JPH061875A - 多孔質性シート材料の製造方法及びシート - Google Patents

多孔質性シート材料の製造方法及びシート

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JPH061875A
JPH061875A JP15796092A JP15796092A JPH061875A JP H061875 A JPH061875 A JP H061875A JP 15796092 A JP15796092 A JP 15796092A JP 15796092 A JP15796092 A JP 15796092A JP H061875 A JPH061875 A JP H061875A
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敏夫 安田
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秀行 竹内
Shigetoki Nishino
茂時 西野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】湿式成膜性の良好な多孔質シート材料の製造方
法を得る。 【構成】ポリ(1,6−ヘキサメチレンカーボネート)
ジオールとイソホロンジイソシアネートとを反応せしめ
て得られる末端イソシアネート基プレポリマーをジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネートで鎖伸長させたポリ
ウレタン樹脂に、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ートとイソホロンジアミンとを当量反応させたポリ尿素
樹脂を加えた組成物をPET不織布に塗布した後、湿式
凝固させる(実施例1)。 【効果】湿式成膜性が良好で得られた多孔質シート材料
は風合いも良好であった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿式成膜するポリウレ
タン多孔質性シート材料の製造方法及びポリウレタン多
孔質性シート材料に関する。
【0002】
【従来の技術】脂肪族ポリイソシアネート及び/または
脂環族ポリイソシアネートを有機ポリイソシアネートの
必須成分としてポリオールと反応せしめたポリウレタン
樹脂を湿式凝固方式により湿式成膜するポリウレタン多
孔質性シート材料の製造方法は良く知られている。
【0003】しかしながら、上記したポリウレタン樹脂
は、湿式成膜性が悪く、そのために風合いが非常に硬く
なるなどの問題があり、そのままでは使用に供すること
が出来る多孔質性シート材料を製造することが出来な
い。
【0004】そこで従来は、ポリウレタン樹脂に成膜助
剤としてセルロースアセテートブチレート(CAB)や
セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘
導体を使用して湿式成膜したポリウレタン多孔質性シー
ト材料を製造している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、セルロ
ース誘導体を併用しても未だその湿式成膜性が不十分で
あり、柔軟な風合い維持効果がなく、また、セルロース
誘導体は湿式成膜されるポリウレタン樹脂との親和性が
乏しいために、調合液がポリウレタン主成分相とセルロ
ース誘導体主成分相に分離してしまい、安定して優れた
多孔質性シート材料を製造することが出来ないという欠
点がある。
【0006】従って、湿式成膜性に優れ、安定で風合い
にも優れた多孔質性シート材料を形成できる成膜助剤が
求められている。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、上
記実状に鑑みて鋭意検討したところ、成膜助剤としてポ
リ尿素樹脂を用いると、湿式成膜性良く安定して優れた
ポリウレタン多孔質性シート材料が得られることを見い
だし、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、脂肪族ポリイソシアネ
ート及び/または脂環族ポリイソシアネートを有機ポリ
イソシアネートの必須成分としてポリオールと反応せし
めたポリウレタン樹脂を成膜助剤と共に湿式凝固方式に
よる湿式成膜するポリウレタン多孔質性シート材料の製
造方法において、前記成膜助剤として、ポリ尿素樹脂を
用いることを特徴とするポリウレタン多孔質性シート材
料の製造方法、及びポリカーボネートジオールとジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネートとシシクロヘキシル
メタンジアミンとを反応せしめたポリウレタン樹脂から
なる合成皮革層を必須の層として有する多孔質性シート
材料を提供するものである。
【0009】本発明は、湿式成膜時に成膜助剤としてポ
リ尿素樹脂を用いること特徴としており、湿式成膜法自
体は、従来通りの公知慣用の方法がいずれも採用でき
る。本発明の多孔質性シート材料の製造プロセスの一例
を次に示すが、これに限られたものではない事は勿論の
ことである。まず、ポリ尿素樹脂を含有するポリウレタ
ン樹脂の有機溶剤溶液を、繊維質基材に含浸及び/また
は塗布しもしくはプラスチックフィルム基材等に塗布せ
しめた後、ポリウレタン樹脂の有機溶剤は溶解するがポ
リウレタン固形分は溶解しない溶剤(以下、凝固液とい
う。)中に浸漬し、ポリウレタン樹脂を凝固せしめて多
孔質を形成させ、場合により次いで多孔質中に残留して
いる有機溶剤を完全に除去し、加熱乾燥により多孔質性
シート材料を得る。この際、凝固液としては水を主成分
とする溶剤が用いられ、ポリウレタン樹脂の溶剤として
は、水と任意に混和する親水性有機溶剤が用いられる。
【0010】本発明者らの知見によると、驚くべきこと
に、かかる湿式成膜に於て、有機ポリイソシアネートと
有機ポリアミン及び/または水との反応物であるポリ尿
素樹脂を併用すれば、湿式成膜性が改善でき、特にポリ
尿素樹脂はポリウレタン樹脂調合液中で分散しているこ
とが、ポリウレタン樹脂に極めて優れた湿式成膜性を付
与できる。また、そのポリ尿素樹脂は、ポリウレタン樹
脂と類似の繰り返し単位を有することによってポリウレ
タン樹脂との親和性に優れていることが、前記セルロー
ス誘導体の如き調合液の分離現象を起こすことなく、安
定した製造を可能とすると考えられる。
【0011】本発明に於て多孔質を形成する、脂肪族ポ
リイソシアネート及び/または脂環族ポリイソシアネー
トを有機ポリイソシアネートの必須成分としてポリオー
ルと反応せしめたポリウレタン樹脂は、例えば活性水素
を有する高分子量ポリオール、活性水素を有する低分子
量ポリオール(いわゆる鎖伸長剤)、脂肪族ポリイソシ
アネート及び/または脂環族ポリイソシアネートを必須
成分とする有機ポリイソシアネートとを反応せしめて得
られるポリウレタン樹脂である。
【0012】このポリウレタン樹脂の製造方法として
は、例えば予め無溶剤下、必要に応じて触媒の存在下で
重合反応せしめ、これを有機溶剤に溶解する方法、ある
いは有機溶剤中で前記重合反応を行う方法等が挙げられ
る。
【0013】ポリウレタン樹脂を製造する際の活性水素
を有する高分子量ポリオールとしては、ジオールが好ま
しく公知慣用のものがいずれも使用できるが、平均分子
量500〜 8,000のものが好ましい。例えば、ポリ
エチレンアジペートグリコール、ポリエチレンブチレン
アジペートグリコール、ポリプロピレンアジペートグリ
コール、ポリブチレンアジペートグリコール、ポリジエ
チレンブチレンアジペートグリコール、ポリヘキサメチ
レンアジペートグリコール、ポリエチレンサクシネート
グリコール、ポリプロピレンアゼレートグリコール、ポ
リエチレンブチレンセバケートグリコール、ポリブチレ
ンテレフタレートグリコール等のエチレングリコール、
ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレ
ングリコール、オクタメチレングリコール、ビス(ヒド
ロキメチル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−
ジヒドロキシフェニル)プロパン等の1種若しくは2種
以上の低分子量グリコールと琥珀酸、アジピン酸、アゼ
ライン酸、セバチン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等
の1種若しくは2種以上のジカルボン酸との縮合ポリエ
ステルジオール;ポリカプロラクトンジオール;ポリエ
チレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグ
リコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポ
リエチレンテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘ
キサメチレンエーテルグリコール等のポリアルキレンエ
ーテルポリオール;ポリアミドジオール、ポリアミドポ
リエステルジオール、ポリカーボネートジオール等のポ
リマージオール;
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】(上記化合物中のphはフェニル基、m、
nは、同一でも異なっていてもよい5〜70の整数であ
る。)等のシリコンジオールなどなどが挙げられ、これ
らは単独使用でも二種以上の併用でもよい。
【0018】活性水素を有する低分子量ポリオール(い
わゆる鎖伸長剤)としては、エチレンジアミン、プロピ
レンジアミン、イソホロンジアミン、シクロヘキサンジ
アミン、、ジシクロヘキシルメタンジアミン、フェニレ
ンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジシ
クロヘキシルメタン、2,2−ビス(4,4−ジアミノ
−シクロヘキシル)プロパン、t―ブチルアミン、ヒド
ラジン、ジメチルヒドラジン等の有機アミン、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコー
ル、ビス(ヒドロキメチル)シクロヘキサン、2,2−
ビス(4,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン等のグ
リコールの1種若しくは2種以上が用いられる。
【0019】有機ポリイソシアネートとしては、必須成
分の脂肪族ポリイソシアネート及び/または脂環族ポリ
イソシアネートには、エチレンジイソシアネート、テト
ラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート、ジシクロヘキシルジメチルメタンジイソシア
ネート等の1種若しくは2種以上が用いられ、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシア
ネートの1種若しくは2種以上がそれに併用されてもよ
い。
【0020】これらの活性水素含有化合物と有機ポリイ
ソシアネートからポリウレタン樹脂を得るには、必要に
応じて触媒の存在下、有機溶剤中で反応せしめるのが容
易である。この際の反応条件は特に制限されるものでは
ないが、通常20〜150℃で0.5〜12時間であ
る。上記触媒としては、例えばトリエチルアミン、トル
エチレンジアミン、モルホリン等の含窒素化合物、酢酸
カリウム、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸錫等の金属
塩、ジブチル錫ジラウレートの如き有機金属化合物等が
挙げられる。更に必要があれば、重合反応停止剤とし
て、例えばメタノール、ブタノール、シクロヘキサノー
ル等の1価アルコールやジブチルアミンなどを使用する
ことができる。
【0021】尚、本発明者等の知見によれば、後に詳述
する成膜助剤の存否にかかわらず、高温における耐光性
が要求される極めて過酷な性能が要求される用途におい
ては、ポリウレタン樹脂としては、ポリカーボネートジ
オールとジシクロヘキシルメタンジイソシアネートとジ
シクロヘキシルメタンジアミンとを反応せしめたポリウ
レタン樹脂が特に優れていることがわかった。
【0022】ポリウレタン樹脂の溶剤としては、例えば
ジメチルホルムアミド(DMF),ジメチルスルフォキ
シド、ジオキサン、アセトン等の1種若しくは2種以上
が挙げられるが、DMFが最も好ましい。
【0023】本発明のポリ尿素樹脂に用いられる、有機
ポリイソシアネートと有機ポリアミンは、例えば前記ポ
リウレタン樹脂に用いられる有機ポリイソシアネートと
有機ポリアミンが使用できるが、ポリウレタン樹脂に使
用されるものと同一の脂肪族及び/または脂環族のもの
が好ましい。
【0024】ところで、上記した様な高温における耐光
性が要求される極めて過酷な性能が要求される用途にお
いて用いられるポリ尿素樹脂としては、ジシクロヘキシ
ルメタンジイソシアネートとジシクロヘキシルメタンジ
アミンとを反応せしめたポリウレタン樹脂が特に優れて
いる。
【0025】ポリ尿素樹脂は、有機ポリイソシアネート
/有機ポリアミンの当量比が、1.0/0.6〜1.0
/1.0となるような割合で、必要に応じて触媒の存在
下、反応せしめれば容易に得られる。この際の反応条件
は特に制限されるものではないが、通常20〜150℃
で 0.5〜12時間であり、触媒としては、例えば前
記ポリウレタン樹脂の重合反応に挙げたものがいずれも
使用できる。この様にして得られるポリ尿素樹脂溶液を
別操作で重合したポリウレタン樹脂溶液に添加して調合
液を作成する以外に、該ポリウレタン樹脂溶液の重合反
応後に連続してポリ尿素樹脂の重合反応を実施してポリ
尿素樹脂を含有するポリウレタン樹脂溶液を調整する方
法も本発明に含まれるものである。後者の方法を採用し
た場合は、反応容器が一つで済むので、別途それぞれ製
造したものを混合するという手間が省ける。場合によっ
ては、別途それぞれ製造したものを混合した組成物に比
べて、相溶性がよくなることもある。
【0026】本発明に用いられるポリ尿素樹脂として
は、平均分子量1,000以上100,000以下のもの
が特に好ましい。この範囲のものはポリウレタン樹脂の
有機溶剤に均一かつ充分に分散できるとともに、充分な
特に優れた湿式成膜性を付与できる。しかもポリ尿素樹
脂そのものを得るための重合反応も極めて容易である。
【0027】本発明に用いられるポリ尿素樹脂固形分の
使用量は、通常ポリウレタン樹脂固形分100重量部当
たり、30重量部以下、中でも0.5〜25重量部とす
るのが好ましい。この範囲であれば、湿式成膜性も良好
で、かつ得られるポリウレタン多孔質性シート材料はポ
リ尿素樹脂そのものの硬さが発現しにくく、実用上の柔
軟性も良好なものとなる。
【0028】本発明に用いられる含浸及び/または塗布
される繊維質基材、プラスチックフィルム基材として
は、公知慣用のものがいずれも使用できる。例えば、繊
維質基材としては、繊維を不織布、織布、編布などの形
状にした繊維集合体、或いは繊維集合体の各繊維間が弾
性重合体で結合されたものであり、この繊維集合体に用
いられる繊維は、通常の繊維、例えば木綿、麻、羊毛等
の天然繊維、レーヨン、アセテート等の再生または半合
成繊維、あるいはナイロン、ポリエステル、ポリアクリ
ロニトリル、ビニロン、ポリオレフィン等の合成繊維が
挙げられ、単独紡糸繊維は勿論のこと、混合紡糸繊維
(複合紡糸繊維を含む)でもよい。その他の基材とし
て、紙、離型紙、ポリエステルやポリオレフィン等のプ
ラスチックフィルム、アルミなどの金属箔も挙げられ、
用途に応じて得られるシート材料は基材から剥離して使
用してもよい。
【0029】本発明の製造方法では、ポリ尿素樹脂を含
有するポリウレタン樹脂の有機溶剤溶液を、通常の湿式
成膜処理をして多孔質性シートを得るが、この際に、樹
脂溶液には、必要に応じて着色剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、難燃剤、撥水撥油剤、脱臭剤、帯電防止剤、芳
香剤、離型剤、滑剤、充填剤、凝固安定剤、発泡剤等の
添加剤を単独であるいは二種以上併せて添加することが
できる。さらに必要に応じて合成ゴム、ポリ塩化ビニル
或いは塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル或は酢酸ビニル
共重合体、アミノ酸樹脂、ポリウレタン/ポリアミノ酸
ブロック共重合体、ポリエステルエラストマー、ポリア
ミドエラストマー、ポリアミド等の重合体を添加するこ
とができる。
【0030】かくして本発明の製造方法より得られるポ
リウレタン多孔質性シート材料は、湿式成膜性に優れ安
定したものであるが、更には、そのウレタン多孔質層が
均整なセル構造を有しているために、シート材料の少な
くとも1面を研削することにより、いわゆるスエード調
の外観を与えるという特徴も有している。
【0031】本発明の製造方法で得られた多孔質性シー
ト材料は、例えばそのもの単体で或いは公知慣用の材料
と積層して用いることができる。この様にして得られた
多孔質性シート材料は、例えば靴、鞄、椅子等の家具、
自動車座席シート等の車両内装材などの公知慣用の分野
でいずれも使用可能である。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0033】尚、実施例、比較例の部及び%は断わりの
ない限り重量基準である。以下に於て記載される記号の
意味は次の通りである。 IPDI :イソホロンジイソシアネート H12MDI:ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート IPDA :イソホロンジアミン H12MDA:ジシクロヘキシルメタンジアミン 実施例1 〈ポリウレタン樹脂溶液の調整〉攪拌機、還流冷却管及
び温度計を備えた反応器中に、平均分子量2,000な
るポリ(1,6−ヘキサメチレンカーボネート)ジオー
ルの200部及びDMFの70部を仕込み、均一に溶解
させた後、ここにIPDIの56部と、反応触媒として
のオクチル酸第一錫の 0.06部とを加え、80℃で
4時間反応させてから、100部のDMFを加えて冷却
したところ、固形分が60%で、且つイソシアネート基
当量が1419成るイソシアネートプレポリマーの溶液
が得られた。このイソシアネートプレポリマー溶液28
4部を、21部のH12MDA、652部のDMF、0.
2部の反応停止剤(ジブチルアミン)の仕込まれた同様
の反応器中に仕込み、35℃で2時間反応させて、固形
分が20%の目的の無色透明粘ちょう溶液(PU−1)
957部を得た。
【0034】〈ポリ尿素樹脂溶液の調整〉攪拌機、還流
冷却管及び温度計を備えた反応器中に、561部のDM
F、85部のH12MDIを仕込み、均一に溶解させてか
ら、H12MDI/IPDAが1.0/1.0当量比とな
るように55部のIPDAを仕込み、40℃で1時間反
応させて、固形分が20%の平均分子量80,000の
白濁したポリ尿素樹脂溶液(UR−1)701部を得
た。
【0035】〈多孔質性シート材料の製造〉繊維長38
mm、繊度1.0デニールのポリエチレンテレフタレー
ト繊維から成る、予めウレタン重合体で絡合された厚さ
1.3mm、重量400g/m2の不織布床を基材とし、P
U−1の200部、UR−1の30部、ペースト状顔料
の5部からなる樹脂固形分20%の調合液を該基材上に
800g/m2塗布し、20℃の10%DMF水溶液中
に浸漬して湿式凝固せしめた。次いで、70℃の温水中
に浸漬して過剰の脱溶剤処理を行い、絞液ロールで絞
り、120℃で乾燥して多孔質性シート材料を得た。
【0036】得られた多孔質性シート材料は、湿式成膜
性が優れるために繊維質基材上の多孔質層が非常に平滑
なものであり、しかも風合いも柔軟であった。この多孔
質性シート材料は、様々な表面意匠加工も出来、非常に
実用性の高いものであった。 比較例1 ポリ尿素樹脂(UR−1)を使用しない以外は実施例1
と全く同一にして多孔質性シート材料を得た。
【0037】この際の湿式成膜性は極めて悪く、得られ
た多孔質性シート材料は、繊維質基材上の多孔質層が完
全に崩壊しており、柔軟性がなく、全く実用に供するこ
との出来ないものであった。 比較例2 ポリ尿素樹脂(UR−1)の代わりに、CABをDMF
で固形分が20%になるように溶解した溶液を使用する
以外は実施例1と全く同一にして多孔質性シート材料を
得た。湿式成膜性は比較例1よりはましだが、まだ不十
分であった。
【0038】得られた多孔質性シート材料は、繊維質基
材上の多孔質層が凹凸状に崩壊し、柔軟性も劣ってい
た。多孔質性シート材料を製造する際、組成物の安定性
も実施例1のものに比べれば格段に悪かった。結果的に
シート材料は、この全く実用に供することの出来ないも
のであった。 実施例2 〈ポリウレタン樹脂溶液の調整〉攪拌機、還流冷却管及
び温度計を備えた反応器中に、平均分子量2,000な
るポリブチレンアジペートの200部及びDMFの70
部を仕込み、均一に溶解させた後、ここにIPDIの5
6部と、反応触媒としてのオクチル酸第一錫の 0.06
部とを加え、80℃で4時間反応させてから、100部
のDMFを加えて冷却したところ、固形分が60%で、
且つイソシアネート基当量が1419成るイソシアネー
トプレポリマーの溶液が得られた。このイソシアネート
プレポリマー溶液284部を、21部のH12MDA、6
52部のDMF、0.2部の反応停止剤(ジブチルアミ
ン) の仕込まれた同様の反応器中に仕込み、35℃で
2時間反応させて、固形分が20%の目的の無色透明粘
ちょう溶液(PU−2)957部を得た。
【0039】〈ポリ尿素樹脂溶液の調整〉攪拌機、還流
冷却管及び温度計を備えた反応器中に、748部のDM
F、100部のIPDIを仕込み、均一に溶解させてか
ら、IPDI/H12MDAが1.0/0.80当量比と
なるように76部のH12MDAを仕込み、40℃で1時
間反応させて、反応停止剤(ジブチルアミン)12部を
加えて、固形分が20%の平均分子量2,000の白濁
したポリ尿素樹脂溶液(UR−2)936部を得た。
【0040】〈多孔質性シート材料の製造〉繊維長38
mm、繊度1,0デニールのポリエチレンテレフタレー
ト繊維から成る厚さ1.3mm、重量250g/m2
不織布を基材とし、PU−2の200部、UR−2の4
0部、DMFの80部からなる樹脂固形分15%の調合
液に該基材を浸漬した。次いで、基材対調合液の比が1
00対600となるように絞液した後、20℃の10%
DMF水溶液中に浸漬して湿式凝固せしめた。次いで、
70℃の温水中に浸漬して過剰の脱溶剤処理を行い、絞
液ロールで絞り、120℃で乾燥して多孔質性シート材
料を得た。
【0041】得られた多孔質性シート材料は、湿式成膜
性が優れるために繊維質基材の表面層が非常に平滑で、
しかも風合いの柔軟なものであった。以上、実施例1〜
2及び比較例1〜2の結果を表−1にまとめた。
【0042】
【表1】
【0043】実施例3 〈ポリウレタン樹脂溶液の調整〉攪拌機、還流冷却管及
び温度計を備えた反応器中に、平均分子量2,000な
るポリ(1,6−ヘキサメチレンカーボネート)ジオー
ルの200部及びDMFの196部を仕込み、均一に溶
解させた後、ここにH12MDIの39部と、反応触媒と
してのオクチル酸第一錫の 0.06部とを加え、80
℃で4時間反応させてから、固形分が55%で、且つイ
ソシアネート基当量が4425成るイソシアネートプレ
ポリマーの溶液が得られた。このイソシアネートプレポ
リマー溶液186部を、36部のH12MDA、470部
のDMF、0.2 部の反応停止剤(ジブチルアミン)
の仕込まれた同様の反応器中に仕込み、35℃で2時間
反応させて、固形分が20%の目的の無色透明粘ちょう
溶液(PU−3)692部を得た。
【0044】〈ポリ尿素樹脂溶液の調整〉攪拌機、還流
冷却管及び温度計を備えた反応器中に、600部のDM
F、84部のH12MDIを仕込み、均一に溶解させてか
ら、H12MDI/H12MDAが1.0/0.98当量比
となるように66部のH12MDAを仕込み、40℃で1
時間反応させて、固形分が20%の平均分子量20,0
00の白濁したポリ尿素樹脂溶液(UR−3)750部
を得た。
【0045】〈多孔質性シート材料の製造〉PU−3の
200部、UR−3の2部、ペースト状青色顔料20部
からなる樹脂固形分20%の調合液を、ポリエチレンテ
レフタレートフィルム(東レ株式会社製ルミラー#T−
125)上に900g/m2塗布し、20℃の10%D
MF水溶液中に浸漬して湿式凝固せしめた。次いで、5
0℃の温水中に浸漬して過剰の脱溶剤処理を行い、絞液
ロールで絞り、100℃で乾燥して後ポリエチレンテレ
フタレートフィルムから剥離して多孔質性シート材料を
得た。
【0046】得られた多孔質性シート材料は、湿式成膜
性が優れ、また膠着しない柔軟な皮膜であり、様々な表
面意匠が出来る非常に実用性の高いものであった。 実施例4 実施例3において、ウレタン樹脂の重合反応後にポリ尿
素樹脂の重合反応を連続して実施して得られる調合液を
用いて、多孔質性シート材料を製造した。
【0047】すなわち、攪拌機、還流冷却管及び温度計
を備えた反応器中に、平均分子量2,000なるポリ
(1,6−ヘキサメチレンカーボネート)ジオールの2
00部及びDMFの196部を仕込み、均一に溶解させ
た後、ここにH12MDIの39部と、反応触媒としての
オクチル酸第一錫の 0.06部とを加え、80℃で4
時間反応させてから、固形分が55%で、且つイソシア
ネート基当量が4425成るイソシアネートプレポリマ
ーの溶液を得る。このイソシアネートプレポリマー溶液
186部を、36部のH12MDA、470部のDMF、
0.2部の反応停止剤(ジブチルアミン)の仕込まれた
同様の反応器中に仕込み、35℃で2時間反応させて、
ウレタン重合反応を終える。次いで連続してH12MDI
/H12MDAが1.0/0.98当量比となるように、
12MDIを0.78部仕込み、均一に溶解させてか
ら、H12MDAを0.61部加え、40℃で1時間反応
させて、固形分が20%の白濁した粘ちょう溶液を得
る。この粘ちょう溶液200部にペースト状顔料20部
を加え、多孔質性シート材料製造用調合液とした。この
方法では、反応釜がひとつで済み、別途得られたポリウ
レタン樹脂とポリ尿素樹脂を混合する手間も省けた。
【0048】この調合液を用いる以外は、実施例1と同
様な操作を行い、多孔質性シート材料を得た。得られた
多孔質性シート材料は、湿式成膜性が優れ、また膠着し
ない柔軟な皮膜であり、様々な表面意匠が出来る非常に
実用性の高いものであった。
【0049】実施例3〜4の結果を表−2にまとめた。
【0050】
【表2】
【0051】実施例5 実施例3で得た多孔質性シート材料に、従来の架橋硬化
性ポリウレタン接着剤を塗布し熱処理した後、多孔質性
ポリウレタンシートとラミネートし、次いで熱処理、熟
成を行い、自動車座席シートを作製した。
【0052】このシートを切り出し、試験片を得た。こ
の試験片の実施例3の多孔質性シート面を用いて、ブラ
ックパネル温度83±3℃の紫外線ロングライフフェー
ドメーター〔スガ試験機(株)FAL−5H−B型〕
で、400時間の高温耐光性テストを行った。しかしな
がら、この試験片は、変色もほとんどなく、極めて耐光
性に優れたものであった。
【0053】高温耐光性テストの結果を表−3に示し
た。尚、膜厚と密度の変化は、実施例3のシートそのも
のを用いて行った結果である。
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】本発明では、ポリウレタン樹脂の湿式成
膜時の成膜助剤としてポリ尿素樹脂を用いるので、従来
の製造方法に比べて、より湿式成膜性がよく、柔軟性に
優れたポリウレタン多孔質性シート材料を得ることがで
きる。
【0056】また本発明では、ポリウレタン樹脂とし
て、ポリカーボネートジオールとジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネートとジシクロヘキシルメタンジアミン
を用いるので極めて高温時における耐光性に優れた多孔
質性シートが得られる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族ポリイソシアネート及び/または
    脂環族ポリイソシアネートを有機ポリイソシアネートの
    必須成分としてポリオールと反応せしめたポリウレタン
    樹脂を成膜助剤と共に湿式凝固方式による湿式成膜する
    ポリウレタン多孔質性シート材料の製造方法において、
    前記成膜助剤として、ポリ尿素樹脂を用いることを特徴
    とするポリウレタン多孔質性シート材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリ尿素樹脂が、平均分子量1,000
    以上100,000以下のものである請求項1記載の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 ポリ尿素樹脂が、実質的にポリウレタン
    樹脂に親和するもののであって、かつポリウレタン樹脂
    の有機溶剤には溶解せずに分散するものである請求項1
    記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリ尿素樹脂が、有機ポリイソシアネー
    トと、有機ポリアミン及び/または水との反応物である
    請求項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリ尿素樹脂固形分の使用量が、ポリウ
    レタン樹脂固形分100重量部当たり、30重量部以下
    である請求項1記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリカーボネートジオールとジシクロヘ
    キシルメタンジイソシアネートとシシクロヘキシルメタ
    ンジアミンとを反応せしめたポリウレタン樹脂からなる
    合成皮革層を必須の層として有する多孔質性シート材
    料。
  7. 【請求項7】 ポリウレタン樹脂が、さらにジシクロヘ
    キシルメタンジイソシアネートとシシクロヘキシルメタ
    ンジアミンとを反応せしめたポリ尿素樹脂を含有するも
    のである請求項6記載の多孔質性シート材料。
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