JP2016007196A - 植播系水田作業機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】GNSSモジュールを備えて機体の測位データを出力する測位ユニットを備える。機体が田面への苗の植え付けを終了する作業終了位置A4に達したことが検出されると、機体が作業終了位置A4に達したことを報知する作業終了報知部を備える。機体が田面への苗の植え付けを開始する作業開始位置A3に達したことが検出されると、機体が作業開始位置A3に達したことを報知する作業開始報知部を備える。
【選択図】図6
Description
以上のように乗用型田植機では、一つの作業行程(田面への苗の植え付けの終了)、畦際での旋回、及び隣接する次の作業行程(田面への苗の植え付けの開始)を繰り返している(特許文献1の段落番号[0005][0069]及び図14参照)。
従って、前述のように畦際において、作業行程の終了、畦際での旋回及び隣接する次の作業行程の開始を繰り返す場合、田面への苗の植え付けを終了した位置と、田面への苗の植え付けを開始した位置とが、同じ位置になるようにする必要がある(田面への苗の植え付けを終了した位置と、田面への苗の植え付けを開始した位置とが、畦に沿って交互に一直線状に並ぶようにする必要がある)。
これは、回り植えを行う際に、既に田面に植え付けられている苗と、回り植えによって田面に植え付けられた苗との間に、大きな隙間が生じないようにする為である(特許文献1の段落番号[0005][0069]及び図14参照)。
しかしながら、苗植付装置は機体の後部に支持されているので、作業行程の終了及び開始の際に、運転者は後方を向いて苗植付装置による苗の植付状態を目視することになり、苗植付装置による苗の植付状態を目視及び確認が容易ではないことがある。
(構成)
本発明の第1特徴は、植播系水田作業機において次のように構成することにある。
田面に苗を植え付け又は田面に種籾を供給する植播系作業装置と、GNSSモジュールを備えて機体の測位データを出力する測位ユニットとを備え、
機体が一回の作業行程を終了して畦に接近した場合、機体が田面への苗の植え付けを終了又は田面への種籾の供給を終了する作業終了位置に達したことが検出されると、機体が前記作業終了位置に達したことを報知する作業終了報知部を備え、
機体が畦際での旋回を終了して隣接する作業行程に入る場合、機体が田面への苗の植え付けを開始又は田面への種籾の供給を開始する作業開始位置に達したことが検出されると、機体が前記作業開始位置に達したことを報知する作業開始報知部を備えている。
[I]−1
本発明の第1特徴によると、GNSSモジュールを備えて機体の測位データを出力する測位ユニットを備えており、精度の高い機体の測位データを得ることができる。
これにより、一つの作業行程を終了する場合、機体が田面への苗の植え付けを終了(田面への種籾の供給を終了)する作業終了位置に達したことが、測位データに基づいて検出されると、機体が作業終了位置に達したことが報知される。
従って、機体が作業終了位置に達したことの報知に基づいて、運転者は植播系作業装置を停止させればよく、運転者は後方を向いて植播系作業装置を目視しながら植播系作業装置を停止させるというようなことを行う必要がないので、運転者は容易に作業終了位置を認識して植播系作業装置を停止させることができる。
本発明の第1特徴によると、畦際での旋回を終了して隣接する作業行程に入る場合、機体が田面への苗の植え付けを開始(田面への種籾の供給を開始)する作業開始位置に達したことが、測位データに基づいて検出されると、機体が作業開始位置に達したことが報知される。
従って、機体が作業開始位置に達したことの報知に基づいて、運転者は植播系作業装置を作動させればよく、運転者は後方を向いて植播系作業装置を目視しながら植播系作業装置を作動させるというようなことを行う必要がないので、運転者は容易に作業開始位置を認識して植播系作業装置を作動させることができる。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の植播系水田作業機において次のように構成することにある。
水田の地図データを格納する情報格納部を備えている。
回り植えを行うことを考慮すると、水田の全体形状(長方形状や台形状等)や、畦の状態(一直線状か曲がっているか等)に関係なく、作業終了位置及び作業開始位置は畦から一定の距離に位置していることが好ましい。
これにより、前項[I]に記載のように、GNSSモジュールを備えて機体の測位データを出力する測位ユニットだけであると、前述のように水田の全体形状が長方形状であれば、一方の畦から他方の畦までの距離に変化はないので、測位データだけあっても、畦から一定の距離の作業終了位置及び作業開始位置を認識することができる。
これに対して本発明の第2特徴によると、測位データに加えて水田の地図データを備えているので、水田の全体形状や畦の状態等に関係なく、畦から一定の距離の作業終了位置及び作業開始位置を認識することができる。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴の植播系水田作業機において次のように構成することにある。
前記作業行程の途中において機体が前記作業終了位置に達するまでの距離又は時間を演算する作業残り演算部と、前記作業残り演算部の演算結果を報知する作業残り報知部とを備えている。
本発明の第3特徴によると、測位データに基づいて、作業行程での現在の機体の位置から作業終了位置までの距離を演算することができるので、作業行程の途中において作業終了位置に達するまでの距離又は時間を演算することができる。
これにより、作業行程の途中において作業終了位置に達するまでの距離又は時間が報知されるので、運転者は報知に基づいて植播系作業装置を停止させる準備を行うことができるのであり、機体が作業終了位置に達したことの報知に基づいて、植播系作業装置を遅れることなく停止させることができる。
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第1〜第3特徴の植播系水田作業機のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することある。
機体に搭載される資材の残量を検出する資材残量検出部と、畦における資材を機体に補給するべき位置を演算する補給演算部と、前記補給演算部の演算結果を報知する補給報知部とを備えている。
[IV]−1
植播系水田作業機の一例である乗用型田植機では、機体に搭載される苗(資材の一例)の量に限界があるので、機体に搭載される苗の残量が少なくなると、畦際で停止して畦から苗を機体に補給する必要がある。この場合、機体が畦際で停止してから、機体が停止した畦の位置まで苗を運ぶというような作業を行うと効率が悪いので、畦から苗を機体に補給する必要があると予測される畦の位置に、機体が到着する前に苗を置いておく必要がある。
しかしながら、前述のような予測は、運転者や他の作業者の経験や勘に基づくことがあるので、経験の浅い運転者にとって困難な予測になることがある。
前項[IV]−1に記載の状態において、本発明の第4特徴によると、機体に搭載される資材の残量を検出することにより、機体がこのまま進行すると畦のどの位置に到着すれば畦から資材を機体に補給する必要があるかを、測位データに基づいて演算することができるのであり、演算結果が報知される。
これにより、運転者は報知された演算結果を他の作業者に伝えればよく、他の作業者は畦から資材を機体に補給する必要があると予測される畦の位置に、機体が到着する前に資材を運んで置いておくことができる。
(構成)
本発明の第5特徴は、本発明の第1〜第4特徴の植播系水田作業機のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することある。
田面に肥料又は薬剤を供給する供給装置を備えて、
前記供給装置を作動させるべき位置と前記供給装置を停止させるべき位置とを設定する供給設定部と、前記供給設定部の設定に基づいて前記供給装置を作動及び停止させる供給装置操作部を備えている。
[V]−1
田面に肥料(薬剤)を供給する供給装置を備えた場合、水田の全ての田面に肥料(薬剤)を供給するのではなく、肥料(薬剤)を供給する位置(範囲)及び肥料(薬剤)を供給しない位置(範囲)が存在することがある。
例えば肥料では、日当たりの良い位置と悪い位置、風通しの良い位置と悪い位置、昨年の収量の良い位置と悪い位置等に基づいて、肥料を供給したり供給しなかったりすることがある。例えば除草剤等の薬剤では、供給装置を作動させたり停止させたりして、田面への薬剤の過剰供給を避けながら、薬剤をできるだけ均一に田面に供給するようにすることがある。
前項[V]−1に記載の状態において、本発明の第5特徴によると、田面に肥料又は薬剤を供給する供給装置を備えた場合、測位データに基づいて供給装置を作動させるべき位置と供給装置を停止させるべき位置とが設定される。
これにより、機体が供給装置を作動させるべき位置に達すると、供給装置が自動的に作動し、機体が供給装置を停止させるべき位置に達すると、供給装置が自動的に停止するのであり、運転者は供給装置を手動で作動及び停止させる必要がなく、作業性の良いものとなる。
(構成)
本発明の第6特徴は、本発明の第1〜第5特徴の植播系水田作業機のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することある。
田面を整地する整地装置を備えて、
前記整地装置を作動させるべき位置と前記整地装置を停止させるべき位置とを設定する整地設定部と、前記整地設定部の設定に基づいて前記整地装置を作動及び停止させる整地装置操作部を備えている。
[VI]−1
田面を整地する整地装置を備えた場合、水田の全ての田面に対して整地装置を作動させるのではなく、整地装置を作動させる位置(範囲)及び整地装置を停止させる位置(範囲)が存在することがある。
例えば、水田において、畦際以外の部分の苗の植付作業を行う際には整地装置を停止させ、畦に沿っての苗の植付作業(回り植え)を行う際には整地装置を作動させることがある(畦際での旋回が行われることによって、畦際の田面が荒れていることが多いことによる)。
前項[VI]−1に記載の状態において、本発明の第6特徴によると、田面を整地する整地装置を備えた場合、測位データに基づいて整地装置を作動させるべき位置と整地装置を停止させるべき位置とが設定される。
これにより、機体が整地装置を作動させるべき位置に達すると、整地装置が自動的に作動し、機体が整地装置を停止させるべき位置に達すると、整地装置が自動的に停止するのであり、運転者は整地装置を手動で作動及び停止させる必要がなく、作業性の良いものとなる。
図1に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2を備えた機体の後部に、リンク機構3及びリンク機構3を昇降させる油圧シリンダ4が備えられており、リンク機構3の後部に苗植付装置5(植播系作業装置に相当)が支持されて、植播系水田作業機の一例である乗用型田植機が構成されている。
図1に示すように、機体の前部の右及び左側部に右及び左の支柱29が連結されて、右及び左の支柱29の上部に亘って横向きのフレーム30が連結されており、右及び左の支柱29に補強のフレーム31が連結されている。複数段の予備苗のせ台32が右及び左の支柱29に外向きに連結されている。
次に施肥装置17(供給装置に相当)及び整地装置35について説明する。
図1に示すように、運転座席11の後側に繰り出し部12及びホッパー13が備えられて、運転座席に下側にブロア14が備えられており、フロート9に備えられた作溝器15と繰り出し部12とに亘ってホース16が接続されて、施肥装置17が構成されている。これにより、ホッパー13に貯留された肥料が繰り出し部12により繰り出されて、ブロア14の搬送風によりホース16から作溝器15に供給され、作溝器15により田面Gに形成された溝に供給される。
整地装置35を昇降する電動モータ36が、苗植付装置5に備えられている。昇降モータ36により整地装置35を、田面Gに接地した作動位置、及び田面Gより上方に位置して田面Gに接地しない停止位置に昇降する。
静油圧式無段変速装置と副変速装置との間から分岐した動力が、植付クラッチ26を介して苗植付装置5に伝達され、苗植付装置5から整地装置35に伝達される。
静油圧式無段変速装置と副変速装置との間から分岐した動力が、施肥クラッチ27を介して繰り出し部12に伝達されており、植付及び施肥クラッチ26,27を伝動及び遮断状態に操作する電動モータ28が備えられている。
植付クラッチ26が遮断状態に操作されると、苗植付装置5において苗のせ台10及び回転ケース7が停止するのであり、整地装置35において整地ロータ34が停止する。
次に、苗植付装置5の自動昇降制御部40について説明する。
図2に示すように、自動昇降制御部40が制御装置23にソフトウェアとして備えられている。苗植付装置5の横軸芯P1周りに中央のフロート9の後部が上下に揺動自在に支持されて、苗植付装置5に対する中央のフロート9の高さを検出するポテンショメータ22が備えられており、ポテンショメータ22の検出値が制御装置23に入力されている。機体の進行に伴って中央のフロート9が田面Gに接地追従するのであり、ポテンショメータ22の検出値により苗植付装置5に対する中央のフロート9の高さを検出することにより、田面G(中央のフロート9)から苗植付装置5までの高さを検出することができる。
次に、操作レバー25について説明する。
図1及び図2に示すように、操縦ハンドル20の下側の右横側に操作レバー25が備えられて、操作レバー25が右の横外側に延出されている。操作レバー25は中立位置Nから上方の上昇位置U、下方の下降位置D、後方の右マーカー位置R及び前方の左マーカー位置Lの十字方向に操作自在に構成されて、中立位置Nに付勢されており、操作レバー25の操作位置が制御装置23に入力されている。
右(左)のマーカー19が格納姿勢に操作された状態において、操作レバー25を右マーカー位置R(左マーカー位置L)に第1設定時間(比較的短い時間)以上に亘って操作すると、右(左)のマーカー19が作用姿勢に操作される。
右(左)のマーカー19が作用姿勢に操作された状態において、操作レバー25を右マーカー位置R(左マーカー位置L)に第2設定時間(第1設定時間よりも長い時間)以上に亘って操作すると、右(左)のマーカー19が格納姿勢に操作される。
次に、自動走行制御の構成について説明する。
図1及び図2に示すように、測位ユニット37がフレーム30の左右中央に連結されている。測位ユニット37はGNSSモジュール及びジャイロセンサーモジュール等を備えて構成されており、機体の測位データを制御装置23に出力する。
モニター39の外側のフレーム部分に、メインスイッチ56、第1所定スイッチ57及び第2所定スイッチ58が備えられている。
次に、乗用型田植機の作業形態について説明する(その1)。
例えば図3及び図4に示すように、平面視で四角形の水田において、乗用型田植機は以下のような作業形態を採用することがある。
次に、乗用型田植機の作業形態について説明する(その2)。
前項[6]の記載、図3及び図4に示すように、複数回の作業行程(基準走行経路L01、走行経路L02,L03,L04,L05)及び旋回LL1(左方向),LL2(右方向),LL3(左方向),LL4(右方向),LL5(左方向)を行うと、畦Bに沿って苗の植え付け及び肥料の供給が行われていない部分が、畦Bに沿って形成される。
次に、前項[6][7]に記載の乗用型田植機の作業形態において、本発明の自動走行制御を行った場合の空走行経路LA1について図5(a)及び図9に基づいて説明する。
次に、前項[6][7]に記載の乗用型田植機の作業形態において、本発明の自動走行制御を行った場合の基準走行経路L01について、図5(b),9,10に基づいて説明する。
以上のようにして第1及び第2所定位置A1,A2が記憶されると、第1設定部41により、第1及び第2所定位置A1,A2を直線で結んだ経路(測位データ)が、基準走行経路L01として設定されて記憶される(ステップS12)。
次に、前項[6][7]に記載の乗用型田植機の作業形態において、本発明の自動走行制御を行った場合の基準走行経路L01が設定された後の第2設定部42の処理について図5(b),6,10に基づいて説明する。
第1所定位置A1の隣の同じ位置(畦Bから第1所定位置A1までの距離と同じ距離の位置)に、作業終了位置A4及び作業開始位置A3が交互に設定され、第2所定位置A2の隣の同じ位置(畦Bから第2所定位置A2までの距離と同じ距離の位置)に、作業開始位置A3及び作業終了位置A4が交互に設定される(ステップS12)。
走行経路L02〜L05が設定されると、機体、地図及び走行経路L02〜L05がモニター39に表示される(ステップS13)。
8条植え型式の苗植付装置5に2条を停止可能な少数条クラッチ(図示せず)を4個備えた場合、走行経路L05において、苗植付装置5の右側のどれだけの数(2条や4条)の少数条クラッチを遮断状態に操作すれば、回り植え行程(走行経路LB1)において苗植付装置5の横幅が残るのかが、測位データと地図データとに基づいて演算されて所定間隔W1が設定される。
そして、走行経路L05に入る前(旋回LL5(左方向)において、どの少数条クラッチを遮断状態に操作すべきかがモニター39に表示されるので、運転者は、モニター39の表示に従って少数条クラッチを遮断状態に操作する。
後述する[11][12][13]に記載のように、走行経路L02〜L05において整地装置操作部51により、整地装置35は停止位置に操作されている。
次に、前項[6][7]に記載の乗用型田植機の作業形態において、本発明の自動走行制御を行った場合の旋回LL2(右方向)から走行経路L02について、図6及び図8(a)(b)(c)に基づいて説明する。
この場合に、図8(a)(b)に示すように、機体が走行経路L02の作業開始位置A3に接近してから、植付及び施肥クラッチ26,27が伝動状態に操作されるまでの間、運転者は、基準走行経路L01において田面Gに形成された指標やモニター39を目視しながら、操縦ハンドル20を操作することにより機体の位置を修正しながら、走行経路L02に入る。
補正部43により走行経路L02の位置が機体の位置に補正されると、第2設定部42において、新たな走行経路L02に基づいて前項[10]に記載の処理が再び行われる(ステップS19)。
これにより、運転者は、操作レバー25を左マーカー位置Lに操作して、左のマーカー19を作用姿勢(右のマーカー19は格納姿勢)に操作する(ステップS22)。
次に、前項[6][7]に記載の乗用型田植機の作業形態において、本発明の自動走行制御を行った場合の走行経路L02について、図6,11,12に基づいて説明する。
植付及び施肥クラッチ26,27が遮断状態に操作されるのに基づいて、自動操向部44が停止状態となるのであり(ステップS26)、モニター39において、機体、地図及び走行経路L02〜L05が表示され、自動操向部44が作動状態であることが非表示となり、ランプ54が消灯する(ステップS27)。
次に、前項[6][7]に記載の乗用型田植機の作業形態において、本発明の自動走行制御を行った場合の走行経路L03,L04,L05について、図6及び図12に基づいて説明する。
旋回LL3(左方向)。
機体が走行経路L03の作業開始位置A3に達するまでの距離と時間との演算、及び演算結果のモニター39での表示(ステップS28)。
運転者が操作レバー25を下降位置Dに操作することによる苗植付装置5の田面Gへの下降(自動昇降制御部40の作動状態、植付及び施肥クラッチ26,27の遮断状態、整地装置35の停止位置)(ステップS29)。
機体が位置K6に達して、機体が走行経路L03の作業開始位置A3に達したことのモニター39での表示及びブザー55の作動(ステップS30)。
運転者が操作レバー25を下降位置Dに操作することによる植付及び施肥クラッチ26,27の伝動状態への操作(ステップS31)。
補正部43による走行経路L03の位置の機体の位置への補正(ステップS32)。
第2設定部42による新たな走行経路L03に基づく前項[10]に記載の処理(ステップS33)。
自動操向部44の作動(ステップS34)。
モニター39における機体、地図及び走行経路L02〜L05の非表示、自動操向部44が作動状態であることの表示、ランプ54の点滅(ステップS35)。
運転者が操作レバー25を右マーカー位置Rに操作することによる右のマーカー19の作用姿勢(左のマーカー19は格納姿勢)(ステップS36)。
次に、回り植え行程(走行経路LB1〜LB4)について、図4及び図13に基づいて説明する(その1)。
この場合、前項[10]に記載のように、走行経路LB1〜LB4が整地装置35を田面Gに接地した作動位置に操作すべき位置として整地設定部50に設定されているので、整地装置操作部51により、整地装置35が作動位置に操作される(ステップS55)。
次に、回り植え行程(走行経路LB1〜LB4)について、図4,13,14に基づいて説明する(その2)。
この場合、前項[10]に記載のように、走行経路LB1〜LB4が整地装置35を田面Gに接地した作動位置に操作すべき位置として整地設定部50に設定されているので、整地装置操作部51により、整地装置35が作動位置に操作される(ステップS60)。
機体が走行経路LB1の作業終了位置AB4に達する前に、運転者が操作レバー25を上昇位置Uに操作したことにより苗が植え付けられなかった部分は、手で苗を植え付けることになる。
次に、補給演算部47について説明する。
乗用型田植機では機体に搭載される苗の量に限界があるので、機体に搭載される苗の残量が少なくなると、畦際で停止して畦Bから苗を機体に補給する必要がある。この場合、機体が畦際で停止してから、機体が停止した畦Bの位置まで苗を運ぶというような作業を行うと効率が悪いので、畦Bから苗を機体に補給する必要があると予測される畦Bの位置に、機体が到着する前に苗を置いておく必要がある。
これによって、運転者はモニター39に表示された演算結果(畦Bの位置B1,B2)を他の作業者に伝えればよく、他の作業者は畦Bから苗を機体に補給する必要があると予測される畦Bの位置B1,B2に、機体が到着する前に苗を運んで置いておくことができる。この場合、他の作業者が持つ携帯端末に、補給演算部47の演算結果が自動的に送信されるように構成してもよい。
次に、供給設定部48及び供給装置操作部49について説明する。
図15に示すように、田面Gに除草剤等の薬剤を散布して供給する供給装置60を、苗植付装置5の後部に連結することがある。この場合に、田面Gの全ての部分に薬剤を供給するのではなく、薬剤を供給する位置(範囲)及び薬剤を供給しない位置(範囲)が存在する。これは、常に供給装置60を作動させて薬剤を田面Gに供給するのではなく、供給装置60を作動させたり停止させたりして、田面Gへの薬剤の過剰供給を避けながら、薬剤をできるだけ均一に田面Gに供給するようにする為である。
この場合、基準走行経路L01において薬剤が供給された位置(範囲)B3とは異なる位置となるようにする点、並びに、畦Bに近接した位置では薬剤の供給は行わない点に基づいて、走行経路L02〜L05に対して、薬剤を供給する位置(範囲)B4が供給設定部48に記憶される。
前述の[発明を実施するための形態]では、植付及び施肥クラッチ26,27が伝動状態に操作されると自動操向部44が作動状態となり、植付及び施肥クラッチ26,27が遮断状態に操作されると自動操向部44が停止状態となるように構成されているが、これに代えて、自動操向部44を作動及び停止させる手動スイッチ(図示せず)(手動操作具)を備えてもよい。
これにより、例えば図3に示すように、旋回LL2(右方向)から走行経路L02に入った場合、手動スイッチを停止位置に操作しておいて(自動操向部44の停止状態)、運転者はセンターマスコット53及びモニター39を目視しながら操縦ハンドル20を操作して、基準走行経路L01において田面Gに形成された指標に沿って機体を走行させる。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]において、基準走行経路L01を設定する場合、前項[9]に記載のように、機体を第1及び第2所定位置A1,A2に位置させて記憶することにより基準走行経路L01を設定(テーチィング)するのではなく、情報格納部45の地図データに基づいて、第1及び第2所定位置A1,A2を設定して基準走行経路L01を設定するように構成してもよい。
このように構成すると機体が水田に入る前から基準走行経路L01及び走行経路L02〜L05を設定することができるのであり、基準走行経路L01から自動操向部44を作動状態とすることができる。
情報格納部45の地図データに基づいて、基準走行経路L01を設定するように構成した場合、走行経路L02〜L05の途中で運転者の意思により機体の方向や位置を大きく変更した場合、機体の方向や位置に応じて最適な走行経路L02〜L05が再設定されるように構成することができる。
情報格納部45の地図データに基づいて基準走行経路L01を設定した後、走行経路L02〜L5の作業開始位置A3及び作業終了位置A4を、地図データに基づいて畦Bから所定距離だけ離れた位置に設定して、走行経路L02〜L05を設定する。
これにより、走行経路L02〜L05は基準走行経路L01に沿ったものに設定されるが、基準走行経路L01と走行経路L02〜L05とは同じ長さにはならない。基準走行経路L01と走行経路L02〜L05とを直線ではなく、変形した水田の畦Bに沿って曲線に設定することもできる。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]において、情報格納部45を備えないように構成してもよい。
このように構成すると、畦Bの地図データが得られないので、機体を第1及び第2所定位置A1,A2に位置させて記憶して基準走行経路L01を設定した後、第1及び第2所定位置A1,A2から畦Bまでの距離を入力して、畦Bの測位データを設定する。
トラクタにより水田の代掻き作業を行う場合、トラクタが測位ユニット及び情報格納部を備えていれば、トラクタによる代掻き作業で得られた畦Bの地図データを、本発明の乗用型田植機(制御装置23)に畦Bの測位データとして入力するようにしてもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第3別形態]において、図11及び図12のステップS21,S35で機体、地図及び走行経路L02〜L05をモニター39に非表示とした場合、この間、苗植付装置5による苗の植付状態をカメラで撮影して、苗の植付状態の撮影画像をモニター39に表示するように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第4別形態]において、燃料タンク(図示せず)に搭載される燃料の残量を検出する燃料残量検出部(図示せず)や、ホッパー13の肥料の残量を検出する肥料残量検出部(図示せず)を備えることにより、機体がこのまま進行すると畦Bのどの位置に到着すれば畦Bから燃料や肥料を機体に補給する必要があるかを、単位走行距離当たりの燃料や肥料の消費率、測位データ及び燃料残量検出部、肥料残量検出部の検出値に基づいて、補給演算部47が演算するように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第5別形態]において、植付及び施肥クラッチ26,27を同じ電動モータ28で伝動及遮断状態に操作するのではなく、植付クラッチ26と施肥クラッチ27とを別々の電動モータにより独立で伝動及び遮断状態に操作できるように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第6別形態]において、ステアリングモータ52により操縦ハンドル20を操作するのではなく、前輪1の操向用のピットマンアーム(図示せず)やパワーステアリング用の操作シリンダ(図示せず)を、ステアリングモータ52により操作する。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第7別形態]において、後輪2の回転数及び測位データに基づいて(測位データと地図データとに基づいて)、機体の走行速度及び後輪2のスリップ率を演算して、以下に示す処理を行うように構成してもよい。
苗植付装置5において、株間、植付深さ、植付アーム8による苗取り量、苗のせ台10の横送り速度を自動的に調整する。施肥装置17において、肥料の繰り出し量を自動的に調整する。供給装置60において、薬剤の散布量(供給量)を自動的に調整する。
基準走行経路L01及び走行経路L02〜L05においてスリップ率が大きくなると、停止位置の整地装置35を作動位置に操作して、整地装置35により田面Gの整地が行われるようにする。
17,60 供給装置
35 整地装置
37 測位ユニット
39 作業終了報知部、作業開始報知部、作業残り報知部、補給報知部
45 情報格納部
46 作業残り演算部
47 補給演算部
48 供給設定部
49 供給装置操作部
50 整地設定部
51 整地装置操作部
55 作業終了報知部、作業開始報知部
59 資材残量検出部
A3 作業開始位置
A4 作業終了位置
B 畦
G 田面
Claims (6)
- 田面に苗を植え付け又は田面に種籾を供給する植播系作業装置と、GNSSモジュールを備えて機体の測位データを出力する測位ユニットとを備え、
機体が一回の作業行程を終了して畦に接近した場合、機体が田面への苗の植え付けを終了又は田面への種籾の供給を終了する作業終了位置に達したことが検出されると、機体が前記作業終了位置に達したことを報知する作業終了報知部を備え、
機体が畦際での旋回を終了して隣接する作業行程に入る場合、機体が田面への苗の植え付けを開始又は田面への種籾の供給を開始する作業開始位置に達したことが検出されると、機体が前記作業開始位置に達したことを報知する作業開始報知部を備えている植播系水田作業機。 - 水田の地図データを格納する情報格納部を備えている請求項1に記載の植播系水田作業機。
- 前記作業行程の途中において機体が前記作業終了位置に達するまでの距離又は時間を演算する作業残り演算部と、前記作業残り演算部の演算結果を報知する作業残り報知部とを備えている請求項1又は2に記載の植播系水田作業機。
- 機体に搭載される資材の残量を検出する資材残量検出部と、畦における資材を機体に補給するべき位置を演算する補給演算部と、前記補給演算部の演算結果を報知する補給報知部とを備えている請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の植播系水田作業機。
- 田面に肥料又は薬剤を供給する供給装置を備えて、
前記供給装置を作動させるべき位置と前記供給装置を停止させるべき位置とを設定する供給設定部と、前記供給設定部の設定に基づいて前記供給装置を作動及び停止させる供給装置操作部を備えている請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載の植播系水田作業機。 - 田面を整地する整地装置を備えて、
前記整地装置を作動させるべき位置と前記整地装置を停止させるべき位置とを設定する整地設定部と、前記整地設定部の設定に基づいて前記整地装置を作動及び停止させる整地装置操作部を備えている請求項1〜5のうちのいずれか一つに記載の植播系水田作業機。
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