジオール(以下これをポリカー
ボネート系ジオール(A)と称する)は上記の特定のア
ルカンジオール単位とカルボニル単位とを必須の構成単
位として有し、かつ分子鎖末端に平均して2個以上のア
ルコール性水酸基を有する。
【0009】ポリカーボネート系ジオール(A)の必須
の構成単位の一つである上記特定のアルカンジオール単
位は、1個のメチル基で置換されていても良い1,8−
オクタンジオールおよび1,9−ノナンジオールからな
る群から選ばれる少なくとも1種の炭素数8〜10のア
ルカンジオールから2個の水酸基中に含まれる2個の水
素原子を除いた形の単位(以下、かかる単位をアルカン
ジオール単位(I)と称する)であり、一般式
【0010】
【化1】
【0011】(式中、Rは水素原子またはメチル基を表
し、mは0〜4の、nは4〜8の整数を表し、ここでm
とnの和は7または8であるものとする)で示される。
該アルカンジオール単位(I)は、式
【0012】
【化2】
【0013】で示される2−メチル−1,8−オクタン
ジオール単位(以下MOD単位と称する)および/また
は式 -O-(CH2)9-O- で示される1,9−ノナンジオ
ール単位(以下ND単位と称する)であることが、得ら
れる皮革様シート状物が柔軟でかつ耐湿熱性、耐熱劣化
性において特に優れる事から望ましい。化1で表される
アルカンジオール単位において炭素数が8より小さいと
耐久性、特に耐湿熱性が悪くなる場合がある。また、炭
素数が10より大きいと本発明の目的である風合、ドレ
ープ性等が悪くなる場合がある。
【0014】アルカンジオール単位(I)中に含まれる
MOD単位およびND単位はそれらのうちの一方のみで
あっても良く、また両方であってもよいが、アルカンジ
オール単位(I)としてND単位とMOD単位の両方を
含み、かつND単位とMOD単位とのモル比が90/1
0〜10/90の範囲内、とりわけ80/20〜20/
80の範囲内であることが、得られる皮革様シート状物
の風合、柔軟性が特に良好となる場合が多いことから一
般的に好ましい。
【0015】ポリカーボネート系ジオール(A)は、本
発明の効果を損なわない範囲で、アルカンジオール単位
(I)以外の1種以上のジオール単位を含んでいても良
い。かかるジオール単位としては、例えば、エチレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネ
オペンチルグリコールなどの飽和脂肪族ジオール、1,
4−シクロヘキサンジオールなどの飽和脂環族ジオー
ル、キシリレングリコールなどの2価の芳香族アルコー
ルなどのジオールから2個の水酸基中に含まれる2個の
水素原子を除いた形の単位などが挙げられる。
【0016】ポリカーボネート系ジオールは、水酸基価
に基づいて求められた数平均分子量が500〜1000
0の範囲にあるものが望ましく、中でも800〜500
0の範囲にあることが、ポリカーボネート系ジオール
(A)およびそれから得られるポリウレタンの取扱い性
が良好となり、しかも得られる皮革様複合シート状物の
柔軟性、ドレープ性がいずれも特に良好となる場合が多
いことから、好ましい。
【0017】本発明におけるポリカーボネート系ジオー
ル(A)の製造方法としては特に制限されることなく、
公知のポリカーボネートの製造手段が適用可能である。
例えば、ポリカーボネート系ジオール(A)は、化1の
ジオール単位に対応する構造を有するジオール、および
エチレンカーボネートなどのアルキレンカーボネート、
ジフェニルカーボネートなどのジアリールカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネートなど
のジアルキルカーボネートなどの炭酸エステルを所望の
割合で使用して反応させるか、または該ジオールとホス
ゲンとを所望の割合で使用して反応させる事により製造
される。
【0018】次に本発明を構成するポリウレタンに用い
られる両末端水酸基含有ポリオキシエチレン化合物より
なるポリエーテル系ジオール(B)に関して説明する。
本発明において用いられる両末端水酸基含有ポリオキシ
エチレン化合物として低分子ジオール、アミン類、2価
フェノール、ジカルボン酸などの活性水素含有物にエチ
レンオキサイドが付加したものが挙げられる。低分子ジ
オールとしては、例えばエチレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−
ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル
1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オク
タンジオールなどが挙げられる。アミン類としては、メ
チルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、デシ
ルアミン、アリルアミンなどの脂肪族アミンピペラジン
などの脂環族アミン、ジエタノールアミンなどのアルカ
ノールアミンが挙げられる。また、2価フェノールとし
ては、例えばカテコール、レゾルシン、ヒドロキノンな
どが挙げられる。ジカルボン酸としては、コハク酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フ
マル酸、フタル酸、テレフタル酸などのジカルボン酸が
挙げられる。これらの活性水素含有化合物は1種または
2種以上使用することができる。
【0019】活性水素含有化合物にエチレンオキサイド
を付加させる方法は常法で良い。また、本発明において
は発明の特徴である柔軟性、ドレープ性を損なわない範
囲で、エチレンオキサイド以外のアルキレンオキサイド
をブロックもしくはランダムに付加しても良い。このば
あい、エチレンオキサイド以外のアルキレンオキサイド
の量は全オキサイドの20重量%未満が好ましい。かか
るアルキレンオキサイドの例としてはプロピレンオキサ
イド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイドが挙げ
られ、これらの1種または2種が使用できる。
【0020】本発明において用いられる両末端水酸基含
有ポリオキシエチレン化合物は、水酸基価に基づいて求
められた数平均分子量が500〜10000の範囲にあ
るものが望ましい。中でも800〜5000の範囲にあ
ることが、両末端水酸基含有ポリオキシエチレン化合物
およびそれから得られるポリウレタンの取り扱い性が良
好となり、しかも得られる皮革様複合シート状物の柔軟
性、ドレープ性および耐久性がいずれも特に良好となる
場合が多いことから好ましい。
【0021】上記ポリマージオール(A)と(B)の比
率は、重量比で60/40〜90/10の範囲にあるこ
とがポリウレタンエラストマーからなる層の発泡状態を
良好なものとする。また、風合、ドレープ性、および耐
久性の観点からも好ましい。より好ましくは、(A)/
(B)=60/40〜80/20の範囲である。(A)
と(B)の重量比(A)/(B)が60/40より小さ
くなると皮革様複合シート状物の耐久性が悪くなり、ま
た、水中で凝固せしめて得た皮革様シート状物における
ポリウレタン多孔質層は乾燥時に潰れた状態となってし
まう。また、(A)と(B)の重量比(A)/(B)が
90/10より大きくなると水中で凝固せしめて得た皮
革様シート状物におけるポリウレタン多孔質層には未発
泡部分が存在してしまい、ドレープ性が悪くなる。ま
た、風合も硬いものとなってしまう。
【0022】本発明においてポリウレタンエラストマー
を製造するために使用する有機ジイソシアネートは、通
常のポリウレタンの製造のために使用されているような
有機ジイソシアネートであればよい。かかる有機ジイソ
シアネートとしては、例えば4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、フェ
ニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート
などの芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添トリレ
ンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート
などの脂肪族または脂環式のジイソシアネートなどが挙
げられる。これらの有機ジイソシアネートの中でもとり
わけ4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ト
リレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
トなどが、汎用性が高いことなどから工業的に使用する
うえで有利である。
【0023】本発明においてはポリウレタンエラストマ
ーを製造するために、ポリマージオールと有機ジイソシ
アネートと、さらに鎖伸長剤を使用する。かかる鎖伸長
剤としては、通常のポリウレタンの製造のために使用さ
れているような鎖伸長剤であればよく、2個以上の活性
水素原子を分子中に有する分子量400以下の低分子化
合物が通常使用される。かかる低分子化合物の代表例と
しては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナ
ンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオールな
どの脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジオール
などの脂環式ジオール、キシリレングリコールなどの2
価の芳香族ジオール、ジエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、ジブチレングリコール、トリエチレン
グリコール、トリプロピレングリコールなどのポリアル
キレングリコール、ジメチロールプロピオン酸などのカ
ルボキシル基含有ジオール、エチレンジアミン、プロピ
レンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミ
ン、フェニレンジアミン、トリレンジアミンなどの脂肪
族、脂環式または芳香族のジアミン、ピペラジンなどの
2個のイミノ基を環式構造の中に含む複素環化合物、ア
ジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなど
のジヒドラジド、ヒドラジン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、グリセリンなどの3価以上
のアルコールなどが挙げられる。これら鎖伸長剤は、上
記のジオール、ジアミン、2個のイミノ基を環式構造の
中に含む複素環化合物、ジヒドラジド、ヒドラジンなど
の2個の活性水素原子を分子中に有する低分子化合物の
少なくとも1種を単独で、または上記の3価以上のアル
コールの少なくとも1種と組み合せて用いることが一般
的である。かかる鎖伸張剤の使用量は、通常、得られる
ポリウレタンに対して30重量%以下となる量であり、
1〜25重量%の範囲内となる量であることが好まし
い。
【0024】本発明で用いられるポリウレタンの溶液粘
度については、皮革様複合シート状物の風合、ドレープ
性、耐久性を良好とするため、30℃で測定されたジメ
チルホルムアミド溶媒中の固形分濃度25重量%の溶液
の粘度が5〜2000ポイズ、中でも50〜1000ポ
イズであることが一般的に好ましい。
【0025】ポリウレタンを製造するための具体的な操
作方法に関しては、公知のウレタン化反応の技術が用い
られる。例えば、上記のポリカーボネート系ジオール
(A)、ポリアルキレングリコールなどのポリマーポリ
オールおよび鎖伸長剤を混合し、約40〜100℃に予
熱したのち、有機ジイソシアネートを加え、50〜14
0℃で数時間反応させ、さらに要すれば既に使用さたも
のと同種または異種の鎖伸長剤を混合し、20〜140
℃で数時間反応させることにより所望のポリウレタンエ
ラストマーが得られる。なおウレタン化反応では、所望
により通常のウレタン化反応触媒、例えば有機スズ化合
物、有機チタン化合物、三級アミン類などを使用しても
よい。また、上記反応は有機ジイソシアネートに対して
不活性な有機溶剤の存在下に行ってもよい。その有機溶
剤としては、例えばトルエンなどの芳香族炭化水素、酢
酸エチルなどのエステル、ジメチルホルムアミドなどの
アミド類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、アセトンなどのケトン類、テトラヒドロフランなど
の環状エーテル類、トリクロルエチレンなどのハロゲン
化炭化水素等が単独で、または任意の混合物で用いられ
る。これらの例示された有機溶剤は、イソプロパノー
ル、エタノール、メタノール等のアルコール類と混合し
て用いてもよい。
【0026】有機溶剤の存在下に反応を行う場合には、
反応終了時における固形分含有量が5〜90重量%、中
でも10〜60重量%となるように有機溶剤の使用量を
調製するのが一般的である。
【0027】本発明の皮革様シート状物を構成する繊維
質基体は、通常の合成皮革および人工皮革を製造するた
めに使用されているような、織物、編物、不織布などの
二次元繊維集合体または三次元繊維集合体である。繊維
基体を構成する繊維としては、綿、麻、羊毛等の天然繊
維、ビスコースレーヨン繊維、銅アンモニアレーヨン繊
維等の再生繊維、アセテート繊維等の半合成繊維、ポリ
アミド繊維(ナイロン6繊維、ナイロン66繊維、芳香
族ナイロン繊維など)、ポリビニルアルコール繊維、ポ
リ塩化ビニリデン繊維、ポリエステル繊維、ポリアクリ
ロニトリル繊維、ポリウレタン繊維、ポリ(アルキレン
パラオキシベンゾエート)繊維等の合成繊維などの1種
または2種以上を用いることができるが、中でも綿、ポ
リアミド繊維(ナイロン6繊維、ナイロン66繊維、芳
香族ナイロン繊維など)、ポリビニルアルコール繊維、
ポリエステル繊維、ポリウレタン繊維等が好適に用いら
れる。これらの繊維は普通繊維であってもよく、また微
細繊維、多孔状繊維などの特殊形状繊維であってもよ
い。なお繊維質基体は、上記の繊維集合体に、ポリウレ
タンエラストマーなどの弾性ポリマーを含浸させたもの
であってもよい。
【0028】本発明の皮革様シート状物は、繊維質基体
上にポリウレタン系樹脂からなる層が被覆されている、
いわゆる銀付き調または重合体スエード調の形態のいず
れの形態を有してもよい。ポリウレタンからなる層が繊
維質基体上に被覆されている形態を有する皮革様複合シ
ート状物では、ポリウレタンからなる層と繊維質基体と
の間に接着剤層および/または中皮層が介在していても
よい。かかる接着剤層または中皮層を構成する樹脂とし
ては例えばポリウレタンなどが好適に採用される。
【0029】本発明において用いられるポリウレタン
は、皮革様複合シート状物の使用目的などに応じて、通
常の合成皮革または人工皮革において使用されているよ
うな各種の添加剤を配合することができる。そのような
添加剤としては、例えば無機物質充填剤、隠蔽剤、柔軟
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、界面活性剤、凝
固調節剤、滑剤等が挙げられる。
【0030】本発明の皮革様シート状物は、通常の合成
皮革および人工皮革を製造するために採用されているよ
うな、湿式凝固法などの公知の方法に準じて製造するこ
とができる。湿式法による皮革様シート状物の製造法と
しては、例えば、繊維質基体にポリウレタンの溶液を塗
布した後、該ポリウレタンの非溶剤中に浸漬することに
よって該ポリウレタンからなる多孔質層を形成させ、水
洗、乾燥することからなる方法を挙げることができる。
【0031】本発明の皮革様シート状物には、必要に応
じて通常の合成皮革および人工皮革に対して採用される
ような各種の後処理が施されていてもよい。そのような
後処理としては、例えばエンボス処理、揉み加工、皺加
工、柔軟剤処理、風合改良、着色、表面特性改良などの
ためのトップコートなどが挙げられる。
【0032】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例により限定されるものでは
ない。なお実施例中、化合物を次の通りの略号で示すこ
とがある。 EG :エチレングリコール MOD:2−メチル−1,8−オクタンジオール ND :1.9−ノナンジオール MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート PEG:数平均分子量2000のポリエチレングリコー
ル PPG:数平均分子量2000のポリプロピレングリコ
ール PTG:数平均分子量2000のポリテトラメチレング
リコール PNOC:NDとMODとの等モル混合物とエチレンカ
ーボネートとを縮合重合させることによって得られた数
平均分子量2000のポリカーボネート系ジオール PHC:ヘキサンジオールとエチレンカーボネートとを
縮合重合させることによって得られた数平均分子量20
00のポリカーボネート系ジオール
【0033】実施例1〜3、比較例1〜7 表1に示す組成のポリマージオール1000gと、EG
93g及びN,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)
2390gをジムロート冷却管付き三つ口フラスコに仕
込み、加温して均質な溶液とした後、有機ジイソシアネ
ートとしてMDI500gを仕込み、窒素雰囲気下80
℃で約8時間反応せしめた。さらに、DMF2390g
を加え希釈して、濃度25重量%のポリウレタン溶液を
得た。各溶液の30度での粘度(ポアズ)を表1に示し
た。得られた各ポリウレタン溶液をDMFで13重量%
になるよう希釈し、さらに添加剤としてアルコール変性
シリコーン油とポリオキシエチレン、ポリオキシプロピ
レンブロックコポリマーとの重量比0.5:1の混合物
をポリウレタン固形分に対して15重量%の量、また着
色剤としてカーボンブラック含有ビヒクル(大日精化
製、セイカセブンBS−1780−5ブラック)をポリ
ウレタン固形分に対して50重量%の量添加することに
よってポリウレタン組成液を調製した。得られた調製液
を、ポリエステル及びレーヨンの混紡織布の起毛面にナ
イフコートで1.0mmの厚さに塗布した後、温度25℃
の水中に浸漬し凝固せしめた。得られた凝固物を80℃
の熱水中で脱溶剤、洗浄した後、乾燥させることによっ
て多孔質のポリウレタン層および繊維質基体からなるシ
ート状物を得た。
【0034】得られたシート状物に表面処理、エンボシ
ングを行い銀付き皮革様複合シート状物を得た。これら
の皮革様複合シート状物は、ポリウレタン多孔質層のス
ポンジ状態、風合、ドレープ性、および130℃の雰囲
気下に1週間放置する熱劣化試験、相対湿度95%、温
度70℃の雰囲気下に10週間保持するジャングル試験
を実施した。評価結果を表1に示した。
【0035】
【表1】 表中の記号は ○:良好または変化なし ×:不良またはベタツキ、割れを発生
【0036】本発明の実施例1〜3の皮革様複合シート
状物は、ポリウレタン多孔質層がいずれも表面に対して
ほぼ垂直方向に延びた長い空孔を有する均一なスポンジ
構造であって、表面は平滑であった。風合も柔軟でドレ
ープ性にも優れており、黒度が高く高級感のある皮革様
複合シート状物であった。比較例1の皮革様複合シート
状物は、ポリウレタン多孔質層に巨大発泡部分を含む不
均質なもので、表面平滑性に劣り、風合、タッチの悪い
ものであった。比較例2〜7の皮革様複合シート状物
は、いずれもポリウレタン多孔質層に一部発泡不良によ
る非多孔質部分を含んでおり、表面の平滑性に劣り、風
合、ドレープ性にも劣っていた。特に、比較例5、6は
ポリウレタンそのものが硬く風合、ドレープ性に劣って
いた。
【0037】ポリカーボネート系ジオール成分の多い実
施例1〜3、比較例2、3、5〜7の皮革様複合シート
状物はいずれもジャングル試験および熱劣化試験におい
てベタツキや割れなどの発生がなく良好であったが、P
PGを共重合した比較例4の皮革様複合シート状物はジ
ャングル試験では良好であったが、熱劣化試験において
は割れなどの劣化の大きいものであった。また、PEG
成分の多い比較例1の皮革様複合シート状物はジャング
ル試験および熱劣化試験のいずれにおいてもポリウレタ
ンの劣化によるベタツキが発生した。これらの結果より
本発明の皮革様複合シート状物は、多孔質層とするとき
の凝固性に優れ、風合い、ドレープ性に優れると共に、
熱劣化性や耐ジャングル試験にも優れた皮革様複合シー
ト状物であることが分かる。
【0038】
【発明の効果】本発明の皮革様複合シート物は、特に優
れた柔軟性、風合、ドレープ性に優れ、かつ高温多湿下
のような悪条件に対しても長期に亙って耐久性に優れて
おり、医療、インテリア、袋物、鞄、靴などの素材とし
て従来使用し得なかった条件の下でも使用でき用途範囲
が拡大される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B29K 75:00 105:04 B29L 9:00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06N 3/14 B29C 44/00 B32B 5/24 101 B32B 27/40 C08L 75/04 B29K 75:00 B29K 105:04 B29L 9:00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)メチル基で置換されていてもよい
    1,8−オクタンジオールおよび1,9−ノナンジオー
    ルからなる群から選ばれる少なくとも一種の炭素数8〜
    10のアルカンジオールから誘導されるアルカンジオー
    ル単位とカルボニル単位とを含むポリカーボネート系ジ
    オール、(B)両末端水酸基含有ポリオキシエチレン化
    合物よりなるポリエーテル系ジオールと鎖伸長剤および
    有機ジイソシアネートとを、重量比で(A)/(B)=
    60/40〜90/10の比率で共重合させて得られる
    ポリウレタンの有機溶剤溶液を繊維質基体に塗布し、ポ
    リウレタンの非溶剤で凝固せしめることを特徴とする皮
    革様複合シート状物の製造方法。
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