JP2015030238A - 積層基材、粘着シート及び電子機器 - Google Patents

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翔太 谷井
澄生 下岡
Sumio Shimooka
澄生 下岡
森野 彰規
Akinori Morino
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Abstract

【課題】比較的容易に任意の形状に折り曲げることができ、折り曲げた場合であっても割れやはがれ等を引き起こしにくく、かつ、熱伝導性及び導電性に優れた積層基材及び粘着シートを提供する。
【解決手段】2以上の金属基材が導電性粘着剤層を介して積層し、積層基材とする。また、該積層基材の片面または両面に、粘着剤層を有することを特徴とする粘着シート。0.1〜3N/30mmの範囲の曲げ強度を有し、1〜300μmの厚さである積層基材。前記導電性粘着剤層は、Cu又はNiの導電性フィラーを導電性粘着剤層の全量に対して10〜500質量%含有している。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子機器等を構成する様々な発熱部材から非発熱部材へ熱を移動させる際に使用可能な積層基材に関する。
近年、通信機器等の電子機器の小型化、薄型化及び高性能化に伴って、電子機器の高集積化が進んでいる。前記高集積化された機器の内部は、限られたスペースに様々な部材が隙間なく配置されているため、前記部材の発熱に起因して、前記電子機器自体が比較的高温となる場合がある。特に、携帯電話やスマートフォン等のモバイル機器は、蓄熱しやすい傾向にあり、その熱に起因してモバイル機器が誤作動を引き起こす等の不具合が生じる場合があった。
前記電子機器の内部から熱を効率よく放散させる方法としては、発熱部材と非発熱部材(放熱部材)とを熱伝導性シートで接続する方法が知られており、前記熱伝導性シートとしては、例えばグラファイトシートと特定の熱伝導性粘着層とが積層された熱拡散シートが知られている(特許文献1参照)。
しかし、前記熱拡散シートを構成するグラファイトシートは、比較的脆く、折り曲げた際に割れ等を引き起こす場合があるため、電子機器等の内部の限られた空間に、前記熱拡散シートを折り曲げるなどして配置することが困難な場合があった。また、グラファイトシートの割れ等を引き起こした熱拡散シートは、熱を発熱部から放熱部に効率よく伝導させることができず、また、導電性の著しい低下を引き起こす場合があった。
特開2013−102180号公報
本発明が解決しようとする課題は、比較的容易に任意の形状に折り曲げることができ、折り曲げた場合であっても割れ等を引き起こしにくく、かつ、熱伝導性及び導電性に優れた積層基材を提供することである。
また、本発明が解決しようとする課題は、比較的容易に任意の形状に折り曲げることができ、折り曲げた場合であっても割れ等を引き起こしにくく、基材由来の反発力に起因したはがれ等を引き起こしにくく、かつ、熱伝導性及び導電性に優れた粘着シートを提供することである。
本発明者等は、粘着シートを構成する基材として単に金属基材を使用するのではなく、2以上の金属基材を導電性粘着剤層を介して積層したものを使用することによって、前記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、2以上の金属基材(A1)が導電性粘着剤層(A2)を介して積層されたものであることを特徴とする積層基材に関するものである。
また、本発明は、積層基材の片面または両面に、粘着剤層(B)を有することを特徴とする粘着シートに関するものである。
本発明の積層基材は、比較的容易に任意の形状に折り曲げることができ、折り曲げた場合であっても割れ等を引き起こしにくく、かつ、優れた熱伝導性と導電性とを有することから、もっぱらモバイル機器等の電子機器を構成する各種発熱部材と非発熱部材(放熱部材)との接続に使用する基材として用いることが可能である。また、前記積層基材は、基材由来の反発力に起因したはがれ等を引き起こしにくく、熱伝導性と導電性とを備えた粘着テープを構成する基材として好適に使用することが可能である。
熱伝導性の評価試験で使用した装置及び試験テープを側面から見た概念図である。 曲げ強度の評価試験で使用した装置及び積層基材を側面からみた概念図である。 曲げ強度の評価試験で得られた測定チャートの概念図である。
[積層基材]
本発明の積層基材は、2以上の金属基材(A1)が導電性粘着剤層(A2)を介して積層されたものであることを特徴とする。
前記積層基材は、優れた柔軟性、導電性及び熱伝導性を備える。また、前記積層基材は、同じ厚さの単一金属基材と比較して、任意の形状に容易に折り曲げることができることから、電子機器の内部に好適に接地することができ、熱を発熱部から非発熱部(放熱部)に効率よく伝導することができる。
本発明の積層基材としては、具体的には、同一または異なる2以上の金属基材(A1)を、導電性粘着剤層(A2)等を介して接着し積層したものを使用することができる。
本発明の積層基材としては、0.1N/30mm〜3N/30mmの範囲の曲げ強度を有するものを使用することが、積層基材を所定の形状に容易に折り曲げて使用できるため好ましく、0.1N/30mm〜1.5N/30mmの範囲の曲げ強度を有するものを使用することがより好ましい。なお、前記曲げ強度は、後述する実施例にて[曲げ強度の測定方法]の欄に記載した方法と同様の方法で測定した値を指す。
前記積層基材としては、前記曲げ強度を、前記積層基材を構成する前記金属基材(A1)の厚さで除した値[前記積層基材の曲げ強度/前記金属基材(A1)の厚さ]が、400kN/m以下であるものを使用することが好ましく、1kN/m〜400kN/mの範囲のものを使用することがより好ましく、100kN/m〜400kN/mの範囲のものを使用することが、同一素材からなる同じ厚さの単一の金属基材と比較して折り曲げしやすく、かつ、積層基材を折り曲げて扱う際の作業性が好適なものとなるため好ましい。
前記積層基材の厚さは、所定の形状に容易に折り曲げができ、かつ、優れた熱伝導性を得るうえで、1μm〜300μmの範囲であることが好ましく、30μm〜170μmの範囲であることがより好ましく、80μm〜130μmの範囲であることが一層好ましい。なお、前記積層基材の厚さは、それを構成する導電性粘着剤層(A2)の厚さを含むものである。
また、前記積層基材は、前記所定の曲げ強度を有するとともに、導電性を備えていることが、電子機器の内部に好適に接地でき、電子機器内の蓄電を防止することができるため好ましい。
前記導電性は、具体的には、10μAの電流を流した時の抵抗値が500mΩ以下であることが好ましく、100mΩ以下であることが、例えば電子機器の内部に好適に接地することができるため好ましい。
[金属基材(A1)]
本発明の積層基材を構成する金属基材(A1)としては、厚さが1μm〜150μmの範囲であるものを使用することが好ましく、5μm〜110μmの範囲であるものを使用することがより好ましく、15μm〜80μmの範囲であるものを使用することがさらに好ましく、30μm〜50μmの範囲であるものを使用することが、比較的容易に任意の形状に折り曲げることができ、かつ、優れた熱伝導性と導電性とを両立するうえで好ましい。
前記金属基材(A1)としては、例えば金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、錫、これらの合金等からなる基材を使用することができる。なかでも、銅からなる基材を使用することが、導電性、熱伝導性、加工性に優れた積層基材を効率よく製造するうえで好ましい。
前記銅からなる基材としては、例えば圧延銅からなる基材、電解銅からなる基材が挙げられるが、比較的容易に任意の形状に折り曲げることができ、かつ、優れた熱伝導性と導電性とを得るうえで、圧延銅からなる基材を使用することが好ましい。
前記金属基材(A1)としては、上記したもののうち異なる2種以上の金属基材(A1)を組み合わせ使用できるが、同一の種類の2以上の金属基材(A1)を組み合わせ使することが好ましく、銅からなる基材を2以上組み合わせ使用することがより好ましく、圧延銅箔からなる基材を2以上組み合わせ使用することが、比較的容易に任意の形状に折り曲げることができ、かつ、優れた熱伝導性と導電性とを有する積層基材を製造するうえでさらに好ましい。
[導電性粘着剤層(A2)]
本発明の積層基材を構成する導電性粘着剤層(A2)は、従来知られる導電性粘着剤(A2−1)を用いて形成される粘着剤層である。
前記導電性粘着剤層(A2)は、25℃での貯蔵弾性率(G’)が10dyn/cm〜10dyn/cmである導電性粘着剤層であることが好ましい。
前記導電性粘着剤層(A2)の厚さは、導電性粘着剤層(A2)を設けたことによる熱伝導性の低下を抑制し、かつ所定の形状に容易に折り曲げ可能な積層基材を得るうえで、1μm〜50μmであることが好ましく、2μm〜30μmであることがより好ましく、3μm〜20μm、5μm〜10μmであることがさらに好ましい。
前記導電性粘着剤層(A2)としては、本発明の粘着シートの熱伝導性をより一層向上するうえで、0.1K・cm/W〜10K・cm/Wの範囲の熱抵抗率を有するものを使用することが好ましく、0.1K・cm/W〜5K・cm/Wの範囲の熱抵抗率を有するものを使用することがより好ましい。
前記導電性粘着剤層(A2)は、本発明の積層基材の導電性をより向上するうえで、10μAの電流を流した時の抵抗値が500mΩ以下であるものを使用することが好ましく、100mΩ以下のものを使用することがより好ましい。
前記導電性粘着剤層(A2)の導電性は、後述する導電性フィラー(a2)等の使用を検討することによって、前記所定の範囲に調整することができる。
前記導電性粘着剤層(A2)は、例えば、各種重合体と、必要に応じて架橋剤と、必要に応じて導電性フィラー等の添加剤と、溶媒とを含有する導電性粘着剤(A2−1)を用いて形成することができる。以下、導電性粘着剤(A2−1)について説明する。
(重合体)
前記導電性粘着剤(A2−1)に含有される重合体としては、例えばアクリル系重合体(a2−1)、ゴム系重合体、シリコーン系重合体、ウレタン系重合体等を使用することができる。なかでも、アクリル系重合体(a2−1)及びゴム系重合体を使用することが、例えば発熱部材に貼付した場合であっても熱の影響による金属基材(A1)の剥がれを引き起こしにくい、様々な形状に容易に折り曲げることが可能な積層基材を得るうえで好ましく、アクリル系重合体(a2−1)を使用することが、金属基材(A1)の剥がれを防止できるためより好ましい。
前記アクリル系重合体(a2−1)としては、(メタ)アクリル単量体等のビニル単量体を重合して得られるものを使用することができる。
前記(メタ)アクリル単量体としては、例えば炭素原子数が1個〜14個であるアルキル基を有する(メタ)アクリレートを主成分として使用することができる。
炭素原子数が1個〜14個であるアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等を1種または2種以上組み合わせ使用することができる。なかでも、炭素原子数が1個〜14個であるアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、炭素原子数が4個〜12個であるアルキル基を有する(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、炭素原子数が4個〜9個である直鎖または分岐したアルキル基を有する(メタ)アクリレートを使用することがより好ましく、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートを単独または組み合わせ使用することが、熱の影響による金属基材(A1)の剥がれを引き起こしにくく、かつ、比較的容易に任意の形状に折り曲げることが可能な積層基材を得るうえで好ましい。
前記炭素原子数が1個〜14個であるアルキル基を有する(メタ)アクリレートは、前記アクリル系重合体の製造に使用するビニル単量体の合計質量に対して80質量%〜98.5質量%の範囲で使用することが好ましく、90質量%〜98.5質量%の範囲で使用することがより好ましい。
前記アクリル系重合体(a2−1)の製造に使用可能なビニル単量体としては、前記炭素原子数が1個〜14個であるアルキル基を有する(メタ)アクリレートの他に、熱の影響による金属基材(A1)の剥がれを引き起こしにくく、かつ、比較的容易に任意の形状に折り曲げることが可能な積層基材を得るうえで、例えば高極性ビニル単量体等を組み合わせ使用することが好ましい。
前記高極性ビニル単量体としては、カルボキシル基を有するビニル単量体、水酸基を有するビニル単量体、アミド基を有するビニル単量体等を1種または2種以上組み合わせ使用することができる。なかでも、前記高極性ビニル単量体としては、カルボキシル基を有するビニル単量体を使用することが、熱の影響による金属基材(A1)からの剥がれを引き起こしにくく、かつ、比較的容易に任意の形状に折り曲げることが可能な積層基材を得るうえで好ましい。
前記カルボキシル基を有するビニル単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸2量体、クロトン酸、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート等を使用することができ、アクリル酸またはメタクリル酸を使用することが好ましく、アクリル酸を使用することが、熱の影響による金属基材(A1)からの剥がれを引き起こしにくく、かつ、比較的容易に任意の形状に折り曲げることが可能な積層基材を得るうえで好ましい。
前記カルボキシル基を有するビニル単量体は、前記アクリル系重合体の製造に使用するビニル単量体の合計質量に対して1質量%〜10質量%の範囲で使用することが好ましく、1.5質量%〜6質量%の範囲で使用することが好ましく、2質量%〜4質量%の範囲で使用することがさらに好ましい。これにより、初期接着性に優れ、熱の影響による金属基材(A1)の剥がれを引き起こしにくく、かつ、比較的容易に任意の形状に折り曲げることが可能な積層基材を得ることができる。
特に、前記カルボキシル基を有するビニル単量体としてアクリル酸を使用する場合には、前記アクリル系重合体(a2−1)の製造に使用するビニル単量体の合計質量に対して、アクリル酸を1質量%〜6質量%の範囲で使用することが、金属基材に対する濡れ性と接着強度に優れ、熱の影響による金属基材(A1)の剥がれを引き起こしにくく、かつ、比較的容易に任意の形状に折り曲げることが可能な積層基材を得るうえで好ましい。
前記高極性ビニル単量体に使用可能な前記水酸基を有するビニル単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等を使用できる。
アミド基を有するビニル単量体としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等を使用することができる。
前記高極性ビニル単量体としては、前記したもののほかに酢酸ビニル、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸等のスルホン酸基含有モノマー、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の末端アルコキシ変性(メタ)アクリレート等のその他の高極性ビニル単量体を使用することができる。
前記アクリル系重合体(a2−1)は、前記ビニル単量体を、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法など公知の方法で重合させることによって製造することができる。なかでも溶液重合法を採用することが、アクリル系重合体(a2−1)の生産効率を向上するうえで好ましい。
前記溶液重合法としては、例えば前記ビニル単量体と重合開始剤と、有機溶剤とを、好ましくは40〜90℃の温度下で混合、攪拌し、ラジカル重合させる方法が挙げられる。
前記方法で得たアクリル系重合体(a2−1)は、例えば溶液重合法で製造した場合であれば、有機溶剤に溶解または分散した状態であってもよい。
前記方法で得たアクリル系重合体の重量平均分子量は、30万〜150万の範囲であることが好ましく、50万〜120万の範囲であることがより好ましい。
また、前記重合体に使用可能なゴム系重合体としては、例えばスチレン、イソピレン、ブタジエン等のビニル単量体を重合して得られるものを使用することができる。
前記ビニル重合体は、前記ビニル単量体がランダム重合したビニル重合体であってもよく、一般にA−Bブロック構造またはA−B−Aブロック構造を有するビニル重合体であってもよい。具体的には、ポリスチレン−ポリイソピレン−ポリスチレン共重合体等を使用することができる。
前記ビニル重合体は、前記ビニル単量体を、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法など公知の方法で重合させることによって製造することができる。
前記溶液重合法としては、例えば前記ビニル単量体と重合開始剤と、有機溶剤とを、好ましくは40〜90℃の温度下で混合、攪拌し、ラジカル重合させる方法が挙げられる。
前記方法で得たビニル重合体は、例えば溶液重合法で製造した場合であれば、有機溶剤に溶解または分散した状態であってもよい。
前記方法で得たビニル重合体の重量平均分子量は、30万〜150万の範囲であることが好ましく、50万〜120万の範囲であることがより好ましい。
本発明の積層基材の製造に使用可能な導電性粘着剤としては、架橋剤を含有するものを使用することが、得られる導電性粘着剤層に3次元架橋構造を形成でき、その凝集力をより一層向上できるため好ましい。前記架橋構造の形成された粘着剤層を形成する際には、導電性粘着剤(A2−1)として、前記アクリル系重合体(a2−1)等の重合体とともに、架橋剤を組み合わせ含有するものを使用することが好ましい。
前記架橋剤としては、例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤等を、前記重合体が有する官能基に応じて適宜選択し使用することができる。
前記架橋剤は、導電性粘着剤(A2−1)を金属基材(A1)の表面に塗工する前に、前記アクリル系重合体(a2−1)等の重合体またはその有機溶剤溶液と混合し、導電性粘着剤(A2−1)として使用することが好ましい。
前記架橋剤は、前記導電性粘着剤に含まれる重合体と架橋剤とが架橋反応したもの(具体的には、前記導電性粘着剤層(A2)のうち導電性フィラー等の無機成分以外のもの)のゲル分率が25質量%〜65質量%となる範囲で使用することが好ましく、35質量%〜60質量%となる範囲で使用することがより好ましく、40質量%〜55質量%となる範囲で使用することがさらに好ましい。なお、ゲル分率は、本願明細書の実施例に記載した方法により算出した値を指す。
前記導電性粘着剤(A2−1)は、前記導電性粘着剤層(A2)と金属基材(A1)の接着性をより一層向上させることを目的とした、粘着付与樹脂を含有するものを使用することができる。
前記粘着付与樹脂としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族(C5系)や芳香族(C9系)などの石油樹脂、スチレン系樹脂フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、メタクリル系樹脂等を使用することができる。なかでも、前記粘着付与樹脂としては、ロジン系樹脂を使用することが好ましく、特に重合ロジン系樹脂を使用することが好ましい。粘着付与樹脂は、アクリル系重合体100質量部(固形分)に対し、10質量部〜50質量部の範囲で使用することが好ましい。
本発明の積層基材を構成する導電性粘着剤層(A2)は、必要に応じて、各種添加剤を含有してもよい。
上記添加剤としては、例えば可塑剤、軟化剤、金属不活性剤、酸化防止剤、顔料、染料などを必要に応じて使用することができる。
本発明の積層基材を構成する導電性粘着剤層(A2)は、トリアゾール系化合物を含有しても良い。トリアゾール化合物としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール及びそのカリウム塩、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ5メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。なかでもベンゾトリアゾールを使用することが、導電性粘着剤(A2−1)への溶解性・接着力低下防止効果が高く好ましい。
トリアゾール系化合物の含有量としては、特に限定されるものではないが、アクリル系粘着剤組成物100質量部(固形分)に対し、0.05質量部〜3.0質量部が好ましい。そのなかでも0.1質量部〜1.5質量部が好ましく、0.3質量部〜1.0質量部が最も好ましい。当該含有量とすることで、特に好適な保持力を得やすくなる。
前記導電性粘着剤層(A2)は、優れた導電性を付与することを目的として導電性フィラーを含有するものであってもよい。
導電性フィラーとしては、例えば金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム等の金属、カーボン、グラファイト、導電性樹脂をはじめ、樹脂や中実ガラスビーズや中空ガラスビーズの表面に金属を含有する被膜が形成されたものを単独または2種以上組み合わせ使用することができる。
なかでも、導電性フィラーとしては、ニッケル、銅、銀を使用することが、積層基材の導電性、接着性及び生産性をより一層向上できるため好ましい。
前記導電性フィラーとしては、いわゆるニッケル粉、銅粉、銀粉等の粒子状のものを使用することが、積層基材の導電性、接着性及び生産性をより一層向上できるため好ましい。
また、前記導電性物質としては、例えばカーボニル法で製造される粒子表面に多数の針状形状を有する表面針状形状のニッケル粒子や、当該表面針状粒子を平滑化処理して球状粒子としたものや、超高圧旋回水アトマイズ法で製造される銅粉や銀粉があげられる。
導電性フィラーの形状としては球状または表面針状形状が好ましい。そのアスペクト比は特に限定されるものではないが、1〜2であることが好ましく、1〜1.5であることがより好ましく、1〜1.2であることがさらに好ましい。アスペクト比は走査型電子顕微鏡で測定することができる。
導電性フィラーのタップ密度としては、特に限定されるものではないが、2g/cm〜7g/cmであるものを使用することが生産時に沈降や凝集しにくいため好ましく、3g/cm〜6g/cmであるものを使用することがより好ましく、4g/cm〜5g/cmであるものを使用することがさらに好ましい。
導電性フィラーの粒子径としては、粒子径d50が0.1μm〜22μmであり、かつ粒子径d85が0.1μm〜35μmであるものを使用することが好ましい。d50は、より好ましくは0.1μm〜15μmであり、さらに好ましくは0.1μm〜10μmである。またd85は、より好ましくは6.5〜24μmであり、さらに好ましくは7〜20μmである。なお、導電性フィラーを2種以上混合する場合には、混合後の粒子径d50及びd85が上記範囲であることが好ましい。
なお、前記粒子径d50は粒度分布における50%累積値(メディアン径)を表し、前記粒子径d85は85%累積値を表す。具体的には、前記粒子径は、レーザー解析・散乱法によって測定される値である。測定装置としては株式会社島津製作所製レーザー回折式粒度分布測定器SALD−3000で測定した値を指す。
導電性粘着剤層(A2)に含まれる導電性フィラーの含有量としては、特に限定されるものではないが、導電性粘着剤(A2−1)の全量に対して、10質量%〜500質量%の範囲であることが好ましく、10質量%〜100質量%の範囲であることがより好ましく、20質量%〜80質量%の範囲であることが、本発明の積層基材の導電性、接着性及び生産性をより一層向上することができるため好ましい。
前記導電性粘着剤層(A2)の形成に使用可能な導電性粘着剤(A2−1)は、前記アクリル系重合体(a2−1)等の重合体または前記重合体と溶媒との混合物、必要に応じて粘着付与樹脂、導電性フィラー等の添加剤を混合することによって製造することができる。その際、必要に応じてディゾルバー、バタフライミキサー、BDM2軸ミキサー、プラネタリーミキサー等を使用することができ、ディゾルバー、バタフライミキサーを使用することが好ましい。なお、架橋剤は、粘着剤を基材等に塗布する前に、前記混合物と混合し使用することが好ましい。
前記導電性粘着剤(A2−1)を製造する際に使用可能な溶媒としては、例えばトルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、ヘキサン、アセトン、シクロヘキサノン、3−ペンタノン、アセトニトリル等の各種有機溶剤、水等を使用することができる。
導電性粘着剤(A2−1)の固形分としては、特に限定されるものではないが、10質量%〜70質量%の範囲であることが好ましく、30質量%〜55質量%の範囲であることがより好ましく、43質量%〜50%の範囲であることがさらに好ましい。
(積層基材の製造方法)
前記積層基材は、例えば一方の金属基材(A1)の表面の一部または全部に、導電性粘着剤(A2−1)をロールコーターやダイコーター等を用いて塗布し、必要に応じて乾燥した後、前記塗布面に他方の金属基材(A1)を載置し圧着等することによって製造することができる。
前記積層基材として3以上の金属基材(A1)を積層したものを製造する場合には、前記同様の方法で粘着剤(A2−1)を金属基材表面に塗布し、更に別の金属基材(A1)を載置し圧着する方法が挙げられる。
また、前記積層基材は、予め剥離ライナーの表面に導電性粘着剤を塗布し、乾燥することによって導電性粘着剤層を形成した後、金属基材に前記導電性粘着剤層を転写し、次いで、その転写面に、他の金属基材を積層することによって、製造することもできる。
また、前記積層基材は、例えば一方の金属基材(A1)の表面の一部または全部に、前記導電性粘着剤層(A2)を備えた両面粘着テープの一方の粘着面を貼付し、他方の粘着面に他方の金属基材(A1)を載置し圧着等することによって製造することができる。前記積層基材として3以上の金属基材(A1)を積層したものを製造する場合には、前記同様の方法で粘着剤(A2−1)を金属基材表面に両面粘着テープを貼付し、更に別の金属基材(A1)を載置し圧着する方法が挙げられる。
また、前記方法で圧着した積層基材は、必要に応じて、前記導電性粘着剤層(A2)が前記所定のゲル分率となるよう15℃〜50℃程度の温度で48時間〜168時間程度養生したものを使用することが好ましい。
前記方法で得られた積層基材は、その表面に防錆処理が施されていてもよい。前記防錆処理としては、有機防錆処理と無機防錆処理が挙げられるが、そのなかでも、クロメート処理による無機防錆処理が好ましい。
本発明の積層基材は、折り曲げ可能で、基材由来の反発力に起因したはがれ等を引き起こしにくく、かつ、優れた熱伝導性を有することから、もっぱら熱伝導性を備えた粘着シートの基材に好適に使用することができる。
本発明の粘着シートとしては、前記積層基材の片面または両面に、粘着剤層(B)を有することを特徴とするものが挙げられる。
[粘着剤層(B)]
前記粘着剤層(B)としては、導電性を備えていることが電子機器の内部を好適に接地することができるため好ましく、前記導電性粘着剤層(A2)として例示したものと同様のものを使用することができる。なかでも、25℃での貯蔵弾性率(G’)が10〜10dyn/cmである導電性粘着剤層(A2)を使用することが好ましい。また、前記導電性粘着剤層(A2)としては、アクリル系重合体を含有する粘着剤を用いて形成されたものであることが好ましく、特に酸基を有するアクリル系重合体を含有する粘着剤を用いて形成されたものであることがより好ましい。
前記粘着剤層(B)としては、本発明の粘着シートの熱伝導性をより一層向上するうえで、0.1K・cm/W〜10K・cm/Wの範囲の熱抵抗率を有するものを使用することが好ましく、0.1K・cm/W〜5K・cm/Wの範囲の熱抵抗率を有するものを使用することがより好ましい。
前記粘着剤層(B)としては、その導電性をより一層向上するうえで、導電性フィラーを含有するものであってもよい。
また、前記粘着剤層(B)は、その熱伝導性をより一層向上するうえで、熱導性を有する導電性フィラーを含有するものであってもよい。
前記導電性フィラーは、前記粘着剤層(B)を形成する酸基を有するアクリル系重合体等の重合体の質量に対して、10質量部〜500質量部の範囲で含まれることが好ましい。
積層基材の片面または両面に前記粘着剤層(B)を付与する際は、厚さ1μm〜60μmであることが好ましく、1μm〜50μmであることがより好ましく、1μm〜30μmであることがさらに好ましい。前記範囲の厚さを備えた粘着剤(B)を設けることによって、熱伝導性に優れ、かつ、熱の影響による剥がれを引き起こしにくく、かつ、積層基材の反発力に起因した経時的な剥がれを引き起こしにくい粘着シートを製造することができる。
本発明の粘着シートは、例えば前記積層基材の片面または両面に、ロールコーターやダイコーター等を用い、前記粘着剤層(B)を形成し得る粘着剤(b)を塗布し、乾燥することによって製造することができる(いわゆる、直塗り法)。前記方法で得た粘着シートを構成する粘着剤層(B)の表面には、剥離ライナーが積層されていてもよい。
また、本発明の粘着シートは、予め剥離ライナーの表面にロールコーターやダイコーター等を用い前記粘着剤(b)を塗布し、乾燥することによって、粘着剤層(B)を形成し、次に、前記粘着剤層(B)を、積層基材に転写する方法によって製造することもできる(いわゆる、転写法)。
前記いずれの方法で製造した粘着シートも、その後、15℃〜50℃程度の温度で48時間〜168時間程度養生することが、前記粘着剤層(B)の架橋反応を進行させるうえで好ましい。
前記剥離ライナーとしては、例えばクラフト紙、グラシン紙、上質紙等の紙;ポリエチレン、ポリプロピレン(OPP、CPP)、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルム;前記紙と樹脂フィルムとを積層したラミネート紙、前記紙にクレーやポリビニルアルコールなどで目止め処理を施したものの片面もしくは両面に、シリコーン系樹脂等の剥離処理を施したもの等を用いることができる。
前記方法で得られた粘着シートは、その総厚が360m以下であることが好ましく、205μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがさらに好ましい。前記粘着シートの総厚の下限値としては、30μm以上であることが好ましい。
前記総厚の粘着シートを使用することによって、積層基材の反発力に起因した経時的な剥がれを引き起こしにくく、かつ、熱伝導性を向上することができる。なお、上記粘着シートの総厚は、前記剥離ライナーを含まない厚さを指す。また、前記粘着シートが後述する樹脂フィルム(C)が積層されたものである場合、前記総厚は、前記樹脂フィルム(C)の厚さを含む厚さを表す。
本発明の粘着シートとしては、前記積層基材と導電性粘着剤層との優れた導電性を損なうことなく、部品間のショートを防止することを目的として、積層基材の一方の面の体積方向が絶縁処理されていてもよい。前記絶縁処理する方法としては、例えば前記粘着シートのを構成する積層基材の一方の面に樹脂フィルム(C)を積層する方法が挙げられる。
前記樹脂フィルム(C)は、上記ショートを防止するうえで電気絶縁層を形成し得るものであることが好ましい。
前記樹脂フィルム(C)の電気絶縁性は、具体的には、500V印加した時の体積抵抗値が1013Ω・cm以上であることが好ましく、1014Ω・cm以上であることが、例えば電子機器の内部の部品間のショート等を防止するうえで好ましい。
前記樹脂フィルム(C)としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)等を使用することが好ましい。
前記樹脂フィルム(C)としては、厚さ1μm〜50μmの範囲のものを使用することが好ましく、3μm〜50μmの範囲のものを使用することがより好ましく、6μm〜30μmの範囲のものを使用することが、前記樹脂フィルム(C)の反発力に起因した積層基材の曲げ強度の増加を抑制するうえで好ましい。
前記樹脂フィルム(C)と前記積層基材とは、粘着剤層(c1)を介して積層されていることが好ましい。具体的には、前記樹脂フィルム(C)の一方の面に、予め粘着剤層(c1)を形成し、次いで、前記粘着剤層(c1)と積層基材の一方の面とを貼付することによってそれらを積層することができる。
前記方法で得られた本発明の粘着シートは、各種発熱部材の放熱に使用することができる。なかでも、なかでも本発明の積層基材は、優れた熱伝導性を有することから、例えば各種電子機器に設けられる発熱部材から異なる他の部材へ、熱を効率的に伝導することができる。
前記発熱部材としては、例えばCPU等の半導体素子、LEDバックライト、バッテリー等が挙げられる。
一方、前記他の部材としては、効率的に熱を放散するうえで、受熱部材を使用することが好ましい。受熱部材としては、例えば、ステンレス筐体、アルミ基板、ガラスエポキシ等が挙げられる。
本発明の粘着テープは、前記したとおり任意の形状に折り曲げ可能であるから、例えば前記積層基材が湾曲または屈曲した状態で使用しても良い。前記積層基材が既存の粘着テープにより貼付された電子機器であれば、その薄型化や高集積化した状態を維持したまま、その内部に発生した熱を十分に放散することが可能である。
以下に実施例及び比較例について具体的に説明をする。
[粘着剤組成物(I)の調製]
冷却管、撹拌機、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート96.4質量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1質量部と、アクリル酸3.5質量部と、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.1質量部とを、酢酸エチル100質量部に溶解し、反応容器内を窒素置換した後、80℃で12時間重合させることによって、重量平均分子量60万のアクリル系重合体(I)の溶剤溶液を得た。
前記アクリル系重合体(I)の溶剤溶液の固形分100質量部に対し、重合ロジンペンタエリスリトールエステル(荒川化学工業株式会社製、ペンセルD−135、軟化点135℃)10質量部と、不均化ロジングリセリンエステル(荒川化学工業株式会社製、スーパーエステルA−100、軟化点100℃)10質量部とを混合し、次いで酢酸エチルを供給しアクリル系重合体(I)の固形分濃度を45質量%に調整することによって粘着剤組成物(I)を調製した。
[粘着剤組成物(II)の調製]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート96.4質量部と、β−カルボキシエチルアクリレート2.4質量部と、アクリル酸1.2質量部と、酢酸エチル98質量部とを仕込み、攪拌下、窒素を吹き込みながら75℃まで昇温した。その後、前記反応容器に、予め酢酸エチルにて溶解したアゾビスイソブチロニトリル溶液2質量部(固形分5質量%)を添加した。
次に、前記反応容器内を攪拌した状態で75℃にて8時間ホールドした後、内容物を冷却し200メッシュ金網にて濾過することによって、固形分50質量%、重量平均分子量50万であるアクリル系重合体(II)の溶剤溶液を得た。
前記アクリル系重合体(II)の溶剤溶液の固形分100質量部に対し、重合ロジンペンタエリスリトールエステル(荒川化学工業株式会社製、ペンセルD−135、軟化点135℃)10質量部と、不均化ロジングリセリンエステル(荒川化学工業株式会社製、スーパーエステルA−100、軟化点100℃)10質量部とを混合し、次いで酢酸エチルを供給しアクリル系重合体(I)の固形分濃度を45質量%に調整することによって粘着剤組成物(II)を調製した。
[粘着剤(I)の調製]
前記粘着剤組成物(I)100質量部(固形分45質量部)に対して、福田金属箔粉工業株式会社製のニッケル粉NI123J(d50:6.3μm、d85:10.0μm、タップ密度:4.3g/cm、インコリミテッド社NI123を平滑化処理したもの)22.5質量部、架橋剤バーノックNC40(DIC社製のイソシアネート系架橋剤、固形分40質量%)2.5質量部、ベンゾトリアゾール0.23質量部を配合し、酢酸エチルで固形分濃度を47質量%に調整し、分散攪拌機で10分混合して粘着剤(I)を調製した。
[粘着剤(II)の調製]
前記粘着剤組成物(I)100質量部(固形分45質量部)に対して、福田金属箔粉工業株式会社製の銅粉CU−HWQ10μm(d50:10.0μm、d85:13.0μm、タップ密度:4.7g/cm3、超高圧旋回水アトマイズ極微粉末)22.5質量部(粘着剤組成物に対して50質量部)、架橋剤バーノックNC40(DIC社製のイソシアネート系架橋剤、固形分40質量%)2.5質量部、ベンゾトリアゾール0.23質量部を配合し、酢酸エチルで固形分濃度を47質量%に調整し、分散攪拌機で10分混合して粘着剤(I)を調製した。
[粘着剤(III)の調製]
前記粘着剤組成物(II)100質量部(固形分45質量部)に対して、福田金属箔粉工業株式会社製のニッケル粉NI123J(d50:6.3μm、d85:10.0μm、タップ密度:4.3g/cm、インコリミテッド社NI123を平滑化処理したもの)、エポキシ系架橋剤(三菱ガス化学株式会社製テトラッドC)の2質量%酢酸エチル溶液2質量部とを混合し、酢酸エチルで固形分濃度を47質量%に調整し、分散攪拌機で10分混合して粘着剤(III)を調製した。
[粘着剤(IV)の調製]
前記アクリル系粘着剤組成物(I)100質量部(固形分45質量部)に対して、架橋剤としてバーノックNC40(DIC株式会社製のイソシアネート系架橋剤、固形分40質量%)2.5質量部、ベンゾトリアゾール0.23質量部を配合し、酢酸エチルで固形分濃度を47質量%に調整し、分散攪拌機で10分混合して粘着剤(IV)を調製した。
(実施例1)
[積層基材の作製]
前記粘着剤(I)を厚さ35μmの圧延銅箔の表面にロールコーターを用いて塗布し、80℃に調整したドライヤーを用い3分間乾燥させることによって、厚さ35μmの圧延銅箔の表面に厚さ30μmの導電性粘着剤層(I−1)を形成した。
次に、前記導電粘着剤層(I−1)の表面に、厚さ35μmの圧延銅箔を貼り合わせ、40℃環境下で72時間養生させることによって積層基材(X−1)を作製した。前記積層基材(X−1)が有する厚さ30μmの粘着剤層(I−1)の熱抵抗率は、2.50K・cm/Wであった。
[粘着シート(X−1)の作製]
前記粘着剤(I)を剥離ライナーの表面にロールコーターを用いて塗布し、80℃に調整したドライヤーを用い3分間乾燥させることによって、離型ライナーの表面に厚さ30μmの粘着剤層が形成された積層体を得た。
次に、前記積層体を構成する粘着剤層を、前記積層基材(X−1)の一方の面に貼り合わせた。前記貼付物を40℃環境下で72時間養生した後、前記離型ライナーを除去することによって、積層基材(X−1)の一方の面に粘着剤層が設けられた粘着シート(X−1)を作製した。
[粘着シート(Y−1)の作製]
前記粘着シート(X−1)の積層基材側の面に、予め厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(樹脂フィルム)の表面に厚さ4μmの粘着剤層が設けられた積層体を貼付することによって、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムと前記粘着シート(X−1)とが厚さ4μmの前記粘着剤層を介して積層された粘着シート(Y)を作製した。
なお、前記厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(樹脂フィルム)の体積抵抗値は、23℃50%RHの環境で、ADVANTEST社製、「R8430A ULTRA HIGH RESISTANCE METER」を使用し、印加電圧500Vで測定した場合に1013Ω・cm以上であった。
(実施例2)
[積層基材の作製]
前記粘着剤(I)を厚さ35μmの圧延銅箔の表面にロールコーターを用いて塗布し、80℃に調整したドライヤーを用い3分間乾燥させることによって、厚さ35μmの圧延銅箔の表面に厚さ30μmの導電性粘着剤層(I−1)を形成した。
次に、前記導電性粘着剤層(I−1)の表面に、上記とは別の圧延銅箔(厚さ35μm)を貼り合わせ、その圧延銅箔の片面に、前記粘着剤(I)をロールコーターを用いて塗布し、80℃に調整したドライヤーを用い3分間乾燥させることによって、厚さ35μmの圧延銅箔の表面に厚さ30μmの導電性粘着剤層(I−1)を形成した。
次に、前記導電粘着剤層(I−1)の表面と、上記とは別の圧延銅箔(厚さ35μm)とを貼り合わせ、40℃環境下で72時間養生することによって積層基材(X−2)を作製した。前記積層基材(X−2)が有する厚さ30μmの導電性粘着剤層(I−1)の熱抵抗率は、2.50K・cm/Wであった。
[粘着シート(X−2)の作製]
前記積層基材(X−1)の代わりに、前記積層基材(X−2)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着シート(X−2)を作製した。
[粘着シート(Y−2)の作製]
前記粘着シート(X−1)の代わりに、前記粘着シート(X−2)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着シート(Y−2)を作製した。
(実施例3)
[積層基材の作製]
前記粘着剤(I)を厚さ35μmの圧延銅箔の表面にロールコーターを用いて塗布し、80℃に調整したドライヤーを用い3分間乾燥させることによって、厚さ35μmの圧延銅箔の表面に厚さ10μmの導電性粘着剤層(I−2)を形成した。
次に、前記導電粘着剤層(I−2)の表面に、厚さ35μmの圧延銅箔を貼り合わせ、40℃環境下で72時間養生させることによって積層基材(X−3)を作製した。前記積層基材(X−3)が有する厚さ10μmの導電性粘着剤層(I−2)の熱抵抗率は、1.13K・cm/Wであった。
[粘着シート(X−3)の作製]
前記積層基材(X−1)の代わりに、前記積層基材(X−3)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着シート(X−3)を作製した。
[粘着シート(Y−3)の作製]
前記粘着シート(X−1)の代わりに、前記粘着シート(X−3)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着シート(Y−3)を作製した。
(実施例4)
粘着剤(I)の代わりに、粘着剤(II)を用いること以外は、実施例2と同様の方法で積層基材(X−4)及び粘着シート(X−4)、及び粘着シート(Y−4)を作製した。前記粘着剤(II)を用いて形成された厚さ30μmの導電性粘着剤層(II−1)の熱抵抗率は、2.68K・cm/Wであった。
(実施例5)
福田金属箔粉工業株式会社製のニッケル粉NI123J(d50:6.3μm、d85:10.0μm、タップ密度:4.3g/cm、インコリミテッド社NI123を平滑化処理したもの)の使用量を、22.5質量部から45.0質量部に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着剤(V)を調製した。
前記粘着剤(I)の代わりに、前記粘着剤(V)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で、積層基材(X−5)及び粘着シート(X−5)、及び粘着シート(Y−5)を作製した。前記粘着剤(V)を用いて形成された厚さ30μmの導電性粘着剤層(I−4)の熱抵抗率は、1.49K・cm/Wであった。
(実施例6)
粘着剤(I)の代わりに、粘着剤(III)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で積層基材(X−6)及び粘着シート(X−6)、及び粘着シート(Y−6)を作製した。前記粘着剤(III)を用いて形成された厚さ30μmの導電性粘着剤層(III−1)の熱抵抗率は、2.02K・cm/Wであった。
(実施例7)
厚さ35μmの圧延銅箔の代わりに、厚さ35μmの電解銅箔を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で積層基材(X−7)及び粘着シート(X−7)、及び粘着シート(Y−7)を作製した。
(比較例1)
積層基材(X−1)の代わりに、厚さ70μmの圧延銅箔を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着シート(X’−1)及び粘着シート(X’−1)、及び粘着シート(Y’−1)を作製した。
(比較例2)
積層基材(X−1)の代わりに、厚さ105μmの圧延銅箔を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着シート(X’−2)及び粘着シート(X’−2)、及び粘着シート(Y’−2)を作製した。
(比較例3)
[積層基材の作製]
前記粘着剤(IV)を厚さ35μmの圧延銅箔の表面にロールコーターを用いて塗布し、80℃に調整したドライヤーを用い3分間乾燥させることによって、厚さ35μmの圧延銅箔の表面に厚さ30μmの粘着剤層(IV−1)を形成した。前記粘着剤層(IV−1)の熱抵抗率は、3.32K・cm/Wであった。
次に、前記導電粘着剤層(IV−1)の表面に、厚さ35μmの圧延銅箔を貼り合わせ、40℃環境下で72時間養生させることによって積層基材(X’−3)を作製した。
[粘着シート(X’−3)の作製]
前記粘着剤(I)を剥離ライナーの表面にロールコーターを用いて塗布し、80℃に調整したドライヤーを用い3分間乾燥させることによって、離型ライナーの表面に厚さ30μmの粘着剤層が形成された積層体を得た。
次に、前記積層体を構成する粘着剤層を、前記積層基材(X’−3)の一方の面に貼り合わせた。前記貼付物を40℃環境下で72時間養生した後、前記離型ライナーを除去することによって、前記積層基材(X’−3)の一方の面に粘着剤層が設けられた粘着シート(X’−3)を作製した。
[粘着シート(Y’−3)の作製]
前記粘着シート(X’−3)の積層基材側の面に、予め厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(樹脂フィルム)の表面に厚さ4μmの粘着剤層が設けられた積層体を貼付することによって、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムと前記粘着シート(X’−3)とが厚さ4μmの前記粘着剤層を介して積層された粘着シート(Y’−3)を作製した。
[積層基材を構成する粘着剤層のゲル分率の測定方法]
上記実施例及び比較例で得た積層基材を40mm×50mmに切断したものを試料とし、その質量(G0)を測定した。
次に、前記試料を構成する基材及び導電性フィラーの合計質量(G1)を、前記試料の製造に使用した粘着剤の組成及びその使用量等に基づいて算出した。
[G0−G1]の値を、積層体を構成する粘着剤成分の初期質量(G2)とした。
次に、前記試料を常温下でトルエンに浸漬し24時間静置した。
前記浸漬後の残存物(不溶解分)を、乾燥機(105℃)を用い1時間乾燥させ、室温で冷却した後、その質量(G3)を測定した。前記質量(G3)と、前記基材及び導電性フィラーの質量(G1)との差[G3−G1]を、トルエン浸漬後に残存した粘着剤層の質量(G4)とした。
式〔(G4/G2)×100〕に基づいて、算出した値を、積層基材を構成する粘着剤成分のゲル分率とした。
なお、前記積層基材が粘着剤層を有さない場合には、ゲル分率を算出しなかった。
[積層基材を構成する粘着剤層の熱抵抗率の測定方法]
実施例及び比較例において積層基材の製造に使用した粘着剤を、離型ライナーの表面にロールコーターを用いて塗布し、80℃に調整したドライヤーを用い3分間乾燥させることによって、厚さ30μmの粘着剤層を得た。
次に、前記粘着剤層を40℃環境下で72時間養生した後、前記離型ライナーを除去することによって、粘着剤層からなるフィルムを作製した。
前記粘着剤層からなるフィルムの熱抵抗値を、温度傾斜法にて測定した。測定装置として、アグネ製熱伝導率測定装置「ARC−TC−1型」を使用した。
前記粘着剤層からなるフィルムを直径50mmの円形状に裁断したものを、空気を含まないようステンレス層と銅層との間へ貼付し、10kPaの加圧によりそれらを密着させた。
前記測定装置の加熱部を80℃に設定し、熱伝導率が既知のステンレス層(熱伝導率16W/m・k)に埋め込まれた熱電対の温度傾斜から、下記の式1を用いて、熱流量q[W/cm]を算出した。
式1
熱流量q[W/cm]=ステンレス層の温度傾斜[K/m]×ステンレス層の熱伝導率[W/m・k]/ステンレス層の面積[cm
次に、粘着剤層からなるフィルムの上下の温度差から、下記の式2を用いて、熱抵抗率[cm・K/W]を算出した。
式2
熱抵抗率[cm・K/W]={粘着シート上面の表面温度[K]−粘着シート下面の表面温度[K]}/熱流量q[W/cm
[積層基材の厚さの測定方法]
積層基材の厚さは、テスター産業株式会社製厚さ計「TH−102」を用いて測定した。
[積層基材の折り曲げやすさの評価方法]
(1)積層基材の曲げ強度の測定方法
25℃、50%RHの環境下、30mm幅及び50mm長さの前記積層基材を、測定装置であるテンシロンRTG−1210(A&D社製)に設けられたチャック部に挟むことで、前記積層基材を垂直の状態で固定した。その際、前記チャック部に挟まれる積層基材の部位は、積層基材の上下両端10mmの部位となるよう調整した(図2)。
次に、前記積層基材を垂直方向に圧縮した。その際の圧縮強度は300mm/minであり、圧縮長さは20mmとした。前記圧縮試験によって得られた測定結果(図3)に基づき、曲げ強度を求めた。
(2)積層基材の曲げ比率の評価方法
上記実施例及び比較例で得た積層基材の曲げ比率は、下記の式を用いて算出した。

積層基材の曲げ比率[kN/m]=積層基材の曲げ強度[N/30mm]/積層基材に含まれる金属基材(A1)の積層厚さ[μm]
前記曲げ強度が1.20N/30mm以下であり、かつ、前記曲げ比率が400kN/m以下である積層基材は、比較的容易に任意の形状に折り曲げることが可能なものであると評価した。
[積層基材の導電性の評価方法]
上記実施例及び比較例で得た積層基材を幅30mm×長さ30mmの大きさに裁断したものを試料とした。前記試料を25mm×25mmの真鍮製電極と30mm×80mmの銅箔(厚さ35μm)の間に挟み込み、前記真鍮製電極の上から面圧20Nの荷重をかけながら、真鍮製電極と銅箔に端子を接続し、23℃50%RHの環境下で、ミリオームメーター(エヌエフ回路設計製)にて10μAの電流を流した際の抵抗値を測定した。前記抵抗値が500mΩ以下である場合を合格とした。
[粘着シート(X)の導電性の評価方法]
上記実施例及び比較例で得た粘着シート(X−1)〜(X−7)及び(X’−1)〜(X’−3)を幅30mm×長さ30mmの大きさに裁断したものを試験片とした。
前記試験片を、25mm×25mmの真鍮製電極と30mm×80mmの銅箔(厚さ35μm)との間に挟み込み、前記真鍮製電極の上から面圧20Nの荷重をかけながら、真鍮製電極と銅箔に端子を接続し、23℃50%RHの環境下で、ミリオームメーター(エヌエフ回路設計製)を用い10μAの電流を流した際の、前記試験片の抵抗値を測定した。前記抵抗値が500mΩ以下である試験片を導電性に優れるものと評価した。
[粘着シート(Y)の総厚さの測定方法]
粘着シート(Y−1)〜(Y−7)及び(Y’−1)〜(Y’−3)の総厚さは、テスター産業株式会社製厚さ計「TH−102」を用いて測定した。
[粘着シート(Y)を折り曲げた際の耐反発性の評価方法]
実施例及び比較例で得た粘着シート(Y−1)〜(Y−7)及び(Y’−1)〜(Y’−3)を、幅10mm×長さ25mmの大きさに裁断したものを試験片とした。
厚さ6mmのガラスエポキシ基材(新神戸電機株式会社製、KEL−GEF)の一方の面に、前記試験片の一方の端部を幅10mm×長さ3mmの面積だけ貼付した。前記試験片の曲げ半径が3mmになるように前記試験片を折り曲げ、前記試験片の他方の端部を、ガラスエポキシ基材の他方の面に、幅10mm×長さ3mmの面積だけ貼付した。その後、前記試験片の貼付部の上面を200gローラーを用い1往復の荷重をかけ、70℃72時間静置した。前記静置後の前記試験片の浮きはがれを目視で観察し、下記評価基準にしたがって評価した。
◎:試験片の端部の一方または両方の浮きが0mmあった。
○:試験片の端部の一方または両方の浮きが0mmを超え、0.3mm未満あった。
△:試験片の端部の一方または両方の浮きが0.3mm以上あった。
×:試験片の端部の一方が剥がれた。
[粘着シート(Y)の熱伝導性の評価方法]
上記実施例及び比較例で得た粘着シート(Y−1)〜(Y−7)及び(Y’−1)〜(Y’−3)の熱伝導性を、図1及び下記で示す方法により評価した。
上記実施例及び比較例で得た粘着シート(Y−1)〜(Y−7)及び(Y’−1)〜(Y’−3)を幅30mm×長さ30mmの大きさに裁断したものを試験テープとした。
次に、厚さ0.5mm、幅70mm及び長さ75mmのアルミニウム板(X)(JIS
H4000規定のA1050)を用意し、前記アルミニウム板(X)の70mm幅の辺の中間位置へ、前記試験テープの長さ方向の一方の端部を、その貼付面積が幅30mm×長さ10mmとなるように貼付し、前記試験テープの上部から200gローラーを用い1往復の荷重をかけた。
次に、前記試験テープの他方の端部を、厚さ0.5mm、幅70mm及び長さ75mmのアルミニウム板(Y)(JIS H4000規定のA1050)の70mm幅の辺の中間位置へ、その貼付面積が幅30mm及び長さ10mmとなるように貼付し、前記試験テープの上部から200gローラーを用い1往復の荷重をかけた。
次に、前記アルミニウム板(X)の中央へ、幅50mm、長さ50mmの熱伝導両面粘着テープ(信越化学株式会社製、TC−10SAS、厚さ0.1mm、熱伝導率1W/m・k)を貼付した。前記熱伝導両面粘着テープは、前記試験テープを貼付したアルミニウム板(X)の面と同じ側の面に貼付した。
また、熱電対温度センサー(T)は、受熱側の部材を構成するアルミニウム板(Y)の表面に貼付した。前記熱電対温度センサー(T)は、アルミニウム板(Y)に貼付された前記試験テープの隣に貼付した。
次に、幅80mm、長さ80mm、厚さ5mmのポリエチレンフォーム(古河電気工業株式会社製、SN−500)を水平面に載置し、その上に、前記アルミニウム板(Y)を載置し、その上に、幅80mm、長さ80mm、厚さ5mmのポリエチレンフォーム(古河電気工業株式会社製、SN−500)を載置し、その上に、前記アルミニウム板(Y)と試験テープを介して接着された前記アルミニウム板(X)を載置した。その際、前記アルミニウム板(X)及び(Y)を接続する試験テープが湾曲するよう調整した。
次に、前記熱伝導両面粘着テープの上面に、熱電対温度センサー(S)(理化工業株式会社製、ST−50とW−ST50A−1000−Y3のセット)を表面へ貼付したシリコーンラバーヒーター(アズワン製、1−130−01)を載置し、その上に、幅50mm、長さ50mm、厚さ5mmの発泡ポリエチレンシート(古河電気工業株式会社製、SN−500)を載置し、その上に、100gのおもりを載置した。
23℃50%RH中の無風環境にて、前記シリコーンラバーヒーターの上面の表面温度(L)が約50℃となるよう、前記シリコーンラバーヒーターへ接続した直流電源装置(菊水工業株式会社製、PAS160−2)の出力を2Wに調整した。前記調整から30分後のアルミニウム板(Y)(受熱部)の表面温度(P)を測定した。一方、前記アルミニウム板(X)及び前記アルミニウム板(Y)が前記試験テープで接着されていないこと以外は、上記と同様の構成を形成した。23℃50%RH中の無風環境にて、前記シリコーンラバーヒーターの上面の表面温度(L)が約50℃となるよう、前記シリコーンラバーヒーターへ接続した直流電源装置(菊水工業株式会社製、PAS160−2)の出力を2Wに調整した。前記調整から30分後のアルミニウム板(Y)(受熱部)の表面温度(Q)を測定した。
◎ 湾曲させた際に試験テープのひび割れを引き起こすことがなく、かつ、前記表面温度(P)と前記表面温度(Q)〔表面温度(P)−前記表面温度(Q)〕が」3℃以上であった。
○ 湾曲させた際に試験テープのひび割れを引き起こすことがなく、かつ、前記表面温度(P)と前記表面温度(Q)〔表面温度(P)−前記表面温度(Q)〕が」2℃以上3℃未満であった。
△: 湾曲させた際に試験テープのひび割れを引き起こすことがなく、かつ、前記表面温度(P)と前記表面温度(Q)〔表面温度(P)−前記表面温度(Q)〕が」2℃未満であった。
×:湾曲させた際に試験フィルムの一部にひび割れまたは割れが生じた。
[粘着シート(Y)の導電性の評価方法]
上記実施例及び比較例で得た粘着シート(Y−1)〜(Y−7)及び(Y’−1)〜(Y’−3)を、剥離フィルムから剥離した状態で幅30mm×長さ30mmの大きさに裁断したものを試験片とした。
23℃50%RHの環境で、ADVANTEST社製、「R8430A ULTRA HIGH RESISTANCE METER」を使用し、印加電圧500Vの際の前記試験片の体積抵抗値を測定し、下記の判断基準で電気絶縁性を評価した。
(体積抵抗値の評価基準)
○:試験片の体積抵抗値が1012Ω・cm以上
△:試験片の体積抵抗値が1010Ω・cm以上、1012Ω・cm未満
×:試験片の体積抵抗値が1010Ω・cm未満
Figure 2015030238
Figure 2015030238
Figure 2015030238
1 ポリエチレンフォーム
2 熱電対温度センサー(S)
3 シリコーンラバーヒーター
4 熱伝導両面粘着テープ
5 アルミニウム板(X)
6 試験テープ
7 アルミニウム板(Y)
8 熱電対温度センサー(T)
9 おもり
10 直流電源装置
11 積層基材
12 曲げ強度の測定装置に設けられたチャック部

Claims (25)

  1. 2以上の金属基材(A1)が導電性粘着剤層(A2)を介して積層されたものであることを特徴とする積層基材。
  2. 粘着シートを構成する基材に使用する請求項1に記載の積層基材。
  3. 0.1N/30mm〜3N/30mmの範囲の曲げ強度を有するものである請求項1または2に記載の積層基材。
  4. 前記積層基材の曲げ強度を、前記積層基材を構成する金属基材(A1)の厚さで除した値が400kN/m以下である請求項3に記載の積層基材。
  5. 1μm〜300μmの範囲の厚さを有するものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層基材。
  6. 前記導電性粘着剤層(A2)が導電性フィラーを含有するものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層基材。
  7. 前記導電性粘着剤層(A2)が、前記導電性粘着剤層(A2)の全量に対して導電性フィラーを10質量%〜500質量%の範囲で含有するものである請求項6に記載の積層基材。
  8. 前記導電性フィラーが銅またはニッケルである請求項6または7に記載の積層基材。
  9. 前記導電性粘着剤層(A2)の厚さが1μm〜50μmの範囲である請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層基材。
  10. 前記金属基材(A1)が1μm〜150μmの範囲の厚さを有するものである請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層基材。
  11. 前記金属基材(A1)が、圧延銅からなる基材、または、電解銅からなる基材である請求項1〜10のいずれか1項に記載の積層基材。
  12. 前記導電性粘着剤層(A2)が、アクリル系重合体(a2−1)と導電性フィラーとを含有する導電性粘着剤(A2−1)を用いて形成される層である請求項1〜11のいずれか1項に記載の積層基材。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の積層基材の片面または両面に、粘着剤層(B)を有することを特徴とする粘着シート。
  14. 前記粘着剤層(B)の厚さが1μm〜60μmの範囲である請求項13に記載の粘着シート。
  15. 前記粘着剤層(B)が導電性フィラーを含有するものである請求項13または14に記載の粘着シート。
  16. 前記粘着剤層(B)が、酸基を有するアクリル系重合体と導電性フィラーとを含有するものである請求項13〜15のいずれか1項に記載の粘着シート。
  17. 前記粘着剤層(B)が、前記アクリル系重合体の質量に対して、前記導電性フィラーを10質量%〜500質量%の範囲で含有するものである請求項13〜16のいずれか1項に記載の粘着シート。
  18. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の積層基材の一方の面に、粘着剤層(B)が積層され、前記積層基材の他方の面に樹脂フィルム(C)が積層されたものである請求項13〜17のいずれか1項に記載の粘着シート。
  19. 前記樹脂フィルム(C)が、電気絶縁層または断熱層を形成するものである請求項17に記載の粘着シート。
  20. 前記樹脂フィルム(C)が、500Vの電圧を印加した場合に1012Ω・cm以上の体積抵抗値を有するものである請求項18または19に記載の粘着シート。
  21. 前記樹脂フィルム(C)の厚さが3μm〜50μmの範囲である請求項18〜20のいずれか1項に記載の粘着シート。
  22. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の積層基材が、粘着剤によって発熱部材の表面に貼付された構造を有することを特徴とする電子機器。
  23. 請求項13〜21のいずれか1項に記載の粘着シートが、発熱部材の表面に貼付された構造を有することを特徴とする電子機器。
  24. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の積層基材が湾曲または屈曲した状態で、発熱部材及び受熱部材の表面に貼付された構造を有することを特徴とする電子機器。
  25. 請求項13〜21のいずれか1項に記載の粘着シートが湾曲または屈曲した状態で、発熱部材及び受熱部材の表面に貼付された構造を有することを特徴とする電子機器。
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