JP5615153B2 - ウレタン系塗膜材および施工方法 - Google Patents

ウレタン系塗膜材および施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、防水材、床材等に使用される2液型ウレタン系塗膜材およびその施工方法に関する。
2液型ウレタン系塗膜材は、防水材、床材等に広く使用されている。2液型ウレタン系塗膜材は、イソシアネート化合物を含有する主剤と、イソシアネート基と反応性のある多官能活性水素化合物を含有する硬化剤とからなっている。
通常、2液型ウレタン系塗膜材は、主剤と硬化剤の混合比(質量比)が1:1〜1:3である場合が多く、1:2が主流である。
通常、硬化剤は充填剤および顔料で着色されており、2液混合してから施工するときに下地のコンクリート等を隠蔽し、均一な塗膜層が施工されたことを確認し易くされている。
従来の防水材は硬化剤を比較的明度の低いグレー色に着色する場合が一般的であり、その場合、顔料として酸化チタンとカーボンブラック等を用いて、やや明度の低いグレー系に着色される場合が多かった。
一方で、通常、主剤は着色されることはなく、無色透明ないし淡黄色透明であった。
そのために主剤と硬化剤とを混合した場合、硬化剤と混合物との色の違いが非常に小さいため、目視では混合状況がわかり難かった。
従来、2液型の材料の混合状態を確認するために、着色剤を用いて混合物の色の変化を利用することが行われている。
たとえば、特許文献1では、簡易的な補修材用の少量タイプの容器であって、密封容器内を仕切りで区分けし、それぞれに、複数種類の液体が視認可能な状態で収容保存され、混合時には、仕切りを外して複数種類の液体を、その混合状態が視覚的に把握できるように混合し、混合物を得る容器において、液体のそれぞれに、混合状態を視覚的に把握できるように、混合の前後で色調差を発生させる色調差発生剤が配合されて調色されたものである複数液の保存兼混合容器が記載されており、2液硬化型ウレタン材料が記載されている。しかしながら、ここで開示されているのは、それぞれの液体が透明タイプの顔料および/または染料を用いて着色された全光透過率が20%以上の透明の液体である補修材料であり、従って、コンクリートなどの構造物の下地材の表面を隠蔽することが求められる塗膜材としては適用できないものであった。
特許文献2には、ポリイソシアネート化合物を含む第1液と活性水素基を含む第2液とを有し、第2液に着色剤を含み、該着色剤がそれ以外の成分と均一に混合されておらず、また着色剤以外の成分のいずれの混合物とも異なる色である2液型のポリウレンタンシーリング材組成物が記載されており、第1液と第2液との混合物と第1液および第2液の着色剤以外の成分の混合物との色差が、3.0以上であることが記載されている。しかしながら、ここに開示されている組成物はシーリング材用組成物であり、コンクリートなどの構造物の下地材の表面を塗工するための塗膜材としては適用できないものであった。
特許文献3には、A液とB液の2液混合タイプであって、B液に染料を含み、A液およびB液の混合液とA液との色差が1〜10である補修用のアクリル系塗料が記載されている。しかしながら、この方法はアクリル系塗料に関するものであるので、従って、コンクリートなどの構造物の下地材の表面を隠蔽することが求められるウレタン系の塗膜材には適用できないものであった。
特開2007−112482号公報 特開2007−254501号公報 特開2008−259951号公報
2液型ウレタン系塗膜材の主剤と硬化剤の混合状態を容易に確認できるようにするために、2液型ウレタン系塗膜材の主剤を着色することが考えられる。
しかし、主剤に充填剤や顔料を配合して着色すると、充填剤や顔料が分離沈降したり、充填剤や顔料中の水分との反応で主剤が増粘したりする等、主剤の貯蔵安定性が悪くなること、および充填剤や顔料の添加で主剤の粘度が高くなり缶から取り出しにくくなるという問題がある。特に、機械化施工用等低粘度を必要とする主剤に顔料を配合して着色すると、比較的短時間で顔料が分離沈降してしまう。また、比較的粘度の高い汎用防水用の主剤でも、長期の貯蔵では分離してしまうという問題がある。
本発明は、2液混合時に発生する混合不良のトラブルを防止することができ、かつ長期貯蔵しても主剤からの着色剤の分離沈降がない、2液型ウレタン系塗膜材およびその施工方法を提供するものである。
本発明者らは、2液混合型ウレタン系塗膜材の主剤に配合する着色剤として染料を使用することにより、長期の貯蔵でも着色剤が分離沈降せず、しかも増粘等の変質をおこさない主剤を調製することができることを見出した。
本発明の1つの態様は、イソシアネート化合物を含有する主剤およびイソシアネート基と反応性のある多官能活性水素化合物を含有する硬化剤からなる2液混合型ウレタン系塗膜材であって、主剤の明度Lが60以下であるように主剤が染料で着色され、主剤および硬化剤の混合物と硬化剤との色差ΔEが7以上となるようにした、2液混合型ウレタン系塗膜材である。
主剤および硬化剤の混合物と硬化剤との色差ΔEは、好ましくは、10よりも大きい。
また、本発明は、染料が油溶性染料である、上記の2液混合型ウレタン系塗膜材である。
また、本発明は、主剤中の染料の添加量が0.003〜1.0質量%である、上記の2液混合型ウレタン系塗膜材である。
さらに本発明は、硬化剤をその明度Lが50以上となるように着色した、上記の2液混合型ウレタン系塗膜材である。
さらに本発明は、主剤および硬化剤の混合物の明度Lが50以上である、上記の2液混合型ウレタン系塗膜材である。
本発明の他の態様は、上記のいずれかの2液混合型ウレタン系塗膜材を用いてなるウレタン系塗膜の施工方法である。
さらに本発明は、2液が混合されたことを、主剤および硬化剤の混合物と硬化剤との色の違いから判断する、上記の施工方法である。
本発明のさらなる態様は、上記のいずれかの2液混合型ウレタン系塗膜材を用いてなる塗膜を構造物の下地材上に積層してなる積層構造である。
さらに本発明は、上記の施工方法を用いて構造物の下地材上に塗膜を積層してなる積層構造である。
本発明の2液型ウレタン系塗膜材は、2液混合時に発生する混合不良のトラブルを防止することができ、かつ長期貯蔵しても主剤からの着色剤の分離沈降がない。より詳しくは、混合物と硬化剤との色差ΔEを7以上となるようにしたことにより、目視で主剤と硬化剤の混合状況を容易に確認することができる。また、従来、主剤が透明であるために、残った主剤を識別し難く、そのため、未混合の主剤を残したまま塗膜材を施工してしまい、混合不良による未硬化部分を残してしまう場合が多々あったが、本発明によれば、主剤が着色されているので、未混合の主剤を識別しやすく、未混合の主剤を残したまま塗膜材を施工してしまうという問題を防ぐことができる。また、本発明によれば、主剤を染料で着色したので、着色剤が分離沈降することがない。
上記したように、従来の防水材は硬化剤を比較的明度の低いグレー色に着色する場合が一般的であり、その場合、顔料として酸化チタンとカーボンブラック等によりやや明度の低いグレー系に着色される場合が多かった。
その場合、主剤を明度の高い白系に着色したとしても、2液混合した場合の混合物と硬化剤との色差ΔEは小さく、目視での混合の判別がし難い。
さらに、配合比1:2のような主剤の少ない配合においては、主剤を白系に着色しても効率的に混合物と硬化剤とのΔEを大きくすることはできない。
また、主剤に大量の顔料を配合して着色することは、顔料の分離沈降や、主剤の増粘、それによる主剤の貯蔵安定性が悪化することなどのためにできない。
(主剤着色による混合不良防止)
本発明は、従来技術とは異なり、主剤と硬化剤とを混合した時に、目視で容易に混合不良を確認でき、かつ主剤の貯蔵安定性および低粘度性を損なわない2液混合型ウレタン系塗膜材であり、主剤の明度Lが60以下であるように主剤を染料で着色し、主剤および硬化剤の混合物と硬化剤との色差ΔEを7以上となるようにすることによってこれを達成したものである。
主剤および硬化剤の混合物を、以下、単に、「混合物」という。
以下、具体的にその方法を述べる。
本発明者らは種々の検討の結果、本発明の2液混合型ウレタン系塗膜材の混合物と硬化剤との色差ΔEが7以上であり、また主剤の明度Lが60以下であるように、主剤および硬化剤を着色すれば、主剤への着色剤添加が少量でも、硬化剤と混合物との色の違いがはっきりと認識でき、主剤と硬化剤との混合状況がわかりやすくでき、混合不良を有効に防止できることを見出した。しかも着色剤として染料を用いたので、増粘や貯蔵安定性の低下の問題もないことを見出した。より具体的には、主剤の明度Lを60以下と比較的低くなるように染料で着色し、かつ混合物と硬化剤との色差ΔEが7以上となるように、主剤および硬化剤のそれぞれの明度Lを調整するか、さらに好ましくは、主剤の明度Lを比較的低くなるように染料で着色し、一方で硬化剤の明度Lを高くするように着色するか、または主剤の色相と硬化剤の色相との違いが大きくなるようにそれぞれを着色することが有効である。混合物と硬化剤の色差ΔEは10より大きいことがより好ましい。主剤の明度Lは50以下であることがより好ましい。
(L表色系の色差ΔEの定義)
本発明において、主剤、硬化剤、混合物の色を表すのに、CIE(国際照明委員会)1976 L表色系(JIS Z8729)を使用した。L表色系では、明度をL、色相(色あい)と彩度(鮮やかさ)を示す色度をa、bで表す。
また、混合物の色をL 、a 、b 、硬化剤の色をL 、a 、b とすると、混合物と硬化剤の色差ΔEは以下の式によって求められる。
ΔE=[(L* 1−L* 22+(a* 1−a* 22+(b* 1−b* 221/2
(2液型ウレタン系塗膜材)
本発明の2液型ウレタン系塗膜材は、2液型ウレタン系防水材用または床用塗膜材として好ましく用いられ、イソシアネート化合物、とりわけポリイソシアネートを含有する主剤と、イソシアネート基と反応性のある多官能活性水素化合物を含有する硬化剤とからなるものである。
(主剤)
主剤に含有するイソシアネート化合物としては、イソシアネート基末端プレポリマー、低分子量のポリイソシアネート化合物等が挙げられる。
イソシアネート基末端プレポリマーとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI、カルボジイミド等で変性されたMDI等のポリイソシアネート化合物と、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリブタジエンポリオール等のポリオールとの反応によって得られるもの等が挙げられる。ポリエーテルポリオールの例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等の1種以上を付加重合して得られるポリエーテルポリオール、テトラヒドロフランを開環重合して得られるポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられ、ポリエステルポリオールの具体的な例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、その他の低分子ポリオールの1種以上と、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、あるいはその他の低分子ジカルボン酸やオリゴマー酸の1種以上との縮合重合、およびカプロラクトン等を開環重合して得られるポリエステルポリオール等を挙げることができる。ポリオールは平均分子量が200〜10000であることが塗工の際の適正な粘度を得るために好ましい。また、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの分子量が200未満のポリオールを上記のポリオールと併用して使用することもできる。
MDI、ポリメリックMDI、カルボジイミド等で変性されたMDIといった低分子量ポリイソシアネートは、イソシアネート基末端プレポリマー化して使用される以外に、ポリオールにより部分プレポリマー化して使用したり、プレポリマー化せずに単独で使用することもできる。
本発明の2液型ウレタン系防水材用または床用塗膜材の代表的な例としては、主剤がTDIとポリオキシプロピレンポリオールとのイソシアネート基末端プレポリマーであるものが挙げられる。TDIとポリオールのイソシアネート基末端プレポリマーは、NCO/OH=1.5〜2.5(当量比)であり、NCO含有量は2.0〜5.0質量%であることが好ましい。
主剤には、染料の他に、粘度調整のために溶剤や可塑剤等や、消泡剤、硬化触媒、湿潤分散剤、色分かれ防止剤等の添加剤類等を含むことができる。
(硬化剤)
硬化剤に含有する多官能活性水素化合物としては、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジクロロジフェニルメタン(MOCA)、ジエチルトルエンジアミン(DETDA)、ジメチルチオトルエンジアミン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジエチル−5,5′−ジメチルジフェニルメタン(MED)等のポリアミン、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリブタジエンポリオール等のポリオール等が挙げられ、これらは通常行われているように、単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。ポリエーテルポリオールおよびポリエステルポリオールは、たとえば主剤について例示したものを用いることができる。ポリオールは平均分子量が200〜10000であることが塗工の際の適正な粘度を得るために好ましい。
硬化剤には、多官能活性水素化合物、着色剤(顔料、染料)の他に、溶剤、可塑剤、充填剤、硬化触媒、湿潤分散剤、色分かれ防止剤、増粘剤、消泡剤、老化防止剤等を含むことができる。
硬化剤に用いる可塑剤としては、ウレタン系塗膜材に通常用いられるものを用いることができ、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ブチルベンジルフタレート(BBP)などのフタル酸エステル類、脂肪族二塩基酸エステル類、リン酸エステル類、トリメリット酸エステル類、セバシン酸エステル類、エポキシ脂肪酸エステル類、グリコールエステル類、動植物油系脂肪酸エステル類、石油・鉱物油系可塑剤、アルキレンオキシド重合系可塑剤などが挙げられる。
硬化剤に用いる充填剤としては、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、シリカ、タルク、カオリンクレー、ゼオライト、水酸化アルミニウム、ケイソウ土、硫酸バリウム、マイカ、ガラス繊維等が挙げられ、硬化剤の全量に対して10質量%〜75質量%であることが好ましい。
本発明に用いる好ましい硬化剤としては、DETDA、ジメチルチオトルエンジアミン、MED等の芳香族ポリアミンを含有するもの、MOCA等の芳香族ポリアミンとポリオキシアルキレンポリオール等のポリオールとオクチル酸鉛等の有機金属触媒を含有するもの、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリブタジエンポリオール等のポリオールとオクチル酸鉛やジブチル錫ラウレート等の有機金属触媒を含有するもの、等が挙げられる。
(染料)
主剤を着色するために用いる染料は、主剤に溶解するものまたは主剤中に分散して安定に存在しうるものであれば、いかなるものも使用することができる。
染料は、非常に微量の添加量で着色効果が発揮できるため、経済的に優れる。また、主剤が含有するイソシアネート基と反応性のあるアミノ基やヒドロキシル基を有する染料であっても、添加量が少ないために増粘等の悪影響がほとんどなく、実用できる。
染料は、化学構造から分類すると、モノアゾ染料、ジスアゾ染料、金属錯塩アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴ系染料、フタロシアニン染料、ピラゾロン染料、スチルベン染料、チアゾール染料、キノリン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、アクリジン染料、キサンテン染料、アジン染料、チアジン染料、オキサジン染料、ポリメチン(シアニン)染料、インドフェノール染料、ナフタルイミド染料、ペリレン染料、ペリノン染料、その他に分類されるが、主剤の明度Lを60以下に着色することができるものであれば、いずれの染料も使用することができる。
また、染料は、染色性により分類すると、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料、媒染染料、酸性媒染染料、分散染料、建染染料(スレン染料)、硫化染料、硫化建染染料、アゾイック染料、ソルベント染料(オイルカラー)、蛍光染料に分類され、主剤の明度Lを60以下に着色することができるものであれば、いずれの染料も使用することができるが、なかでも、ソルベント染料が好ましい。
染料の具体例としては、カラーインデックス一般名(C.I. Generic Name)で、ソルベントバイオレット(Solvent Violet)13および31、ソルベントブルー(Solvent Blue)35、36、78、97および104、ディスパースブルー(Disperse Blue)334、ソルベントグリーン(Solvent Green)3および5、ソルベントイエロー(Solvent Yellow)14、33、93、114、163、167、170および176、ソルベントオレンジ(Solvent Orange)60および63、ソルベントレッド(Solvent Red)52、111、146、179および242、ディスパースレッド(Disperse Red)22などが挙げられる。
これらの染料は市販されており、たとえば、紀和化学工業株式会社製プラスチック染料KP Plast Violet 2R(ソルベントバイオレット13)、KP Plast Blue R(ソルベントブルー97)、KP Plast Blue GR(ソルベントブルー104)、KP Plast Blue BR(ソルベントブルー35)、KP Plast Green G(ソルベントグリーン3)、KP Plast Red H2G(ソルベントレッド179)、KP Plast Red G(ソルベントレッド111)などを使用することができる。
本発明に使用する染料は油溶性であることが好ましい。主剤に使用する染料は、主剤に溶解するものであることが好ましいが、主剤の中に分散して安定に存在するものであればそれも本発明に使用することができる。
(主剤の染料添加量)
主剤に添加する染料は、1種でもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
染料添加量は、主剤100質量部に対して0.003〜1.0質量部であることが好ましく、0.005〜0.5質量部であることがより好ましい。0.003質量部未満では、混合物と硬化剤との色差ΔEを7以上とすることが難しくなり、1.0質量部を超える添加は効果が飽和し、経済的に有利でない。
主剤は染料で着色されるが、本発明の効果を阻害しない範囲で、顔料を併用してもよい。
(硬化剤の顔料)
硬化剤には、一般的に、ウレタン系塗料、ウレタン系塗膜材に使用されている有機顔料、無機顔料を添加することができる。
有機顔料としては、アゾ顔料(モノアゾ(アセト酢酸アリリド)系、ジスアゾ系、β−ナフトール・ナフトールAS系、アゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ジスアゾ縮合系)、イソインドリノン・イソインドリン顔料、金属錯体顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、ジケトピロロビロール顔料、キノフタロン顔料、Vat染料系顔料(ペリレン・ペリノン系、チオインジゴ系、アントラキノン系)が挙げられる。具体的な例としては、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、イソインドリノンイエロー、ジスアゾイエロー、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンレッド、2,9−ジメチルキナクリドン等が挙げられる。
無機顔料としては、酸化チタン、赤酸化鉄、酸化亜鉛、酸化クロム、鉄黒、複合酸化物(たとえば、チタンエロー系、亜鉛−鉄系ブラウン、チタン・コバルト系グリーン、コバルトグリーン、コバルトブルー、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック)などの酸化物;カーボンブラック等の炭素;黄鉛、モリブデートオレンジ等のクロム酸塩;紺青等のフェロシアン化物;カドミウムエロー、カドミウムレッド、硫化亜鉛などの硫化物;硫酸バリウムなどの硫酸塩;塩酸塩;群青等のケイ酸塩;炭酸カルシウム等の炭酸塩;マンガンバイオレット等のリン酸塩;黄色酸化鉄等の水酸化物;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉;チタン被覆雲母等が挙げられる。
酸化チタンは硬化剤の明度Lを上げ、より効率的に硬化剤と混合物の色差ΔEを大きくすることができるため、酸化チタンを顔料の主成分とすることが好ましい。硬化剤の明度Lは、50以上とすることが好ましく、60以上とすることがさらに好ましい。硬化剤の明度Lを上げることで、着色した主剤が有効にはたらき、混合物の色差ΔEを効率的に上げることができるようになる。
また、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、シリカ、タルク、カオリンクレー、ゼオライト、水酸化アルミニウム、ケイソウ土、硫酸バリウム、マイカ等といった、一般的で比較的隠蔽性のある無機系充填剤も使用することができ、この場合はこれらによって着色されるので、本発明の要件を満たすように着色されていれば他に顔料を使用しなくともよい。
(硬化剤の顔料添加量)
硬化剤への顔料添加は、1種類以上の有機顔料または1種類以上の無機顔料を使用することができる。1種類以上の有機顔料と1種類以上の無機顔料を併用することもできる。
顔料の添加量については特に限定はされないが、硬化剤の全量に対して0.01〜5質量%であることが好ましい。0.01質量%未満では、十分な着色効果が得られない場合があり、顔料添加量が多くなると、硬化剤と混合物のΔEを小さくするように作用する。従って、必要な添加量以上を添加しないことが好ましい。
硬化剤に添加する顔料は、平均粒子径が20nm以上であることが、混合状態を確認する上でさらに好ましい。
硬化剤に添加する上記有機顔料、無機顔料は、粉体で添加してもよいし、トナー化して添加してもよいが、トナー化したもののほうが作業性や分散性に優れるためより好ましい。
顔料のトナー化に用いる可塑剤は、通常用いられるものを用いることができ、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ブチルベンジルフタレート(BBP)などのフタル酸エステル類、脂肪族二塩基酸エステル類、リン酸エステル類、トリメリット酸エステル類、セバシン酸エステル類、エポキシ脂肪酸エステル類、グリコールエステル類、動植物油系脂肪酸エステル類、石油・鉱物油系可塑剤、アルキレンオキシド重合系可塑剤などが挙げられる。
硬化剤は、顔料に代えて、染料で着色してもよい。また、硬化剤の着色に、顔料と染料を併用してもよい。硬化剤の着色に用いる染料は、混合物と硬化剤との色差ΔEを7以上にすることができるものであれば、特に限定されないが、主剤を着色するために用いる染料として上述したものの中から選択することができる。
(混合物の明度を高くすることによる膨れ防止)
炎天下でのウレタン塗布の際の塗膜自身の発泡および、塗膜材を塗り重ねする場合における一層目と二層目の界面の発泡は、直射日光による塗膜の温度上昇によるものであると考えられる。
近年、地球温暖化の問題が言われており、そのためか夏場は猛暑になる日が多くなってきており、夏場の炎天下にウレタン系塗膜材を塗布すると、太陽熱および直射日光により表面温度が上昇するため、炭酸ガスの発生量が多くなって塗膜自身が発泡することがあり、この現象によるトラブルは年々増加している。また、同じように、夏場の炎天下でウレタン系塗膜材を塗り重ねする場合においても、一層目と二層目の界面で炭酸ガスが発生して発泡が起こることがあり、このトラブルも年々多くなっている。これらの場合は、塗膜表面の仕上がりを著しく損ねるだけでなく、その補修にも多大な労力を要する。
本発明者らは、さらに種々の検討を行った結果、本発明の2液混合型ウレタン系塗膜材の混合物の明度Lを高くすることで、夏場の施工性改善に大きな効果を与えることを見出した。
本発明者らは、混合物の明度Lと日射反射率に相関性があり、混合物の明度Lを上げると直射日光下での施工時の表面温度が低下し、真夏の炎天下での施工時に発生する場合があるウレタン系塗膜の発泡現象に起因する層間膨れ現象を防止できることを見出した。
ウレタン系塗膜の発泡現象とは、施工直後に塗膜の温度が上昇すると、主剤のイソシアネート基と、硬化剤中に含まれる微量の水分および混合時に巻き込まれる湿気中の水分との反応性が高まり、水分との反応により発生する炭酸ガスの発生量が多くなり、塗膜が発泡現象を起こすものである。
層間膨れも塗膜の発泡現象に起因するものと思われ、夏場、前日に施工した塗膜の上に翌日二層目を塗布する場合に層間に発生するもので、特に前日の夕方に一層目を施工し、翌日の朝方に二層目を施工し、その後直射日光に曝された場合に発生しやすく、一層目と二層目の層間接着力が発現する前に塗膜が高温になり、一層目および二層目からも発生する炭酸ガスにより、層間膨れが発生すると考えられている。
また、塗膜の表面温度の低下により、施工時のウレタン系塗膜材の混合物の可使時間(硬化前の塗布可能時間)を延長する効果があり、施工可能なレベリング時間を延長できる効果も見出した。
上記のような効果を発現させるには、本発明の2液混合型ウレタン系塗膜材の主剤および硬化剤の混合物の明度Lが50以上であることが好ましく、60以上であることがさらに好ましい。
また、硬化剤に使用する顔料としては、混合物の明度Lを上げる効果の高い酸化チタンを顔料の主成分とすることが好ましい。
一方、カーボンブラックを多く使用することは、混合物の明度Lを下げ、日射反射率が低下し、塗膜の表面温度が高くなるため、上記の目的のためには好ましくない。
(主剤と硬化剤の混合比)
本発明の2液混合型ウレタン系塗膜材の主剤と硬化剤を混合する際は、主剤中のイソシアネート基と、硬化剤中の官能活性水素の比率を、NCO/(OH+NH)=0.8〜1.6(当量比)の比率とすることが好ましい。また、主剤と硬化剤の混合比(質量比)は1:0.5〜1:10であることが好ましく、1:1〜1:4であることがより好ましい。
(混合、施工方法)
本発明の2液混合型ウレタン系塗膜材の主剤と硬化剤の混合方法としては、通常行われているように、主剤、硬化剤の2液をハンドミキサー等にて攪拌・混合し、混合物はコテ、レーキ、クシベラ等で手塗り施工することができる。また、スタティックミキサー等の自動混合装置を使用した機械化施工にも使用できる。
本発明のさらなる態様は、コンクリートなどの構造物の下地材および2液混合型ウレタン系塗膜材を用いてなる塗膜からなる積層構造であり、さらにトップコート層等を備えていてもよい。
以下に実施例をもって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
実験例1
(実験例1において使用した原材料)
オルタックカラー500MW主剤: TDIとポリオキシプロピレンポリオールとのイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー84.5%と脂肪族炭化水素11.5%と脂環族炭化水素4%の混合物、NCO=3.40%、粘度=1200mPa・s、田島ルーフィング株式会社製、機械化施工用低粘度主剤
オルタックカラー1:2用主剤: TDIとポリオキシプロピレンポリオールとのイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー97%と脂肪族炭化水素3%の混合物、NCO=3.40%、粘度=6000mPa・s、田島ルーフィング株式会社製、手塗り施工用汎用主剤
KP Plast Blue R: 紀和化学工業株式会社製プラスチック染料、アントラキノン系、カラーインデックス一般名:ソルベントブルー97
KP Plast B1ue BR: 紀和化学工業株式会社製プラスチック染料、アントラキノン系、カラーインデックス一般名:ソルベントブルー35
KP Plast B1ue GR: 紀和化学工業株式会社製プラスチック染料、アントラキノン系、カラーインデックス一般名:ソルベントブルー104
KP Plast Green G: 紀和化学工業株式会社製プラスチック染料、アントラキノン系、カラーインデックス一般名:ソルベントグリーン3
KP Plast Red H2G: 紀和化学工業株式会社製プラスチック染料、ペリノン系、カラーインデックス一般名:ソルベントレッド179
KP Plast Red G: 紀和化学工業株式会社製プラスチック染料、アントラキノン系、カラーインデックス一般名:ソルベントレッド111
ブルートナー: フタロシアニンブルー(平均粒子径:80nm)28%、DINP72%、大日精化工業株式会社製
(主剤の調製)
表1および表2の配合に従って、オルタックカラー500MW主剤またはオルタックカラー1:2用主剤と着色剤(染料または顔料)とを攪拌機にて2分間混合・攪拌し、着色主剤を得た。
(貯蔵安定性試験)
着色した主剤を40℃で4週間または8週間貯蔵した後の状態を観察した。
○:染料または顔料の分離や沈降がない。
△:染料または顔料の分離や沈降がやや認められる。
×:顔料の分離や沈降がある。
観察結果を表1および表2に示す。
(着色主剤の貯蔵安定性)
主剤B〜M、PおよびQは、染料で着色したものであるが、40℃で4週間貯蔵後でも、40℃で8週間貯蔵後でも、着色剤を添加しない主剤AまたはOと同等の粘度で流動性を保っており、また着色剤の分離や沈降もなく、貯蔵安定性は○であった。
主剤Nは、オルタックカラー500MW主剤を有機顔料で着色したものであるが、低粘度であるため、4週間の貯蔵ですでに着色剤の分離や沈降があった。
主剤Rは、オルタックカラー1:2用主剤を有機顔料で着色したものであるが、貯蔵期間を長くすると着色剤の分離や沈降がやや認められた。
Figure 0005615153
Figure 0005615153
実験例2
(実験例2において使用した原材料)
オルタックカラー500MW主剤: TDIとポリオキシプロピレンポリオールとのイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー84.5%と脂肪族炭化水素11.5%と脂環族炭化水素4%の混合物、NCO=3.40%、粘度=1200mPa・s、田島ルーフイング株式会社製
オルタックカラー1:2用主剤: TDIとポリオキシプロピレンポリオールとのイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー97%と脂肪族炭化水素3%の混合物、NCO=3.40%、粘度=6000mPa・s、田島ルーフィング株式会社製
KP Plast Blue R: 紀和化学工業株式会社製プラスチック染料、アントラキノン系、カラーインデックス一般名:ソルベントブルー97
KP Plast B1ue BR: 紀和化学工業株式会社製プラスチック染料、アントラキノン系、カラーインデックス一般名:ソルベントブルー35
KP Plast B1ue GR: 紀和化学工業株式会社製プラスチック染料、アントラキノン系、カラーインデックス一般名:ソルベントブルー104
KP Plast Violet 2R: 紀和化学工業株式会社製プラスチック染料、アントラキノン系、カラーインデックス一般名:ソルベントバイオレット13
KP Plast Green G: 紀和化学工業株式会社製プラスチック染料、アントラキノン系、カラーインデックス一般名:ソルベントグリーン3
KP Plast Red H2G: 紀和化学工業株式会社製プラスチック染料、ペリノン系、カラーインデックス一般名:ソルベントレッド179
KP Plast Red G: 紀和化学工業株式会社製プラスチック染料、アントラキノン系、カラーインデックス一般名:ソルベントレッド111
MOCA: イハラキュアミンMT、イハラケミカル工業株式会社製、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジクロロジフェニルメタン
T−500: ポリハードナーT−500、第一工業製薬株式会社製、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、33.7mgKOH/g
DINP: サンソサイザーDINP、新日本理化株式会社製、ジイソノニルフタレート
MC1000ソルベント: 脂環族炭化水素系溶剤、三協化学株式会社製
ニッカオクチックス鉛20%TS:オクチル酸鉛と脂肪族系溶剤の混合物、Pbとして20%含有、日本化学産業株式会社製
添加剤類: 楠本化成株式会社製
炭酸カルシウム: NS#100、日東粉化工業株式会社製
酸化チタン: チタニックスJR−600A、テイカ株式会社製
(主剤の調製)
表3〜表7の配合に従って、主剤と染料とを攪拌機にて2分間混合・攪拌し、着色主剤を得た。
(硬化剤の調製)
表3〜表7の配合に従って、所定量のT−500に溶解したMOCAを配合し、DINP、MC1000ソルベント、ニッカオクチック鉛20%TS、添加剤類の液物を仕込み、攪拌機で低速混合し均一にした後、炭酸カルシウム、酸化チタンを配合し、1500rpmで15分間混合し、硬化剤を得た。
(色差の測定)
主剤、硬化剤、混合物をプラスチックセルCT−A31(コニカミノルタ社製)に入れ、色彩色差計CR−200(ミノルタ社製)を用いて測定し、L表色系による、明度L、色度a、色度bを測定した。なお、主剤のLの測定の場合、光を透過するものもあったため、光源をあてる部分と反対側に隠蔽率試験紙の白部分をあてて測定した。
また、混合物の色をL 、a 、b 、硬化剤の色をL 、a 、b とすると、混合物と硬化剤の色差ΔEは以下の式によって求めた。
ΔE=[(L* 1−L* 22+(a* 1−a* 22+(b* 1−b* 221/2
(主剤と硬化剤の混合方法)
表3〜表7の配合に従って、主剤と硬化剤とをハンドミキサーで2分間、攪拌・混合し、2液混合物を得た。
比較例1
比較例1は、主剤が無色透明で、硬化剤をホワイトに着色した、従来例である。
主剤は着色剤を含まず、明らかに無色透明であった。
硬化剤の明度Lは74.75であり、ほぼ白色であった。
主剤と硬化剤との2液混合時の状況は、主剤が無色透明であるため、混合が十分になったことは目視では確認できなかった。また、硬化剤と2液混合物のΔEは4.32と小さく、硬化剤と2液混合物の色の違いも目視では認識できず、混合不良防止には有効ではなかった。
比較例2
比較例2は、主剤をブルーに着色し、硬化剤をホワイトに着色したものであるが、主剤への染料の配合量が少ない場合の例である。
主剤の明度Lは、48.08であり、淡いブルーであった。
硬化剤の明度Lは、74.75であり、ほぼ白色であった。
主剤と硬化剤との2液混合時の状況において、主剤と硬化剤の色の違いは認識できたが、攪拌を開始してからすぐ2液混合物の色は硬化剤の色とほぼ同じ色になり、混合が十分になったことは目視では確認できなかった。また、硬化剤と2液混合物のΔEは2.08であり、硬化剤と2液混合物の色の違いは目視では認識できず、混合不良防止に有効ではなかった。
比較例3
比較例3は、比較例2において、染料をKP Plast B1ue BRに変更したものであるが、主剤への染料の配合量が少ない場合の例である。
主剤の明度Lは、47.14であり、淡いブルーであった。
硬化剤の明度Lは、74.75であり、ほぼ白色であった。
主剤と硬化剤との2液混合の状況は、主剤と硬化剤の色の違いは認識できたが、攪拌を開始してからすぐ2液混合物の色は硬化剤の色とほぼ同じ色になり、混合が十分になったことは目視では確認できなかった。また、硬化剤と2液混合物のΔEは1.45であり、硬化剤と2液混合物の色の違いは目視では認識できず、混合不良防止に有効ではなかった。
実施例1
実施例1は、主剤をブルーに着色し、硬化剤をホワイトに着色した場合の例である。
主剤の明度Lは、21.59であり、比較的濃いブルーであった。
硬化剤の明度Lは、74.75であり、ほぼ白色であった。
主剤と硬化剤との2液混合の状況は、攪拌開始直後では主剤と硬化剤の色は分離していたが、攪拌を続けるに従って混合物が主剤の色とも硬化剤の色とも違う均一な色になり、混合が十分になったことが目視で確認できた。硬化剤と2液混合物のΔEは8.95であり、硬化剤と2液混合物との色の違いも目視で確認でき、混合不良防止に有効であった。
実施例2
実施例2は、実施例1において、主剤に配合する染料を増量して、主剤の明度を下げた場合の例である。
主剤の明度Lは17.63であり、比較的濃いブルーであった。
主剤と硬化剤との2液混合の状況は、攪拌開始直後では主剤と硬化剤の色は分離していたが、攪拌を続けるに従って混合物が主剤の色とも硬化剤の色とも違う均一な色になり、混合が十分になったことが目視で確認できた。硬化剤と2液混合物のΔEは27.10と実施例1より大きい値を示し、硬化剤と2液混合物との色の違いも目視ではっきりと確認でき、混合不良防止に有効であった。
実施例3
実施例3は、実施例1において、主剤に配合する染料をさらに増量して、主剤の明度をさらに下げた場合の例である。
主剤の明度Lは17.39と濃いブルーであった。
主剤と硬化剤との2液混合の状況は、攪拌開始直後では主剤と硬化剤の色は分離していたが、攪拌を続けるに従って混合物が主剤の色とも硬化剤の色とも違う均一な色になり、混合が十分になったことが目視で確認できた。硬化剤と2液混合物のΔEは37.48と実施例2よりさらに大きい値を示し、硬化剤と2液混合物の色の違いも目視でさらにはっきりと確認でき、混合不良防止に有効であった。
実施例4
実施例4は、実施例1において、主剤に配合する染料をさらに増量した場合の例である。
主剤の明度Lは17.51と濃いブルーであった。
主剤と硬化剤との2液混合の状況は、攪拌開始直後では主剤と硬化剤の色は分離していたが、攪拌を続けるに従って混合物が主剤の色とも硬化剤の色とも違う均一な色になり、混合が十分になったことが目視で確認できた。硬化剤と2液混合物のΔEは62.72と実施例3よりさらに大きい値を示し、硬化剤と2液混合物の色の違いも目視でさらにはっきりと確認でき、混合不良防止に有効であった。
実施例5
実施例5は、実施例1において、主剤の染料をKP Plast B1ue BRに変更した場合の例である。
主剤の明度Lは22.63であり、比較的濃いブルーであった。
主剤と硬化剤との2液混合の状況は、攪拌開始直後では主剤と硬化剤の色は分離していたが、攪拌を続けるに従って混合物が主剤の色とも硬化剤の色とも違う均一な色になり、混合が十分になったことが目視で確認できた。硬化剤と2液混合物のΔEは9.93であり、硬化剤と2液混合物の色の違いも目視で確認でき、混合不良防止に有効であった。
実施例6
実施例6は、実施例5において、主剤に配合する染料を増量して、主剤の明度を下げた場合の例である。
主剤の明度Lは17.91であり、比較的濃いブルーであった。
主剤と硬化剤との2液混合の状況は、攪拌開始直後では主剤と硬化剤の色は分離していたが、攪拌を続けるに従って混合物が主剤の色とも硬化剤の色とも違う均一な色になり、混合が十分になったことが目視で確認できた。硬化剤と2液混合物のΔEは27.94と実施例5より大きい値を示し、硬化剤と2液混合物との色の違いも目視ではっきりと確認でき、混合不良防止に有効であった。
実施例7
実施例7は、実施例5において、主剤に配合する染料をさらに増量して、主剤の明度をさらに下げた場合の例である。
主剤の明度Lは17.42であり、濃いブルーであった。
主剤と硬化剤との2液混合の状況は、攪拌開始直後では主剤と硬化剤の色は分離していたが、攪拌を続けるに従って混合物が主剤の色とも硬化剤の色とも違う均一な色になり、混合が十分になったことが目視で確認できた。硬化剤と2液混合物のΔEは38.17と実施例6よりさらに大きい値を示し、硬化剤と2液混合物の色の違いも目視でさらにはっきりと確認でき、混合不良防止に有効であった。
実施例8
実施例8は、実施例5において、主剤に配合する染料をさらに増量して、主剤の明度をさらに下げた場合の例である。
主剤の明度Lは17.35であり、濃いブルーであった。
主剤と硬化剤との2液混合の状況は、攪拌開始直後では主剤と硬化剤の色は分離していたが、攪拌を続けるに従って混合物が主剤の色とも硬化剤の色とも違う均一な色になり、混合が十分になったことが目視で確認できた。硬化剤と2液混合物のΔEは62.52と実施例7よりさらに大きい値を示し、硬化剤と2液混合物の色の違いも目視でさらにはっきりと確認でき、混合不良防止に有効であった。
実施例9
実施例9は、実施例2において、オルタックカラー500MW主剤をオルタックカラー1:2用主剤に変更した場合の例である。
主剤の明度Lは17.65であり、比較的濃いブルーであった。
硬化剤の明度Lは、73.11であり、ほぼ白色であった。
主剤と硬化剤との2液混合の状況は、攪拌開始直後では主剤と硬化剤の色は分離していたが、攪拌を続けるに従って混合物が主剤の色とも硬化剤の色とも違う均一な色になり、混合が十分になったことが目視で確認できた。硬化剤と2液混合物のΔEは20.73であり、硬化剤と2液混合物の色の違いも目視ではっきりと確認でき、混合不良防止に有効であった。
以上の実施例1〜9において、硬化剤についてはすべて透明性がなく、2液混合物についてもすべて透明性がなく、下地が十分に隠蔽できるものであった。
Figure 0005615153
Figure 0005615153
Figure 0005615153
比較例4および実施例10〜18
主剤に配合する染料を変更して同様の実験を行った。比較例4および実施例10ではKP Plast B1ue GR、実施例11および12ではKP Plast Violet 2R、実施例13および14ではKP Plast Green G、実施例15および16ではKP Plast Red H2G、実施例17および18ではKP Plast Red Gを使用した。結果を表6および表7に示す。実施例10〜18の結果から、異なる染料を用いても、主剤と硬化剤との混合が十分になったことが目視で確認でき、硬化剤と2液混合物との色の違いも目視で確認でき、混合不良防止に有効であった。
Figure 0005615153
Figure 0005615153
実施例19および20
実施例19および20は、硬化剤を染料で着色した例である。具体的には、硬化剤に酸化チタンを配合せずに、代わりにKP Plast Red Gを配合した。硬化剤を染料で着色した場合も、主剤と硬化剤との混合が十分になったことが目視で確認でき、硬化剤と2液混合物との色の違いも目視で確認でき、混合不良防止に有効であった。
Figure 0005615153
実施例21
実施例2で調製した2液混合型ウレタン系塗膜材を用いて下記の層間膨れ試験を実施したが、層間膨れが発生しなかった。
(層間膨れ試験)
屋外において、断熱材(ギルフォーム、硬質ウレタン系フォーム、厚さ75mm、田島ルーフィング株式会社)にオルタックシートS(合成繊維不織布/ガラスメッシュ/プラスチックフィルム/ゴムアスファルト系粘着層からなる特殊下張り用防水シート、田島ルーフィング株式会社製)を貼ったものを下地とし、その上に防水材の一層目を1.5kg/m施工した(気温29℃、シートSの表面温度27℃)。一層目を施工した翌日の朝方、二層目を2kg/mあるいは3kg/m施工し(施工時の気温30℃、施工時の一層目の表面温度34℃、施工日における塗膜の最高温度64℃)、一層目と二層目の層間膨れを観察した。
本発明の2液混合型ウレタン系塗膜材は、防水材、床材等に使用することができ、特に、防水等を目的として、ビルの屋上、ベランダ、バルコニー、開放廊下等に施工することができる。

Claims (10)

  1. イソシアネート化合物を含有する主剤、ならびにイソシアネート基と反応性のある多官能活性水素化合物および充填剤を含有する硬化剤からなり、主剤と硬化剤との混合比が質量比で1:1〜1:4であり、充填剤が硬化剤の全量に対して10〜75質量%である2液混合型ウレタン系塗膜材であって、イソシアネート化合物がイソシアナート基末端プレポリマーであり、多官能活性水素化合物がポリアミンまたはポリオールであり、主剤の明度Lが60以下であって硬化剤の明度L よりも低くなるように主剤が染料で着色され、主剤および硬化剤の混合物と硬化剤との色差ΔEが7以上となるようにした、2液混合型ウレタン系塗膜材。
  2. 主剤および硬化剤の混合物と硬化剤との色差ΔEが10より大きくなるようにした、請求項1に記載の2液混合型ウレタン系塗膜材。
  3. 染料が油溶性染料である、請求項1または2に記載の2液混合型ウレタン系塗膜材。
  4. 主剤中の染料の添加量が0.003〜1.0質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の2液混合型ウレタン系塗膜材。
  5. 硬化剤をその明度Lが50以上となるように着色した、請求項1〜4のいずれか1項に記載の2液混合型ウレタン系塗膜材。
  6. 主剤および硬化剤の混合物の明度Lが50以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の2液混合型ウレタン系塗膜材。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の2液混合型ウレタン系塗膜材を用いてなるウレタン系塗膜の施工方法。
  8. 2液が混合されたことを、主剤および硬化剤の混合物と硬化剤との色の違いから判断する、請求項7に記載の施工方法。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の2液混合型ウレタン系塗膜材を用いてなる塗膜を構造物の下地材上に積層してなる積層構造。
  10. 請求項7または8に記載の施工方法を用いて構造物の下地材上に塗膜を積層してなる積層構造。
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