JP2015528715A - カプセル認識システム - Google Patents

Abstract

本発明は、飲料物製造機用のカプセルに関し、前記カプセルは、前記カプセル内に封入された原料と、識別部と、を備え、前記識別部は、コードパターンが組み込まれた導電性材料領域であり、前記コードパターンは、前記導電性材料中に形成された所定配置の１つ以上の切れ目から成り、前記カプセルは、前記飲料物製造機内における前記カプセルの向きを定めるための指向部材を備える。

Description

本発明はカプセル用の認識システムに関する。特に、本発明は、カプセル、例えば飲料物製造機中のカプセルの認識を可能にするコーディングシステムに関する。

分配された（portioned）原料を使用するように設計された自動飲料物製造機は、既知のものである。このような機械は、所定量の飲料物原料（例えば、挽きコーヒー、ココアパウダー、茶葉）を包含したカプセルを使用することが多い。このようなカプセルは使用するのに便利であり、味及び品質を保ったままに飲料物を調製するのを容易にすることができる。

飲料物製造機の加工パラメータは、調製される飲料物の種類に応じて変更する必要があり得る。飲料物製造機におけるパラメータを調整するために、このようなカプセルを識別するためのいくつかのシステムが提案されている。

例えば、国際特許出願の国際公開第２０１１／０００７２３号及び国際公開第２０１１／０００７２４号（Ｎｅｓｔｅｃ ＳＡ）には、識別器を備える飲料物カプセル及び飲料物製造機中でこのようなカプセルを識別する方法が記載されている。識別器、好ましくは飲料物カプセル内に組み込まれた識別器は、プラスチックシース中に封入された磁気応答性材料を備える。この磁気応答性材料は、電磁エミッターによって与えられた磁場に励起されると、少なくとも１つのバルクハウゼンジャンプを生じることにより、電圧磁気信号を変化させることができる。磁気応答性材料の組成は、各カプセルの種類によって異なるが、同じ種類のカプセルでは同一である。従って、カプセルの種類は、磁気信号にもたらされる異常によって（例えば、いくつかの基準磁気パターンと比較することによって）識別可能である。

欧州特許出願公開第０４５１９８０号明細書（Ｋｒａｆｔ Ｇｅｎｅｒａｌ Ｆｏｏｄｓ Ｌｉｍｉｔｅｄ）は、飲料物を調製するための食用物を包含する梱包容器であって、好ましくは認識手段が設けられているものに関する。いくつかの可能なシステムであって、各々が特定の認識手段及び適当なセンサーを備えているものが想定される。例えば、認識手段には、
梱包容器の本体部に形成される１つ以上の表面機構であって、機械的センサー又は光学的センサーによって識別可能である表面機構；
梱包容器の本体部に付与された１つ以上の磁気材料ストリップであって、適当な磁気センサーによって読取り可能である磁気材料ストリップ；
梱包容器の本体部に付与された１つ以上の形状付けられ、又は分割された金属箔領域であって、機械中の梱包容器の動きを誘導する効果をもたらし且つこの誘導効果が感知可能である金属箔領域；又は
梱包容器の本体部に形成された１つ以上の導電性領域であって、電気的に感知可能である導電性領域；
が含まれる。

国際公開第２０１１／１４１５３２号（Ｎｅｓｔｅｃ ＳＡ）には、遠心分離によって飲料物を調製するためのカプセル、システム、及び方法が記載されている。このカプセルは、カプセルを横断する回転軸の周りでカプセルが回転する間に読み取られるように配置されたコードを備えている。プリンティング、エンボス加工、又はレーザー彫込みによってカプセルに付与されたコードを光学的に読み取るのが好ましい。また、浮彫り加工により形成されたコード又はカプセル外周の金属リム上に設けられた陥凹部の誘導感知（inductive sensing）も開示されている。

国際公開第２０１１／０００７２３号 国際公開第２０１１／０００７２４号 欧州特許出願公開第０４５１９８０号明細書 国際公開第２０１１／１４１５３２号

飲料物製造機中のカプセルを識別するにあたっての課題は、カプセルからの情報の取得又は読取りは常に信頼に足る便利なものとは限らないという点である。例えば、カプセルがいかなる方向を向いていても、及び／又はカプセルの周りの環境が（例えば飲料物の残留物質の存在のために）清潔でない状態にあったとしても、カプセルを確実に読取り可能とするためには、高いレベルの冗長性を有するコーディングシステムを使用することが必要となる場合が多い。

［試験及び定義］
本明細書で用いられる場合、「備える（comprising）」との用語は、「本質的には〜から成る（consisting essentially of）」及び「〜から成る（consisting of）」との用語を包含するものである。本明細書に含まれるすべてのパーセンテージ及び比率は、別段の記載がない限りは質量で計算されている。任意の値又は量の範囲を特定する際には、任意の特定の上限値又は上限量は、任意の特定の下限値または下限量と関連付けられ得るということが留意されるべきである。

本明細書中に見出される発明の開示は、請求項が多項従属性又は冗長性を有するものと見出され得るという事実とは無関係に、互いに多項従属する請求項に見出される全実施形態を網羅するものと見なされるものである。

［飲料物］
本明細書で用いられる場合、「飲料物（beverage）」との用語は、人間が消化するのに適した、実質的に水様の飲用混合物をいう。好ましくは、飲料物は、飲料物に対して少なくとも８５重量パーセント、より好ましくは少なくとも９０質量パーセント、最も好ましくは９５〜９９．９質量パーセントの水を含む。

［飲料物原料］
本明細書で用いられる場合、「飲料物原料（beverage ingredient）」との用語は、飲料物を製造するのに使用可能な食用品をいう。通常、このような原料は、飲料物を（例えば、浸漬（steeping）、浸潤（soaking）、溶解、又は懸濁により）製造するために、液体、好ましくは水溶性液体と混合されることになる。

「不溶性飲料物原料」とは、水溶液に浸漬又は浸潤されたときに、液中に例えば風味分子及び／又は香気分子といった特定の可溶性物質を放出する飲料物原料をいう。不溶性飲料物原料の好適例は、茶の植物原料、ハーブの植物原料、及び／又は果実片である。好ましくは、不溶性飲料物原料は乾燥され、その水分含有量は３０質量パーセント未満、好ましくは２０質量パーセント未満、最も好ましくは０．１〜１０質量パーセントとなる。
［発明の概要］

第１態様において、本発明は飲料物製造機用カプセルに関し、前記カプセルは、
前記カプセル内に封入された原料と、
識別部と、
を備え、
前記識別部は、コードパターンが組み込まれた導電性材料領域であり、
前記コードパターンは、前記導電性材料中に形成された所定配置の１つ以上の切れ目から成り、
前記カプセルは、前記飲料物製造機内における前記カプセルの向きを定めるための指向部材を備える。

本発明の要所は、コーディングシステムの単純性及び信頼性である。これにより、コーディングシステムに冗長性を構築する必要なしに、幅の広い許容誤差の下でのカプセル認識が可能になり、及び／又は、製造工程中に空であるとして排除されるカプセルの割合が低減される。指向部材によって、カプセルが、確実に飲料物製造機内で限られた数の所定の向きのうちの１つの向きになるため、本コーディングシステムの単純性及び信頼性が可能となる。

別の態様では、本発明は、飲料物製造機中のカプセルを認識する方法に関し、前記方法は、
カプセルを提供するカプセル提供ステップであって、前記カプセルは、
・前記カプセル内に封入された原料；
・コードパターンが組み込まれた導電性材料領域である識別部であって、前記コードパターンが、前記導電性材料中に形成された所定配置の１つ以上の切れ目から成る識別部；及び
・前記飲料物製造機内における前記カプセルの向きを定めるための指向部材；
を備えるカプセル提供ステップと；
コイルに交流電流を印加する電流印加ステップであって、前記コイルは、前記識別部内に渦電流を発生させるように、飲料物製造機中に配置される電流印加ステップと；
コイルのインピーダンス変化を検出する検出ステップと；
前記コイルのインピーダンス変化を示す信号を発生させる信号発生ステップと；
前記信号に従って前記カプセルを識別する識別ステップと；
を備える。

本方法により、飲料物製造機内のカプセルを認識するための単純なシステムが提供される。このようなシステムによって、複雑性が（例えば、備える構成要素がより少ないことによって）低減し、及び／又は製造するのにより実用的なものとなる。これにより、飲料物製造機の１つ以上の加工パラメータがカプセルの識別に応じて変更されることが可能になり、究極的には単一の飲料物製造機で、各々が別個の調製条件を要するいくつかの異なる飲料物を調製することが可能になる。
［詳細な説明］

本発明は、飲料物製造機用カプセルに関する。このカプセルには、原料が封入されている。カプセルに洗浄物質が封入されている実施形態も考えられるが、好ましくは、この原料とは飲料物原料である。最も好ましいのは、飲料物原料が不溶性の飲料物原料（例えば茶葉）であることである。

カプセルは適切な任意のデザインとすることができる。効率的且つ安価に製造しやすくするためには、カプセルを射出成型又は加熱成型によって形成するのが好ましい。好ましくは、カプセルは本体部と蓋部とを備え、蓋部はカプセル内に原料を閉じ込めるように本体部に取り付けられている。本実施形態では、本体部は好ましくは射出成型又は加熱成型によって形成され、次いで蓋部を本体部に取り付けることによって原料がカプセル内に閉じ込められる。特に好ましい実施形態においては、本体部はリムを備え、蓋部は例えばヒートシールによって、リムの周りで本体部に取り付けられる。

カプセルは、飲料物製造機内におけるカプセルの向きを定めるための指向部材を備える。指向部材によって、カプセルは、確実に飲料物製造機内でｎ個の所定の向きのうちの任意の１つの向きになる。ここで、ｎは整数である。好ましくは、ｎは１、２、３、４、５、又は６である。より好ましくは、ｎは１、２、３、又は４である。さらに好ましくは、ｎは１又は２である。最も好ましいのは、ｎが２のときである。特定の好ましい実施形態においては、カプセルは複数の指向部材を備える。

指向部材は、本体部の一部として一体形成されることが好ましく、リムの一部として一体形成されることがより好ましい。例えば、カプセルの基部及び／又はリムは、カプセルを確実に飲料物製造機内でｎ個の所定の向きの任意の１つに保つために、リムの外縁にファルクラムディテント（fulcrum detents）及び／又は突出部を有し得る。

飲料物製造機内のカプセルホルダーの向きを定めるため、飲料物製造機は、指向部材との相互作用が可能なカプセルホルダーを備える。例えば、指向部材が突出部である実施形態では、カプセルホルダーは、好ましくはこの突出部を受けるのに適した対応陥凹部を備える。同様に、指向部材が陥凹部である実施形態では、カプセルホルダーは、好ましくは陥凹部と係合するのに適した対応突出部を備える。このような配置構成の利点は、カプセルが飲料物製造機内で所定の位置に保持されることである。これにより、コードパターンの読取り中、カプセルは確実に静止することになる。

指向部材は必ずしも突出部又は凹部でなくてもよいということに留意すべきである。特定の好ましい実施形態では、指向部材はカプセルそのものの形状から成り得る。この実施形態においては、カプセルの形状は、飲料物製造機内のカプセルの向きの数が限定されるように適合される。このことは、最も好ましくは、カプセル基部の回転対称性の程度が限定されるように基部が形状付けられているカプセルを提供することによって実現される。例えば、カプセルは、基部が６０°の回転対称性（例えば略六角形状の基部）、７２°の回転対称性（例えば略五角形状の基部）、９０°の回転対称性（例えば略正方形状の基部）、１２０°の回転対称性（例えば略三角形状の基部）、又は１８０°の回転対称性（例えば略楕円形状又は略長方形状の基部）を有するように形状付けられ得る。

指向部材がカプセルの形状から成る実施形態においては、カプセルホルダーは、形状付けられたカプセルと確実に相互作用し且つ飲料物製造機内でカプセルを確実に静止位置に保持する（例えば、カプセルがカプセルホルダーに挿入されたらそのカプセルの回転を妨げることによって）ように、適宜適合される。例えば、カプセル基部が略六角形状である場合、カプセルホルダーはこのようなカプセルを受けるように（好ましくは、略六角形状の陥凹部であって略六角形状のカプセル基部を受けるように適合された陥凹部をカプセルホルダーに設けることによって）適合されることになる。

カプセルは識別部を備える。識別部は、コードパターンが組み込まれた導電性材料領域である。コードパターンは、導電性材料中に形成された所定配置の１つ以上の切れ目から成る。このコーディングシステムによって、例えば飲料物製造機によるカプセルの機械読取りが可能になる。機械読取りは、特にカプセルの選別及び／又は梱包に関しては、カプセル製造中にも有用である。

識別部は、任意の導電性材料を備え得る。導電性材料の好適例には、金属箔、導電性インク、及びワイヤーループが含まれる。特に好ましい実施形態においては、導電性材料は金属箔である。この実施形態において、金属箔は任意の厚さとすることができるが、１０μｍから１００μｍの厚さを有する金属箔が特に好ましい。

特定の好ましい実施形態では、カプセルは複数の識別部を備える。識別部は、指向部材によって規定された所定の方向の任意の１つを向いたカプセルの検出が可能になるように配置される。好ましい実施形態においては、カプセルは、互いに独立してコードが付された複数の識別部を備える。

識別部は、カプセルの蓋部若しくは基部に組み込まれ、又はラベルとしてカプセルに付与され得る。製造の便宜上、蓋部が識別部を備えるのが好ましい。コードパターンは蓋部の任意の位置に設けられ得る。好ましい実施形態においては、各識別部は蓋部の周縁部に向かって位置する。

上述したように、特定の実施形態においては、本体部はリムを備え、蓋部は好ましくはリムの周りで本体部に取り付けられる。従って、蓋部は周縁のリム部分と中央の蓋部分とから成る。これらの実施形態においては、各識別部は蓋部に組み込まれているのが好ましい。好ましくは、各識別部は、カプセルの梱包中及び輸送中における識別部破損の可能性を最小限に抑えるため、少なくとも部分的に周縁のリム部分上に位置する。より好ましくは、各識別部はその全体が周縁のリム部分上に位置する。しかしながら、特にカプセル内に封入された原料が大気に影響を受けにくい場合は、識別部全体又は識別部の一部を中央の蓋部分に配置することも可能であることに留意すべきである。

蓋部が識別部を備える実施形態では、蓋部は、好ましくは金属箔を備え、より好ましくは蓋部はポリマー／金属箔ラミネートであり、最も好ましくはポリマー／アルミニウム箔ラミネートである。この箔がコードパターン組込み前に平坦である必要はない。実際には、本体部の蓋部シーリングを（例えばシール強度の点で）制御できるようにするためには、箔はエンボス加工されていることが好ましい。

識別部は対称的に配置されていることが好ましい。特に、識別部が回転対称性を有していることが好ましい。例えば、識別部は、好ましくは６０°、７２°、９０°、１２０°、又は１８０°の回転対称性、より好ましくは９０°、１２０°、又は１８０°の回転対称性、最も好ましくは１８０°の回転対称性を有する。

カプセル認識は、電磁誘導及び金属探知の原理に基づくものである。交流電流が流れるコイルであって識別部近傍に配置されたコイルは、導電性材料中に渦電流を引き起こす。渦電流により、コイルのインピーダンスを変化させる逆向きの電磁束が生じる。インピーダンス変化は、渦電流の強度と渦電流が導電性材料中を循環する自由度との関数である。

導電性材料中に組み込まれたコードパターンは、渦電流の強度を制限し弱める切れ目を備え、これによりコイルのインピーダンスに影響を与える。電子検知システム（渦電流センサーともいう）は、信号を得るためにコイルのインピーダンス変化をモニタリングする。さらなる信号特性が、電子的プロセス及び／又はソフトウェアプロセスによって抽出される。加工された信号は、有効コードパターン又は無効コードパターンに対応付けられ得る。例えば、有効コードパターンによって、カプセルが無傷であることを確認でき、又はカプセルの種類（例えば、飲料物の種類、洗浄カプセル）を識別できる一方、無効コードパターンは、パターンが無いこと、カプセルが再利用されていること、又は単にカプセルが存在していないことを示すことができるものである。

各コイルは交流電流（例えば、１０ｍＡ、約２００ｋＨｚであり、クロスカップル干渉（cross coupled interference）を避けるため段階的（phased）／パルス電流であってよい）で励磁される。コイルの直径は重要なものではないが、好ましくは１０ｍｍ以下、より好ましくは８ｍｍ以下である。一実施形態において、コイルは電子ブリッジ回路に配置され、この検知回路は、交流波形発生器（発振器、プロセッサ出力等）、増幅器、濾波器、及びその他の信号調整器を含む。

この検知方法の利点は、コイル及び渦電流センサーがコードパターンに接触する必要がない点である。これは、水及び／又は残留飲料物原料がコイルとコードパターンとの間に存在する場合であっても、認識システムが機能することを意味する。確実に良好な信号識別を行うためには、コイルとコードパターンとは、０ｍｍ〜３ｍｍ、より好ましくは０ｍｍ〜２ｍｍの距離だけ離間していることが好ましい。

幅の広い許容誤差で機能させるためには、コイルあたりのコードパターンが少数であること、及びパターンの分解能が粗いことが好ましい。例えば、各々コイルあたり４種のパターン（Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ）を感知する場合、２つのコイルがあれば１０種の識別コードが得られる。識別コードが１０種あれば、異なる９組のマシンパラメータ（例えば、異なる９種の調合サイクル及び１種の洗浄サイクル）を符号化するには十分である。２つのコイルを備えるシステムによる検知を容易にするためには、コードパターンは、好ましくは対称的であり、より好ましくはコードパターンは１８０°の回転対称性を有する。このような実施形態において、指向部材は、好ましくは、カプセルが飲料物製造機内において可能な２つの向きの何れか一方の向きになることを確実にするものであり、これらの方向付けも１８０°の回転対称性を有する。

コードパターンがカプセル表面に露出している必要はないことに留意すべきである。例えば、コードパターンはラミネーションによりカバーされ得る。このラミネーションは、渦電流を助長しない任意の材料であり得る。コードパターンを（例えばカプセルの梱包中に）保護するために、コードパターンは非導電性材料層によって完全に又は部分的にカバーされることが好ましい。

別の態様では、本発明は飲料物製造機内のカプセルを認識する方法に関する。本方法は、
コイルに交流電流を印加する電流印加ステップであって、コイルが、識別部内に渦電流を発生させるように飲料物製造機中に配置される電流印加ステップと；
コイルのインピーダンス変化を検出する検出ステップと；
コイルのインピーダンス変化を示す信号を発生させる信号発生ステップと；
信号に従ってカプセルを識別する識別ステップと；
を備える。

本方法により、単一の飲料物製造機で異なる調製条件を要するいくつかの異なる飲料物を調製することが可能になる。好ましい実施形態においては、カプセルは、信号をいくつかの基準信号であって１つ１つが特定の種類のカプセルに対応している基準信号と比較することによって識別される。

カプセル識別によって、飲料物製造機の少なくとも１つのパラメータが制御されることが特に好ましい。例えば、この少なくとも１つのパラメータには、調合液（好ましくは水）の温度、圧力、体積、及び／又は流量の１つ以上を調整することが含まれ得る。それに加えて、又はその代わりに、この少なくとも１つのパラメータは大気圧又は調合時間とすることもできる。カプセル識別によって、飲料物製造機内において調合液がどのような経路を辿るかを決定できるものとすることも考えられる。

交流電流がコイルに印加されている間、識別部及びコイルは、好ましくは互いに対して静止している。この配置構成により、カプセルを動かす必要なしにカプセルの識別が可能になる。これにより、カプセル識別に要する時間が短縮され、及び／又は識別の精度が向上する。

衛生上の見地からは、カプセルは使い捨て可能であることが好ましい。カプセルの再利用を防止するためには、カプセルが一度識別されたらコードパターンを破損させることが好ましい。例えば、コードパターンの破損は、識別部に穴を開けることで実現可能である。

一例として、本発明の特定の実施形態が図を用いて例示されている。

本発明の一実施形態によるカプセルの一連の視図である。 本発明の一実施形態によるカプセルの一連の視図である。 本発明の一実施形態によるカプセルの一連の視図である。 好ましい読取りモードにおける図１のカプセルの断面側面図である。 飲料物製造機の基礎的構成要素を示す概略図である。 上方から見た本発明の一実施形態による一連のカプセルを示す図である。各カプセルは１０種の可能な識別コードの１つで符号化されている。 上方から見た本発明の一実施形態による一連のカプセルを示す図である。各カプセルは１０種の可能な識別コードの１つで符号化されている。 上方から見た本発明の一実施形態による一連のカプセルを示す図である。各カプセルは１０種の可能な識別コードの１つで符号化されている。 上方から見た本発明の一実施形態による一連のカプセルを示す図である。各カプセルは１０種の可能な識別コードの１つで符号化されている。 上方から見た本発明の一実施形態による一連のカプセルを示す図である。各カプセルは１０種の可能な識別コードの１つで符号化されている。 上方から見た本発明の一実施形態による一連のカプセルを示す図である。各カプセルは１０種の可能な識別コードの１つで符号化されている。 上方から見た本発明の一実施形態による一連のカプセルを示す図である。各カプセルは１０種の可能な識別コードの１つで符号化されている。 上方から見た本発明の一実施形態による一連のカプセルを示す図である。各カプセルは１０種の可能な識別コードの１つで符号化されている。 上方から見た本発明の一実施形態による一連のカプセルを示す図である。各カプセルは１０種の可能な識別コードの１つで符号化されている。 上方から見た本発明の一実施形態による一連のカプセルを示す図である。各カプセルは１０種の可能な識別コードの１つで符号化されている。 上方から見た本発明の別の実施形態による一連のカプセルを示す図である。 上方から見た本発明の別の実施形態による一連のカプセルを示す図である。 上方から見た本発明の別の実施形態による一連のカプセルを示す図である。 上方から見た本発明の別の実施形態による一連のカプセルを示す図である。 上方から見た本発明の別の実施形態による一連のカプセルを示す図である。 上方から見た本発明の別の実施形態による一連のカプセルを示す図である。 上方から見た本発明の別の実施形態による一連のカプセルを示す図である。 上方から見た本発明の別の実施形態による一連のカプセルを示す図である。 上方から見た本発明の別の実施形態による一連のカプセルを示す図である。 上方から見た本発明の別の実施形態による一連のカプセルを示す図である。 いくつかの識別部であって、各識別部に可能なコードパターンが組み込まれている識別部を示す図である。

図１ａ〜１ｃは、本発明の一実施形態に係る飲料物製造機用カプセル１を３つの異なる方向から見た図である。

図１ａは、本体部２と蓋部３とを備えるカプセル１の断面側面図である。蓋部３はフランジ型リム４の周りで本体部２に取り付けられる。本体部２は原料６が封入される区画５を画定する。原料６は好ましくは飲料物原料であるが、洗浄原料であってもよい。蓋部３はリム４の周りで本体部２に取り付けられるため、カプセル１内に原料６を閉じ込める。カプセル１は、飲料物製造機内のカプセルの向きを定めるための２つの指向部材７ａ、７ｂを備える。本実施形態においては、指向部材７ａ、７ｂは、リム４の下面に一体形成されたファルクラムディテントである。

図１ｂは、上方から見た図１ａのカプセルを表している。本実施形態においては、蓋部３は、カプセル１からの原料６の取り出しを容易にするために、リム４の内側縁部に沿ってミシン目８を備えている。蓋部３は２つの識別部９ａ、９ｂを備え、２つの識別部９ａ、９ｂは、カプセル中心を通る鉛直軸に関して１８０°の回転対称性を有するように配置されている。各識別部９ａ、９ｂは、コードパターンが組み込まれた導電性材料領域である。本実施形態においては、蓋部３は導電性材料（例えば、金属箔、好ましくはポリマー／アルミニウム箔ラミネート形態の金属箔）を備え、コードパターンが蓋部３に形成されている。

図１ｃは、下方から見た図１ａのカプセルを表している。本体部２は円形基部１０及びフリンジ型リム４を有する。上述したように、本実施形態においては、指向部材７ａ、７ｂがリムの下面に一体形成されている。本実施形態において、指向部材７ａ、７ｂは対称的に配置されているが、必ずしもこのような配置である必要はなく、カプセルが単一の指向部材のみ又は対称的若しくは非対称的に配置された複数の指向部材を備える別の実施形態も考えられる。

図２は、飲料物製造機中の好ましい読取りモードにおける図１のカプセルの断面側面図を示す。本実施形態においては、カプセル１は２つの指向部材７ａ、７ｂを備え、これら２つの指向部材７ａ、７ｂは、カプセルが２つの何れかの向きでのみ飲料物製造機に挿入可能であるように配置される。飲料物製造機は２つのコイル１１ａ、１１ｂを備える。コイルに交流電流を印加すると、渦電流が導電性材料中に発生する。各コイル１１ａ、１１ｂは、これらの渦電流が識別部の一方で発生するように位置している。これにより、コイルのインピーダンス変化がもたらされる。各コイルは、このインピーダンス変化を示す信号を生じさせ、この信号に従ってカプセルの識別が可能になる。

図３は、飲料物製造機の基礎的な構成を表している。本発明のカプセル１、２１は、このような機械で使用可能である。

飲料物製造機はカプセルホルダー２０を備え、カプセルホルダー２０はカプセル２１を受けることができる。カプセルは１つ以上の指向部材（図示せず）を備え、カプセルホルダーは、飲料物製造機内において（例えばカプセルの回転運動を防止することによって）カプセルの位置を固定するように、指向部材と相互作用する。また、カプセルは１つ以上の識別部（図示せず）を備える。２つのコイル３１ａ、３１ｂが識別部近傍（好ましくは０ｍｍ〜２ｍｍのところ）に位置している。この配置構成により、上述のようにカプセル認識が容易になる。

飲料物製造機は、好ましくは調合チャンバー２２を備える。貯水槽２３からの水が、ウォータフィルター２４、ウォータポンプ２５、ヒーター２６、及びバルブ２７を経由して調合チャンバー２２に送り込まれる。バルブ２７は、ヒーター２６と調合チャンバー２２との間で水が進む経路を制御する。飲料物を製造するために、貯水槽２３からの水は、好ましくはカプセル２１を経由して調合チャンバー２２に入る。エアポンプ２８は、空気を水と共に吸い出すため、カプセルの内容物と水との混合を容易にする。次いで、飲料物は、注ぎ口３０を経由して容器２９（例えばカップやマグ）に分配され得る。調合チャンバー２２をすすぎ、及び／又は洗浄するために、バルブ２７は、水がリンスヘッド３２を経由して調合チャンバー２２に入るように、水の方向を変えることができる。

図４ａ〜４ｊは、上方から見た本発明の一実施形態による一連のカプセルを示す。各カプセル１は蓋部３を有し、蓋部３は１８０°の回転対称性を有するように配置された２つの識別部９ａ、９ｂを備え、各識別部９ａ、９ｂは、可能な４つのコードパターンＡ、Ｂ、Ｃ、又はＤの１つが組み込まれた導電性材料領域である。カプセルは指向部材７ａ、７ｂを備え、指向部材７ａ、７ｂは、カプセルが２つの向きでのみ飲料物製造機に挿入可能であるように配置される。また、カプセルは、２つのコイルを備える飲料物製造機によって読み取られるように設計されている。よって、コードパターン＃１（コイル＃１によって感知される）はＡ、Ｂ、Ｃ、又はＤとすることができ、コードパターン＃２（コイル＃２で感知される）は独立してＡ、Ｂ、Ｃ、又はＤとすることができる。従って、図４ａ〜４ｊ及び表１に要約されているように、本実施形態は異なる１０種の識別コードを符号化するのに十分なものである。各識別コードは、異なる組のマシンパラメータと対応付けられ得る。

図５ａ〜５ｊは、本発明の別の実施形態による一連のカプセルを示す。これについても、識別コードは１８０°の回転対称性を有している。カプセルは、各カプセル１が４つの識別部９ａ、９ｂ、９ｃ、９ｄを備える点で、図４ａ〜４ｊに示されたものと異なっている。各識別部９ａ、９ｂ、９ｃ、９ｄは、可能な４つのコードパターンＡ、Ｂ、Ｃ、又はＤの１つが組み込まれた導電性材料領域である。識別部は１８０°の回転対称性を有し、識別部９ａは識別部９ｃと同じコードパターンを有している。同様に、識別部９ｂは識別部９ｄと同じコードパターンを有している。しかしながら、識別部（９ａ、９ｂ、９ｃ、９ｄ）の各ペアは、他のペアとは独立にコードが付されている。従って、本実施形態は、表１と同様に異なる１０種の識別コードを符号化するには十分なものである。識別コードの各々は、異なる組のマシンパラメータと対応付けられ得る。

図６は、いくつかの識別部３９であって、各識別部に可能なコードパターンが組み込まれている識別部を示す。コードパターンの各々は、導電性材料４０中に形成された所定配置の１つ以上の切れ目から成る。この切れ目は、好ましくは、ミシン目４１、スリット４２、孔４３、陥凹部（図示せず）、又はこれらの組み合わせである。

便宜上、コードパターンは５組（組１、組２、組３、組４、組５）示されており、各組は４つのコードパターン（パターンＡ、パターンＢ、パターンＣ、パターンＤ）から成る。しかしながら、図６は何らこれらの組が限定されることを示すものではない。例えば、コードパターンの組は、組１からパターンＡ、Ｂ、Ｃ、及びＤのすべてを選択することによっても、組２からパターンＡを、組３からパターンＢを、組４からパターンＣを、組５からパターンＤを選択することによっても作られ得る。実際には、パターンＡ、パターンＢ、パターンＣ、及びパターンＤの各々が、特有の識別可能なコイルのインピーダンス変化と対応付けられさえすれば、任意の組み合わせが可能である。

１、２１ カプセル
２ 本体部
３ 蓋部
４ リム
５ 区画
６ 原料
７ａ、７ｂ 指向部材
８、４１ ミシン目
９ａ、９ｂ、９ｃ、９ｄ 識別部
１０ 円形基部
１１ａ、１１ｂ コイル
２０ カプセルホルダー
２２ 調合チャンバー
２３ 貯水槽
２４ ウォータフィルター
２５ ウォータポンプ
２６ ヒーター
２７ バルブ
２８ エアポンプ
２９ 容器
３０ 注ぎ口
３１ａ、３１ｂ コイル
３２ リンスヘッド
３９ 識別部
４０ 導電性材料
４２ スリット
４３ 孔

Claims (15)

1. 飲料物製造機用のカプセル（１、２１）であって、
   前記カプセル内に封入された原料（６）と、
   識別部（９ａ、９ｂ、９ｃ、９ｄ、３９）と、
   を備え、
   前記識別部（９ａ、９ｂ、９ｃ、９ｄ、３９）は、コードパターンが組み込まれた導電性材料領域であり、
   前記コードパターンは、前記導電性材料（４０）中に形成された所定配置の１つ以上の切れ目（４１、４２、４３）から成り、
   前記カプセルは、前記飲料物製造機内における前記カプセルの向きを定めるための指向部材（７ａ、７ｂ）を備えることを特徴とするカプセル（１、２１）。
2. 前記カプセルが本体部（２）を備え、
   前記指向部材（７ａ、７ｂ）が前記本体部（２）の一部として一体形成されることを特徴とする、請求項１に記載のカプセル。
3. 前記導電性材料（４０）が金属箔であり、好ましくは前記金属箔が１０μｍから１００μｍの厚さを有することを特徴とする、請求項１又は２に記載のカプセル。
4. 互いに独立してコードが付された複数の識別部（９ａ、９ｂ、９ｃ、９ｄ）を備えることを特徴とする、請求項１から３の何れか一項に記載のカプセル。
5. 前記複数の識別部（９ａ、９ｂ、９ｃ、９ｄ、３９）が回転対称性を有するように配置され、好ましくは１８０°の回転対称性を有するように配置されることを特徴とする、請求項４に記載のカプセル。
6. 前記カプセルが蓋部（３）を備え、前記蓋部（３）が前記識別部（９ａ、９ｂ、９ｃ、９ｄ、３９）を含むことを特徴とする、請求項１から５の何れか一項に記載のカプセル。
7. 前記指向部材（７ａ、７ｂ）が、前記カプセルが前記飲料物製造機内においてｎ個の所定の向き（ｎは１、２、３、４、５、又は６）の任意の１つの向きになるように、前記カプセルの向きを定めることを特徴とする、請求項１から６の何れか一項に記載のカプセル。
8. 前記カプセルに飲料物原料、好ましくは不溶性の飲料物原料が封入されることを特徴とする、請求項１から７の何れか一項に記載のカプセル。
9. 前記カプセルに洗浄物質が封入されることを特徴とする、請求項１から７のいずれか一項に記載のカプセル。
10. 前記コードパターンが、非導電性材料層によって完全に又は部分的にカバーされていることを特徴とする、請求項１から９の何れか一項に記載のカプセル。
11. 飲料物製造機中のカプセルを認識する方法であって、
    カプセル（１、２１）を提供するカプセル提供ステップであって、前記カプセル（１、２１）は、
    ・前記カプセル内に封入された原料（６）；
    ・コードパターンが組み込まれた導電性材料領域である識別部（９ａ、９ｂ、９ｃ、９ｄ、３９）であって、前記コードパターンが、前記導電性材料（４０）中に形成された所定配置の１つ以上の切れ目（４１、４２、４３）から成る識別部（９ａ、９ｂ、９ｃ、９ｄ、３９）；及び
    ・前記飲料物製造機内における前記カプセルの向きを定めるための指向部材（７ａ、７ｂ）；
    を備えるカプセル提供ステップと；
    コイル（３１ａ、３１ｂ）に交流電流を印加する電流印加ステップであって、前記コイル（３１ａ、３１ｂ）は、前記識別部（９ａ、９ｂ、９ｃ、９ｄ、３９）内に渦電流を発生させるように、飲料物製造機中に配置される電流印加ステップと；
    コイルのインピーダンス変化を検出する検出ステップと；
    前記コイルのインピーダンス変化を示す信号を発生させる信号発生ステップと；
    前記信号に従って前記カプセル（１、２１）を識別する識別ステップと；
    を備える方法。
12. 前記カプセルは、前記信号をいくつかの基準信号と比較することにより識別され、前記基準信号の各々は特定の種類のカプセルに対応していることを特徴とする、請求項１１に記載の方法。
13. 前記カプセルの識別によって、前記飲料物製造機の少なくとも１つのパラメータが制御されることを特徴とする、請求項１１又は１２に記載の方法。
14. 前記交流電流が前記コイルに印加されている間、前記識別部及び前記コイルは互いに対して静止していることを特徴とする、請求項１１から１３の何れか一項に記載の方法。
15. 前記識別ステップの後、前記コードパターンを破損させる破損ステップを備える、請求項１１から１４の何れか一項に記載の方法。

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