JP2020049948A - 積層構造体の形成方法及び積層構造体 - Google Patents

積層構造体の形成方法及び積層構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、安定した接着力を有する積層構造体を効率良く得ること、当該積層構造体により優れた耐熱保護性を発揮させることである。【解決手段】本発明の積層構造体の形成方法は、基材面に対し、接着材層、及び熱発泡性被覆材が積層するものであり、前記基材面上に第1接着材層を設ける工程、前記第1接着材層と、前記熱発泡性被覆材の裏面に設けられた第2接着材層とを圧着する工程を有し、前記第1接着材層は、水酸基含有合成樹脂を含む(I)液とポリイソシアネート化合物を含む(II)液を、NCO/OH当量比10/100〜120/100で含む接着材(M)より形成されるものであり、前記第2接着材層は、水酸基含有合成樹脂を含む接着材(N)より形成されるものであり、前記接着材(M)により形成される接着材層の硬化前に、前記第1接着材層と前記第2接着材層とを圧着することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、新規な積層構造体の形成方法に関するものである。本発明で得られる積層構造体は、火災等による温度上昇に際し、基材を保護することができるものである。
従来より、建築構造物においては、建築物を火災から保護する目的で、柱、梁、床、壁等の主要部位を耐熱構造にすることが求められている。耐熱構造を施す方法の一つとして、主要部位等の基材に熱発泡性被覆材を接着材を介して貼着する方法がある(例えば、特許文献1等)。
熱発泡性被覆材は、平常時は薄くて軽量であり、火災等による温度上昇には、発泡・炭化して断熱層を形成し、耐熱保護性を発揮する効果を有するものである。このような熱発泡性被覆材は通常、接着材等で貼着することによって施工でき、余分なスペースを必要とせず、厚みを均一にできるといった特徴を有する。
特開平8−60763号公報
しかしながら、上記方法で得られる構造体では、水分等の影響によって十分な接着性を効率良く得ることが困難な場合、あるいは加熱時に形成された断熱層を保持することが困難な場合等がある。このような場合は、熱発泡性被覆材による所望の耐熱保護性能が十分に発揮されないおそれがある。
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、安定した接着力を有する積層構造体を効率良く得ること、そして当該積層構造体により優れた耐熱保護性を発揮させることを目的とするものである。
本発明者らは上記問題を解決するために鋭意研究を行った結果、熱発泡性被覆材を基材に貼着する際、特定の構成成分を含む接着材層を用いた形成方法に想到し、本発明の完成に到った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.基材面に対し、接着材層、及び熱発泡性被覆材が積層された積層構造体の形成方法であって、
前記基材面上に第1接着材層を設ける工程、
前記第1接着材層と、前記熱発泡性被覆材の裏面に設けられた第2接着材層とを圧着する工程を有し、
前記第1接着材層は、水酸基含有合成樹脂を含む(I)液とポリイソシアネート化合物を含む(II)液を、NCO/OH当量比10/100〜120/100で含む接着材(M)より形成されるものであり、前記第2接着材層は、水酸基含有合成樹脂を含む接着材(N)より形成されるものであり、
前記接着材(M)により形成される接着材層の硬化前に、前記第1接着材層と前記第2接着材層とを圧着することを特徴とする積層構造体の形成方法。
2.前記第2接着材層は、水酸基含有合成樹脂を含む接着材、または水酸基含有合成樹脂及びポリイソシアネート化合物を含む接着材(N)より形成されるものであり、
前記接着剤(N)におけるNCO/OH当量比は、40/100未満であることを特徴とする1.に記載の積層構造体の形成方法。
3.前記接着剤(N)におけるNCO/OH当量比は、0/100であることを特徴とする1.または2.に記載の積層構造体の形成方法。
4.前記接着材(M)における水酸基含有合成樹脂が、水酸基及びカルボキシル基を含有することを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の積層構造体の形成方法。
5.前記接着材(M)における水酸基含有合成樹脂が、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、カルボキシル基含有単量体、及び水酸基含有単量体を含む単量体群の共重合体であることを特徴とする1.〜4.のいずれかに記載の積層構造体の形成方法。
6.前記ポリイソシアネート化合物が、ビウレット型ポリイソシアネート化合物であることを特徴とする1.〜5.のいずれかに記載の積層構造体の形成方法。
7.基材面に対し、接着材層、及び熱発泡性被覆材が積層された積層構造体であって、
前記接着材層は、基材面に接する第1接着材層と、熱発泡性被覆材に接する第2接着材層を有し、
前記第1接着材層は、水酸基含有合成樹脂を含む(I)液とポリイソシアネート化合物を含む(II)液を、NCO/OH当量比10/100〜120/100で含む接着材(M)より形成されてなり、前記第2接着材層は、水酸基含有合成樹脂を含む接着材(N)より形成されてなることを特徴とする積層構造体。
本発明によれば、安定した接着力を有する積層構造体を効率良く形成することができる。本発明の積層構造体は、平常時には優れた接着性を十分に保持し、温度上昇時には優れた脱落防止性及びずれ落ち防止性を発揮して、基材の耐熱保護を図ることができるものである。
本発明積層構造体の一例を示す断面図である。 積層構造体の形成方法の一例を示す模式図である。 積層体の一例を示す断面図である。
1:基材
2:第1接着材層
3:熱発泡性被覆材
4:第2接着材層
5:積層体
6:離型性シート
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明は、基材面に対し、接着材層、及び熱発泡性被覆材が積層された積層構造体の形成方法に関するものである。
[基材]
基材としては、主として建築構造物の柱、梁、床、壁等を構成する材料が挙げられ、例えば、金属で形成されているH鋼、鉄骨丸柱、鉄骨角柱、あるいは、モルタル、コンクリート、ケイ酸カルシウム板、石膏ボード、炭酸カルシウム発泡板、不燃火山性ガラス質複層板、繊維強化セメント板、軽量セメント板等が挙げられる。このような基材の表面は、錆止め剤や防錆塗料等で処理されていてもよい。
[接着材層]
本発明の接着材層は、上記基材に熱発泡性被覆材を接着・固定化するために用いられるものであり、基材面に接する第1接着材層と、熱発泡性被覆材に接する第2接着材層を有する(図1)。本発明において、第1接着材層及び第2接着材層のうち、一方は接着材(M)から形成されるものであり、他方は接着材(N)から形成されるものである。なお、本発明における接着材には、粘着材も含まれる。
・接着材(M)
本発明では、接着材(M)として、水酸基含有合成樹脂(a)(以下単に「合成樹脂(a)」ともいう。)を含む(I)液とポリイソシアネート化合物(b)を含む(II)液を特定比率で含むものを使用する。
本発明の合成樹脂(a)としては、水酸基含有単量体を含む単量体混合物の共重合体であれば特に限定されない。本発明における水酸基含有単量体としては、1級水酸基含有単量体を含むことが望ましい。1級水酸基含有単量体としては、例えば、2‐ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3‐ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4‐ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1−メチル−4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、7−ヒドロキシヘプチル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、2−メチル−8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、7−メチル−8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、9−ヒドロキシノニル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、本発明では特に、2‐ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを含む態様が好適に用いられる。
また、上記以外の水酸基含有単量体として、3級水酸基含有単量体を含んでもよい。このような3級水酸基含有単量体としては、例えば2‐ヒドロキシ‐2‐メチルプロピル(メタ)アクリレート、3−エチル−3−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。合成樹脂(a)における水酸基含有単量体の比率は、単量体全量に対し好ましくは0.1〜10重量%(より好ましくは0.5〜8重量%)である。このような場合、より良い接着性を得ることができる。
また、本発明の合成樹脂(a)としては、カルボキシル基を含有することが好ましく、カルボキシル基含有単量体及び上記水酸基含有単量体を含む単量体群の共重合体が好ましい。カルボキシル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等を挙げることができ、この中でも特に(メタ)アクリル酸が好適である。合成樹脂(a)におけるカルボキシル基含有単量体の比率は、単量体全量に対し好ましくは0.5〜20重量%(より好ましくは1〜10重量%)である。このような場合、いっそう接着性を向上させることができる。
さらに、本発明の合成樹脂(a)としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、カルボキシル基含有単量体、及び水酸基含有単量体を含む単量体群の共重合体であることが好ましい。なお、本発明では、アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルを合わせて、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと表記する。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。本発明では、アルキル基の炭素数が4〜14(好ましくは4〜10)の(メタ)アクリル酸エステルを含む態様が好適であり、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上を含む態様が好適に用いられる。特に、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートから選ばれる1種以上を含む態様が最も好適に用いられる。合成樹脂(a)における(メタ)アクリル酸アルキルエステルの比率は、単量体全量に対し好ましくは70重量%以上(より好ましくは80〜99.9重量%、さらに好ましくは82〜99重量%、特に好ましくは85〜95重量%)である。
また、必要に応じて、その他の単量体を使用することもできる。その他の単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリル系単量体、
(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド等のアミド含有(メタ)アクリル系単量体、
アクリロニトリル等のニトリル基含有(メタ)アクリル系単量体、
グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリル系単量体、
γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等の加水分解性シリル基含有ビニル系単量体、
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のフッ素含有(メタ)アクリル系単量体、
フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ペンタフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等のフルオロオレフィン、
スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン等の芳香族炭化水素系ビニル単量体、
スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸等のスルホン酸含有ビニル単量体、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン等の塩素含有単量体、
エチレン、プロピレン、イソブチレン等のα−オレフィン、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステル、
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル、
エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル等のアリルエーテル、
等を挙げることができ、これらは1種または2種以上で使用できる。
本発明の合成樹脂(a)のガラス転移温度は、特に限定されないが、好ましくは−60℃以上30℃以下(より好ましくは−55℃以上0℃以下、さらに好ましくは−50℃以上−5℃以下)である。ガラス転移温度がこのような領域であることにより、本発明の効果を安定して得ることができる。なお、ガラス転移温度は、FOXの計算式より求められる値である。
本発明の合成樹脂(a)としては、例えば、上記単量体を含む単量体混合物を、公知の方法で共重合して水媒体中に分散させた水分散型樹脂であることが好ましい。重合方法としては公知の方法を採用すればよく、通常の乳化重合の他、ソープフリー乳化重合、フィード乳化重合、シード乳化重合等を採用することもできる。また、重合時には、乳化剤、開始剤、分散剤、重合禁止剤、重合抑制剤、緩衝剤、連鎖移動剤等を使用することもできる。乳化剤として反応性乳化剤を使用することもできる。
本発明のポリイソシアネート化合物(b)としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、
テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート、
等が挙げられる。本発明のポリイソシアネート化合物(b)としては、例えば、ビウレット構造、イソシアヌレート構造、ウレタン構造、ウレトジオン構造、アロファネート構造、三量体構造等を有するポリイソシアネート化合物を用いることもできる。特に、本発明では、ビウレット構造を有するポリイソシアネート化合物が好ましい。
さらに、ポリイソシアネート化合物(b)が、水分散性ポリイソシアネート化合物であることが好ましい。水分散性ポリイソシアネート化合物としては、上記ポリイソシアネート化合物に親水性化合物を導入することにより得られるもので、例えば、ポリイソシアネート化合物に乳化剤を加えたもの、ポリイソシアネート化合物にポリオキシアルキレン基含有化合物を付加反応(変性)させたもの、ポリイソシアネート化合物に水溶性樹脂を付加反応(変性)させたもの等が挙げられる。
本発明では特に、ポリイソシアネート化合物にポリオキシアルキレン基含有化合物を付加反応(変性)させたものが好ましく、その製造方法は特に制限されないが、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基と、ポリオキシアルキレン基含有化合物の末端ヒドロキシル基を反応させることにより容易に製造することができる。
ポリオキシアルキレン基含有化合物としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリコールモノアリールエーテル、ポリオキシエチレン−プロピレングリコール、ポリオキシエチレン−プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−プロピレングリコールモノアリールエーテル、ポリオキシエチレン−テトラメチレングリコール、ポリオキシエチレン−テトラメチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−テトラメチレングリコールモノアリールエーテル等が挙げられる。
本発明の接着材(M)は、上記水酸基含有合成樹脂(a)を含む(I)液と上記ポリイソシアネート化合物(b)を含む(II)液を、NCO/OH当量比10/100〜120/100(好ましくは20/100〜100/100、より好ましくは40/100〜90/100)で含むものである。上記範囲となるようにポリイソシアネート化合物(b)を混合することにより、良好なタック性が得られる。その結果、平常時には優れた接着性を十分に保持し、温度上昇時には優れた脱落防止性及びずれ落ち防止性を発揮して、基材保護を図ることができる。一方、NCO/OH当量比が上記の範囲外である場合は、接着性に劣るおそれがある。なお、NCO/OH当量比は、(b)中のイソシアネート基(−NCO)の当量数を、(a)中の水酸基(−OH)当量数で除することによって算出される。
本発明で用いる接着材(M)の、上記合成樹脂(a)を含む(I)液、上記ポリイソシアネート化合物(b)を含む(II)液には、公知の添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、充填剤、着色剤、希釈剤、粘接着付与剤、増粘剤、分散剤、湿潤剤、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、凍結防止剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が挙げられる。
・接着材(N)
本発明では、接着材(N)として、水酸基含有合成樹脂(a’)「(以下単に「合成樹脂(a’)」ともいう。)を含むものを使用する。合成樹脂(a’)としては、水酸基を含有する合成樹脂であれば特に限定されずに使用することができる。例えば、水酸基含有単量体を含む単量体混合物の共重合体が好ましい。
また、本発明の合成樹脂(a’)としては、カルボキシル基を含有することが好ましく、カルボキシル基含有単量体及び上記水酸基含有単量体を含む単量体群の共重合体が好ましい。さらには、本発明の合成樹脂(a’)としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、カルボキシル基含有単量体、及び水酸基含有単量体を含む単量体群の共重合体であることが好ましい。本発明の合成樹脂(a’)のガラス転移温度は、特に限定されないが、好ましくは−60℃以上30℃以下(より好ましくは−55℃以上0℃以下、さらに好ましくは−50℃以上−5℃以下)である。また、本発明の合成樹脂(a’)は水分散型樹脂であることが好ましい。なお、合成樹脂(a’)における水酸基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、上述のものを使用することができる。本発明の合成樹脂(a’)としては、上記接着材(M)の(I)液と同様の合成樹脂(a)を使用することが好ましい。合成樹脂(a)と合成樹脂(a’)が(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして同一のものを含む場合、さらには同一組成の場合、いっそう接着性を向上させることができる。
さらに、本発明の接着材(N)として、ポリイソシアネート化合物を混合することもできる。ポリイソシアネート化合物は、合成樹脂(a’)の水酸基が残存するようにNCO/OHの当量比を設定して混合することが好ましい。さらには接着材(N)におけるNCO/OHの当量比は、接着材(M)におけるNCO/OHの当量比よりも小さいことが好ましく、具体的には、好ましくは40/100未満(より好ましくは20/100未満、さらに好ましくは10/100未満、最も好ましくは0/100以上8/100以下)であり、NCO(ポリイソシアネート化合物)を含まない態様も好適である。ポリイソシアネート化合物としては、上述のものと同様のものを使用できる。
本発明で用いる接着材(N)には、公知の添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、充填剤、着色剤、希釈剤、粘接着付与剤、増粘剤、分散剤、湿潤剤、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、凍結防止剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が挙げられる。
[熱発泡性被覆材]
本発明における熱発泡性被覆材としては、温度上昇時に発泡・炭化して断熱層を形成するものが使用できる。好適な熱発泡性被覆材としては、例えば、合成樹脂、難燃剤、発泡剤、炭化剤等を含有するシート状のものが挙げられる。
熱発泡性被覆材における合成樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂、ポリペンテン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、クロロプレン樹脂、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ニトリルゴム、ブチルゴム、ビニルトルエン−ブタジエン共重合体、ビニルトルエン−アクリル酸エステル共重合体、ビニルトルエン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
難燃剤は、一般に、火災時に脱水冷却効果、不燃性ガス発生効果、バインダー炭化促進効果等の少なくとも一つの効果を発揮し、樹脂成分の燃焼を防止ないし抑制する作用を有する。難燃剤としては、例えば、トリクレジルホスフェート、ジフェニルクレジルフォスフェート、ジフェニルオクチルフォスフェート、トリ(β−クロロエチル)フォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリ(ジクロロプロピル)フォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリ(ジブロモプロピル)フォスフェート、クロロフォスフォネート、ブロモフォスフォネート、ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルフォスフェート、ジ(ポリオキシエチレン)ヒドロキシメチルフォスフォネート等の有機リン系化合物;塩素化ポリフェニル、塩素化ポリエチレン、塩化ジフェニル、塩化トリフェニル、五塩化脂肪酸エステル、パークロロペンタシクロデカン、塩素化ナフタレン、テトラクロル無水フタル酸等の塩素化合物;三酸化アンチモン、五塩化アンチモン等のアンチモン化合物;三塩化リン、五塩化リン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン化合物;その他ホウ酸亜鉛、ホウ酸ソーダ等の無機質化合物等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上で使用することができる。本発明では、特にポリリン酸アンモニウムが好ましい。ポリリン酸アンモニウムを使用する場合には、脱水冷却効果と不燃性ガス発生効果とをより効果的に発揮できるので難燃効果が高く、しかも発泡剤の含有量を削減できる効果もある。
発泡剤は、一般に、火災時に不燃性ガスを発生させて、炭化していく樹脂成分及び炭化剤を発泡させ、気孔を有する炭化断熱層を形成させる役割を果たす。発泡剤としては、例えば、メラミン及びその誘導体、ジシアンジアミド及びその誘導体、アゾジカーボンアミド、尿素、チオ尿素等の含窒素化合物が挙げられる。また、これらは単独で又は2種以上で使用することができる。これらの中では、メラミン、ジシアンジアミド、アゾジカーボンアミド等が不燃性ガスの発生効率に優れていることから好ましい。
炭化剤は、一般に、火災による樹脂成分の炭化とともにそれ自体も脱水炭化していくことにより、断熱性により優れた厚みのある炭化断熱層を形成する作用を有する。炭化剤としては、例えば、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールのほか、デンプン、カゼイン等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上で使用することができる。
熱発泡性被覆材における各成分の構成比率は、樹脂成分の固形分100重量部に対し、難燃剤200重量部以上600重量部以下(好ましくは250重量部以上500重量部以下)、発泡剤10重量部以上200重量部以下(好ましくは20重量部以上150重量部以下)、炭化剤10重量部以上200重量部以下(好ましくは30重量部以上150重量部以下)であることが好ましい。
熱発泡性被覆材は、上記成分の他、さらに充填剤、顔料、繊維、湿潤剤、可塑剤、滑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、増粘剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤、架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、触媒等を含有することもできる。
このうち充填剤は、一般に、炭化断熱層の強度を改善し、かつ、耐熱保護性を高める作用を有する。充填剤は、かかる作用を有する限り特に制限されず、公知の熱発泡性被覆材における充填剤と同様のものが使用できる。例えば、タルク等の珪酸塩;炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩;酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物;粘土、クレー、シラス、マイカ等の天然鉱物類等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上で使用することができる。これらの充填剤中では二酸化チタンがより好ましい。
顔料としては、一般の着色顔料(有機顔料・無機顔料)が使用できる。本発明では、特にベンガラ、黄鉛、黄色酸化鉄、チタンイエロー、クロムグリーン、群青、コバルトブルー、カドミウムレッド等の無機顔料が好ましい。さらに、耐熱保護性をより高めるために膨張性黒鉛、未膨張バーミキュライト等を配合しても良い。
本発明で用いる熱発泡性被覆材は、公知の方法で製造することができる。例えば、前述の合成樹脂、難燃剤、発泡剤、炭化剤等を適量配合した組成物に、必要に応じて適当な溶媒を加えて型枠内に流し込み、乾燥後に脱型する方法;前記組成物を加温塗工機によって離型紙に塗付した後に巻き取る方法;ニーダーによって混練した前記組成物を押し出し成型機によってシート状に加工する方法;ニーダーによって混練した前記組成物を対ロールの間に供給してシート状に加工する方法;前記組成物をペレット状にした後に押し出し成型機によってシート状に加工する方法;バンバリーミキサー、ミキシングロール等で混練した前記組成物を複数の熱ロールからなるカレンダによって圧延してシート状に加工する方法等が挙げられる。
また、熱発泡性被覆材には、補強シートを積層することもできる。補強シートとしては、例えば、織布、不織布、メッシュ、あるいはこれらの複合体等が挙げられる。補強シートは、少なくとも熱発泡性被覆材の裏面側に積層することが望ましい。このような補強シートを有する熱発泡性被覆材は、接着性、脱落防止性、ずれ落ち防止性等の効果向上の点で好適である。
熱発泡性被覆材の厚さは、特に限定されないが、好ましくは0.2mm以上10mm以下、より好ましくは0.5mm以上6mm以下である。
・積層体
本発明では、上記熱発泡性被覆材と第2接着材層を有する積層体を用いることができる。このような積層体は、熱発泡性被覆材の裏面に接着材を塗付し、第2接着材層を形成することで得られる。さらに、第2接着材層の表面は、離型性シートで覆うことができる。図3は、積層体の一例で、熱発泡性被覆材の裏面に、第2接着材層と、離型性シートを有するものである。このような積層体を用いることで、作業効率を高めることができる。
離型性シートは、熱発泡性被覆材の保管中もしくは運搬中等において、第2接着材層を保護し、熱発泡性被覆材を使用する際には第2接着材層から容易に剥離できるものである。このような離型性シートとしては、公知のものを使用することができ、例えば、シリコン、ワックス、弗素樹脂等の離型剤を塗布もしくは含浸した紙あるいはフィルム、または該離型剤を含まずそれ自体離型性を有するポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂フィルム等が挙げられる。
積層体の製造方法は、特に限定されないが、図3の積層体については、例えば、熱発泡性被覆材の一面に接着材を塗付け、その上に離型性シートを積層する方法、あるいは、離型性シートの上に接着材を塗付け、その上に熱発泡性被覆材を積層する方法等が挙げられる。このような積層体において、第2接着材層を形成する接着材としては、上記接着材(M)、上記接着材(N)のいずれであってもよいが、本発明では、上記接着材(N)を用いることが好ましい。上記接着材(N)を用いた積層体は、長期保管した場合であっても接着性を保持することができ、安定した接着力を有する積層構造体を形成することができる。接着材の塗付け量(固形分)は、好ましくは25g/m以上300g/m以下であり、第2接着材層の塗付厚みは、好ましくは12〜150μm(より好ましくは25〜100μm)である。また、接着材は、塗付け後、乾燥させておくことが望ましい。ただし、接着材(M)は硬化前までとする。接着材(M)の乾燥は、常温(例えば、5〜40℃)下、接着材(N)の乾燥は、常温下、または加温(例えば、50〜100℃)下で行うことが望ましい。
[積層構造体の形成方法]
本発明の積層構造体は、基材面上に第1接着材層、熱発泡性被覆材の裏面に第2接着材層を設け、基材面上の第1接着材層と、熱発泡性被覆材の裏面の第2接着材層とを圧着することで形成できる(図2)。具体的には、裏面に第2接着材層を設けた熱発泡性被覆材(積層体)を用意しておく。一方、基材表面に接着材を塗付して、第1接着材層を形成し、積層体(第2接着材層側)を貼り付け、圧着することを特徴とする。積層体が離型性シートを有する場合は、離型性シートを剥離し、第2接着材層を露出させて貼り付ければよい。
本発明では、前記第1接着材層及び前記第2接着材層のうち、一方は、上記接着材(M)より形成されるものであり、他方は、上記接着材(N)より形成されるものである。本発明では、第1接着材層が接着材(M)、第2接着材層が接着材(N)より形成される接着材層であることが好ましい。また、積層体の貼り付けは、接着材(M)の硬化前に行なうことを特徴とする。これにより、基材面と接着材(M)の界面において優れた接着性を有するとともに、第1接着材層と第2接着層の界面で架橋反応を生じるため、安定した接着力を有する積層構造体を効率よく形成することができると考えられる。
なお、接着材(M)の硬化前とは、接着材(M)に含まれるポリイソシアネート化合物(b)のイソシアネート基(−NCO)が残存する状態のことをいう。例えば、接着材(M)は、上記(I)液と上記(II)液を混合後、25℃下で好ましくは4時間以内(より好ましくは3時間以内)に基材または熱発泡性被覆材の裏面に塗付し、塗付後、好ましくは10時間以内(より好ましくは10分以上6時間以内)に、第1接着材層と第2接着材層が接するように積層体を貼り付ける。なお、イソシアネート基(−NCO)が残存する状態は、赤外分光光度計(FT−IR)により確認することができる。また、圧着する際には、必要に応じ、ローラー、コテ等の押圧具を用いることができる。
基材に第1接着材を塗付する際には、例えば刷毛、ローラー、コテ、へら、スプレー等の器具を用いることができる。第1接着材の塗付け量(固形分)は、好ましくは25g/m以上300g/m以下であり、第1接着材層の塗付厚みは、好ましくは12〜150μm(より好ましくは25〜100μm)である。第1接着材は、塗付け後、乾燥させておくことが望ましい。ただし、接着材(M)は硬化前までとする。接着材(M)の乾燥は、常温(例えば、5〜40℃)下、接着材(N)の乾燥は、常温下、または加温(例えば、50〜100℃)下で行うことが望ましい。
本発明の積層構造体は、上記熱発泡性被覆材を2枚以上積層して使用することができる。熱発泡性被覆材を2枚以上積層する場合は、予め接着材等で積層した熱発泡性被覆材を用いることもできる。
本発明では、熱発泡性被覆材の表面に化粧層を形成させることもできる。化粧層は公知の方法で形成すればよく、例えば各種塗料を塗装したり、あるいは化粧フィルム、化粧シート等を積層したりすることができる。化粧層は、複数の材料が積層されたものであってもよい。
以下、実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(合成樹脂エマルション1〜6)
反応容器に、脱イオン水を仕込み、攪拌及び窒素置換を行いながら80℃まで昇温した。これに、別途用意した乳化モノマー(脱イオン水にドデシル硫酸ナトリウムを溶解させた水溶液に、表1に示すモノマーを乳化分散させたもの)、開始剤水溶液(脱イオン水に過硫酸アンモニウムを溶解させた水溶液)をそれぞれ3時間かけて連続的に滴下した。
滴下終了後3時間熟成し、30℃まで冷却した後、アンモニア水を添加してpHを8に調製することにより、合成樹脂エマルション1〜5を得た。この合成樹脂エマルション1〜5の樹脂固形分は50重量%であった。
Figure 2020049948
(接着材1〜15の製造)
合成樹脂エマルション100重量部に、添加剤(顔料、湿潤剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤等)4重量部を配合し(I)液を製造した。次いで、ポリイソシアネート化合物からなる(II)液を用意し、上記(I)液と混合し接着剤1〜15を製造した。この接着材1〜15は水を適量添加し固形分を50重量%に調製した。なお、各接着材に使用した合成樹脂エマルション、ポリイソシアネート化合物、及びNCO/OH当量比を表2に示す。
また、ポリイソシアネート化合物としては、以下を使用した。
・ポリイソシアネート化合物1:ビウレット型水分散型イソシアネート(固形分:80重量%、NCO%:13.4重量%)
・ポリイソシアネート化合物2:イソシアヌレート型水分散型イソシアネート(固形分:100重量%、NCO%:14.3重量%)
Figure 2020049948
(熱発泡性被覆材1の製造)
アクリル樹脂100重量部、メラミン75重量部、ジペンタエリスリトール75重量部、ポリリン酸アンモニウム370重量部及び酸化チタン105重量部を含む原料混合物を、ニーダーを用いて充分に混練後、押出し成形機によってシート状に加工し、膜厚1mmの熱発泡性被覆材1を作製した。
(熱発泡性被覆材2の製造)
エチレン−酢酸ビニル樹脂100重量部、メラミン75重量部、ジペンタエリスリトール75重量部、ポリリン酸アンモニウム370重量部及び酸化チタン105重量部を含む原料混合物を、ニーダーを用いて充分に混練後、押出し成形機によってシート状に加工し、膜厚1mmの熱発泡性被覆材2を作製した。
(実施例1)
<接着性評価>
熱発泡性被覆材1(25mm×50mm)の片面の半面(25mm×25mm)に接着材1を100g/m塗付け、25℃で3時間または24時間乾燥させ熱発泡性被覆材の裏面に第2接着材層を設けた積層体1を製造した。
一方、鋼板(150mm×70mm×1.6mm)の片面に接着材2を100g/m塗付け第1接着材層を形成した。なお、接着材1、接着材2はいずれも、(I)液と(II)液を混合後3時間以内のものを使用した。
次いで、鋼板の第1接着材層(接着材2塗付け面)の硬化前(塗付後25℃で2時間乾燥)に、鋼板の第1接着材層と、積層体1の第2接着材層とを圧着して貼り合わせ、試験体Aを得た。(なお、この試験体は、熱発泡性被覆材1の半面が鋼板に接着していない(非接着部分を有する)態様である。)
接着性試験では、上記試験体Aを熱発泡性被覆材1が下側となるように水平に設置し、該熱発泡性被覆材1の非接着部分を90°に折り曲げ、熱発泡性被覆材1折り曲げ部分の先端に200gの重りを吊り下げ、鋼板から熱発泡性被覆材1が剥がれ落ちるまでの時間を測定した。評価は次の5段階で行った。結果は表3に示す。
A:2時間以上
B:1時間以上2時間未満
C:30分以上1時間未満
D:15分以上30分未満
E:15分未満
<耐水性評価>
熱発泡性被覆材1(150mm×70mm)の片面の全面に接着材1を100g/m塗付け、25℃で3時間乾燥させ熱発泡性被覆材の裏面に第2接着材層を設けた積層体2を製造した。
一方、鋼板(150mm×70mm×1.6mm)の片面に接着材2を100g/m塗付け第1接着材層を形成した。なお、接着材1、接着材2はいずれも、(I)液と(II)液を混合後3時間以内のものを使用した。
次いで、鋼板の第1接着材層(接着材2塗付け面)の硬化前(塗付後25℃で2時間乾燥)に、鋼板の第1接着材層と、積層体2の第2接着材層とを圧着して貼り合わせた。
さらに熱発泡性被覆材1の表面に化粧層(ウレタン樹脂塗料層)を積層し試験体Bを得た。
得られた試験体Bを、25℃の水に4日間浸漬(耐水性評価1)し、積層体の外観を評価した。評価基準は、評価は次の4段階で行った。
さらに、耐水性評価1で良好な結果(◎)であったものについて、試験体Bを25℃の水に7日間浸漬(耐水性評価2)し、同様の評価を実施した。結果は表3に示す。
◎:全く変化がない
○:ほぼ変化がない
△:やや剥がれが生じた
×:剥がれが生じた
<脱落防止性評価>
熱発泡性被覆材1(70mm×70mm)の片面の全面に接着材1を100g/m塗付け、25℃で3時間乾燥させ熱発泡性被覆材の裏面に第2接着材層を設けた積層体3を製造した。
一方、鋼板(150mm×70mm×1.6mm)の片面に接着材2を100g/m塗付け第1接着材層を形成した。なお、接着材1、接着材2はいずれも、(I)液と(II)液を混合後3時間以内のものを使用した。
次いで、鋼板の第1接着材層(接着材2塗付け面)の硬化前(塗付後25℃で2時間乾燥)に、鋼板の第1接着材層と、積層体3の第2接着材層とを圧着して貼り合わせ、試験体Cを得た。
脱落防止性試験では、熱発泡性被覆材1が下側となるように水平に設置し、該試験体の上側25mmの位置にヒーター(ヒーター温度680℃)を設置し、ヒーターにより試験体を加熱し、鋼板から熱発泡性被覆材1が脱落したときの鋼板と熱発泡性被覆材1の境界面温度を測定した。評価は次の4段階で行った。結果は表3に示す。
◎:脱落温度320℃以上
○:脱落温度300℃以上320℃未満
△:脱落温度280以上300℃未満
×:脱落温度280℃未満
(実施例2〜実施例17、比較例1〜2)
実施例2〜実施例17、比較例1〜2では、使用した接着材の種類、使用した熱発泡性被覆材の種類を表3に示す通りとした。それ以外は、実施例1と同様の方法で、試験体を作製し、各試験を行った。結果は表3に示す。
Figure 2020049948

Claims (7)

  1. 基材面に対し、接着材層、及び熱発泡性被覆材が積層された積層構造体の形成方法であって、
    前記基材面上に第1接着材層を設ける工程、
    前記第1接着材層と、前記熱発泡性被覆材の裏面に設けられた第2接着材層とを圧着する工程を有し、
    前記第1接着材層は、水酸基含有合成樹脂を含む(I)液とポリイソシアネート化合物を含む(II)液を、NCO/OH当量比10/100〜120/100で含む接着材(M)より形成されるものであり、前記第2接着材層は、水酸基含有合成樹脂を含む接着材(N)より形成されるものであり、
    前記接着材(M)により形成される接着材層の硬化前に、前記第1接着材層と前記第2接着材層とを圧着することを特徴とする積層構造体の形成方法。
  2. 前記第2接着材層は、水酸基含有合成樹脂を含む接着材、または水酸基含有合成樹脂及びポリイソシアネート化合物を含む接着材(N)より形成されるものであり、
    前記接着剤(N)におけるNCO/OH当量比は、40/100未満であることを特徴とする請求項1に記載の積層構造体の形成方法。
  3. 前記接着剤(N)におけるNCO/OH当量比は、0/100であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層構造体の形成方法。
  4. 前記接着材(M)における水酸基含有合成樹脂が、水酸基及びカルボキシル基を含有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の積層構造体の形成方法。
  5. 前記接着材(M)における水酸基含有合成樹脂が、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、カルボキシル基含有単量体、及び水酸基含有単量体を含む単量体群の共重合体であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の積層構造体の形成方法。
  6. 前記ポリイソシアネート化合物が、ビウレット型ポリイソシアネート化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の積層構造体の形成方法。
  7. 基材面に対し、接着材層、及び熱発泡性被覆材が積層された積層構造体であって、
    前記接着材層は、基材面に接する第1接着材層と、熱発泡性被覆材に接する第2接着材層を有し、
    前記第1接着材層は、水酸基含有合成樹脂を含む(I)液とポリイソシアネート化合物を含む(II)液を、NCO/OH当量比10/100〜120/100で含む接着材(M)より形成されてなり、前記第2接着材層は、水酸基含有合成樹脂を含む接着材(N)より形成されてなることを特徴とする積層構造体。


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