JP6720018B2 - 化粧シート、及び化粧シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、化粧シート、及び化粧シートの製造方法に関する。
化粧シートは、壁や床、天井等の表面に設置されるシート状の内装建材として、広く用いられている。化粧シートには、木目や石目調の装飾が施されたものもあり、室内装飾の目的でも利用されている。
一方、建築基準法では、内装建材に不燃や難燃の防火材料を用いることについて定められている。そのため、化粧シートにおいても、所定の防火性能が発揮されることが求められている。
特許文献1には、リン系/窒素系難燃剤および、所定のホスフィン酸塩及び/または所定のジホスフィン酸塩及び/またはこれらのポリマーを含む難燃剤混合物を含有する防火塗料が開示されている。
特開2006−57091号公報
しかしながら、特許文献1には、防火性に優れる化粧シートを提供することについては検討されておらず、防火性に優れる化粧シートの提供が求められる。
本発明は、上記事情に鑑み、防火性に優れる化粧シート、及び該化粧シートの製造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、熱発泡性を有する粘着剤層を備えることにより、防火性に優れる化粧シートが得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、下記の特徴を有する化粧シート、及び化粧シートの製造方法を提供するものである。
(1)基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも一方の側に設けられた熱発泡性を有する粘着剤層と、を備えた化粧シートであって、
下記発熱性試験において、試験片として、両表面に原紙を有する厚さ12.5(±0.5)mmの石膏ボードと前記石膏ボードの輻射熱の与えられる側に積層された前記化粧シートとを有する積層体を用い、
前記試験片の20分間の試験時間での総発熱量が7.2MJ/m以下である化粧シート(ただし、1)前記粘着剤層が感圧接着層であって、アクリル系接着剤と、前記アクリル系接着剤100質量部に対し、5質量部〜10質量部のポリリン酸アンモニウムとを含有する感圧接着剤組成物を含むもの、及び2)前記粘着剤層が感圧接着層であって、アクリル系接着剤と、固形成分として12質量%〜20質量%のポリリン酸アンモニウムとを含有する感圧接着剤組成物を含むもの、を除く。)
発熱性試験:ISO 5660−1:2002 コーンカロリーメータ法に準拠し、試験片表面での輻射熱条件が50kW/mで測定される発熱性試験
(2)前記粘着剤層が熱発泡性難燃剤を含む前記(1)に記載の化粧シート。
(3)粘着剤層100質量%中に、前記熱発泡性難燃剤を10〜45質量%含有する請求項2に記載の化粧シート。
(4)前記熱発泡性難燃剤が、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ピロリン酸ピペラジン及びリン酸エステルアミドからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含む前記(2)又は(3)に記載の化粧シート。
(5)基材フィルム及び熱発泡前の粘着剤層の厚みの総和が、110μm以上400μm以下であり、前記発熱性試験前の前記試験片における前記基材フィルム及び前記粘着剤層の厚みの総和を基準として、20分間の前記発熱性試験中の前記基材フィルム及び前記粘着剤層の厚みの総和の膨張率が2倍以上である、前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の化粧シート。
(6)前記粘着剤層がアクリル系樹脂を含有する、前記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の化粧シート。
(7)基材フィルムが、第1の基材フィルムと、第2の基材フィルムとを有し、前記第1の基材フィルム及び前記第2の基材フィルムは、前記粘着剤層の側からこの順に積層された前記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の化粧シート。
(8)前記基材フィルム上に、前記粘着剤層を設ける、前記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の化粧シートの製造方法。
本発明によれば、防火性に優れる化粧シート、及び該化粧シートの製造方法を提供できる。
実施形態の化粧シートの構成を示す断面図である。 実施形態の化粧シートの構成を示す断面図である。
≪化粧シート≫
本発明の化粧シートは、基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも一方の側に設けられた熱発泡性を有する粘着剤層と、を備えた化粧シートであって、
下記発熱性試験において、試験片として、両表面に原紙を有する石膏ボードと前記石膏ボードの輻射熱の与えられる側に積層された前記化粧シートとを有する積層体を用い、
前記試験片の20分間の試験時間での総発熱量が7.2MJ/m以下である化粧シートである。
発熱性試験:ISO 5660−1:2002 コーンカロリーメータ法に準拠し、試験片表面での輻射熱条件が50kW/mで測定される発熱性試験
以下、図を参照しながら、本発明の一実施形態に係る化粧シートを説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態の化粧シートの構成を示す断面図である。本実施形態の化粧シート1は、基材フィルム10と、基材フィルム10の一方の側に設けられた粘着剤層20と、を備える。なお、剥離ライナー30は、本発明の化粧シートにおける必須の構成ではない。
(発熱性試験)
化粧シート1は、防火性に優れている。係る防火性は、前記発熱性試験において、20分間の試験時間で試験された前記試験片の総発熱量が7.2MJ/m以下であることを意味する。
以下、前記発熱性試験について説明する。
不燃材料を評価する方法の一つとして、発熱性試験が知られている。本明細書中における発熱性試験とは、ISO 5660−1:2002 コーンカロリーメータ法に準拠し、試験片表面での輻射熱条件が50kW/mで測定される発熱性試験である。
発熱性試験に際し、試験片表面での輻射熱条件が50kW/mで測定されるよう、コーンカロリーメータの炉は、前記発熱性試験の前に予め加熱してある。20分間の試験時間とは、コーンカロリーメータの炉により試験片表面の加熱を開始してからの時間である。
本明細書中における発熱性試験では、試験片として、石膏ボードと前記石膏ボードの輻射熱の与えられる側に積層された前記化粧シートとを有する積層体を用いる。当該試験片のサイズは、99±1mm角とする。当該石膏ボードは不燃認定された石膏ボードであり、防火処理されていなく、形状は平板であり、表面の形状は平滑、厚さ12.5(±0.5)mm、比重0.65以上、重量は8.1kg/m以上、両表面に原紙が貼付されたものを使用する。当該原紙は、厚さは0.45mm以下、重量は250g/m以下である。不燃認定とは建築基準法(平成12年建設省告示第1400号)で認定された不燃材料を意味する。
実施形態の化粧シートの前記試験片の20分間の試験時間での総発熱量は、7.2MJ/m以下であり、7.0MJ/m以下であることが好ましく、6.5MJ/m以下であることがより好ましく、6.0MJ/m以下であることがさらに好ましい。係る総発熱量を達成する試験片に用いられる化粧シートは、優れた防火性を有し、前記発熱性試験において、試験時間中の前記試験片の石膏ボードの原紙の燃焼を、少なくとも20分間抑制することができる。石膏ボードの原紙の燃焼が抑えられたことは、例えば、20分間の発熱性試験終了後の試験片において、原紙部分の燃焼の有無を確認することにより判断できる。
原紙を含む石膏ボードの燃焼が抑えられることで、化粧シートの防火性を飛躍的に高めることができる。
実施形態の化粧シートは、建築基準法(平成12年建設省告示第1400号)で定められた発熱性試験の基準を満たすこと(発熱性試験に合格すること)が好ましい。発熱性試験の判断基準は、試験片に関し以下の3つの事項を有する。1)加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m以下であること、2)加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないこと、3)加熱開始後20分間、最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えないこと。
以下、本実施形態の化粧シートの構成について、詳細に説明する。
(基材フィルム)
基材フィルム10の材質は特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン、ポリウレタン(PU)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などの樹脂で構成されたものが挙げられる。
なかでも、基材フィルム10は、塩化ビニル系樹脂を含有することが好ましい。塩化ビニル系樹脂は燃え難く、また伸びがよいために易施工性に優れるという利点を有する。
塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル由来の繰り返し単位を有する重合体である。
塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルの単独重合体であってもよいし、塩化ビニルと、当該塩化ビニルと共重合可能な単量体との共重合体であってもよい。共重合体としては、エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−ハロゲン化オレフィン共重合体等の塩化ビニルを主体とする共重合体等が挙げられる。塩化ビニルを主体とする共重合体において、塩化ビニル由来の繰り返し単位の量は、全繰り返し単位中、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましい。
塩化ビニル系樹脂は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、塩化ビニル系樹脂は、他の樹脂と併用することができる。他の樹脂としては、塩化ビニル系樹脂と相溶性の樹脂が好ましい。塩化ビニル系樹脂と他の樹脂とを併用する場合、他の樹脂の配合量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、通常、1〜50質量部、好ましくは5〜30質量部、より好ましくは5〜10質量部としてもよい。
基材フィルム10の厚みは、100μm以上300μm以下であることが好ましく、130〜250μmであることがより好ましく、150〜200μmであることが更に好ましい。基材フィルムを複数層備える場合、基材フィルムの厚みとは、各基材フィルムの厚みの総和とする。基材フィルム10の厚みは、無作為に選出した10か所の厚みを測定して得られた平均値として求めることができる。
基材フィルム10の厚みが100μm以上300μm以下であると、化粧シートの施工性及び防火性に優れる。
(着色剤)
上記の基材フィルム10は、必要に応じ各種添加剤が含有されてもよい。添加剤としては、例えば着色剤が挙げられる。
着色剤は、例えば、基材フィルム10に含有されてもよい。着色された基材フィルムは、基材フィルムの原料となる樹脂組成物に着色剤を配合し、これをフィルム成形することで製造することができる。
着色は、基材フィルム10に印刷が施されることで基材フィルム内に施されてもよい。又は、着色は、基材フィルム10上に形成された印刷層(不図示)として施されてもよい。印刷層は、例えば、基材フィルム10に対し、着色剤を含むインクによる印刷が施されることで形成される。インクは、基材フィルム10に含浸されていてもよいし、基材フィルム上に堆積していてもよい。
着色剤としては、有機顔料、無機顔料、または染料が使用できる。黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化銅、四三酸化鉄、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等が用いられる。黄色顔料としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスエロー、ナフトールエローS、ハンザエロー、ベンジジンエローG、ベンジジンエローGR、キノリンエローレーキ、パーマネントエローNCG、タートラジンレーキ等が用いられる。橙色顔料としては、例えば、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGKM等が用いられる。赤色顔料としては、例えば、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピロゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等が用いられる。紫色顔料としては、例えば、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等が用いられる。青色顔料としては、例えば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等が用いられる。緑色顔料としては、例えば、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等が用いられる。白色顔料としては、例えば、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等が用いられる。体質顔料としては、例えば、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等が用いられる。
また、染料としては、例えば、塩基性染料、酸性染料、分散染料、直接染料等が用いられる。このような染料としては、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等が例示される。
着色剤の配合量は、例えば基材フィルム100質量%中、0〜40質量%であってもよく、10〜30質量%であってもよい。
着色剤は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(粘着剤層)
粘着剤層20は、化粧シート1(剥離ライナー30を除く)を、被着体に貼付させる機能を有する。粘着剤層20は、化粧シート1(剥離ライナー30を除く)を被着体に貼付させることができるものであれば特に限定されず、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂等の樹脂を含み、架橋剤を反応させて形成した層が挙げられる。前記樹脂は粘着性を示す粘着性樹脂が挙げられる。
粘着剤層の粘着力は特に限定されない。例えば、JIS Z0237:2009に準拠して、粘着剤層の試験片をJIS G 4305 に規定するSUS304鋼板(試験板)にローラー圧着して貼付し、貼付から24時間経過後に、剥離速度300mm/minの条件で、試験片を試験板に対して180°に引きはがす試験方法により測定された、23℃±1℃、50%RH環境下における粘着力が、10〜100N/25mmであることが好ましく、20〜40N/25mmであることがより好ましい。前記粘着力が10N/25mm以上であると、被着体と化粧シート間の貼り付きが良好となり好ましい。前記粘着力が100N/25mm以下であると、化粧シートの施工性が良好となり好ましい。
また、例えば、JIS Z0237:2009に準拠して、粘着剤層の試験片をJIS G 4305 に規定するSUS304鋼板(試験板)にローラー圧着して貼付し、貼付から30秒以内に、剥離速度300mm/minの条件で、試験片を試験板に対して180°に引きはがす試験方法により測定された、23℃±1℃、50%RH環境下における粘着力が、10N/25mm未満であることが好ましい。上記粘着力が10N/25mm未満であると、一旦被着体に貼付された化粧シートを、被着体から剥がして貼りなおすことが容易であり施工に際し好ましい。
粘着剤層は、アクリル系樹脂を含有するアクリル系粘着剤層であることが好ましい。粘着剤層100質量%に対する、アクリル系樹脂の含有量は、20〜99.9質量%であってよく、40〜90質量%であってよく、65〜85質量%であってよい。アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルの重合体が挙げられ、例えば(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位を有する重合体又は共重合体が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位の含有量は、全構成単位中、好ましくは70〜99.9質量%、より好ましくは80〜99.5質量%、更に好ましくは85〜99質量%、より好ましくは88〜95質量%である。(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としては、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、活性水素を有する官能基を含む単量体と、任意で用いられる他の単量体との共重合体が挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を含む概念である。
アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
活性水素を有する官能基を含む単量体としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等のヒドロキシル基含有モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピル等の(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノアルキル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和結合を有するカルボン酸等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
架橋剤の使用量は、その種類にもよるが、前記(メタ)アクリル酸エステル系共重合体100質量部に対して、例えば0.01〜20質量部であってもよく、例えば0.1〜10質量部であってもよい。
架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤及びアミン系架橋剤、アミノ樹脂系架橋剤等が挙げられる。
イソシアネート系架橋剤としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5、5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、2,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、リジンイソシアネート等の多価イソシアネート化合物が挙げられる。
粘着剤層20は、熱発泡性を有する。本明細書において「熱発泡性」とは、熱が与えられると発泡する性質を有するものである。熱発泡性を有する粘着剤層は、熱が与えられると粘着剤層内で発泡が生じる。粘着剤層内で発泡が生じたことは、粘着剤層内に新たに空孔が生じたことで確認できる。発泡後の粘着剤層は、通常、発泡前の粘着剤層よりも体積が膨張している。係る膨張は、粘着剤層の厚みの変化を求めることで特定してもよい。
熱発泡した粘着剤層20は発泡層となり、優れた防火性を備えた層が形成される。
熱発泡前の粘着剤層20の厚みは、10μm以上100μm以下であることが好ましく、20〜80μmであることがより好ましく、30〜70μmであることがさらに好ましい。粘着剤層20の厚みが10μm以上であると、前記発熱性試験における試験片の総発熱量を、7.2MJ/m以下に抑えるうえで効果的である。粘着剤層20の厚みが10μm以上であると、化粧シートを被着体への粘着力も良好に発揮される。また、粘着剤層20の厚みが100μm以下であると、化粧シートの施工性に優れる。
発熱性試験による熱発泡後の粘着剤層20の厚みは、熱発泡前の粘着剤層20の厚みよりも厚く、30μm以上2000μm以下であることが好ましく、100μm以上1000μm以下であることがより好ましく、250μm以上700μm以下であることがさらに好ましい。
熱発泡前後の粘着剤層の厚みは、化粧シートから粘着剤層のみを取り出して前記発熱性試験により熱発泡させ、無作為に選出した10か所の厚みを測定して得られた平均値として求めることができる。
粘着剤層20は、化粧シートから粘着剤層のみを取り出して前記発熱性試験により熱発泡させ、前記発熱性試験前の粘着剤層20の厚みを基準として、20分間の前記発熱性試験中の粘着剤層20の厚みの膨張率が3倍以上であることが好ましく、3倍以上20倍以下であることがより好ましく、3.5倍以上15倍以下であることが更に好ましく、4.5倍以上10倍以下であることが特に好ましい。粘着剤層20が熱発泡性を有しているので、粘着剤層20の厚みの前記膨張率を3倍以上とすることができる。前記膨張率が3倍以上であると、前記発熱性試験における試験片の総発熱量を、7.2MJ/m以下に抑えるうえで効果的である。
ここで、熱発泡した粘着剤層20は、前記発熱性試験中に燃焼するなどして、体積が減少する場合がある。したがって、前記20分間の発熱性試験中の粘着剤層の厚みとは、20分間の前記発熱性試験後の粘着剤層の厚みに限られるものではない。例えば、20分間の前記発熱性試験中における粘着剤層の厚みの最大を求め、前記発熱性試験中の粘着剤層の厚みとしてもよい。
20分間の前記発熱性試験中の粘着剤層の厚みの膨張率は、以下の式により求められる。
20分間の前記発熱性試験中の粘着剤層の厚みの膨張率 = (20分間の前記発熱性試験中の粘着剤層の厚み)÷(前記発熱性試験前の粘着剤層の厚み)
特に、熱発泡前の粘着剤層の厚みが、10μm以上100μm以下であり、前記発熱性試験前の前記粘着剤層の厚みを基準として、20分間の前記発熱性試験中の前記粘着剤層の厚みの膨張率が3倍以上である場合、熱発泡後により形成された発泡層の断熱性がより優れたものとなり、より効果的に、前記発熱性試験における試験片の総発熱量を、7.2MJ/m以下に抑えることができる。ここで、好ましい粘着剤層の厚みの範囲と、好ましい基材フィルムの厚みの膨張率の範囲としては、上記で示した範囲が挙げられる。
熱発泡性は、基材フィルム10及び粘着剤層20の厚みの総和について、求めてもよい。
熱発泡前の基材フィルム及び粘着剤層の厚みの総和は、110μm以上400μm以下であることが好ましく、150〜330μmであることがより好ましく、180〜270μmであることがさらに好ましい。基材フィルム及び粘着剤層の厚みが110μm以上であると、前記発熱性試験における試験片の総発熱量を、7.2MJ/m以下に抑えるうえで効果的である。また、基材フィルム及び粘着剤層の厚みが400μm以下であると、化粧シートの施工性に優れる。
発熱性試験による熱発泡後の基材フィルム及び粘着剤層の厚みの総和は、熱発泡前の基材フィルム及び粘着剤層の厚みよりも厚く、130μm以上2300μm以下であることが好ましく、230μm以上1250μm以下であることがより好ましく、400μm以上900μm以下であることがさらに好ましい。
熱発泡前後の前記試験片における基材フィルム及び粘着剤層の厚みの総和は、無作為に選出した10か所の厚みを測定して得られた平均値として求めることができる。
前記発熱性試験前の前記試験片における基材フィルム10及び粘着剤層20の厚みの総和を基準として、20分間の前記発熱性試験中の基材フィルム及び粘着剤層の厚みの総和の膨張率が1.1倍以上であることが好ましく、1.1倍以上6倍以下であることがより好ましく、2倍以上4倍以下であることが更に好ましく、2.5倍以上3.3倍以下であることが特に好ましい。粘着剤層が熱発泡性を有しているので、基材フィルム10及び粘着剤層20の厚みの前記膨張率を1.1倍以上とすることができる。前記膨張率が1.1倍以上であると、前記発熱性試験における試験片の総発熱量を、7.2MJ/m以下に抑えるうえで効果的である。
ここで、熱発泡した基材フィルム10及び粘着剤層20は、前記発熱性試験中に燃焼するなどして、体積が減少する場合がある。したがって、前記20分間の発熱性試験中の基材フィルム10及び粘着剤層20の厚みの総和とは、20分間の前記発熱性試験後の基材フィルム10及び粘着剤層20の厚みの総和に限られるものではない。例えば、20分間の前記発熱性試験中における基材フィルム10及び粘着剤層20の厚みの総和の最大を求め、前記発熱性試験中の基材フィルム10及び粘着剤層20の厚みとしてもよい。
20分間の前記発熱性試験中の基材フィルム10及び粘着剤層20の厚みの膨張率は、以下の式により求められる。
20分間の前記発熱性試験中の基材フィルム及び粘着剤層の膨張率 = (20分間の前記発熱性試験中の基材フィルム及び粘着剤層の厚みの総和)÷(前記発熱性試験前の前記試験片における基材フィルム及び粘着剤層の厚みの総和)
基材フィルム10及び熱発泡前の粘着剤層20の厚みの総和が、110μm以上400μm以下であり、前記発熱性試験前の前記試験片における前記基材フィルム10及び粘着剤層20の厚みを基準として、20分間の前記発熱性試験中の基材フィルム10及び粘着剤層20の膨張率が2倍以上である場合、熱発泡後により形成された発泡層の断熱性がより優れたものとなり、より効果的に、前記発熱性試験における試験片の総発熱量を、7.2MJ/m以下に抑えることができる。ここで、好ましい基材フィルム10及び粘着剤層20の厚みの総和の範囲と、好ましい基材フィルム10及び粘着剤層20の膨張率の範囲としては、上記で示した範囲が挙げられる。
(熱発泡性難燃剤)
粘着剤層20は、熱発泡性難燃剤を含んでいてもよい。
粘着剤層20が熱発泡性難燃剤を含むことにより、粘着剤層20に熱発泡性を付与することができる。なお、粘着剤層20に熱発泡性を与えるものは、熱発泡性難燃剤に限られるものではない。
熱発泡性難燃剤はイントメッセント系難燃剤として知られているものであってもよい。イントメッセント系難燃剤の特性を発揮し、イントメッセント系難燃剤に含まれていてもよい物質としては、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、リン酸メラミン、リン酸エステルアミド等の窒素含有(ポリ)リン酸塩化合物;ピロリン酸ピペラジン、ピロリン酸メラミン等の窒素含有ピロリン酸塩化合物等が挙げられる。熱発泡性難燃剤は、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、ピロリン酸ピペラジン、ピロリン酸メラミン及びリン酸エステルアミドからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含むことが好ましく、なかでもピロリン酸ピペラジン及びピロリン酸メラミンを含むことがより好ましい。熱発泡性難燃剤は膨張黒鉛等の発泡性材料を含んでもよい。
粘着剤層が熱発泡性難燃剤を含む場合、粘着剤層20における熱発泡性難燃剤の含有量は、粘着剤層100質量%に対して、10〜45質量%であることが好ましく、15〜40質量%であることがより好ましく、20〜30質量%であることがさらに好ましい。粘着剤層が上記割合で熱発泡性難燃剤を含むことにより、粘着剤層の熱発泡後により形成された発泡層の断熱性が優れたものとなり、より効果的に、前記発熱性試験における試験片の総発熱量を、7.2MJ/m以下に抑えることができるとともに、被着体への貼付きも良好とできる。難燃剤の添加量が、粘着剤層100質量%に対して上記上限値を超えると、粘着剤層の粘着力が低下して、被着体への貼り付きの状態が悪くなる場合がある。
また、粘着剤層20には、化粧シートの難燃性を高めることを目的とし、熱発泡性難燃剤以外の難燃剤が含まれていてもよい。
このような難燃剤としては、例えば、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、無機系難燃剤などがあげられる。ハロゲン系難燃剤としては、例えば、テトラブロモビスフェノールA(TBA)、ヘキサブロモベンゼン(HBB)などが挙げられる。リン系難燃剤としては、例えば、リン酸アンモニウム、トリクレジルホスフェート(TCP)などが挙げられる。無機系難燃剤としては、例えば、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。その他に、例えば、スルファミン酸グアニジン等が挙げられる。
(剥離ライナー)
剥離ライナー30は、公知のいずれのものを使用してもよい。剥離ライナー30の基材としては、例えば、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどよりなる樹脂フィルムが挙げられる。そして、この基材の粘着剤層20との接合面を剥離剤(例えば、シリコーン系剥離剤など)で処理したものが好適に使用される。
剥離ライナー30の厚さは特に限定されず、例えば、20〜200μm程度が好ましい。
化粧シート1には、基材フィルム10の粘着剤層20が設けられた側とは反対側に、最外層としてフッ素系樹脂を含むフッ素系樹脂フィルムが更に積層されていてもよい。
化粧シート1には、基材フィルム10の粘着剤層20が設けられた側とは反対側の表面に、凹凸が形成されていてもよい。凹凸はいわゆるシボ加工が施されて形成されたものや、木目状の形状を有するもの等が挙げられる。
本実施形態の化粧シート1は、建物室内の壁や床、天井等の内装に貼付されて、使用されることが好ましい。本実施形態の化粧シート1は、建物室内の壁や床、天井等の内装に使用される石膏ボードに貼付されて、使用させることが好ましい。
実施形態の化粧シート1によれば、粘着剤層が熱発泡性を有することにより、防火性に優れる化粧シートを提供できる。化粧シート1では、火災時に化粧シートが貼付され得る石膏ボードに付けられた原紙の燃焼が抑制されることで、前記総発熱量を容易に7.2MJ/m以下とすることができる。
<第2の実施形態>
図2は、本実施形態の化粧シートの構成を示す断面図である。本実施形態の化粧シート2は、基材フィルム10と、基材フィルム10の一方の側に設けられた粘着剤層20と、を備え、基材フィルム10が、第1の基材フィルム11と、第2の基材フィルム12とを有し、第1の基材フィルム11及び第2の基材フィルム12は、粘着剤層の側からこの順に積層されたものである。
第2の実施形態の化粧シート2は、上記第1の実施形態の化粧シート1の基材フィルムが第1の基材フィルム11及び第2の基材フィルム12からなるものである。上記第1の化粧シートと同様の構成を有する部分については詳細な説明を省略する。
第1の基材フィルム11、第2の基材フィルム12の構成としては、基材フィルム10と同様であってよく、基材フィルム10で例示したものが挙げられる。
第1の基材フィルム11と、第2の基材フィルム12とは、互いに同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。第1の基材フィルム11と、第2の基材フィルム12とが互いに異なるものである場合、例えば、第1の基材フィルム11に着色剤が含まれ、第2の基材フィルム12には着色剤が含まれていない場合が挙げられる。また例えば、第1の基材フィルム11と、第2の基材フィルム12とは異なる種類又は量の着色剤が含まれている場合が挙げられる。
このように、基材フィルムを複数層備える場合、基材フィルムの厚みとは、各基材フィルムの厚みの総和とする。
実施形態の化粧シート2によれば、防火性に優れ、化粧シートの粘着剤層の燃焼が抑制されるとともに、多様な装飾を表現可能な化粧シートを提供できる。
≪化粧シートの製造方法≫
本発明の化粧シートの製造方法は、本発明の化粧シートの製造方法であって、前記基材フィルム上に、前記粘着剤層を設けるものである。
一実施形態として、化粧シートは、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、熱発泡性の粘着剤層の形成のための粘着剤組成物を用意する。粘着剤組成物は、熱発泡性難燃剤を含む上記で挙げた粘着剤層を構成する各成分を適宜の割合で配合して得られる。配合に際しては、各成分を予め分散媒や溶媒を用いて希釈しておいてもよく、また混合時に分散媒や溶媒を加えてもよい。
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソブタノール、n−ブタノール、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン、イソプロパノール、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
基材フィルム上に、上記で得た粘着剤組成物を公知の塗工装置により適宜の厚さに塗布する。続いて、基材フィルム上の粘着剤組成物を加熱し乾燥させることにより、粘着剤組成物中の溶媒を除去し、基材上に粘着剤層を設ける。粘着剤層に上記の剥離ライナーを貼着してもよい。
又は、適当な剥離ライナー上に、粘着剤組成物を公知の塗工装置により適宜の厚さに塗布する。続いて、剥離ライナー上の粘着剤組成物を加熱し乾燥させることにより、粘着剤組成物中の溶媒を除去し、剥離ライナー上に粘着剤層を形成させる。その後、当該粘着剤層を上記基材フィルム上に転写し、基材フィルム上に粘着剤層を設けてもよい。
なお、熱発泡性の基材フィルムを用いる場合、熱発泡性の基材フィルムは、基材フィルムの原料となる樹脂組成物に熱発泡性難燃剤を配合し、これをフィルム成形することで製造できる。
上記加熱の温度は、80〜150℃程度とすることが挙げられる。
塗工装置としては、ロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、ファウンテンダイコーター、スロットダイコーター、リバースコーター等が挙げられる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜2・参考例1・比較例1]
(基材フィルムの製造)
下記ベース樹脂を溶融させて得られた基材フィルム用組成物を、カレンダーにより160μmの厚みに成膜することにより、基材フィルムを得た。
・ベース樹脂:
ポリ塩化ビニル(PVC):100重量部、フタル酸ジオクチル:20重量部、エポキシ系可塑剤:5重量部、バリウム亜鉛系安定剤:2重量部、酸化チタン(顔料):10重量部
(粘着剤層の製造)
単量体成分として、アクリル酸ブチル90質量部、及びアクリル酸10質量部、溶剤として、酢酸エチル200質量部、重合開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部を反応器に入れ混合した。4時間窒素ガスで脱気を行い、60℃まで徐々に昇温した後、24時間撹拌しながら重合反応を行い、重量平均分子量が65万のアクリル系共重合体を含む酢酸エチル溶液(固形分濃度33質量%)を得た。
得られたアクリル系共重合体を含む酢酸エチル溶液100質量部(固形分濃度33質量%)と、イソシアネート系架橋剤(東ソー株式会社製、商品名「コロネートL」(固形分75質量%)2.25質量部(固形分)と、窒素含有(ポリ)リン酸塩系難燃剤(ピロリン酸ピペラジンとピロリン酸メラミンを含むイントメッセント系難燃剤、アデカ社製、商品名「FP2200」、固形分100質量%)表1に記載の質量部(アクリル系共重合体の固形分100質量部に対する質量部)と、の混合物を、固形分濃度が28質量%となるように酢酸エチルで希釈し、粘着剤組成物の溶液を調製した。
この溶液を、剥離ライナーに、乾燥後の粘着剤層の厚さが50μmとなるように塗布し、100℃で1分間乾燥した後に、基材フィルムに転写して粘着剤層を形成し、実施例及び比較例の各化粧シートを作製した。粘着剤層100質量%に対する難燃剤の含有量(質量%)は表1に記載のとおりである。
[比較例2]
基材フィルムとして、ポリエチレンフィルム(タマポリ株式会社製、高密度ポリエチレンフィルム、製品名「HD」)を用いた以外は、上記比較例1の化粧シートと同様にして、比較例2の化粧シートを製造した。
[比較例3]
難燃剤として、水酸化マグネシウム系難燃剤(タテホ化学工業製、商品名「PZ−1」、固形分100質量%)を用いた以外は、実施例1の化粧シートと同様にして、比較例3の化粧シートを製造した。
Figure 0006720018
[粘着力]
粘着力測定用の化粧シートとして、上記実施例1と同様にして、表2に示す構成を有する化粧シートを製造した。基材フィルムは、上記の実施例1の基材フィルムと同じものを用いた。粘着剤層における粘着剤組成物及び難燃剤は実施例1と同じものを用い、難燃剤の添加量は、表2に記載の質量部(アクリル系共重合体の固形分100質量部に対する難燃剤の固形分の質量部)とした。粘着剤層100質量%に対する難燃剤の含有量(質量%)は表2に記載のとおりである。
23℃±1℃、50%RH環境下で、25mm×300mmにカットした上記化粧シートを粘着力測定用の試料1〜5とした。JIS Z0237:2009に準拠して、前記試料をJIS G 4305 に規定するSUS304鋼板(試験板)にローラー圧着して貼付し、貼付から30秒以内又は24時間経過後に、23℃±1℃、50%RH環境下、剥離速度300mm/minの条件で、試料を試験板に対して180°に引きはがす試験方法により粘着力を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0006720018
[発熱性試験]
100mm角に切断された厚さ12.5mmの不燃認定の石膏ボード(両表面に原紙が貼付されたもの)又は金属板(厚さ約2mmの鋼板)に、実施例および比較例で得られた各化粧シート(厚さ210μm、100mm角に切断したもの)を重ねあわせて積層体を形成し、これを試験片とした。製造された試験片は、23℃50%RHの環境下に1週間以上置いた後、下記試験に使用した。
当該試験片に対し、コーンカロリーメータ(Fire Testing Technology Ltd製)を用いて、ISO 5660−1:2002 コーンカロリーメータ法に準拠し、試験片表面での輻射熱条件が50kW/mで測定される発熱性試験を行った。ここで試験片表面(輻射熱の与えられる側)とは、試験片の化粧シート表面である。このようにして、前記試験片の20分間の試験時間での総発熱量を求めた。また、20分間の前記発熱性試験中の前記基材フィルム及び粘着剤層の厚みの総和の膨張率を測定し、20分間の発熱性試験後の粘着剤層の燃焼の様子を観察した。結果を表1に示す。
実施例1〜2及び参考例1の化粧シートの試験片は、比較例1〜3の化粧シートの試験片と比べて、20分間の発熱性試験時間での総発熱量の値が低いものであった。また、実施例1〜2及び参考例1の化粧シートでは、熱発泡した粘着剤層が発泡層となった。実施例1〜2の化粧シートの、粘着剤層よりも下の層にある石膏ボードの両表面の原紙を、20分間の発熱性試験後に確認したところ、燃焼が抑制され、原紙が残存していた。原紙を含む石膏ボードの燃焼が抑制されたことにより、20分間の発熱性試験時間での試験片の総発熱量の値を、7.2MJ/m以下に抑制可能であったと考えられる。また、実施例1〜2の化粧シートの試験片は、比較例1〜2の化粧シートの試験片と比べて、20分間の発熱性試験時間での試験片の200kW/m2を超える発熱速度の最大持続時間の値が低かった。さらに、実施例1〜2の化粧シートの試験片は、20分間の発熱性試験後に、これを貫通する亀裂及び穴も確認されなかった。
上記の結果から、実施例1〜2の化粧シートは建築基準法で定められた発熱性試験の基準を満たしていた。
1,2…化粧シート、10…基材フィルム、11…第1の基材フィルム、12…第2の基材フィルム、20…粘着剤層、30…剥離ライナー

Claims (8)

  1. 基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも一方の側に設けられた熱発泡性を有する粘着剤層と、を備えた化粧シートであって、
    下記発熱性試験において、試験片として、両表面に原紙を有する厚さ12.5(±0.5)mmの石膏ボードと前記石膏ボードの輻射熱の与えられる側に積層された前記化粧シートとを有する積層体を用い、
    前記試験片の20分間の試験時間での総発熱量が7.2MJ/m以下である化粧シート(ただし、1)前記粘着剤層が感圧接着層であって、アクリル系接着剤と、前記アクリル系接着剤100質量部に対し、5質量部〜10質量部のポリリン酸アンモニウムとを含有する感圧接着剤組成物を含むもの、及び2)前記粘着剤層が感圧接着層であって、アクリル系接着剤と、固形成分として12質量%〜20質量%のポリリン酸アンモニウムとを含有する感圧接着剤組成物を含むもの、を除く。)
    発熱性試験:ISO 5660−1:2002 コーンカロリーメータ法に準拠し、試験片表面での輻射熱条件が50kW/mで測定される発熱性試験
  2. 前記粘着剤層が熱発泡性難燃剤を含む請求項1に記載の化粧シート。
  3. 粘着剤層100質量%中に、前記熱発泡性難燃剤を10〜45質量%含有する請求項2に記載の化粧シート。
  4. 前記熱発泡性難燃剤が、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、ピロリン酸ピペラジン、ピロリン酸メラミン及びリン酸エステルアミドからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含む請求項2又は3に記載の化粧シート。
  5. 基材フィルム及び熱発泡前の粘着剤層の厚みの総和が、110μm以上400μm以下であり、前記発熱性試験前の前記試験片における前記基材フィルム及び前記粘着剤層の厚みの総和を基準として、20分間の前記発熱性試験中の前記基材フィルム及び前記粘着剤層の厚みの総和の膨張率が2倍以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化粧シート。
  6. 前記粘着剤層がアクリル系樹脂を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化粧シート。
  7. 基材フィルムが、第1の基材フィルムと、第2の基材フィルムとを有し、前記第1の基材フィルム及び前記第2の基材フィルムは、前記粘着剤層の側からこの順に積層された請求項1〜6のいずれか一項に記載の化粧シート。
  8. 前記基材フィルム上に、前記粘着剤層を設ける、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化粧シートの製造方法。
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