JP2004217833A - 難燃性両面粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】焼却時に有毒な塩素、臭素などのハロゲンガス、ホスフィンガスの発生や多量の灰分を発生することがなく、優れた難燃性と、接着性及び再剥離性を併せ持ち、被着体のリサイクルを容易ならしめる難燃性両面粘着テープを提供する。
【解決手段】坪量15〜80g/mのポリエステル不織布の基材シートに、ハロゲン、アンチモン及びリンのいずれをも含まない窒素含有有機難燃剤を含有する難燃剤含浸用組成物を含浸させ、該含浸されたポリエステル不織布の両面に、さらにアクリル系粘着剤100質量部に対して、ハロゲン、アンチモン及びリンのいずれをも含有していない窒素含有有機難燃剤20〜200質量部を添加した難燃性粘着剤組成物からなる粘着剤層を設けてなる難燃性両面粘着テープ。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気、電子、OA機器、家電、航空機、船舶、車両などの各分野で部材の固定用として使用される、優れた難燃性及び接着性を併せ備えており、貼着された機器などからの剥離除去が可能であることから、機器の再利用を容易ならしめるとともに、剥離除去後に焼却処理する際にも有毒ガスを発生することがなく、また、さらに処分が必要となる灰分の大量発生を伴うことがなく廃棄処理問題のない難燃性両面粘着テープに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子工学、半導体及び磁気体技術の研究と応用の飛躍的な進歩により、電気、電子、OA機器などの高集積化、小型化、高性能化が進み、機器内部の高温化や畜熱による発火の危険性が高くなってきており、そのような危険を防止する必要性から、機器内の各種部品及びそれらの接着用部材にも高度の難燃性が要求されるようになってきている。また、家電、航空機などの各分野でも、プラスチック材料の難燃化について様々な研究が盛んに行われており、それらの固定に用いられる接着材料にも、当然ながら高い難燃性が要求されるようになってきている。
【0003】
両面粘着テープの場合、難燃化技術としては、加熱時に水分放出性を有する無機化合物を粘着剤層に添加することが知られているが(特許文献1、非特許文献1参照)、所望の難燃性を付与するために必要な無機化合物の添加量では、粘着剤に本来求められる粘着性を維持できない程度まで粘着特性を低下させてしまうことが多いし、また、使用後に焼却処理すると、さらに廃棄処分が必要となる灰分を多量に発生させるという問題がある。
【0004】
そこで、粘着剤の粘着特性に影響を与えることが少ない使用量で目的に近い難燃化が達成できるハロゲン系と三酸化アンチモンの併用系やリン系化合物などの使用が一般的な手法であった(特許文献2、非特許文献2参照)。しかし、この場合は、使用後に焼却処分すると環境汚染原因物質を放出することから、廃棄処分方法に制約があり、コスト的な問題を抱えている。
【0005】
また、両面粘着テープの他の難燃化技術としては、テープ基材を難燃性乃至不燃性材料で形成することも提案されている(特許文献3、特許文献4参照)。このようなテープ基材として使用される一般的な素材はガラス繊維を初めとする無機系繊維不織布などが挙げられる。しかし、このような無機繊維不織布は高価であり、両面粘着テープのコストが高くなるのみならず、折り曲げ強度が小さいためテープを被貼着体から引き剥がす際、テープが引き千切れて被着体から綺麗に剥離除去することが困難であり、被着体機器を再利用するためのコストが高くなるという問題を有していた。
また、難燃性の必要な部材固定用に難燃性両面テープを使用したり、リサイクル部材の固定用に剥離除去可能な両面テープを使用すると言うように、目的用途によってテープを使い分けていた。
このような現状より、廃棄処分の問題がなく、難燃化されており、かつ被着体機器の安価なリサイクル化を可能とする再剥離性を備えた難燃性両面粘着テープの開発が焦眉の急となっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−121508号公報
【特許文献2】
特開平9−227842号公報
【特許文献3】
特開2002−69403号公報
【特許文献4】
特開2002−138207号公報
【非特許文献1】
MATERIAL SATGE Vol.1,No.2 2001.P67
【非特許文献2】
ポリマーダイジェスト 1998・10月号.P17
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前述のような使用上の不利を解決するために、焼却時に有毒な塩素、臭素などのハロゲンガスやホスフィンガスが発生することがなく、優れた難燃性と、接着性及び再剥離性を併せ持つ難燃性両面粘着テープを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するため、鋭意研究を行った結果、織布に近い強度を有するポリエステル不織布を基材シートとし、テープ全体の難燃性や粘着特性、再剥離性を制御しやすくするため、その基材シートに難燃性含浸層を設け、さらに、その両面上に難燃性粘着剤層を設けること、及び用いる難燃剤は焼却によって有害ガスを発生することがなく、また、さらに処分を必要とする灰分発生が殆どない有機系の難燃剤を使用することで前記目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。本発明は、以下の各発明を包含する。
【0009】
(1)坪量15〜80g/mのポリエステル不織布の基材シートに、粘着剤と、ハロゲン、アンチモン及びリンのいずれをも含まない窒素含有有機難燃剤を含有する含浸用組成物を含浸させ、該含浸されたポリエステル不織布の両面に、さらにアクリル系粘着剤100質量部に対して、ハロゲン、アンチモン及びリンのいずれをも含有していない窒素含有有機系難燃剤20〜200質量部を添加した難燃性粘着剤組成物からなる粘着剤層を設けてなる難燃性両面粘着テープ。
【0010】
(2)前記ポリエステル不織布が、坪量15〜80g/mの長繊維ポリエステル不織布であることを特徴とする(1)記載の難燃性両面粘着テープ。
【0011】
(3)前記含浸用組成物は、アクリル系粘着剤の固形分100質量部に対して、ハロゲン、アンチモン及びリンのいずれをも含まない難燃剤50〜500質量部を添加した含浸用組成物であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の難燃性両面粘着テープ。
【0012】
(4)前記含浸用組成物における粘着剤と難燃剤は、前記難燃性粘着剤層に使用されているアクリル系粘着剤及び難燃剤と同一種類であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の難燃性両面粘着テープ。
【0013】
(5)前記含浸用組成物及び/又は難燃性粘着剤組成物における窒素含有有機系難燃剤が、メラミン樹脂、メラミン化合物のメラミンシアヌレート、フタル酸メラミン、硫酸メラミン、硝酸メラミン、スルファミン酸メラミン、硼酸メラミン、グアニジン化合物及びグアニル尿素化合物から選択される少なくとも1種の難燃剤からなる、平均粒径が0.5〜80μmの難燃剤であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の難燃性両面粘着テープ。
【0014】
(6)前記難燃性両面粘着テープの構造が、ポリエステル不織布に第一の難燃性含浸層を設け、その両面にさらに第二の難燃性粘着剤層を設けてなる複層構造であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の難燃性両面粘着テープ。
【0015】
(7)前記含浸用組成物は、粘着剤として、含浸層と粘着剤層の層間強度によって前記難燃性粘着剤組成物におけるアクリル系粘着剤より粘着力のさらに強いアクリル系粘着剤を使用することを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の難燃性両面粘着テープ。
【0016】
(8)前記難燃性両面粘着テープは、800℃での焼却後の灰分が、焼却前質量の1%以下で有ることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載の難燃性両面粘着テープ。
【0017】
(9)前記難燃性両面粘着テープは、老化促進試験後及び加熱促進試験後において被着体よりテープ切れや糊残りがなく剥離することができることを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1項に記載の難燃性両面粘着テープ。
【0018】
(10)UL94薄手材料垂直燃焼試験において、VTM−0に合格することを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項に記載の難燃性両面粘着テープ。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の難燃性両面粘着テープの構造は、粘着テープの使用目的に応じて、難燃特性及び粘着特性をきめこまかく制御することを可能とするために、難燃剤が含浸担持されている基材シートの両面に、難燃剤粒子が粘着剤と良く馴染んでいる難燃性粘着剤層を積層した複層構造である。
【0020】
すなわち、主に難燃機能を付与する難燃剤を比較的大量に配合した含浸用組成物を含浸した基材シートの両面に、主に接着機能を維持するように難燃剤を比較的少量に配合した難燃性粘着剤組成物からなる粘着剤層を設けることによって両面粘着テープ全体の難燃性及び粘着特性のバランスをとったものである。難燃剤を粘着剤層のみに添加した一層構造では、従来のハロゲン系やリン系難燃剤以外の環境や人体に相応しい難燃剤を使用して本発明のUL94燃焼試験におけるVTM−0レベルの難燃性能を達成するためには、難燃剤を大量に添加する必要があり、この場合は、粘着テープとして十分な接着力を得ることはできない。
【0021】
本発明の難燃性両面粘着テープは、ポリエステル不織布からなる丈夫な基材シートに難燃剤含浸用組成物を含浸させて、難燃性含浸層を形成して両面粘着テープの基材シートを形成し、該基材シートの両面に、難燃剤、特に窒素含有有機系難燃剤の粉末を含有する難燃性粘着剤層が設けられてなる復層構造を有する。ここで、難燃性含浸層及び難燃性粘着剤層は、少なくとも一種の窒素含有有機難燃剤を添加することによって難燃化されており、基材シートの含浸層と粘着剤層の双方に難燃剤の粒子が分散した構造となっている。本発明の難燃性両面粘着テープとしての機能は、電気、電子、OA機器、家電、航空機、船舶、車両などの各分野での使用において、各種機器内部の高温化や畜熱によっても発火する危険性がなく、発火しても速やかに消火する機能を有するとともに、経時及び熱などに耐える粘着力を十分に有する。
【0022】
また、その役目を終えて各種機器部品をリサイクル処理を行う場合には、十分な基材シート強度と粘着剤層の優れた凝集力により、引き剥がす際にテープ切れや糊残りなどを発生しないので剥離除去しやすく、被着体機器の各種部品のリサイクルのために該機器から剥離して廃棄物として燃焼させても熱分解により環境や人体安全性に相応しくない有毒な塩素、臭素などのハロゲンガスやホスフィンガスなどの発生はなく、さらに焼却後の灰分も極めて微量に止まるという特性を備えている。
【0023】
両面粘着テープの一般的な基材としては、例えば,和紙、レーヨン紙、マニラ紙など、合成樹脂フィルム類のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリカーボネート、ナイロン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミドなど、及び織布の布類又は不織布の合成樹脂類などを挙げることができ、これらの中でも,レーヨン紙やマニラ紙などは紙両面粘着テープの基材として一般的であるが,強度、特に横方向の強度が弱く、強度向上のために坪量を増やすとテープの柔軟性及び難燃性に不利となる。また、坪量の増加によって粘着剤組成物の含浸が不十分となりやすく、層割れする恐れがある。
【0024】
一方,合成樹脂フィルム類も両面粘着テープの基材としてもよく使われているが,これら樹脂が可燃性のため、本発明において目標としているレベルの難燃機能を付与するためには、難燃性粘着剤組成物に難燃剤を大量に添加する必要がある。そのように難燃剤を大量に添加した粘着剤組成物は,基材として用いる合成樹脂フィルムとの接着力が非常に悪くなるし,表面が複雑な形状をした被着体に密着しにくい欠点がある。
【0025】
したがって、本発明の難燃性両面粘着テープにおいては、再剥離時(剥離除去時)にテープ強度が求められること、基材シート自体に大量に難燃剤を担持させてテープ全体の難燃性を確保する必要であること、柔軟性であること、焼却処理可能であることなどの理由から、基材シートとしては、織布に近い強度を有し、大量の難燃性を配合した含浸用組成物を含浸させやすく、アクリル系粘着剤との密着性にも優れているポリエステル不織布を使用する。
【0026】
基材シートとして使用されるポリエステル不織布は、坪量が15〜80g/mの範囲のものが好適に使用される。坪量が15g/m未満では、得られた両面粘着テープの強度が不足して再剥離時にテープ切れが発生する恐れがあるし、80g/m超となると、強度は十分でも作業時にテープのカット性などが悪くなるのみならず、価格面でも不利となる。基材シートの坪量は、より好ましくは20〜50g/mの範囲である。
【0027】
本発明の難燃性両面粘着テープは、難燃性含浸層及び難燃性粘着剤層中に、前述のように環境に負荷となるハロゲン系やリン系難燃剤及び人体に有害な三酸化アチモンなどの難燃助剤、及び焼却によって大量の灰分を発生させる無機系難燃剤を全く使用していないことを特徴としている。
このような要求を満たす難燃剤としては、少なくとも一種の窒素含有有機難燃剤が使用される。
【0028】
難燃剤の具体的な例としては、メラミン樹脂、メラミン化合物のメラミンシアヌレート、フタル酸メラミン、硫酸メラミン、硝酸メラミン、スルファミン酸メラミン、硼酸メラミン、グアニジン化合物、グアニル尿素化合物などを挙げることができる。
これらの中では、粘着剤エラストマーとしてのアクリルポリマーへの分散性、混合性、粘着特性への影響及び耐熱性、耐水性などの点からメラミンシアヌレート、硫酸メラミン、フタル酸メラミンが特に好ましい。
このような窒素含有有機難燃剤の難燃効果は、(1)吸熱反応によって燃焼を遅延、防止すること、(2)酸による脱水反応によりチャーを形成し、熱と酸素を遮断すること、(3)窒素などの不燃ガスの発生により可燃性ガスを希釈することなどの効果が主要な役割を果たすと考えられる。
【0029】
本発明で使用する窒素含有有機難燃剤は、メラミンシアヌレート、フタル酸メラミン、硫酸メラミンなどを各単独で使用することにより十分な難燃効果が得られる。また、必要に応じて、それらの混合物を使用することにより、さらに相乗的効果を得ることもできる。
【0030】
使用される難燃剤の平均粒径は、0.5〜80μm、好ましくは1〜50μm、特に好ましくは3〜20μmである。0.5μmより小さい場合は粉体としての扱いが不便となるし、80μmを越える場合には、大量配合が容易であるが、粘着剤中に分散した後の安定性問題や粘着剤層表面への露出で面荒れを招きやすく、粘着力の低下原因となる難点がある。
【0031】
本発明の難燃性両面粘着テープの基材シートにおける難燃性含浸層の難燃剤の配合量は、両面粘着テープに所定の難燃性を付与できる限り、特に限定されないが、基材シートへの難燃剤含浸用組成物がアクリル系粘着剤と難燃剤を含有する組成物である場合は、アクリル系粘着剤の固形分100質量部に対し、難燃剤50〜500質量部の範囲が適当である。基材シートへの十分な難燃性の付与、含浸層と粘着剤層との良好な接着性の確保及び基材シートへの含浸性を全て満たすためには、粘着剤固形分100質量部当たりの難燃剤量を150〜400質量部とするのが好ましい。
【0032】
難燃剤の量が500質量部を越えると、難燃性は高くなるが、基材シートへの含浸が不十分となったり、粘着剤層との接着力の低下や含浸層の凝集性の低下などを招き、再剥離時にテープの層間剥離が起こる原因となり、被着体面に糊残りするなどの不具合を生じる恐れがあり、好ましくない。
また、難燃剤含浸用組成物におけるアクリル系粘着剤の固形分100質量部当たりの難燃剤量が50質量部未満となると、基材シートへの含浸性や粘着剤層との密着性は良くなるが、粘着剤層に難燃剤を添加して両面粘着テープ全体を難燃化することができる程度は限定されているので、全体的に難燃化の程度が低くなり、両面粘着テープの全体的なUL94燃焼試験において、VTM−0レベルの難燃性能を満足しなくなる場合がある。
【0033】
本発明の難燃性両面粘着テープにおける難燃性粘着剤層の難燃剤への配合量は、アクリル系粘着剤の固形分100質量部に対して、難燃剤20〜200質量部の範囲であることが適当である。被着体面への十分な粘着力と基材シート側の難燃性含浸層との良好な密着性を得る点からは、粘着剤100質量部当たりの難燃剤量を50〜100質量部とするのが好ましい。この難燃剤の量が200質量部を越えると、難燃性付与には有利となるが、基材シート側の含浸層との密着性の低下や粘着テープとしての粘着力不足により、固定部品が位置ずれを起こしたり、剥離したりするなどの不具合を生じる恐れがある。また、配合量が20重量部未満では、粘着特性などは良くなるが、UL94燃焼試験において、粘着剤層のみ持続的に燃えてしまい、VTM−0レベルの難燃性能を達成することができない場合がある。
【0034】
本発明の難燃性両面粘着テープにおける難燃性粘着剤組成物は、アクリル系粘着剤と少なくても一種の窒素含有有機難燃剤粒子を含有する。
使用されるアクリル系粘着剤に特に制限はされていないが、経時による粘着力の上昇の少ない方が好ましい。
【0035】
例えば、粘着性を付与する主モノマーとしてのn−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、エチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレートなどと、内部凝集性を付与するコモノマーとしてのアクリロニトリル、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、アクリルアマイド、スチレンなどと、架橋点となりかつ接着性にも寄与する官能性モノマーとしての(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、N−メチロールメタクリルアミド、イタコン酸、無水マレイン酸などを、過酸化物などの開始剤を用いて共重合させて得られるアクリル系共重合体が挙げられる。アクリル系粘着剤は、上記共重合体に加えて、ロジン系、クマロン・インデン系、テルペン系、石油系、フェノール系、ピュアモノマー系、キシレン系などの粘着付与剤を含有しているものであってもよい。
【0036】
難燃剤としては、前記基材シートへの難燃剤含浸用組成物に使用されている難燃剤として例示されている窒素含有有機難燃剤、例えば、メラミンシアヌレート、フタル酸メラミン、硫酸メラミンなどが、各単独か、又は必要に応じてそれらの混合物として使用される。
【0037】
本発明の難燃性両面粘着テープにおいては、基材シートへの難燃剤含浸用組成物及び粘着剤層用難燃性粘着剤組成物の双方に使用する難燃剤と粘着剤を、製造作業の簡便性をはかるために、同一種類のものとすることが好ましい。もちろん、必要に応じて、難燃剤及び粘着剤の一方又は双方を含浸用組成物及び粘着剤層用難燃性粘着剤組成物のそれぞれで異なるようにしてもよい。
【0038】
本発明の難燃性両面粘着テープにおいて、難燃性粘着剤層に使用する粘着剤としては、経時での粘着力の上昇率の少ないアクリル系粘着剤が好ましい。難燃剤含浸層に同一のアクリル系粘着剤を使用いても良い。もちろん、必要に応じてそれを変えることができる。
例えば、含浸層の難燃特性を損なわない範囲で、基材シート又は粘着剤層との密着性などを向上するため、粘着剤層に使用している粘着剤よりさらに強粘着の粘着剤を使用しても良い。また、テープ全体の難燃性を維持できる範囲で、粘着特性などの向上のため、テルペンフェノール樹脂などの粘着付与剤などを添加することもできる。また、必要に応じてポリイソシアネートなどの硬化剤を混入して凝集性や耐熱性を向上させることもできる。
本発明における難燃性粘着剤組成物の好ましい調製方法としては、ニーダーやミキシングロールなどの混練機を使用して混合・分散する方式による調製方法がある。
【0039】
本発明の難燃性両面粘着テープにおける難燃剤含浸用組成物は、主に基材シートに難燃機能を付与するために用い、基材へ難燃剤含浸用組成物の含浸層を形成するための塗工方式としては、基材シートに難燃剤含浸用組成物を直接塗工して乾燥する方式や、一旦、セパレーター上に塗工して乾燥後に基材シートに転写する方式や、基材シートを難燃剤含浸用組成物中にディッピングさせて乾燥するディップコーテング方式などがあるが、基材シートへのなじみ性や密着性、製造作業の簡便性などの観点からは、ディップコーティング方式が好ましい。この方式より、難燃剤含浸用組成物の層が基材シート内に浸透して基材シートと一体化すると同時に、基材シート両面が高い難燃性かつ粘着性のある層で被覆されている状態となる結果、基材シートは完全に難燃化されている粘着テープ基材シートとなる。
【0040】
本発明における難燃性粘着剤層の塗工方式は、難燃性粘着剤組成物を一旦セパレーター上に塗工し、乾燥後、基材シートに貼り合わせるか、或いは基材シートに直接塗工して乾燥する方式などがある。難燃性粘着剤層と基材シートの難燃剤含浸用組成物層の間の接着力をさらに向上させる必要がある場合は、後者の直接塗工方式を用いるのが良い。
【0041】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明を説明する。なお、各実施例及び比較例における「部」は質量部を意味する。
【0042】
実施例1
アクリル酸ブチル、2−エチルヘキシルアクリレート及びアクリル酸の共重合体からなるアクリル系ポリマー(商品名:コーポニールN−3495 日本合成化学社製)の固形分100部に対して、メラミンシアヌレート粉末(商品名:MC−610、平均粒径3μm、日産化学社製)を350部添加し、混合・混練機(HM−3D−5 特殊機化工業社製 )で練り込み、充分に分散させて得た粘着剤組成物にテルペンフェノール樹脂(商品名:YSポリスターU115 ヤスハラケミカル社製)を12部、ポリイソシアネート系架橋剤を4部、及び460部のトルエンを加えて均一になるまで充分に撹拌して難燃剤含浸用組成物〔含浸液〕を調製した。
続いて、上記と同一のアクリル系ポリマーの固形分100部に対して、メラミンシアヌレート粉末(商品名:MC−610 平均粒径3μm、日産化学社製)を80部添加し、前記と同様の混合・混練機を使用して練り込み、充分に分散させて得た粘着剤組成物にテルペンフェノール樹脂(商品名:YSポリスターU115 ヤスハラケミカル社製)を12部、ポリイソシアネート系架橋剤を4部、及び235部のトルエンを加えて均一になるまで充分に撹拌して粘着剤層用難燃性粘着剤組成物を調製した。
次に、上記のように調製した含浸液を、坪量25g/mのポリエステル不織布(商品名:マリックス ユニチカ社製)に乾燥後の全体の厚さが130μmになるように含浸させて両面粘着テープ用の基材シートを得た。また、上記のように調製した粘着剤層用難燃性粘着剤組成物を乾燥後の厚さが25μmになるようにセパレーター上に塗布し、上記テープ用の基材シートの両面とそれぞれ貼り合わせして、本発明の難燃性両面粘着テープを得た。
【0043】
実施例2
アクリル酸ブチル、2−エチルヘキシルアクリレート及びアクリル酸の共重合体からなるアクリル系ポリマー(商品名:コーポニールN−3495 日本合成化学社製)の固形分100部に対して、硫酸メラミン粉末(商品名:アピノン−901 三和ケミカル社製)を350部添加し、実施例1と同様に混合・混練機のプラネタリー・ミキサーにより練り込み、充分に分散させて得た粘着剤組成物にテルペンフェノール樹脂(商品名:YSポリスターU115 ヤスハラケミカル社製)を12部、ポリイソシアネート系架橋剤を4部、及び460部のトルエンを加えて均一になるまで充分に撹拌して難燃剤含浸用組成物〔含浸液〕を調製した。
続いて、上記と同一のアクリル系ポリマーの固形分100部に対して、硫酸メラミン粉末(商品名:アピノン−901 三和ケミカル社製)を80部添加し、前記と同様の混合・混練機を使用して練り込み、充分に分散させて得た粘着剤組成物にテルペンフェノール樹脂(商品名:YSポリスターU115 ヤスハラケミカル社製)を12部、ポリイソシアネート系架橋剤を4部、及び適量の溶剤235部のトルエンを加えて均一になるまで充分に撹拌して粘着剤層用難燃性粘着剤組成物を調製した。
次に、上記のように調製した含浸液を、25g/m坪量のポリエステル不織布(商品名:マリックス ユニチカ社製)に乾燥後の全体の厚さが130μmになるように含浸させて両面粘着テープ用の基材シートを得た。また、上記のように調製した粘着剤層用難燃性粘着剤組成物を乾燥後の厚さが25μmになるようにセパレーター上に塗布し、上記テープ用の基材シートの両面とそれぞれ貼り合わせして、本発明の難燃性両面粘着テープを得た。
【0044】
実施例3
アクリル酸ブチル、2−エチルヘキシルアクリレート及びアクリル酸の共重合体からなるアクリル系ポリマー(商品名:コーポニールN−3495 日本合成化学社製)の固形分100部に対して、硫酸メラミン粉末(商品名:アピノン−901 三和ケミカル社製)を175部、及びフタル酸メラミン粉末(三和ケミカル社製)を175部添加し、実施例1と同様の混合・混練機を使用して練り込み、充分に分散させて得た粘着剤組成物にテルペンフェノール樹脂(商品名:YSポリスターU115 ヤスハラケミカル社製)を12部、ポリイソシアネート系架橋剤を4部、及び適量の溶剤460部のトルエンを加えて均一になるまで充分に撹拌して難燃剤含浸用組成物〔含浸液〕を調製した。
続いて、上記と同一アクリル系ポリマーの固形分100部に対して、硫酸メラミン粉末(商品名:アピノン−901 三和ケミカル社製)を40部、及びフタル酸メラミン粉末(三和ケミカル社製)を40部添加し、前記と同様の混合・混練機を使用して練り込み、充分に分散させて得た粘着剤組成物にテルペンフェノール樹脂(商品名:YSポリスターU115 ヤスハラケミカル社製)を12部、ポリイソシアネート系架橋剤を4部、及び適量の溶剤235部のトルエンを加えて均一になるまで充分に撹拌して粘着剤層用難燃性粘着剤組成物を調製した。
次に、上記のように調製した含浸液を、25g/m坪量のポリエステル不織布(商品名:マリックス ユニチカ社製)に乾燥後の全体の厚さが130μmになるように含浸させて両面粘着テープ用の基材シートを得た。また、上記のように調製した粘着剤層用難燃性粘着剤組成物を乾燥後の厚さが25μmになるようにセパレーター上に塗布し、上記テープ用の基材シートの両面とそれぞれ貼り合わせして、本発明の難燃性両面粘着テープを得た。
【0045】
比較例1
アクリル酸ブチル、2−エチルヘキシルアクリレート及びアクリル酸の共重合体からなるアクリル系ポリマー(商品名:コーポニールN−3495 日本合成化学社製)の固形分100部に対して、硫酸メラミン粉末(商品名:アピノン−901 三和ケミカル社製)を350部添加し、実施例1と同様の混合・混練機を使用して練り込み、充分に分散させて得た粘着剤組成物にテルペンフェノール樹脂(商品名:YSポリスターU115 ヤスハラケミカル社製)を12部、ポリイソシアネート系架橋剤を4部、及び565部のトルエンを加えて均一になるまで充分に撹拌して難燃性粘着剤組成物を調製した。
上記のように調製した難燃性粘着剤を、乾燥後の厚さが40μmになるようにセパレーター上に塗布し、25g/m坪量のポリエステル不織布シートの両面とそれぞれ貼り合わせして、難燃性両面粘着テープを得た。
【0046】
比較例2
アクリル酸ブチル、2−エチルヘキシルアクリレート及びアクリル酸の共重合体からなるアクリル系ポリマー(商品名:コーポニールN−3495 日本合成化学社製)の固形分100部に対して、硫酸メラミン粉末(商品名:アピノン−901 三和ケミカル社製)を100部添加し、実施例1と同様の混合・混練機を使用して練り込み、充分に分散させて得た粘着剤組成物にテルペンフェノール樹脂(商品名:YSポリスターU115 ヤスハラケミカル社製)を12部、ポリイソシアネート系架橋剤を4部、及び260部のトルエンを加えて均一になるまで充分に撹拌して難燃性粘着剤組成物を調製した。
上記のように調製した難燃性粘着剤組成物を、乾燥後の厚さが40μmになるようにセパレーター上に塗布し、25g/m坪量のポリエステル不織布シートの両面とそれぞれ貼り合わせして、難燃性両面粘着テープを得た。
【0047】
比較例3
アクリル酸ブチル、2−エチルヘキシルアクリレート及びアクリル酸の共重合体からなるアクリル系ポリマー(商品名:コーポニールN−3495 日本合成化学社製)の固形分100部に対して、硫酸メラミン粉末(商品名:アピノン−901 三和ケミカル社製)を350部添加し、実施例1と同様の混合・混練機を使用して練り込み、充分に分散させて得た粘着剤組成物にテルペンフェノール樹脂(商品名:YSポリスターU115 ヤスハラケミカル社製)を12部、ポリイソシアネート系架橋剤を4部、及び565部のトルエンを加えて均一になるまで充分に撹拌して難燃剤含浸用組成物〔含浸液〕を調製した。
続いて、上記と同一のアクリル系ポリマーの固形分100部に対して、硫酸メラミン粉末(商品名:アピノン−901 三和ケミカル社製)を10部添加し、上記と同様の混合・混練機を使用して練り込み、充分に分散させて得た粘着剤組成物にテルペンフェノール樹脂(商品名:YSポリスターU115 ヤスハラケミカル社製)を12部、ポリイソシアネート系架橋剤を4部、及び適量の溶剤150部のトルエンを加えて均一になるまで充分に撹拌して粘着剤層用粘着剤組成物を調製した。
次に、上記のように調製した含浸液を、25g/m坪量のポリエステル不織布(商品名:マリックス ユニチカ社製)に乾燥後の全体の厚さが130μmになるように含浸させて両面粘着テープ用の基材シートを得た。また、上記のように調製した粘着剤層用粘着剤組成物を乾燥後の厚さが25μmになるようにセパレーター上に塗布し、上記テープ用の基材シートの両面にそれぞれ貼り合わせして、両面粘着テープを得た。
【0048】
比較例4
実施例2に記載されている難燃性両面粘着テープの製造例において、25g/m坪量のポリエステル不織布(商品名:マリックス ユニチカ社製)を基材シートとする代わりに、厚さ25μmのポリエステルフィルム(東レ社製 S−10)を使用する以外は実施例2と同様にして、難燃性両面粘着テープを得た。
【0049】
比較例5
実施例2に記載されている難燃性両面粘着テープの製造例において、25g/m坪量のポリエステル不織布(商品名:マリックス ユニチカ社製)を基材シートとする代わりに、17g/m坪量のマニラ紙(商品名:TN−17G 日本板紙社製)を使用する以外は実施例2と同様にして、難燃性両面粘着テープを得た。
【0050】
比較例6
実施例2に記載されている難燃性両面粘着テープの製造例において、難燃剤含浸用組成物及び粘着剤層用難燃性粘着剤組成物の双方に使用されている硫酸メラミン難燃剤に代えて、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−34 平均粒径3.5μm 昭和電工社製)を使用する以外は、実施例2と同様にして、難燃性両面粘着テープを得た。
【0051】
比較例7
アクリル酸ブチル、2−エチルヘキシルアクリレート及びアクリル酸の共重合体からなるアクリル系ポリマー(商品名:コーポニールN−3495 日本合成化学社製)の固形分100部に対して、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−34 平均粒径3.5μm 昭和電工社製)を260部、テルペンフェノール樹脂(商品名:YSポリスターU115 ヤスハラケミカル社製)を12部、ポリイソシアネート系架橋剤を4部、及び370部のトルエンを加えて均一になるまで充分に撹拌して難燃剤含浸用組成物〔含浸液〕を調製した。
続いて、上記と同一のアクリル系ポリマーの固形分100部に対して、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−34 平均粒径3.5μm 昭和電工社製)を80部、テルペンフェノール樹脂(商品名:YSポリスターU115 ヤスハラケミカル社製)を12部、ポリイソシアネート系架橋剤を4部、及び235部のトルエンを加えて均一になるまで充分に撹拌して粘着剤層用難燃性粘着剤組成物を調製した。
次に、上記のように調製した含浸液を、25g/m坪量のポリエステル不織布(商品名:マリックス ユニチカ社製)に乾燥後の全体の厚さが130μmになるように含浸させて両面粘着テープ用の基材シートを得た。また、上記のように調製した粘着剤層用難燃性粘着剤組成物を乾燥後の厚さが25μmになるようにセパレーター上に塗布し、上記テープ用の基材シートの両面とそれぞれ貼り合わせして、難燃性両面粘着テープを得た。
【0052】
以上、各実施例及び比較例として得られたテープサンプルの諸特性試験を以下の方法で行った。得られた結果を〔表1〕と〔表2〕に示した。
〔粘着力〕室温で7日熟成した各サンプルを、23℃×50%RHの標準状態において1日放置後、それぞれ20mm幅でカットし、ステンレス板に2kgのゴムローラーを1往復させて貼り付け、同標準状態で30分放置後、引っ張り速度300mm/分、剥離角度180°の条件で引っ張り試験機にて粘着力を測定した。
【0053】
〔燃焼試験〕UL規格(UL94:薄手材料垂直燃焼試験)に準じて燃焼試験を行って判定をした。
【0054】
〔再剥離試験〕粘着力の測定と同様に作製したサンプルを65℃×80%RH×3日で老化促進試験、及び70℃×3日で加熱促進試験を行い、室温に戻した後、被着体よりテープを剥がしてテープ切れの発生の有無、基材シート、含浸層及び粘着剤層の層割れや基材シートと含浸層及び含浸層と粘着剤層間での層剥がれの発生の有無を観察して評価した。◎は、テープ切れの発生、各層の層割れ及び各層の層間での層剥がれの発生がなかったことを示している。
【0055】
〔灰分〕テープ試料を電気炉にて800±10℃で灰化し、残留物質を質量%で評価した。
【0056】
【表1】
Figure 2004217833
【0057】
【表2】
Figure 2004217833
【0058】
【発明の効果】
〔表1〕及び〔表2〕の結果から明らかなように、本発明による難燃性両面粘着テープは、優れた難燃性、接着性及び再剥離性を併せ持ち、電気・電子部品、OA機器、家電、航空機、船舶、車両など各分野における各種機器の接着固定、火災防止及び機器のリサイクル処理用として有用であるのみならず、難燃性両面粘着テープを構成するポリエステル不織布、難燃性含浸層及び難燃性粘着剤層は、いずれもハロゲン、アンチモン及びリン系化合物を実質的に含んでいないので、使用済み後に焼却しても、熱分解により環境や人体に相応しくない有毒なハロゲンガスやホスフィンガスを発生する恐れがなく、灰分の発生も殆どないと言う効果がある。

Claims (8)

  1. 坪量15〜80g/mのポリエステル不織布の基材シートに、粘着剤と窒素含有有機系難燃剤を含み、ハロゲン、アンチモン及びリンのいずれをも含まない難燃剤とを含有する含浸用組成物を含浸させた基材シートの両面に、さらにアクリル系粘着剤100質量部に対して、窒素含有有機系難燃剤を含み、ハロゲン、アンチモン及びリンのいずれをも含まない難燃剤20〜200質量部を添加した難燃性粘着剤組成物からなる粘着剤層を設けてなる難燃性両面粘着テープ。
  2. 前記ポリエステル不織布が、坪量15〜80g/mの長繊維ポリエステル不織布であることを特徴とする請求項1記載の難燃性両面粘着テープ。
  3. 前記含浸用組成物における粘着剤と難燃剤は、前記難燃性粘着剤組成物に使用されているアクリル系粘着剤及び難燃剤と同一であることを特徴とする請求項1又は2に記載の難燃性両面粘着テープ
  4. 前記含浸用組成物における難燃剤の含有量が、アクリル系粘着剤の固形分100質量部に対して50〜500質量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の難燃性両面粘着テープ。
  5. 前記含浸用組成物及び/又は難燃性粘着剤組成物における窒素含有有機系難燃剤が、メラミン樹脂、メラミン化合物のメラミンシアヌレート、フタル酸メラミン、硫酸メラミン、硝酸メラミン、スルファミン酸メラミン、硼酸メラミン、グアニジン化合物及びグアニル尿素化合物から選択される少なくとも1種からなる、平均粒径が0.5〜80μmの難燃剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃性両面粘着テープ。
  6. 前記難燃性両面粘着テープの構造が、ポリエステル不織布に第一の難燃性含浸層を設け、その両面にさらに第二の難燃性粘着剤層を設けてなる複層構造であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の難燃性両面粘着テープ。
  7. 前記難燃性両面粘着テープの800℃での焼却後の灰分が、焼却前質量の1%以下で有ることを特徴とする請求項1〜6記載の難燃性両面粘着テープ。
  8. UL94薄手材料垂直燃焼試験において、VTM−0に合格することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の難燃性両面粘着テープ。
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