JP4014314B2 - 耐候性樹脂被覆金属板 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、耐候性樹脂被覆金属板に関する。さらに詳しくは、主として屋外で使用され、良好な耐侯性と加工性とを備えた耐候性樹脂被覆金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、屋外用途に用いられる樹脂被覆金属板、中でも塩化ビニル系樹脂(以下、「PVC」と略称することがある)で被覆された樹脂被覆金属板に意匠性を付与する目的で、絵柄の印刷を施したものは、塩化ビニル系樹脂フィルム層に絵柄を印刷し、この絵柄の印刷面上に、透明なアクリル系樹脂のフィルムを積層した構成とするのが一般的であった。しかし、このような構成の被覆層で被覆された樹脂被覆金属板は、主として耐候性および加工性において欠点があったので、使用される場合にはその用途が狭い範囲に限定され、広い範囲で使用されるに至っていないのが現状である。表面にアクリル系樹脂フィルムを積層したPVC被覆金属板においては、屋外で使用する時に印刷面およびPVC樹脂層を紫外線から保護する目的で、表面層を形成する透明なアクリル系樹脂フィルムには、紫外線吸収剤が添加されたものが使用されていた。
【0003】
アクリル系樹脂は、それ自体耐候性が良好なことに加え、透明性、耐折り曲げ白化性(折り曲げた際に白化し難いこと)に優れており、かつ、塩化ビニル系樹脂フィルムと熱融着法により積層一体化できるなどの利点があるので、これらが塩化ビニル系樹脂被覆金属板の表面被覆用に良く用いられる理由である。樹脂被覆金属板の表面被覆用に使用されるアクリル系樹脂は、一般に、柔軟性アクリル系樹脂またはソフトアクリル系樹脂と呼称されているもので、架橋アクリルゴム弾性体成分を核にして(メタ)アクリル酸エステル樹脂をグラフト重合して得られる共重合樹脂であり、その共重合方法や被覆層の構成に関しては、特開昭48−36947号公報、特開昭53−64228号公報、特開昭57−146652号公報などに記載のものが提案されている。
【0004】
このようなアクリル系樹脂製のフィルムによって表面を被覆したPVC被覆金属板は、比較的良好な成形性を示すが、これは柔軟なPVC層がアクリル系樹脂フィルムの厚さに比較してかなり厚くされていることにより、折り曲げ加工時にアクリル系樹脂フィルムに付加される変形の応力が緩和されることによる。一般的には、PVC層が120〜250μm程度の厚さとするのに対し、表面を被覆した透明アクリル系樹脂のフィルムは30〜50μm程度の厚さとされる。
【0005】
【発明が解決しようとした課題】
しかし、上記の被覆樹脂層の層構成では、表面層の透明アクリル系樹脂フィルムによる紫外線遮蔽性が充分でないことなどもあり、PVC層は、屋外での使用期間の経過とともに次第に紫外線による劣化を受け、期待した程の良好な耐候性が得られていないのが現状である。例えば、塩化ビニル系樹脂自体の劣化による脱離塩酸反応が起り、塩酸が基材金属の表面を腐蝕して剥離を生じさせたり、可塑剤等の添加剤の劣化物が接着剤層を劣化させて剥離を生じさせたりする。
【0006】
上記の層構成よりなる樹脂被覆金属板の耐候性を改善するには、(i)表面層の透明アクリル系樹脂フィルムの厚さを増加する、または、(ii)劣化の激しいPVC層を薄くする、などの手法によることができる。しかしこれによって、透明アクリル系樹脂フィルムの厚さとPVC層の厚さが近い値となり、その結果加工性が低下することとなる。
【0007】
また、透明アクリル系樹脂フィルム自体の柔軟性を増大させ、加工性の低下を防ぐには、(a)架橋弾性体成分を増量する方法、(b)マトリックス相のメチルメタクリレートの共重合比を低下させ、ブチルアクリレート等のガラス転移点(Tg)が室温より低いアクリル酸エステル系樹脂の共重合比を増大させる方法、などが考えられる。しかし、上記(a)の方法は、加工性の改良に直接繋がる引張り破断伸びを改善するには限界があり、また、耐候性も低下することが知られており、上記(b)の方法は、表面の耐汚染性が低下するばかりでなく、上記(a)の方法よりも更に耐候性が低下するので、被覆保護フィルムには適さない。このように、透明アクリル系樹脂フィルムによって被覆したPVC被覆金属板においては、これまで、加工性が良好であり、かつ、耐候性にも優れているものは、提案されていない。
【0008】
一方、PVC被覆金属板のPVC被覆用フィルムとして、ポリフッ化ビニリデン系樹脂(以下、「PVdF」と略称する)とアクリル系樹脂とのブレンド組成物よりなる透明フィルム(以下、「ブレンド物フィルム」と略称することがある)が市販されている。結晶性樹脂のPVdFとアクリル系樹脂とは相互に相溶性に優れているので、このブレンド物フィルムは透明であり、PVdFの結晶化が阻害される効果等により、引張り破断伸びがPVdFのみからなるフィルム、または、アクリル系樹脂のみからなる被覆用フィルムに比べて、大幅に改善されたものとなる。更に、共押出成形法によって2層積層フィルムとして、その表面層をPVdFの比較的多い、従って耐候性・耐汚染性の良好な層とし、PVCに接着される裏面層をアクリル系樹脂の比較的多い、PVCとの熱融着性に優れた層としたものも市販されており、PVCヘの被覆保護フィルムとして好適に用いられている。
【0009】
このPVdFとアクリル系樹脂とのブレンド物フィルムを積層したPVC系樹脂被覆金属板は、前記したとおり、ブレンド物フィルムの引張り破断伸びが改善されていることから、アクリル系樹脂のみからなるフィルムを積層したものより更に良好な加工性を有しているが、その耐候性に関しては、アクリル系樹脂のみからなるフィルムを積層したものと大差がない。これは、やはりアクリル系樹脂のみからなるフィルムの場合と同様に、厚さが30〜50μm程度では、紫外線遮蔽性が充分ではなく、また、添加された紫外線吸収剤が時間の経過に伴い徐々にPVC層に移行することにより、紫外線カットフィルムとしての効果が減衰するので、結局はPVC層にも紫外線劣化を生じることによる。
【0010】
アクリル系樹脂のみからなるフィルムでは、PVC層の劣化生成物の影響を受け、アクリル系樹脂も時間の経過に伴い徐々に劣化する。PVdFとアクリル系樹脂とのブレンド物フィルムの場合は、フィルム自体の耐侯性が極めて良好であることにより、PVC層の劣化生成物の影響を受けないが、PVC層の劣化生成物が、耐候性の良好なブレンド物フィルムの存在により散逸を妨げられ、PVC層とブレンド物フィルムの界面に蓄積され、その結果、劣化したPVC層の表面からブレンド物フィルムが剥離脱落し、かえって耐候性が悪い印象を与えてしまうことがある。
【0011】
また、界面に蓄積されたPVC層の劣化生成物が、著しく変色することがある。このように、PVC層にブレンド物フィルムを積層した層構成の樹脂被覆金属板についても、有機紫外線吸収剤による保護効果の限界や、上下のフィルムの耐候性のアンバランスから、必ずしも満足できる耐候性を得られていないのが現状である。
【0012】
本発明は、樹脂被覆金属板の属する技術分野の上記現状に鑑み、主に屋外で使用され、耐候性と加工性に優れた樹脂被覆金属板、特に、印刷模様付きの樹脂被覆金属板を提供することを目的として鋭意検討の結果、金属板に着色アクリル系樹脂フィルムに、さらにポリフッ化ビニリデン系樹脂とアクリル系樹脂とのブレンド組成物よりなる透明樹脂フィルムを順次積層一体化したものが、上記目的が一挙に解決できることを見出し、本発明を完成したものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、基材の金属板上に接着剤層を介して、着色されたアクリル系樹脂フィルム(A)と透明樹脂フィルム(B)とが順次積層一体化されてなる樹脂被覆金属板において、着色されたアクリル系樹脂フィルム(A)のJIS K7127に準拠して測定した引張り破断伸びが、MDおよびTD両方向について150〜500%の範囲であり、かつ、透明樹脂フィルム(B)がポリフッ化ビニリデン系樹脂とアクリル系樹脂とのブレンド組成物よりなることを特徴とする、耐候性樹脂被覆金属板を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る耐候性樹脂被覆金属板は、金属板を基板とする。金属板としては、一般的に樹脂被覆金属板の基材として用いられているものを言い、具体的には、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム・亜鉛複合メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム系合金板等が挙げられる。これら金属板は、厚さ、熱処理条件、メッキの厚さ等に関しても特に制限はなく、また、金属板の表面処理も、リン酸塩処理、クロメート処理などが施されていてもよい。
【0015】
上記基板の金属板上には、接着剤層を介して樹脂が積層される。使用できる接着剤としては、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、アクリル・ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、フェノール系接着剤、アミド系接着剤、酸変性オレフィン系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、ポリエステル系接着剤、コポリエステル系接着剤、コポリアミド系接着剤、およびこれらの混合物が挙げられる。接着剤は、これら例示されたものに限定されるものではない。
【0016】
金属板上へ接着剤を塗布する方法は特に制限がなく、接着剤に有機溶剤を加えて塗布し易いように粘度を調節し、ロールコート法、バーコート法、グラビアコート法などによって塗布することができる。塗布した面は、熱風炉、赤外線加熱炉などによって乾燥し、有機溶剤を飛散させるのが好ましい。乾燥した後の接着剤層の厚さは、1〜10μmの範囲で選ぶのが好ましい。接着剤の種類によっては、金属板上へ塗布・焼き付けする方法によることもできる。一例を挙げると、ロール状に巻回した鋼板を巻き出しつつ、溶剤に溶解した接着剤をロールコート法で連続的に塗布した後、インラインで設置された乾燥炉、次いで焼き付け炉に導入する方法によることができる。
【0017】
本発明に係る耐候性樹脂被覆金属板は、金属板上へ接着剤層を介して、着色されたアクリル系樹脂フィルム(A)(以下、単に「フィルム(A)」または「中間層」ということがある)が積層されてなる。フィルム(A)形成に用いられるアクリル系樹脂は、一般に、柔軟性アクリル樹脂、または、ソフトアクリル樹脂と呼称されているものが挙げられる。これらはいずれも、架橋アクリルゴム弾性体成分を核として、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂をグラフト重合して得られる共重合体樹脂よりなる。架橋弾性体成分は、ブチルアクリレート等のガラス転移点が0℃よりも低いアクリル酸エステル系樹脂を主体とし、少量のエチレングリコール・ジメタクリレート等を共重合させることにより架橋構造とさせたものである。
【0018】
この架橋弾性体にグラフトし、かつ、アクリル系樹脂のマトリックス相を形成する単量体としては、メチルメタクリレートを主体としブチルアクリレート、その他の(メタ)アクリル酸エステル系化合物が挙げられる。この柔軟性アクリル系樹脂または、ソフトアクリル系樹脂の重合方法や、マトリックス相の構成の詳細は、特開昭48−36947号公報、特開昭53−64228号公報、特開昭57−146652号公報などに記載されている。
【0019】
この着色されたアクリル系樹脂フィルム(A)は、無機顔料を添加して着色されるので、従来のPVC系樹脂被覆金属板の表面被覆に使用されるアクリル系樹脂に比べて、耐折り曲げ白化性、透明性等に優れている必要はなく、従って、マトリックス相の構成を複雑にする必要はない。また、フィルム(A)の表面を耐候性の良好な透明フィルム(B)(以下、単に「フィルム(B)」または「表面層」ということがある)で被覆されるので、従来のPVC系樹脂被覆金属板の表面被覆に使用されるアクリル系樹脂に比べて、フィルム(A)自体が耐候性に優れている必要はなく、従って、マトリックス相中のメチルメタクリレートの共重合比率を下げ、ガラス転移点の低い、例えばブチルアクリレートの様な(メタ)アクリル酸エステル系樹脂の比率を上げて、より柔軟性を高めたものでもよい。
【0020】
本発明に係る耐候性樹脂被覆金属板は、従来の樹脂被覆金属板のように塩化ビニル系樹脂層を含まないので、ポリエン構造の形成による樹脂成分自体の変色や、多量に添加されている可塑剤等の添加剤の劣化物が生成せず、塩化ビニル系樹脂層と透明アクリル系樹脂層との界面に蓄積されることによる変色等が発生するおそれがなく、同様に塩化ビニル系樹脂自体の劣化による脱離塩酸が、基材金属の表面を腐蝕し剥離を生じさせることがなく、可塑剤等の添加剤の劣化物が接着剤層を劣化させ剥離を生じさせることもない。
【0021】
フィルム(A)は、着色されてなる。フィルム(A)を着色するのは、このフィルム(A)の紫外線遮蔽性を向上させ、意匠性を高め、および、表面に形成される印刷層の発色を良くするためである。このために使用される着色剤は、無機顔料が好ましく、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の白色系のもの、または、無機複合酸化物系の色調を有する顔料が挙げられる。白色顔料の中では、アクリル系樹脂との屈折率差が大きく、従って光線遮蔽効果の大きい酸化チタン、中でもルチル型の酸化チタンが好ましいが、この酸化チタン等は光触媒作用もまた強力であるので、アクリル系樹脂の劣化を促進しない様に、完全に表面処理されたものを使用するのが好ましい。
【0022】
本発明に係る耐候性樹脂被覆金属板を、屋外で使用を開始した直後には、紫外線吸収剤が配合された表層のブレンド物フィルムによる紫外線の遮蔽効果が大きいが、屋外での使用期間の経過と共に、有機紫外線吸収剤は、表面からの散逸、基体樹脂中での分解、フィルム(A)層への移行等により、徐々にその遮蔽効果が低下する。その際、基材の金属板との間の接着剤層が直接紫外線による劣化を受けないようにするために、フィルム(A)の無機顔料による紫外線遮蔽が重要となる。
【0023】
また、着色アクリル系樹脂フィルム(A)には、上記の着色剤の他に、紫外線吸収剤、光安定剤、ラジカル捕捉剤・酸化防止剤など、一般的に樹脂の耐候性を向上させる目的で添加される各種の樹脂添加剤を配合することができる。
【0024】
フィルム(A)は、JIS K7127に準拠して測定した常温での引張り破断伸びが、MD(フィルムの押出し方向)−TD(フィルムの押出し方向と直角の方向)の各方向について、150〜500%の範囲であることが必要である。引張り破断伸びが150%未満であると、最終的に得られる樹脂被覆金属板がロールフォーミング成形、プレス成形などで後加工する際の成形性が充分でなく、引張り破断伸びが500%を超えると、マトリックス相のガラス転移点が低くなり過ぎ、原料樹脂の取り扱い性、フィルムとした後の取り扱い性ともに低下し実用に耐え得なくなり、いずれも好ましくない。
【0025】
フィルム(A)の厚さは、25〜250μmの範囲で選ぶのが好ましい。厚さが25μm未満であると、フィルムとしての取り扱い性が低下すると共に、無機顔料を多量に添加しても充分な紫外線遮蔽性を発揮できないので、好ましくなく、また、厚さが250μmを越えるとコストの面から現実的でない。
【0026】
本発明に係る耐候性樹脂被覆金属板は、上記フィルム(A)層の上に、透明樹脂フィルム(B)が順次積層一体化されてなる。フィルム(B)は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂(PVdF)とアクリル系樹脂とのブレンド物フィルムによって構成する。ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、フッ化ビニリデンのホモポリマー、または、フッ化ビニリデンを主体としこれと他の共重合可能な単量体との共重合樹脂であって、アクリル系樹脂と相溶性を有するものをいう。両樹脂が相互に相溶性のあるものを組合せることによって、ブレンド物フィルムも透明なものとすることができる。
【0027】
PVdFとブレンドできるアクリル系樹脂は、フィルム(A)形成用の前記した柔軟性アクリル系樹脂に加え、ポリメチルメタクリレート(PMMA)ホモポリマー、耐衝撃性PMMAなどが挙げられる。これらアクリル系樹脂の中では、PMMAホモポリマーが最も耐候性に優れているが、PVdF系樹脂とのブレンド物フィルム{透明樹脂フィルム(B)と同じ}に柔軟性を与えることができるブレンド比が狭い範囲に限定され、その観点からは、元来ある程度の引張り破断伸びを有する柔軟性アクリル系樹脂を使用することが好ましい。柔軟性アクリル系樹脂としては、マトリックス相の組成の90重量%以上を、メチルメタクリレートとした耐候性の良好なものが好ましい。
【0028】
樹脂被覆金属板の表面層を形成する観点からは、PVdFの比率が高いことが好ましく、他方、フィルム(A)と積層一体化する観点からは、アクリル系樹脂の比率が高いことが好ましい。また、下地の保護の観点からも、紫外線吸収剤との相溶性に優れるアクリル系樹脂のブレンド比率が高いことが好ましい。ブレンド比率は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂10〜90重量部と、アクリル系樹脂90〜10重量部の範囲で選ぶのが好ましい。
【0029】
ブレンド物よりなるフィルム(B)は、一層ではなく多層構造とすることもできる。多層構造のフィルムとして市販されているデンカDX−14を、好適に使用することができる。
【0030】
フィルム(B)の厚さは、20〜100μmの範囲で選ぶのが好ましい。厚さが20μm未満であると、このフィルム(B)に有効な紫外線遮蔽性を付与することが困難となり、100μmより厚いと、値段の高いPVdF系樹脂を多量に使用することでコスト高となり、いずれも好ましくない。PVdF系樹脂とアクリル系樹脂のブレンド物フィルム{透明樹脂フィルム(B)}は、フィルム(A)におけると同様に、常温での引張り破断伸びが、MD−TDの各方向について150%以上のものが、成形性の観点から好ましい。
【0031】
フィルム(A)とフィルム(B)とは、基材の金属板に順次一体化されてなるが、これを製造する方法は、フィルム(A)とフィルム(B)とを別々に製造し、両フィルムを積層する方法によってもよいし、共押出成形法によって一挙に両フィルムが積層されたものを製造する方法によってもよい。また、上記の少なくともフィルム層(BB1)とフィルム層(BB2)とを含む多層構造のフィルムも、別々に製造し両フィルムを積層する方法、または、共押出成形法によって製造することができる。
【0032】
金属板表面に樹脂の被覆層を形成する際に、フィルム(A)とフィルム(B)との間に、石目、木目、抽象柄等の模様印刷層を設けることもできる。この印刷層を設ける方法としては、一般的に用いられている印刷手法によることができる。例えば、グラビアコーターでアクリル樹脂系バインダーのインクを用い、着色されたフィルム(A)上に多色印刷を施して、この印刷を施した面上に、フィルム(B)を積層一体化する方法を挙げることができるが、例示した方法に限定されるものではない。印刷層の厚さは1〜10μmの一般的な範囲とし、印刷は模様に応じて部分印刷、全面印刷のいずれでもよい。
【0033】
本発明に係る耐候性樹脂被覆金属板は、最外の表面層を形成するフィルム(B)には、中間層{フィルム(A)層および印刷層(C)}を、紫外線劣化から保護する為に、紫外線吸収剤を配合する。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系のもの、ベンゾフェノン型のもの、トリアジン型のものなど、いずれも使用でき特に制限がない。これら紫外線吸収剤の添加量は、フィルムを形成する基体樹脂100重量部に対して、0.5〜6.0重量部の範囲で選ぶのが好ましい。0.5重量部未満であると、実用的な厚さにおいて、有効な紫外線遮蔽性を得られず、6.0重量部より多くしても、着色されたアクリル系樹脂フィルムへの移行が顕箸となることにより、量を多くした分の効果が得られず、いずれも好ましくない。
【0034】
また、フィルム(B)を構成するアクリル系樹脂に、いわゆる反応型の紫外線吸収剤を共重合させて、紫外線遮蔽性を付与したものを用いることもできる。反応型紫外線吸収剤の一例としては、商品名「RUVA−93」(大塚化学社製)を挙げることができる。反応型の紫外線吸収剤を共重合させる一例に、柔軟性アクリル系樹脂の製造工程においては、架橋アクリルゴム弾性体成分の核に(メタ)アクリル酸エステル樹脂をグラフト重合する際に、この樹脂の原料モノマーに上記の反応型の紫外線吸収剤の適量を添加する方法が挙げられる。他の例としては、この反応型紫外線吸収剤をあらかじめ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂と共重合させた所謂高分子型紫外線吸収剤を、透明樹脂フィルムの製造時に基体樹脂に添加し、溶融混練する方法を挙げることができる。
【0035】
本発明に係る耐候性樹脂被覆金属板を製造する手順には、特に制限がないが、一般的には、フィルム(A)の表面に石目、木目、抽象柄等の模様印刷層(C)を設けることを最先とする。この後の手順は特に制限がないが、フィルム(A)の印刷層にフィルム(B)を積層一体化し、この積層一体化したフィルムのフィルム(A)を、接着剤を塗布焼き付けした金属板表面に積層する手順が一般的である。
【0036】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。
【0037】
図1は、本発明に係る耐候性樹脂被覆金属板の一例の断面図であり、図2は他の実施例の断面図であり、図3はさらに他の実施例の断面図を示す。図1は、着色されたアクリル系樹脂フィルム13とブレンド物フィルム14との間に接着剤層がない例である。図2は、着色されたアクリル系樹脂フィルム23とブレンド物フィルム24との間に接着剤層を設けた例である。図3は、着色されたアクリル系樹脂フィルム33とブレンド物フィルム34との間に印刷層37を設け、さらにブレンド物フィルムをBB1層とBB2層との2層とした例である。
【0038】
[実施例]
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて説明する。
[実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例7]
実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例7で使用した着色されたアクリル系樹脂フィルム(A)(「中間層」)、透明樹脂フィルム(B)(「表面層」)は、次のとおりである。なお、以下のフィルム(A)のMD(フィルムの押出し方向)、TD(フィルムの押出し方向と直角の方向)についての引っ張り伸びは、JIS K7127に準拠して測定した、n=5の平均値である。なお、フィルム(A)の基体樹脂の物性は、表−1に示したとおりである。
【0039】
【表1】
【0040】
1.アクリル系樹脂フィルム(A)(金属板側に配置される着色フィルム−中間層)
A1:市販されている透明柔軟性アクリルペレットAに、チバ・ガイギー社製、HALS944LDと、旭電化社製、AO−50(酸化防止剤)を、基体樹脂100重量部に対して各0.2重量部(以下、重量部とは基体樹脂100重量部に対する重量部を意味する)と、酸化チタン15重量部をそれぞれ配合し、押出機によって溶融混練してフィルム化したもので、厚さは100μmである。このフィルムの引っ張り伸びは、MD=451%、TD=469%である。
【0041】
A2:市販されている透明柔軟性アクリルペレットCに、A1のフィルムにおけると同種のHALS、酸化防止剤および酸化チタンとを、それぞれ同量配合し、押出機によってフィルム化したもので、厚さは100μmである。このフィルムの引っ張り伸びは、MD=153%、TD=159%である。
【0042】
A3:市販されている透明柔軟性アクリルペレットDに、A1のフィルムにおけると同種のHALS、酸化防止剤および酸化チタンとを、それぞれ同量配合し、押出機によってフィルム化したもので、厚さは100μmである。このフィルムの引っ張り伸びは、MD=293%、TD=315%である。
【0043】
A4:市販されている透明柔軟性アクリルペレットBに、A1のフィルムにおけると同種のHALS、酸化防止剤および酸化チタンとを、それぞれ同量配合し、押出機によってフィルム化したもので、厚さは100μmである。このフィルムの引っ張り伸びは、MD=46%、TD=52%である。
【0044】
A5:平均重合度が1050のポリ塩化ビニルに、ジオクチルフタレートを35重量部、エポキシ化大豆油を2重量部、鉛系安定剤とBa−Zn系安定剤とを合計で7重量部、酸化チタンを8重量部をそれぞれ配合し、直径8インチの加熱ロールで混練し、厚さが200μmのフィルムとした。このフィルムの引っ張り伸びは、MD=310%、TD=332%である。
【0045】
A6:ブチルアクリレート36重量部、メチルメタクリレート4重量部、トリエチレングリコールジメタクリレート0.4重量部とを、乳化重合法によって重合させて得た架橋弾性体成分40重量部に、ブチルアクリレート21重量部、メチルメタクリレート39重量部(両者の合計60重量部)をグラフト共重合させて柔軟性アクリル系樹脂の粒子を得たが、加熱成形時の流動性が著しく悪く、押出し成形により薄いフィルムを得ることが困難であった。そこで、架橋弾性体の含有量を30重量部まで減らし、押出成形法によってフィルム化して厚さが100μmのフィルムを得た。このフィルムの常温での引張り破断伸びは、MD=590%、TD=532%の値を示したが、マトリックス相のTgが約20℃であり、常温での表面のベタツキが激しく、またフィルムの剛性がないことから厚さが100μmのフィルムは取り扱いが極めて困難で、実用に供し得ないと判断された。この結果から、着色されたアクリル系樹脂フィルム(A)の常温での引張り破断伸びの上限を、500%とした。
【0046】
2.透明樹脂フィルム(B)(中間層の上に積層されるフィルム−表面層)
B1:紫外線吸収剤が配合され、厚さが40μmで、PVdFとアクリル系樹脂とを重量比で70:30の割合で混合したフィルムと、30:70の割合で混合したフィルムとを積層した2層のフィルム{電気化学工業社製、デンカDX−14フィルム)である。このフィルムの引っ張り伸びは、MD=214%、TD=227%である。
【0047】
B2:市販されているPVdFのペレットと、透明柔軟性アクリル系樹脂のペレットとを、重量比で70:30の割合で混合し、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(旭電化工業社製、LA−31)を2重量部配合し、2軸押出機で混練してペレットとした。このペレットをTダイを装着した単軸押出機によって、厚さ50μmブレンド物フィルムとした。このフィルムの引っ張り伸びは、MD=235%、TD=252%である。
【0048】
B3:市販されている透明柔軟性アクリルペレットDに、B2のフィルムにおけると同種の紫外線吸収剤を同量配合し、押出機によってフィルム化したもので、厚さは50μmである。このフィルムの引っ張り伸びは、MD=316%、TD=335%である。
【0049】
B4:市販されている透明柔軟アクリルペレットBに、B2のフィルムにおけると同種の紫外線吸収剤を同量配合し、押出機によってフィルム化したもので、厚さは50μmである。このフィルムの引っ張り伸びは、MD=101%、TD=89%である。
【0050】
B5:市販されているPVdFのペレットと、市販されているB2のフィルムにおけると同種の紫外線吸収剤を同量配合した透明柔軟アクリルペレットBとを、フィードブロック方式での共押出しを行い、PVdF層の厚さが10μm、透明柔軟アクリルペレットB層の厚さが40μmの2層フィルムを得た。このフィルムの引っ張り伸びは、MD=97%、TD=113%である。
【0051】
3.樹脂被覆金属板の製造
厚さが450μmであって、燐酸で表面処理した溶融亜鉛メッキ鋼板の片面に、乾燥後の厚さが5μmのアクリル系接着剤の薄膜を、210℃で焼き付けると同時に、上に記載の各種のアクリル系樹脂フィルム(A)と各種の透明樹脂フィルム(B)とを、下記の表−2に記載したように組合わせて積層したものを、この鋼板の接着剤層に積層した。金属板、アクリル系樹脂フィルム(A)および透明樹脂フィルム(B)の三者のMD、TDは一致させて積層した。なお、実施例2では、透明樹脂フィルム(B)の片面にアクリル系接着剤(ポリメントNK−380)を塗布し(乾燥後の厚さが3μm)、乾燥後アクリル系樹脂フィルム(A)の表面にドライラミネーション法によって積層した。
【0052】
【表2】
【0053】
4.樹脂被覆金属板の加工性の評価試験
上記手順で作成した樹脂被覆金属板についてJIS Z−2248「金属材料曲げ試験方法」に規定される、押し曲げ法、V曲げ法、および、衝撃密着曲げ法の3種であり、評価試験結果を表−3に示した。試験終了後に折り曲げ部分の被覆樹脂層を目視観察し、割れ、クラックおよび剥離が認められないものを○、折り曲げ部分の幅の20%以下の割れ・クラックが認められるものを△、折り曲げ部分の幅の20%以上に割れ・クラックが認められ△のものより悪いものを×と表示し、n=3のものを記載した。
【0054】
(1)押し曲げ法は、樹脂被覆金属板の樹脂で被覆されている側を外側にして、まず、4φの丸棒を内側に配置し、この丸棒の表面に沿って予備的に折り曲げ、ついで、予備的に折り曲げた樹脂被覆金属板に一方を下型の表面に載置し、他方をスクリュー曲げ試験装置の上型に密着させて押圧し、180°曲げる方法であり、試験は23℃の温度で行った。
【0055】
(2)V曲げ法は、金属ブロックの表面に、角度θ=90°のV字状の溝を刻設し、この金属ブロックのV字状の溝の上に、被覆樹脂面を下側にして樹脂被覆金属板を配置し、上側から先端の角度が90°にされている治具を用いて、樹脂被覆金属板を金属ブロックのV字状の溝に押し込む方法であり、試験は0℃と23℃の温度で行った。
【0056】
(3)衝撃密着曲げ法は、押し曲げ法におけると同様にしてまず、4φの丸棒を内側に配置し、この丸棒の表面に沿って予備的に折り曲げ、予備的に折り曲げた樹脂被覆金属板に一方を下型の表面に載置し、他方の面に5kgの上型を35cmの高さから落下させる方法であり、試験は23℃の温度で行った。
【0057】
【表3】
【0058】
表−3より、次のことが明らかである。
(1)評価項目の全ての加工性を満足するのは、実施例1、実施例2、実施例4および比較例2、比較例3のものである。
(2)比較例2のものは本発明の請求の範囲に適合する表層フィルムを用い、着色されたアクリル系樹脂フィルム(A)に代えて軟質PVCシートを用いたもので、比較例3のものは二層ともにアクリル系樹脂Aを用いたフィルム(A)を用いたものである。
(3)実施例3のものは、成形性はこれらよりやや悪く、従来の透明アクリル系樹脂フィルムと着色PVCフィルムとよりなる層構成の比較例5と同レベル、または、これよりやや劣る。しかし、これら以外の中間層にPVCを用いない、比較例1、比較例4、比較例6に比べると、はるかに良好な成形性を示す。
【0059】
5.樹脂被覆金属板の耐候性の評価
実施例および比較例の樹脂被覆金属板につき、ウエザーメーターによって耐候性の促進試験を行つた。使用したウエザーメーターは、スガ試験機社製の「サンシャイン・ウエザーメーターであり、ブラックパネル温度63℃の条件で、3000時間および6000時間の暴露を行い、外観変化を目視観察し、色差変化を色差計によって確認し、被覆樹脂の剥離の有無を目視観察した。評価結果を、表−4に示す。
【0060】
【表4】
【0061】
6.樹脂被覆金属板の総合評価
上記の実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例7の総合評価結果を、まとめて表−5に示す。なお、表−5において○は良好であることを意味し、×は不良を意味し、△は○と×の中間を意味し、−は評価しなかったことを意味する。
【0062】
【表5】
【0063】
表−4および表−5より、次のことが明らかである。
(1)実施例1、実施例2、実施例4、比較例1および比較例4のものは、被覆樹脂層の変色も極めて少なく、剥離も発生しておらず、目につく外観変化もない。耐候性の観点からみれば、これらはいずれも金属板側の層に塩化ビニル系樹脂フィルムを配置した構成に比べるとはるかに良好な性能を有するといえる。しかし、加工性の観点からみると、比較例1および比較例4のものは劣り、金属板側の層(中間層)に塩化ビニル系樹脂フィルムを用いた構成と同等となるのは、実施例のものである。
(2)中間層に塩化ビニル系樹脂フィルムを積層した比較例2および比較例5のものは変色が激しく、比較例2のものに観察される皺入りは、着色されたアクリル系樹脂フィルム(A)と透明樹脂フィルム(B)との間の接着力が低下し、表面層の透明樹脂フィルム(B)に部分的な浮きが発生したことによる。
【0064】
(3)比較例3のものは、着色されたアクリル系樹脂フィルム(A)層に用いるアクリル系樹脂と同一のものを、顔料を添加せずにフィルム化し、表面層として用いたもので、他のアクリル系樹脂フィルムやブレンド物フィルムの表面層と比べ変色がややひどく、また表面光沢も低下している。変色の主な要因は、劣化による表面荒れ部分に外部からの汚染物質が堆積したもので、樹脂自体の劣化に伴う変色ではないが、成形性を確保するために柔軟性を高めたアクリル系樹脂を直接表面層として大気に接する形態で使用すると、耐候性および耐汚染性が良くないことを示している。
(4)中間層にアクリル系樹脂フィルムを用い、表面層にもアクリル系樹脂フィルムを用いた比較例4のものは、表面層に耐候劣化によるクラックの発生は見られないが、加工性に劣る。
【0065】
(5)中間層に塩化ビニル系樹脂フィルム、表面層にアクリル系樹脂フィルムを用いた比較例5のものは、表面層に肉眼で確認できるクラックが発生したが、中間層の塩化ビニル系樹脂フィルムに発生した劣化物によって、表面層のアクリル系樹脂フィルムが劣化したものと考えられる。
(6)金属板の表面に直接PVdF系樹脂とアクリル系樹脂のブレンド物フィルムを積層した比較例7のものは、フィルム自体には全く劣化が認められないものの、基材金属との間との接着力が箸しく低下し、手で極めて容易に剥離できる状態になっている。フィルム中に紫外線吸収剤が添加されているものの、その紫外線遮蔽性が充分でなく、接着剤層が劣化したものと考えられる。
【0066】
【発明の効果】
本発明は、以上詳細に説明したとおりであり、以下のような特別に有利な効果を奏しその産業上の利用価値は極めて大である。
1.本発明に係る耐候性樹脂被覆金属板は、従来の表面を透明アクリル系樹脂フィルムによって被覆した塩化ビニル系樹脂被覆金属板に比べ、遥かに優れた耐候性を発揮する。
2.本発明に係る耐候性樹脂被覆金属板は、従来の表面を透明アクリル系樹脂フィルムによって被覆した塩化ビニル系樹脂被覆金属板と同様の優れた加工性を発揮する。
3.本発明に係る耐候性樹脂被覆金属板は、着色されたアクリル系樹脂フィルム(A)と、表面の透明な樹脂フィルム(B)との間に印刷模様層を形成した場合には、印刷面がきわだって美麗となり、屋外での使用に供される樹脂被覆金属板として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る耐候性樹脂被覆金属板の一例の部分拡大断面図である。
【図2】 本発明に係る耐候性樹脂被覆金属板の他の例の部分拡大断面図である。
【図3】 本発明に係る耐候性樹脂被覆金属板のさらに他の例の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
11、21、31:基材金属板
12、22、26、32:接着剤層
13、23、33:着色アクリル系樹脂フィルム
14、24:ブレンド物フィルム
34:BB1とBB2との2層よりなるフィルム
37:印刷層
Claims (3)
- 基材の金属板上に接着剤層を介して、着色されたアクリル系樹脂フィルム(A)と透明樹脂フィルム(B)とが順次積層一体化されてなる樹脂被覆金属板において、着色されたアクリル系樹脂フィルム(A)のJIS K7127に準拠して測定した引張り破断伸びが、MDおよびTD両方向について150〜500%の範囲であり、かつ、透明樹脂フィルム(B)がポリフッ化ビニリデン系樹脂とアクリル系樹脂とのブレンド組成物よりなることを特徴とする、耐候性樹脂被覆金属板。
- 透明樹脂フィルム(B)が、ポリフッ化ビニリデン系樹脂10〜40重量部とアクリル系樹脂90〜60重量部とのブレンド組成物からなるフィルム層(BB1)と、ポリフッ化ビニリデン系樹脂60〜90重量部とアクリル系樹脂40〜10重量部とのブレンド組成物からなるフィルム層(BB2)との少なくとも2層を含んでいる、請求項1に記載の耐候性樹脂被覆金属板。
- 着色されたアクリル系樹脂フィルム(A)と、透明樹脂フィルム(B)との間に印刷層(C)が設けられてなる、請求項1または請求項2に記載の耐候性樹脂被覆金属板。
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