JP2015522482A5 - - Google Patents

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乗員拘束システムのエアバッグ装置を有する車両
本発明は請求項1の前提部分に従った、乗員拘束システムのエアバッグ装置を有する車両に関する。
従来技術から、特に前面衝突時に乗員を保護するガスバッグ又はエアバッグが知られている。例えば、英国特許第953312A号明細書は、展開状態において、乗員と乗員の前に配置された座席の背もたれとの間の完備した空間を埋めるエアバッグを有するエアバッグモジュールを開示している。従って、エアバッグは適切な大きさを有するガス発生器を介して埋めることができるだけの大きな体積を有する。ガス発生器及びエアバッグを車両に収容するために、それに応じた寸法の収納空間が必要であり、これが車両内のエアバッグモジュールの収容を複雑にする。
本発明の基本的な課題は、前面衝突時に最良の保護を与え、それでもなお、車両に収納するための最小限の収納空間を必要とするエアバッグを有するエアバッグ装置を備えた車両を提供することである。
この課題は、請求項1に従った特徴を有するエアバッグ装置を備えた車両を提供することで解決される。発明の発展部分は従属請求項に記載される。
従って、乗員拘束システムのエアバッグ装置を有する車両を作り出す。エアバッグ装置は、第1部分及び第2部分を有する少なくとも1つの膨張可能なチャンバを含むエアバッグと;第1部分及び第2部分が互いに角度をもって(斜め又は垂直に)延出するように、第1部分及び第2部分を互いに接続させる少なくとも1つの接続要素とを含む。第1部分及び第2部分は、エアバッグの装着及び膨張状態に基づき、車体高方向及び車体長方向によって画定された平面に対して少なくともほぼ平行に延出する。接続要素は保護される乗員から離れて対面するエアバッグの側部において延出し、かつ、車両の前方に向く。エアバッグ装置は、乗員又は車両の後方座席に位置する乗員の上半身及び/又は頭部の保護のために配置及び形成される。
エアバッグは、前面衝突時に保護を提供する従来型のエアバッグと比較すると少量の体積を有するが、互いに角度をもって延出するエアバッグの2つの部分によって、前面衝突時にも良好な抑制効果が達成される。エアバッグ装置は、乗員又は車両の後方座席に位置する乗員の保護に役立つ。エアバッグの膨張可能なチャンバは、例えば車両内部構造物の一部(例えば、インストルメントパネル又は前方座席の背もたれなど)において支えられるが、膨張状態では、車両内部構造物と保護される乗員との間の体積を完全に埋めることはない。
例えば、特に、膨張したエアバッグが支えられる車両内部構造物に対面する第1部分の端部と第2部分の端部との間の距離が、乗員に対面するエアバッグ側における第1部分と第2部分との間の距離よりも大きいように、膨張したエアバッグにおいて、膨張可能なチャンバの第1部分及び第2部分は、車両の前方走行方向に対して互いに向かって延出する。
例えば、車体高方向に沿って延出するストラップの形状で形成される接続要素、あるいは他の膨張不可能な要素は、空間を埋めている間に膨張可能なチャンバが伸長するのを防ぎ、かつ、特に、曲がった状態又は屈曲状態において膨張可能なチャンバを保持する。接続要素は引き離され、第1部分及び第2部分の端部によって伸長される。これにより、膨張したエアバッグは、湾曲又は屈曲した接続部を取得し、この接続部を介して、膨張可能なチャンバの第1部分及び第2部分は互いに接続される。湾曲又は屈曲した接続部は、特にエアバッグの膨張状態で保護される乗員と対面する。つまり、接続部はエアバッグの外側の湾曲又は屈曲した部分的な領域を形成し、この領域は乗員と対面する。これにより、前面衝突時に、乗員は、特にまず接続部に衝突する。例えば、これにより、膨張可能なチャンバは、車体幅方向に沿って見られるように、U字形状又はV字形状を得る。
加えて、接続部は乗員から離れた追加的な膨張可能な領域(例えば、バルジの形状)を含むことができる。この領域は、接続要素を形成し、かつ、例えばエアバッグを安定させるためにも役立つ。追加的な膨張可能な領域は特に、乗員から離れた(例えば、湾曲した)外側を有する。また、チャンバの第1部分及び第2部分の角度付き経路を作り出すために、追加的な膨張可能な領域が唯一の接続要素として提供されることも考えられる。
接続要素は特に、車体高方向に沿って延出する。また、エアバッグは、各々が膨張可能なチャンバの第1部分及び第2部分と互いに接続するいくつかの接続要素を含むことも考えられる。例えば、車体長方向に沿って見られるように、接続要素は前後に配置される。
また、本発明に従った車両のエアバッグは、例えば少なくとも互いにほぼ平行に延出する複数の膨張可能なチャンバを備えることも考えられる。複数の膨張可能なチャンバはそれぞれ、第1部分及び第2部分を含み、第1部分及び第2部分の各々は、第1部分及び第2部分が互いに角度をもって延出するよう、1つの接続要素又はいくつかの接続要素を介して互いに接続される。例えば、少なくとも1つの接続要素が各膨張可能なチャンバと関連する。しかし、接続要素はいくつかの膨張可能なチャンバにわたって、あるいはいくつかの膨張可能なチャンバの間に延出することも可能であり、これによって、いくつかの膨張可能なチャンバの第1部分及び第2部分を互いに接続させる。
例えば、エアバッグは2つの(例えば、長方形の)エアバッグ層から形成され、いくつかの膨張可能なチャンバは、例えば、2つのエアバッグ層を互いに接続させる、対応する継目(seams)(ダーツ(darts))によって、互いに区切られる。継目の少なくとも一部と、膨張可能なチャンバの少なくとも一部は、互いに平行に延出することができる。しかし、継目の少なくとも一部は、他の継目に対して斜めに配向されることも可能である。
膨張状態において、エアバッグは少なくとも1つの前方の座席の背もたれの後方に延出することができ、つまり、エアバッグ装置は車両の後方座席に位置する乗員の保護に役立つ。特に、膨張したエアバッグの少なくとも一部は、前方の座席の背もたれと乗員の上半身及び/又は頭部との間に位置する。
しかし、エアバッグ装置は、乗員の保護と後方座席に位置する乗員の保護の両方のために形成され得る。双方の場合、エアバッグ装置は車両のルーフの中又は上に配置され得る。エアバッグ装置が車両の後方座席に座る乗員を保護する機能を果たす場合、背もたれ(特に、背もたれの中間部分)に収容することもできる。
また、エアバッグの膨張状態において、膨張可能なチャンバの第1部分の端部は、車両のルーフの中又は上に配置され、例えばルーフの中又はルーフ上に固定されるか、あるいはルーフの中又は上に位置するエアバッグ装置のモジュールハウジングの一部に固定されることが考えられる。モジュールハウジングには非膨張エアバッグが配置される。
加えて、エアバッグは、膨張状態において、エアバッグが車両内部構造物(例えば、インストルメントパネル又は前方の座席の背もたれ)において支えられるように、配置され得る。例えば、膨張したエアバッグは、接続要素を介して車両内部構造物において支えられる。特に、膨張状態において、エアバッグは、膨張可能なチャンバの第1部分の端部と共に車両のルーフの中又は上に位置する構造物において支えられ、かつ、膨張可能なチャンバの第2部分の端部と共に他の車両内部構造物(例えば、上述のインストルメントパネル又は前方の座席の背もたれ)において支えられ得る。
本発明は、図面を参照して、例示的な実施形態を用いて以下に詳細に説明される。
本発明の第1の例示的な実施形態に従った車両のエアバッグ装置の斜視図である。 他の見方における図1のエアバッグ装置のエアバッグを示す図である。 本発明の第2の例示的な実施形態に従った車両のエアバッグ装置を示す図である。 本発明の第3の例示的な実施形態に従った車両のエアバッグ装置を示す図である。 本発明の第4の例示的な実施形態に従った車両のエアバッグ装置を示す図である。
図1は、膨張状態におけるエアバッグ1を有する本発明に従った車両のエアバッグ装置を示す。これは、後方座席31に位置する乗員2の保護に役立つ。そのため、エアバッグ1は車両の座席3の背もたれと保護される乗員2との間に延出する。起動(膨張)前、エアバッグ1はモジュールハウジング4に位置し、モジュールハウジング4には、エアバッグ1を膨張させるためのガス発生器41も収容される。モジュールハウジング4は、車両のルーフ10の上又は中に配置され、そして膨張する前に、車両内部に向かうエアバッグ1で少なくとも部分的に覆われる。
エアバッグ1は複数の膨張可能なチャンバ11を含む。複数の膨張可能なチャンバ11の各々は、膨張可能な第1(上方)部分111及び膨張可能な第2(下方)部分112を含む。車体幅方向における外側の膨張可能なチャンバ11の第1部分111及び第2部分112は、外側テンションストラップ51及び内側テンションストラップ52の形状の2つの接続要素(スペーサー要素)を介して互いに接続される。外側テンションストラップ51及び内側テンションストラップ52は、第1部分111及び第2部分112が所定の範囲を超えて互いに離れて移動することを防ぎ、これによって、膨張可能なチャンバ11は、ほぼその中央部の高さにおいて屈曲(湾曲)される。そして、エアバッグの図示された膨張状態において、第1部分111及び第2部分112は互いに角度をもって延出する。つまり、第1部分111及び第2部分112はそれぞれ、角度(例えば、鋭角又は鈍角)を含む。
これに対応して、第1部分111及び第2部分112は、湾曲した接続部(湾曲部113)を介して、エアバッグ1のほぼ中央部で互いに接続される(車体高方向zに基づく)。前後に配置された(車体幅方向y)膨張可能なチャンバ11の湾曲部113は、一緒にエアバッグ1の中間領域(車体高方向zに基づく)及び乗員2に対面するエアバッグ1の湾曲した外側を形成する。
第1部分111及び第2部分112も、それぞれ車体長方向xに対して角度をもって延出する。つまり、乗員2から離れて対面するそれらの端部1111及び1121の領域において、第1部分111及び第2部分112は互いに最大の距離を有し、前方走行方向に対して互いに向かって延出する。上方部分111の端部1111を介して、エアバッグ1はモジュールハウジング4に固定され、端部1111を介して埋められる。また、図1に示すように、ガス発生器41は少なくとも部分的に上方部分111の(接続された)端部1111に配置されることも考えられる。
加えて、実質的に一直線状及びチューブ状に延出する膨張可能なチャンバ11の第1部分111及び第2部分112がそれぞれ、少なくとも車体高方向z及び車体長方向xによって画定された面に少なくともほぼ延出するか、あるいは車体高方向z及び車体長方向xによって画定された面と少なくともほぼ平行に延出するように、エアバッグ1は配向される。外側テンションストラップ51は、車体高方向zに沿って、座席3の背もたれとエアバッグ1との間の乗員2から離れて対面するエアバッグ1の側部に延出する。これにより、湾曲部113は乗員2に対面し、前面衝突時、乗員2は、湾曲部113の領域においてエアバッグ1にまず衝突する。更に、外側テンションストラップ51及び内側テンションストラップ52は、車体高方向z及び車体幅方向yを通って配向された面と平行して延出するようにそれぞれ並べられる。
車体長方向xに沿って見られるように、1つの膨張可能なチャンバ11又は2つの隣接する膨張可能なチャンバ11と関連した外側テンションストラップ51及び内側テンションストラップ52は、それぞれ前後に配置される。外側テンションストラップ51、つまり前方の座席3のより近くに位置するテンションストラップはそれぞれ、各膨張可能なチャンバ11の第1部分111の端部1111及び第2部分112の端部1121と接続される。更なる内側テンションストラップ52は、更に内側に、つまり第1部分111の端部1111及び第2部分112の端部1121から距離を隔てて配置され、かつ、外側テンションストラップ51より短い。これにより、図1(車体幅軸yに沿った側面図)に見られるエアバッグ1の三角形を得ることができる(図1に図示した理想形)。
エアバッグ1を有するエアバッグ装置は、膨張したエアバッグ1が車両の座席3の背もたれにおいて支えられるように、車両内に置かれる。エアバッグ1への乗員2の衝突時、背もたれは意図された保護位置においてエアバッグをできる限り保持するアバットメント(abutment)を形成することができる。特に、エアバッグ1は下方部分112(あるいは、下方部分112の端部1121)及び外側テンションストラップ51を介して、背もたれにおいて支えられ得る。湾曲部113と外側テンションストラップ51との間の車体長方向xにおける距離は、前面衝突時、乗員2と支持体として機能する車両内部の構成要素(本例においては、前方の座席3の背もたれ)との間のエアバッグ1によって埋められ得る距離にほぼ対応する。
車体長方向xに沿った膨らんだエアバッグの展開に依存して、つまり、第1部分111の端部1111及び第2部分112の端部1121と外側テンションストラップ51に対する湾曲部113の距離に依存して、前方走行方向において乗員2の前方移動が開始された直後、あるいは前方移動の開始前に、乗員2とエアバッグ1の接触が行われる。
最後に言及した場合において、車体長方向におけるエアバッグの展開は、保護される乗員と前方の座席3の背もたれとの間を埋める距離よりも大きい。これにより、乗員が前方移動する前に既に、座席3の背もたれと膨張可能なチャンバ11の下方部分112の端部1121及び外側テンションストラップ51との間で接触を行うこともできる。
第1部分111及び第2部分112を互いに離すことが、エアバッグ1への乗員2の侵入の増加と共に、より強力に張力を加えられた外側テンションストラップ51及び内側テンションストラップ52によって抑制される。乗員2がエアバッグ1に侵入する更なる過程において、湾曲部113、エアバッグ1の隣接部及び内側テンションストラップ52は、乗員2によって更に車両の座席3の背もたれの方向に移動される。わずかな侵入の深さから、内側テンションストラップ52と外側テンションストラップ51との間に接触が行われる。上述のように、外側テンションストラップ51は同様に、前方の座席3の背もたれにおいて支えられ得る。
図1に示したエアバッグ1は、互いに平行に延出する4つの膨張可能なチャンバ11を含み、各々は継目によって互い区切られる。もちろん、エアバッグ1がおおよそ4つの膨張可能なチャンバを備えることも考えられる。また、エアバッグ1は本発明の範囲内にあり、多少のテンションストラップを使用する。テンションストラップとは、例えば、車体長方向xにおいて膨張可能なチャンバに関連する唯一のテンションストラップであり、例えば膨張可能なチャンバ11の第1部分111の端部1111及び第2部分112の端部1121とそれぞれ接続する外側テンションストラップ51がある。
それ故、内側テンションストラップ52は、エアバッグ1を更に安定させるための単に任意のものであり、従って、前面衝突時に乗員2の可能な限り最良な拘束を確実にする。これは、車体長方向xにおいて見られるように、特に湾曲部113、つまり保護される乗員に対面するエアバッグ1の側部と外側テンションストラップ51との間の距離が大きいときに必要になる。
図1に図示されたエアバッグを乗員保護のために取り付けることも可能である。例えば、従来型の乗員エアバッグモジュールの代わりのエアバッグ装置は、インストルメントパネルに、あるいは同様に車両のルーフの中に収容される。特に、図1に示されたエアバッグのようないくつかのエアバッグは、例えば乗員及び後方座席に位置する人物の保護のために、当然ながら車両内にも提供され得る。
図2は、展開状態と同様に、他の斜視図における図1のエアバッグを示す。例えば、ガス発生器のための吹き込み領域、あるいは継目の形状(seam contour)などの詳細説明は、明確化のため省略する。上述のように、エアバッグ1は互いに平行に並べられたいくつかのチューブ状の膨張可能なチャンバ11から構成される。膨張可能なチャンバ11は、車体幅方向yにおいて前後に配置される。膨張可能なチャンバ11は、例えば上方部分111の端部1111及び/又は下方部分112の端部1121を介して互いに流体接続される。
例えば、エアバッグ1は、周継目(circumferential seam)を介してエッジ領域において互いに接続される2つのエアバッグ層(織物部分)によって製造され得る。特に、膨張可能なチャンバ11は、同様に2つのエアバッグを互いに接続し、かつ、エアバッグを膨張可能なチャンバ11に分ける、複数の連続した継目によって区切られる。
エアバッグ1の伸長した長さ、つまり外側テンションストラップ51及び内側テンションストラップ52を配置する前に、平坦に広がった状態における膨張可能なチャンバ11が展開する主な方向に沿ったエアバッグ1の展開は、後で膨張可能なチャンバ11の第1部分111及び第2部分112に固定される外側テンションストラップ51及び内側テンションストラップ52の長さよりも長い。外側テンションストラップ51及び内側テンションストラップ52をエアバッグに固定した後、展開(充満)した状態におけるエアバッグ1の湾曲した形状がこのようにして得られる。
また、エアバッグ1が3つ以上のエアバッグ層から製造されることも考えられる。これにより、例えば外側テンションストラップ51及び内側テンションストラップ52を装着する前に既に、エアバッグが湾曲した形状を有することが実現され得る。特にこの製造方法は、以下で説明される図5に対応するエアバッグの構成で可能になる。
エアバッグ(互いに平行に延出するいくつかのチャンバを有するエアバッグ)の記載した(マットレスのような)構成と、上述の製造方法は、実施例として理解されるにすぎないということが明確に留意される。より一般的に、膨張可能なチャンバ11の隣接した第1部分111又は第2部分112によって形成された平面に対して、垂直な展開状態におけるエアバッグ1の膨張可能なチャンバ11は、厚さDを有する。厚さDは、この平面に沿ったエアバッグ1の展開と比較すると小さく(例えば、最大250mm)、これにより、隣接する膨張可能なチャンバ11の結合体は、比較的平坦な形状で延出する。保護される乗員2と支える車両内部構造物(図1における、車両の座席3の背もたれ)との間の、エアバッグ1によって埋められた空間は、ガス発生器によって埋められた体積よりも小さい。使用された材料の量も、前方の座席の背もたれにおいて支えられる従来型エアバッグの材料の量よりも少ない。
例えば、エアバッグ1の満たすことができる体積の記載された比較的平坦な構成は、スペーサー又は断続的な継目によって実現することができる。スペーサー又は断続的な継目は、例えばエアバッグをチャンバに分割することなく、膨張可能なチャンバ11を区切るエアバッグ層の間に配置される。従って、図1及び図2に図示された、いくつかのチャンバの代わりに、エアバッグは上方部分111及び下方部分112を含む1つの膨張可能なチャンバのみを有すると考えられる。車体幅方向yにおいて、例えば、1つのチャンバが図1及び図2のエアバッグの幅と対応する幅を有する。
図3は、2つの外側テンションストラップ51が単一のボードテンションストラップ51’によって置き換えられたことに従った、図1及び図2のエアバッグの変更形態を示す。これは、座席3の背もたれに沿ってテンションストラップが外れる危険性を弱めることができ、かつ、高荷重下においてもエアバッグの支持を提供することができる。
図4に従って、2つの外側テンションストラップ51は、外側テンションストラップ51に対して横方向に延出するウェブ511によって互いに接続される。また、いくつかのウェブも提供され得る。図3に従ったより広い外側テンションストラップの使用に類似し、ウェブは、座席3の背もたれに沿ってテンションストラップが外れる危険性を弱める機能を果たす。
図3及び図4と関連して記載されたような、前方の座席3の背もたれに対面する外側テンションストラップ51の構成も、内側テンションストラップ52に適用可能であるということを留意されたい。
図5は、本発明に従った車両のエアバッグの更なる実施形態を示す。エアバッグ1は前述の例示的な実施形態とは対照的に、内側テンションストラップを有さない。その機能は、膨張可能なチャンバ11の追加的な膨張可能な領域によって採用される。この追加的な膨張可能な領域は、車体幅軸(y方向)の方向に延出し、かつ、湾曲部113のバルジ114によって形成される。走行方向において見られるように、バルジ114は、各湾曲部113と外側テンションストラップ51との間に位置し、従って乗員2から離れる。バルジ114はそれぞれ、乗員2から離れて対面する湾曲した外側を有する。バルジ114の代わりに、追加的な別のチャンバがそれぞれ提供され、これらは当然ながら互いに流体接続され得る。また、単一の追加的な膨張可能な領域が提供され、これが膨張可能なチャンバ11と接続するということも考えられる。また、テンションストラップは完全に省略され、第1部分111及び第2部分112の角度付き経路だけが追加的な膨張可能な領域(例えば、バルジ114の形状)によって生成されるということも考えられる。
上記の例示的な実施形態の要素が、当然ながら互いに組み合わせて用いることもできるということを留意されたい。例えば、図5のバルジである、追加的な膨張可能な領域114も図1及び図2のエアバッグにおいて実現され得る。
乗員拘束システムのエアバッグ装置を有する車両は、エアバッグ1の複数の膨張可能なチャンバ11を特徴とし、複数の膨張可能なチャンバ11の各々は、第1部分111及び第2部分112が互いに角度をなして延出すように、1つの接続要素又はいくつかの接続要素51、51’、52を介して互いに接続される第1部分111及び第2部分112を含む。
エアバッグ装置の接続要素51、51’、52は、エアバッグ装置の装着状態において、車体高方向zにおいて延出するストラップの形状で形成される。
互いに間隔を隔てた2つの接続要素51、52が膨張可能なチャンバ11のうちの少なくとも1つと関連し、2つの接続要素51、52は、車体長方向xにおいて見られるように、前後に配置される。
1 エアバッグ
2 乗員
3 座席
4 モジュールハウジング
10 ルーフ
11 膨張可能なチャンバ
31 後方座席
41 ガス発生器
51、51’ 外側テンションストラップ
52 内側テンションストラップ
111 第1部分
112 第2部分
113 湾曲部
114 バルジ
511 ウェブ
1111 第1部分の端部
1121 第2部分の端部

Claims (12)

  1. 乗員拘束システムのエアバッグ装置を有する車両であって、前記エアバッグ装置は、
    第1部分及び第2部分を有する少なくとも1つの膨張可能なチャンバを含むエアバッグと、
    前記第1部分及び前記第2部分が互いに角度をもって延出するように、前記第1部分及び前記第2部分を互いに接続する少なくとも1つの接続要素と、
    を含み、
    前記第1部分及び前記第2部分は、前記エアバッグの装着状態及び膨張状態に基づき、車体高方向及び車体長方向によって画定された平面に対して少なくともほぼ平行に延出し、
    前記接続要素は保護される乗員から離れて対面する前記エアバッグの側部において延出し、かつ、前記車両の前方に向き、
    前記エアバッグ装置は乗員又は前記車両の後方座席に位置する乗員の上半身及び/又は頭部の保護のために配置及び形成され、
    前記エアバッグは、前記車体長方向に沿って前後に配置されたいくつかの接続要素を含み、各々は前記膨張可能なチャンバの前記第1部分及び前記第2部分を互いに接続する、
    車両。
  2. 前記エアバッグの前記第1部分及び前記第2部分は、膨張した前記エアバッグにおいて、前記車両の前方走行方向に対して互いに向かって延出する、請求項1に記載の車両。
  3. 前記エアバッグの前記膨張可能なチャンバは、長方形状に形成される、請求項1又は2に記載の車両。
  4. 前記第1部分及び前記第2部分は、湾曲又は屈曲した接続部を介して互いに接続される、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両。
  5. 前記接続部は、前記エアバッグの湾曲又は屈曲した外側を形成し、前記外側は、前記エアバッグの前記装着状態及び前記膨張状態において、保護される前記乗員と対面する、請求項4に記載の車両。
  6. 前記接続部は、前記乗員から離れる追加的な膨張可能な領域を含み、前記追加的な膨張可能な領域は前記接続要素を形成する、請求項4又は5に記載の車両。
  7. 前記エアバッグの前記膨張可能なチャンバは、車体幅方向において見られるように、U字形状又はV字形状の構成を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の車両。
  8. 前記膨張状態において、前記エアバッグは前記車両の少なくとも1つの前方の座席の背もたれの後方に延出する、請求項1からのいずれか一項に記載の車両。
  9. 前記エアバッグ装置の前記エアバッグは、前記膨張状態において、前記エアバッグが車両内部構造物において支えられるように配置される、請求項1からのいずれか一項に記載の車両。
  10. 前記エアバッグは、前記車両のルーフの中又は上、あるいは車両座席の前記背もたれの中に配置される、請求項1からのいずれか一項に記載の車両。
  11. 前記エアバッグの前記膨張状態において、前記膨張可能なチャンバの前記第1部分の端部が、前記車両の前記ルーフの中又は上に配置される、請求項1から10のいずれか一項に記載の車両。
  12. 前記膨張状態において、前記エアバッグは、前記膨張可能なチャンバの前記第1部分の前記端部と共に、前記車両の前記ルーフの中又は上に位置する構造物において支えられ、かつ、前記膨張可能なチャンバの前記第2部分の端部と共に他の車両内部構造物において支えられる、請求項11に記載の車両。
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