以下、図面を用いて、本発明の錠剤供給システム(図1)について説明する。
まず、図1について説明する。
図1は、包装装置5と錠剤供給装置10を含む錠剤供給システム(分包システム)を示す図である。
図1は、錠剤供給装置10、及び錠剤供給装置10から供給された錠剤を包装する包装装置5を含む錠剤供給システムを示す図である。
1は、錠剤取出ユニットであり、錠剤シートから錠剤を取り出すユニットである。
錠剤取出ユニット1は、錠剤シートに収容されている錠剤の取出しを行う錠剤取出し手段の適用例である。
錠剤シートは、一般的にPTPシートと呼ばれており、錠剤シートのことをPTPシートとも言う。
錠剤供給装置10には複数の錠剤取出ユニット1が収納されている。錠剤取出ユニット1は、本発明の錠剤取出し装置の適用例である。錠剤取出ユニット1は、幅方向(左右方向)に6つが並べられ、この6つの錠剤取出ユニット1からなる組が上下に3段に配置されている。すなわち、錠剤取出ユニット1は、左右6列、上下3段に配列されている。
錠剤供給装置10は複数の錠剤取出ユニット1を備えているが、錠剤取出ユニット1の数は1でもよい。
5は、包装装置であり、錠剤供給装置10の錠剤取出ユニット1から供給された錠剤を包装する装置である。
103は、散薬投入部であり、分包される散薬が投入される部である。また、散薬投入部103に投入された散薬を投薬1回分に分けられて、分けられた1回分の散薬を後述するメインホッパー505に入れられ、1回分ずつに分包される。
10は、錠剤供給装置であり、1または複数の錠剤取出ユニット1と、錠剤取出ユニット1で取り出された錠剤を供給する錠剤供給ユニット400とを備えている。
錠剤供給装置10は、錠剤取出ユニット1により錠剤シート(PTPシート)から錠剤を取り出して、錠剤供給ユニット400の供給経路を経て、包装装置5に供給する。錠剤供給装置10は、図1に示す通り、複数の錠剤取出ユニット1を備えている。
錠剤供給装置10は、1又は複数の錠剤を、それぞれ錠剤収容部に封入された錠剤シート(PTPシート)から錠剤を取り出して供給する。
次に、図2を用いて、錠剤供給装置10について説明する。
図2は、錠剤供給装置10を示す図である。
図2は、錠剤供給装置10を正面側から見た図である。
203は、錠剤シートを錠剤取出ユニット1に投入する投入口である。
図2に示すように、錠剤供給装置10に取り付けられた各錠剤取出ユニット(錠剤取出し装置)には、ランプなどの表示機構205を備えている。
このように、それぞれの錠剤取出し装置にそれぞれ対応した表示機構205を備えている。
そのため、錠剤取出ユニットにおいてユーザに報知する必要のある現象(エラー等)が発生した場合に、当該錠剤取出ユニットに対応する表示機構205が点灯(表示)するため、ユーザは、どの錠剤取出ユニットを確認しなければならないかを一目で分かるようになる。
次に、図3を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。
図3は、錠剤取出ユニット1の内部構造を示す図である。
図3は、錠剤取出ユニット1を正面側から見た図である。
なお、図3は、錠剤取出ユニット1が、2つ並んでいる図を示している。
錠剤取出ユニット1は、錠剤シート51を搬送する搬送機構と、搬送機構により搬送された錠剤シート51が載置される載置台と、載置台上の錠剤シート51の錠剤収容部を押圧して錠剤を取り出す押出し機構とを有している。
錠剤シート51(PTPシートとも言う)は、錠剤を収容する錠剤収容部を有するシート本体の下面に、アルミニウム等からなる金属箔などを用いた封止シートを設けることによって錠剤が錠剤収容部(ポケット)に密封されたものである。
錠剤シート51は、シート部上に凸状の錠剤収容部が幅方向に間隔をおいて2列に並んだ形態である。各列をなす複数の錠剤収容部は錠剤シート51の長さ方向に沿って並んでいる。
なお、錠剤シート51としては、シート部上に錠剤収容部が2列に並んだ形態のものに限らず、錠剤収容部が錠剤シート51の長さ方向に1列に並んだ形態や、錠剤収容部が幅方向に間隔をおいて3列以上の複数列に並んだ形態も可能である。
図3に示すように、錠剤シート51の投入口203には、複数枚の錠剤シート51が上下方向に積み重なってセットされている。そして、最も下側の錠剤シート51から先に、下部ローラにより搬送されて当該錠剤シート51の錠剤から取り出されることとなる。最も下側の錠剤シート51が先に搬送されると、当該搬送された錠剤シート51の上に積み重なっていた錠剤シート51が下に落ちて、当該落ちてきた錠剤シート51が次の搬送対象となる。
ここで、さらに、図4を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。
図4は、錠剤取出ユニット1の内部構造(断面)を示す図である。
図4は、錠剤シートの投入口203にPTPシートをセットし、PTPシートを除包位置(錠剤の取出位置)まで搬送を行った際の図である。
錠剤取出ユニット1は、錠剤シートを搬送する錠剤シート搬送機構(搬送機構)と、錠剤シートが載置される載置台18と、錠剤シートから錠剤を取り出す錠剤取出機構(押出し機構)とを備えている。
錠剤シート搬送機構(搬送機構)は、錠剤シートを搬送する搬送手段の適用例である。
39は、下部ローラである。
錠剤シート搬送機構は、錠剤シート51を進行方向に向けて搬送するものであって、進行方向に互いに間隔をおいて設けられた下部ローラ39と、進行方向に互いに間隔をおいて設けられた上部ローラとを備えている。
搬送機構は、錠剤収容部の押圧を継続する前に載置台18上の押圧される位置から所定の距離だけ錠剤シート51をさらに搬送し、押出し機構が、錠剤収容部の押圧を継続(リトライ)する。
下部ローラ39は、駆動源により回転駆動可能であり、PTPシート部の下面に当接して錠剤シート51に進行方法への力を加えることができる。
上部ローラは、駆動源により回転駆動可能であり、PTPシート部の上面に当接して錠剤シート51に進行方向への力を加えることができる。
上部ローラの幅方向の位置は、2列の錠剤収容部の間に相当する位置であるため、上部ローラは錠剤収容部52に当接することはない。
下部ローラ39と上部ローラは、錠剤シート部を上下から挟み込んで錠剤シートを進行方向に搬送できる。さらに、下部ローラ39と上部ローラは錠剤シート部を上下から挟み込んで錠剤シート51を進行方向とは逆の方向にも搬送できる。
24は、導入シュートである。
導入シュート24は、載置台の下面側に設けられており、錠剤シート51から取り出された錠剤を、後述する錠剤導入路401に導くものである。すなわち、導入シュート24は、載置台の下面側に排出口を有しており、錠剤シート51から取り出された錠剤はその排出口を通り、後述する錠剤導入路401に落ちていく。
なお、この導入シュート24は、錠剤取出しホッパーとも言う。
錠剤取出ユニット1は、載置台18上の錠剤シート51の錠剤収容部を押圧する速度を変更させる変更機構をさらに有している。
押出し機構は、より高速に変更された速度で錠剤収容部の押圧を継続(リトライ)する。
押出し機構は、錠剤収容部の中央付近を押圧する内側押圧体83と、中央付近よりも外側の部分を押圧する外側押圧体84とを含んでいる。
内側押圧体83と外側押圧体84とが独立して動作することでPTPシートの錠剤収容部を押圧して、PTPシートから錠剤を取り出す。
押出し機構は、内側押圧体83よりも先に外側押圧体84により錠剤収容部を押圧させる。
内側押圧体83の先端は、ほとんどの錠剤シート51の錠剤収容部よりも面積が狭いので、内側押圧体83は錠剤を取り出す場合(下降した場合)に、錠剤シートに開いた穴から先端が突き出る。
外側押圧体84の先端は、ほとんどの錠剤シート51の錠剤収容部よりも面積が広いので、錠剤を取り出す場合(下降した場合)に、錠剤シート51に開いた穴から先端が突き出ない。つまり、錠剤シート51の錠剤収容部を押し潰すためのものである。
錠剤取出機構(押出し機構)は、外側押圧体84を昇降させる第1昇降機構と、内側押圧体83を昇降させる第2昇降機構とを有する。
第1昇降機構は、外側押圧体84が取り付けられた第1昇降体93と、回転駆動して第1昇降体93を昇降させるカム94と、第1昇降体93を上昇方向に付勢する付勢部材(ばね)とを備えている。
第1昇降体93は、前後方向にわたって延在する柱状体であり、前端部に外側押圧体84が取り付けられている。カム94は、外側押圧体84の昇降動作を考慮して設計された形状の板状体であり、駆動機構によって回転駆動する軸部に固定されている。
カム94は、第1昇降体93の上面側に設けられ、軸部の回転に伴って回転駆動し、第1昇降体93を押圧することによって高さ位置を調整し、これによって外側押圧体84の高さ位置を調整する(外側押圧体84の昇降動作を行う)ことができる。第1昇降機構は、カムの回転動作のタイミング、カムの形状、軸部に対するカムの固定位置などの設定によって、外側押圧体84の昇降動作のタイミングや変位量を任意に設定できる。
第2昇降機構は、内側押圧体83が取り付けられた第2昇降体98と、回転駆動して第2昇降体98を昇降させるカム99と、第2昇降体98を上昇方向に付勢する付勢部材(ばね)とを備えている。
第2昇降体98は、前後方向にわたって延在する柱状体であり、前端部に内側押圧体83が取り付けられている。カム99は、第2昇降体98の上面側に設けられ、軸部の回転に伴って回転駆動し、第2昇降体98を押圧して高さ位置を調整し、これによって内側押圧体83の高さ位置を調整する(内側押圧体83の昇降動作を行う)ことができる。第2昇降機構は、カム99の回転動作のタイミング、カムの形状、軸部に対するカムの固定位置などの設定によって、内側押圧体83の昇降動作のタイミングや変位量を任意に設定できる。
このため、カム94とカム99は、それぞれ第1昇降体と第2昇降体に対して互いに独立に動作可能であり、内側押圧体83と外側押圧体84は、互いに独立に昇降動作させることができる。
錠剤取出機構における2つのカムの回転動作のタイミング等は、錠剤位置検出機構の検出部からの信号に基づいて定めることができる。具体的には、検出された錠剤収容部の位置に合わせて内側押圧体83と外側押圧体84を動作させることができる。
錠剤取出ユニット1は、PTPシートの錠剤収容部の押圧をする前に、押圧される錠剤収容部の長さを検出する検出機構17をさらに有している。
錠剤供給装置は、検出した錠剤収容部の長さに基づいて所定の距離を算出する算出手段をさらに有している。
検出機構17は、押圧される錠剤収容部の長さを検出するとともに押圧される錠剤収容部の位置をさらに検知する。
錠剤供給装置10は、検知されたPTPシートの錠剤収容部の長さに基づいて、押圧される位置までの搬送距離を算出する算出手段をさらに有する。
搬送機構(下部ローラ39、上部ローラ)は、搬送距離により載置台18上の錠剤収容部が押圧される位置まで錠剤シートを搬送する。
搬送機構は、所定の距離だけ前方または後方に錠剤シート51を搬送する。
次に、図5を用いて、錠剤供給装置10の内部構造について説明する。
図5は、錠剤供給装置10の内部構造を示す図である。
なお、図5は、錠剤供給装置10を背面側(裏側)から見た図である。
204は、光学センサ(ビームセンサ)であり、落下物を検知するものである。除包された錠剤が導入シュート24内を落下する際、除包された錠剤がビームセンサ上を通過し、ビームセンサを遮光する。このビームセンサが遮光された状態をON状態とし、遮光されていない状態をOFF状態とする。このON/OFF状態を用いて落下物の有無の判定を行う。錠剤落下検出機構は、落下センサ204(光学センサ)と落下錠剤カウンタとを有する。
錠剤供給装置10は、押圧により錠剤収容部から錠剤が取り出されたか否かを判定するべく、取り出された錠剤を検知する検知機構(落下センサ204)を有している。
押出し機構は、取り出された錠剤が検知されない場合には錠剤収容部の押圧を継続(リトライ)し、取り出された錠剤が検知された場合には錠剤収容部の押圧を継続(リトライ)しない。
401は、錠剤導入路である。
錠剤導入路401は、導入シュート24と導通しており、錠剤シートから取り出され落下した錠剤を導入シュート24から第1集積ホッパーに中継する。
次に、図6を用いて、錠剤供給ユニット400の内部構造について説明する。
図6は、錠剤供給ユニット400の内部構造を示す図である。
402は、第1集積ホッパーである。
第1集積ホッパー402は、錠剤取出ユニット1により、PTPシートから取り出された錠剤が導入シュート24を落下して通り、そして、導入シュート24から錠剤導入路401を通り、該錠剤が集積される部である。
すなわち、錠剤導入路401は、第1集積ホッパー402と直接、導通している。
501は、第2集積ホッパーである。第2集積ホッパー501は、第1集積ホッパー402で集積された錠剤をさらに集積する。
すなわち、第2集積ホッパー501は、第1集積ホッパー402と導通している。
そのため、第1集積ホッパー402に落ちてきた錠剤50は、第2集積ホッパー501に落ちて集積される。
502は、第1の送り出し機構である。第1の送り出し機構502は、第2集積ホッパーに集積された錠剤50を第3の集積ホッパーに移動させる。
503は、第3集積ホッパーである。第3集積ホッパー503は、第1の送り出し機構502により送り出(移動)された錠剤を集積する。
504は、第2の送り出し機構である。第2の送り出し機構504は、第3集積ホッパーに集積された錠剤をメインホッパー505に移動させる。
505は、メインホッパーである。メインホッパー505は、第2の送り出し機構504により送り出(移動)された錠剤(1回分)を集積し、包装シート(分包紙)の中に集積された錠剤を投入する。
ここで、第1集積ホッパーは、本発明の第1の供給部の適用例であり、第2集積ホッパーは、本発明の第2の供給部の適用例である。また、第1、第2、第3の集積ホッパーは、本発明の供給部の適用例である。また、供給部は、前記錠剤取出し装置から、重力方向に向けて配置されている。
次に、図7、図8を用いて、包装ユニット701の内部構造について説明する。
図7は、包装ユニット701の内部構造を示す図である。
図8は、図7に示す包装ユニット701の内部構造の一部(703、704、705)を拡大した図である。
包装ユニット701は、包装装置5内のユニットである。
702は、包装シートが連なるロール紙(分包紙(包装シート)がロール状になっている紙)を包装機構に送り出すロール紙送出機構である。
703は、メインホッパー505内に集積された錠剤(1回分の錠剤803)が包装シートの中に投入され、当該包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する(包装機構)。
704は、メインホッパー505内に集積された錠剤が包装シートの中に投入され、当該包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する(包装機構)。
すなわち、包装機構703と、包装機構704とで、包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する。
705は、連なるロール紙を1包毎の包装シート(1つの包み802)に分断するための分断用ミシン目801を包装シートに形成する。(分断機構)
706はプリンタであり、包装シートに、日付、患者データ、エラー情報を印字する(印字機構)。
図7、図8に示すように、包装ユニットにより、投薬1回分の錠剤が分包される。
次に、図9を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。
図9は、錠剤取出ユニット1の内部構造を示す図である。
901は、錠剤シートの投入口203のカバーである。
カバー901を開けることにより、錠剤シート51を投入口203に入れることが出来るようになる。
また、図9に示す24は、導入シュートであり、既に、図4などを用いて説明しているため、ここでは説明を省略する。
次に、図10を用いて、錠剤供給装置10について説明する。
図10は、錠剤供給装置10を正面から見た図である。
図10に示す1は、図1にも示している通り、錠剤取出ユニットである。
錠剤取出ユニット1で、PTPシートから取り出された錠剤は、導入シュート24を通り、そして、錠剤導入路401を通り、第1集積ホッパー402に落ちていく。
次に、図11を用いて、錠剤供給装置10の錠剤供給ユニット400が備える各構成について説明する。
図11は、錠剤供給装置10を横(正面から見て右側)から見た図である。
図10でも説明したが、錠剤取出ユニット1で、PTPシートから取り出された錠剤は、導入シュート24、錠剤導入路を通り、第1集積ホッパー402内に落ちてくる。
そして、第1集積ホッパー402を通った錠剤は、第2集積ホッパー501を通り、第1の送り出し機構502に送られる。第1の送り出し機構は、第1の中継ユニットである。
そして、第1の送り出し機構502は、錠剤を第3集積ホッパー503に送り、第3集積ホッパー503は、第2の送り出し機構504に錠剤を送る。第2の送り出し機構504は、第2の中継ユニットである。
第2の送り出し機構504は、第2の送り出し機構504に送られた錠剤を、メインホッパー505に送る。
次に、図12を用いて、錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤がどのように、導入シュート24、錠剤導入路401、第1集積ホッパー402を通るかについて説明する。
図12は、図10に示した錠剤供給装置10の一部を抜粋した図である。すなわち、図10に示す錠剤取出ユニット1を2段分削除した図が、図12である。
図12に示す点線の矢印1201は、錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤の移動経路を示している。
また、図12に示す通り、第1集積ホッパー402の左側の導管、及び真ん中の導管の幅は、直径が78mmである。
次に、図13を用いて、錠剤供給装置10の錠剤供給ユニット400が備える各構成について説明する。
図13は、錠剤供給装置10の内部を横(正面から見て右側)から見た図である。
図13に示す点線の矢印1201は、錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤の移動経路を示している。
最上段の錠剤取出ユニット1の導入シュート24の出口から、第1の傾斜部1401までの距離は、約460mmであり、中段の錠剤取出ユニット1の導入シュート24の出口から、第1の傾斜部1401までの距離は、約265mmである。
また、第1集積ホッパー402の長さは、約362mmである。すなわち、最下段の錠剤取出ユニット1の導入シュート24の出口から、第2集積ホッパー501までの距離は、約362mmである。
各段の錠剤取出ユニット1で、PTPシートから錠剤が取り出されると、錠剤は、導入シュート24を通り、導入シュート24の出口から、錠剤導入路401を通り、そして、第1集積ホッパー402に入り、第2集積ホッパー501に集積される。
この時、錠剤供給装置10全体の分包時間を短縮させることを考慮すると、導入シュート24(錠剤取り出しホッパー)出口から、まっすぐ下に垂直落下させ、第2集積ホッパー下部に収めることが考えられる。
しかしながら、最上段の錠剤取出ユニット1で取り出された錠剤を、導入シュート24(錠剤取り出しホッパー)出口から、まっすぐ下に垂直落下させ、第2集積ホッパー下部に収めると、約876mmもあるため、錠剤が割れたり、欠けたりして破損してしまう可能性が高くなる。また、PTPシートから取り出される薬が、カプセルの場合は凹んだりして変形をしてしまう可能性が高くなる。
このように、本実施形態の錠剤供給装置10は、錠剤取出ユニット1が複数積み上げられて使用できるようになっているため、特に最上段の錠剤取出ユニット1から錠剤が落下する場合には、導入シュート24(錠剤取り出しホッパー)出口から第2集積ホッパーまでの距離が非常に長くなり、PTPシートから取り出される錠剤、又はカプセルが、破損してしまう可能性が高くなってしまう。
そこで、第1集積ホッパー402の上部に、分包時間を余りロスしない程度に錠剤をバウンドさせる第1の傾斜部1401を設ける。すなわち、第1集積ホッパー402の上部の一部をオフセットさせる。
本実施の形態では、重力方向から約32°の傾斜を有する第1の傾斜部1401としている。
また、第2集積ホッパー501においても、第1集積ホッパー402から第2集積ホッパー501の下部にダイレクトに錠剤が到達しないように、第2集積ホッパー501も分包時間を余りロスしない程度に錠剤をバウンドさせる第2の傾斜部を設けている。
本実施の形態においては、第2の傾斜部は、水平方向より約40°の傾斜としている。
ここで、第1の傾斜部1401、第2の傾斜部の角度は、例として、それぞれ、約32°、約40°としているが、落下してくる錠剤がバウントして(落下スピードを落として)、その後の経路に移動可能な角度(次の供給部に落下により供給可能な角度の傾斜)であれば、どのような角度であってもよい。
このように、第1集積ホッパー402に、第1の傾斜部1401を備え、第2集積ホッパー501に第2の傾斜部を備えることにより、錠剤取出ユニット1の導入シュート24(錠剤取り出しホッパー)出口から、第2集積ホッパー501の下部までダイレクトに錠剤を落下させず、錠剤の落下向きを変えつつ錠剤が破損、変形しない程度のクッションを与えることができる。その結果、落下してくる錠剤が第2集積ホッパー501の下部に到達した時の衝撃を和らげることができ、錠剤が破損、変形する可能性を低減させることが出来るようになる。
第1の傾斜部は、錠剤取出し装置から落下してきた錠剤が接触する位置に設けられており、第2の傾斜部は、第1の傾斜部に接触した錠剤がさらに落下して接触する位置に設けられている。
また、第1の傾斜部1401、第2の傾斜部に、ゴムなどの、衝撃を吸収する材料(衝撃吸収材)を更に設けることにより、錠剤の衝撃をさらに抑えることが可能となる。
次に、図14、図15、図16を用いて、錠剤シート51の搬送と、錠剤が取り出された錠剤シート51の排出プロセスについて、説明する。
図14、図15、図16は、それぞれ、錠剤取出ユニット1の内部構造を示す断面傾斜図である。
図14、図15、図16の39は、下部ローラであり、錠剤シート51を搬送するものである。
図14、図15、図16の99、94は、カムであり、100°ずらして配置し回転することによって、第1昇降体93、第2昇降体98をそれぞれ独立したタイミング上下運動させるためのものである。
錠剤取出ユニット1の内部構造については、既に、図4を用いて説明しているように、図14、図15、図16の84は、外側押圧体であり、PTPシートのアルミ箔を破る為のものである。また、図14、図15、図16の83は、押し出し板であり、PTPシートのポケットから錠剤を取り出す為のものである。
図14、図15、図16に示す1401は、多重搬送防止板であり、複数枚積まれたPTPシートを複数枚、搬送しないようにする為のものである。
図14、図15、図16に示す1402は、PTPシート排出ガイド部であり、除包後のPTPシートを、排出路1601に排出するためのブロックである。
この除包後のPTPシートは、排出路1601を通して、排出路1601(垂直排出経路2401、排出スロープ2402)と導通している排出BOX(排出ポケット2403)に集積される。排出ポケット2403は、排出BOXや排出ボックスとも言う。
PTPシート排出ガイド部は、本発明の排出ガイド部の適用例である。
PTPシート排出ガイド部は、錠剤取出し装置から排出される錠剤シートが接触する位置に逆R形状部が設けられている。
図14に示すように投入口203にセットされたPTPシートが、図15に示すように下部ローラ39、上部ローラにより搬送され、PTPシートから錠剤が取り出され、図16に示すように、錠剤が取り出されたPTPシートが排出路1601に排出される。
排出路1601は、錠剤供給装置10の後ろ側に配置されており、錠剤供給装置10を小型化するために、排出路1601の奥行は、PTPシートの長さよりも狭くなっている。また、PTPシートは、プラスチックで構成されており、硬いため、錠剤取出ユニット1の、錠剤が取り出されたPTPシートが排出される口に、何も設けなければ、PTPシートが排出路1601にあたって、引っかかってしまい、錠剤が取り出されたPTPシートが排出路1601に詰まってしまうおそれがある。そこで、本実施の形態では、錠剤が取り出されたPTPシートが排出路1601に引っかからないように、錠剤供給装置10の、錠剤が取り出されたPTPシートが排出される口(錠剤が取り出された錠剤シートが錠剤取出し装置から排出される排出口)に、PTPシートが重力方向に曲がるように、PTPシート排出ガイド部を設けている。
図16は、PTPシート排出ガイド部の逆R形状部に、錠剤が取り出されたPTPシートの配送方向の先端があたり、PTPシート排出ガイド部の形状に従って、PTPシートが下方向へと搬送されている様子を示している。
PTPシート排出ガイド部は、PTPシートを重力方向に倒しこむ働きがあり、特に倒しこむ部分(PTPシートの配送方向の先端があたる部分)に逆R形状にすることで、PTPシートにかかる負荷を最小限に抑えることができる。また、重力方向に倒しこむ際に問題となる、PTPシート排出ガイド部での搬送時のPTPシートの引っかかりを減らすことができる。
図17は、図1に示す分包システムの構成図である。
図17に示すように、錠剤取出し装置10には、錠剤取出し装置を制御するためのCPU1701を備えている。また、包装装置5は、包装装置5を制御するためのCPU1702を備えている。また、包装装置5には、タッチパネルのディスプレイ1703を備えており、当該ディスプレイ(表示装置)を介して各種設定情報を設定することが可能である。
包装装置5のCPU1702は、各錠剤取り出し装置、分包システムに搭載している各動作制御を行っている。
また、錠剤取出し装置10、及び包装装置5には、それぞれメモリを備えており、当該それぞれのメモリに記憶されたプログラムによって、錠剤取出し装置10、及び包装装置5の動作処理をそれぞれ実行している。
また、図17に示すように、錠剤取出し装置10と、及び包装装置5とは、相互に通信可能に接続されている。
図18は、包装装置5のCPU1702から、錠剤取出し装置10のCPU1701への動作命令の一部をまとめた表である。
1801は、錠剤取り出し装置番号、錠剤取り出し数をパラメータとして含む、錠剤取出し装置への錠剤取出し動作命令であって、当該錠剤取出し動作命令を受けた錠剤取出し装置10は、当該命令にパラメータとして含まれる錠剤取出し数の錠剤数を取り出す動作を開始する。
1802は、錠剤取り出し装置番号をパラメータとして含む、PTPシートガイド幅調整動作命令である。当該PTPシートガイド幅調整動作命令を受信した錠剤取出し装置10は、PTPシートガイド303(図20)、304(図21)をPTPシートが設置されている方向に動かすことで、PTPシートの幅にPTPシートガイドを合わせる動作を行う。
1803は、錠剤取り出し装置番号をパラメータとして含むPTPシート排出動作命令である。当該PTPシート排出動作命令を受信した錠剤取出し装置10は、PTPシートを手前(投入口の方向)または奥側(廃棄ボックスに導通している排出路の方向)に排出する。
1804は、エラー解除命令である。当該エラー解除命令を受信した錠剤取出し装置10は、PTPシートの不足によるエラーを解除する処理を行う。
図19は、錠剤取出し装置のCPU1701の状態遷移図、及び各状態の説明表である。
図19に示す1901は、錠剤取出し装置10の状態遷移図である。
また、図19に示す1902は、錠剤取出し装置10の各状態の説明表である。
図19に示す各状態は、錠剤取出し装置10が、包装装置5からの各命令を受けて動作を行う状態である。
錠剤取出し装置10は、所定時間(例えば、100ミリ秒)の間隔で、包装装置5に対して状態の問い合わせを行っている。
S1901は、錠剤取出し装置10が待機状態であることを示している。
錠剤取出し装置10は、包装装置5から、PTPシート排出動作命令1803を受けると、錠剤取出し動作を行っているPTPシートを排出する動作を行う(S1902)。そして、PTPシートの排出が完了すると、S1901に戻り、包装装置5からの各命令(各指示)を待つ。
また、錠剤取出し装置10は、包装装置5から、PTPシートガイド幅調整動作命令1802を受けると、PTPシートガイドの幅を調整する動作を行う(S1903)。そして、PTPシートガイドの幅を調整し終わると、S1901に戻り、包装装置5からの各命令(各指示)を待つ。
また、錠剤取出し装置10は、包装装置5から、錠剤取り出し動作命令1801を受けると、錠剤取り出し動作命令1801に含まれている錠剤取出し数(所定数)分の錠剤をPTPシートから取り出す(S1904)。そして、当該所定数の錠剤の錠剤取出しが完了すると、S1901に戻り、包装装置5からの各命令(各指示)を待つ。
また、錠剤取出し装置10は、当該所定数の錠剤の錠剤取り出し動作中にPTPシートが検出できなくなると、すなわち、当該所定数の錠剤をPTPシートから取り出せずに、PTPシートが無くなると、錠剤取り出し動作中にPTPシートが検出できなくなったことを示すエラーを出力(表示)する(S1905)。そして、錠剤取出し装置10は、包装装置5からのエラー解除命令1804を受けると、S1901に戻り、包装装置5からの各命令(各指示)を待つ。
図20は、錠剤取り出し装置が備えるPTPシート幅検出センサ2001の位置を説明するための錠剤取り出し装置の断面傾斜図である。
2001は、PTPシート、及びPTPシートの幅を検出するPTPシート幅検出センサ2001である。
303は、PTPシートガイドである。
51は、PTPシートである。PTPシートには、図20に示すように錠剤を収容するポケット(収容部)があり、PTPシート底面のアルミ箔により、錠剤がポケットに収容されている。図20は、PTPシートがPTPシートの投入口にセット(投入)されている状態を示している。
図21は、錠剤取り出し装置10における、PTPシートが投入されている投入口を上から見た図である。
図21の2001は、PTPシート幅検出センサである。
PTPシート幅検出センサ2001は、PTPシートの投入口の左右に設けられている。
図21の303は、PTPシートガイド(左側)であり、304は、PTPシートガイド(右側)である。
PTPシートが投入口に投入され、PTPシートガイドが左右に動作し、PTPシートガイドがPTPシートの幅に対して正しく調整された状態では、PTPシート幅検出センサ2001は、左右共にPTPシートガイドに向けて押し込まれ、PTPシートを検出することができ、投入口にセットされているPTPシートの幅を検出することができる。
図22は、包装装置5からのPTPシートガイド幅調整動作命令1802により錠剤取出し装置のCPUが実行するPTPシートガイド幅調整動作のフローチャートである。
図22に示すフローチャートの各ステップの処理は、錠剤取出し装置のメモリに記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
まず、錠剤取出し装置10は、包装装置5から、PTPシートガイド幅調整動作命令1802を受信すると、PTPシートガイド303および304の内側(投入口にセットされているPTPシートがある方向)への移動を開始する(S2201)。
そして、錠剤取出し装置10は、投入口に設けられているPTPシートの左右にあるPTPシート幅検出センサ2001が、PTPシートを検出しているか否かを判定する(S2202)。そして、PTPシートを検出していると判定されると(YES)、S2203に移行して、PTPシートを検出していないと判定されると(NO)、S2202に移行する。
そして、錠剤取出し装置10は、PTPシートを検出していると判定されると(YES)、現在、動作しているPTPシートガイドの内側への移動を停止する(S2203)。
そして、錠剤取出し装置10は、PTPシートガイドを、所定距離、外側(投入口にセットされているPTPシートがある方向の逆の方向)へ移動して、PTPシートガイド幅調整動作を終了する。これは、PTPシートの幅に対してPTPシートガイド303および304の幅を若干広げ、PTPシートの搬送をスムーズに行うためである。
なお、この動作後も、PTPシート幅検出センサは左右とも、PTPシートを検出している状態のままであり、PTPシート幅検出センサによってPTPシート投入口に残りのPTPシートが存在することを確認可能である。
図23は、錠剤取り出し装置10の側面図である。
図23の2301は、ポケット位置センサであり、PTPシートのポケット(錠剤が封入されている部分)を検出する部分である。ポケット位置センサ2301は、検出機構17のことである。
なお、ポケット位置センサ2301は、発光素子および受光素子により構成される光学センサである。
図23の2302は、錠剤プッシュ部であり、ポケット内の錠剤を上から押してPTPシートの底面のアルミ箔を破り、PTPシートから錠剤を取り出す部分である。
錠剤プッシュ部2302は、内部押圧体83、及び/又は外部押圧体84を含む。
図23の204は、落下センサであり、錠剤プッシュ部2302で取り出された錠剤の落下を検出する部分である。また、この落下センサ204も、発光素子および受光素子により構成される光学センサである。
図24は、錠剤供給装置のPTPシート排出経路を示す内部構成の側面図である。
また、図25は、錠剤供給装置をななめ前方より見た図である。
図24の2401は、排出路1601(垂直排出経路)であり、錠剤取り出し装置から排出された、全ての錠剤が取り出された空のPTPシートが落下する部分である。
また、図24の2402は、排出スロープであり、錠剤供給装置の左側に配置されている錠剤取り出し装置から排出されたPTPシートが落下し、右側の排出ポケット2403へ滑り落ちる部分である。
図24の2403は排出ポケット(廃棄ボックス)であり、錠剤取り出し装置から排出されたPTPシートが集合する部分である。装置前面で開口しており、排出されたPTPシートを容易に取り出すことができる。
すなわち、図24に示すように、錠剤取り出し装置から排出された、全ての錠剤が取り出された空のPTPシートが排出路1601(垂直排出経路)を通り、そして、排出スロープを通り、排出ポケット(廃棄ボックス)に集約されるので、排出ポケット(廃棄ボックス)から、空のPTPシートをまとめて取り出すことが可能となり、空のPTPシートを廃棄するユーザの作業が容易になる。
図25の2501は、開閉可能な排出ポケット扉(廃棄ボックス扉)であり、これにより、排出ポケットに集約される空のPTPシートが装置外まで飛び出してしまうことを防止している。
次に、図27について、説明する。
図27は、分包する錠剤の設定データを設定するための設定画面の一例を示す図である。
包装装置は、ディスプレイ1703に図27に示す設定画面を表示する。そして、包装装置は、設定画面を介して、ユーザの操作に従って、錠剤取出し装置を識別(特定)する錠剤取出し装置番号、及び処方データを入力する。ここで、処方データとは、何日分の薬(錠剤)を分包するのか、1回あたりの錠剤数、1日あたり何回、薬を飲まなければならないのか、を示す情報である。
図27の例では、錠剤取出し装置番号が「1」番の錠剤取出し装置が、3日分の錠剤を、1日あたり3回で、1回あたり2錠ごと、患者が飲めるように、錠剤を分包することが設定されている。
そして、ユーザにより、図27に示す登録ボタンが押下されると、包装装置5は、包装装置のメモリに、図28に示すデータを記憶する。
図28には、図27に示す設定画面で設定された情報と、当該情報を基に計算された情報とが記憶されている。
すなわち、図28は、錠剤取出し装置から分包される錠剤の設定データの一例を示す図である。
図28に示すように、図27に示す設定画面で設定された情報として、「錠剤取出し装置番号」、「1回分の錠剤数」が記憶される。また、図28に示す「全分包数」(分包する数)は、3日分(日数)を3回/1日(1日あたりの回数)に掛けた値が記憶される。また、図28に示す「全錠剤数」(錠剤取出し装置から取り出される全ての錠剤の数)は、「全分包数」に、2錠/1回(1回あたりの錠剤数)を掛けた値が記憶される。
そして、図28に示す設定データがメモリに記憶されると、包装装置は、当該メモリに記憶された設定データを含む錠剤取り出し動作命令1801を錠剤取出し装置に送信して、錠剤取出し動作を開始する。
次に、図26を用いて、錠剤取出し装置による錠剤取出し動作処理について、説明する。
図26は、錠剤取出し装置が、包装装置からの錠剤取り出し動作命令1801を受信して実行される、錠剤取出し制御処理についてのフローチャートの一例を示す図である。
図26に示すフローチャートの各ステップの処理は、各錠剤取出し装置のCPUによりそれぞれ実行され、実現される。
まず、錠剤取出し装置10は、包装装置5から、錠剤取り出し動作命令1801を受信すると、錠剤取り出し動作命令1801に含まれる設定データ(図28)をメモリに記憶する。
錠剤取出し装置10の投入口203には、1又は複数のPTPシートがセットされている。ここで、複数のPTPシートがセットされている形態としては、投入口203に、複数のPTPシートを積み重ねてセットされており、積み重なってセットされている複数のPTPシートの一番下のPTPシートから順番に、錠剤が取出される位置まで搬送される。そのため、一番下のPTPシートが搬送されることで、その上のPTPシートが次の搬送対象として、投入口203に落とされ、当該PTPシートをPTPシート幅検出センサにより検出することが可能となる。
まず、錠剤取出し装置10は、PTPシート幅検出センサ2001により、投入口にセットされている最下部の1枚のPTPシートを検出する(S2601)。
ここで、PTPシート幅検出センサ2001は、投入口にセットされている1枚又は複数枚のPTPシートのうち、最下部の1枚のPTPシートを検出するセンサである。
そして、錠剤取出し装置10は、PTPシート幅検出センサ2001による検出結果に従って、PTPシートが投入口にセットされているか否かを判定する(S2602)。PTPシートが投入口にセットされていない場合には、引き続き、PTPシート幅検出センサ2001による検出を行う。一方、PTPシートが投入口にセットされている場合には(YES)、当該投入口にセットされているPTPシートを、ローラを回転させることで、錠剤を取り出す位置の方向(排出路の方向)に搬送する(S2603)。
S2603で、投入口にセットされているPTPシートを搬送することにより、投入口に積み重なってセットされていたPTPシートが、投入口の下方に落ちてくる。
そして、錠剤取出し装置10は、投入口の下方に落ちてきたPTPシートを、PTPシート幅検出センサ2001により、検出する(S2604)。
そして、錠剤取出し装置10は、S2604で、PTPシート幅検出センサ2001により、投入口の下方に落ちてきたPTPシートを検出できたか否かを判定する(S2605)。これにより、S2603で搬送されたPTPシートが、投入口にセットされたPTPシートのうち、最後のPTPシートであるか否かを判定することができる。
S2605は、投入口に投入された錠剤シートのうち、錠剤取出ユニットにより錠剤を取り出す錠剤シートが投入口に投入された最後の錠剤シートであるかを判定する本発明のシート判定手段の適用例である。
錠剤取出し装置10は、S2605で、PTPシートを検出できたと判定された場合(S2603で搬送されたPTPシートが、投入口にセットされたPTPシートのうち、最後のPTPシートではないと判定された場合)(YES)、処理をS2606に移行する。一方、S2605で、PTPシートを検出できなかったと判定された場合(S2603で搬送されたPTPシートが、投入口にセットされたPTPシートのうち、最後のPTPシートであると判定された場合)(NO)、処理をS2618に移行する。
ここでは、まず、先に、S2603で搬送されたPTPシートが、投入口にセットされたPTPシートのうち、最後のPTPシートではないと判定された場合(まだ、PTPシートがある場合)について説明する。
錠剤取出し装置10は、引き続きPTPシートの搬送を行い(S2606)、ポケット位置センサ2301によるポケットの検出を行う(S2607)。そして、錠剤取出し装置10は、S2607でのポケットの検出結果に従って、ポケットが検出されたか否かを判定する(S2608)。
錠剤取出し装置10は、ポケットが検出されたと判定された場合には(YES)、ポケット位置センサ2301により検出されたポケットの位置から所定の距離だけ、PTPシートを、錠剤を取り出す位置の方向(排出路の方向)に搬送して(S2609)、搬送を一時停止する。
そして、錠剤取出し装置10は、錠剤プッシュ部2302により、ポケットを押圧することにより(錠剤の取出し動作を行うことで)、PTPシートから錠剤を取り出す(S2610)。
次に、錠剤取出し装置10は、落下センサ204が、PTPシートから取り出された錠剤を検出する(S2611)。また、ここで、落下センサ204は、PTPシートから取り出された錠剤の数も検出する(S2611)。
そして、錠剤取出し装置10は、落下センサ204による検出結果から、PTPシートから取り出された錠剤を検出できたか否かを判定し(S2612)、錠剤を検出できなかった場合には(NO)、S2610で引き続き錠剤の取出し動作を行う。一方、錠剤を検出できた場合には(YES)、メモリに記憶されている1回分の錠剤数(例えば、2個)を落下センサ204により検出できた(1回分の錠剤を取り出した)か否かを判定する(S2613)。S2611で、落下センサ204により検出された錠剤の数は、メモリに記憶され、当該メモリに記憶された、落下センサ204により検出された錠剤の数が、1回分の錠剤数(例えば、2個)であるか否かを判定することにより、S2613の判定を行う。
そして、錠剤取出し装置10は、S2613で、1回分の錠剤数(例えば、2個)を落下センサ204により検出できた(1回分の錠剤を取り出した)と判定された場合には(YES)、処理をS2615に移行する。一方、検出できなかった(取り出していない)と判定された場合には(NO)、処理をS2614に移行する。
S2614では、錠剤取出し装置10は、隣のポケットに錠剤があるか否かを判定する。ここで、錠剤取出し装置10は、S2610で、PTPシートの左右にそれぞれあるポケットのどちらの錠剤の取出し動作を行ったかを示す情報を記憶しており、当該情報に従って、左右の両方のポケットについて錠剤の取出し動作を行ったか、左側だけのポケットについてのみ錠剤取出し動作を行ったか、右側だけのポケットについてのみ錠剤取出し動作を行ったか、を判定する。そして、左右の両方のポケットについて錠剤の取出し動作を行ったと判定された場合には、隣のポケットに錠剤が無いと判定し(NO)、処理をS2606に移行して、PTPシートの搬送を再開して、1回分の錠剤を取り出すまでS2606からS2614の処理を繰り返す。一方、左側又は右側の隣のポケットに錠剤があると判定された場合には(YES)、処理をS2610に移行して、当該錠剤があると判定された隣のポケットについての錠剤取出し動作を行う。
錠剤取出し装置10は、S2615において、図27に示す登録ボタンが押下され、図26に示すフローチャートに示す処理を開始してから、メモリに記憶されている、分包処理を完了するために必要な所定の錠剤数(図28の全錠剤数)(例えば、18個)を落下センサ204により検出できた(全回分の錠剤を取り出した)か否かを判定する(S2615)。
S2615は、錠剤取出ユニットにより、錠剤シートから、分包するために必要な所定数の錠剤が取り出されたかを判定する本発明の判定手段の適用例である。
そして、錠剤取出し装置10は、S2615において、分包処理を完了するために必要な錠剤数(図28の全錠剤数)(例えば、18個)を落下センサ204により検出できていないと判定された場合は(NO)、所定時間経過した後に、処理をS2606に戻し、PTPシートの搬送を再開して、次の1回分の錠剤を取り出す処理を行う。一方、S2615において、分包処理を完了するために必要な錠剤数(図28の全錠剤数)(例えば、18個)を落下センサ204により検出できたと判定された場合には(YES)、処理をS2632に移行する。
錠剤取出し装置10は、S2608において、ポケットが検出できないと判定された場合には(NO)、処理をS2616に移行して、現在搬送しているPTPシートに錠剤があるか否かを判定する。
S2616で、現在搬送しているPTPシートに錠剤があるか否かの判定は、所定距離(PTPシートの全長、又はPTPシートのポケット間の距離)、PTPシートを搬送したか否かを判定することにより、現在搬送しているPTPシートのポケットに錠剤が残っているか否かを判定することができる。
ここで、所定距離として説明しているPTPシートの全長、又はPTPシートのポケット間の距離は、メモリに記憶されている。
ここで、PTPシートのポケット間の距離を、所定の距離として用いる場合、現在搬送しているPTPシートに錠剤があるか否かの判定は、当該PTPシートを搬送して、前回検出したポケットの位置から、PTPシートのポケット間の距離(所定距離)以上、搬送したとしても、新たなポケットを検出できたか否かを判定することにより、現在搬送しているPTPシートのポケットに錠剤が残っているか否かを判定することができる。
また、PTPシートのポケット間の距離については、PTPシートを搬送する際に、ポケット位置センサによりポケット間の距離を計測して得られる値を用いるようにすることもできる。このように、PTPシートを搬送する際に、ポケット位置センサによりポケット間の距離を計測して得られる値を用いると、複数のポケット間の距離の異なるPTPシートに柔軟に対応することが可能となる。
そして、錠剤取出し装置10は、S2616において、現在搬送しているPTPシートに錠剤がある(所定距離搬送していない)と判定されると(YES)、処理をS2607に移行して、引き続きPTPシートを搬送する。
一方、錠剤取出し装置10は、S2616において、現在搬送しているPTPシートに錠剤がない(所定距離以上搬送した)と判定されると(NO)、現在搬送しているPTPシートを排出路1601の方向(廃棄ボックスがある方向)に搬送し(S2617)、処理をS2603に戻す。
このとき、上述したS2605では、投入口にセットされたPTPシートがまだあると判定されているため、S2602では、PTPシート幅検出センサ2001によりPTPシートを検出できたと判定され(YES)、投入口にセットされている当該検出された次のPTPシートの搬送を行う(S2603)。
そして、S2603で、投入口にセットされている次のPTPシートを搬送することにより、まだ、投入口に積み重なってPTPシートがセットされている場合には、当該PTPシートが、投入口の下方に落ちてくる。この場合は、上述したように、S2605で、PTPシートを検出できたと判定され、処理をS2606に移行する。
一方、投入口に積み重なってPTPシートがセットされていない場合には、当該PTPシートは、投入口の下方(下側)に落ちてこないため、S2604で、PTPシートは検出されず、S2605において、現在、S2603で搬送されているPTPシートが最後のPTPシートであると判定され、S2618に処理を移行する。
以下、S2618からS2626において、実行される処理は、現在、S2603で搬送されているPTPシートがS2605で最後と判定された当該PTPシートを対象に、行われる。
錠剤取出し装置10は、引き続きPTPシートの搬送を行い(S2618)、ポケット位置センサ2301によるポケットの検出を行う(S2619)。そして、錠剤取出し装置10は、S2619でのポケットの検出結果に従って、ポケットが検出されたか否かを判定する(S2620)。
錠剤取出し装置10は、ポケットが検出されたと判定された場合には(YES)、ポケット位置センサ2301により検出されたポケットの位置から所定の距離だけ、PTPシートを、錠剤を取り出す位置の方向(排出路の方向)に搬送して(S2621)、搬送を一時停止する。
そして、錠剤取出し装置10は、錠剤プッシュ部2302により、ポケットを押圧することにより(錠剤の取出し動作を行うことで)、PTPシートから錠剤を取り出す(S2622)。
次に、錠剤取出し装置10は、落下センサ204が、PTPシートから取り出された錠剤を検出する(S2623)。また、ここで、落下センサ204は、PTPシートから取り出された錠剤の数も検出する(S2623)。
そして、錠剤取出し装置10は、落下センサ204による検出結果から、PTPシートから取り出された錠剤を検出できたか否かを判定し(S2624)、錠剤を検出できなかった場合には(NO)、S2622で引き続き錠剤の取出し動作を行う。一方、錠剤を検出できた場合には(YES)、メモリに記憶されている1回分の錠剤数(例えば、2個)を落下センサ204により検出できた(1回分の錠剤を取り出した)か否かを判定する(S2625)。S2623で、落下センサ204により検出された錠剤の数は、メモリに記憶され、当該メモリに記憶された、落下センサ204により検出された錠剤の数が、1回分の錠剤数(例えば、2個)であるか否かを判定することにより、S2625の判定を行う。
そして、錠剤取出し装置10は、S2625で、1回分の錠剤数(例えば、2個)を落下センサ204により検出できた(1回分の錠剤を取り出した)と判定された場合には(YES)、処理をS2626に移行する。一方、検出できなかった(取り出していない)と判定された場合には(NO)、処理をS2627に移行する。
S2627では、錠剤取出し装置10は、S2614と同様に、隣のポケットに錠剤があるか否かを判定する。ここで、錠剤取出し装置10は、S2622で、PTPシートの左右にそれぞれあるポケットのどちらの錠剤の取出し動作を行ったかを示す情報を記憶しており、当該情報に従って、左右の両方のポケットについて錠剤の取出し動作を行ったか、左側だけのポケットについてのみ錠剤取出し動作を行ったか、右側だけのポケットについてのみ錠剤取出し動作を行ったか、を判定する。そして、左右の両方のポケットについて錠剤の取出し動作を行ったと判定された場合には、隣のポケットに錠剤が無いと判定し(NO)、処理をS2618に移行して、PTPシートの搬送を再開して、1回分の錠剤を取り出すまでS2618からS2627の処理を繰り返す。一方、左側又は右側の隣のポケットに錠剤があると判定された場合には(YES)、処理をS2622に移行して、当該錠剤があると判定された隣のポケットについての錠剤取出し動作を行う。
錠剤取出し装置10は、S2626において、図27に示す登録ボタンが押下され、図26に示すフローチャートに示す処理を開始してから、メモリに記憶されている、分包処理を完了するために必要な所定の錠剤数(図28の全錠剤数)(例えば、18個)を落下センサ204により検出できた(全回分の錠剤を取り出した)か否かを判定する(S2626)。
S2626は、錠剤取出ユニットにより、錠剤シートから、分包するために必要な所定数の錠剤が取り出されたかを判定する本発明の判定手段の適用例である。
そして、錠剤取出し装置10は、S2626において、分包処理を完了するために必要な錠剤数(図28の全錠剤数)(例えば、18個)を落下センサ204により検出できていないと判定された場合は(NO)、所定時間経過した後に、処理をS2618に戻し、PTPシートの搬送を再開して、次の1回分の錠剤を取り出す処理を行う。一方、S2626において、分包処理を完了するために必要な錠剤数(図28の全錠剤数)(例えば、18個)を落下センサ204により検出できたと判定された場合には(YES)、処理をS2632に移行する。
錠剤取出し装置10は、S2620において、ポケットが検出できないと判定された場合には(NO)、処理をS2628に移行して、現在搬送しているPTPシートに錠剤があるか否かを判定する。
S2628で、現在搬送しているPTPシートに錠剤があるか否かの判定は、所定距離(PTPシートの全長、又はPTPシートのポケット間の距離)、PTPシートを搬送したか否かを判定することにより、現在搬送しているPTPシートのポケットに錠剤が残っているか否かを判定することができる。
ここで、所定距離として説明しているPTPシートの全長、又はPTPシートのポケット間の距離は、メモリに記憶されている。
ここで、PTPシートのポケット間の距離を、所定の距離として用いる場合、現在搬送しているPTPシートに錠剤があるか否かの判定は、当該PTPシートを搬送して、前回検出したポケットの位置から、PTPシートのポケット間の距離(所定距離)以上、搬送したとしても、新たなポケットを検出できたか否かを判定することにより、現在搬送しているPTPシートのポケットに錠剤が残っているか否かを判定することができる。
また、PTPシートのポケット間の距離については、PTPシートを搬送する際に、ポケット位置センサによりポケット間の距離を計測して得られる値を用いるようにすることもできる。このように、PTPシートを搬送する際に、ポケット位置センサによりポケット間の距離を計測して得られる値を用いると、複数のポケット間の距離の異なるPTPシートに柔軟に対応することが可能となる。
そして、錠剤取出し装置10は、S2628において、現在搬送しているPTPシートに錠剤がある(所定距離搬送していない)と判定されると(YES)、処理をS2619に移行して、引き続きPTPシートを搬送する。
一方、錠剤取出し装置10は、S2628において、現在搬送しているPTPシートに錠剤がない(所定距離以上搬送した)と判定されると(NO)、現在、排出路1601の方向に搬送しているPTPシートを、投入口203の方向に搬送する(S2629)。このとき、排出路1601の方向に搬送するように回転していた下部ローラは、投入口203の方向に搬送するように回転するように、動作を切り替える。これにより、PTPシートを、投入口203の方向に搬送する。
S2628は、最後の錠剤シートに錠剤があるかを判定する本発明の錠剤判定手段の適用例である。
また、S2629において、錠剤取出ユニット(錠剤取出し装置)が備える表示機構が点灯する。
これにより、ユーザは、どの錠剤取出ユニットを確認しなければならないかを一目で分かるようになる。
また、S2629において、PTPシートを、投入口203の方向に搬送するため、錠剤取出ユニットは、カバー901を開けるように動作する。そして、錠剤取出ユニットは、カバー901を開けた後に、PTPシートを、投入口203の方向に搬送する。
このように、錠剤シートを追加しなければならない錠剤取出しユニットのカバー901が開くことにより、どこの錠剤取出し装置に、どの銘柄の錠剤シートを追加しなければならないかを容易に確認することが可能となる。
このように、分包処理を完了するために必要な錠剤がPTPシートから取り出せない場合、その空のPTPシートが、錠剤取出し装置の投入口に出てくるため、さらには、錠剤取出ユニット(錠剤取出し装置)が備える表示機構が点灯するため、ユーザは、どこの錠剤取出し装置に、どの銘柄の錠剤シートを追加しなければならないかを確認することを容易になる。すなわち、ユーザは、追加でセットしなければならないPTPシートの錠剤銘柄がひと目で判ると共に、その銘柄のPTPシートをどこの錠剤取出し装置に追加で投入しなければならないかを把握することが可能となる。
S2629及びS2630は、S2626で所定数の錠剤が取り出されていないと判定され、かつ、S2605で、錠剤取出ユニットにより錠剤を取り出す錠剤シートが投入口に投入された最後の錠剤シートであると判定され(S2605:NO)、かつS2628で最後の錠剤シートに錠剤が無いと判定された場合に(S2628:NO)、所定数の錠剤を取り出すために錠剤シートの新たな投入が必要であることをユーザに認識させるべく報知する本発明の報知手段の適用例である。
次に、錠剤取出し装置10は、S2629でPTPシートを投入口203の方向に搬送すると共に、包装装置5のディスプレイ1703に、図29に示す画面を表示するための指示情報を送信する(S2630)。そして、包装装置5は、当該指示情報を錠剤取出し装置10から受信すると、図29に示す画面をディスプレイ1703に表示する。
図29は、ディスプレイ1703に表示される画面の一例を示す図である。
図29に示すように、当該画面は、PTPシートが足りない旨を表示する。
そして、当該画面を表示している間に、ユーザは、錠剤取出し装置の投入口方向に出てきた空のPTPシートを確認して、追加補充すべきPTPシートを把握して、その追加補充すべきPTPシートを、当該錠剤取出し装置の投入口にセットする。
そして、包装装置5は、図29に示す画面の再開ボタン2901のユーザによる押下を受け付ける。
再開ボタン2901が押下された包装装置5は、処理の再開指示を錠剤取出し装置10に送信する。
錠剤取出し装置10は、当該再開指示を受付けたか否かを判定し(S2631)、当該再開指示を受付けたと判定された場合には(YES)、処理をS2601に戻して、処理を再開する。
また、錠剤取出し装置10は、S2615、又はS2626において、分包処理を完了するために必要な錠剤数(図28の全錠剤数)(例えば、18個)を落下センサ204により検出できた(分包処理を完了するために必要な錠剤を取り出した)と判定された場合には(YES)、S2632で、現在搬送しているPTPシートに錠剤があるか否かを判定する(錠剤判定手段)。
S2632は、錠剤取出し手段により、分包するために必要な所定数の錠剤が取り出された錠剤シートに錠剤が収容されているかを判定する本発明の錠剤判定手段の適用例である。
S2632における、現在搬送しているPTPシートに錠剤があるか否かの判定は、所定距離(PTPシートの全長、又はPTPシートのポケット間の距離)、PTPシートを搬送したか否かを判定することにより、現在搬送しているPTPシートのポケットに錠剤が残っているか否かを判定することができる。
ここで、PTPシートのポケット間の距離を、所定の距離として用いる場合、現在搬送しているPTPシートに錠剤があるか否かの判定は、当該PTPシートを搬送して、前回検出したポケットの位置から、PTPシートのポケット間の距離(所定距離)以上、搬送したとしても、新たなポケットを検出できたか否かを判定することにより、現在搬送しているPTPシートのポケットに錠剤が残っているか否かを判定することができる。
そして、錠剤取出し装置10は、現在搬送しているPTPシートに錠剤があると判定した場合には(YES)、現在、排出路1601の方向に搬送しているPTPシートを、投入口203の方向に搬送する(S2634)。一方、現在搬送しているPTPシートに錠剤が無いと判定した場合には(NO)、現在搬送しているPTPシートを排出路1601の方向(廃棄ボックスがある方向)に搬送する(S2633)。
S2634において、排出路1601の方向に搬送するように回転していた下部ローラは、投入口203の方向に搬送するように回転するように、動作を切り替える。これにより、PTPシートを、投入口203の方向に搬送する。
また、S2634において、錠剤取出ユニット(錠剤取出し装置)が備える表示機構が点灯する。
S2634において表示機構が行う点灯と、S2629で表示機構が行う点灯とは、それぞれ異なる点灯を行う。異なる点灯の方法としては、例えば、点灯の色を変えるか、点灯の点滅時間を変えるなどが考えられる。
これにより、ユーザは、どの錠剤取出ユニットを確認しなければならないかを一目で分かるようになる。
S2634において表示機構が行う点灯と、S2629で表示機構が行う点灯とをそれぞれ識別できるように点灯方法を変えているため、ユーザは、錠剤シートが足りないのか、それとも、錠剤シートに錠剤が残っているのかを確認することができるようになる。
また、S2634において、PTPシートを、投入口203の方向に搬送するため、錠剤取出ユニットは、カバー901を開けるように動作する。そして、錠剤取出ユニットは、カバー901を開けた後に、PTPシートを、投入口203の方向に搬送する。
このように、錠剤が残ったPTPシート(錠剤シート)が投入口203の方向に搬送される錠剤取出しユニットのカバー901を開き、表示機構が点灯することにより、ユーザは、どの錠剤取出しユニットのどの銘柄の錠剤シートの錠剤が残ったかを確認し易くなり、錠剤が残った錠剤シートを分包システムから取り出しやすくする。
すなわち、全ての錠剤を取り出した空のPTPシートと、錠剤が残っている使いかけのPTPシートとを分けることが出来るため、調剤監査の煩雑な作業を軽減することが可能となる。
ここでは、錠剤が残ったPTPシート(錠剤シート)が投入口203の方向に搬送することで、全ての錠剤を取り出した空のPTPシートと、錠剤が残っている使いかけのPTPシートとを分けるようにしたが、図30に示す別の仕組みで、全ての錠剤を取り出した空のPTPシートと、錠剤が残っている使いかけのPTPシートとを分ける方法を説明する。
図30は、錠剤取り出し装置10の側面図である。
分包に必要な数の錠剤が錠剤シートから取り出されたが、まだ錠剤シートに錠剤が残っている場合には、錠剤シートを投入口203の方向に搬送するのではなく、錠剤が残っている錠剤シートを溜めるボックスに搬送する仕組みについて、図30を用いて説明する。
図30に示す通り、排出ポケット2403(排出路1601に導通している廃棄ボックス)と、錠剤有りのPTPシートボックス3000とを錠剤供給装置10が備えている。
錠剤取出しユニット内の錠剤シートの搬送経路の途中に、錠剤有りのPTPシートボックス3000に導通する路(管)を有し、錠剤が残っているPTPシートを当該路(管)に搬送するかを決めるための扉3001を当該搬送経路に有している。
そのため、S2634で、PTPシートを投入口203の方向に搬送するようにはしないで、錠剤取出しユニットは、排出路1601の方向に搬送するようにし、扉3001を開けて、まだ錠剤が残っている錠剤シートを錠剤有りのPTPシートボックス3000に落下させ搬送するようにする。
錠剤有りのPTPシートボックス3000は、錠剤が収容されている錠剤シートを溜めるボックスの適用例である。
一方、S2633では、扉3001を閉めて、排出ポケット2403に空の錠剤シートを搬送するようにする。
このように、S2634とS2633とで、錠剤シートの搬送先を切り換えることで、全ての錠剤を取り出した空のPTPシートと、錠剤が残っている使いかけのPTPシートとを分けることが出来るため、調剤監査の煩雑な作業を軽減することが可能となる。
以上の通り、錠剤取出ユニットは、S2634により錠剤シートが搬送される搬送先と、S2633により錠剤シートが搬送される搬送先とが異なるように、ローラ等の搬送手段の動作を切替えるように制御する。
すなわち、錠剤取出し装置のCPU(制御手段)は、S2626又はS2615での判定処理で、分包するために必要な所定数の錠剤が取り出されたと判定された錠剤シートに錠剤が収容されている場合に(S2632:YES)、搬送手段により当該錠剤シートが搬送される搬送先(投入口、又はボックス3000)と、S2626又はS2615での判定処理で、分包するために必要な所定数の錠剤が取り出されたと判定された錠剤シートに錠剤が収容されていない場合に、搬送手段により当該錠剤シートが搬送される搬送先(排出ポケット2403)と、がそれぞれ異なるように搬送手段を制御する。
次に、図26に示すフローチャートの変形例を、図31を用いて説明する。
図31は、錠剤取出し装置が、包装装置からの錠剤取り出し動作命令1801を受信して実行される、錠剤取出し制御処理についてのフローチャートの一例を示す図である。
図31に示すフローチャートと、図26に示すフローチャートとは、ステップS2626でNOと判定された場合の処理、及びステップS2615でNOと判定された場合の処理が異なるのみなので、ここでは、この異なる点についてのみ説明する。
図26に示すフローチャートでは、S2626でNOと判定された場合に、S2618に戻るように処理したが、図31では、S2626でNOと判定された場合に、処理をステップS2627に移行する点が異なる。
図31に示すように、S2626でNOと判定された場合に、処理をステップS2627に移行するため、PTPシートの左右の錠剤収容部の錠剤を取り出すことが可能となる。
また、図26に示すフローチャートでは、S2615でNOと判定された場合に、S2606に戻るように処理したが、図31では、S2615でNOと判定された場合に、処理をステップS2614に移行する点が異なる。
図31に示すように、S2615でNOと判定された場合に、処理をステップS2614に移行するため、PTPシートの左右の錠剤収容部の錠剤を取り出すことが可能となる。
図31に示す他の処理については、図26に示す処理と同様であるため、ここでは説明を省略する。
以上、本発明によれば、分包処理により錠剤が全て取り出された錠剤シートと、錠剤が残った錠剤シートとの搬送方向を切り替えることにより、錠剤が残った錠剤シートを取り出しやすくすることができる。また、どこの錠剤取出し装置に、どの銘柄の錠剤シートを追加しなければならないかを確認することを容易になる(追加でセットしなければならないPTPシートの錠剤銘柄がひと目で判る。)。
以上の実施例において、錠剤取出ユニットのCPUや包装装置のCPUが、上述したそれぞれの処理を実行するように説明したが、分包システムのどの装置のCPUが、上述したそれぞれの処理を実行するようにしてもよい。例えば、錠剤供給装置10がCPUを備え、錠剤供給装置10が錠剤取出ユニットを制御して図26、図31に示す処理を実行することも可能である。
上述した本発明の実施形態を構成する各手段及び各ステップは、コンピュータのRAMやROM等に記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。装置が読み取り実行可能なこのプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、一又は複数の機器からなる装置に適用してもよい。
なお、本発明は、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム又は装置に直接、又は遠隔から供給する。そして、そのシステム又は装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。更に、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS等が、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
更に、その他の方法として、まず記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。そして、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。