JP2022100879A - 発泡耐火シート - Google Patents

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Abstract

【課題】発泡耐火シートの寸法が外力による変化が少なく、可撓性のあるシートで、その耐火性能が十分である発泡耐火シートを提供し、その発泡耐火シートの施工方法を提供する。【解決手段】ガラス転移温度が-20~20℃の合成樹脂を主成分とした発泡耐火シートであって、合成樹脂が30~50容積%の範囲で、発泡耐火シートの比重が1.5~2.5の範囲で、可撓性があるものであり、施工対象に粘着剤を塗布し、乾燥させ、粘着層を形成させた後に前記発泡耐火シートを貼り付けることにより、寸法安定性が良い、可撓性がある発泡耐火シートが簡単に貼付けることが可能になる。【選択図】なし

Description

本開示は、鉄骨造の柱、梁に使用される鋼材を火災から保護するために使用される耐火被覆材のうち、火災にさらされたときに発泡して、断熱層を形成する発泡耐火シートに関するものである。
従来では、火災時の熱から構造物に使われている鋼構造の温度上昇を遅延させることを目的として様々な耐火被覆材が使用されてきた。
例えば、ロックウールなどの無機繊維によって空気の断熱層を形成させるものや軽量セメントモルタルなどの被覆材が含有する結晶水及び水分によって吸熱するものやその両方の効果を持つものなどがある。
しかし、これらの被覆材はいずれも15~30mm程度以上の被覆が必要であり、作業工程上や美観上好ましくないことや被覆材は施工時に飛散する粉塵が発生するなどの問題がある。
このため、火災など高温時に塗膜を発泡させ、気相含有断熱層を形成する発泡耐火塗料やそれをシート状にした発泡耐火シートが提案されている。
この発泡耐火シートは、特許文献1に記載したようなものがある。この特許文献1の発泡耐火シートは、合成樹脂と、難燃性発泡剤と、多価アルコールとを主成分とするもので、その配合量が合成樹脂の固形分を100重量部に対し、難燃性発泡剤が50~200重量部、多価アルコールが5~40重量部である。
これによれば、被覆物への被覆が容易で、十分な耐火性能を有するもので、発泡層の発泡が十分で、脱落のないバランスの取れたものである。
また、その発泡耐火シートをシートと同成分の接着剤により貼付けることが開示されている。
これによれば、被覆物への被覆が容易で、十分な耐火性能を有するもので、接着材と発泡耐火シートが同じ主成分であるため、接着性に優れ、接着材とシートが一体化したものとなるものである。
また、特許文献2では、発泡耐火塗料や発泡耐火シートによる耐火膜が記載され、これらを鋼材に被覆することが開示されている。その中でも耐火膜が発泡耐火シートの場合では、そのシートと同成分の接着剤により鋼材に貼付けるものである。
これによれば、建設現場での施工を少なくし又、材料のロスが少なく、十分な耐火性能を有するもので、鋼材の移動や方向転換が容易なことから、耐火膜の形成作業に適した場所で、その作業を行うことができるものである。
特開2002-201733号公報 特開2002-079606号公報
しかしながら、特許文献1の発泡耐火シートでは、可撓性があり、施工対象の表面形状に対応することが可能ではあったが、その発泡耐火シートの取り扱い時や積層して保管している状態などでその厚みなどに影響を与えることがある。
つまり、発泡耐火シートが外力により伸び、部分的又は全体的に薄くなり、その薄くなった部分では、設定した厚みでの耐火性能より劣ることがある。
この外力には、発泡耐火シートの積層時の重量や施工時での発泡耐火シートの輸送や貼付けの際に発泡耐火シートを引っ張ったりするなど取り扱いによるものなどがある。
場合によっては、貼付けた発泡耐火シートがその貼付け方が不十分な場合に、その自重により伸びることもある。
また、特許文献2では、発泡耐火シートを被覆した鋼材を組み付け前に仮置きした場合に、その置き方によっては、鋼材の重さにより部分的に発泡耐火シートを変形させることがある。
本開示は、発泡耐火シートの寸法が外力による変化が少なく、可撓性のあるシートで、その耐火性能が十分である発泡耐火シートを提供し、その発泡耐火シートを、粘着剤を塗布して粘着層を形成させた後に貼り付ける発泡耐火シートの施工方法を提供することにある。
ガラス転移温度が-20~20℃の合成樹脂を主成分とした発泡耐火シートであって、合成樹脂が30~50容積%の範囲で、発泡耐火シートの比重が1.5~2.5の範囲で、可撓性があるものである。
このことにより、発泡耐火シートの寸法安定性が優れ、可撓性があり、耐火性能が十分である。
前記発泡耐火シートの伸び率がシート膜厚2mmの時に100~500%で、弾性率が2MPa以上であることにより、可撓性があるため貼付け対象物に対応して貼付けが可能で、外力に対してその寸法安定性が優れているものである。
本開示の発泡耐火シートを施工対象の表面に貼付ける施工方法であって、施工対象に粘着剤を塗布し、乾燥させ、粘着層を形成させた後に前記発泡耐火シートを貼り付けることにより、寸法安定性が良い、可撓性がある発泡耐火シートを簡単に貼付けることが可能になる。
本開示の実施形態を説明する。
本開示は、ガラス転移温度が-20~20℃の合成樹脂を主成分とした発泡耐火シートであって、合成樹脂が30~50容積%の範囲で、発泡耐火シートの比重が1.5~2.5の範囲で、可撓性があるものである。
まず、発泡耐火シートとは、建築物の鋼材などに用いられる耐火被覆材の一つで、火災などで高温になった場合に発泡し、発泡したシートが断熱層となり鋼材の温度上昇を抑えるものである。
この発泡耐火シートには、主要成分がリン酸アンモニウムなどのリン酸塩と、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールを用いたリン酸塩系発泡耐火シートがある。
その他に、珪酸ナトリウムなどの珪酸塩を使用した珪酸塩系発泡耐火シート,水酸化アルミニウムなどの含水化合物を使用した含水系発泡耐火シート等がある。
この中では、温度上昇により不燃性ガスを発生する発泡剤としてのリン酸塩と炭化して多孔質の炭化層を形成する炭化剤としての多価アルコールと合成樹脂とにより構成されているリン酸塩発泡耐火シートが、形成された塗膜の発泡性、発泡した後の断熱性の点より好ましく用いられる。
この発泡耐火シートは、合成樹脂,ポリリン酸アンモニウムやメラミンなどの発泡剤,多価アルコールなどの炭化剤,酸化チタン,無機繊維,着色顔料などが主な成分である。
必要に応じ、その他の成分を含有することができ、本開示の効果を損なわない範囲内において含有することができる。
その成分としては、黒鉛酸性硫酸塩などの膨張性黒鉛や炭酸カルシウム,クレー,珪砂,水酸化アルミニウム,アルミナ,シリカなどの充填材や体質顔料,ハロゲン系,リン系,三酸化アンチモン系などの難燃剤などの成分などがある。
また、発泡耐火シートを製造するために必要なブロッキング防止剤やその他添加剤などがある。
合成樹脂とは、発泡耐火シートの主要成分であり、酸化チタンや難燃性発泡剤など各成分を結合させシート状に成型するためのもので、発泡耐火シートの発泡層の形状維持や強度にかかわる重要な要素である。
この合成樹脂は、熱可塑性樹脂のものが用いられ、メラミン樹脂,アクリル樹脂,アルキッド樹脂,塩化ビニル樹脂,酢酸ビニル樹脂,ウレタン樹脂,エポキシ樹脂,シリコーン樹脂,ポリエステル樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂は単独にて用いても良く、あるいは共重合したものでも良く、さらにそれらを混合して用いることもできる。
これら合成樹脂の分解開始温度は250℃以下であって、300℃までに全固形分の50重量%以上90重要%以下が分解するものが好ましい。
分解開始温度が250℃以上のもの及び300℃までに全固形分の50重量%以下しか分解しないものは、発泡剤のポリリン酸アンモニウム,メラミン,ペンタエリスリトールの脱水縮合を妨げ、十分な発泡層が形成できない。
この合成樹脂のガラス転移温度(以下、Tg)は、-20℃~20℃の範囲である。この範囲内であれば、発泡耐火シートに十分な可撓性と高温時の発泡性を阻害しないものである。
Tgが-20℃より低い場合には、発泡耐火シートが柔らかくなり、シートの取り扱い時などでシートを引っ張った場合に、シートが伸び、形状や寸法が変わることがあり、その寸法安定性が劣ることがある。
また、シートの保管時、貼り付け作業時にシート同士が引っ付いた状態となり、扱いが困難な場合が生じる。Tgが20℃より高い場合には、発泡耐火シートに十分な可撓性がなく、貼付け対象物である鋼材の角や円筒状などの形状に貼り付けることが難しい。
好ましくは、Tgが-10~10℃の範囲である。この範囲内であればよりシートの可撓性と寸法安定性のバランスが取れたものとなる。
この発泡耐火シートに含有する合成樹脂は30~50容量%の範囲で含有する。この範囲内であれば、発泡耐火シートは成型しやすく、外力による変化が少なく、可撓性があり、その耐火性能は十分なものとなる。
合成樹脂が30容量%以下の場合、合成樹脂が酸化チタンや難燃性発泡剤などの各成分を覆うことができず結合が弱くなるため成型し難く、成型されたシートは脆くなり、十分な可撓性が得られない。
合成樹脂が50容量%以上の場合、有機量が多くなるため発泡耐火シートの耐火性能が悪くなる。また、合成樹脂の容量が多くなるとシートが柔らかくなり過ぎ、外力が加わった時に変形して元に戻りにくくなるため寸法安定性が良くない。
好ましくは合成樹脂が35~45容量%の範囲であり、この範囲であれば、より寸法安定性が優れ、可撓性があり、耐火性能が優れたものとなる。
発泡剤は、加熱することによって、アンモニアガスなどの不燃性ガスを発生して発泡し、断熱層を形成し、それと同時に発泡の際の吸熱反応によって鋼材などの温度を引き下げるものである。
この発泡剤には、ポリリン酸アンモニウムやリン酸アンモニウムなどのリン酸塩,リン,その他のリン化合物などの難燃性であるリン酸系の発泡剤やメラミンやアミドや尿素などの含窒素発泡剤があり、リン酸塩の発泡剤と併用して用いることができる。
炭化剤は、加熱することによって、リン酸塩系の発泡剤と脱水、縮合反応を起こし、分解ガスにより発泡耐火シートに炭化層を形成するものであり、その炭化層によって、さらに断熱効果を得るものである。
炭化剤には、多価アルコールのペンタエリスリトール,ジペンタエリスリトール,トリペンタエリスリトール,ポリペンタエリスリトールなどがあり、多価アルコール以外には、メラミンなどを挙げることができ、多価アルコールと併用して用いることができる。
リン酸塩の発泡剤とペンタエリスリトールなどの多価アルコールの炭化剤は、250~300℃で脱水、縮合反応を生じる。
メラミンは350~400℃の間で分解して、分解ガスにより発泡し、断熱層を形成し、炭化層を形成するため、メラミンを併用した場合には2段階で断熱層を形成することができ、より断熱効果を得ることができる。
この発泡耐火シートには、酸化チタンを含ませることが好ましく、その酸化チタンの触媒効果によって発泡層の結合が促進され、形状維持性の高い断熱層が安定して形成され、その強度も十分なものになる。
この発泡層は、触媒効果のある酸化チタンの回りで促進される傾向があるため、その添加量は、1~10容積%の範囲が好ましい。
酸化チタンの添加量が1容積%より少ない場合では、発泡が不十分な場合がある。また、発泡層の強度が弱く、形状のしっかりとした断熱層を形成することができない場合がある。10容積%より多い場合では、発泡層が硬くなるため、断熱層が割れやすくなる場合がある。
より好ましくは、酸化チタンの添加量が4~8容積%の範囲であり、この範囲内であれば、より形状維持性の高い断熱層が安定して形成され、その強度も十分なものとなる。
この発泡耐火シートには、無機繊維を含ませることが好ましい。無機繊維を添加することにより、発泡耐火シートのひび割れが発生し難く、発泡耐火シートが加熱された場合に発泡して形成される断熱層も、ひび割れが発生し難く、断熱層が剥落し難いものとなる。
無機繊維を添加しない発泡耐火シートは、施工部位の違いや加熱されたときの温度の違い、シートの微妙な厚みの違いによって発泡のばらつきが生じ易く、この発泡のばらつきが断熱層のひび割れや剥落の原因になる場合がある。
このような無機繊維には、ロックウール,スラグウール,ガラス繊維,セラミックファイバーなどがある。
この発泡耐火シートには、着色顔料を含ませることが好ましい。着色顔料を添加することにより、シート成型の際に発泡耐火シートに含まれる各成分が均一に分散しているかを目視で容易に確認することができる。
各成分を混合する際に均一になっていないと発泡耐火シートの性能にばらつきが出てしまう。着色顔料を一緒に混合することで、各成分が均一に分散していることが目視で確認できるため、寸法安定性や可撓性、耐火性が均一な性能を持つ発泡耐火シートを得ることができる。
着色顔料としては、有機顔料及び無機顔料の何れを用いてもよく、例えば、複合酸化物系顔料,カーボンブラック,酸化鉄系顔料,鉛丹,朱,群青,酸化クロム、クロムイエロー,カドミウムイエロー,ジンククロメート,カドミウムレッド,アゾ系顔料,ジケトピロロピロール系顔料,ペリレン系顔料,ペリノン系顔料,キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、フタロシアニン系顔料,イソインドリン系顔料,金属キレートアゾ系顔料,インダンスロン系顔料,ジオキサジン系顔料,スレン系顔料,インジゴ系顔料,紺青等を挙げることができる。
なかでも入手が容易な酸化鉄系顔料が好ましく、鉄黒がより好ましい。
着色顔料の添加量としては、発泡耐火シートに含まれる各成分と一緒に着色顔料を混合して混合物が着色したことが目視で確認できる0.01容量%以上添加することが好ましく、着色顔料の添加量が0.01容量%より少ない場合には、発泡耐火シートが着色したことが目視で分かり難いため各成分が均一に混合されているか確認し難い。
着色顔料は多く添加しても、ある段階で発泡耐火シートの発色が変化することがなくなり、発泡耐火シートの寸法安定性や可撓性、耐火性能に影響する場合があるため、1容量%程度を限度に添加することが好ましい。
この発泡耐火シートには、その他の成分として必要に応じて、黒鉛酸性硫酸塩などの膨張性黒鉛、クレー,珪砂などの充填材や体質顔料、ハロゲン系,リン系,三酸化アンチモン系などの難燃剤などの成分を添加しても良い。
また、発泡耐火シートを製造するためにブロッキング防止剤やその他添加剤などを添加しても良い。
ブロッキング防止剤を添加することで、シート製造時に合成樹脂同士の引っ付きを防ぎ、製造の効率が良くなり、さらに、発泡耐火シートを積載した際に、シート同士が貼り付くことを防ぐことができる。
ブロッキング防止剤としては、一般的な合成樹脂製シートに使用されるものであれば特に限定されるものではない。
例えば、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、カオリン、酸化チタン、フッ化カルシウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機微粒子、ポリスチレン、ポリエーテル、ポリアクリル、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリフェニレンスルフィド、熱可塑性エラストマー等の有機微粒子、不飽和脂肪酸アマイド、飽和脂肪酸アマイド、ポリエチレンワックス、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ステアリルステアレート、ステアリン酸モノグリセリド等の滑剤が挙げられ、なかでも発泡耐火シートと施工対象との密着を考慮すると粒子形状のものが好ましい。
この発泡耐火シートの成型は、前記に記載された成分を均一に混練した混練物を、シート化して発泡耐火シートを製造する。混練は、常温で行っても加熱して行っても良いが、加熱して混練する方が好ましい。加熱混練する方法としては、押出やニーダー等の公知の方法が使用できる。
混練物のシート化の方法は、特に限定はされないが、プレス成型や圧延ローラーを用いてシート状にすることが好ましい。プレス成型や圧延ローラーを用いることで均一な膜厚のシートを効率よく成型することができる。
この発泡耐火シートは可撓性があるものである。発泡耐火シートに可撓性がないと、発泡耐火シートを貼り付ける際に作業性が悪く、曲面に貼り付けると割れてしまう。
この可撓性としては、角形鋼材の角に沿って発泡耐火シートを曲げ、その時にシートの表面にクラックや割れなどの発生がないかにより判断し、異常がないものとする。
発泡耐火シートの比重は、1.5~2.5の範囲である。この範囲内であれば、寸法安定性が優れ、可撓性があり、その耐火性能は十分なものとなる。
比重を1.5より小さくするためには、比重が大きい酸化チタンの含有比率を小さくする必要があり、その場合、発泡耐火シートの発泡が不十分で、形状のしっかりとした断熱層を形成することができない。
比重を2.5より大きくするためには、比重が小さい合成樹脂の含有比率を小さくする必要があり、その場合、合成樹脂が酸化チタンや難燃性発泡剤などの各成分を覆うことができず結合が弱くなるため成型し難い。
また、成型されたシートは脆くなり、寸法安定性が良くなく、十分な可撓性も得られない。さらに、発泡耐火シートの重量が大きくなるため施工性が良くない。
好ましくは、比重が1.7~2.2の範囲である。この範囲内であれば、より寸法安定性が優れ、可撓性があり、その耐火性能は十分なものとなる。
発泡耐火シートの伸び率は、シート膜厚が2mmの時に100~500%で、弾性率が2MPa以上であることが好ましい。伸び率と弾性率は、JIS A6909の伸び試験に準拠した方法で測定、算出したものである。
具体的には、成型したシートをJIS K6251に規定されるダンベル状2号形に打ち抜いて試験片とする。その試験片の標線間距離を20mmとして、引張試験機のチャック間が60mmになるように引張試験機に試験片を取り付け、引張速度200mm/分で試験片が破断するまで引張加重を加える。
その破断時の標線間距離を測定し、下記の式により伸び率を算出する。
伸び率(%)=(破断時の標線間距離-20)/20×100
弾性率は、弾性変形における応力とひずみの間の比例定数(応力/ひずみ)であり、伸び試験から得られる応力-ひずみ曲線より算出でき、この弾性率の値が大きいほど一定荷重に対する変形が小さい。
伸び率が100%以下で弾性率が2MPa以下の場合、発泡耐火シートは硬く可撓性がないため貼付け対象物に対応して貼り付けることが難しく、割れが発生することもある。
伸び率が500%以上で弾性率が2MPa以下の場合、発泡耐火シートは柔らかすぎるため、発泡耐火シート施工時に持ったり貼り付けたりする際に変形してしまい作業性が良くない。
また、弾性が低いため、発泡耐火シートの積層時の重量や、発泡耐火シートの輸送時や貼付け時に発泡耐火シートを引っ張るなどの取り扱いによる外力に対して表面に傷がつきやすくなったり、伸びたりしてしまったりして、部分的又は全体的に薄くなる。
その薄くなった部分では、設定した厚みでの耐火性能より劣ることがある。
伸び率は200~400%で、弾性率が3MPa以上の範囲がより好ましく、この範囲であれば、より施工時の作業性が良く、発泡耐火シートに外力が加わって変形しても元に戻るため寸法安定性が優れたものとなる。
発泡耐火シートの膜厚は1~3mmであることが好ましい。この範囲であれば、可撓性があり、耐火性能が十分で、施工時の作業性が良いものとなる。また、シートを重ねて貼る場合も、容易に施工する事ができ、膜厚の管理もやりやすくなる。
発泡耐火シートの膜厚が1mm以下の場合は、耐火性能が劣る。3mm以上の場合には、十分な可撓性が得られず、施工時の作業性も悪くなる。
次に、上記発泡耐火シートの施工方法を説明する。
発泡耐火シートは施工対象に粘着剤を塗布し、乾燥させて粘着層を形成させた後に貼り付けることが好ましい。この施工方法により、発泡耐火シートを一度貼付けた場合でも位置合わせ等で貼り直しすることができ、寸法安定性の良い耐火シートであるため、一度剥がした際にもシートが変形することがなく簡単に貼付けることができる。
粘着剤としては、材料を塗布して膜を形成させた後にタックが残る状態が良く、0℃以上で塗布し指で触った時に、その膜に指紋が付く程度以上あれば良い。
この粘着剤は、特に制限されるものではないが、合成ゴム系,酢酸ビニル系,ポリマーセメント系,アクリルゴム系,変性シリコーン系など各種の粘着剤が使用できる。
これらの形態としては、溶媒に有機溶剤を用いた溶剤型のものや、水を用いた水系型の合成樹脂エマルションを使用したもの、それらを用いない無溶剤型のものがあるが、作業環境の問題から水系型や無溶剤型のものが好ましく使用される。
より好ましくは合成樹脂エマルションを主成分としたもので、扱いが容易であり、十分な接着力を得ることができ、粘着層の粘着力も十分なものとなる。
さらに、合成樹脂エマルションを主成分としたものは、粘着剤が乾燥硬化した後のタックの調整が、合成樹脂エマルションの樹脂の柔らかさや可塑剤などの高沸点溶剤を添加することで容易にでき、タックの持続性についても、高沸点溶剤の沸点などにより調整することが可能である。
この粘着剤は、刷毛や塗装用ローラー、吹き付けなどで塗布することが好ましい。
以下、前記実施形態をさらに詳細に説明する。
表1には発泡耐火シートの配合を示している。なお、記載した配合量の数値は容積%の値である。使用した合成樹脂はTgが5℃の合成樹脂A、Tgが25℃の合成樹脂B、Tgが-35℃の合成樹脂Cを使用した。その他に、酸化チタン、発泡剤としてポリリン酸アンモニウム、炭化材としてメラミンとペンタエリスリトール、無機繊維としてロックウール、着色顔料として鉄黒を配合した。
各成分を混練りしプレス成型で、膜厚が2mmのシートを作製した。
それぞれのシートの比重は、配合1,2,3,5,8のシートが1.7、配合4のシートが1.8、配合6,7のシートが1.6だった。
配合8のシートはグレーの色になり、均一に着色していて、各成分が均一に混合されていることが確認できた。
各配合のシートをそれぞれ重ねて置いていたら、配合3,6のシートはシート同士が引っ付いてしまった。そのシートを引っ張って剥がしたら、シートが伸びてしまい、膜厚が薄い箇所ができていた。その他の配合のシートはシート同士が引っ付くことはなく、引っ張っても元に戻った。
(シートの伸び率,弾性率)
配合1,2,3,4,6,8のシートについて伸び率と弾性率を測定した。
発泡耐火シートの伸び率と弾性率は、JIS A6909の伸び試験に準拠した方法で測定、算出した。試験体は、2mm厚のシートをJIS K6251に規定されるダンベル2号形に打ち抜いて試験片とした。
その試験片の標線間距離を20mmとして、引張試験機のチャック間が60mmになるように引張試験機に試験片を取り付け、引張速度200mm/分で試験片が破断するまで引張荷重を加え、その破断時の標線間距離を測定し、下記の式より伸び率を算出した。
伸び率(%)=(破断時の標線間距離-20)/20×100
弾性率は、伸び試験から得られる応力-ひずみ曲線より算出した。
配合1のシートの伸び率は252%、弾性率は4.6MPaであった。
配合2のシートの伸び率は98%、弾性率は8.5MPaであった。
配合3のシートの伸び率は438%、弾性率は0.18MPaであった。
配合4のシートの伸び率は184%、弾性率は4.6MPaであった。
配合6のシートの伸び率は286%、弾性率は4.6MPaであった。
配合8のシートの伸び率は238%、弾性率は4.6MPaであった。
(シートの可撓性)
配合1~8のシートについて可撓性を確認した。
可撓性は、10×10×9cmの角形鋼材の角に沿ってシートを曲げ、シートの表面に割れが発生しない場合に可撓性があると判断した。
配合2のシートは割れが発生した。その他のシートは割れの発生はなく可撓性があった。
(シートの耐火性能)
可撓性があった配合1,配合3~8のシートについて耐火性能を確認した。
耐火性能は、まず、10×10×9cmの角形鋼材にアクリル樹脂エマルションに対し沸点が250℃の溶剤を50重量%添加した粘着剤を刷毛で塗布した。粘着剤が乾燥硬化した後に各配合のシートを貼り付けたものを試験体とした。
この試験体をJIS A1304の標準加熱曲線に従って60分加熱試験を行い、K熱電対によって鋼材の裏面温度を測定した。評価は、発泡層に割れがなく、鋼材温度が550℃以下の場合に耐火性能があると判断した。
配合1,3,5,6,8のシートは発泡層に割れはなく、鋼材温度も550℃以下だった。配合4のシートは発泡層の割れがあり鋼材の温度が上がっていた。配合7のシートはあまり発泡せず鋼材の温度が上がっていた。
(作業性)
各配合のシートについて作業性を確認した。
作業性は、直径30cmで長さ1mの丸鋼に耐火性能確認で使用したものと同じ粘着剤をローラーで塗布した。粘着剤が効果乾燥した後にシートを貼り付け作業性の確認を行った。配合1,5,7,8のシートは容易に貼り付けることができ、シートの変形や割れなどもなくきれいに仕上がった。
配合2のシートは丸鋼に貼り付けた際にわずかに割れが生じた。配合4のシートは少し曲がり難く、貼り難かった。
配合3,6のシートは貼り直そうとして剥がした際にシートが伸びて変形してしまった。また、配合3のシートは柔らかいためか貼り付ける際に安定せず仕上げるのに時間がかかった。
Figure 2022100879000001

Claims (3)

  1. ガラス転移温度が-20~20℃の合成樹脂を主成分とした発泡耐火シートであって、
    合成樹脂が30~50容積%の範囲で、発泡耐火シートの比重が1.5~2.5の範囲で、可撓性がある発泡耐火シート。
  2. 前記発泡耐火シートの伸び率がシート膜厚2mmの時に100~500%で、弾性率が2MPa以上である請求項1又は請求項2に記載の発泡耐火シート。
  3. 請求項1または請求項2に記載の発泡耐火シートを施工対象の表面に貼付ける施工方法であって、
    施工対象に粘着剤を塗布し、乾燥させ、粘着層を形成させた後に前記発泡耐火シートを貼り付ける発泡耐火シートの施工方法。

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