JP7045979B2 - 走行作業機 - Google Patents

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Description

本発明は、圃場において予め設定された目標方位に沿って自動的に走行しつつ作業装置による作業を行なう作業走行と、前記作業走行の終端位置から前記作業走行の進行方向と反対方向に反転しながら圃場の未作業地おける次回の前記作業走行の開始位置に移動する旋回走行と、を複数回に亘って交互に繰り返す走行作業機に関する。
例えば特許文献1に開示された作業車では、衛星測位システムを用いて機体に関する位置情報を取得可能な位置検出部(文献では「受信装置」)と、圃場に設定された目標ラインに沿って機体(文献では「走行機体」)が走行するように操向制御を可能な操向制御部(文献では「自動操向制御部」)と、が備えられている。この作業車では、複数の目標ラインが圃場に並び、目標ラインに沿って走行するように機体を操向制御する自動操向制御と、隣接する目標ラインへの手動操作による旋回走行と、が交互に行われる。
特開2018-148858号公報
ところで特許文献1に開示された作業車のように、手動操作による旋回走行が行われる場合、搭乗者が手動操作で旋回して目標位置に到達する際に、機体幅や作業幅の感覚等に基づく技能が搭乗者に要求される。このため、旋回走行が行われる際の目標位置を搭乗者に案内可能な構成であれば、搭乗者の技能に依存することなく容易な旋回走行が可能となり、旋回走行の効率化が図られる。
本発明の目的は、旋回走行の効率化を実現可能な走行作業機を提供することにある。
圃場において予め設定された目標方位に沿って自動的に走行しつつ作業装置による作業を行なう作業走行と、前記作業走行の終端位置から前記作業走行の進行方向と反対方向に反転しながら圃場の未作業地おける次回の前記作業走行の開始位置に移動する旋回走行と、を複数回に亘って交互に繰り返す本発明の走行作業機は、航法衛星の測位信号に基づいて機体の位置情報を取得する位置検出部と、複数の前記作業走行の夫々の終了を判定可能な終了判定部と、前記開始位置を算定する開始位置算定部と、前記旋回走行に関する情報を表示可能な表示部と、が備えられ、前記終了判定部が前記作業走行の終了を判定すると、前記開始位置算定部が前記位置情報に基づいて前記作業走行における前記機体の進行方向に対して左右の何れかに前記開始位置を算定し、かつ、前記表示部が前記開始位置への前記旋回走行を案内する案内情報を表示し、前記機体の操向操作を人為的に行う操向操作具が備えられ、前記案内情報に、前記機体と前記機体の周囲とを表示する地図画面が含まれ、前記旋回走行において、前記開始位置算定部が前記開始位置を算定した側と反対側の旋回方向に前記操向操作具が操作されると、前記開始位置算定部は、前記操向操作具が操作された側の旋回方向に前記開始位置を再度算定し、かつ、前記表示部は、前記地図画面において前記機体よりも前記操向操作具が操作された側の旋回方向に前記開始位置を再度表示することを特徴とする。
本発明によれば、作業走行の終了後に、次の作業走行の開始位置が算出され、この開始位置への旋回走行が表示部によって案内される。このため、旋回走行が手動操作で行われる場合であっても、搭乗者は、表示部を確認することによって、作業走行の終了後に何処へ向かえば良いのかを把握できる。また、次の開始位置への旋回走行が表示部によって案内されるため、搭乗者が機体幅や作業幅の感覚等を習得していなくても、搭乗者は表示部を確認しながら次の開始位置への旋回操作を容易にできる。つまり、搭乗者の技能に依存することなく容易な旋回走行が可能となり、旋回走行の効率化が図られる。これにより、旋回走行の効率化を実現可能な走行作業機が実現される。
例えば機体が畦際に接近して、次の作業走行の開始位置が圃場よりも外側に算定されている場合、この開始位置への旋回走行は不可能である。このような場合、搭乗者は開始位置が算定された側の旋回方向と反対側の旋回方向に旋回操作を行うが、旋回走行の案内情報が実際の旋回方向と異なる情報表示のままであれば、その旋回走行は搭乗者の技能に依存するものとなる。本構成であれば、搭乗者の実際の旋回操作に合わせて、旋回走行の案内情報が変更されるため、当初の開始位置への旋回方向とは異なる旋回方向へ旋回走行が行われる場合であっても、搭乗者は表示部を確認しながら新たな開始位置への旋回走行をできる。
本発明において、前記開始位置算定部は、前回の前記旋回走行が開始された位置と、前回の前記旋回走行が終了した位置とを結んだ直線距離である離間距離に基づいて前記開始位置を算定し、前記表示部は、前記離間距離に基づいて算定された前記開始位置を前記案内情報に表示すると好適である。
上述の作業走行と旋回走行とが交互に繰り返される場合、略同じパターンの旋回走行が繰り返し行われる場合が多い。本構成であれば、前回の旋回走行のパターンに基づいて次の作業走行の開始位置が算定されて、この開始位置が案内情報に表示される。このため、開始位置算定部及び表示部による旋回走行の案内において、搭乗者の要望通りの案内となる蓋然性が高められる。
本発明において、前記開始位置算定部は、前回の前記旋回走行において前記進行方向に対して左右一方側の旋回方向に前記開始位置を算定した場合、今回の前記旋回走行において前記進行方向に対して左右他方側の旋回方向に前記開始位置を算定し、かつ、前記表示部は、前記地図画面において前記機体よりも前記左右他方側に前記開始位置を表示すると好適である。
上述の作業走行と旋回走行とが交互に繰り返され、かつ、略同じパターンの旋回走行が繰り返し行われる場合、旋回走行の前後で作業走行の進行方向が反転するため、旋回走行の旋回方向は前回の旋回方向と反対側になる。本構成であれば、開始位置が、走行作業機の作業状態に合わせて左右の何れかの適切な方向に算定されて表示部に表示されるため、例えば搭乗者が誤って予定の旋回方向とは反対方向に旋回操作を行う虞が軽減される。また、表示部の案内情報における地図画面に、機体に対して左右の何れかの適切な方向に開始位置が表示されるため、搭乗者は直感的に次の作業走行の開始位置を把握できる。
本発明において、前記表示部は、前記旋回走行の旋回経路を前記地図画面に表示すると好適である。
本構成によって、搭乗者はどのように旋回すれば良いのかを表示部で確認でき、搭乗者の旋回操作が容易になる。
走行作業機としてのトラクタの側面図である。 運転室内部の前部におけるパネル類を示す図である。 自動操向制御の機能とデータの流れを示す機能ブロック図である。 トラクタによる耕耘作業における走行経路を模式的に示す圃場の平面図である。 基準経路を生成する処理を示すフローチャート図である。 基準経路を生成する際の案内情報を示す説明図である。 旋回走行時の案内情報を表示する処理を示すフローチャート図である。 旋回走行時の案内情報を示す説明図である。 旋回走行時の案内情報を示す説明図である。 旋回走行時の案内情報を示す説明図である。 旋回走行時の案内情報を示す説明図である。 自動操向制御開始前の案内情報を表示する処理を示すフローチャート図である。 自動操向制御開始前の案内情報を示す説明図である。
〔走行作業機の基本構成〕
本発明による走行作業機の実施形態の一つを説明する。図1に、走行作業機の一例であるトラクタの側面図が示されている。このトラクタは、走行装置としての前輪11及び後輪12によって支持された機体1の中央部に搭乗部15が設けられている。機体1の後部には油圧式の昇降機構を介して作業装置としてのロータリ式の耕耘装置3が装備されている。前輪11は操向輪として機能し、その操舵角を変更することによってトラクタの走行方向が変更される。前輪11の操舵角は操舵機構13の動作によって変更される。操舵機構13には自動操向制御のための操舵モータ14が含まれている。搭乗部15の内部における前部にパネルアッセンブリ17が設けられ、パネルアッセンブリ17の後方に隣接する状態で、操向操作具としてのステアリングホイール16が配置されている。詳述しないが、パネルアッセンブリ17の後部における左右中央箇所に凹入箇所が設けられ、凹入箇所がパネルアッセンブリ17の左右側部よりも機体前側に凹入する。ステアリングホイール16は、支持部材としてのステアリングポスト22に支持され、凹入箇所にステアリングポスト22の機体前部が位置する。手動走行の際には、ステアリングホイール16の人為的な操作によって、前輪11の操向操作が行われる。
なお、本発明における「操向操作」とは、前輪11の向きを変更することによって機体1の向きを変更することであるが、走行装置がクローラ式である場合、左右のクローラの速度差によって機体1の向きを変更することも「操向操作」に含まれる。
図2に示されるように、パネルアッセンブリ17に、メータパネル20とサイドパネル21とが上下に並ぶ状態で備えられ、サイドパネル21がメータパネル20よりも上側に配置されている。メータパネル20には例えばエンジンの回転数や燃料残量等の機体1の駆動に関する情報が表示される。サイドパネル21には後述する自動操向制御のための案内情報が表示される。メータパネル20及びサイドパネル21は、自動操向制御の構成における表示部4の一部として構成される。
ステアリングポスト22の上面にダイヤルスイッチ23が配置されている。サイドパネル21の操作は、操作具としてのダイヤルスイッチ23によって可能なように構成され、ダイヤルスイッチ23は、ステアリングポスト22の上部、かつ、ステアリングホイール16の真下に配置されている。ダイヤルスイッチ23は上下方向(または機体前後方向において後上がりに傾斜する方向)を軸芯に回転自在に構成され、搭乗者がダイヤルスイッチ23を回すことによって、サイドパネル21に表示される案内情報の項目の切換えが可能となる。また、ダイヤルスイッチ23は下方向(または機体前後方向において前下がりに傾斜する方向)に押下可能な構成となっている。搭乗者は、ダイヤルスイッチ23を押下することによって、サイドパネル21に表示される案内情報に関する設定項目や選択項目の決定操作をできる。このダイヤルスイッチ23は、図3等に基づいて後述するトリガスイッチ49としても兼用され、搭乗者がダイヤルスイッチ23を押下することによって、トリガスイッチ49としての操作が行われる。以下、このダイヤルスイッチ23を「トリガスイッチ49」と称する。
〔自動操向制御の構成〕
次に、自動操向制御を行うための構成について説明する。図3に示されているように、機体1に、多数のECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)と呼ばれる電子制御ユニットからなる制御装置75が備えられている。制御装置75は、自動操向制御が実行される自動操向モードと、自動操向制御が実行されない手動操向モードと、に制御モードを切換え可能なように構成されている。
機体1に、衛星からの電波を受信して機体1の位置を検出する衛星測位用システム(GNSS:グローバル・ナビゲーション・サテライト・システム)の一例として、周知の技術であるGPS(グローバル・ポジショニング・システム)を利用して、機体1の位置を測位する衛星測位ユニット8aが備えられている。本実施形態では、衛星測位ユニット8aは、DGPS(Differential GPS:相対測位方式)を利用したものであるが、RTK-GPS(Real Time Kinematic GPS:干渉測位方式)を用いることも可能である。
具体的には、測位を行う対象である機体1に、位置検出部8の一構成である衛星測位ユニット8aが備えられている。衛星測位ユニット8aは、地球の上空を周回する複数のGPS衛星から発信される電波をアンテナで受信する。航法衛星から受信する電波の情報に基づいて、衛星測位ユニット8aの位置が測位される。
衛星測位ユニット8aの他に、機体1の方位を検出する方位検出手段として、例えばIMU(Inertial Measurement Unit)を有する慣性計測ユニット8bが、機体1に備えられている。慣性計測ユニット8bは、三軸ジャイロセンサや三軸加速度センサを含む構成であっても良い。図示はしないが、慣性計測ユニット8bは、例えば、機体1の横幅方向中央の低い位置に設けられている。慣性計測ユニット8bは、機体1の旋回角度の角速度を検出可能であり、角速度を積分することによって機体1の方位角の変化を算出できる。従って、慣性計測ユニット8bにより計測される計測情報には機体1の方位情報が含まれている。詳述はしないが、慣性計測ユニット8bは、機体1の旋回角度の角速度の他、機体1の左右傾斜角度、機体1の前後傾斜角度の角速度等も計測可能である。
制御装置75は、経路設定部76と、方位ずれ算定部77と、走行軌跡取得部78と、制御部79と、操向制御部80と、を有する。経路設定部76は、機体1が走行すべき目標走行経路LM(図4、図8等参照)を設定する。方位ずれ算定部77は、機体1の進行方位と目標方位LAと角度偏差、即ち方位ずれを算定可能に構成されている。制御部79は、方位ずれの情報に基づいて、機体1が目標走行経路LMに沿って走行するように、操作量を算定して出力する。なお、制御部79は、方位ずれの情報以外にも、衛星測位ユニット8aにて計測される機体1の位置情報と、慣性計測ユニット8bにて計測される機体1の方位情報と、に基づいて、操作量を算定して出力することも可能である。操向制御部80は、操作量に基づいて操舵モータ14を制御する。なお、制御部79と操向制御部80とが一体的に構成されていても良い。
自動操向制御に用いる目標走行経路LM(図4、図8等参照)を設定して自動操向制御を開始する操作具として、トリガスイッチ49が備えられている。詳細は後述するが、目標走行経路LMは目標方位LA(図4参照)に基づいて設定され、目標方位LAは、機体1が予め圃場を走行した走行軌跡に基づいて算定される。その走行軌跡を取得するための走行における始点位置Ts(図4参照)の設定と、終点位置Tf(図4参照)の設定と、はトリガスイッチ49の操作によって行われる。なお、トリガスイッチ49は、一つのスイッチで構成されていなくても良く、始点位置Tsの設定用のスイッチと、終点位置Tfの設定用のスイッチと、が夫々並んだ状態で備えられる構成であっても良い。
制御装置75に、衛星測位ユニット8a、慣性計測ユニット8b、操作具としてのトリガスイッチ49、操向操作検知手段としての操向角センサ60、トルクセンサ61、車速センサ62、障害物検知部63等の情報が入力される。車速センサ62は、例えば、後輪12に対する伝動機構中の伝動軸の回転速度により車速を検出するように構成されている。なお、車速は、車速センサ62だけでなく、衛星測位ユニット8aの測位信号によって検出される構成であっても良い。障害物検知部63は、機体1の前部及び左右両側部に備えられ、例えば、光波測距式の距離センサであったり、画像センサであったりして、圃場の畦際や圃場内の鉄塔等を検知可能なように構成されている。障害物検知部63によって障害物が検知されると、例えばブザーや音声案内である警報部64によって搭乗者に警報が報知される。また、制御装置75は報知部59と接続され、報知部59は、例えば車速やエンジン回転数等の状態を報知するように構成されている。報知部59は、例えば表示部4に表示されるように構成されている。また、警報部64は、報知部59を介して表示部4に警報を表示するように構成されていても良い。この場合、例えば畦際検知の警報が表示部4に表示される。また、警報部64は、報知部59の一部として構成されていても良い。表示部4は、報知部59や警報部64からの信号入力に基づいて種々の情報を画面に表示可能に構成されている。また、表示部4は、機体1の直進走行の状況や旋回走行の状況等に応じて各種の案内情報を表示可能なように構成されている。
方位ずれ算定部77は、衛星測位ユニット8a及び慣性計測ユニット8bにて検出される機体1の検出方位と、目標走行経路LMにおける目標方位LAと、の角度偏差、即ち方位ずれを算定する。そして、制御装置75が自動操向モードに設定されているとき、制御部79は、角度偏差が小さくなるように、操舵モータ14を制御するための操作量を算出して出力する。このように、操向制御部80は、目標方位LAに沿って機体1の操向制御を可能に構成されている。
走行軌跡取得部78は、衛星測位ユニット8aによって測位される測位信号と、方位ずれ算定部77によって算定される機体1の方位と、車速センサ62によって検出される車速と、に基づいて機体1の位置、即ち自機位置NMを算出する。記憶部81は、位置情報としての自機位置NMを記憶可能に構成されている。走行軌跡取得部78は、自機位置NMを、例えばRAM(ランダム・アクセス・メモリー)で構成された記憶部81に経時的に記憶する。また、記憶部81に記憶された自機位置NMの集合に基づいて走行軌跡を取得可能なように、走行軌跡取得部78は構成されている。要するに、走行軌跡取得部78は、位置情報としての自機位置NMの経時的な検出に基づいて機体1の走行軌跡を取得可能なように構成されている。
方位ずれの情報に基づいて、操作量が制御部79によって算定される。操向制御部80は、機体1の自動操向制御中に、制御部79によって出力された操作量に基づいて、自動操向制御を実行する。即ち、衛星測位ユニット8a及び慣性計測ユニット8bによって検出される機体1の検出位置(自機位置NM)が、目標走行経路LM上の位置になるように、操舵モータ14が操作される。
なお、本実施形態における制御信号は、制御部79が出力する操作量であっても良いし、操向制御部80が操舵モータ14を操作するための電圧値や電流値であっても良い。
経路設定部76に、基準経路設定部76Aと、目標方位算定部76Bと、目標走行経路設定部76Cと、が含まれる。図3に示されるように、トリガスイッチ49の操作に基づく基準経路設定処理によって、自動操向すべき目標経路に対応する基準経路が、基準経路設定部76Aによって設定される。目標方位算定部76Bは、基準経路の長手方向に沿う方位に基づいて目標方位LAを算定する。そして、目標走行経路設定部76Cは、基準経路及び目標方位LAを基準として、目標方位LAに沿って目標走行経路LMを生成可能なように構成されている。目標走行経路LMを生成するため、経路設定部76に、開始位置算定部76Dと終了判定部76Eと距離算出部76Fとが含まれる。開始位置算定部76Dと終了判定部76Eと距離算出部76Fとに関しては後述する。なお、基準経路設定部76A及び目標方位算定部76Bは、一体的に構成されていても良い。
〔目標走行経路〕
図4に、トラクタによる耕耘作業の一例が模式的に示されている。この耕耘作業では、実際の耕耘作業を伴って直線状の作業経路に沿って前進する作業走行と、次の直線状の作業経路に移行するために旋回する旋回走行と、が複数回に亘って交互に繰り返される。その際、最初の直線状の作業経路は、手動操舵される基準経路であって、次からの直線状の経路は、順次、経路設定部76によって基準経路に沿って並列するように設定される。これらの経路は、自動操向制御のための目標走行経路LMであって、図4には複数の目標走行経路LM1~LM6が示される。目標走行経路LM1~LM6の夫々において自動操向制御を伴う作業走行が行われる。目標走行経路LM1~LM6の夫々の間を機体1が走行する際、作業走行の終端位置Lfから作業走行の進行方向と反対方向に反転しながら圃場の未作業地おける次回の作業走行の開始位置Lsに移動する。
最初に基準経路の生成が行われる。搭乗者は、手動で機体1を圃場内における一角の畦際に移動させる。機体1が一角の畦際に到達した場合、搭乗者はトリガスイッチ49を操作する。搭乗者がトリガスイッチ49を操作したときの位置が、基準経路設定部76Aによって始点位置Tsとして登録される。始点位置Tsの登録後に、搭乗者は、手動操作によって始点位置Tsから圃場における一辺の畦際に沿って機体1を直進(または略直進)させる。この間に、走行軌跡取得部78によって自機位置NMが経時的に算出されて記憶部81に記憶される。そして、当該一辺の畦際の一端から他端に亘って機体1が直進(または略直進)した後、搭乗者は、機体1を停車させてトリガスイッチ49を再度操作する。そして、搭乗者がトリガスイッチ49を再度操作したときの位置が、基準経路設定部76Aによって終点位置Tfとして登録される。走行軌跡取得部78が、始点位置Tsと終点位置Tfとの間の自機位置NMの集合に基づいて走行軌跡を取得し、基準経路設定部76Aが、この走行軌跡に基づいて始点位置Tsと終点位置Tfとに亘る基準経路を算出する。目標走行経路LMに沿って機体1が走行する際、この基準経路に沿う方向が目標方位LAとなる。
なお、始点位置Tsと終点位置Tfとに亘る機体1の走行は、耕耘作業を伴う作業走行であっても良いし、非作業状態の走行であっても良い。基準経路の位置座標が設定されている場合、この基準経路の少なくとも一部で自動操向制御を行うことも可能である。
基準経路の設定完了後、搭乗者は、圃場における最初の作業走行の対象領域の開始位置Lsへ機体1を移動させる。図4に示される実施形態では、最初の作業走行の対象領域は基準経路に隣接しているため、搭乗者は、開始位置Lsへ機体1を移動させるため、機体1の進行方向を180度反転させる旋回走行を行う。このとき、制御部79は、機体1の方位が反転することにより、機体1の旋回が行われたことを判別できる。機体1の方位の反転は、衛星測位ユニット8aや慣性計測ユニット8bによって検知可能である。機体1の旋回は、機体1の方位の反転以外に、各種機器の動作によって判別されるものであっても良い。各種機器の動作として、例えば、PTO軸のクラッチが入り切り操作される構成であっても良い。また、機体1の開始位置Lsへの到達が、衛星測位ユニット8aによって判別されるものであっても良い。
この旋回走行が完了した後、制御装置75の手動操向モードは継続し、搭乗者は手動操作で機体1を目標方位LAに沿って走行させる。この間、制御装置75は、方位ずれ算定部77によって算定される機体1の方位ずれや、前輪11の向き、ステアリングホイール16の操舵角等の判別条件を確認し、機体1の状態が次の耕耘作業に適した状態であるかどうかを判定する。機体1の状態が耕耘作業に適した状態であるかどうかは、例えば、旋回走行前の位置から目標方位LAと直交する方向に作業幅の整数倍離れた位置を基準位置として、当該基準位置に対する機体1の左右方向における走行ずれが許容範囲内であるかどうかに基づいて判定される。当該走行ずれが許容範囲外であれば、機体1の走行ずれが許容範囲内となるように、搭乗者は機体1を手動操舵する。
耕耘作業に適していない状態は、目標方位LAに対する機体1の方位ずれが顕著に大きいことや、ステアリングホイール16が左右に操舵され続けてステアリングホイール16の位置が安定しないことや、機体1の車速が速過ぎたり遅過ぎたりすること等が例示される。また、位置検出部8の検出精度が予め設定された閾値よりも低いことも、耕耘作業に適していない状態として例示される。
機体1の状態が次回の耕耘作業に適した状態であることが制御装置75によって判定されると、トリガスイッチ49の操作によって、自動操向制御が可能となる。即ち、搭乗者がトリガスイッチ49を操作することによって、目標走行経路LM1が目標走行経路設定部76Cによって設定され、作業走行が開始される。作業走行が開始されると、機体1が目標走行経路LM1に沿って走行するように、自動操向制御が行われる。目標走行経路LM1は、目標方位LAに沿う方位に設定され、基準経路の設定後に機体1が最初に作業走行を行う目標走行経路LMである。自動操向制御が行われる間、操舵機構13の動作による自動操舵が行われ、機体1の車速も自動的に調整される。なお、自動操向制御が行われる間であっても、機体1の車速は搭乗者の人為操作によって調整される構成であっても良い。
目標走行経路LM1に沿った自動操向制御が終了すると、上述の旋回走行を経て、機体1の状態が更に次回の耕耘作業に適した状態になるまで搭乗者が手動操舵を継続する。トリガスイッチ49の操作が許可された場合、搭乗者がトリガスイッチ49を操作して、目標走行経路設定部76Cは、次回の目標走行経路LM2を目標方位LAに沿う方位に設定する。そして、機体1が目標走行経路LM2に沿って走行するように、自動操向制御が行われる。その後、上述のプロセスで、目標走行経路LM3,LM4,LM5,LM6の順番で、旋回走行と、目標走行経路LMの設定と、作業走行と、が繰り返される。
〔基準経路生成に関する案内情報の表示〕
図3、図5及び図6に基づいて、基準経路生成に関する案内情報の表示について説明する。基準経路設定部76Aは、図5に示されたフローチャートに基づいて基準経路を生成する。基準経路の生成の前に、経路設定部76は、位置検出部8による機体1の位置情報の検出が可能であるかどうかを判定する(ステップ#01)。機体1の位置情報が検出されなければ(ステップ#01:No)、表示部4に検出不可能である旨のメッセージが表示され(ステップ#02)、基準経路の生成は行われない。このように、基準経路設定部76Aは、位置検出部8による位置情報の取得の精度が予め設定された精度以上である場合に、操作具としてのトリガスイッチ49の操作による始点位置Tsの設定が可能となる。
機体1の位置情報が検出されれば(ステップ#01:Yes)、表示部4に、図6の6-Aに示されるような始点位置Tsの案内情報が表示され(ステップ#03)、始点位置Tsの登録が可能となる。図6の6-A,6-B,6-Cに示される案内情報は、図2に示されるサイドパネル21に表示される。なお、これらの案内情報は、図2に示されるメータパネル20に表示されても良い。図6の6-Aに示された始点位置Tsの案内情報では、始点位置Tsが「始点A」と表示されている。始点位置Tsの案内情報が表示部4に表示された状態で、トリガスイッチ49の操作待ちとなる(ステップ#04)。トリガスイッチ49が操作されると(ステップ#04:Yes)、基準経路設定部76Aは始点位置Ts(始点A)を登録する(ステップ#05)。
始点位置Tsの登録後に、搭乗者は、手動操作によって機体1を直進させる。そして、基準経路設定部76Aは、始点位置Tsと自機位置NMとの距離を経時的に算出することによって、機体1が予め設定された設定距離以上を走行したかどうかを判定する(ステップ#06)。機体1の走行距離が設定距離に到達していなければ(ステップ#06:No)、搭乗者がトリガスイッチ49を操作しても、表示部4に、走行距離が設定距離に到達していない旨の案内情報が表示される。走行距離が設定距離に到達していない旨の案内情報として、例えば図6の6-Bに示されるように「直進距離が足りません」というメッセージが表示される。このように、基準経路設定部76Aは、操作具としてのトリガスイッチ49の操作によって始点位置Ts(始点A)が設定され、かつ、始点位置Tsの設定後に機体1が予め設定された距離を走行した後に、トリガスイッチ49の操作による終点位置Tf(終点B)の設定が可能となる。
手動操作によって機体1が直進している間、基準経路設定部76Aは、機体1が旋回しているかどうかも判定する(ステップ#07)。ステアリングホイール16の操作に基づく操向操作の変化量が操向角センサ60によって検出される。機体1の旋回は、操向角センサ60の検出に基づく操向操作の変化量が予め設定された範囲を越えて検知されることによって判定可能なように構成されている。また、方位ずれ算定部77は、衛星測位ユニット8aの測位信号や慣性計測ユニット8bの慣性信号に基づいて機体1の旋回方位を算定できる。そして、機体1の旋回が基準経路設定部76Aによって判定されると(ステップ#07:Yes)、始点位置Tsの登録が取り消され、基準経路の生成は中止される(ステップ#12)。このとき、表示部4に、基準経路の生成が中止された旨の案内情報、例えば「旋回が検知されたため基準経路の生成を終了します。基準経路の生成をやり直してください」というメッセージが表示される。このように、操作具としてのトリガスイッチ49の操作によって始点位置Ts(始点A)が設定された後、トリガスイッチ49が操作されないまま操向操作の変化量が予め設定された範囲を越えて検知されると、始点位置Tsの設定が取り消される。
機体1の走行距離が設定距離に到達していれば(ステップ#06:Yes)、表示部4に、図6の6-Cに示されるような終点位置Tfの案内情報が表示され(ステップ#08)、終点位置Tfの登録が可能となる。図6の6-Cに示された終点位置Tfの案内情報では、終点位置Tfが「終点B」と表示されている。終点位置Tfの案内情報が表示部4に表示された状態で、トリガスイッチ49の操作待ちとなる(ステップ#09)。このように、操作具としてのトリガスイッチ49の操作による終点位置Tf(終点B)の設定が可能となった場合、表示部4は、終点位置Tfの設定が可能となったことを表示する。
トリガスイッチ49が操作されると(ステップ#09:Yes)、基準経路設定部76Aは終点位置Tfを登録する(ステップ#11)。以上のステップによって、基準経路が生成されるとともに、目標方位LAが算定される。このように、基準経路設定部76Aは、機体1の走行軌跡に基づいて基準経路を設定する。また、操作具としてのトリガスイッチ49は、基準経路を設定する際の始点位置Ts(始点A)及び終点位置Tf(終点B)の両方を設定可能に構成されている。
トリガスイッチ49の操作待ちの間(ステップ#09:No)、ステップ#07と同一の手法によって、基準経路設定部76Aは、機体1が旋回しているかどうかを判定する(ステップ#11)。機体1の旋回が判定されると(ステップ#11:Yes)、上述したように、始点位置Tsの登録が取り消されるとともに基準経路の生成は中止され(ステップ#12)、表示部4に基準経路の生成が中止された旨の案内情報が表示される。
〔旋回走行における案内情報の表示〕
図7及び図11に基づいて、旋回走行における案内情報の表示について説明する。図8に示されるように、目標走行経路LMに沿う自動操向制御の完了後に旋回走行が行われる際、表示部4に旋回走行に関する案内情報が表示される。図8及び図9の8-Aに示される左旋回の案内情報は、目標走行経路LM[n-1]に沿って自動走行制御が行われた後に、表示部4に表示される。また、図8及び図9の8-Bに示される右旋回の案内情報は、目標走行経路LM[n]に沿って自動走行制御が行われた後に、表示部4に表示される。これらの案内情報に、機体1と機体1の周囲とを表示する地図画面が含まれる。また、これらの案内情報は、図2に示されるサイドパネル21に表示されるが、同図に示されるメータパネル20に表示されても良い。
図3に示されるように経路設定部76に、開始位置算定部76Dと、終了判定部76Eと、距離算出部76Fと、が備えられている。図7には旋回走行に関する案内情報の表示に関するフローチャートが示され、このフローチャートに基づく処理が制御装置75によって行われる。
終了判定部76Eは、目標走行経路LMに沿って走行する自動操向制御が終了したかどうかを判定する(ステップ#21)。自動操向制御の終了は、例えばPTOクラッチレバー(不図示)やポンパレバー(不図示)が操作されたかどうかによって判定される。自動操向制御の終了が終了判定部76Eによって判定された場合(ステップ#21:Yes)、自動操向制御の終了が判定された時点の自機位置NMが終端位置Lfとして記憶部81に記憶される(ステップ#22)。開始位置算定部76Dが次回の作業走行の開始位置Ls2を算出するための作業走行位置情報WPとして、終端位置Lfは用いられる。なお、図8乃至図11において示される終端位置Lfのうち、目標走行経路LM[n]の終端位置Lfが、次回の作業走行の開始位置Ls2を算出するための作業走行位置情報WPとしても示される。なお、本明細書では、開始位置Ls2は、開始位置算定部76Dによってこれから算出されるものとして、開始位置Lsと区別して記載される。
記憶部81には、前回の旋回走行に関する情報が記憶されている。旋回走行に関するデータを記憶部81から読み出すことによって、前回の旋回走行が右旋回または左旋回の何れであったかを判断可能なように、開始位置算定部76Dは構成されている。図4に示されるように、機体1が目標方位LAに沿って自動操向制御を繰り返す場合、一般的に、圃場の畦際での旋回走行は右旋回と左旋回とが交互に繰り返される。このため、開始位置算定部76Dは、前回の旋回走行が、右旋回または左旋回の何れであったかを判定する(ステップ#23)。なお、ステップ#23の判定は、開始位置算定部76D以外のモジュールによって行われる構成であっても良い。前回の旋回走行が右旋回であった場合(ステップ#23:右旋回)、機体1の旋回が開始される前に、開始位置算定部76Dは、前回の旋回走行に基づいて左旋回側に次の開始位置Ls2を算定する(ステップ#25-1)。
そして、表示部4には左旋回の案内情報が表示され(ステップ#25-2)、この案内情報に開始位置Ls2に基づく表示線L2も表示される。また、前回の旋回走行が左旋回であった場合(ステップ#23:左旋回)、機体1の旋回が開始される前に、開始位置算定部76Dは、前回の旋回走行に基づいて右旋回側に次の開始位置Ls2を算定する(ステップ#24-1)。そして、表示部4には右旋回の案内情報が表示され(ステップ#24-2)、この案内情報に開始位置Ls2に基づく表示線L2も表示される。
このように、終了判定部76Eが作業走行の終了を判定すると、開始位置算定部76Dが位置情報としての作業走行位置情報WPに基づいて作業走行における機体1の進行方向に対して左右の何れかに開始位置Ls2を算定し、かつ、表示部4が開始位置Ls2への旋回走行を案内する案内情報を表示する。その際に、開始位置算定部76Dは、前回の旋回走行において進行方向に対して左右一方側の旋回方向に開始位置Lsを算定した場合、今回の旋回走行において進行方向に対して左右他方側の旋回方向に開始位置Ls2を算定し、かつ、表示部4は、地図画面において機体1よりも当該左右他方側に開始位置Ls2に基づく表示線L2を表示する。
ステップ#24-2またはステップ#25-2の処理によって表示部4に案内情報が表示された後、搭乗者がステアリングホイール16を操作することによって、機体1が旋回する。このときの旋回方向が、操向操作検知手段としての操向角センサ60によって判定可能なように、制御装置75は構成されている(ステップ#24-3、ステップ#25-3)。なお、旋回方向の判定手段は、操向角センサ60による判定に限定されず、例えば衛星測位ユニット8aによって計測された機体1の位置情報の集合に基づく判定あったり、慣性計測ユニット8bによって計測された機体1の方位情報に基づく判定であったりしても良い。つまり、操向操作検知手段は、例えば衛星測位ユニット8aや慣性計測ユニット8bによって旋回が検知されることによって、操向操作が検知される構成であっても良い。
機体1の実際の旋回方向が表示部4に表示された案内情報と異なる場合、表示部4に表示された案内情報が、機体1の実際の旋回方向と合致した案内情報に変更される。表示部4に右旋回の案内情報が表示された状態で(ステップ#24-2)、機体1の実際の旋回方向が左旋回であった場合(ステップ#24-3:左旋回)、開始位置算定部76Dは、左旋回側に次の開始位置Ls2を算定する(ステップ#24-4)。そして、表示部4の案内情報が左旋回の案内情報に変更される(ステップ#24-5)。また、表示部4に左旋回の案内情報が表示された状態で(ステップ#25-2)、機体1の実際の旋回方向が右旋回であった場合(ステップ#25-3:右旋回)、開始位置算定部76Dは、右旋回側に次の開始位置Ls2を算定する(ステップ#25-4)。そして、表示部4の案内情報が右旋回の案内情報に変更される(ステップ#25-5)。このように、旋回走行において、開始位置算定部76Dが開始位置Ls2を算定した側と反対側の旋回方向にステアリングホイール16(操向操作具)が操作されると、開始位置算定部76Dは、ステアリングホイール16が操作された側の旋回方向に開始位置Ls2を再度算定し、かつ、表示部4は、地図画面において機体1よりもステアリングホイール16が操作された側の旋回方向に開始位置Ls2を再度表示する。
ステップ#26以降に関する説明の前に、開始位置算定部76Dによる開始位置Ls2の算出方法を説明する。図8に示された実施形態では、目標走行経路LM[n]に沿って自動走行制御が行われた後、図7のステップ#22に基づいて、自動操向制御の終了が判定された時点の自機位置NMが、目標走行経路LM[n]の終端位置Lf(作業走行位置情報WP)として記憶部81に記憶される。目標走行経路LM[n]における自動操向制御の前に、目標走行経路LM[n-1]の終端位置Lfと、目標走行経路LM[n]の開始位置Lsと、に亘って左旋回が行われた。このため、目標走行経路LM[n]の終端位置Lf、即ち作業走行位置情報WPから機体1が旋回する前に、図7のステップ#23で右旋回の判定が行われる。
図8に示された実施形態では、目標走行経路LM[n-1]の終端位置Lfと、目標走行経路LM[n]の開始位置Lsと、の間は第一離間距離P1だけ離れている。目標走行経路LM[n-1]に基づく作業走行の領域と、目標走行経路LM[n]に基づく作業走行の領域と、は互いに隣接した領域である。このことから、第一離間距離P1は、PTO軸を介してトラクタに装着された耕耘装置3の作業幅と同じ距離であるか、例えば耕耘装置3の作業幅よりも一割程度小さな距離である。後述する図9及び図11においても、この第一離間距離P1は、図8に基づいて説明した通りである。第一離間距離P1が耕耘装置3の作業幅よりも小さな距離である場合、目標走行経路LM[n-1]に基づく作業走行の作業幅と、目標走行経路LM[n]に基づく作業走行の作業幅と、が所定の幅(例えば作業幅に対して一割未満)でオーバーラップする。
目標走行経路LM[n-1]の終端位置Lfは、前回の旋回走行が開始された位置である。また、目標走行経路LM[n]の開始位置Lsは、前回の前記旋回走行が終了した位置である。更に、目標走行経路LM[n-1]の終端位置Lfと、目標走行経路LM[n]の開始位置Lsと、の間は第一離間距離P1だけ離れている。このことから、開始位置算定部76Dは、次の自動操向制御が、目標走行経路LM[n]に対して第一離間距離P1だけ横方向(目標方位LAと直交する方向、以下同じ)に離れた位置で行われると推定する。そして、開始位置算定部76Dは、作業走行位置情報WPに対して目標走行経路LM[n-1]の位置する側と反対側の横方向に、かつ、作業走行位置情報WPから第一離間距離P1だけ離れた位置に、新たな作業走行の開始位置Ls2を算定する(ステップ#25-1)。図8に示される目標走行経路LM[n+1]は、機体1が開始位置Ls2に到達した後に設定される予定の目標走行経路LMである。
そして、ステップ#25-2の処理に基づいて、図8の8-Bに示される右旋回の案内情報が地図画面として表示部4に表示される。このように、表示部4は、機体1を含む機体1の周辺を地図画面として表示する。この地図画面に、作業走行位置情報WPと、次の作業走行の開始位置Ls2と、の夫々が目標方位LAに沿う線状の表示線L1,L2として表示される。
このように、開始位置算定部76Dは、前回の旋回走行が開始された位置と、前回の旋回走行が終了した位置と、の離間距離に基づいて開始位置Ls2を算定し、表示部4は、離間距離に基づいて算定された開始位置Ls2を案内情報に表示する。
表示部4に表示される案内情報の地図画面に、図8及び図9に示されるような機体シンボルSYと、破線の旋回経路と、が模式的に示される。機体1の旋回走行が行われている間、図9における8-B,8-Cの案内情報に示されるように、機体1の位置を示す機体シンボルSYが、破線の旋回経路に沿って移動する。表示部4は、旋回走行の旋回経路を地図画面に表示するが、本実施形態では、旋回経路は予め設定されている訳ではなく、開始位置Ls2に到達するための目安として、破線の旋回経路が地図画面に表示される。走行軌跡取得部78によって算出された自機位置NMに基づいて、機体シンボルSYが、破線の旋回経路上の任意の箇所に目安として表示される。また、機体シンボルSYは、方位ずれ算定部77(図3参照)によって算定された旋回方位に基づいて、案内情報における地図画面内で向きが変化する。
図7のフローチャートに関する説明を再開する。距離算出部76F(図3参照)は、記憶部81に記憶された位置情報と、機体1の現在位置に基づく位置情報と、の離間距離を算出可能なように構成されている。機体1の旋回走行が行われている間、作業走行位置情報WPと自機位置NMとの離間距離が距離算出部76Fによって経時的に算出される(ステップ#26)。換言すると、距離算出部76Fは、終了判定部76E(図3参照)が作業走行の終了を判定したときの位置情報を用いて離間距離を算出する。距離算出部76Fは、旋回走行が開始された後から、離間距離の算出を開始する。そして、図9における8-B,8-Cの案内情報に示されるように、この離間距離のうち目標方位LAと直交する成分の距離である離間距離表示DFが、表示部4に表示される(ステップ#27)。このように、終了判定部76Eが作業走行の終了を判定すると、距離算出部76Fは、記憶部81に記憶された位置情報として、終了判定部76Eが作業走行の終了を判定した作業走行に基づく位置情報である作業走行位置情報WPを用いて離間距離を算出する。更に、表示部4は、作業走行位置情報WPと離間距離表示DFとを表示可能に構成される。表示部4は、旋回走行が開始された後から、離間距離の表示を開始する。
機体1の旋回走行が行われている間、制御装置75は、衛星測位ユニット8aによって計測された機体1の位置情報に基づいて、機体1が次回の作業走行の開始位置Ls2を横方向に横切って遠くへ旋回しているかどうかを判定する(ステップ#28)。図9に、旋回走行において機体1が作業走行位置情報WPから横方向に第一離間距離P1よりも長い距離を走行し、次回の作業走行の開始位置Ls2(図9では開始予定位置Ls2’で示される)を通り過ぎた様子が示されている。図9に示される開始予定位置Ls2’は当初設定されていた次回の作業走行の開始位置Ls2であったが、開始予定位置Ls2’は次回の作業走行の開始位置Ls2として用いられない。この場合、図7のステップ#28でYesの判定が行われる。ステップ#28でYesの判定が行われた場合、開始位置算定部76Dは、開始予定位置Ls2’から、作業走行位置情報WPの位置する側と反対側の横方向に第一離間距離P1だけ離れた位置に、新たな作業走行の開始位置Ls2を算定する(ステップ#29)。図9に示される目標走行経路LM[n+2]は、機体1が開始位置Ls2に到達した後に設定される予定の目標走行経路LMである。
図9において、作業走行位置情報WPと、新たな作業走行の開始位置Ls2と、の離間距離である第二離間距離P2が示される。第二離間距離P2は第一離間距離P1の二倍の距離を有する。このことから、目標走行経路LM[n]に基づく作業走行の領域と、新たな作業走行の開始位置Ls2に基づいて行われるべき作業走行の領域と、の間に、横方向において耕耘装置3の作業幅に相当する幅の未作業地が残される。この未作業地の幅は、耕耘作業が行われる際に両側の既作業領域に亘って隙間なく耕耘作業が可能な幅である。
後述する図10及び図11においても、この第二離間距離P2は、図9に基づいて説明した通りである。
また、開始位置算定部76Dが新たな作業走行の開始位置Ls2を算定した場合、ステップ#30の処理に基づいて、図9の8-Cに示される右旋回の案内情報が地図画面として表示部4に表示される。8-Cに示される地図画面に、作業走行位置情報WPと、開始予定位置Ls2’と、新たな作業走行の開始位置Ls2と、の夫々が目標方位LAに沿う線状の表示線L1,L2’,L2として表示される。開始予定位置Ls2’に基づく表示線L2’は、作業走行位置情報WPに基づく表示線L1と、新たな作業走行の開始位置Ls2に基づく表示線L2と、の間に位置する。そして、新たな作業走行の開始位置Ls2に到達するための目安として、破線の旋回経路が、作業走行位置情報WPに基づく表示線L1と、新たな作業走行の開始位置Ls2に基づく表示線L2と、に亘って表示される。
図9の8-Cに示された案内情報における機体シンボルSYの表示と、離間距離表示DFの表示と、の夫々については、同図の8-Bに示された案内情報に基づいて既述した通りである。
機体1の旋回走行が行われている間、方位ずれ算定部77(図3参照)によって算定された機体1の旋回方位と、目標方位LAと、の方位ずれが、予め設定された許容範囲の範囲内であるかどうかが判定される(ステップ#31)。方位ずれが許容範囲の範囲外である場合(ステップ#31:No)、ステップ#28の判定処理と、ステップ#28でYesの判定が行われた場合のステップ#29及びステップ#30の処理と、が繰り返される。方位ずれが許容範囲の範囲内である場合(ステップ#31:Yes)、作業走行位置情報WPと、次の作業走行の開始位置Ls2と、の距離が記憶部81(図3参照)に記憶され(ステップ#32)、後述する図12に示されたフローチャートの処理に移行する。また、表示部4は、旋回走行の終了後に、離間距離表示DFの表示を終了する。
なお、ステップ#31における判定では、作業走行位置情報WPと、走行軌跡取得部78によって算出される自機位置NMと、の横方向における距離が、作業走行の作業幅を基準とした基準距離の範囲内であるかどうかも、判定項目として加えられても良い。この場合、作業走行の作業幅以外にも、この作業幅の整数倍の値が当該基準距離として用いられても良いし、この作業幅の整数倍の値から既述のオーバーラップの量だけ差し引いた値が当該基準距離として用いられても良い。
また、ステップ#32で記憶部81に記憶される距離は、作業走行位置情報WPと、次の作業走行の開始位置Ls2と、の実際の距離であっても良いし、作業走行の作業幅を基準とした基準距離の整数倍の距離のうち、当該実際の距離と近い距離であっても良い。このように記憶部81に記憶される距離が、例えば第一離間距離P1や第二離間距離P2である。
作業走行位置情報WPと、次の作業走行の開始位置Ls2と、の間に、横方向において耕耘装置3の作業幅に相当する幅の未作業地が残されるように旋回走行が行われた場合(図9参照)、その後の旋回走行では、図10に示されるような案内情報が表示部4に表示される。図10における目標走行経路LM[n-1]は、図9において機体1が開始位置Ls2に到達した後に設定される目標走行経路LM[n+2]と同一と考えても良い。
図10において、目標走行経路LM[n]における自動操向制御の前に、目標走行経路LM[n-1]の終端位置Lfと、目標走行経路LM[n]の開始位置Lsと、に亘って左旋回が行われた。図10及び図11の10-Aに示される左旋回の案内情報は、目標走行経路LM[n-1]に沿って自動走行制御が行われた後に、表示部4に表示される。図10及び図11の10-Bに示される右旋回の案内情報は、目標走行経路LM[n]に沿って自動走行制御が行われた後、かつ、実際に機体1の旋回が始まる前に、図7に示されたステップ#24-2の処理に基づいて表示部4に表示される。これらの案内情報に、機体1と機体1の周囲とを表示する地図画面が含まれる。また、これらの案内情報は、図2に示されるサイドパネル21に表示されるが、同図に示されるメータパネル20に表示されても良い。
目標走行経路LM[n-1]の終端位置Lfと、目標走行経路LM[n]の開始位置Lsと、の間は第二離間距離P2だけ離れ、第二離間距離P2は、耕耘装置3の作業幅の二倍(または略二倍であって二倍未満)の距離を有する。このことから、図10において、目標走行経路LM[n-1]に基づく作業走行の領域と、目標走行経路LM[n]に基づく作業走行の領域と、の間に、横方向において耕耘装置3の作業幅に相当する幅の未作業地が残される。この未作業地で耕耘作業が行われる際に、目標走行経路LM[n-1]に基づく作業走行の領域と、目標走行経路LM[n]に基づく作業走行の領域と、の間に亘って耕耘作業が隙間なく行われる。
図10に示された実施形態では、前回の旋回走行において、目標走行経路LM[n-1]の終端位置Lfと、目標走行経路LM[n]の開始位置Lsと、の間は第二離間距離P2だけ離れている。このことから、開始位置算定部76Dは、次の自動操向制御が、目標走行経路LM[n]に対して第二離間距離P2だけ横方向に離れた位置で行われると推定する。そして、開始位置算定部76Dは、目標走行経路LM[n-1]の位置する側と反対側の横方向に、かつ、作業走行位置情報WPから第二離間距離P2だけ離れた位置に、次の作業走行の開始位置Ls2を算定する。図10に示される目標走行経路LM[n+1]は、機体1が開始位置Ls2に到達した後に設定される予定の目標走行経路LMである。
図10及び図11の10-Bに示される案内情報に、作業走行位置情報WPに基づく表示線L1と、次の作業走行の開始位置Ls2に基づく表示線L2と、が示される。図10に示された実施形態では、作業走行位置情報WPと、次の作業走行の開始位置Ls2と、の間に横方向において耕耘装置3の作業幅に相当する幅の未作業地が残されている。このため、作業走行位置情報WPに基づく表示線L1と、次の作業走行の開始位置Ls2に基づく表示線L2と、の間に、この未作業地を示す表示線L3が示される。なお、この未作業地の幅は、耕耘作業が行われる際に両側の既作業領域に亘って隙間なく耕耘作業が可能な幅である。
上述したように、図10及び図11の10-Bに示される右旋回の案内情報は、目標走行経路LM[n]に沿って自動走行制御が行われた後、かつ、実際に機体1の旋回が始まる前に、図7に示されたステップ#24-2の処理に基づいて表示部4に表示される。しかし、例えば目標走行経路LM[n]が、圃場の畦際のうち目標方位LAに沿う一辺の畦際に接近している場合、実際に機体1は、作業走行位置情報WPからそれ以上右側に旋回できないことが考えられる。実際に機体1が、図11に示されるように左方向に旋回された場合、図7のステップ#24-3で左旋回の判定が行われ、ステップ#24-5の処理に基づいて図11の10-Cに示される左旋回の案内情報に変更される。図10において示された開始位置Ls2は、図11では開始予定位置Ls2’として示され、開始予定位置Ls2’は、次の目標走行経路LMを生成するための開始位置Ls2として用いられない。
図7に示されたステップ#24-4では、開始位置算定部76Dは、次の目標走行経路LMを生成するための開始位置Ls2を、前回の旋回走行に基づいて算出する。このため、原則として、開始位置算定部76Dは、次の目標走行経路LMを生成するための開始位置Ls2を、作業走行位置情報WPから第二離間距離P2だけ離れた位置に算定する。しかし、図11において、目標走行経路LM[n-1]に基づく作業走行の領域は作業走行済みである。このため、機体1が左旋回する場合において、開始位置Ls2が作業走行位置情報WPから第二離間距離P2だけ離れた位置に算定されてしまった場合、この作業走行済みの領域と、次の作業走行の開始位置Ls2と、が重複してしまう。この不都合を回避するため、開始位置算定部76Dは、左旋回側の領域のうち未作業地の領域を優先して開始位置Ls2を探索する。図11に示された実施形態では、図10に基づいて既述したように、目標走行経路LM[n-1]に基づく作業走行の領域と、目標走行経路LM[n]に基づく作業走行の領域と、の間に未作業地が残されている。この未作業地の横方向の幅は、耕耘装置3の作業幅に相当する。このため、開始位置算定部76Dは、図11に示された開始予定位置Ls2’に代えて、次の目標走行経路LMを生成するための開始位置Ls2を、作業走行位置情報WPから第一離間距離P1だけ離れた位置に算定する。図11に示される目標走行経路LM[n+2]は、機体1が開始位置Ls2に到達した後に設定される予定の目標走行経路LMである。
〔自動操向制御の開始前における案内情報の表示〕
上述の旋回走行が完了した後、制御装置75の手動操向モードは継続し、人為操作による直進走行が継続される。この間、制御装置75は、目標方位LAに対する機体1の方位ずれや、前輪11の向き、ステアリングホイール16の操舵状態の判別条件を確認し、自動操向モードに切換え可能な状態であるかどうかを判定する。そして、制御装置75は、自動操向モードに切換え可能な状態であれば、搭乗者がトリガスイッチ49を操作することによって、自動操向制御が開始される。このとき、制御装置75が自動操向モードに切換え可能な状態であるかどうかは、表示部4によって搭乗者に視認可能に構成されている。同時に表示部4に、搭乗者による操向操作を補助する案内情報が表示される。
人為操作による作業機の直進走行が継続している間、表示部4に、図13の13-A乃至13-Dに示される案内情報の画面が表示される。これらの案内情報に、機体1と機体1の周囲とを表示する地図画面が含まれる。これらの案内情報は、図2に示されるサイドパネル21に表示されるが、同図に示されるメータパネル20に表示されても良い。案内情報の画面の右端に、ステアリングホイール16の操舵表示82と、方位ずれ算定部77によって算定される機体1の方位ずれ表示83と、が上下に並んで示される。また、操舵表示82及び方位ずれ表示83よりも画面左側に、機体シンボルSYを含む地図画面が表示され、この地図画面のうち、既に耕耘作業が完了した既作業領域に色描画WAが表示される。色描画WAは、記憶部81に記憶された自機位置NMの集合と、耕耘装置3の作業幅と、によって算出される。これにより、既作業領域と未作業領域とが視覚的に明確に区別されている。なお、色描画WAが表示された領域のうち、作業走行が三回以上行われた領域と、作業走行が二回行われた領域と、作業走行が一回だけ行われた領域と、の夫々で色分けされる構成であっても良い。つまり、色描画WAが作業走行の回数ごとに色分けされ、案内情報における既作業領域が色違いの色描画WAによって表示される構成であっても良い。また、色描画WAは、点描画であっても良いし、模様描画であっても良い。
自動操向制御の開始の判定は、図12に示されるフローチャートに基づいて実行される。自動操向モードに切換え可能な状態であるかどうかを制御装置75が判定するため、制御装置75は判定用のカウンタCtrを用いるように構成されている。旋回走行の終了直後におけるカウンタCtrの値は零値に設定される(ステップ#40)。まず、機体1の方位ずれが、目標方位LAに対して許容範囲の範囲内であるかどうかが判定される(ステップ#41)。機体1の方位が目標方位LAに対して右向きに傾斜している場合(ステップ#41:右に傾斜)、表示部4に、図13の13-Aに示される左旋回の案内情報が表示される(ステップ#43-1)。そして、カウンタCtrの値は零値にリセットされる(ステップ#43-2)。図13の13-Aに示される左旋回の案内情報では、搭乗者に対してステアリングホイール16を左回りに操作するように促す情報が表示される。機体1の方位が目標方位LAに対して左向きに傾斜している場合(ステップ#41:左に傾斜)、表示部4に、図13の13-Bに示される右旋回の案内情報が表示される(ステップ#42-1)。そして、カウンタCtrの値は零値にリセットされる(ステップ#42-2)。図13の13-Bに示される右旋回の案内情報では、搭乗者に対してステアリングホイール16を右回りに操作するように促す情報が表示される。
機体1が目標方位LAに沿う方向に直進している場合(ステップ#41:直進)、カウンタCtrがインクリメントされ(ステップ#44)、カウンタCtrの値が増加する。
そして、機体1が一定の距離以上を走行したかどうかが判定される(ステップ#45)。
ここで、『一定の距離』とは、開始位置Ls2(図8乃至図11参照)から予め設定された距離であっても良いし、機体1が目標方位LAに沿う方向に直進する状態から予め設定された距離であっても良い。機体1が一定の距離以上を走行していない場合(ステップ#45:No)、処理がステップ#41に戻る。
機体1が一定の距離以上を走行している場合(ステップ#45:Yes)、ステアリングホイール16の切れ角の変化が許容範囲内に保たれているかどうかが判定される(ステップ#46)。自動操向制御が許可される場合のステアリングホイール16の切れ角として、例えばステアリングホイール16が右旋回の方向にも左旋回の方向にも操作されず、前輪11の向きと後輪12の向きとが平行な状態が例示されるが、この状態に限定されない。例えば機体1の走行領域が横方向に傾斜する地面である場合、機体1がそのまま直進するだけでは機体1が左右方向において低地側へ徐々に位置ずれする虞がある。このような場合には、前輪11の向きが左右方向において高地側へ操舵された状態が維持されることによって、結果的に機体1が目標方位LAに沿って前進し易くなる。このため、自動操向制御が許可される場合のステアリングホイール16の切れ角として、例えばステアリングホイール16が右旋回または左旋回の方向に操舵された状態も含まれる。つまり、ステアリングホイール16の切れ角が一定の範囲内で保持され続けた場合に自動操向制御を許可するように、制御装置75は構成されている。ステアリングホイール16の切れ角の変化が許容範囲内に保たれていなければ(ステップ#46:No)、カウンタCtrの値は零値にリセットされる(ステップ#47)。なお、ステップ#47の処理では、カウンタCtrの値は零値にリセットされず、カウンタCtrがデクリメントされてカウンタCtrの値が減少する構成であっても良い。
ステップ#41で直進と判定されてからステップ#46の判定が行われる間、表示部4には図13の13-Cに示される案内情報が表示される。そして、カウンタCtrが予め設定された値に到達した場合(ステップ#48:Yes)、表示部4には図13の13-Dに示される案内情報が表示され、自動操向制御が許可される。そして、搭乗者がトリガスイッチ49を操作することによって、制御装置75の制御モードが手動操向モードから自動操向モードに切換えられ、自動操向制御が実行される(ステップ#49)。なお、ステップ#48でYesと判定された後で、搭乗者がトリガスイッチ49を操作する前に、ステアリングホイール16の急旋回が検出された場合、カウンタCtrの値が零値にリセットされたりデクリメントされたりする構成であっても良い。
〔別実施形態〕
本発明は、上述の実施形態に例示された構成に限定されるものではなく、以下、本発明の代表的な別実施形態を例示する。
(1)上述の実施形態において、機体シンボルSYは、図9等に示されるように、方位ずれ算定部77によって算定された旋回方位に基づいて、案内情報における地図画面内で向きが変化するが、この実施形態に限定されない。例えば、機体シンボルSYは、図8に示されるような上向きに常に固定され、方位ずれ算定部77によって算定された旋回方位の変化に伴って、機体シンボルSYの周囲が回転する構成であっても良い。
(2)上述の実施形態において、開始位置算定部76Dは、前回の旋回走行で走行した終端位置Lf及び開始位置Lsの離間距離に基づいて開始位置Ls2を算定するが、この実施形態に限定されない。例えば、開始位置算定部76Dは、前々回の作業走行における走行軌跡に基づく近似線と、前回の作業走行における走行軌跡に基づく近似線と、の離間距離に基づいて開始位置Ls2を算定する構成であっても良い。また、開始位置算定部76Dは、前回の旋回走行で終端位置Lfと開始位置Lsとに亘って走行した走行軌跡のうち、任意の二点間の離間距離に基づいて開始位置Ls2を算定する構成であっても良い。つまり、開始位置算定部76Dは、前回の旋回走行が開始された位置と、前回の旋回走行が終了した位置と、の離間距離に基づいて開始位置Ls2を算定する構成であれば良い。
(3)上述した実施形態において、表示部4に表示される案内情報に地図画面が含まれているが、案内情報に地図画面が含まれない構成であっても良い。例えば、表示部4に表示される案内情報は、矢印等の記号や数値、メッセージ等による案内情報であっても良い。
また、地図画面に旋回経路が表示されているが、地図画面に旋回経路が表示されない構成であっても良い。
(4)上述した実施形態において、前輪11の向きを変更することによって操向操作が行われるが、後輪12の向きを変更することによって操向操作が行われる構成であっても良い。要するに、操向制御部80は、目標方位LAに沿って走行装置の操向制御を可能な構成であれば良い。
(5)上述の位置検出部8として、衛星測位ユニット8aが測位を行う対象である機体1に備えられているが、衛星測位用システムの測位信号を直接受信する構成に限定されない。例えば、作業車の周囲における複数の箇所に、人工衛星からの測位信号を受信する基地局が設けられ、当該複数の基地局とのネットワーク通信処理によって走行作業機の位置情報を特定する構成であっても良い。要するに、位置検出部8は、航法衛星の測位信号に基づいて機体1の位置情報を検出可能な構成であれば良い。
(6)なお、図4に例示された目標走行経路LM1~LM6は直線状に形成されているが、目標走行経路LM1~LM6は、例えば湾曲した曲線状であっても良い。この場合、基準経路生成時の走行軌跡が湾曲した曲線状に形成され、目標方位LAが、この湾曲した曲線状に沿って徐々に変化する構成であっても良い。
(7)上述した実施形態において、操向操作具としてステアリングホイール16が示されたが、操向操作具は、例えばスティック式のレバーであっても良いし、一対のボタンであっても良い。
(8)本発明による走行作業機として、トラクタが例示されたが、トラクタ以外にも収穫機や田植機、播種機にも本発明は適用可能である。
なお、上述の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。
また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、走行軌跡に基づいて目標方位を算定し、目標方位に沿って機体の操向制御を可能な走行作業機に適用できる。
1 :機体
3 :耕耘装置(作業装置)
4 :表示部
8 :位置検出部
76D :開始位置算定部
76E :終了判定部
LA :目標方位
Ls :開始位置
Ls2 :開始位置
Lf :終端位置

Claims (4)

  1. 圃場において予め設定された目標方位に沿って自動的に走行しつつ作業装置による作業を行なう作業走行と、前記作業走行の終端位置から前記作業走行の進行方向と反対方向に反転しながら圃場の未作業地おける次回の前記作業走行の開始位置に移動する旋回走行と、を複数回に亘って交互に繰り返す走行作業機であって、
    航法衛星の測位信号に基づいて機体の位置情報を取得する位置検出部と、
    複数の前記作業走行の夫々の終了を判定可能な終了判定部と、
    前記開始位置を算定する開始位置算定部と、
    前記旋回走行に関する情報を表示可能な表示部と、が備えられ、
    前記終了判定部が前記作業走行の終了を判定すると、前記開始位置算定部が前記位置情報に基づいて前記作業走行における前記機体の進行方向に対して左右の何れかに前記開始位置を算定し、かつ、前記表示部が前記開始位置への前記旋回走行を案内する案内情報を表示し、
    前記機体の操向操作を人為的に行う操向操作具が備えられ、
    前記案内情報に、前記機体と前記機体の周囲とを表示する地図画面が含まれ、
    前記旋回走行において、前記開始位置算定部が前記開始位置を算定した側と反対側の旋回方向に前記操向操作具が操作されると、前記開始位置算定部は、前記操向操作具が操作された側の旋回方向に前記開始位置を再度算定し、かつ、前記表示部は、前記地図画面において前記機体よりも前記操向操作具が操作された側の旋回方向に前記開始位置を再度表示する走行作業機。
  2. 前記開始位置算定部は、前回の前記旋回走行が開始された位置と、前回の前記旋回走行が終了した位置とを結んだ直線距離である離間距離に基づいて前記開始位置を算定し、
    前記表示部は、前記離間距離に基づいて算定された前記開始位置を前記案内情報に表示する請求項1に記載の走行作業機。
  3. 記開始位置算定部は、前回の前記旋回走行において前記進行方向に対して左右一方側の旋回方向に前記開始位置を算定した場合、今回の前記旋回走行において前記進行方向に対して左右他方側の旋回方向に前記開始位置を算定し、かつ、前記表示部は、前記地図画面において前記機体よりも前記左右他方側に前記開始位置を表示する請求項1または2に記載の走行作業機。
  4. 前記表示部は、前記旋回走行の旋回経路を前記地図画面に表示する請求項1から3のいずれか1項に記載の走行作業機。
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