JP5410684B2 - 金属化粧板用積層粘着シート - Google Patents

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Description

本発明は金属化粧板用積層粘着シートに関し、さらに詳しくは、特に低温環境下において金属材料からなる被着体に貼付した場合に貼付性が良好であり、浮きや剥がれの少ない金属化粧板用積層粘着シートに関するものである。
従来、建築物の内装、建具の表面装飾、車輌の内装などには、化粧シートが用いられている。この化粧シートは、例えば金属板や、木材、合板、集成材、あるいはパーチクルボードやハードボードなどの木質系板状体などの基材に貼合して、化粧板として使用されることが多い。
前記化粧シートとしては、一般に基材シートと、その一方の面に順に施された印刷層及び透明樹脂層を有するものや、着色基材シートと、その一方の面に施された透明樹脂層を有するもの、さらにはこれらの化粧シートにおける基材シートの他方の面に粘着剤層を有するものなどが用いられている。前記透明樹脂層としては、例えばフッ素系樹脂含有層やアクリル系樹脂含有層、あるいはフッ素系樹脂及びアクリル系樹脂を含有する層などが知られている。また、基材シートとしては、加工性や耐候性などの観点から、塩化ビニル系樹脂シートやアクリル系樹脂シートなどが多用されている。
このような化粧シートとしては、例えば(1)アクリル系樹脂を含有する基材シートと、印刷されてなる印刷層とを含む化粧シートであって、前記基材シートの少なくとも表面に、フッ素系樹脂とアクリル系樹脂を特定の割合で含むフッ素系樹脂含有層を有する化粧シート(例えば、特許文献1参照)、及び(2)着色軟質塩化ビニル樹脂フィルムの一面に、フッ素系三元共重合体もしくはフッ素系二元共重合体100重量部とアクリル樹脂30〜70重量部の割合とからなる混合物が含有された表面層が設けられ、他面に粘着剤層が積層されてなる装飾用粘着シート(例えば、特許文献2参照)などが開示されている。
ところで、裏面側に粘着剤層を有する化粧シートを、金属材料からなる被着体に貼付し、金属化粧板として用いる場合、特に低温環境下において被着体に貼付した場合に貼付性が良く、浮きや剥がれの少ないことが要求される。
しかしながら、前記特許文献1は、耐薬品性、透明性及び印刷性に優れる化粧シートを得るための技術であって、金属化粧板として用いる際の浮きや剥がれについては、なんら言及されていない。また、特許文献2は、耐候性、耐汚染性に優れ、かつ引張った際に白化しにくい装飾用粘着シートを得るための技術であり、金属化粧板として用いる際の浮きや剥がれについては、特許文献1と同様になんら言及されていない。
特開2006−281563号公報 特開平7−188619号公報
本発明は、このような事情のもとで、特に低温環境下において金属材料からなる被着体(以下、金属系被着体と称することがある。)に貼付した場合に貼付性が良好で、浮きや剥がれの少ない金属化粧板用積層粘着シートを提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、前記の好ましい性質を有する金属化粧板用積層粘着シートを開発すべく鋭意研究を重ね、以下に示す知見を得た。
従来、粘着シートの粘着力の測定によく用いられているJIS Z 0237により測定される「180°引きはがし法による粘着力」(以下、180°ピール粘着力という。)では、金属系被着体に積層粘着シートを貼付した場合に、浮きや剥がれが発生しやすい積層粘着シートと、発生しにくい積層粘着シートとで、差が出にくく、前記JIS Z 0237による試験法は、この判別方法として採用しにくいことが分かった。
そこで、本発明者らは、さらに研究を進め、新しい試験方法として、定荷重試験方法を創出し、24時間後の剥がれ量(ズレ量)を測定することで、金属系被着体に貼付された積層粘着シートの浮きや剥がれの発生しやすいものと、しにくいものとを容易に判別し得ることを見出した。
また、アクリル酸ブチル単位と特定含有量の(メタ)アクリル酸単位を有するアクリル酸エステル系共重合体を含み、かつある値のゲル分率を有する特定の粘着剤を用いることにより、低温環境下で金属系被着体に貼付し易い粘着シートを作製し得ることを見出した。
これらの知見に基づき、熱可塑性樹脂製基材フィルムの一方の面に、フッ素系樹脂含有層を有し、他方の面に特定粘着剤層を有する積層粘着シートにおいて、前記定荷重試験方法で、24時間後の剥がれ量が10mm以下であるものが、本発明の目的に適合し得ることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
[1]熱可塑性樹脂製基材フィルムの一方の面に、フッ素系樹脂含有層を有し、他方の面に粘着剤層を有し、前記熱可塑性樹脂製基材フィルムが塩化ビニル系樹脂フィルムである積層粘着シートであって、該粘着剤層を形成する粘着剤が、アクリル酸ブチル単位と〜9質量%の(メタ)アクリル酸単位とを有するアクリル酸エステル系共重合体を含み、粘着剤層のゲル分率が40〜70質量%であり、かつ下記の定荷重試験Aにおいて、24時間後の剥がれ量が10mm以下であることを特徴とする金属化粧板用積層粘着シート、
定荷重試験A
ステンレス鋼からなる平面被着体上に積層粘着シート(サイズ:25mm×100mm、50mmのところに標線明記)の25mm×50mm分を貼付し、23℃、50%RHの条件で24時間放置後、同条件で貼付されていない積層粘着シート端部に90°方向に1.96Nの荷重をかけ、前記条件で24時間後の剥がれ量(ズレ量)を測定する。
[2]粘着剤を構成するアクリル酸エステル系共重合体の重量平均分子量が50万〜90万である上記[1]項に記載の金属化粧板用積層粘着シート、
[3]アクリル酸エステル系共重合体が、アクリル酸ブチル単位、アクリル酸2−エチルヘキシル単位及び(メタ)アクリル酸単位から構成される上記[1]又は[2]項に記載の金属化粧板用積層粘着シート、
[4]粘着剤層がイソシアネート系架橋剤により架橋されてなる上記[1]〜[3]項のいずれかに記載の金属化粧板用積層粘着シート、
[5]フッ素系樹脂含有層が、それぞれの層にフッ素系樹脂とアクリル系樹脂を含む2層積層構造を有し、かつ基材フィルム側の層においては、フッ素系樹脂とアクリル系樹脂との含有割合が、質量比で5:95〜45:55であり、他方の側の層においては、フッ素系樹脂とアクリル系樹脂との含有割合が、質量比で55:45〜95:5である上記[1]〜[4]項のいずれかに記載の金属化粧板用積層粘着シート、
[6]下記の定荷重試験Bにおいて、24時間後の剥がれ量が20mm以下である上記[1]〜[4]項のいずれかに記載の金属化粧板用積層粘着シート、
定荷重試験B
ステンレス鋼からなる平面被着体上に積層粘着シート(サイズ:25mm×100mm、50mmのところに標線明記)の25mm×50mm分を貼付し、23℃、50%RHの条件で24時間放置後、40℃の条件で貼付されていない積層粘着シート端部に90°方向に1.96Nの荷重をかけ、前記条件で24時間後の剥がれ量(ズレ量)を測定する。及び
[7]金属化粧板の金属が、アルミニウム又はアルミニウム合金である上記[1]〜[6]項
のいずれかに記載の金属化粧板用積層粘着シート、を提供するものである。
[8]粘着剤層が、粘着付与剤を含まない上記[1]〜[7]項のいずれかに記載の金属化粧板用積層粘着シート。
本発明によれば、低温環境下において金属系被着体に貼付した場合に貼付性が良好で、浮きや剥がれの少ない金属化粧板用積層粘着シートを提供することができる。
本発明の金属化粧板用積層粘着シート(以下、単に積層粘着シートと称することがある。)は、熱可塑性樹脂製基材フィルムの一方の面に、フッ素系樹脂含有層を有し、他方の面に粘着剤層を有する構成の積層粘着シートである。
[熱可塑性樹脂製基材フィルム]
本発明の積層粘着シートにおいては、基材として熱可塑性樹脂製基材フィルムが用いられる。この基材フィルムに特に制限はなく、従来金属化粧板に使用される化粧シートの基材フィルムとして使用されている公知のフィルムの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。このような基材フィルムとしては、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などの熱可塑性樹脂や、それらに顔料や染料を含ませた通常の各種フィルムが挙げられる。この中でも、形状追従性や加工性、耐候性などの観点から、塩化ビニル系樹脂フィルム及びアクリル系樹脂フィルムが好適である。
前記塩化ビニル系樹脂フィルムを構成する塩化ビニル系樹脂材料としては、例えば数平均重合度が約800〜2500のポリ塩化ビニル、塩化ビニルを主体とする共重合体(例えばエチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−ハロゲン化オレフィン共重合体など)、あるいはこれらのポリ塩化ビニル又は塩化ビニル共重合体を主体とする他の相溶性の樹脂(例えばポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、部分ケン化ポリビニルアルコールなど)とのブレンド物などの塩化ビニル系樹脂を含むものが挙げられる。前記のポリ塩化ビニル又は塩化ビニルを主体とする共重合体は塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法など常用のいかなる製造法によって得られたものでもよい。これら塩化ビニル系樹脂は1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この塩化ビニル系樹脂材料は、上記塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、20〜50質量部程度の可塑剤を配合することにより、調製することができる。また、必要に応じ、鉛塩系安定剤、金属せっけん系安定剤、有機すず系安定剤などの安定剤を配合することができる。
一方、アクリル系樹脂フィルムを構成するアクリル系樹脂としては、例えばポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独又は共重合体からなる樹脂などが挙げられる。なお、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。これらのアクリル系樹脂は、1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記基材フィルムを構成する熱可塑性樹脂には、必要に応じて各種添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、柔軟性付与剤、難燃剤、帯電防止剤、発泡剤、滑剤、充填剤、着色剤などを適宜配合することができる。
製膜方法については特に制限はなく、従来公知の方法、例えば溶液流延法(キャスティング法)、溶融押出法(エキストルージョン法)、インフレーション法、カレンダー法、ゾルキャスト法などの中から、熱可塑性樹脂の種類に応じて適宜選択することができる。
このようにして製膜されたフィルムは、必要に応じて、一軸延伸処理又は二軸延伸処理を行うことができる。基材フィルムの厚さに特に制限はないが、通常40〜300μm程度、好ましくは60〜200μmである。
本発明においては、前記基材フィルムは、その上に設けられる粘着剤層やフッ素系樹脂含有層との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材の種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。また、片面又は両面にプライマー処理を施したものも用いることができる。
本発明の積層粘着シートにおいては、前記基材フィルムのフッ素系樹脂含有層との接合面に、必要に応じ、ベタ印刷層や絵柄層などの印刷層を、従来公知の手段により施すことができる。
[フッ素系樹脂含有層]
本発明の積層粘着シートにおいて、前記基材フィルムの一方の面に設けられるフッ素系樹脂含有層は、好ましくはフッ素系樹脂とアクリル系樹脂を含む層であって、前記フッ素系樹脂としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、パーフルオロ−パーフロロプロピレン−パーフロロビニルエーテル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)などを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記アクリル系樹脂としては、例えばポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独又は共重合体からなる樹脂などを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の積層粘着フィルムにおいて、基材フィルムの一方の面に設けられるフッ素系樹脂含有層は、それぞれの層にフッ素系樹脂とアクリル系樹脂を含む2層積層構造を有するものが好ましい。そして、基材フィルム側の層においては、基材フィルムに積層した際の強度の観点から、フッ素系樹脂とアクリル系樹脂との含有割合は、質量比で5:95〜45:55であることが好ましく、10:90〜40:60であることがより好ましい。また、他方の側の層においては、耐候性の観点から、フッ素系樹脂とアクリル系樹脂との含有割合は、質量比で55:45〜95:5であることが好ましく、60:40〜90:10であることがより好ましい。
前記の各フッ素系樹脂含有層には、必要に応じて各種添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、柔軟性付与剤、難燃剤、帯電防止剤、発泡剤、滑剤、充填剤、着色剤などを適宜含有させることができる。この2層積層構造のフッ素系樹脂含有層の製造方法に特に制限はなく、例えば、共押出法などにより製造することができる。
本発明においては、当該フッ素系樹脂含有層の厚さに特に制限はないが、通常10〜50μm程度である。また、基材フィルム/フッ素系樹脂含有層の厚さ比は、透明性、コスト、製造適性などの観点から、100/5〜100/50程度が好ましく、100/10〜100/40がより好ましい。
基材フィルムとフッ素系樹脂含有層との接合方法に特に制限はないが、接着剤類を用いる方法や熱融着などによるドライラミネート法等を用いることができる。
[粘着剤層]
本発明の積層粘着シートにおいては、基材フィルムのフッ素系樹脂含有層が設けられる側の反対面に粘着剤層が設けられる。この粘着剤層に使用できる粘着剤としては、特に低温環境下において金属系被着体に対する貼付適性の点からアクリル系粘着剤が用いられる。
(アクリル系粘着剤)
当該粘着剤層の形成に用いられるアクリル系粘着剤は、アクリル酸ブチル単位と3.5〜9質量%の(メタ)アクリル酸単位とを必須単位として有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を含み、粘着剤層のゲル分率が40〜70質量%のものである。粘着剤層のゲル分率については、後で説明する。
前記(メタ)アクリル酸エステル系共重合体において、(メタ)アクリル酸単位の含有量が3.5〜9質量%を逸脱すると、低温貼付性が損なわれる。該(メタ)アクリル酸単位の好ましい含有量は4〜8質量%である。
また、アクリル酸ブチル単位の含有量は50質量%以上が好ましい。含有量が50質量%以上であれば、常温付近及び低温(10℃程度)での良好な貼り付け適性及び粘着力を得ることができる。
前記の(a)アクリル酸ブチル、(b)(メタ)アクリル酸、(c)アクリル酸ブチル以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び所望により、(d)その他単量体を用いて得られたアクリル酸エステル系共重合体においては、各単量体単位の含有量は、(メタ)アクリル酸単位が3.5〜9質量%、好ましくは4〜8質量%であって、アクリル酸ブチル単位が好ましくは50質量%以上であり、残りが、アクリル酸ブチル単位以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位、又はこの単位とその他単量体単位であることが望ましい。また、その共重合形態については特に制限はなく、ランダム、ブロック、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
当該粘着剤においては、架橋剤を含有させ、粘着剤層のゲル分率を40〜70質量%に設定する必要がある。このゲル分率が40%未満であると、粘着剤層の凝集力が低く、70%を超えると低温貼付性が著しく低下する。
ゲル分率は以下の方法により測定した。
<粘着剤層のゲル分率>
粘着剤層を構成する粘着剤を、塗工機にて重剥離フィルムの剥離処理面に塗布したのち、90℃で約1分間加熱処理して架橋させ、厚さ約25μmの粘着剤層を作製する。これに、軽剥離フィルムをラミネートし、ゲル分率測定用シートサンプルを得る。次いで、このシートサンプルを、23℃、相対湿度50%の条件下で1週間放置したのち、粘着剤層を剥ぎ取り、ソックスレー抽出器を用いて、酢酸エチルにて約16時間還流させて抽出を行う。未溶解成分を風乾後、100℃で10時間乾燥させ、23℃相対湿度50%の条件下に3時間放置して調湿を行った後、その質量を測定して、以下の式によりゲル分率を測定した。
ゲル分率(%)=(乾燥・調湿後の未溶解成分の質量/抽出前の粘着剤の質量)×100
このゲル分率は、粘着剤層を構成する粘着剤の樹脂成分、例えば(メタ)アクリル酸エステル共重合体を製造する際の架橋度によって調整することができる。
また、当該アクリル酸エステル系共重合体の重量平均分子量が50万〜90万程度であれば、特に低温(10℃程度)での良好な貼り付け適性及び粘着力を得ることができる。また、低温保持力が優れたものになる。この重量平均分子量は、55万〜80万が好ましい。この分子量は、重合開始剤の量によって、又は連鎖移動剤を添加することによって調整することができる。
なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
前記アクリル酸エステル系共重合体としては、例えば(a)アクリル酸ブチル、(b)単量体全量に基づき、3.5〜9質量%の(メタ)アクリル酸、(c)エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20のアクリル酸ブチル以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び所望により用いられる、(d)その他の単量体との共重合体を挙げることができる。
前記(b)成分である(メタ)アクリル酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸などが挙げられる。これらの中でもアクリル酸が好ましく用いられる。
前記(c)成分であるエステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20のアクリル酸ブチル以外の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらの中でもアクリル酸2−エチルヘキシルが好ましく用いられる。
また、所望により用いられる、(d)成分である他の単量体の例としては酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、ビニリデンクロリドなどのハロゲン化オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル系単量体;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどのアクリルアミド、及び(b)成分以外の、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノアルキル類などの分子内に架橋性官能基を有する単量体が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<架橋剤>
前記アクリル系粘着剤に用いられる架橋剤としては特に制限はなく、従来アクリル系粘着剤において架橋剤として慣用されているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。このような架橋剤としては、例えばポリイソシアネート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマー、アジリジン系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩などが挙げられるが、ポリイソシアネート化合物が好ましく用いられる。
ここで、ポリイソシアネート化合物の例としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネートなど、及びそれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体などを挙げることができる。
本発明においては、この架橋剤の使用量は、前記アクリル酸エステル系共重合体100質量部に対し、通常0.1〜10質量部、好ましくは、0.5〜5質量部の範囲で選定される。
(粘着剤層の形成)
当該粘着剤層の形成に用いられる粘着剤には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により各種添加剤、例えば酸化防止剤、粘着付与剤、紫外線吸収剤、光安定剤、カップリング剤、充填剤、着色剤などを添加することができる。
粘着剤層は、基材フィルムの片面に粘着剤を直接塗布、形成してもよく、また、剥離シートの剥離処理面に粘着剤を塗布、乾燥させ粘着剤層を形成した後、基材フィルムの片面と貼り合わせてもよい。粘着剤層の形成方法としては、特に制限なく種々の方法を用いることができ、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーターなどが挙げられる。
粘着剤層の厚さは、通常10〜100μm程度、好ましくは30〜80μmである。 粘着剤層の表面は、それを保護するために剥離シートで覆うことが好ましい。
(剥離シート)
剥離シートとしては、いずれのものを使用してもよく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアリレートなどの各種樹脂よりなるフィルムや、ポリエチレンラミネート紙、ポリプロピレンラミネート紙、クレーコート紙、樹脂コート紙、グラシン紙、上質紙等の各種紙材を基材とし、この基材の粘着剤層との接合面に、必要により剥離処理が施されたものを用いることができる。 この場合、剥離処理の代表例としては、シリコーン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、フッ素系樹脂等の剥離剤よりなる剥離剤層の形成が挙げられる。
剥離シートの厚さは、特に制限されず、適宜選定すればよい。
(積層シートの性状)
<定荷重試験A>
本発明の積層粘着シートは、ステンレス鋼(SUS#360)からなる平面被着体上に積層粘着シート(サイズ:25mm×100mm、50mmのところに標線明記)の50mm分の剥離シートを剥離し、25mm×50mmの積層粘着シートを被着体上に2kgロールで1往復させ貼付し、23℃、50%RHの条件で24時間放置後、同条件で貼付されている積層粘着シートを下面側とし、貼付されていない積層粘着シート端部に90°方向に1.96Nの荷重をかけ(200gの重りをつけ)、前記条件で24時間後の剥がれ量(ズレ量)を測定する定荷重試験Aにおいて、24時間後の剥がれが10mm以下であることを要す。好ましくは7mm以下である。
<定荷重試験B>
また、本発明の積層粘着シートを、前記定荷重試験Aと同様に貼付して23℃、50%RHの条件で24時間放置後、40℃の条件下で貼付されていない積層粘着シート端部に90°方向に1.96Nの荷重をかけ、前記条件で24時間後の剥がれ量(ズレ量)が20mm以下であることが肝要である。好ましくは15mm以下である。
このような特性を有する積層粘着シートは、粘着剤の種類や厚さなどを適宜選択することにより、得ることができる。
従来、粘着シートの粘着力の測定によく用いられているJIS Z 0237により測定される常温における180°ピール粘着力では、金属系被着体に積層粘着シートを貼付した場合に、浮きや剥がれが発生しやすい積層粘着シートと、発生しにくい積層粘着シートとで、差が出にくいが、前記の定荷重試験方法によれば、金属系被着体に貼付した場合に、浮きや剥がれが発生しにくい積層粘着シートを容易に判別することができる。
前記特性を有する積層粘着シートは、金属系被着体に貼付した場合に、浮きや剥がれが少ない。
本発明の積層粘着シートは、金属化粧板に用いられる。該積層粘着シートが貼付される金属系被着体としては特に制限はなく、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金からなる板材、立体形状物品あるいはシート、ステンレス鋼板などの各種鋼板等が挙げられるが、これらの中でアルミニウム又はアルミニウム合金製の被着体が好ましい。
本発明の積層粘着シートが貼付された金属化粧板は、例えば建築物の内装、建具の表面装飾、車輌の内装などに用いられる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例で得られた積層粘着シートの性能は、以下に示す方法により求めた。
(1)定荷重試験A、B
明細書本文に記載の方法に従って、定荷重試験A及びBを行い、剥がれ量を測定した。
(2)180°ピール粘着力(JIS Z 0237に準拠)
25mm×200mmの積層粘着シートを、10℃及び23℃環境下で試料を24時間放置した後、貼付面積が25mm×100mmになるようにSUS被着体に貼付する。貼付直後に同条件環境下で180°方向に積層粘着シートを被着体から剥離する。その時の粘着力を測定した。
また、剥離する際のジッピング発生の有無を確認した。なお、ここで云うジッピングとは、被着体から積層粘着シートを剥離する際に、連続的かつ円滑に剥がれずに剥離音が生じたり、粘着剤層に剥離スジが形成されることを指し、ジッピングが発生すると剥離性、貼付性が悪くなる。
(3)低温貼付性・サイクル試験
評価用試料(粘着シート)と表面を研磨して特定粗さ(Ra2.5±1μm)にしたアルミ板の被着体を5℃の環境下に24時間放置した後、同環境下にて評価用試料を該被着体にスキージを用いて9.8N荷重で貼付し、貼付してから約3分の1を剥離させ再度、スキージにより貼付して低温時の貼付性を確認した。また、試料が貼付された被着体を5℃の条件下で24時間放置養生し、更に23℃、1時間→80℃、1時間のサイクルを4回行うサイクル試験での、各試料の外観状態(浮き・フクレの発生)を下記の基準で評価した。
(a)低温貼付性:評価
○:低温貼付時に目視観察による粘着シート貼付ムラがなく、エアーがみの発生がない。剥離のときにもジッピングがなく、その後の貼付性が良好であった。
△:低温貼付時に、目視観察による粘着シート貼付ムラ、エアーがみが発生する。剥離のときにはジッピングは発生しない。
×:低温貼付時に、目視観察による粘着シート貼付ムラ、エアーがみが発生し、また剥離のときにジッピングが発生する。
(b)サイクル試験評価(浮き・フクレの個数)
1・・・なし〜1ヶ
2・・・2〜4ヶ
3・・・5ヶ以上
また、アクリル系共重合体の重量平均分子量及び粘着剤のゲル分率は、明細書本文に記載の方法に従って測定した。
製造例1 積層基材シートの作製
重合度900、厚さ80μmのポリ塩化ビニルフィルムの一方の面に、片面がポリメチルメタクリレート(PMMA):PVDF質量比80:20の厚さ20μmのフィルムAと、他面がPMMA:PVDF質量比20:80の厚さ10μmのフィルムBとが積層されたフィルム[電気化学工業社製、商品名「デンカDXフィルム DX−14S30」、厚さ30μm]の前記フィルムA面を、熱融着によりドライラミネートし、積層基材シートを作製した
実施例1
温度計、撹拌機、環流冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応装置を用い、アクリル酸ブチル(BA)80質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)14質量部、アクリル酸(AA)6質量部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を加え、窒素ガス雰囲気下80℃で8時間重合した。反応終了後、トルエンにて固形分34質量%に調整し、重量平均分子量60万であるアクリル系共重合体溶液を得た。この共重合体溶液100質量部にイソシアナート系架橋剤[東洋インキ製造社製、商品名「BHS8515」、固形分37.5質量%]2.5質量部加えアクリル系粘着剤塗液を調製した。
次に、剥離シート[リンテック社製、商品名「SP−10NL RB−5」、厚さ100μm]の剥離処理面に前記アクリル系粘着剤塗液を塗布、乾燥させ粘着剤層(厚さ65μm)を形成した後、その剥離シート付き粘着剤層と製造例1で得られた積層基材シートのポリ塩化ビニルフィルム面とを貼り合わせて、積層粘着シートを作製した。
この積層粘着シートの性能評価結果を第1表に示す。
実施例2
温度計、撹拌機、環流冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応装置を用い、アクリル酸ブチル(BA)79質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)13質量部、アクリル酸(AA)8質量部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を加え、窒素ガス雰囲気下90℃で8時間重合した。反応終了後、トルエンにて固形分34質量%に調整し、重量平均分子量73万であるアクリル系共重合体溶液を得た。この共重合体溶液100質量部にイソシアナート系架橋剤[東洋インキ製造社製、商品名「BHS8515」、固形分37.5質量%]2.5質量部加えアクリル系粘着剤塗液を調製した。
以下、実施例1と同様にして積層粘着シートを作製した。
この積層粘着シートの性能評価結果を第1表に示す。
実施例3
温度計、撹拌機、環流冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応装置を用い、アクリル酸ブチル(BA)63質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)31質量部、アクリル酸(AA)6質量部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を加え、窒素ガス雰囲気下90℃で8時間重合した。反応終了後、トルエンにて固形分34質量%に調整し、重量平均分子量71万であるアクリル系共重合体溶液を得た。この共重合体溶液100質量部にイソシアナート系架橋剤[東洋インキ製造社製、商品名「BHS8515」、固形分37.5質量%]2.0質量部加えアクリル系粘着剤塗液を調製した。
以下、実施例1と同様にして積層粘着シートを作製した。
この積層粘着シートの性能評価結果を第1表に示す。
参考例1
温度計、撹拌機、環流冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応装置を用い、アクリル酸ブチル(BA)81質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)15質量部、アクリル酸(AA)4質量部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を加え、窒素ガス雰囲気下80℃で8時間重合した。反応終了後、トルエンにて固形分34質量%に調整し、重量平均分子量60万であるアクリル系共重合体溶液を得た。この共重合体溶液100質量部にイソシアナート系架橋剤[東洋インキ製造社製、商品名「BHS8515」、固形分37.5質量%]2.0質量部加えアクリル系粘着剤塗液を調製した。
以下、実施例1と同様にして積層粘着シートを作製した。
この積層粘着シートの性能評価結果を第1表に示す。
比較例1
温度計、撹拌機、環流冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応装置を用い、アクリル酸ブチル(BA)90質量部、アクリル酸(AA)10質量部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を加え、窒素ガス雰囲気下85℃で8時間重合した。反応終了後、トルエンにて固形分34質量%に調整し、重量平均分子量60万であるアクリル系共重合体溶液を得た。この共重合体溶液100質量部にイソシアナート系架橋剤[東洋インキ製造社製、商品名「BHS8515」、固形分37.5質量%]2.0質量部加えアクリル系粘着剤塗液を調製した。
以下、実施例1と同様にして積層粘着シートを作製した。
この積層粘着シートの性能評価結果を第1表に示す。
比較例2
温度計、撹拌機、環流冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応装置を用い、アクリル酸ブチル(BA)60質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)30質量部、アクリル酸(AA)10質量部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を加え、窒素ガス雰囲気下80℃で8時間重合した。反応終了後、トルエンにて固形分34質量%に調整し、重量平均分子量64万であるアクリル系共重合体溶液を得た。この共重合体溶液100質量部にイソシアナート系架橋剤[東洋インキ製造社製、商品名「BHS8515」、固形分37.5質量%]2.0質量部加えアクリル系粘着剤塗液を調製した。
以下、実施例1と同様にして積層粘着シートを作製した。
この積層粘着シートの性能評価結果を第1表に示す。
比較例3
温度計、撹拌機、環流冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応装置を用い、アクリル酸ブチル(BA)64質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)33質量部、アクリル酸(AA)3質量部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を加え、窒素ガス雰囲気下90℃で8時間重合した。反応終了後、トルエンにて固形分34質量%に調整し、重量平均分子量82万であるアクリル系共重合体溶液を得た。この共重合体溶液100質量部にイソシアナート系架橋剤[東洋インキ製造社製、商品名「BHS8515」、固形分37.5質量%]2.0質量部加えアクリル系粘着剤塗液を調製した。
以下、実施例1と同様にして積層粘着シートを作製した。
この積層粘着シートの性能評価結果を第1表に示す。
比較例4
温度計、撹拌機、環流冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応装置を用い、アクリル酸ブチル(BA)80質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)14質量部、アクリル酸(AA)6質量部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を加え、窒素ガス雰囲気下90℃で8時間重合した。反応終了後、トルエンにて固形分34質量%に調整し、重量平均分子量60万であるアクリル系共重合体溶液を得た。この共重合体溶液100質量部にイソシアナート系架橋剤[東洋インキ製造社製、商品名「BHS8515」、固形分37.5質量%]0.5質量部加えアクリル系粘着剤塗液を調製した。
以下、実施例1と同様にして積層粘着シートを作製した。
この積層粘着シートの性能評価結果を第1表に示す。
比較例5
比較例4で得たアクリル系共重合体溶液に、イソシアナート系架橋剤[東洋インキ製造社製、商品名「BHS8515」、固形分37.5質量%]5.0質量部加えアクリル系粘着剤塗液を調製した以外は、比較例4と同様にして積層粘着シートを作製した。
この積層粘着シートの性能評価結果を第1表に示す。
Figure 0005410684
[注]
1)BA:アクリル酸ブチル
2)2EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
3)AA:アクリル酸
4)cf:凝集破壊を示す。
第1表から分かるように、本発明の積層粘着シート(実施例)は、低温貼付性及び定荷重試験において良好である。これに対し、比較例1及び2は、アクリル酸の割合が多く、定荷重試験は良好であるものの、低温貼付性が悪い。比較例3は、アクリル酸の割合が少ないため、低温貼付性は比較的良好であるものの、定荷重試験が悪い。比較例4は、ゲル分率が低いため、低温貼付性は比較的良好であるものの、定荷重試験が悪い。比較例5は、ゲル分率が高いため、低温貼付性、定荷重試験が悪く、かつ粘着力が低い。
本発明の積層粘着シートは、金属化粧板用として用いられ、金属系被着体に貼付した場合に、浮きや剥がれが少ない。

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂製基材フィルムの一方の面に、フッ素系樹脂含有層を有し、他方の面に粘着剤層を有し、前記熱可塑性樹脂製基材フィルムが塩化ビニル系樹脂フィルムである積層粘着シートであって、該粘着剤層を形成する粘着剤が、アクリル酸ブチル単位と〜9質量%の(メタ)アクリル酸単位とを有するアクリル酸エステル系共重合体を含み、粘着剤層のゲル分率が40〜70質量%であり、かつ下記の定荷重試験Aにおいて、24時間後の剥がれ量が10mm以下であることを特徴とする金属化粧板用積層粘着シート。
    定荷重試験A
    ステンレス鋼からなる平面被着体上に積層粘着シート(サイズ:25mm×100mm、50mmのところに標線明記)の25mm×50mm分を貼付し、23℃、50%RHの条件で24時間放置後、同条件で貼付されていない積層粘着シート端部に90°方向に1.96Nの荷重をかけ、前記条件で24時間後の剥がれ量(ズレ量)を測定する。
  2. 粘着剤を構成するアクリル酸エステル系共重合体の重量平均分子量が50万〜90万である請求項1に記載の金属化粧板用積層粘着シート。
  3. アクリル酸エステル系共重合体が、アクリル酸ブチル単位、アクリル酸2−エチルヘキシル単位及び(メタ)アクリル酸単位から構成される請求項1又は2に記載の金属化粧板用積層粘着シート。
  4. 粘着剤層がイソシアネート系架橋剤により架橋されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の金属化粧板用積層粘着シート。
  5. フッ素系樹脂含有層が、それぞれの層にフッ素系樹脂とアクリル系樹脂を含む2層積層構造を有し、かつ基材フィルム側の層においては、フッ素系樹脂とアクリル系樹脂との含有割合が、質量比で5:95〜45:55であり、他方の側の層においては、フッ素系樹脂とアクリル系樹脂との含有割合が、質量比で55:45〜95:5である請求項1〜4のいずれかに記載の金属化粧板用積層粘着シート。
  6. 下記の定荷重試験Bにおいて、24時間後の剥がれ量が20mm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の金属化粧板用積層粘着シート。
    定荷重試験B
    ステンレス鋼からなる平面被着体上に積層粘着シート(サイズ:25mm×100mm、50mmのところに標線明記)の25mm×50mm分を貼付し、23℃、50%RHの条件で24時間放置後、40℃の条件で貼付されていない積層粘着シート端部に90°方向に1.96Nの荷重をかけ、前記条件で24時間後の剥がれ量(ズレ量)を測定する。
  7. 金属化粧板の金属が、アルミニウム又はアルミニウム合金である請求項1〜6のいずれかに記載の金属化粧板用積層粘着シート。
  8. 前記粘着剤層が、粘着付与剤を含まない請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属化粧板用積層粘着シート。
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