JP2016079405A - フルオレン骨格を有するポリエステルポリ(メタ)アクリレート、その硬化性組成物及び硬化物、並びにその製造方法 - Google Patents

フルオレン骨格を有するポリエステルポリ(メタ)アクリレート、その硬化性組成物及び硬化物、並びにその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い屈折率と柔軟性とが両立した硬化物を形成できる新規なフルオレン骨格を有するポリエステルポリ(メタ)アクリレート、硬化性組成物及びその硬化物、並びに製造方法を提供する。
【解決手段】フルオレン骨格を有するポリエステルポリ(メタ)アクリレートは、下記式(1-1)で表され、ジオール成分(A)及びジカルボン酸成分(B)のうち少なくとも一方の成分が、フルオレン骨格を有する。
Figure 2016079405

(式中、R1a及びR1bはそれぞれ水素原子又はメチル基、nは1以上の整数、A及びBはそれぞれジオール成分(A)及びジカルボン酸成分(B)の残基を示す)
【選択図】なし

Description

本発明は、フルオレン骨格を有する新規なポリエステルポリ(メタ)アクリレート(例えば、二官能性ポリエステル(メタ)アクリレート)、このポリエステルポリ(メタ)アクリレートを含む硬化性組成物及びその硬化物、並びにその製造方法に関する。
フルオレン骨格を有する材料は、屈折率や耐熱性などの点において優れた性質を示すことが知られている。このようなフルオレン骨格の優れた性質を利用し、光学材料用途などで使用できる化合物の代表例として、フルオレン骨格を有する多官能性(メタ)アクリレートが提案されている。
例えば、特開2007−91870号公報(特許文献1)には、フルオレン骨格を有する特定の多官能性(メタ)アクリレート、重合性基を有する加水分解縮合性有機ケイ素化合物及び光酸発生剤で構成された重合性組成物が開示されており、実施例では、多官能性(メタ)アクリレートとして、9,9−ビス(4−アクリロイルオキシエトキシフェニル)フルオレンが記載されている。しかし、このようなフルオレン骨格有するアクリレートの硬化物は、高屈折率ではあるものの、硬く、柔軟性に欠ける。
国際公開第2013/022065号公報(特許文献2)及び特開2013−53310号公報(特許文献3)には、フルオレンの9−位に結合した2つのフェニル基に、それぞれ(メタ)アクリロイルオキシ基及び/又は(メタ)アクリロイルオキシ(ポリ)アルコキシ基が結合した多官能性(メタ)アクリレートが開示されている。また、実施例及び参考例には、1モルの9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(BPF)に平均で6.6〜16.0モルのエチレンオキサイドが付加した付加体のジアクリレートが記載されている。しかし、このようなジアクリレートの硬化物は、軟質なポリオキシエチレン単位に由来して、耐スクラッチ性試験における傷の回復性(柔軟性)を示すものの、エチレンオキサイド付加数の増加に伴って屈折率が低下し、高屈折率と柔軟性とを両立できない。
また、特開2008−285647号公報(特許文献4)には、柔軟性と、耐熱性・高屈折率とを両立する硬化物を形成し、さらにハンドリング性にも優れたウレタンアクリレートとして、9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン又は9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール)フルオレンと、ポリオール骨格及び末端イソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と、イソシアネート基に対して反応性の活性水素原子を有する(メタ)アクリル系化合物とが反応したウレタン(メタ)アクリレートが開示されている。しかし、このようなウレタンアクリレートの硬化物は、ポリイソシアネート化合物中のポリオール骨格由来の柔軟性を示すものの、屈折率を向上できない。
また、特開2013−227534号公報(特許文献5)には、高屈折率、かつアルカリ可溶性及び支持体への密着性を向上でき、さらに、光学特性、耐熱性、寸法安定性などに優れる酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂が開示されている。この文献の実施例では、9,9−ビス(6−グリシジルオキシ−2−ナフチル)フルオレンとアクリル酸とを反応させ、生成したフルオレン含有エポキシアクリレートと、テトラカルボン酸二無水物とを反応させた酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂を得たことが記載されている。得られるアクリル系樹脂は高屈折率ではあるものの、硬化物のアクリロイル基による架橋点密度が高く、さらにカルボキシル基同士の水素結合による疑似的な架橋点も形成されるためか、柔軟性に欠ける。
なお、フルオレン骨格の性質を利用した溶融成形可能な熱可塑性樹脂として、フルオレン骨格を有するポリエステル樹脂も知られている。例えば、特開2012−144746号公報(特許文献6)には、耐熱性、屈折率、光学的特性、溶媒溶解性などの各種特性に優れたポリエステル樹脂として、重合成分であるジオール成分とジカルボン酸成分との双方が、少なくともフルオレン骨格を有する化合物を含むポリエステル樹脂が開示されている。実施例では、重合成分として、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンから選択された1種のジオール成分と、9,9−ビス(2−クロロカルボニルエチル)フルオレン、2,7−ジ(クロロカルボニル)−9,9−ジメチルフルオレンから選択された1種のジカルボン酸成分とを重合させた直鎖状ポリエステル樹脂が記載されている。
特開2007−91870号公報(請求項1、段落[0007]、実施例) 国際公開第2013/022065号公報(請求項1、実施例、参考例) 特開2013−53310号公報(請求項1、実施例、参考例) 特開2008−285647号公報(請求項1、段落[0009]−[0012]、実施例) 特開2013−227534号公報(請求項1、段落[0008]−[0012]、実施例) 特開2012−144746号公報(段落[0006]−[0010]、実施例)
従って、本発明の目的は、硬化物が柔軟性を備え、かつフルオレン骨格を有する新規なポリエステルポリ(メタ)アクリレート、このポリエステルポリ(メタ)アクリレートを含む硬化性組成物及びその硬化物、並びにこのポリエステルポリ(メタ)アクリレートの製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、高い屈折率と柔軟性とを両立できる硬化物を形成可能な新規なフルオレン骨格を有するポリエステルポリ(メタ)アクリレート、このポリエステルポリ(メタ)アクリレートを含む硬化性組成物及びその硬化物、並びにこのポリエステルポリ(メタ)アクリレートの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、ポリエステルポリ(メタ)アクリレートにフルオレン骨格を導入すると、柔軟性(可撓性)を有する硬化物、さらにはその柔軟性と高い屈折率とを両立した硬化物が得られることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明のポリエステルポリ(メタ)アクリレート(例えば、二官能性ポリエステル(メタ)アクリレート)は、下記式(1-1)
Figure 2016079405
(式中、R1a及びR1bはそれぞれ水素原子又はメチル基、nは1以上の整数、A及びBはそれぞれジオール成分(A)及びジカルボン酸成分(B)の残基を示す)
で表されるポリエステルポリ(メタ)アクリレートであって、ジオール成分(A)及びジカルボン酸成分(B)のうち少なくとも一方の成分が、フルオレン骨格を有している。
代表的には、ジオール成分(A)は、下記式(2-1)で表されるジオール成分(A1)を含んでいてもよい。
Figure 2016079405
(式中、Z及びZはそれぞれ芳香族炭化水素環、R2a及びR2bはそれぞれアルキレン基、m1及びm2はそれぞれ0以上の整数、R3a及びR3bはそれぞれ反応に不活性な置換基、p1及びp2はそれぞれ0以上の整数、R4a及びR4bはそれぞれ反応に不活性な置換基、k1及びk2はそれぞれ0〜4の整数を示す)。
前記式(2-1)において表されるジオール成分は、例えば、Z及びZがC6−14芳香族炭化水素環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環及びビフェニル環から選択された芳香族炭化水素環)であり、R2a及びR2bが直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基(例えば、直鎖状又は分岐鎖状C2−6アルキレン基)であり、m1及びm2が0〜10の整数(例えば、0〜5の整数)であり、R3a及びR3bがアルキル基(例えば、メチル基)であり、p1及びp2が0〜4の整数(例えば、0〜2の整数)であってもよい。
ジオール成分(A)は、さらに、脂肪族ジオール成分(A2-1)、脂環族ジオール成分(A2-2)及び芳香族ジオール成分(A2-3)から選択された少なくとも1つのジオール成分(A2)を含んでいてもよい。他のジオール成分(A2)は、例えば、少なくとも脂肪族ジオール成分(例えば、C2−6アルカン−ジオール)(A2-1)であってもよい。前記フルオレン骨格を有するジオール成分(A1)と他のジオール成分(A2)との割合は、前者/後者(モル比)=10/90〜100/0であってもよい。
また、ジカルボン酸成分(B)は、脂肪族ジカルボン酸成分(B2-1)、脂環族ジカルボン酸成分(B2-2)及び芳香族ジカルボン酸成分(B2-3)から選択された少なくとも一種のジカルボン酸成分を含んでいてもよく、芳香族ジカルボン酸成分(B2-3)はフルオレン骨格を有するジカルボン酸成分(B1)を含んでいてもよい。フルオレン骨格を有するジカルボン酸成分(B1)は、下記式(3-1)で表されるジカルボン酸、下記式(3-2)で表されるジカルボン酸及びそれらのエステル形成性誘導体から選択された少なくとも一種のジカルボン酸成分を含んでいてもよい。
Figure 2016079405
(式中、X1a及びX1bはそれぞれ置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、qは0〜4の整数を示し、R4a及びR4b、k1及びk2は前記に同じ)。
ジカルボン酸成分(B)は、前記式(3-1)においてX1aが直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキレン基である化合物、C2−12アルカン−ジカルボン酸、C5−10シクロアルカン−ジカルボン酸、C6−24アレーン−ジカルボン酸及びそれらのエステル形成性誘導体から選択された少なくとも一種の成分であってもよい。
フルオレン骨格を有するジカルボン酸成分(B1)又は他のジカルボン酸成分(B2)の使用量は、全ジカルボン酸成分(B)に対して、50〜100モル%程度であってもよい。
また、前記式(1-1)において、繰り返し単位数nは1〜10であってもよい。
本発明のポリエステルポリ(メタ)アクリレートに含まれるフルオレン骨格を有するジオール成分(A1)及びフルオレン骨格を有するジカルボン酸成分(B1)の残基の総量は、ジオール成分(A)及びジカルボン酸成分(B)の残基(A及びB)の合計量に対して50モル%以上であってもよい。
本発明には、下記式(1-2)で表されるポリエステルポリオール(又はポリエステルポリオール組成物)も含まれる。
Figure 2016079405
(式中、n、A及びBは前記式(1-1)の記載に同じ)。
また、本発明のポリエステルポリ(メタ)アクリレートは、ジオール成分(A)と、ジカルボン酸成分(B)とを反応させて末端にヒドロキシル基を有するポリエステルを生成させ、生成したポリエステルと、(メタ)アクリル酸又はそのエステル形成性誘導体とを反応させて製造してもよい。
本発明は、上述したポリエステルポリ(メタ)アクリレートを含む硬化性組成物及びその硬化物も包含する。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において「ジカルボン酸成分」とは、特に断りのない限り、ジカルボン酸のみならず、ジカルボン酸のエステル形成性誘導体(例えば、低級アルキルエステル、酸ハライド、酸無水物など)を含む意味に用いる。また、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの双方を意味する。さらに、「ポリエステルポリ(メタ)アクリレート」とは、オリゴエステル(メタ)アクリレートを意味し、前記式(1-1)において、繰り返し単位nが異なる化合物の集合体(又は組成物)であってもよい。「ポリエステルポリオール」とは、オリゴエステルポリオールを意味し、前記式(1-2)において、繰り返し単位nが異なる化合物の集合体(又は組成物)であってもよい。
本発明では、新規なポリエステルポリ(メタ)アクリレートが少なくともフルオレン骨格を有する特定のポリエステル構造を有しているためか、硬化性組成物が硬化した硬化物は、高い柔軟性又は可撓性を備えている。また、このような硬化物は、高い屈折率と柔軟性とを両立できる。
[ポリエステルポリ(メタ)アクリレート]
本発明のポリエステルポリ(メタ)アクリレートは、下記式(1-1)
Figure 2016079405
(式中、R1a及びR1bはそれぞれ水素原子又はメチル基、nは1以上の整数、A及びBはそれぞれジオール成分(A)及びジカルボン酸成分(B)の残基を示す)
で表され、前記ジオール成分(A)及び前記ジカルボン酸成分(B)のうち少なくとも一方の成分が、フルオレン骨格を含んでいる。すなわち、本発明のポリエステルポリ(メタ)アクリレートは、ポリエステル構造中に少なくともフルオレン骨格を有している。このようなポリエステルポリ(メタ)アクリレートを含む硬化性組成物が硬化すると、剛直なフルオレン骨格を有しているにもかかわらず、柔軟性又は可撓性を有する硬化物を形成できる。理由は定かではないが、架橋点となる(メタ)アクリロイル基がポリエステルの両末端にあり、架橋点間には、フルオレン骨格又はカルド構造が存在し、架橋構造にある程度の自由度ができるためと推測される。さらに、前記(メタ)アクリレート及び硬化物は、フルオレン骨格を有しているためか、屈折率が高い。そのため、柔軟性と高屈折率とを両立できる。
上記式(1-1)において、基R1a及びR1bは同一又は異なっていてもよいが、通常、同一の基(すなわち、水素原子又はメチル基)であってもよい。
また、上記式(1-1)において、ポリエステル構造の繰り返し単位数nは、1〜100(例えば、1〜50)程度の範囲から選択でき、例えば、1〜30程度の整数、好ましくは1〜20の整数(例えば、2〜15の整数)、さらに好ましくは1〜10の整数(例えば、3〜8の整数)、特に1〜5の整数(例えば、1〜3の整数)であってもよい。繰り返し単位数nが大きすぎると、粘度が高くなり、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート及びその硬化性組成物のハンドリング性が低下するおそれがある。なお、nは本発明のポリエステルポリ(メタ)アクリレートの集合体としての平均値(相加平均値又は算術平均値)を意味する場合もあり、好ましい平均値の範囲は、上記整数での範囲に同じである。また、平均値(相加平均値又は算術平均値)は、慣用の方法で算出でき、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定チャートにおける面積比より算出できる。
[ジオール成分(A)]
ジオール成分(A)は、フルオレン骨格を有するジオール成分(A1)(以下、フルオレンジオール成分(A1)ということもある)を含んでいてもよい。
(ジオール成分(A1))
フルオレンジオール成分(A1)は、9,9−ビス(ヒドロキシアルキル)フルオレン、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシメチル)フルオレン、9,9−ビス(2−ヒドロキシエチル)フルオレン、9,9−ビス(2−ヒドロキプロピル)フルオレン、9,9−ビス(3−ヒドロキプロピル)フルオレン、9,9−ビス(6−ヒドロキヘキシル)フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシC1−10アルキル)フルオレン(例えば、9,9−ビス(ヒドロキシC2−6アルキル)フルオレン)などが挙げられ、代表的には、下記式(2-1)で表される化合物であってもよい。また、これらのフルオレンジオール成分(A1)は単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。
Figure 2016079405
(式中、Z及びZはそれぞれ芳香族炭化水素環、R2a及びR2bはそれぞれアルキレン基、m1及びm2はそれぞれ0以上の整数、R3a及びR3bはそれぞれ反応に不活性な置換基、p1及びp2はそれぞれ0以上の整数、R4a及びR4bはそれぞれ反応に不活性な置換基、k1及びk2はそれぞれ0〜4の整数を示す)。
上記式(2-1)において、環Z及びZで表される芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環などの単環式芳香族炭化水素環(単環式アレーン環)、多環式芳香族炭化水素環(多環式アレーン環)などが挙げられ、多環式芳香族炭化水素環には、縮合多環式芳香族炭化水素環(縮合多環式アレーン環)、環集合芳香族炭化水素環(環集合アレーン環)などが含まれる。
縮合多環式芳香族炭化水素環としては、例えば、縮合二環式アレーン環(例えば、ナフタレンなどの縮合二環式C10−16アレーン環)、縮合三環式アレーン環(例えば、アントラセン、フェナントレンなど)などの縮合二乃至四環式アレーン環などが挙げられる。好ましい縮合多環式芳香族炭化水素環としては、ナフタレン環、アントラセン環などが挙げられ、特に、ナフタレン環が好ましい。
環集合芳香族炭化水素環としては、ビアレーン環、例えば、ビフェニル環、ビナフチル環、フェニルナフタレン環(1−フェニルナフタレン環、2−フェニルナフタレン環など)などのビC6−12アレーン環、テルアレーン環、例えば、テルフェニレン環などのテルC6−12アレーン環などが例示できる。好ましい環集合芳香族炭化水素環は、ビC6−10アレーン環、特にビフェニル環などが挙げられる。
好ましい環Z及びZとしては、C6−20芳香族炭化水素環(例えば、C6−14芳香族炭化水素環、特に、ベンゼン環、ナフタレン環及びビフェニル環)が挙げられる。なお、2つの環Z及びZは同一の又は異なる環であってもよく、通常、同一の環であってもよい。
上記式(2-1)において、基R2a及びR2bで表されるアルキレン基として、直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基が挙げられる。直鎖状アルキレン基として、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基などのC2−6アルキレン基、好ましくはC2−4アルキレン基、さらに好ましくはC2−3アルキレン基、特にエチレン基が例示できる。分岐鎖状アルキレン基として、例えば、プロピレン基、1,2−ブタンジイル基、1,3−ブタンジイル基などのC3−6アルキレン基、好ましくはC3−4アルキレン基、特にプロピレン基が挙げられる。なお、m1及びm2が2以上であるときは、同一又は異なる種類のアルキレン基で構成してもよく、通常、同一であってもよい。また、基R2a及びR2bは同一又は異なる種類のアルキレン基で構成してもよく、通常、同一であってもよい。
基OR2a及びOR2bの繰り返し単位数m1及びm2は、それぞれ、0以上の整数であればよく、例えば、0〜10(例えば、1〜7)程度、好ましくは1〜5の整数(例えば、1〜4の整数)、さらに好ましくは1〜3の整数(例えば、1〜2の整数)、特に1であってもよい。なお、m1及びm2は同一又は異なっていてもよい。
また、m1及びm2の合計量(m1+m2)は、ジオール成分(A1)全体(前記式(2-1)で表されるジオールの分子集合体)に対する平均(相加平均又は算術平均)で、1〜20(例えば、1〜8)程度の範囲から選択でき、1〜15(例えば、2〜13)、好ましくは1〜7(例えば、1〜6)、さらに好ましくは2〜6(例えば、2〜4)、特に2〜3程度であってもよく、2〜12(例えば、2〜10)程度であってもよく、5〜15(例えば、9〜12)程度であってもよい。上記m1又はm2(又はm1+m2)が大きすぎると、硬化物の柔軟性は向上するものの、高屈折率と柔軟性とを両立できなくなるおそれがある。なお、上記平均(相加平均又は算術平均)の繰り返し単位数は、慣用の方法、例えば、特許文献2又は3に記載の方法などで容易に算出できる。
前記式(2-1)において、基[−(OR2am1−OH]及び[−(OR2bm2−OH]は、環Z及びZの適当な位置に置換でき、例えば、環Z及びZがベンゼン環である場合には、フェニル基の2−,3−,4−位(特に、3−位又は4−位)に置換している場合が多く、環Z及びZがナフタレン環である場合には、ナフチル基の5〜8位である場合が多く、1,5−位、2,5−位、1,6−位、2,6−位などの任意の位置関係で置換していてもよく、例えば、1,5−位、2,6−位などの関係(特に、2,6−位の関係)である場合が多い。また、環集合アレーン環Z及びZにおいて、置換位置は、特に限定されず、例えば、フルオレンの9−位に結合したアレーン環又はこのアレーン環に隣接するアレーン環に置換していてもよい。例えば、環Z及びZがビフェニル環である場合には、ビフェニル環Z及びZの3−位又は4−位がフルオレンの9−位に結合している場合が多く、例えば、3,5−位、3,6−位、3,3’−位、3,4’−位、4,2−位、4,3’−位、4,4’−位などの任意の置換位置に置換していてもよく、好ましくは3,5−位、3,6−位、3,4’−位、4,2−位、4,4’−位、さらに好ましくは3,6−位、4,2−位の置換位置で置換していてもよい。
また、前記式(2-1)において、反応に不活性な置換基R3a及びR3bとしては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルキル基、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基など)、シクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロへキシル基などのC5−10シクロアルキル基など)、アリール基[フェニル基、アルキルフェニル基(メチルフェニル(トリル)基、ジメチルフェニル(キシリル)基など)、ビフェニル基、ナフチル基などのC6−12アリール基、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基などのC6−10アリール−C1−4アルキル基など)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルコキシ基など)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロへキシルオキシ基などのC5−10シクロアルキルオキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基などのC6−10アリールオキシ基など)、アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ基などのC6−10アリール−C1−4アルキルオキシ基など)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基などのC1−10アルキルチオ基など)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロへキシルチオ基などのC5−10シクロアルキルチオ基など)、アリールチオ基(例えば、チオフェノキシ基などのC6−10アリールチオ基など)、アラルキルチオ基(例えば、ベンジルチオ基などのC6−10アリール−C1−4アルキルチオ基など)、アシル基(例えば、アセチル基などのC1−6アシル基など)、ニトロ基、シアノ基、ジアルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ基などのジC1−4アルキルアミノ基など)、ジアルキルカルボニルアミノ基(例えば、ジアセチルアミノ基などのジC1−4アルキル−カルボニルアミノ基など)などが例示できる。
これらの基R3a及びR3bのうち、代表的には、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、置換アミノ基などが挙げられる。好ましい基R3a及びR3bとしては、アルキル基(メチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基など)、アリール基、アルコキシ基(メトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルコキシ基など)など、特にアルキル基(例えば、メチル基)が好ましい。なお、基R3a及びR3bがアリール基であるとき、基R3a及びR3bは、それぞれ、環Z及びZとともに、前記環集合アレーン環を形成してもよい。基R3a及びR3bの種類は、同一の又は異なる環Z及びZにおいて、同一又は異なっていてもよい。
置換数p1及びp2は、環Z及びZの種類などに応じて適宜選択でき、例えば、0〜8、好ましくは0〜4(例えば、0〜2)、さらに好ましくは0又は1(例えば、0)であってもよい。特に、pが1である場合、環Z及びZがベンゼン環、ナフタレン環又はビフェニル環、R3a及びR3bがメチル基であってもよい。なお、基R3a及びR3bの置換位置は、特に限定されず、環Z及びZ上において、前記基[−(OR2am1−OH]及び[−(OR2bm2−OH]が置換する位置以外であればよい。
前記式(2-1)において、基R4a及びR4bとして、シアノ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などのC1−6アルキル基)、アリール基(例えば、フェニル基などのC6−10アリール基)などが挙げられる。これらの基R4a及びR4bのうち、C1−4アルキル基(特に、メチル基)が好ましい。なお、基R4a及びR4bは、同一又は異なっていてもよく、置換数k1及びk2が2以上である場合、基R4a及びR4bのそれぞれが、フルオレン構造内の対応するベンゼン環上において、同一又は異なっていてもよい。
置換数k1及びk2は0〜4の整数から選択でき、好ましくは0〜1、特に0である。なお、置換数k1及びk2は、互いに同一又は異なっていてもよい。また、基R4a及びR4bの置換位置は、特に限定されず、例えば、フルオレン環の2−位乃至7−位(2−位、7−位、2−及び7−位など)であってもよい。
前記式(2-1)において代表的な化合物は、9,9−ビス[ヒドロキシ(モノ又はポリ)アルコキシアリール]フルオレン(例えば、9,9−ビス[ヒドロキシ(モノ又はポリ)C2−6アルコキシ(モノ又はビ)C6−10アリール]フルオレン)、9,9−ビス[ヒドロキシ(モノ又はポリ)アルコキシビアリール]フルオレン(例えば、9,9−ビス[ヒドロキシ(モノ又はポリ)C2−6アルコキシビC6−10アリール]フルオレン)、さらに好ましくは9,9−ビス[ヒドロキシ(モノ又はポリ)C2−3アルコキシC6−10アリール]フルオレン、9,9−ビス[ヒドロキシ(モノ又はポリ)C2−3アルコキシビC6−10アリール]フルオレンなどが挙げられる。
代表的なフルオレンジオール成分には、9,9―ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシフェニル)フルオレン類、9,9―ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシフェニルナフチル)フルオレン類などが含まれる。
9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシフェニル)フルオレン類としては、前記式(1-1)において、環Z及びZが置換又は未置換のベンゼン環、R2a及びR2bが直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基、m1及びm2が1、k1及びk2がそれぞれ0である化合物、例えば、(1)9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシC2−4アルコキシフェニル)フルオレン、(2)9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−t−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−t−ブチル−6−メチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシC2−4アルコキシ−モノ又はジC1−4アルキルフェニル)フルオレン、(3)9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシC2−4アルコキシC5−10シクロアルキルフェニル)フルオレン、(4)9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシプロポキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシC2−4アルコキシC6−10アリールフェニル)フルオレンなど;環Z及びZが置換又は未置換のベンゼン環、R2a及びR2bが直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基、m1及びm2が2〜10、k1及びk2がそれぞれ0である化合物、すなわち、上記化合物(2)〜(4)において、m1及びm2が2〜10である化合物、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシC2−4アルコキシC2−4アルコキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(ヒドロキシC2−4アルコキシC2−4アルコキシ−モノ又はジC1−4アルキルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(ヒドロキシC2−4アルコキシC2−4アルコキシC6−10アリールフェニル)フルオレン、9,9−ビス(ヒドロキシC2−4アルコキシC2−4アルコキシC6−10アリールフェニル)フルオレンなどが含まれる。
9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシナフチル)フルオレン類としては、例えば、環Z及びZが置換又は未置換のナフタレン環、R2a及びR2bが直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基、m1及びm2が1、k1及びk2がそれぞれ0である化合物、例えば、(5)9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシナフチル)フルオレン[例えば、9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−1−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシC2−4アルコキシナフチル)フルオレンなど;環Z及びZが置換又は未置換のナフタレン環、R2a及びR2bが直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基、m1及びm2が2〜10、k1及びk2がそれぞれ0である化合物、すなわち、上記化合物(5)において、m1及びm2が2〜10である化合物、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシC2−4アルコキシC2−4アルコキシナフチル)フルオレンなどが含まれる。
これらのフルオレンジオール成分は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。好ましいフルオレンジオール成分は、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシC2−4アルコキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(C1−4アルキル−ヒドロキシC2−4アルコキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシC2−4アルコキシフェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(5−(2−ヒドロキシエトキシ)−1−ナフチル)フルオレン、9,9−ビス(6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル)フルオレンなどの9,9−ビス[ヒドロキシC2−4アルコキシナフチル]フルオレン、特に9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル)フルオレンである。
ジオール成分(A)は、フルオレンジオール成分(A1)単独で構成してもよく、他のジオール成分(A2)単独で構成してもよく、ジオール成分(A)は、フルオレンジオール成分(A1)と他のジオール成分(A2)とを組み合わせて構成してもよい。
(ジオール成分(A2))
他のジオール成分(A2)には、脂肪族ジオール成分(A2-1)、脂環族ジオール成分(A2-2)及び芳香族ジオール成分(A2-3)が含まれる。これらのジオール成分(A2)を用いることで、ポリエステルポリ(メタ)アクリレートの硬化物における屈折率、柔軟性及びその他の特性(例えば、複屈折などの光学的特性、機械的特性、熱的特性など)、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート又はその硬化性組成物のハンドリング性などのバランスを調整できる。
脂肪族ジオール成分(A2-1)としては、例えば、アルカンジオール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオールなどのC2−10アルカン−ジオール、好ましくはC2−6アルカン−ジオール、さらに好ましくはC2−4アルカン−ジオール);ポリアルカンジオール(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコールなどのジ又はトリC2−4アルカンジオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど)などが例示できる。
脂環族ジオール成分(A2-2)としては、例えば、シクロアルカンジオール(例えば、シクロヘキサンジオールなどのC5−8シクロアルカン−ジオール);ジ(ヒドロキシアルキル)シクロアルカン(例えば、シクロヘキサンジメタノールなどのジ(ヒドロキシC1−4アルキル)C5−8シクロアルカンなど);イソソルバイドなどが挙げられる。
芳香族ジオール成分(A2-3)としては、例えば、ジヒドロキシアレーン(例えば、ハイドロキノン、レゾルシノールなど);ジヒドロキシアルキルアレーン(例えば、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノールなどのジ(ヒドロキシC1−4アルキル)C6−10アレーンなど);ビスフェノール類(例えば、ビフェノール、ビスフェノールAなどのビス(ヒドロキシフェニル)C1−10アルカン、1,1−ビス(ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシフェニル)C4−10シクロアルカンなど);前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加体(例えば、ビスフェノール類のエチレンオキサイド付加体などのC2−3アルキレンオキサイド付加体など)などが挙げられる。これらのジオール成分(A2)は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
前記ジオール成分(A2)のうち、脂肪族ジオール成分(A2-1)又は脂環族ジオール成分(A2-2)、特に、少なくとも脂肪族ジオール成分(A2-1)(C2−6アルカンジオールなどのアルカンジオール)を含むのが好ましい。前記ジオール成分(A1)と脂肪族ジオール成分(A2-1)とを組み合わせると、エステル化を効率よく行うことができ、高屈折率と柔軟性とをバランスよく備えたポリエステルポリ(メタ)アクリレートを得ることができる。
ジオール成分(A)は少なくともフルオレンジオール成分(A1)を含むのが好ましい。ジオール成分(A)は、前記のように、さらに、脂肪族ジオール成分(A2-1)及び/又は脂環族ジオール成分(A2-2)(例えば、アルカンジオール)を含んでいてもよい。フルオレンジオール成分(A1)と、他のジオール成分(A2)(例えば、アルカンジオール(A2-1))との割合は、前者/後者(モル比)=10/90〜100/0(例えば、30/70〜95/5)の範囲から選択でき、例えば、50/50〜100/0(例えば、75/25〜90/10)、好ましくは80/20〜100/0(例えば、80/20〜90/10)程度であってもよい。後述するジカルボン酸成分(B)の組成にも依存するが、ジオール成分(A2)が多すぎると、ポリエステルポリ(メタ)アクリレートを含む硬化性組成物が硬化した硬化物における高屈折率と柔軟性とを両立できなくなるおそれがある。
なお、ジオール成分(A)は、本発明の効果を害しない範囲であれば、ポリオール成分と組み合わせて、ポリエステルポリ(メタ)アクリレートに分岐構造を導入してもよい。このようなポリオール成分としては、例えば、3以上のヒドロキシル基を有するポリオール成分[例えば、アルカンポリオール(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど)など]が挙げられ、ポリオール成分は単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのポリオール成分は、必要に応じて、少量[例えば、ジオール成分(A)とポリオール成分との総量に対して10モル%以下(例えば、0.1〜8モル%、好ましくは0.2〜5モル%)程度]使用してもよい。
ジオール成分(A)における各成分の割合は、前記式(1-1)における残基A(各成分の残基)の割合に対応していてもよく、反応系での割合(仕込み比)に対応していてもよい(以下、同じ)。
[ジカルボン酸成分(B)]
ジカルボン酸成分(B)が、フルオレン骨格を有するジカルボン酸成分(B1)(以下、フルオレンジカルボン酸成分(B1)ということがある)を含んでいてもよい。
(フルオレンジカルボン酸成分(B1))
ジカルボン酸成分(B1)は、フルオレンジカルボン酸、例えば、2,4−ジカルボキシフルオレン、2,4−ジカルボキシ−9,9−ジメチルフルオレン、カルド構造を形成できる9,9−ビス(カルボキシアリール)フルオレン、例えば、9,9−ビス(3−カルボキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−カルボキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(5−カルボキシ−1−ナフチル)フルオレン、9,9−ビス(6−カルボキシ−2−ナフチル)フルオレンなどの9,9−ビス(カルボキシC6−12アリール)フルオレンなど、及びこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。代表的には、下記式(3-1)で表されるジカルボン酸、下記式(3-2)で表されるジカルボン酸、及びそれらのエステル形成性誘導体であってもよい。これらのジカルボン酸成分(B1)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。
Figure 2016079405
(式中、X1a及びX1bはそれぞれ置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、qは0〜4の整数を示し、R4a及びR4b、k1及びk2は好ましい態様を含めて前記に同じ)。
上記式(3-1)、(3-2)において、基X1a,X1bで表される炭化水素基としては、直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、2−エチルエチレン基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基などのC1−8アルキレン基(好ましくは、直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキレン基)が例示できる。
アルキレン基の置換基としては、例えば、アリール基(フェニル基など)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基など)などが例示できる。
1aは直鎖状又は分岐鎖状C2−6アルキレン基、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基(例えば、エチレン基、プロピレン基)である場合が多く、X1bは直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキレン基、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1−3アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基)である場合が多い。置換基を有するアルキレン基X1aは、例えば、1−フェニルエチレン基、1−フェニルプロパン−1,2−ジイル基などであってもよい。
係数qは0〜4の整数から選択でき、通常、0〜2、好ましくは0又は1であってもよい。
前記式(3-1)、(3-2)において、基R4a及びR4b、k1及びk2は、好ましい態様を含め、前記式(2-1)記載のR4a及びR4b、k1及びk2と同じである。
前記式(3-1)で表される代表的な化合物は、X1aがC2−6アルキレン基である化合物[例えば、9,9−ビス(2−カルボキシエチル)フルオレン、9,9−ビス(2−カルボキシプロピル)フルオレンなどの9,9−ビス(カルボキシC2−6アルキル)フルオレンなど]及びこれらのエステル形成性誘導体などを含む。前記式(3-2)で表される代表的な化合物は、q=0であり、かつX1bがC1−6アルキレン基である化合物[例えば、9−(1−カルボキシ−2−カルボキシエチル)フルオレン;q=1であり、かつX1bがC1−6アルキレン基である化合物、例えば、9−(2−カルボキシ−3−カルボキシプロピル)フルオレンなどの9−(ジカルボキシC2−6アルキル)フルオレンなど]及びこれらのエステル形成性誘導体などを含む。
フルオレン骨格を有するジカルボン酸成分(B1)は、これらを単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
好ましいジカルボン酸成分(B1)には、前記式(3-1)で表される化合物、例えば、9,9−ビス(カルボキシアルキル)フルオレン類[例えば、9,9−ビス(カルボキシC2-6アルキル)フルオレンなど]などが含まれる。
ジカルボン酸成分(B)は、フルオレンジカルボン酸成分(B1)単独で構成してもよい。また、ジカルボン酸成分(B)は、他のジカルボン酸成分(B2)単独で構成してもよく、フルオレンジカルボン酸成分(B1)と他のジカルボン酸成分(B2)とを組み合わせて構成してもよい。
(ジカルボン酸成分(B2))
他のジカルボン酸成分(B2)には、脂肪族ジカルボン酸成分(B2-1)、脂環族ジカルボン酸成分(B2-2)及び芳香族ジカルボン酸成分(B2-3)が含まれる。ジカルボン酸成分(B)が、これらのジカルボン酸成分(B2)を含むことで、硬化物における屈折率、柔軟性及びその他の特性(例えば、複屈折などの光学的特性、ハンドリング性、機械的特性、熱的特性など)のバランスを調整できる。
脂肪族ジカルボン酸成分(B2-1)としては、例えば、アルカンジカルボン酸(例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸などのC2−12アルカン−ジカルボン酸など);不飽和脂肪族ジカルボン酸(例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのC2−10アルケン−ジカルボン酸など)などが挙げられる。
脂環族ジカルボン酸成分(B2-2)としては、例えば、シクロアルカンジカルボン酸(例えば、1.4−シクロヘキサンジカルボン酸などのC5−10シクロアルカン−ジカルボン酸など);ジ又はトリシクロアルカンジカルボン酸(例えば、デカリンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸など);シクロアルケンジカルボン酸(例えば、シクロヘキセンジカルボン酸などのC5−10シクロアルケン−ジカルボン酸);ジ又はトリシクロアルケンジカルボン酸(例えば、ノルボルネンジカルボン酸など)などが例示できる。
芳香族ジカルボン酸成分(B2-3)としては、例えば、多環式芳香族ジカルボン酸と単環式芳香族ジカルボン酸が挙げられる。多環式芳香族ジカルボン酸としては、例えば、縮合多環式芳香族ジカルボン酸[例えば、ナフタレンジカルボン酸(例えば、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの異なる環に2つのカルボキシル基を有するナフタレンジカルボン酸;1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸などの同一の環に2つのカルボキシル基を有するナフタレンジカルボン酸)、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、などの縮合多環式C10−24アレーン−ジカルボン酸、好ましくは縮合多環式C10−16アレーン−ジカルボン酸、さらに好ましくは縮合多環式C10−14アレーン−ジカルボン酸など];アリールアレーンジカルボン酸[例えば、ビフェニルジカルボン酸(例えば、2,2’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸など)などのC6−10アリール−C6−10アレーン−ジカルボン酸など];ジアリールアルカンジカルボン酸[例えば、ジフェニルアルカンジカルボン酸(例えば、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸など)などのジC6−10アリール−C1−6アルカン−ジカルボン酸など];ジアリールケトンジカルボン酸[例えば、ジフェニルケトンジカルボン酸(例えば、4.4’−ジフェニルケトンジカルボン酸など)などのジC6−10アリール−ケトン−ジカルボン酸)など]などが例示できる。また、単環式芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、アルキルイソフタル酸(例えば、4−メチルイソフタル酸などのC1−4アルキル−イソフタル酸など)などのC6−10アレーン−ジカルボン酸などが挙げられる。また、上記に例示したジカルボン酸のエステル形成性誘導体も挙げられる。これらのジカルボン酸成分(B2)は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
前記ジカルボン酸成分(B2)は、脂肪族ジカルボン酸成分(B2-1)、脂環族ジカルボン酸成分(B2-2)及び芳香族ジカルボン酸成分(B2-3)から選択された少なくとも1種が使用できる。好ましい成分としては、例えば、C2−12アルカン−ジカルボン酸(好ましくはC2−8アルカン−ジカルボン酸、さらに好ましくはC2−4アルカン−ジカルボン酸など)、C5−10シクロアルカン−ジカルボン酸(好ましくはC5−8シクロアルカン−ジカルボン酸、さらに好ましくはC6−8シクロアルカン−ジカルボン酸)、C6−24アレーン−ジカルボン酸(好ましくはC6−14アレーン−ジカルボン酸、さらに好ましくはC6−10アレーン−ジカルボン酸)が挙げられる。ジカルボン酸成分(B2)は、通常、少なくとも脂肪族ジカルボン酸成分(B2-1)及び/又は脂環族ジカルボン酸成分(B2-2)を含んでいてもよい。
フルオレンジカルボン酸成分(B1)と、他のジカルボン酸成分(B2)との割合は、前者/後者(モル比)=0/100〜100/0(例えば、1/99〜99/1)の範囲から選択でき、例えば、10/90〜100/0(例えば、30/70〜90/10)、好ましくは50/50〜100/0(例えば、60/40〜85/15)、さらに好ましくは70/30〜80/20程度であってもよい。
ジカルボン酸成分(B)は、脂肪族ジカルボン酸成分(B2-1)、脂環族ジカルボン酸成分(B2-2)、及び芳香族ジカルボン酸成分(B2-3)から選択された少なくとも一種を含むのが好ましい。芳香族ジカルボン酸成分(B2-3)はフルオレン骨格を有するジカルボン酸成分(B1)を含んでいてもよい。なお、フルオレンジカルボン酸成分(B1)又は他のジカルボン酸成分(B2)のいずれか一方のみを含んでいてもよく、双方を含んでいてもよい。
フルオレンジカルボン酸成分(B1)又は他のジカルボン酸成分(B2)の使用量はそれぞれ、全ジカルボン酸成分(B)に対して、20〜100モル%(例えば、30〜100モル%)程度の範囲から選択でき、例えば、50〜100モル%(例えば、60〜99モル%)、好ましくは70〜100モル%(例えば、75〜99モル%)、さらに好ましくは80〜100モル%(例えば、85〜98モル%)程度であってもよい。換言すれば、フルオレンジカルボン酸成分(B1)と他のジカルボン酸成分(B2)との割合は、例えば、前者/後者(モル比)=100/0〜0/100(例えば、90/10〜10/90)程度の範囲であってもよく、80/20〜20/80(例えば、75/25〜25/75)程度の範囲であってもよい。
なお、ジカルボン酸成分(B)は、本発明の効果を害しない範囲であれば、ポリカルボン酸成分と組み合わせ、ポリエステルポリ(メタ)アクリレートに分岐構造を導入してもよい。このようなポリカルボン酸成分としては、例えば、3以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸成分(例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸など、またこれらのエステル形成性誘導体)が例示できる。これらは必要に応じて、少量[例えば、ジカルボン酸成分(B)とポリカルボン酸成分との総量に対して10モル%以下(例えば、0.1〜8モル%、好ましくは0.2〜5モル%)程度]使用してもよい。
前記ジカルボン酸成分(B)における各成分の割合は、ジオール成分(A)と同様に、前記式(1-1)における残基B(各成分の残基)の割合に対応していてもよく、反応系での割合(仕込み比)に対応していてもよい(以下、同じ)。
本発明において、ジオール成分(A)及びジカルボン酸成分(B)のうち少なくとも一方の成分がフルオレン骨格を有する成分であればよく、ジオール成分(A)及びジカルボン酸成分(B)において、フルオレンジオール成分(A1)及びフルオレンジカルボン酸成分(B1)の総量は、ジオール成分(A)及びジカルボン酸成分(B)の合計量に対して、例えば、10モル%以上(例えば、30モル%以上)、好ましくは50モル%以上(例えば、70モル%以上)、さらに好ましくは75モル%以上(例えば、90モル%以上)程度であってもよい。フルオレン骨格を有する成分が少なすぎると、硬化物における高屈折率と柔軟性とを両立できなくなるおそれがある。
好ましい態様では、ジオール成分(A)は少なくともフルオレンジオール成分(A1)を含み、ジカルボン酸成分(B)はフルオレンジカルボン酸成分(B1)、脂肪族ジカルボン酸成分(B2-1)、脂環族ジカルボン酸成分(B2-2)及び芳香族ジカルボン酸成分(B2-3)から選択された少なくとも一種のジカルボン酸成分を含む。ジカルボン酸成分(B)はフルオレンジカルボン酸成分(B1)及び芳香族ジカルボン酸成分(B2-3)から選択された少なくとも一種の芳香族炭化水素環を有するジカルボン酸成分を含んでいてもよい。ジオール成分(A)及びジカルボン酸成分(B)のうち少なくとも一方の成分は、脂肪族成分を含んでいてもよく、例えば、ジオール成分(A)は、さらに、脂肪族ジオール成分としてのアルカンジオール(A2-1)を含んでいてもよく、ジカルボン酸成分(B)はフルオレンジカルボン酸成分(B1)及び/又は脂肪族ジカルボン酸成分(B2-1)を含んでいてもよい。少なくともフルオレンジオール成分(A1)を含むジオール成分(A)と、少なくともフルオレンジカルボン酸成分(B1)を含むジカルボン酸成分(B)とのエステル化を利用すると、高い屈折率を有する化合物を調製できる。また、芳香族ジカルボン酸成分(B2-3)を利用すると、屈折率の低下を抑制でき、耐熱性を向上できる。
[ポリエステルポリ(メタ)アクリレートの製造方法及び特性]
前記ジオール成分(A)とジカルボン酸成分(B)との反応により、ポリエステルポリオールが生成する。代表的なポリエステルポリオールは、下記式(1-2)で表され、かつ末端にヒドロキシル基を有するポリエステルジオールである。
Figure 2016079405
(式中、n、A及びBは前記に同じ)。
なお、前記式(1-2)で表されるポリエステルポリオール(又はポリエステルポリオール組成物)は、種々のポリオール成分(特に、ジオール成分)として利用でき、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(ポリウレタン(メタ)アクリレートなどのオリゴポリウレタン樹脂を含む)、ポリカーボネート樹脂のジオール成分などとして利用し、高い屈折率の樹脂を生成させてもよい。好ましい態様では、ヒドロキシル基を利用してポリエステルポリ(メタ)アクリレートを調製するのに有用である。
前記式(1-1)で表される本発明のポリエステルポリ(メタ)アクリレートは、ジオール成分(A)と、ジカルボン酸成分(B)と、(メタ)アクリル酸又はそのエステル形成性誘導体(以下、(メタ)アクリル酸成分(C)ということがある)とを混合して反応させる一段反応で調製してもよく、ジオール成分(A)とジカルボン酸成分(B)とを反応させ(第一段の反応)、前記式(1-2)で表される生成した末端にヒドロキシル基を有するポリエステル(以下、ポリエステルポリオール又はポリエステルポリオール組成物ということがある)と(メタ)アクリル酸成分(C)とを反応させ(第二段の反応)、段階的に調製してもよい。
全成分のエステル化反応を同時に(一段反応で)行うと、ジカルボン酸成分(B)を含まないジ(メタ)アクリレート(前記式(1-1)におけるn=0の化合物)も同時に生成するが、工程が少ない点で好ましい。通常は段階的に調製してもよい。段階的反応では、第一段の反応生成物を単離又は精製することなく、第二段の反応を行ってもよい。また、段階的に行うと、反応制御が容易なため分子量分布が狭く、目的のポリエステルポリ(メタ)アクリレートを高収率で得られる点で好ましい。
前記(メタ)アクリル酸又はそのエステル形成性誘導体((メタ)アクリル酸成分(C))の具体例として、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸低級アルキルエステル(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸C1−4アルキル)、(メタ)アクリル酸ハライド(例えば、(メタ)アクリル酸クロライド、(メタ)アクリル酸ブロマイドなど)、ジ(メタ)アクリル酸無水物などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。
エステル化反応において、ジカルボン酸成分(B)1モルに対するジオール成分(A)の割合は、1〜5モル程度、好ましくは過剰モル、例えば、1.1〜4モル(例えば、1.2〜3モル)、好ましくは1.3〜2.5モル(例えば、1.4〜2モル)、さらに好ましくは1.5〜2モル(例えば、1.5〜1.8モル)程度であってもよく、通常、1.3〜3モル(例えば、1.5〜2.5モル)程度であってもよい。ジオール成分(A)が少なすぎると、末端ヒドロキシル基を有するポリエステルが生成しにくくなるおそれがあり、逆に多すぎると、多くの未反応ジオール成分(A)が残存しやすくなる。
また、(メタ)アクリル酸成分(C)の使用量は、生成したポリエステルポリオールのヒドロキシル基1モルに対して、0.8〜10モル、好ましくは当モル以上、例えば、1〜5モル、通常、過剰モル、例えば、1.1〜3モル(例えば、1.2〜2モル、特に、1.2〜1.5モル)程度であってもよい。
なお、ジカルボン酸成分(B)に対するジオール成分(A)の割合に応じて[例えば、ジオール成分(A)の使用量が少ない場合]、ポリエステルポリ(メタ)アクリレートは、ジカルボン酸成分(B)に由来する遊離のカルボキシル基を有していてもよい。また、ポリエステルポリオールの全てのヒドロキシル基は(メタ)アクリル酸成分(C)でエステル化する必要はなく、ポリエステルポリ(メタ)アクリレートは、ジオール成分(A)に由来する遊離のヒドロキシル基を有していてもよい。さらに、ポリエステルポリ(メタ)アクリレートは遊離のカルボキシル基と遊離のヒドロキシル基とを有していてもよい。ポリエステルポリ(メタ)アクリレートの酸価(又は水酸基価)は、例えば、0〜50mgKOH/g、好ましくは1〜25mgKOH/g、さらに好ましくは3〜10mgKOH/g程度であってもよい。
エステル化反応には、触媒を使用してもよい。触媒は、酸触媒、塩基触媒の他、アルコキシド、例えば、チタン(IV)テトライソプロポキシドなどのチタン(IV)アルコキシドなどであってもよい。例えば、特に、ジカルボン酸成分(B)及び/又は(メタ)アクリル酸成分(C)を「酸成分」とすると、酸成分がジカルボン酸、ジカルボン酸低級アルキルエステル又はジカルボン酸無水物である場合には、酸触媒を好適に使用できる。酸触媒としては、特に限定されず、例えば、強酸(例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸など)、ホモ又はヘテロポリ酸(例えば、タングストリン酸、モリブドリン酸、タングストケイ酸、モリブドケイ酸など)などの無機酸、スルホン酸(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などのアルカンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのアレーンスルホン酸など)などの有機酸、ルイス酸(例えば、三フッ化ホウ素エーテラート、四塩化スズなど)、陽イオン交換樹脂などの固体酸触媒が挙げられる。酸触媒は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
前記触媒の割合は、特に限定されず、ジオール成分(A)1モルに対して、例えば、0.001モル〜1モル、好ましくは0.01〜0.5モル程度であってもよい。
また、酸成分に酸ハライド(特に、酸クロライド)を用いる場合には、反応で生成するハロゲン化水素をトラップするため、塩基の存在下で反応させてもよい。塩基としては、例えば、金属水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物など)、金属炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩など)などの無機塩基、アミン類(トリエチルアミンなどのトリアルキルアミン、ベンジルジメチルアミンなどの芳香族第3級アミン、ピリジンなどの複素環式第3級アミンなど)などの有機塩基などが挙げられる。塩基は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。
塩基の使用量は、特に限定されないが、例えば、酸ハライド1モルに対して、例えば、0.8〜20モル(例えば、1〜10モル)、好ましくは1.2〜5モル、さらに好ましくは1.5〜3モル程度であってもよい。
反応は、熱重合禁止剤の存在下で行ってもよい。熱重合禁止剤としては、ベンゾキノン、ヒドロキノン類(例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、p−tert−ブチルヒドロキノン、p−ベンゾキノンなど)、カテコール類(例えば、p−tert−ブチルカテコールなど)、アミン類(例えば、N,N−ジエチルヒドロキシルアミンなど)、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル、トリ−p−ニトロフェニルメチル、フェノチアジンなどが例示できる。熱重合禁止剤は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
熱重合禁止剤の割合は、(メタ)アクリル酸成分(C)100重量部に対して、例えば、0.01〜1重量部程度であってもよい。
反応は、溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒としては、例えば、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類など)、ハロゲン化炭化水素類(塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素など)、エーテル類(ジエチルエーテルなどのジアルキルエーテル類、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、ニトリル類(例えば、アセトニトリルなど)などが挙げられる。溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。
反応温度や反応時間は、使用する原料の種類に応じて適宜選択でき、(メタ)アクリル酸成分(C)を含む反応系では、比較的低温で行うことができる。反応温度は、特に限定されず、例えば、段階的エステル化反応の第一段反応((メタ)アクリル酸成分(C)を含まない反応)では50〜300℃、好ましくは70〜250℃程度の温度で行い、第二段の反応では(メタ)アクリル酸成分(C)の重合を抑制するために、やや低温、例えば、0〜130℃(例えば、0〜120℃)、好ましくは25〜100℃、さらに好ましくは50〜80℃程度であってもよい。
反応は、還流温度で行ってもよい。また、反応は、空気中又は不活性雰囲気(窒素、希ガスなど)中、攪拌しながら行うことができ、常圧下、加圧下又は減圧下で行ってもよい。また、反応時の不測の重合を効果的に防止するために、反応液中に空気を吹き込みながら行ってもよい。
なお、生成した化合物(前記式(1-2)で表される末端にヒドロキシル基を有するポリエステル、又は前記式(1-1)で表される本発明のポリエステルポリ(メタ)アクリレート)は、慣用の方法、例えば、濾過、貧溶媒での再沈、濃縮、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製してもよい。
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用し、ポリスチレン換算で測定した、得られた本発明のポリエステルポリ(メタ)アクリレートの重量平均分子量(Mw)は、例えば、400〜15000(例えば、600〜12000)の範囲から選択でき、800〜10000(例えば、1000〜7500)、さらに好ましくは1200〜6000(例えば、1500〜5000)程度であってもよい。
また、本発明のポリエステルポリ(メタ)アクリレートの分子量分布(Mw/Mn)は例えば、1.0〜10(例えば、1.1〜7)の範囲から選択できる。
本発明のポリエステルポリ(メタ)アクリレートのガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)を使用し測定したとき、例えば、−60℃〜300℃の範囲から選択でき、好ましくは−40〜250℃、さらに好ましくは−20〜200℃程度であってもよい。
通常、室温において、本発明のポリエステルポリ(メタ)アクリレートは高粘度又は固形であり、B型粘度計では測定できない場合がある。ポリエステルポリ(メタ)アクリレート50重量部を、2−フェノキシエチルアクリレート50重量部で希釈した混合物の粘度(温度25℃)は、例えば、1000〜30000mPa・s(例えば、2000〜9000mPa・s)の範囲から選択でき、好ましくは3000〜8500mPa・s(例えば、4000〜8000mPa・s)、さらに好ましくは5000〜7500mPa・s(例えば、6000〜7000mPa・s)程度であってもよい。
また、本発明のポリエステルポリ(メタ)アクリレート(未硬化物)の屈折率(温度25℃、波長589nm)は、例えば、1.55〜1.73(例えば、1.56〜1.65)の範囲から選択でき、1.57〜1.64(例えば、1.58〜1.63)、好ましくは1.585〜1.62(例えば、1.59〜1.61)程度であってもよく、1.55〜1.7(例えば、1.57〜1.63)程度であってもよい。特に、環Z及びZが縮合多環式炭化水素環である化合物(ポリエステルポリ(メタ)アクリレート)は、高い屈折率を示し、m1+m2の増加及び脂肪族成分の導入により屈折率を低減できる。そのため、前記屈折率は、例えば、1.53〜1.75(例えば、1.56〜1.72)の範囲で調整してもよく、1.56〜1.73(例えば、1.57〜1.68)、好ましくは1.62〜1.70(例えば、1.63〜1.67)、さらに好ましくは1.63〜1.70(例えば、1.64〜1.67)程度であってもよい。
[硬化性組成物]
本発明の硬化性組成物は、前記ポリエステルポリ(メタ)アクリレート単独で構成してもよく、さらに、他の重合性化合物、例えば、(メタ)アクリレート(単官能性(メタ)アクリレート、多官能性(メタ)アクリレート)などを含んでいてもよい。
重合性化合物はN−ビニルピロリドンなどであってもよく、単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート[例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどのC1−20アルキル(メタ)アクリレートなど]、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート(例えば、フェニル(メタ)アクリレートなど)、アリールオキシアルキル(メタ)アクリレート(例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなど)、アラルキル(メタ)アクリレート(例えば、ベンジル(メタ)アクリレートなど)、アリールオキシ((ポリ)アルコキシ)アルキル(メタ)アクリレート(例えば、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレートなど)、アルキルアリールオキシ((ポリ)アルコキシ)アルキル(メタ)アクリレート(例えば、ノニルフェノキシ(ポリ)エトキシエチル(メタ)アクリレートなど)、アリールアリール(オキシ((ポリ)アルコキシ)アルキル)(メタ)アクリレート(例えば、2−(o−フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシ(ポリ)エトキシエチル(メタ)アクリレートなど);硫黄原子を有する(メタ)アクリレート[例えば、アルキルチオ(メタ)アクリレート(例えば、メチルチオ(メタ)アクリレートなど)、アリールチオ(メタ)アクリレート(例えば、フェニルチオ(メタ)アクリレートなど)、アラルキルチオ(メタ)アクリレート(例えば、ベンジルチオ(メタ)アクリレートなど)、アリールチオアルキル(メタ)アクリレート(例えば、フェニルチオエチル(メタ)アクリレートなど)];N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド(例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドなど)、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート(例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなど)、ビスフェノール類又はそのアルキレンオキシド付加体のモノ(メタ)アクリレート(例えば、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加体のモノ(メタ)アクリレートなど)、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート(例えば、9−(メタ)アクリロイルオキシメチルフルオレンなど)などが例示できる。
多官能性(メタ)アクリレートとしては、二官能性(メタ)アクリレート[例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレートなどのC2−10アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA(又はそのアルキレンオキシド付加体)のジ(メタ)アクリレート]、三官能性以上の(メタ)アクリレート[例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどのトリオール又はテトラオールのトリ又はテトラ(メタ)アクリレート]、オリゴ(メタ)アクリレート[ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、本発明のポリエステルポリ(メタ)アクリレートの範疇に属さないポリエステル(メタ)アクリレートなど]、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート{例えば、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシ(ポリ)エトキシ)フェニル]フルオレンなど}などが挙げられる。これらの単官能性及び多官能性(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。
前記硬化性組成物は、重合開始剤を含んでいてもよい。この重合開始剤は熱重合開始剤(熱ラジカル発生剤)であってもよく、光重合開始剤(光ラジカル発生剤)であってもよい。
熱重合開始剤としては、有機過酸化物[ジアルキルパーオキサイド類(例えば、ジ−tert−ブチルパーオキサイドなど)、ジアシルパーオキサイド類(例えば、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーキサイドなど)、過酸(又は過酸エステル)類(例えば、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、過酢酸tert−ブチルなど)ケトンパーオキサイド類、パーオキシカーボネート類、パーオキシケタール類]、アゾ化合物[例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)などのアゾニトリル化合物、アゾアミド化合物、アゾアミジン化合物など]などが例示できる。これらの熱重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン類(ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類など)、アセトフェノン類(アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなど)、アミノアセトフェノン類{2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノアミノプロパノン−1など}、アントラキノン類(アントラキノン、2−メチルアントラキノンなど)、チオキサントン類(2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなど)、ケタール類(アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなど)、ベンゾフェノン類(ベンゾフェノンなど)、キサントン類などが例示できる。これらの光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
重合開始剤(熱又は光重合開始剤)の使用量は、(メタ)アクリレート成分の総量100重量部に対して0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜10重量部(例えば、1〜8重量部)、さらに好ましくは2〜5重量部程度であってもよい。
光重合開始剤は、光増感剤と組み合わせてもよい。光増感剤としては、第3級アミン類{例えば、トリアルキルアミン、トリアルカノールアミン(トリエタノールアミンなど)、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル[p−(ジメチルアミノ)安息香酸エチルなど]、N,N−ジメチルアミノ安息香酸アミル[p−(ジメチルアミノ)安息香酸アミルなど]などのジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン、4−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンなどのジアルキルアミノベンゾフェノンなど}などの慣用の光増感剤などが挙げられる。これらの光増感剤は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
光増感剤の使用量は、前記重合開始剤100重量部に対して、1〜200重量部、好ましくは5〜150重量部、さらに好ましくは10〜100重量部程度であってもよい。
また、前記硬化性組成物は溶媒を含んでいてもよい。溶媒としては、特に限定されず、前記エステル化反応において例示の溶媒の他、エステル類(例えば、酢酸エチルなど)などが例示できる。これらの溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。
さらに、前記硬化性組成物は、慣用の添加剤、例えば、着色剤、安定剤(熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、充填剤、帯電防止剤、難燃剤、界面活性剤、可塑剤などを含んでいてもよい。これらの添加剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
[硬化物]
本発明の硬化性組成物は、活性エネルギー(活性エネルギー線)を付与することで容易に硬化し、硬化物を生成する。前記活性化エネルギーは、熱エネルギー及び/又は光エネルギー(紫外線、X線、電子線など)が有用である。
熱エネルギーを利用する場合、加熱温度としては、例えば、50〜200℃、好ましくは60〜150℃、さらに好ましくは70〜120℃程度であってもよい。
また、光照射(例えば、紫外線照射)する場合、光照射エネルギー量は、用途に応じて適宜選択でき、例えば、50〜10000mJ/cm、好ましくは70〜8000mJ/cm、さらに好ましくは100〜5000mJ/cm(例えば、500〜3000mJ/cm)程度であってもよい。
硬化は、空気中又は不活性ガス雰囲気(例えば、窒素、希ガスなど)で行ってもよい。
前記硬化物は、ポリエステルポリ(メタ)アクリレートが所定のポリエステル構造を有しているためか、柔軟性に優れているとともに、フルオレン骨格に由来して高屈折率などの高い光学的特性も有している。
本発明のポリエステルポリ(メタ)アクリレート100重量部と、光重合開始剤としてのイルガキュア184(BASFジャパン(株)製)(3重量部)とを混合して硬化性組成物とし、紫外線照射(500mJ/cm)を4回繰り返し、調製した硬化物の屈折率(温度25℃、波長589nm)は、例えば、1.5〜1.75(例えば、1.55〜1.65)程度の範囲から選択でき、1.57〜1.70(例えば、1.57〜1.64)、好ましくは1.58〜1.68(例えば、1.58〜1.64)、さらに好ましくは1.6〜1.67(例えば、1.6〜1.63)程度であってもよく、1.61〜1.73(例えば、1.61〜1.62)、好ましくは1.62〜1.72(例えば、1.62〜1.665)、さらに好ましくは1.63〜1.70(例えば、1.64〜1.68)程度であってもよい。
前記硬化物のショアD硬度(JIS K 7215に準拠した測定方法)は、例えば、20〜80(例えば、25〜75)程度の範囲から選択でき、好ましくは30〜70(例えば、40〜67)、さらに好ましくは50〜65(例えば、60〜63)程度であってもよい。
また、示差走査熱量計(DSC)を使用して測定した前記硬化物のガラス転移温度(Tg)は、例えば、−60℃〜150℃(例えば、−60℃〜120℃)の範囲から選択でき、−40℃〜130℃(例えば、−40℃〜80℃)、好ましくは−20℃〜120℃(例えば、−20℃〜40℃)程度であってもよく、通常、10〜150℃(例えば、30〜130℃)、好ましくは40〜125℃(例えば、50〜120℃)、さらに好ましくは60〜120℃(例えば、70〜115℃)、特に、70〜120℃(例えば、80〜115℃)程度であってもよい。なお、環Z及びZが縮合多環式炭化水素環であるポリエステルポリ(メタ)アクリレートの硬化物は、高いガラス転移温度(Tg)、例えば、90〜130℃(例えば、95〜120℃)程度のTgを示す。このような高いガラス転移温度を示すにも拘わらず、硬化物は屈曲性又は柔軟性(可撓性)に富んでいる。
硬化物の形態は、一次元的構造の硬化物、二次元的構造の硬化物、例えば、硬化膜(例えば、フィルムなど)などであってもよく、三次元的構造の硬化物(例えば、レンズ、プリズムなど)であってもよい。
硬化物は、種々の方法で形成でき、その形成方法は特に限定されず、例えば、硬化膜は、前記硬化性組成物を基材又は基板[例えば、金属(アルミニウムなど)、セラミックス(シリコン、チタニア、ガラス、石英など)などの無機材料、プラスチック(ポリプロピレン、環状オレフィン系樹脂、ポリカーボネートなど)などの有機材料、木材などの多孔質体]に塗布して塗膜(又は薄膜)を形成し、硬化処理を施すことにより形成してもよい。また、三次構造の硬化物は、前記硬化性組成物を成形又は所定の型内に注型(注入)した後、硬化処理(加熱及び/又は光照射)して製造してもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、以下に、評価方法を示す。
(平均分子量、分子量分布、繰り返し単位数n)
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製、HLC−8120GPC)を用い、試料をクロロホルムに溶解させ、温度30℃(流速0.085mL/分)の条件で、ポリスチレン換算で、平均分子量及びその分子量分布を測定した。繰り返し単位数nは、得られたGPCチャートの面積比から算出した。
(ガラス転移温度(Tg))
示差走査熱量計(セイコーインスツル(株)製、DSC 6220)を用い、アルミパンに試料(硬化物)を入れ、50ml/分の窒素流下、10℃/分の昇温条件で、−50℃から200℃の範囲でTgを測定した。
なお、試料(硬化物)は、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート(100重量部)と、光重合開始剤としてのイルガキュア184(BASFジャパン(株)製)(3重量部)とを混合して硬化性組成物を調製し、この硬化性組成物の塗膜に紫外線(500mJ/cm)を4回繰り返し照射して硬化させ、試料としての硬化膜を調製した。
(屈折率)
多波長アッベ屈折計((株)アタゴ製、DR−M2<循環式恒温水槽60−C3>)を用いて、温度25℃、589nmでの屈折率を測定した。
(屈曲性又は柔軟性)
硬化膜を角度90°の端部に当てて90°の角度に曲げ、硬化膜に亀裂が生じるか否かを観察し、以下の基準で硬化膜の屈曲性又は柔軟性を評価した。
○:硬化膜に亀裂が生じない
×:硬化膜に亀裂が生じる
(実施例1)
(1)ポリエステルジオールの調製
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン(以下、BPEFという)(155ミリモル)と、9,9−ビス(2−カルボキシエチル)フルオレン(以下、FDPという)(103ミリモル)とを、トルエン(溶媒)(270mL)に溶解し、パラトルエンスルホン酸(触媒)(31ミリモル)を加え、窒素雰囲気下、反応温度115℃で、5時間反応させた。反応終了を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により確認した。
(2)ポリエステルジアクリレートの調製
得られたポリエステルジオール組成物に、アクリル酸(438ミリモル)を加え、メトキノン(重合禁止剤)(48ミリモルを加え、反応温度115℃で、6時間反応させた。反応終了を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により確認した後、反応液を中和後に水洗することで精製し、透明で粘稠なポリエステルジアクリレート48.5gを得た。
得られたポリエステルジアクリレートの重量平均分子量(Mw)は2317、分子量分布(Mw/Mn)は1.45、繰り返し単位数nの平均値は2.3、屈折率(25℃、波長589nm)は1.625であった。
(実施例2)
実施例1のステップ(1)でBPEFを168ミリモル使用し、実施例1のステップ(2)でアクリル酸を84ミリモル使用する以外、実施例1と同様にして、透明で粘稠なポリエステルジアクリレート49.7gを得た。
得られたポリエステルジアクリレートの重量平均分子量(Mw)は1579、分子量分布(Mw/Mn)は1.25、繰り返し単位数nの平均値は1.6、屈折率(25℃、波長589nm)は1.621であった。
(実施例3)
実施例1のステップ(1)でBPEFを177ミリモル使用し、実施例1のステップ(2)でアクリル酸を71ミリモル使用する以外、実施例1と同様にして、透明で粘稠なポリエステルジアクリレートを得た。
得られたポリエステルジアクリレートの重量平均分子量(Mw)は1582、分子量分布(Mw/Mn)は1.16、繰り返し単位数nの平均値は1.5、屈折率(25℃、波長589nm)は1.617であった。
(実施例4)
BPEF 1モルに対して、エチレンオキサイド9モルが付加した付加体(以下、BPEF−9EOという)を、特許文献3に記載の方法により調製した。
実施例1のステップ(1)でBPEFに代えてBPEF−9EOを90ミリモル、FDPを50ミリモル使用し、実施例1のステップ(2)でアクリル酸を110ミリモル使用する以外、実施例1と同様にして、透明で粘稠なポリエステルジアクリレートを得た。
得られたポリエステルジアクリレートの重量平均分子量(Mw)は4235、分子量分布(Mw/Mn)は1.93であった。
(実施例5)
実施例1のステップ(1)でBPEFに代えてBPEF−9EOを100ミリモル、FDPに代えてアジピン酸を56ミリモル使用し、実施例1のステップ(2)でアクリル酸を123ミリモル使用する以外、実施例1と同様にして、透明で粘稠なポリエステルジアクリレートを得た。
得られたポリエステルジアクリレートの重量平均分子量(Mw)は3968、分子量分布(Mw/Mn)は2.12であった。
(実施例6)
実施例1のステップ(1)でBPEFを100ミリモル用い、FDPに代えてアジピン酸55ミリモルを使用し、実施例1のステップ(2)でアクリル酸を123ミリモル使用する以外、実施例1と同様にして、透明で粘稠なポリエステルジアクリレートを得た。
得られたポリエステルジアクリレートの重量平均分子量(Mw)は1791、分子量分布(Mw/Mn)は2.22であった。
(実施例7)
(BNEFの合成)
1Lのセパラブルフラスコに、9−フルオレノン45g(0.25モル、大阪ガスケミカル(株)製)、エチレングリコールモノ(2−ナフチル)エーテル188g(1モル)、3−メルカプトプロピオン酸1gを投入し、60℃まで加温して完全に溶解させた。生成した混合物に、硫酸54gを徐々に投入して、60℃を維持しつつ5時間攪拌したところ、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)にて9−フルオレノンの転化率が99%以上であることを確認した。得られた反応液に48%水酸化ナトリウム水を投入して中和した後、キシレン400gを添加して蒸留水にて数回洗浄し、冷却し結晶を析出させた。さらに、ろ過して乾燥したところ、目的とする9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン(BNEF)87g(収率67%)を結晶として得た。得られた結晶のHPLC純度を測定したところ、純度が98.3%であった。得られた結晶は、H−NMR及びマススペクトルにより、9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン(BNEF)であることを確認した。
実施例1のステップ(1)でBPEF 155ミリモルに代えてBNEF 100ミリモルを用い、FDPを55ミリモル使用し、実施例1のステップ(2)でアクリル酸122ミリモルを使用する以外、実施例1と同様にして、透明で粘稠なポリエステルジアクリレートを得た。
得られたポリエステルジアクリレートの重量平均分子量(Mw)は2253、分子量分布(Mw/Mn)は2.23であった。
(実施例8)
実施例1のステップ(1)でBPEFを 155ミリモルに代えてBNEF 100ミリモルを用い、FDP 103ミリモルに代えてアジピン酸55ミリモルを使用し、実施例1のステップ(2)でアクリル酸122ミリモルを使用する以外、実施例1と同様にして、透明で粘稠なポリエステルジアクリレートを得た。
得られたポリエステルジアクリレートの重量平均分子量(Mw)は1759、分子量分布(Mw/Mn)は2.07であった。
(比較例1)
比較例として、9,9−ビス(4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル)フルオレン[屈折率(25℃、波長589nm)1.616]を用いた。
評価結果を以下の表1に示す。
Figure 2016079405
表1に示したように、屈曲性又は可撓性に富み、高屈折率の新規なポリエステルポリ(メタ)アクリレートが得られた。
本発明のポリエステルポリ(メタ)アクリレートは、高屈折率、柔軟性などの特性に優れているため、種々の用途、例えば、発光材料(例えば、有機EL用発光材料など)、有機半導体、黒鉛化前駆体、ガス分離膜(例えば、COガス分離膜など)、インク材料、塗料、印刷インキ、コーティング剤(例えば、LED(発光ダイオード)用素子のコート剤などの光学用オーバーコート剤又はハードコート剤など)、レンズ[ピックアップレンズ(例えば、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)用ピックアップレンズなど)、マイクロレンズ(例えば、液晶プロジェクター用マイクロレンズなど)、眼鏡レンズなど]、偏光膜(例えば、液晶ディスプレイ用偏光膜など)、反射防止フィルム(又は反射防止膜、例えば、表示デバイス用反射防止フィルムなど)、タッチパネル用フィルム、フレキシブル基板用フィルム、ディスプレイ用フィルム[例えば、PDP(プラズマディスプレイ)、LCD(液晶ディスプレイ)、VFD(真空蛍光ディスプレイ)、SED(表面伝導型電子放出素子ディスプレイ)、FED(電界放出ディスプレイ)、NED(ナノ・エミッシブ・ディスプレイ)、ブラウン管、電子ペーパーなどのディスプレイ(特に薄型ディスプレイ)用フィルム(フィルタ、保護フィルムなど)など]、燃料電池用膜、光ファイバー、光導波路、ホログラム、UV硬化型CFRP、パワー半導体封止などの幅広い用途に好適に使用できる。特に、本発明のポリエステルポリ(メタ)アクリレートは、光学材料として好適に利用でき、このような光学材料の形状としては、例えば、フィルム又はシート状、板状、レンズ状、管状などが挙げられる。

Claims (14)

  1. 下記式(1-1)
    Figure 2016079405
    (式中、R1a及びR1bはそれぞれ水素原子又はメチル基、nは1以上の整数、A及びBはそれぞれジオール成分(A)及びジカルボン酸成分(B)の残基を示す)
    で表されるポリエステルポリ(メタ)アクリレートであって、ジオール成分(A)及びジカルボン酸成分(B)のうち少なくとも一方の成分が、フルオレン骨格を有する、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート。
  2. ジオール成分(A)が、少なくとも下記式(2-1)で表されるジオール成分(A1)を含む請求項1記載のポリエステルポリ(メタ)アクリレート。
    Figure 2016079405
    (式中、Z及びZはそれぞれ芳香族炭化水素環、R2a及びR2bはそれぞれアルキレン基、m1及びm2はそれぞれ0以上の整数、R3a及びR3bはそれぞれ反応に不活性な置換基、p1及びp2はそれぞれ0以上の整数、R4a及びR4bはそれぞれ反応に不活性な置換基、k1及びk2はそれぞれ0〜4の整数を示す)。
  3. 式(2-1)において、
    及びZがC6−14芳香族炭化水素環であり、
    2a及びR2bが直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基であり、
    m1及びm2が0〜10の整数であり、
    3a及びR3bがアルキル基であり、
    p1及びp2が0〜4の整数
    である請求項2記載のポリエステルポリ(メタ)アクリレート。
  4. 式(2-1)において、
    及びZがベンゼン環、ナフタレン環及びビフェニル環から選択された芳香族炭化水素環であり、
    2a及びR2bが直鎖状又は分岐鎖状C2−6アルキレン基であり、
    m1及びm2が0〜5の整数であり、
    3a及びR3bがメチル基であり、
    p1及びp2が0〜2の整数
    である請求項2又は3記載のポリエステルポリ(メタ)アクリレート。
  5. ジオール成分(A)が、さらに、脂肪族ジオール成分(A2-1)、脂環族ジオール成分(A2-2)及び芳香族ジオール成分(A2-3)から選択された少なくとも1つのジオール成分(A2)を含む請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステルポリ(メタ)アクリレート。
  6. ジカルボン酸成分(B)が、脂肪族ジカルボン酸成分(B2-1)、脂環族ジカルボン酸成分(B2-2)及び芳香族ジカルボン酸成分(B2-3)から選択された少なくとも一種のジカルボン酸成分を含み、前記芳香族ジカルボン酸成分(B2-3)がフルオレン骨格を有するジカルボン酸成分(B1)を含み、
    前記ジカルボン酸成分(B1)が、下記式(3-1)で表されるジカルボン酸、下記式(3-2)で表されるジカルボン酸及びそれらのエステル形成性誘導体から選択された少なくとも一種を含む請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステルポリ(メタ)アクリレート。
    Figure 2016079405
    (式中、X1a及びX1bはそれぞれ置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、qは0〜4の整数を示し、R4a及びR4b、k1及びk2は前記に同じ)。
  7. ジカルボン酸成分(B)が、前記式(3-1)において、X1aが直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキレン基であるジカルボン酸、C2−12アルカン−ジカルボン酸、C5−10シクロアルカン−ジカルボン酸、C6−24アレーン−ジカルボン酸及びそれらのエステル形成性誘導体から選択された少なくとも一種ジカルボン酸成分を含む請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステルポリ(メタ)アクリレート。
  8. フルオレン骨格を有するジカルボン酸成分(B1)又は他のジカルボン酸成分(B2)の使用量が、全ジカルボン酸成分(B)に対して、50〜100モル%である請求項1〜7のいずれかに記載のポリエステルポリ(メタ)アクリレート。
  9. 前記式(1-1)において、繰り返し単位数nが1〜10である請求項1〜8のいずれかに記載のポリエステルポリ(メタ)アクリレート。
  10. フルオレン骨格を有するジオール成分(A1)及びフルオレン骨格を有するジカルボン酸成分(B1)の残基の総量が、ジオール成分(A)及びジカルボン酸成分(B)の残基の合計量に対して50モル%以上である請求項1〜9のいずれかに記載のポリエステルポリ(メタ)アクリレート。
  11. 下記式(1-2)
    Figure 2016079405
    (式中、n、A及びBは請求項1の記載に同じ)
    で表されるポリエステルポリオールであって、ジオール成分(A)及びジカルボン酸成分(B)のうち少なくとも一方の成分が、フルオレン骨格を有するポリエステルポリオール。
  12. ジオール成分(A)と、ジカルボン酸成分(B)とを反応させて末端にヒドロキシル基を有するポリエステルを生成させ、生成したポリエステルと、(メタ)アクリル酸又はそのエステル形成性誘導体とを反応させ、請求項1〜10のいずれかに記載のポリエステルポリ(メタ)アクリレートを製造する方法。
  13. 請求項1〜10のいずれかに記載のポリエステルポリ(メタ)アクリレートを含む硬化性組成物。
  14. 請求項13記載の硬化性組成物が硬化した硬化物。
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