以下、図面を用いて、本発明の錠剤供給システム(図1)について説明する。
まず、図1について説明する。
図1は、包装装置5と錠剤供給装置10を含む錠剤供給システム(分包装置)を示す図である。錠剤供給システムは、本発明の分包システムの適用例である。分包システムは、錠剤を分包する包装装置5が備える分包手段に錠剤を供給するものである。
図1は、錠剤供給装置10、及び錠剤供給装置10から供給された錠剤を包装する包装装置5を含む錠剤供給システムを示す図である。
1は、錠剤取出ユニットであり、錠剤シートから錠剤を取り出すユニットである。
錠剤シートは、一般的にPTPシートと呼ばれており、錠剤シートのことをPTPシートとも言う。
錠剤供給装置10には複数の錠剤取出ユニット1が収納されている。錠剤取出ユニット1は、本発明の錠剤取出し機構の適用例であり、錠剤取出ユニットのことを錠剤取出し装置とも言う。錠剤取出ユニット1は、幅方向(左右方向)に6つが並べられ、この6つの錠剤取出ユニット1からなる組が上下に3段に配置されている。すなわち、錠剤取出ユニット1は、左右6列、上下3段に配列されている。
錠剤供給装置10は複数の錠剤取出ユニット1を備えているが、錠剤取出ユニット1の数は1でもよい。
5は、包装装置であり、錠剤供給装置10の錠剤取出ユニット1から供給された錠剤を包装する装置である。
103は、散薬投入部であり、分包される散薬が投入される部である。
また、散薬投入部103に投入された散薬は、包装装置5により、投薬1回分に分けられて、分けられた1回分の散薬を後述するメインホッパー505に入れられ、1回分ずつに分包される。
10は、錠剤供給装置であり、1または複数の錠剤取出ユニット1と、錠剤取出ユニット1で取り出された錠剤を供給する錠剤供給ユニットとを備えている。
錠剤供給装置10は、錠剤取出ユニット1により錠剤シート(PTPシート)から取り出された錠剤を、錠剤供給ユニットの供給経路を経て、包装装置5に供給する。
錠剤供給装置10は、図1に示す通り、複数の錠剤取出ユニット1を備えている。
この錠剤取出ユニット1が、錠剤シートの錠剤収容部(ポケット)に封入されている錠剤を、錠剤収容部(ポケット)から取り出して、当該取り出された錠剤を、錠剤供給ユニットが包装装置5に供給する。
次に、図2を用いて、錠剤供給装置10について説明する。
図2は、図1に示す錠剤供給装置10の拡大図、及び錠剤供給装置10内の錠剤取出ユニット1の錠剤シートの投入口を示す図である。
203は、錠剤シートを錠剤取出ユニット1に投入する投入口である。
次に、図3を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。
図3は、正面側から見た錠剤取出ユニット1の内部構造を示す図である。
なお、図3は、錠剤取出ユニット1が、2つ並んでいる図を示している。
錠剤取出ユニット1は、錠剤シート51を搬送する搬送機構と、搬送機構により搬送された錠剤シート51が載置される載置台と、載置台上の錠剤シート51の錠剤収容部を押圧して錠剤を取り出す押出し機構とを有している。
錠剤シート51は、錠剤を収容する錠剤収容部を有するシート本体の下面に、アルミニウム等からなる金属箔などを用いた封止シートを設けることによって錠剤が錠剤収容部に密封されたものである。
錠剤シート51は、シート部上に凸状の錠剤収容部が幅方向に間隔をおいて2列に並んだ形態である。各列をなす複数の錠剤収容部は錠剤シート51の長さ方向に沿って並んでいる。
なお、錠剤シート51としては、シート部上に錠剤収容部が2列に並んだ形態のものに限らず、錠剤収容部が錠剤シート51の長さ方向に1列に並んだ形態や、錠剤収容部が幅方向に間隔をおいて3列以上の複数列に並んだ形態も可能である。
ここで、さらに、図4を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。
図4は、錠剤取出ユニット1の内部構造(断面)を示す図である。
図4は、錠剤シートの投入口203にPTPシートをセットし、PTPシートを除包位置(錠剤の取出位置)まで搬送を行った際の図である。
錠剤取出ユニット1は、錠剤シートを搬送する錠剤シート搬送機構(搬送機構)と、錠剤シートが載置される載置台18と、錠剤シートから錠剤を取り出す錠剤取出機構(押出し機構)とを備えている。
39は、下部ローラである。
錠剤シート搬送機構は、錠剤シート51を進行方向に向け搬送するものであって、進行方向に互いに間隔をおいて設けられた下部ローラ39と、進行方向に互いに間隔をおいて設けられた上部ローラとを備えている。
下部ローラ39と上部ローラとが回転することにより、錠剤シート51を、図4に示す進行方向に搬送し続けると、錠剤シートは、不図示の廃棄ボックスの送り出される。
錠剤シート搬送機構は、錠剤収容部の押圧を継続する前に載置台18上の押圧される位置から所定の距離だけ錠剤シート51をさらに搬送し、押出し機構が、錠剤収容部の押圧を継続(リトライ)する。
下部ローラ39は、駆動源により回転駆動可能であり、回転することにより、錠剤シートの下面に当接して錠剤シート51に進行方法への力を加えることができる。
上部ローラは、駆動源により回転駆動可能であり、回転することにより、錠剤シートの上面に当接して錠剤シート51に進行方向への力を加えることができる。
上部ローラの幅方向の位置は、2列の錠剤収容部の間に相当する位置であるため、上部ローラは錠剤収容部52に当接することはない。
下部ローラ39と上部ローラは、錠剤シートを上下から挟み込んで錠剤シートを進行方向に搬送できる。さらに、下部ローラ39と上部ローラは錠剤シートを上下から挟み込んで錠剤シート51を進行方向とは逆の方向にも搬送できる。
24は、導入シュートである。
導入シュート24は、載置台の下面側に設けられており、錠剤シート51から取り出された錠剤を、後述する錠剤導入路401に導くものである。すなわち、導入シュート24は、載置台の下面側に排出口を有しており、錠剤シート51から取り出された錠剤はその排出口を通り、後述する錠剤導入路401に落ちていく。
なお、この導入シュート24は、錠剤取出しホッパーとも言う。
錠剤取出ユニット1は、載置台18上の錠剤シート51の錠剤収容部を押圧する速度を変更させる変更機構をさらに有している。
押出し機構は、変更機構により変更されたより速い速度で錠剤収容部の押圧を継続して行う。
押出し機構は、錠剤シートの錠剤収容部の中央付近を押圧する内側押圧体83と、中央付近よりも外側の部分を押圧する外側押圧体84とを含んでいる。
内側押圧体83と外側押圧体84とが独立して動作することでPTPシートの錠剤収容部を押圧して、PTPシートから錠剤を取り出す。
押出し機構は、内側押圧体83よりも先に外側押圧体84により錠剤収容部を押圧させる。
内側押圧体83の先端は、ほとんどの錠剤シート51の錠剤収容部よりも面積が狭いので、内側押圧体83は錠剤を取り出す場合(下降した場合)に、錠剤シートに開いた穴から先端が突き出る。
外側押圧体84の先端は、ほとんどの錠剤シート51の錠剤収容部よりも面積が広いので、錠剤を取り出す場合(下降した場合)に、錠剤シート51に開いた穴から先端が突き出ない。つまり、錠剤シート51の錠剤収容部を押し潰すためのものである。
錠剤取出機構(押出し機構)は、外側押圧体84を昇降させる第1昇降機構と、内側押圧体83を昇降させる第2昇降機構とを有する。
第1昇降機構は、外側押圧体84が取り付けられた第1昇降体93と、回転駆動して第1昇降体93を昇降させるカム94と、第1昇降体93を上昇方向に付勢する付勢部材(ばね)とを備えている。
第1昇降体93は、前後方向にわたって延在する柱状体であり、前端部に外側押圧体84が取り付けられている。カム94は、外側押圧体84の昇降動作を考慮して設計された形状の板状体であり、駆動機構によって回転駆動する軸部に固定されている。
カム94は、第1昇降体93の上面側に設けられ、軸部の回転に伴って回転駆動し、第1昇降体93を押圧することによって高さ位置を調整し、これによって外側押圧体84の高さ位置を調整する(外側押圧体84の昇降動作を行う)ことができる。第1昇降機構は、カムの回転動作のタイミング、カムの形状、軸部に対するカムの固定位置などの設定によって、外側押圧体84の昇降動作のタイミングや変位量を任意に設定できる。
第2昇降機構は、内側押圧体83が取り付けられた第2昇降体98と、回転駆動して第2昇降体98を昇降させるカム99と、第2昇降体98を上昇方向に付勢する付勢部材(ばね)とを備えている。
第2昇降体98は、前後方向にわたって延在する柱状体であり、前端部に内側押圧体83が取り付けられている。カム99は、第2昇降体98の上面側に設けられ、軸部の回転に伴って回転駆動し、第2昇降体98を押圧して高さ位置を調整し、これによって内側押圧体83の高さ位置を調整する(内側押圧体83の昇降動作を行う)ことができる。第2昇降機構は、カム99の回転動作のタイミング、カムの形状、軸部に対するカムの固定位置などの設定によって、内側押圧体83の昇降動作のタイミングや変位量を任意に設定できる。
このため、カム94とカム99は、それぞれ第1昇降体と第2昇降体に対して互いに独立に動作可能であり、内側押圧体83と外側押圧体84は、互いに独立に昇降動作させることができる。
錠剤取出機構における2つのカムの回転動作のタイミング等は、錠剤位置検出機構の検出部からの信号に基づいて定めることができる。具体的には、検出された錠剤収容部の位置に合わせて内側押圧体83と外側押圧体84を動作させることができる。
錠剤取出ユニット1は、PTPシートの錠剤収容部の押圧をする前に、押圧される錠剤収容部の長さを検出する検出機構17をさらに有している。
錠剤供給装置は、検出した錠剤収容部の長さに基づいて所定の距離を算出する算出手段をさらに有している。
検出機構17は、押圧される錠剤収容部の長さを検出するとともに押圧される錠剤収容部の位置をさらに検知する。
錠剤取出ユニット1は、検知されたPTPシートの錠剤収容部の位置に基づいて、押圧される位置までの搬送距離を算出する算出手段をさらに有する。
搬送機構(下部ローラ39、上部ローラ)は、搬送距離により載置台18上の錠剤収容部が押圧される位置まで錠剤シートを搬送する。
搬送機構は、所定の距離だけ前方または後方に錠剤シート51を搬送する。
次に、図5を用いて、錠剤供給装置10の内部構造について説明する。
図5は、錠剤供給装置10の内部構造を示す図である。
なお、図5は、錠剤供給装置10を背面側(裏側)から見た図である。
204は、光学センサ(ビームセンサ)であり、落下物を検知するものである。除包された錠剤が導入シュート24内を落下する際、除包された錠剤がビームセンサ上を通過し、ビームセンサを遮光する。このビームセンサが遮光された状態をON状態とし、遮光されていない状態をOFF状態とする。このON/OFF状態を用いて落下物の有無の判定を行う。錠剤落下検出機構は、光学センサ204と落下錠剤カウンタとを有する。
錠剤取出ユニット1は、押圧により錠剤収容部から錠剤が取り出されたか否かを判定するべく、取り出された錠剤を検知する検知機構(光学センサ204)を有している。
押出し機構は、取り出された錠剤が検知されない場合には錠剤収容部の押圧を継続(リトライ)し、取り出された錠剤が検知された場合には錠剤収容部の押圧を継続(リトライ)しない。
401は、錠剤導入路である。
錠剤導入路401は、導入シュート24と導通しており、錠剤シートから取り出され落下した錠剤を導入シュート24から第1集積ホッパーに中継する。
次に、図6を用いて、錠剤供給ユニットの内部構造について説明する。
図6は、錠剤供給ユニットの内部構造を示す図である。
402は、第1集積ホッパーである。
第1集積ホッパー402は、錠剤取出ユニット1により、PTPシートから取り出された錠剤が導入シュート24を落下して通り、そして、導入シュート24から錠剤導入路401を通り、該錠剤が集積される部である。
すなわち、錠剤導入路401は、第1集積ホッパー402と直接、導通している。
501は、第2集積ホッパーである。第2集積ホッパー501は、第1集積ホッパー402で集積された錠剤をさらに集積する。
すなわち、第2集積ホッパー501は、第1集積ホッパー402と導通している。
そのため、第1集積ホッパー402に落ちてきた錠剤50は、第2集積ホッパー501に落ちて集積される。
502は、第1の送り出し機構である。第1の送り出し機構502は、第2集積ホッパーに集積された錠剤50を第3の集積ホッパー503に移動させる。
503は、第3集積ホッパーである。第3集積ホッパー503は、第1の送り出し機構502により送り出(移動)された錠剤を集積する。
504は、第2の送り出し機構である。第2の送り出し機構504は、第3集積ホッパーに集積された錠剤をメインホッパー505に移動させる。
505は、メインホッパーである。メインホッパー505は、第2の送り出し機構504により送り出(移動)された錠剤(1回分)を集積し、包装シート(分包紙)の中に集積した錠剤を投入する。
ここで、第1集積ホッパーは、本発明の第1の供給部の適用例であり、第2集積ホッパーは、本発明の第2の供給部の適用例である。また、第1、第2、第3の集積ホッパーは、本発明の供給部の適用例である。また、供給部は、錠剤取出し装置から、重力方向に向けて配置されている。
次に、図7、図8を用いて、包装ユニット701の内部構造について説明する。
図7は、包装ユニット701の内部構造を示す図である。
図8は、図7に示す包装ユニット701の内部構造の一部(703、704、705)を拡大した図である。
包装ユニット701は、包装装置5内のユニットである。
702は、包装シートが連なるロール紙(分包紙がロール状になっている紙)を包装機構に送り出すロール紙送出機構である。
703は、メインホッパー505内に集積された錠剤(1回分の錠剤)が包装シートの中に投入され、当該包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する(包装機構)。
704は、メインホッパー505内に集積された錠剤が包装シートの中に投入され、当該包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する(包装機構)。
すなわち、包装機構703と、包装機構704とで、包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する。
705は、連なるロール紙を1包毎の包装シート(1つの包み802)に分断するための分断用ミシン目801を包装シートに形成する分断機構である。
包装機構703、分断機構705、包装機構704は、本発明の分包手段の適用例である。
分包手段は、錠剤取出し手段により取り出された錠剤、及び手撒供給手段により供給された錠剤を分包する手段である。
706はプリンタであり、包装シートに、日付、患者データ、エラー情報を印字する(印字機構)。
図7、図8に示すように、包装ユニットにより、投薬1回分の錠剤が分包される。
次に、図9を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。
図9は、錠剤取出ユニット1の内部構造を示す図である。
901は、錠剤シートの投入口203のカバーである。
カバー901を開けることにより、錠剤シート51を投入口203に入れることが出来るようになる。
また、図9に示す24は、導入シュートであり、既に、図4などを用いて説明しているため、ここでは説明を省略する。
次に、図10を用いて、錠剤供給装置10について説明する。
図10は、錠剤供給装置10を正面から見た図である。
図10に示す1は、図1にも示している通り、錠剤取出ユニットである。
錠剤取出ユニット1で、PTPシートから取り出された錠剤は、導入シュート24を通り、そして、錠剤導入路401を通り、第1集積ホッパー402に落ちていく。
次に、図11を用いて、錠剤供給装置10の錠剤供給ユニットが備える各構成について説明する。
図11は、錠剤供給装置10を横(正面から見て右側)から見た図である。
図10でも説明したが、錠剤取出ユニット1で、PTPシートから取り出された錠剤は、導入シュート24、錠剤導入路を通り、第1集積ホッパー402内に落ちてくる。
そして、第1集積ホッパー402を通った錠剤は、第2集積ホッパー501を通り、第1の送り出し機構502に送られる。第1の送り出し機構は、第1の中継ユニットである。
そして、第1の送り出し機構502は、錠剤を第3集積ホッパー503に送り、第3集積ホッパー503は、第2の送り出し機構504に錠剤を送る。第2の送り出し機構504は、第2の中継ユニットである。
第2の送り出し機構504は、第2の送り出し機構504に送られた錠剤を、メインホッパー505に送る。
次に、図12を用いて、錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤がどのように、導入シュート24、錠剤導入路401、第1集積ホッパー402を通るかについて説明する。
図12は、図10に示した錠剤供給装置10の一部を抜粋した図である。すなわち、図10に示す錠剤取出ユニット1を2段分削除した図が、図12である。
図12に示す点線の矢印1201は、錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤の移動経路を示している。
また、図12に示す通り、第1集積ホッパー402の左側の導管、及び真ん中の導管の幅は、直径が78mmである。
次に、図13を用いて、錠剤供給装置10の錠剤供給ユニットが備える各構成について説明する。
図13は、錠剤供給装置10の内部を横(正面から見て右側)から見た図である。
図13に示す点線の矢印1201は、錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤の移動経路を示している。
最上段の錠剤取出ユニット1の導入シュート24の出口から、第1の傾斜部までの距離は、約460mmであり、中段の錠剤取出ユニット1の導入シュート24の出口から、第1の傾斜部までの距離は、約265mmである。
また、第1集積ホッパー402の長さは、約362mmである。すなわち、最下段の錠剤取出ユニット1の導入シュート24の出口から、第2集積ホッパー501までの距離は、約362mmである。
各段の錠剤取出ユニット1で、PTPシートから錠剤が取り出されると、錠剤は、導入シュート24を通り、導入シュート24の出口から、錠剤導入路401を通り、そして、第1集積ホッパー402に入り、第2集積ホッパー501に集積される。
この時、全体の分包時間を短縮させることを考慮すると、導入シュート24(錠剤取り出しホッパー)出口から、まっすぐ下に垂直落下させ、第2集積ホッパー下部に収めることが考えられる。
しかしながら、最上段の錠剤取出ユニット1で取り出された錠剤を、導入シュート24(錠剤取り出しホッパー)出口から、まっすぐ下に垂直落下させ、第2集積ホッパー下部に収めると、約876mmもあるため、錠剤が割れたり、欠けたりして破損してしまう可能性が高くなる。また、PTPシートから取り出される薬が、カプセルの場合は凹んだりして変形をしてしまう可能性が高くなる。
このように、本実施形態の錠剤供給装置10は、錠剤取出ユニット1が複数積み上げられて使用できるようになっているため、特に最上段の錠剤取出ユニット1から錠剤が落下する場合には、導入シュート24(錠剤取り出しホッパー)出口から第2集積ホッパーまでの距離が非常に長くなり、PTPシートから取り出される錠剤、又はカプセルが、破損してしまう可能性が高くなってしまう。
そこで、第1集積ホッパー402の上部に、分包時間をあまりロスしない程度に錠剤をバウンドさせる第1の傾斜部を設ける。すなわち、第1集積ホッパー402の上部の一部をオフセットさせる。
本実施の形態では、重力方向から約32°の傾斜を有する第1の傾斜部としている。
また、第2集積ホッパー501においても、第1集積ホッパー402から第2集積ホッパー501の下部にダイレクトに錠剤が到達しないように、第2集積ホッパー501も分包時間をあまりロスしない程度に錠剤をバウンドさせる第2の傾斜部を設けている。
本実施の形態においては、第2の傾斜部は、水平方向より約40°の傾斜としている。
ここで、第1の傾斜部、第2の傾斜部の角度は、例として、それぞれ、約32°、約40°としているが、落下してくる錠剤がバウントして(落下スピードを落として)、その後の経路に移動可能な角度(次の供給部に落下により供給可能な角度の傾斜)であれば、どのような角度であってもよい。
このように、第1集積ホッパー402に、第1の傾斜部を備え、第2集積ホッパー501に第2の傾斜部を備えることにより、錠剤取出ユニット1の導入シュート24(錠剤取り出しホッパー)出口から、第2集積ホッパー501の下部までダイレクトに錠剤を落下させず、錠剤の落下向きを変えつつ錠剤が破損、変形しない程度のクッションを与えることができる。その結果、落下してくる錠剤が第2集積ホッパー501の下部に到達した時の衝撃を和らげることができ、錠剤が破損、変形する可能性を低減させることが出来るようになる。
第1の傾斜部は、錠剤取出し装置から落下してきた錠剤が接触する位置に設けられており、第2の傾斜部は、第1の傾斜部に接触した錠剤がさらに落下して接触する位置に設けられている。
また、第1の傾斜部、第2の傾斜部に、ゴムなどの、衝撃を吸収する材料(衝撃吸収材)を更に設けることにより、錠剤の衝撃をさらに抑えることが可能となる。
図14は、包装装置5を上面から見た図である。
1401は、ユーザによる手撒きにより錠剤を包装装置5にセットする手撒き錠剤部である。
1402は、手撒き錠剤部1401内の、1回分の錠剤をセットする錠剤マスであり、1402は、4番目のマスを示している。
包装装置5には、図14の1401に示すように、1回分の錠剤(1つに包装する錠剤)をセットする錠剤マスが、複数設けられている。
錠剤マスは、錠剤が手撒きされるマスである。
1403は、錠剤マスにセットされた錠剤(3錠)を示している。
1404は、タッチパネル式の操作パネルであり、各種表示を行う表示部であると共に、ユーザによる各種操作を受け付ける部である。
ユーザが手巻きにより1回分の錠剤を各錠剤マスにセットして、当該錠剤マスにセットされた錠剤の分包を行う場合、各錠剤マスにセットされた錠剤を、1番の錠剤マスにセットされた錠剤から順番に、分包する。
図14に示すように、手撒き錠剤部1401は、3行15列の計45個の錠剤マス1402を有している。
図15は、手撒き錠剤部1401の断面図の一例を示す図である。
1501は、手撒き錠剤部1401の底面にあるシャッターである。
シャッター1501は、開いた状態での開口部を広く確保するために、2枚のシャッターが重なった構造となっている。
シャッター1501が左方向へ開くことによって、各錠剤マスにセットされている錠剤が下方向へ落下する。
図16は、包装装置5の内部の錠剤スライド部1601、スライド枠1602の構造である。
錠剤スライド部1601は、分包動作が始まる前の段階では、手撒き錠剤部1401の直下に配置されている。
図16に示す通り、錠剤スライド部1601は、スライド枠1602を有している。
各スライド枠1602は、上部に位置する各錠剤マスと、それぞれ対になるような形状で構成されており、分包動作が始まる前の段階では、各スライド枠1602は、上部に位置する各錠剤マスと、それぞれ対になるよう配置されている。
錠剤スライド部1601は、シャッター1501が開くことにより錠剤マスからスライド枠1602に落下した錠剤を、左方向へスライドして搬送するためのものである。
錠剤スライド部1601を左方向にスライドして搬送する動力源としてモータを備えており、当該モータにより錠剤スライド部1601を左方向にスライドして搬送することが可能となる。
図17は、分包動作が始まる前の段階における、錠剤マス1402、シャッター1501、錠剤スライド部1601のスライド枠1602の位置関係を示した図である。
図17に示すように、分包動作が始まる前の段階では、錠剤マス1402の真下に錠剤スライド部のスライド枠1602が位置している。
錠剤スライド部1601のスライド枠1602は、底面を有していない。そのため、シャッター1501が開くことにより錠剤マスからスライド枠1602に落下した錠剤は、錠剤スライド部1601を支持している台を底面として保持される。
図18は、錠剤スライド部1601を支持する台の一例を示す図である。
図18に示すように、錠剤スライド部1601を支持する台の左側に、錠剤を堰き止めるフタ1801、1802、1803を有している。
1801は、錠剤スライド部1601の奥の行のスライド枠内の錠剤を堰き止めるフタAである。
1802は、錠剤スライド部1601の中央行のスライド枠内の錠剤を堰き止めるフタBである。
1803は、錠剤スライド部1601の手前の行のスライド枠内の錠剤を堰き止めるフタCである。
図19は、第3集積ホッパーの右側面から見た錠剤スライド部1601を支持する台の、錠剤を堰き止めるフタ1801、1802、1803と、第3集積ホッパー503の断面図の一例である。
図19に示すように、錠剤を堰き止めるフタ(錠剤堰き止めフタ)1801、1802、1803を、それぞれ独立して開閉することができる。
各錠剤堰き止めフタ1801、1802、1803のいずれかを開閉することにより、錠剤スライド部1601の各行のスライド枠内の錠剤を、選択的に第3集積ホッパー503に落下させることができる。
各錠剤堰き止めフタ1801、1802、1803の開閉は、不図示のモータにより個々に行われる。
なお、図19は、フタA(1801)、及びフタB(1802)が閉じた状態、フタC(1803)が開いた状態を示している。
図14に示すように、手撒き錠剤部1401は、多数の錠剤マス1402を有している。
1包に包装する錠剤が、錠剤マス1402の1マスに対応しており、包装する包数に応じて、予め、錠剤マス1402の番号順に、1包に包装する錠剤を錠剤マス1402にセット(投入)しておく。
包装動作を開始すると、図15に示すように、各錠剤マス1402の底面にある全てのシャッター1501が開き、図16に示す錠剤スライド部1601の対応する各スライド枠1602に、各錠剤マス1402内の錠剤がそれぞれ落下する。錠剤が、各スライド枠1602に落下した後、錠剤スライド部1601を左方向に移動する。
すなわち、スライド枠1602内に錠剤のあるスライド枠1602のうち、最も左側のスライド枠1602の位置が、フタA(1801)、フタB(1802)、フタC(1803)の位置に来るまで、錠剤スライド部1601を左方向に移動する。
そして、フタA(1801)、フタB(1802)、フタC(1803)を、それぞれ包装動作ごとの包装の番号順に、開けて閉じることにより、1マス分ずつの錠剤を、第3集積ホッパー503に落下させることができる。
そして、スライド枠1602内の1列分の錠剤を第3集積ホッパー503に落とし終えると、錠剤スライド部1601を次の列まで再び移動する。
すなわち、スライド枠1602内に錠剤のあるスライド枠1602のうち、最も左側のスライド枠1602の1つ右側のスライド枠1602の列が、フタA(1801)、フタB(1802)、フタC(1803)の位置に来るように、再度、錠剤スライド部1601を左方向に移動する。これを繰り返すことにより、各錠剤マス1402にセット(投入)された錠剤を、それぞれ1回分ずつ分包することが可能となる。
なお、図19に示すように、堰き止めフタ(1801、1802、1803)は、第3集積ホッパー503の上部に配置しており、堰き止めフタ(1801、1802、1803)が開くことで、第3集積ホッパー503に、スライド枠1602内に存在しているフタの上の錠剤を、落下させることが可能となる。
図20は、図1に示す分包装置(錠剤供給システム)が有する包装装置5と錠剤供給ユニットとの間で送受信する情報を示す図である。
2001は、包装装置5のCPU1である。
2001は、包装装置5が搭載している各種装置(包装ユニット701や手撒き錠剤部1401等)の各可動部の制御を行う。
2002は、錠剤供給装置10が有する錠剤供給ユニットのCPU2である。
2002は、錠剤供給装置10に搭載している錠剤取り出し装置(錠剤取出しユニット1)の制御を行う。
CPU1とCPU2は、互いに通信可能に接続されている。
包装装置5のCPU1がホストとなり包装装置5の各装置が動作するタイミング等を管理している。
例えば、錠剤取り出し装置に、PTPシートから錠剤を取り出す動作を行わせる場合には、包装装置5のCPU1が、錠剤供給ユニット1のCPU2に対して、錠剤の取出しを行う錠剤取出し装置を識別する識別情報と、当該錠剤取出し装置で取り出す錠剤数と、錠剤取出し指示とを示す動作命令を送信し、当該動作命令を受け付けた錠剤供給ユニット1のCPU2が、当該動作命令に従って、当該識別情報により特定される錠剤取出し装置に対して、錠剤の取出し動作を行うよう信号を出力し、当該錠剤取出し装置による錠剤取出し動作を行わせる。これを動作命令に含まれる錠剤数分、行うことで、包装装置5のCPU1から受け付けた動作命令に含まれる錠剤数を、PTPシートから取り出すことが可能となる。
このように、包装装置5のCPU1が、錠剤供給ユニット1のCPU2に対して、各種動作命令を送信し、当該各種動作命令を受信した錠剤供給ユニット1のCPU2が、錠剤供給ユニット1が制御する各装置の動作の実行を行う。また、錠剤供給ユニット1のCPU2は、包装装置5のCPU1に対して、当該動作命令に対する応答と、錠剤供給ユニット1が制御する各装置の動作状態を示す情報を送信する。
本実施の形態では、包装装置5のCPU1と、錠剤供給ユニット1のCPU2とがそれぞれ連携して、包装装置5が制御する各装置(各ユニット)、及び、錠剤供給ユニット1が制御する各装置(各ユニット)の各種動作を制御するように説明するが、図1に示す分包装置(錠剤供給システム)が備えるCPUが、分包装置(錠剤供給システム)の全ての各装置を制御する構成でも構わない。
まず、包装装置5の命令に基づき、錠剤取出し装置に錠剤取出し動作を行わせ、その錠剤取出し動作を監視する処理について、図21を用いて説明する。
図21は、包装装置5の命令に基づき、錠剤取出し装置に錠剤取出し動作を行わせ、その錠剤取出し動作を監視する処理の一例を示すフローチャートである。
図21に示す各ステップの処理は、包装装置5のCPU1が、記憶手段に格納されたプログラムをメモリにロードして実行することにより実現される。
まず、包装装置5のCPU1は、錠剤供給ユニット1のCPU2に対して、錠剤の取出しを行う錠剤取出し装置を識別する識別情報と、当該錠剤取出し装置で取り出す錠剤数と、錠剤取出し指示とを示す動作命令を送信する(ステップS2101)。
そして、当該動作命令を受け付けた錠剤供給ユニット1のCPU2は、当該動作命令に従って、当該識別情報により特定される錠剤取出し装置に対して、錠剤の取出し動作を行うよう信号を出力し、当該錠剤取出し装置による錠剤取出し動作を行わせる。これを動作命令に含まれる錠剤数分、行うことで、包装装置5のCPU1から受け付けた動作命令に含まれる錠剤数を、PTPシートから取り出すことが可能となる。
また、錠剤供給ユニット1のCPU2は、包装装置5のCPU1に対して、当該識別情報により特定される錠剤取出し装置の動作状況を示す動作情報を送信する。
そして、包装装置5のCPU1は、当該動作情報を、錠剤供給ユニット1から受信すると、当該動作情報により示される錠剤取出し装置の動作状況を確認し、錠剤取り出し動作が完了したか否かを判定する(ステップS2102)。包装装置5のCPU1は、錠剤取り出し動作が完了したと判定されると(NO)、次に実行すべき処理へと遷移し、一方、錠剤取り出し動作が完了していないと判定されると(YES)、次に実行すべき処理には遷移せずに、引き続き、動作情報を錠剤供給ユニット1から受信する。
図22は、包装装置5の表示部1404(タッチパネル式の操作パネル)に表示される基本設定画面である。
図22の基本設定画面は、処方データに基づく、錠剤を包装するためのデータの入力を受け付ける画面である。
具体的には、図22に示すように、包装数、手撒き錠剤部1401に手で撒いた錠剤を分包するか否かを示す情報、及び、どの錠剤取出し装置から何錠の錠剤をどのタイミングで取り出すのかを特定するための情報が入力される。
入力部2301は、全ての包装数を入力する入力部である。図22の2301の例では、21包を分包することが設定されていることを示している。
2302は、手撒き錠剤部1401に手で撒いた錠剤を分包するか否かを示す情報を入力する入力部であり、「あり」又は「なし」を入力することが可能である。
入力部2302に、「あり」が入力されている場合には、手撒き錠剤部1401に手で撒いた錠剤を分包することが設定されていることを示し、「なし」が入力されている場合には、手撒き錠剤部1401に手で撒いた錠剤を分包しないことが設定されていることを示している。
図22の2302の例では、「あり」が入力されているため、手撒き錠剤部1401に手で撒いた錠剤を分包することが設定されていることを示している。
2303は、図23に示す錠剤取出し装置の設定画面を表示するための編集ボタンである。
2304は、分包動作を一時停止させるためのストップボタンである。
2305は、分包動作を、開始、又は一時停止状態から再開させるためのスタートボタンである。
包装装置5は、まず、表示部1404に、図22の基本設定画面を表示して、ユーザによる各種情報の入力を受け付ける。
具体的には、ユーザが、入力部2301に包装数(分包数)を、また、入力部2302に手で撒いた錠剤を分包するか否かを示す情報(「あり」/「なし」)を入力し、包装装置5は、これらの情報の入力を受け付ける。
また、包装装置5は、編集ボタン2303がユーザにより押下されると、図23に示す錠剤取出し装置の設定画面を表示部1404に表示する。
図23は、錠剤取出し装置の設定画面の一例を示す図である。
図23に示す錠剤取出し装置の設定画面は、タッチパネル式の操作パネルである表示部1404に表示される画面である。
図23に示すように、錠剤取出し装置の設定画面には、錠剤取出し装置を識別する識別情報として番号(1番〜18番)が表示されている。
上述の通り、図1、図2に示すように、錠剤取出し装置は、幅方向(左右方向)に6つが並べられ、この6つの錠剤取出し装置からなる組が上下に3段ある状態で、錠剤供給装置10に配置されている。
この配置位置と同様に、錠剤取出し装置の設定画面(図23)には、最下段の左側の錠剤取出し装置から右側の錠剤取出し装置に対してそれぞれ1番〜6番の錠剤取出し装置の識別番号を、また、中段の左側の錠剤取出し装置から右側の錠剤取出し装置に対してそれぞれ7番〜12番の錠剤取出し装置の識別番号を、また、最上段の左側の錠剤取出し装置から右側の錠剤取出し装置に対してそれぞれ13番〜18番の錠剤取出し装置の識別番号を、表示している。
図23に示すように、錠剤取出し装置の設定画面には、これらの各識別番号が示されたボタン(以下、錠剤取出し装置ボタンとも言う。)が表示されている。
例えば、図23の2401は、識別番号(錠剤取出し装置の識別番号のことを、錠剤取出し番号とも言う)が1番の錠剤取出し装置に関する設定を行うためのボタン(錠剤取出し装置ボタン)である。ここで、図23に示すように、識別番号が1番の錠剤取出し装置のボタン2401は、錠剤供給装置10に装着された各錠剤取出し装置のうち、最下段で最も左側に装着された錠剤取出し装置であることを示している。
同様に、図23の2402は、識別番号が2番の錠剤取出し装置に関する設定を行うためのボタン(錠剤取出し装置ボタン)である。ここで、図23に示すように、識別番号が2番の錠剤取出し装置のボタン2402は、錠剤供給装置10に装着された各錠剤取出し装置のうち、最下段で最も左側の錠剤取出し装置から1つ右側の錠剤取出し装置であることを示している。
同様に、図23の2403は、識別番号が3番の錠剤取出し装置に関する設定を行うためのボタン(錠剤取出し装置ボタン)である。ここで、図23に示すように、識別番号が3番の錠剤取出し装置のボタン2403は、錠剤供給装置10に装着された各錠剤取出し装置のうち、最下段で最も左側の錠剤取出し装置から2つ右側の錠剤取出し装置であることを示している。
図23の2404は、錠剤供給装置に関する設定を決定する決定ボタンであり、包装装置5は、当該決定ボタンがユーザにより押下されると、基本設定画面(図22)を表示する(表示画面が前の画面に戻る)。
すなわち、図23に表示された複数の錠剤取出し装置(錠剤取出し手段)のうち、切替手段による切り替えを行う錠剤取出し手段の選択を受け付ける(選択受付手段)。
そして、ここで選択を受け付けた錠剤取出し手段による錠剤取出し動作を、切替手段でにより、手撒供給手段による供給動作に切り替え可能にする。
ユーザにより、錠剤取出し装置ボタンが押下されると、包装装置5は、表示部1404に、図24に示すユニット設定画面を表示する。
図24は、選択中の錠剤取出し装置ボタンの錠剤取出し装置で取り出される錠剤を、ユーザが、いつ、何錠、服用するのかを示す情報(処方データ)を入力するためのユニット設定画面の一例を示す図である。
ユーザは、ユニット設定画面を介して、選択中の錠剤取出し装置ボタンの錠剤取出し装置で取り出される錠剤の、1日あたりの服用回数、及び、1回の服用錠剤数を入力する。
2501は、選択中の錠剤取出し装置ボタンの錠剤取出し装置で取り出される錠剤の、朝の服用錠剤数を入力する入力部である。
また、2502は、選択中の錠剤取出し装置ボタンの錠剤取出し装置で取り出される錠剤の、昼の服用錠剤数を入力する入力部である。
また、2503は、選択中の錠剤取出し装置ボタンの錠剤取出し装置で取り出される錠剤の、夕の服用錠剤数を入力する入力部である。
図24の入力部2501、入力部2502、入力部2503には、それぞれ、「1」、「1」、「1」、が入力されているため、朝に1錠、昼に1錠、夕方に1錠、患者が服用しなければならないことを示しており、朝用の包み、昼用の包み、夕方用の包みのそれぞれに、1錠ずつを包装しなければならないことを示している。
すなわち、1日あたりの服用回数は3回(朝、昼、夕)であり、1回あたりの錠剤数は1回であることを示している。
2504は、入力部2501、入力部2502、入力部2503に入力された錠剤数を0にクリアするクリアボタンである。
2505は、入力部2501、入力部2502、入力部2503に入力された錠剤数の設定で決定する決定ボタンである。
包装装置5は、ユーザにより、入力部2501、入力部2502、入力部2503に、錠剤数が入力されることにより、1日あたり服用回数、1回の錠剤数、いつ服用するのかを示す時間情報が入力される。
また、ユーザにより、入力部2501、入力部2502、入力部2503に入力された錠剤数が、すべて「0」が入力され、決定ボタン2505が押下されることは、現在、ユニット設定画面で入力している選択中の錠剤取出し装置では、錠剤取出し動作を行わないことを設定したことを意味する。
このように、ユニット設定画面(図24)を介して入力された処方データ、基本設定画面(図22)を介して入力されたデータに従って、図23の画面で選択中の錠剤取出し装置で、錠剤の取出し動作を行う錠剤数、及び取出しタイミングなどを決定することが可能となる。
ユーザにより、決定ボタン2505が押下されると、包装装置5は、錠剤取出し装置の設定画面(図23)を表示する(表示画面が前の画面に戻る)。
そして、包装装置5は、図24のユニット設定画面で設定された内容を、錠剤取出し装置の設定画面(図23)の当該内容が設定された錠剤取出し装置の錠剤取出し装置ボタン上に表示する。
例えば、図23の画面で、ユーザにより、1番の錠剤取出し装置ボタン2401が押下され、図24の画面で、朝1錠、昼1錠、夕方1錠と入力され、決定ボタン2505が押下された場合には、図23の画面のボタン2401には、「3回/日」のように、1日あたりの服用回数が表示され、また、「1錠/回」のように、1回あたりの錠剤数が表示される。
また、図23の画面の例では、1日あたりの服用回数、及び、1回あたりの錠剤数が表示されているが、その他に、図24の画面で設定された、いつ服用するのかを示す時間情報(朝、昼、夕など)を表示することもできる。
図23の2402についても、同様に、ボタン2402がユーザにより押下されると、包装装置5は、識別番号が2番の錠剤取出し装置のユニット設定画面(図24)を表示し、処方データの入力を受け付ける。そして、処方データが入力され、決定ボタン2505が押下されると、包装装置5は、当該入力された処方データをボタン2402上に表示する。
また、錠剤取出し装置の識別番号が3番から18番については、処方データが表示されていないため、3番から18番の識別番号の錠剤取出し装置は、錠剤の取出し動作を行わない設定であることを示している。
そして、錠剤取出し動作を行う各錠剤取出し装置について、処方データを入力した後に、決定ボタン2404が押下されると、当該各錠剤供給装置について入力された処方データの設定を決定し、図22に示す基本設定画面を表示部1404に表示する(表示画面が前の画面に戻る)。
次に、包装装置5は、表示部1404に表示されている基本設定画面のスタートボタン2305がユーザにより押下されると、基本設定画面(図22)、錠剤取出し装置の設定画面(図23)、ユニット設定画面(図24)を介して入力された情報に基づいて、包装データ(図27)を生成する。ここで生成される包装データには、入力された処方データが含まれる。
すなわち、ここで生成される包装データは、処方データを含むものであり、メモリなどの記憶手段に記憶される。
すなわち、この処方データは、錠剤供給部から取り出して前記分包手段に供給される錠剤に係る処方データであって、錠剤取出し手段により錠剤供給部から取り出して分包手段に供給される錠剤の錠剤数を含んでいる。
ここで、錠剤供給部は、錠剤が収容されている錠剤シート、又は複数の錠剤が収容されているカセットを含む。
包装データのデータ構造を図26に示す。
図26は、包装データのデータ構造の一例を示す図である。
図26に示すように、包装データは、図22の基本設定画面の入力部2301に入力された包装数分の包装データ構造体3101を有する。
例えば、図22の基本設定画面の入力部2301に入力された包装数が、「21」の場合、21包の包装データ構造体3101を有している。この21包のそれぞれについて1つの包装データ構造体を有している。
図26に示す包装データは、1包目から、入力部2301に入力された包装数目まで、順番に包装データ構造体を有しており、包装装置5のメモリ(記憶手段)に記憶される。
3101は、包装データ構造体の配列であり、1回の分包動作で必要な包数分の包装データにより構成されている。
なお、本実施例において、「分包動作」とは、すべての包みの作成を終了するまでの一連の動作を表し、「包装動作」とは、1つの包装データ構造体に従って1包の包みを作成する動作を表す。
包装装置5による各包装動作では、当該包装動作に対応する包装データ構造体のデータを参照し、当該データに従って、必要な動作を実行する。
この包装データは、分包開始時に表示部1404で設定されている内容に従って生成され、メモリに記憶される。
次に、包装データ構造体に含まれるデータを図25に示す。
図25は、包装データ構造体に含まれるデータの一例を示す図である。
図25に示すように、包装データ構造体3001は、包装動作の包装内容が示されている。
すなわち、包装データ構造体3001は、1包分の包装データ構造体である。
図25に示すように、包装データ構造体3001は、1包の包装動作に関し、錠剤取出しユニット(錠剤取出し装置)ごとに、錠剤取出し動作を行うか否かを示す情報、及び錠剤取出し動作を行う場合に錠剤を取り出す錠剤数を含む情報3002と、手撒き錠剤部1401に手撒きされた錠剤の包装動作(錠剤スライド部1601、及び錠剤堰き止めフタ1801、1802、1803の動作により1包分の錠剤を第3集積ホッパー503に落として包装する包装動作)を行うか否かを示す情報3003と、当該1包の包装動作により包装される錠剤の服用時期(朝/昼/夕)を示す時間情報3004と、当該1包の包装動作の包装処理の経過情報としての、当該包装処理が完了したか否かを示す包装処理経過情報3005(包装待ち/包装済み)と、を含んでいる。
次に、図27を用いて、包装データの具体例について、説明する。
図27は、図22の基本設定画面、図23の錠剤取出し装置の設定画面、及び図24のユニット設定画面で入力されたデータに基づいて生成される包装データの一例を示す図である。
図27は、図22の基本設定画面、図23の錠剤取出し装置の設定画面、及び図24のユニット設定画面を介して、以下の5つの設定がなされた場合に、生成される包装データである。
・設定1:図22の基本設定画面の2301に入力された包装数が「21」である。
・設定2:図22の基本設定画面の2302に入力された手撒き錠剤が「なし」である。
・設定3:識別番号が1番の錠剤取出し装置のユニット設定画面(図24)の入力部2501に「1」(朝)が、入力部2502に「1」(昼)が、入力部2503に「1」(夕)が、それぞれ入力され設定(決定)されている(朝、昼、夕のそれぞれで1錠ずつ服用することを示す情報が設定されている)。
・設定4:識別番号が2番の錠剤取出し装置のユニット設定画面(図24)の入力部2501に「2」(朝)が、入力部2502に「0」(昼)が、入力部2503に「0」(夕)が、それぞれ入力され設定(決定)されている(朝のみ2錠を服用することを示す情報が設定されている)。
・設定5:識別番号が3〜18番の各錠剤取出し装置については、処方データが入力されておらず、これらの錠剤取出し装置による錠剤取出し動作を行う設定がなされていない。
上述の設定1の通り、包装数が「21」であるため、包装データは、1包目の包装データ構造体から21包目の包装データ構造体まで順番に包装データ構造体が配列されている。
図27に示す包装データの例は、朝、昼、夕、朝、昼…というように、1日毎に服用する順番で分包する方式であるAB分包で分包するための包装データのデータ構造を示している。
そのため、1包目の包装データ構造体は、1日目の朝の包みについての包装データ構造体であるため、識別番号が1番の錠剤取出し装置から1個の錠剤を取り出す動作を行うことを示す情報(錠剤取出し装置番号1動作 あり(1錠))、及び識別番号が2番の錠剤取出し装置から2個の錠剤を取り出す動作を行うことを示す情報(錠剤取出し装置番号2動作 あり(2錠))を含んでいる。
また、1包目の包装データ構造体は、識別番号が3〜18番の各錠剤取出し装置による錠剤取出し動作は行わない設定であるため、識別番号が3番から18番までの錠剤取出し装置からは錠剤を取り出す動作は行わないことを示す情報(・・・錠剤取出し装置番号18動作 なし)を含んでいる。
また、入力部2302に入力された手撒き錠剤が「なし」であり、手撒き錠剤部1401に手で撒かれる錠剤の分包は行わないため、1包目の包装データ構造体は、その旨の情報(手撒き錠剤部動作 なし)を含んでいる。
また、1包目の包装データ構造体は、1日目の朝の包みについての包装データ構造体であるため、1包目の包みの服用時期は朝である旨の情報(服用時期(時間情報):朝)を含んでいる。
また、1包目の包装データ構造体は、1包目の包みの包装動作の包装処理が完了したか否かを示す包装処理経過情報(包装処理経過情報:包装待ち)を含んでいる。ここでは、まだ1包目の包みの包装動作の包装処理が完了していないため、その旨を示す包装処理経過情報として、「包装処理経過情報:包装待ち」が設定されている。
2包目の包装データ構造体は、1日目の昼の包みについての包装データ構造体であるため、識別番号が1番の錠剤取出し装置から1個の錠剤を取り出す動作を行うことを示す情報(錠剤取出し装置番号1動作 あり(1錠))を含んでいる。
また、識別番号が2番の錠剤取出し装置は、朝のみ2錠を取り出す設定であるため、2包目の包装データ構造体には、錠剤を取り出す動作は行わないことを示す情報(錠剤取出し装置番号2動作 なし)を含んでいる。
また、2包目の包装データ構造体は、識別番号が3〜18番の各錠剤取出し装置による錠剤取出し動作は行わない設定であるため、識別番号が3番から18番までの錠剤取出し装置からは錠剤を取り出す動作は行わないことを示す情報(・・・錠剤取出し装置番号18動作 なし)を含んでいる。
また、入力部2302に入力された手撒き錠剤が「なし」であり、手撒き錠剤部1401に手で撒かれる錠剤の分包は行わないため、2包目の包装データ構造体は、その旨の情報(手撒き錠剤部動作 なし)を含んでいる。
また、2包目の包装データ構造体は、1日目の昼の包みについての包装データ構造体であるため、2包目の包みの服用時期は昼である旨の情報(服用時期(時間情報):昼)を含んでいる。
また、2包目の包装データ構造体は、1包目の包みの包装動作の包装処理が完了したか否かを示す包装処理経過情報(包装処理経過情報:包装待ち)を含んでいる。ここでは、まだ2包目の包みの包装動作の包装処理が完了していないため、その旨を示す包装処理経過情報として、「包装処理経過情報:包装待ち」が設定されている。
3包目の包装データ構造体は、1日目の夕方の包みについての包装データ構造体であるため、識別番号が1番の錠剤取出し装置から1個の錠剤を取り出す動作を行うことを示す情報(錠剤取出し装置番号1動作 あり(1錠))を含んでいる。
また、識別番号が2番の錠剤取出し装置は、朝のみ2錠を取り出す設定であるため、3包目の包装データ構造体には、錠剤を取り出す動作は行わないことを示す情報(錠剤取出し装置番号2動作 なし)を含んでいる。
また、3包目の包装データ構造体は、識別番号が3〜18番の各錠剤取出し装置による錠剤取出し動作は行わない設定であるため、識別番号が3番から18番までの錠剤取出し装置からは錠剤を取り出す動作は行わないことを示す情報(・・・錠剤取出し装置番号18動作 なし)を含んでいる。
また、入力部2302に入力された手撒き錠剤が「なし」であり、手撒き錠剤部1401に手で撒かれる錠剤の分包は行わないため、3包目の包装データ構造体は、その旨の情報(手撒き錠剤部動作 なし)を含んでいる。
また、3包目の包装データ構造体は、1日目の夕方の包みについての包装データ構造体であるため、3包目の包みの服用時期は夕方である旨の情報(服用時期(時間情報):夕)を含んでいる。
また、3包目の包装データ構造体は、3包目の包みの包装動作の包装処理が完了したか否かを示す包装処理経過情報(包装処理経過情報:包装待ち)を含んでいる。ここでは、まだ3包目の包みの包装動作の包装処理が完了していないため、その旨を示す包装処理経過情報として、「包装処理経過情報:包装待ち」が設定されている。
このように、包装データは、1日分の包装データ構造体が、服用する順番に配列されている。
包装データには、さらに、2日目の包装データ構造体が、1日分の包装データ構造体と同様に、服用する順番に配列されている。
4包目以降の包装データ構造体についても、1日分の包装データ構造体の配列の繰り返しであるため、ここでは説明を省略する。
以上のようにして、包装装置5は、21個の包み(7日分)についての包装データ構造体の配列から構成される包装データを生成する。
図27では、AB分包についての包装データについて説明したが、朝、朝、朝、昼、昼…といったように、服用時期の集合順に分包する方式であるAA分包で分包するための包装データを生成することも可能である。
すなわち、AB分包の方式で分包するか、AA分包の方式で分包するかは、どちらか一方の選択を受け付ける選択部を図22の基本設定画面に更に設け、包装装置5が、当該選択部を介してユーザにより選択された方式の包装データを生成する。
上述の通り、包装データ(処方データ)には、錠剤供給部(錠剤シートなど)から取り出して分包手段に供給される錠剤数を含む。
次に、包装装置5による分包処理について、図28を用いて説明する。
図28は、包装装置5による分包処理の一例を示すフローチャートである。
図28に示す各ステップの処理は、包装装置5のCPU201が、メモリに記憶されたプログラムをロードして実行することにより実現される。
まず、包装装置5は、上述のように、図22の基本設定画面、図23の錠剤取出し装置の設定画面、及び図24のユニット設定画面を表示部1404に表示し、ユーザによる上述の各種データの入力を受け付ける。そして、包装装置5は、図22の基本設定画面のスタートボタン2305がユーザにより押下されると、上述したように、図22の基本設定画面、図23の錠剤取出し装置の設定画面、及び図24のユニット設定画面を介して入力されたデータに基づいて包装データ(図26、27)を生成し、生成された包装データをメモリに記憶する(ステップS4001)。
次に、包装装置5は、包装動作を開始するにあたって必要な準備動作を行う(ステップS4002)。具体的には、包装データ内のいずれかの包装データ構造体に、手撒き錠剤部1401に手で撒かれる錠剤の分包を行う旨の情報(手撒き錠剤部動作 あり)が含まれている場合には、包装装置5はシャッター1501を開けて閉じるように制御し、錠剤マス1402内の錠剤を、錠剤スライド部1601のスライド枠に落とす。
次に、包装装置5は、メモリに記憶された包装データの1包目の包装データ構造体から順番に、ステップS4003からステップS4011の処理を繰り返し実行する。
包装装置5は、まず、1包目の包装データ構造体を読み込み、当該包装データ構造体に、手撒き錠剤部1401に手で撒いた錠剤を包装することを示す情報(手撒き錠剤部動作 あり)が含まれているか否かを判定し、今回の包装で手撒き錠剤部の動作が必要か否かを判定する(ステップS4003)。
そして、包装装置5は、当該包装データ構造体に、手撒き錠剤部1401に手で撒いた錠剤を包装することを示す情報(手撒き錠剤部動作 あり)が含まれていると判定された場合には(YES)、手撒き錠剤部1401の動作を行う。一方、手撒き錠剤部1401に手で撒いた錠剤を包装することを示す情報(手撒き錠剤部動作 あり)が含まれていない、すなわち、手撒き錠剤部1401に手で撒いた錠剤を包装しないことを示す情報(手撒き錠剤部動作 なし)が含まれていると判定された場合には(NO)、処理をステップS4005に移行する。
ステップS4004において、具体的には、包装装置5は、今回、包装対象の錠剤が錠剤マスから落下したスライド枠1602が、フタA(1801)、フタB(1802)、フタC(1803)の上に来るように、錠剤スライド部1601を左方向に移動する。そして、包装装置5は、今回、包装対象(包装動作を行う包装の番号)の錠剤のあるスライド枠1602の下にあるフタ(1801、1802、1803のいずれかのフタ)を開けて閉じることにより、1マス分ずつの錠剤を、第3集積ホッパー503に落下させる。ここで、「包装動作を行う包装の番号」とは、図14の錠剤マス1402の番号(1、2・・・)のことを示し、包装データ構造体のいくつ目の包みであるかを示す番号(1包目、2包目・・・)に対応している。
次に、包装装置5は、現在処理対象としている包装データ構造体に、錠剤取出し装置による錠剤を取り出す動作を行うことを示す情報(錠剤取出し装置番号n動作 あり(m錠))が含まれているか否かを判定し、今回の包装で錠剤取り出し装置の動作が必要かを判定する(ステップS4005)。そして、包装装置5は、現在処理対象としている包装データ構造体に、錠剤取出し装置による錠剤を取り出す動作を行うことを示す情報が含まれていると判定された場合には(YES)、今回の包装で錠剤取り出し装置の動作が必要であると判定し、処理をステップS4006に移行する。一方、現在処理対象としている包装データ構造体に、錠剤取出し装置による錠剤を取り出す動作を行うことを示す情報が含まれていないと判定された場合には(NO)、今回の包装で錠剤取り出し装置の動作は必要ないと判定し、処理をステップS4010に移行する。
そして、包装装置5は、ステップS4006において、現在処理対象としている包装データ構造体に含まれている、今回の包装において錠剤を取り出す動作を行う全ての錠剤取出し装置の錠剤取出し装置番号(識別番号)と、当該各錠剤取出し装置番号(識別番号)により識別される錠剤取出し装置が取り出す錠剤の数(錠剤数)とを含む動作命令を、錠剤供給ユニットに送信して、各錠剤取出し装置による錠剤取出し動作を行わせる。
S4006は、処方データに従って錠剤供給部から錠剤を取り出して分包手段に供給する錠剤取出し手段の適用例である。錠剤取出し手段は、記憶手段に記憶された処方データに含まれる錠剤数に従って錠剤供給部から錠剤を取り出して分包手段に供給する。
ステップS4005において、包装装置5は、例えば、現在処理対象としている包装データ構造体に、識別番号が1番の錠剤取出し装置から1個の錠剤を取り出す動作を行うことを示す情報(錠剤取出し装置番号1動作 あり(1錠))、及び識別番号が2番の錠剤取出し装置から2個の錠剤を取り出す動作を行うことを示す情報(錠剤取出し装置番号2動作 あり(2錠))を含んでいると判定した場合には(YES)、識別番号が1番の錠剤取出し装置から1個の錠剤を取り出す動作を行う動作命令、及び、識別番号が2番の錠剤取出し装置から2個の錠剤を取り出す動作を行う動作命令を、錠剤供給ユニットに送信して、各錠剤取出し装置による錠剤取出し動作を行わせる(ステップS4006)。
当該錠剤供給ユニットは、当該それぞれの動作命令を包装装置5から受信すると、当該それぞれの動作命令を、例えば図31に示すテーブルに格納する。
図31は、包装装置5から受信した錠剤取出し動作の動作命令を格納したテーブルの一例を示す図である。
錠剤供給ユニットは、錠剤供給ユニットのメモリに、図31に示すテーブルを記憶する。
図31に示すテーブルには、「動作する錠剤取出し装置番号」と、「取り出す錠剤数」とが対応付けて記憶されている。
ここで、「動作する錠剤取出し装置番号」は、錠剤を取り出す動作を行う錠剤取出し装置の識別番号を示しており、「取り出す錠剤数」は、当該識別番号で識別される錠剤取出し装置から何錠の錠剤を取り出すのかを示している。
錠剤供給ユニットは、図31に示すテーブルに従って、当該識別番号で識別される錠剤取出し装置から指定された錠剤数の錠剤を取り出すように錠剤取出し装置を動作するようにする。
ここでの錠剤供給ユニットのCPU2が制御する錠剤取出し装置による錠剤の取出し動作の詳細処理については、図29を用いて、後で説明する。
次に、包装装置5は、錠剤取出し動作の動作命令に示された錠剤数の錠剤を、当該動作命令に示された錠剤取出し装置が取り出すことが出来なかった旨を示す錠剤不足エラーを、錠剤供給ユニットから受信したか否かを判定する(ステップS4007)。この錠剤不足エラーは、錠剤シートを所定枚数錠剤取出し装置にセットしていなかった、または、錠剤取出し装置が錠剤取出し動作を行ったが錠剤シートに錠剤が残ってしまい錠剤シートから錠剤を取り出すことが出来なかった場合などに発生するエラーである。錠剤供給ユニットのCPU2が、後述する図29のステップS4112の錠剤不足エラーの出力処理を行うことにより、包装装置5は錠剤不足エラーを受信する。
次に、包装装置5は、錠剤不足エラーを、錠剤供給ユニットから受信したと判定された場合には(YES)、処理をステップS4008に移行して、ユーザからの再開指示を受付けたかを判定する。具体的には、ユーザにより、表示部1404に表示された基本設定画面(図22)のスタートボタン2305が押下されたか否かを判定する。そして、ユーザにより、スタートボタン2305が押下されたと判定された場合には、再度、ステップS4006と同一の処理である錠剤取出し動作を行い(ステップS4006−1)、処理をステップS4009に移行する。ここで、ユーザは、追加の錠剤シートを錠剤取り出し装置の投入口に追加投入してから、スタートボタン2305を押下する。
一方、包装装置5は、錠剤不足エラーを錠剤供給ユニットから受信することなく、錠剤取り出し動作が完了した旨を示す動作情報を、錠剤供給ユニットから受信した場合には(NO)、処理をステップS4009に移行する。これは、適宜、錠剤供給ユニットが包装装置5に錠剤取出し装置の動作状況を示す動作情報を送信しており、後述する図29のステップS4108で、1包分の錠剤を取り出したと判定された場合(YES)に、錠剤供給ユニットが、包装装置5に、錠剤取り出し動作が完了した旨を示す動作情報を送信するため、包装装置5は、当該動作情報を受信することにより、処理をステップS4009に移行することが可能となる。
次に、包装装置5は、ユーザによりスタートボタン2305が押下された後、または、錠剤供給ユニットから、錠剤取り出し動作が完了した旨を示す動作情報を受信した後は、錠剤取出し装置から取り出された錠剤は、第2集積ホッパー501に集積しているため、第1の送り出し機構を往復動作させることで、第2集積ホッパー501に集積された錠剤を第3の集積ホッパー503に送り出す(ステップS4009)。これにより、ステップS4004でスライド枠1602から第3集積ホッパー503に落下した1マス分の錠剤、及び/又は、ステップS4006で取り出された錠剤が、第3集積ホッパー503に集合する。
次に、包装装置5は、第2の送り出し機構504を往復動作させ、第3集積ホッパーに集合した錠剤をメインホッパー505へ送出する(ステップS4010)。
そして、包装装置5は、包装機構703、704により、メインホッパー505内に集積された錠剤(1回分の錠剤)が包装シートの中に投入し、当該包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入して包装する。そして、包装装置5は、現在、処理対象の包装データ構造体の、包装動作の包装処理が完了していないことを示す包装処理経過情報(包装処理経過情報:包装待ち)を、包装動作の包装処理が完了したことを示す包装処理経過情報(包装処理経過情報:包装済み)に更新する(ステップS4011)。
ここで、第1の送り出し機構、及び第2の送り出し機構、及び、包装機構703、704は、錠剤取出し装置により取り出された錠剤を分包する錠剤取出し分包機構の適用例である。
また、ステップS4004で動作する各部、及び、第2の送り出し機構、及び、包装機構703、704は、手撒きされた錠剤を分包する手撒き分包機構の適用例である。
また、ステップS4004は、錠剤マスに手撒きされた錠剤を前記分包手段に供給する手撒供給手段の適用例である。
次に、包装装置5は、ステップS4001でメモリに記憶された包装データ内に次に処理対象とする包装データ構造体(例えば2包目の包装データ構造体)があるか否かを判定し(ステップS4012)、次に処理対象とする包装データ構造体があると判定された場合には(YES)、当該包装データ構造体を処理対象にして、ステップS4013の処理に移行する。一方、次に処理対象とする包装データ構造体がない、すなわち、ステップS4001でメモリに記憶された包装データ内の全ての包装データ構造体について、ステップS4003からステップS4011の処理を実行したと判定された場合には(NO)、最終包の作成が終了して分包動作を完了したと判断し、図28に示す処理を終了する。
ステップS4013では、ユーザにより、表示部1404に表示されている基本設定画面(図22)のストップボタン2304が押下されたか否かを判定する。
ステップS4013は、錠剤取出し手段による錠剤取出し動作の停止指示を受け付ける停止受付手段の適用例である。
このように、錠剤取出し装置による錠剤の取り出し動作で、錠剤シートからの錠剤の取出しが頻繁に失敗している錠剤取り出し装置がある場合、ユーザにより、当該錠剤取出し装置による錠剤の取出し動作の途中停止を受け付けることが可能となる。
包装装置5は、基本設定画面(図22)のストップボタン2304がユーザにより押下されたことを検知すると(ステップS4013:YES)、処理をステップS4014に移行し、一方、ストップボタン2304がユーザにより押下されなければ(ステップS4013:NO)、処理をステップS4003に移行する。
ステップS4014に示す再開処理を包装装置5が実行すると、処理をステップS4003に移行する。
ステップS4014に示す再開処理の詳細処理は、図30を用いて、後で説明する。
次に、錠剤供給ユニットのCPU2が制御する錠剤取出し装置による錠剤の取出し動作の詳細処理について、図29を用いて説明する。
図29は、錠剤供給ユニットのCPU2が制御する錠剤取出し装置による錠剤の取出し動作の詳細処理の一例を示すフローチャートである。
図29に示す各ステップの処理は、錠剤供給ユニットのCPU2が、メモリに記憶されたプログラムをロードして実行することにより実現される。
まず、錠剤供給ユニットは、図28のステップS4006、またはステップS4006−1で包装装置5から送信された錠剤取り出しの動作命令を受信すると、当該動作命令を、メモリにテーブル(例えば図31に示すテーブル)として格納する。
図31には、錠剤を取り出す動作を行う錠剤取出し装置の識別番号と、当該識別番号で識別される錠剤取出し装置から何錠の錠剤を取り出すのかを、錠剤取出し装置ごとに表している。
図31に示すように、複数の錠剤取出し装置による錠剤取出しの動作命令を包装装置5から受信した場合には、当該複数の錠剤取出し装置による錠剤取出し動作を、それぞれ並行して実行することができる。
図31のテーブルには、装置番号1(識別番号が1番)の錠剤取出し装置から、錠剤を1錠取り出す動作命令と、装置番号2(識別番号が2番)の錠剤取出し装置から、錠剤を2錠取り出す動作命令とが含まれている。そのため、錠剤供給ユニットは、装置番号1(識別番号が1番)の錠剤取出し装置から錠剤を1錠取り出すように、錠剤取出し装置を動作させる。また、これに並行して、錠剤供給ユニットは、装置番号2(識別番号が2番)の錠剤取出し装置から錠剤を2錠取り出すように、錠剤取出し装置を動作させる。
錠剤供給ユニットのCPU2が、各錠剤取出し装置の動作を制御しているため、錠剤供給ユニットのCPU2が、図29に示す各ステップを、各錠剤取出し装置ごとに並行して制御することとなる。すなわち、図29は、錠剤供給ユニットのCPU2が、1台の錠剤取出し装置の動作処理を制御しているフローチャートである。
まず、錠剤供給ユニットは、下部ローラ、及び上部ローラを回転させることで、錠剤シートの投入口203にセット(投入)された錠剤シートを、錠剤の取出位置の方向に搬送する(ステップS4101)。
そして、錠剤供給ユニットは、搬送中の錠剤シートの錠剤収容部(ポケット)を検出機構17(センサ)により検出する(ステップS4102)。
次に、錠剤供給ユニットは、ステップS4102で、搬送中の錠剤シートの錠剤収容部(ポケット)を検出機構17(センサ)が検出したか否かを判定し(ステップS4103)、検出できた場合には、処理をステップS4104に移行し、検出できなかった場合には、処理をステップS4111に移行する。
錠剤供給ユニットは、搬送中の錠剤シートの錠剤収容部(ポケット)を検出機構17(センサ)が検出した場合には、下部ローラ、及び上部ローラを回転し、ポケットが検出された位置から所定の距離だけ、錠剤シートを搬送し、錠剤の取り出し位置にポケットが来るように錠剤シートを搬送する(ステップS4104)。
そして、錠剤供給ユニットは、カム94およびカム99を回転させることにより、第1昇降体93および第2昇降体98を動作させて(錠剤の取出し動作を行い)、錠剤シートのポケットに封入されている錠剤を押し出す(ステップS4105)。
錠剤供給ユニットは、ステップS4105で第1昇降体93および第2昇降体98によりポケットが押し出されることにより取り出された錠剤を、光学センサ204により検出する(ステップS4106)。
次に、錠剤供給ユニットは、ステップS4106で、光学センサ204により錠剤が検出できたか否かを判定し(ステップS4107)、検出できたと判定された場合には、処理をステップS4108に移行し、検出出来なかったと判定された場合には、処理をステップS4109に移行する。
錠剤供給ユニットは、ステップS4107で検出された錠剤の数が、図31に示すテーブルにおいて、当該検出された錠剤を取り出した錠剤取出し装置の識別番号に対応する「取り出す錠剤数」であるか否かを判定することにより、1包分の錠剤をすべて取り出したか否かを判定する(ステップS4108)。
錠剤供給ユニットは、ステップS4108で、1包分の錠剤をすべて取り出したと判定した場合には、包装装置5に、錠剤取り出し動作が完了した旨を示す動作情報を送信し、処理を終了する。一方、ステップS4108で、1包分の錠剤をすべて取り出していないと判定した場合には、処理をステップS4110に移行する。
錠剤供給ユニットは、ステップS4109で、錠剤の取出し動作の回数(ステップS4105の処理回数)が、規定回数(所定回数)を超えているか否かを判定し、規定回数を超えていると判定した場合には(YES)、処理をステップS4108に移行する。一方、規定回数を超えていないと判定された場合には(NO)、処理をステップS4105に移行して、再度、錠剤の取出し動作を行う。
ここで、規定回数を超えていると判定し(ステップS4109:YES)、処理をステップS4108に移行することは、取出し動作を行っているポケットに錠剤が存在していても取り出すことを断念したことを意味し、錠剤の取り出しに失敗したことになる。
錠剤シートの錠剤が2列となっている。そのため、錠剤供給ユニットは、ステップS4105で錠剤の取出し動作を行ったポケットの隣のポケットに対して、ステップS4105の錠剤取出し動作を行ったか否かを判定する(ステップS4110)。ステップS4105で錠剤の取出し動作を行ったポケットの隣のポケットに対しても、ステップS4105の錠剤取出し動作を行ったと判定した場合には(ステップS4110:NO)、錠剤シートに錠剤が存在しないため、ステップS4101に移行して、錠剤シートを、錠剤の取出位置の方向(廃棄ボックスの方向)に搬送する(ステップS4101)。一方、ステップS4105で錠剤の取出し動作を行ったポケットの隣のポケットに対して、ステップS4105の錠剤取出し動作を行っていないと判定した場合には(ステップS4110:YES)、処理をステップS4105に戻して、ステップS4105で錠剤の取出し動作を行ったポケットの隣のポケットに対して錠剤取出し動作を行う。
錠剤供給ユニットは、ステップS4103で、錠剤シートを所定距離搬送してもポケットを検出出来なかったと判定した場合には(NO)、下部ローラ、及び上部ローラを回転させることにより、錠剤シート(PTPシート)を廃棄ボックスの方向に搬送し(ステップS4111)、錠剤取出し装置が動作命令に示された錠剤数の錠剤を取り出すことが出来なかった旨を示す錠剤不足エラーを、包装装置5に送信する(ステップS4112)。
次に、図28に示す再開処理(ステップS4014)の詳細処理について、図30を用いて説明する。
図30は、図28に示す再開処理(ステップS4014)の詳細処理の一例を示すフローチャートである。
図30に示す各ステップの処理は、包装装置5のCPU201が、メモリに記憶されたプログラムをロードして実行することにより実現される。
図30に示す再開処理は、錠剤取出し装置により取り出された錠剤の分包動作を、手撒きの錠剤の分包動作に切り替える本発明の切替手段の適用例である。
すなわち、図30に示す再開処理は、受付手段で切替指示(錠剤取出し手段による錠剤取出し動作を、手撒供給手段による供給動作に切り替える指示)を受付けたことを条件に、記憶手段に記憶された処方データに従って行われる錠剤取出し手段による錠剤取出し動作を、手撒供給手段による供給動作に切り替える可能にする切替手段の適用例である。すなわち、切替手段は、記憶手段に記憶された処方データに含まれる錠剤数を、錠剤取出し手段により錠剤供給部から取り出す錠剤取出し動作を、手撒供給手段による供給動作に切り替え可能にする。
切替手段は、管理手段で管理する処方データに含まれる未取り出しの錠剤数を、錠剤取出し手段により錠剤供給部から取り出す錠剤取出し動作を、手撒供給手段による供給動作に切り替え可能にする。
まず、包装装置5は、ステップS4013で、基本設定画面(図22)のストップボタン2304が押下された場合に、包装動作を一時停止する。
そして、包装装置5は、図32に示す選択画面を表示部1404に表示する。
図32は、錠剤取出し手段による錠剤取出し動作中に、錠剤取出し手段による錠剤取出し動作を、手撒供給手段による供給動作に切り替える指示を受付ける受付画面を表示する表示手段の適用例である。
図32は、錠剤不足エラーが頻繁に発生する錠剤取出し装置による錠剤取出し動作を停止して、当該錠剤取出し装置により錠剤取出して包装する予定の錠剤を、手撒き錠剤部1401の錠剤マスに入れて包装動作を再開するか、または、前の画面に戻るか(基本設定画面(図22)を表示するか)の選択を受け付ける選択画面の一例を示す図である。
図32の選択画面には、当該錠剤取出し装置により錠剤取出して包装する予定の錠剤を、手撒き錠剤部1401の錠剤マスに入れて包装動作を再開する指示を受付けるボタン5002と、前の画面に戻る指示を受付けるボタン5003とが表示されている。
5003は、錠剤取り出し動作を手撒き動作へ変更する場合に選択するボタンである。
図32に示す選択画面は、分包動作中に、錠剤取出し装置により取り出された錠剤の分包動作を、手撒き錠剤部に手撒きされた錠剤の分包動作に切り替える指示を受付ける本発明の受付手段の適用例である。
すなわち、錠剤取出し手段による錠剤取出し動作中に、錠剤取出し手段による錠剤取出し動作を、手撒供給手段による供給動作に切り替える指示を受付ける受付手段の適用例である。この受付手段は、表示手段により表示された受付画面を介してユーザ操作により当該指示を受付ける。
包装装置5は、ユーザによる、ボタン5002、又はボタン5003の何れかの選択を受け付け、ボタン5003がユーザにより選択された場合は(ステップS4201:NO)、図22に示す基本設定画面を表示部1404に表示して、ステップS4208に移行する。
一方、ボタン5003がユーザにより選択された場合は(ステップS4201:YES)、処理をステップS4202に移行する。
このようにして、包装装置5は、錠剤不足エラーが頻繁に発生する錠剤取り出し装置を手撒きの動作に変更するかをユーザに確認する。
ボタン5003がユーザにより選択された場合は(ステップS4201:NO)、ユーザは、表示部1404に表示された基本設定画面のスタートボタン2305を押下する。
包装装置5は、スタートボタン2305がユーザに押下されたと判定した場合には(ステップS4208:YES)、処理を図28のステップS4003に戻して、錠剤取出し動作を再開する。
ステップS4208は、再開指示を受け付ける再開指示受付手段の適用例である。
また、包装装置5は、ボタン5002がユーザにより選択された場合は(ステップS4201:YES)、ステップS4202において、図23に示す錠剤取出し装置の設定画面を表示部1404に表示する(ステップS4202)。
包装装置5は、ユーザによる、錠剤取出し動作を停止する錠剤取出し装置の錠剤取出し装置ボタンの選択を受け付ける。ここで選択された錠剤取出し装置ボタンの色は反転表示する。そして、ユーザにより決定ボタン2404が押下されると、処理をステップS4203に移行する。
包装装置5は、ステップS4203において、当該選択された錠剤取出し装置ボタンの錠剤取出し装置の内に残っている錠剤シートを排出する。
そして、包装装置5は、現在、処理している包装データから、錠剤マス位置テーブル(図37)を生成する(ステップS2403a)。
図37は、錠剤マス位置テーブルの一例を示す図である。
錠剤マス位置テーブル(図37)は、錠剤マス番号と、セット要否情報とが紐付けられてメモリに記憶される。
ここで、錠剤マス番号は、錠剤マス1402の番号に同じ意味である。
セット要否情報は、手撒き錠剤部1401の錠剤マスに、錠剤をセット(投入)する必要があるかを示す情報と、いつ服用する分の錠剤を投入するのかを示す情報(服用時期)とが含まれる。
図37の例では、錠剤マス番号が1の「1マス目」の錠剤マスに、錠剤をセットしなくてもよいことを示す情報として「セットなし」が記憶されている。
また、錠剤マス番号が26の「26マス目」の錠剤マスに、錠剤をセットする必要のあることを示す情報として「セットあり」が記憶されている。また、錠剤マス番号が26の「26マス目」の錠剤マスにセットする錠剤は、服用時期が昼の分であること示す「(昼)」が記憶されている。
ここで、ステップS4203aにおける包装装置5の具体的な処理について、説明する。
ここでは、例として、図27に示す包装データを用いて、図28に示す分包動作を行い、4包目までは包装動作が完了し、5包目の包装動作を実行する前に、ストップボタン2304が押下され、錠剤取出し動作を停止する錠剤取出し装置として、識別番号が1番の錠剤取出し装置が設定画面(図23)で選択された場合、5包目以降は、包装動作を識別番号が1の錠剤取出し装置が錠剤取出し動作を行わずに、手撒きの錠剤を包装するようにするようにユーザが選択した場合について説明する。
4包目までは包装動作が完了し、5包目の包装動作を実行する前に、ストップボタン2304が押下された時点の包装データを、図35の6061に示す。
図35の6061に示すように、1〜4包目までの包装データ構造体の包装処理経過情報は、「包装処理経過情報:包装済み」と更新されているが、5〜21包目までの包装データ構造体の包装処理経過情報は、「包装処理経過情報:包装待ち」となっている。
そのため、錠剤取出し動作を停止する錠剤取出し装置の識別番号の「錠剤取出し番号1動作 あり」を含む5〜21包目までの包装データ構造体を特定し、当該特定された包装データ構造体の包装の番号(何包目か示す番号であり錠剤マス番号に対応している)に対して、セット要否情報として「セットあり」を錠剤マス位置テーブル(図37)に格納する。
また、当該特定されていない包装データ構造体の包装の番号(何包目か示す番号)に対しては、セット要否情報として「セットなし」を錠剤マス位置テーブル(図37)に格納する。
また、セット要否情報に含まれる服用時期は、当該特定された包装データ構造体の服用時期を錠剤マス番号に対応するようにそれぞれ格納する。
このようにして、包装装置5は、現在、処理している包装データから、錠剤マス位置テーブル(図37)を生成する。
なお、図37に示す錠剤マス位置テーブルを、手撒き錠剤セット位置情報とも言う。
次に、包装装置5は、ステップS4203aで生成された錠剤マス位置テーブルに従って、表示部1404(表示手段)に、手撒き錠剤部への錠剤のセット方法を示すガイダンス画面(図33)を表示する(ステップS4204)。図33に示すように、手撒きすべき錠剤マス番号のマスと、手撒きしない錠剤マス番号のマスとを識別表示して、手撒きすべき錠剤マス番号のマスに錠剤を投入する旨を表示している。
図33は、手撒き錠剤部への錠剤のセット方法を示すガイダンス画面の一例を示す図である。
図33は、本発明のガイダンス画面の適用例である。
また、ステップS4204は、管理手段により管理されている未取り出しの錠剤数を含む処方データに従って、当該未取り出しの錠剤を手撒きすべき錠剤マスを識別可能に表示するガイダンス画面を表示するガイダンス表示手段の適用例である。
図33のガイダンス画面を表示することで、錠剤をセットする錠剤マスの位置をユーザに知らせると同時に、ユーザに錠剤マスへ錠剤をセットするよう求めている。
5102は、手撒き錠剤部1401のイメージを表示する部分である。錠剤をセットする錠剤マスを黒色表示とし、服用のタイミングを確認できるよう朝、昼、夕の文字が表示される。この例では、錠剤取り出し装置の動作によって3回/日の服用(朝・昼・夕)を7日分包装する分包を開始後、5包目の包装動作開始時点で錠剤取出し装置番号1の錠剤取出し装置の錠剤取出し動作を停止し、以降を手撒き動作へ変更する場合を示している。
ユーザは、このガイダンス画面を参照しながら、ステップS4203において排出された錠剤シートに封入されている錠剤を手で取り出し、手撒き錠剤部にセットする。
5103は確認ボタンであり、ステップS4202で選択された錠剤取出し装置が1つのみの場合に、確認ボタン5103が押下されると図22の基本設定画面の表示に戻る。一方、ステップS4202で選択された錠剤取出し装置が複数ある場合には、確認ボタン5103が押下される度に、当該選択された錠剤取出し装置でのガイダンス画面を順に表示して、最後の錠剤取出し装置でのガイダンス画面で確認ボタン5103が押下されると、図22の基本設定画面の表示に戻る。
このように、錠剤取出し装置による錠剤取出し動作を停止して、当該錠剤取出し装置により錠剤取出して包装する予定の錠剤を、ガイダンス画面に従って、手撒き錠剤部1401の錠剤マスに入れる。
ユーザは、図33のガイダンス画面に従って、錠剤マスに錠剤をセットするが、廃棄ボックスに排出された錠剤シートに、取り出しに失敗した錠剤が残っている場合、この錠剤シートの錠剤をユーザが取り出して、錠剤マスにセットすることにより、従来の動作では廃棄されていた錠剤を再利用することが出来るようになる。さらに、その錠剤をどの錠剤マスに入れれば良いかが分かるため、ユーザは、新たな錠剤シートを追加で投入口に投入することなく、簡易な操作で、分包動作を再開させることが可能となる。
次に、包装装置5は、図22の基本設定画面のスタートボタン2305がユーザにより押下されることにより再開指示を受付ける。そして、包装装置5は、ユーザにより再開指示を受付けると(ステップS4205:YES)、処理をステップS4206に移行する。
ステップS4205は、再開指示を受け付ける再開指示受付手段の適用例である。
包装装置5は、包装動作で錠剤取り出し動作を手撒き動作へ変更するよう包装データを再設定する(ステップS4206)。
具体的には、図35の6061に示すように、1〜4包目までの包装データ構造体の包装処理経過情報は、「包装処理経過情報:包装済み」と更新されているが、5〜21包目までの包装データ構造体の包装処理経過情報は、「包装処理経過情報:包装待ち」となっている。
図35に示すデータは、記憶手段に記憶された処方データに含まれる錠剤数のうち、錠剤取出し手段による未取り出しの錠剤数(6061の5包目以降のデータ)を処方データとして管理されたデータである。このように、分包システムは、未取り出しの錠剤数(6061の5包目以降のデータ)を管理する管理手段を備えている。
そのため、5〜21包目までの包装データ構造体の「錠剤取出し番号1動作 あり(1錠)」を「錠剤取出し番号1動作 なし」に変更し、さらに「手撒き錠剤部動作 なし」を「手撒き錠剤部動作 あり」に変更する。変更後の包装データを図35の6062に示す。
このように、包装装置5は、ボタン5002がユーザにより選択された場合は(ステップS4201:YES)、ステップS4206において、錠剤取出し動作を停止する錠剤取出し装置による現在の包装分以降の錠剤取出しを行わず、錠剤取出し動作が停止された包装分以降の当該錠剤取出し装置で錠剤を取り出す予定だった錠剤を手撒きによる包装に切り替えるように、包装データを更新する。
次に、包装装置5は、手撒き動作への変更によって必要となる準備処理を行う(ステップS4207)。
このように、切替手段は、ステップS4013の停止受付手段で停止指示を受け付け、ステップS4201の受付手段で手撒供給手段による供給動作に切り替える指示を受け付け、ステップS4205の再開指示受付手段で再開指示を受け付けた場合に、記憶手段に記憶された処方データに従って行われる錠剤取出し手段による錠剤取出し動作を、手撒供給手段による供給動作に切り替える(ステップS4206、ステップS4207)。
ステップS4207の準備処理の詳細処理については、図34を用いて説明する。
次に、ステップS4207の準備処理の詳細処理について、図34を用いて説明する。
図34は、ステップS4207の準備処理の詳細処理の一例を示すフローチャートである。
図34に示す各ステップの処理は、包装装置5のCPU201が、メモリに記憶されたプログラムをロードして実行することにより実現される。
包装装置5は、まず、現在の分包動作で手撒き錠剤部の動作が行われているかを判定する(ステップS5201)。
具体的には、図22の基本設定画面で、入力部2302に「あり」が入力されて分包動作を開始した場合、手撒き錠剤部の動作が行われていると判定する。手撒き錠剤部の動作が行われている場合はステップS5202に移行し、手撒き錠剤部の動作が行われていないと判定された場合にはステップS5205に移行する。
次に、包装装置5は、現在の分包動作で手撒き錠剤部の動作が行われていると判定された場合には(ステップS5201:YES)、錠剤スライド部1601を図17に示す分包開始前の位置まで移動する(ステップS5202)。
この処理は、図30のS4202で表示されたガイダンス画面に表された錠剤のセット位置が、1包目(錠剤マスの1マス目)を基準にしているため、必要となる。
また、包装装置5は、シャッター1501を開閉して、図33に示すガイダンス画面の指示に従ってユーザが錠剤マスにセットした錠剤を、錠剤スライド部1601に落下させる(ステップS5203)。
そして、包装装置5は、ステップS5202の処理を実行する直前の位置まで、錠剤スライド部1601を移動して、現在処理対象の錠剤を第3集積ホッパーに落とす(ステップS5204)。移動後は手撒き変更の準備動作を終了する。
包装装置5は、現在の分包動作で手撒き錠剤部の動作が行われていないと判定された場合には(ステップS5201:NO)、シャッター1501を開閉し、図33に示すガイダンス画面の指示に従って使用者が錠剤マスにセットした錠剤を、錠剤スライド部1601に落下させる(ステップS5205)。
ここで、ステップS5202のような錠剤スライド部1601の動作が不要であるのは、手撒き錠剤部の動作が行われていないために錠剤スライド部が分包開始前と変わらない位置にあるためである。
そして、包装装置5は、実行位置まで錠剤スライド部1601を移動する(ステップS5206)。
ここでの実行位置とは、現時点での包装済み包数を錠剤スライド部の行数である3で割り、整数部の数だけ錠剤スライド部の列を左に移動した位置である。
例えば、5包目の錠剤マスに投入した錠剤があるスライド枠が、フタ1802の位置に来るように錠剤スライド部1601を左側に移動させる。
次に、包装装置5は、フタ(1801、1802、1803のいずれか)を開ける(ステップS5207)
フタA、B、Cのどれを開けるかは、現時点での包装済み包数を錠剤スライド部の行数である3で割った余りの数で決定される。
このときの余りが1の場合は、フタAをあける。
このときの余りが2の場合は、フタBをあける。
このときの余りが0の場合は、フタCをあける。
例えば、5包目を包装する場合、フタ1802を開けて閉めて、スライド枠内の錠剤を第3集積ホッパーに落とす。
そして、包装装置5は、ステップS5204、又はステップS5207の処理を実行すると、準備処理を終了する。
以上に説明した分包動作を行うことにより、包装された包装シートの包みは、図36に示すように作成される。
図36は、分包動作を行うことで包装された包装シートの包みの一例を示す図である。
図36に示すように、錠剤取り出し装置1の動作を手撒き錠剤部の動作に変更した場合でも、錠剤取り出し装置1が錠剤不足を発生させない場合と変わりなく包みが作成される。
以上、本実施例によれば、使用済み錠剤シート内に残った錠剤を手撒き錠剤部にセットして分包動作を継続することができるので、簡単に、分包動作を継続することが可能となる。
錠剤の取り出し動作後に錠剤シート内に錠剤が残ってしまうことで、その後の包装途中で錠剤が不足してしまっても、使用済み錠剤シート内に残った錠剤を手撒き錠剤部にセットして動作を継続することにより、未使用の錠剤シートを追加投入する必要が無くなる。よって、従来であれば必要であった錠剤シートの追加時に、錠剤シートを取り間違えることによる異種混入という調剤過誤を未然に防止している。
さらに、錠剤シートからの取り出しに失敗した錠剤を手撒き錠剤として利用するので、錠剤シートからの取り出しに失敗した錠剤を有効利用することができ、無駄を発生させない。
上述した本発明の実施形態を構成する各手段及び各ステップは、コンピュータのRAMやROM等に記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。装置が読み取り実行可能なこのプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、一又は複数の機器からなる装置に適用してもよい。
なお、本発明は、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム又は装置に直接、又は遠隔から供給する。そして、そのシステム又は装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。更に、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS等が、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
更に、その他の方法として、まず記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。そして、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。