JP2015231838A - 荷物運搬用台車 - Google Patents

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Abstract

【課題】荷物運搬用台車のキャスタと荷物運搬用台車が連結される車両の車輪との内輪差が大きくなることを防止できる荷物運搬用台車を提供する。
【解決手段】荷物運搬用台車14dは、ロック機構380およびスタンド部材382を含む。スタンド部材382は、補助輪428,430が地面に接触する接地状態および地面に接触しない非接地状態に設定できる。ロック機構380は、スタンド部材382をロックすることによって、スタンド部材382の接地状態および非接地状態を維持する。スタンド部材382が非接地状態に設定されることによって、ロック機構380のブラケット部482,485とスタンド部材382の鉤状部422c,424cとによって自転車本体12aのカラー370b,372bが挟まれる。これにより、台車14dは、自転車本体12aに対して上下方向に揺動可能になりかつ左右方向に揺動できないように自転車本体12aに連結される。
【選択図】図43

Description

この発明は荷物運搬用台車に関し、より特定的には、キャスタを備えた荷物運搬用台車に関する。
従来、車両により多くの荷物を積むために、車両に連結できる台車が提案されている。たとえば、特許文献1に開示されているトレーラーは、ジョイントピンを介して牽引車に連結して用いられる。
特開平10−297558号
ところで、特許文献1のトレーラーは、ジョイントピンを揺動軸として左右方向に揺動できるように牽引車に連結される。このため、特許文献1のトレーラーを牽引する牽引車が走行中に進行方向を変えたときには、牽引車とトレーラーとがジョイントピンを中心として略くの字状(平面視)に折れ曲がる。これにより、牽引車の前輪とトレーラーの後輪との内輪差が大きくなる。
それゆえに、この発明の主たる目的は、荷物運搬用台車のキャスタと荷物運搬用台車が連結される車両の車輪との内輪差が大きくなることを防止できる荷物運搬用台車を提供することである。
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の荷物運搬用台車は、車両に連結される荷物運搬用台車であって、荷物を積載するための積載部と、積載部を支持するとともに上下方向に延びる回動軸周りに回動可能に設けられるキャスタと、当該荷物運搬用台車が車両に対して上下方向に揺動可能になりかつ車両に対して左右方向に揺動できないように荷物運搬用台車を車両に連結する連結部と、当該荷物運搬用台車の前後方向においてキャスタからみて連結部側に位置しかつ地面に接触する接地状態および地面に接触しない非接地状態に設定可能な補助輪とを備える。
請求項2に記載の荷物運搬用台車は、請求項1に記載の荷物運搬用台車において、補助輪は、一対の補助輪を含むことを特徴とする。
請求項3に記載の荷物運搬用台車は、請求項2に記載の荷物運搬用台車において、一対の補助輪を接地状態および非接地状態に設定するためのハンドル部をさらに備え、接地状態と非接地状態との間における一対の補助輪の動きはハンドル部の動きに連動することを特徴とする。
請求項4に記載の荷物運搬用台車は、請求項3に記載の荷物運搬用台車において、一対の補助輪を支持する一対の脚部をさらに備え、一対の補助輪を接地状態および非接地状態に設定する際に一対の脚部は互いに連動することを特徴とする。
請求項5に記載の荷物運搬用台車は、請求項4に記載の荷物運搬用台車において、一対の補助輪は、接地状態と非接地状態との間で揺動できるように設けられ、一対の補助輪の揺動中心およびハンドル部の支点は同軸上に位置することを特徴とする。
請求項6に記載の荷物運搬用台車は、請求項5に記載の荷物運搬用台車において、ハンドル部は、支点から腕状に延びかつ支点を揺動中心として揺動可能に設けられることを特徴とする。
請求項7に記載の荷物運搬用台車は、請求項6に記載の荷物運搬用台車において、ハンドル部は、一対の補助輪を接地状態と非接地状態との間で揺動させる際、常に支点よりも上方に延びていることを特徴とする。
請求項8に記載の荷物運搬用台車は、請求項7に記載の荷物運搬用台車において、一対の補助輪およびハンドル部は、当該荷物運搬用台車の幅方向に対して平行に延びる仮想的な揺動軸を中心として揺動することを特徴とする。
請求項9に記載の荷物運搬用台車は、請求項8に記載の荷物運搬用台車において、接地状態および非接地状態をそれぞれ維持するためのロック機構と、ハンドル部に設けられロック機構を操作するためのレバーとをさらに備えることを特徴とする。
請求項10に記載の荷物運搬用台車は、請求項9に記載の荷物運搬用台車において、ロック機構とレバーとはワイヤを介して連結されることを特徴とする。
請求項11に記載の荷物運搬用台車は、請求項4に記載の荷物運搬用台車において、一対の補助輪は、接地状態と非接地状態との間で揺動できるように設けられ、非接地状態に設定されたときには、前後方向において一対の補助輪の揺動中心を挟んでキャスタとは反対側に位置することを特徴とする。
請求項12に記載の荷物運搬用台車は、請求項11に記載の荷物運搬用台車において、一対の補助輪は、接地状態に設定されたときは、前後方向において一対の補助輪の揺動中心を挟んでキャスタとは反対側に位置することを特徴とする。
請求項13に記載の荷物運搬用台車は、請求項4に記載の荷物運搬用台車において、一対の脚部は一つの構造体に含まれることを特徴とする。
請求項14に記載の荷物運搬用台車は、請求項1に記載の荷物運搬用台車において、補助輪を制動するブレーキユニットと、ブレーキユニットを操作するためのレバーとをさらに備え、補助輪は当該荷物運搬用台車の幅方向に揺動できないように設けられることを特徴とする。
請求項15に記載の荷物運搬用台車は、請求項1に記載の荷物運搬用台車において、補助輪の直径は、キャスタの車輪の直径よりも小さいことを特徴とする。
請求項16に記載の荷物運搬用台車は、請求項1に記載の荷物運搬用台車において、補助輪は、荷物運搬用台車が車両に連結されているときに非接地状態に設定されかつ当該荷物運搬用台車が車両から切り離されているときに接地状態に設定されることを特徴とする。
請求項1に記載の荷物運搬用台車では、連結部は、荷物運搬用台車が車両に対して左右方向に揺動するのではなく上下方向に揺動するように荷物運搬用台車を車両に連結する。この場合、車両が走行中に進行方向を変えても、車両と荷物運搬用台車とが連結部を中心として略くの字状に折れ曲がることが防止される。これにより、車両の車輪と荷物運搬用台車のキャスタとの内輪差が大きくなることを防止できる。
請求項2に記載の荷物運搬用台車では、一対の補助輪とキャスタとによって積載部を安定して支持することができる。
請求項3に記載の荷物運搬用台車では、接地状態と非接地状態との間における一対の補助輪の動きがハンドル部の動きに連動するので、ハンドル部を操作することによって接地状態および非接地状態の切替を容易に行うことができる。
請求項4に記載の荷物運搬用台車では、一対の脚部が互いに連動するので、接地状態および非接地状態の切替を容易に行うことができる。
請求項5に記載の荷物運搬用台車では、一対の補助輪の揺動中心とハンドル部の支点が同軸上に位置するので、一対の補助輪をハンドル部の動きに連動させるための機構を簡単に構成できる。
なお、ハンドル部の支点とは、たとえば、ハンドル部が揺動するように設けられる場合にはその揺動中心となるものであり、ハンドル部が回転するように設けられる場合にはその回転中心となるものである。
請求項6に記載の荷物運搬用台車では、ハンドル部が腕状に延びかつ揺動可能に設けられるので、ハンドル部の操作が容易になる。
請求項7に記載の荷物運搬用台車では、ハンドル部をより操作しやすくなり、接地状態および非接地状態の切替がさらに容易になる。
請求項8に記載の荷物運搬用台車では、一対の補助輪およびハンドル部は、荷物運搬用台車の幅方向に対して平行に延びる仮想的な揺動軸を中心として揺動する。言い換えると、一対の補助輪およびハンドル部は、荷物運搬用台車の幅方向に直交する方向すなわち荷物運搬用台車の前後方向(上下方向)に向かって揺動する。これにより、一対の補助輪およびハンドル部が荷物運搬用台車の幅方向に大きく突出することが防止されるので、荷物運搬用台車の利便性が向上する。
請求項9に記載の荷物運搬用台車では、ロック機構を操作するためのレバーがハンドル部に設けられるので、レバーの操作とハンドル部の操作とを同時に行うことができる。これにより、レバーを操作してロック機構によるロック状態を解除しつつハンドル部を操作して一対の補助輪を接地状態および非接地状態に容易に設定できる。
請求項10に記載の荷物運搬用台車では、簡単な構成でロック機構とレバーとを連結できる。
請求項11に記載の荷物運搬用台車では、非接地状態において荷物運搬用台車を車両に連結することによって、荷物運搬用台車の重心を車両側に近づけることができる。これにより、車両の走行性を向上させることができる。
請求項12に記載の荷物運搬用台車では、接地状態において、一対の補助輪とキャスタとの前後方向における距離を十分に確保することができる。これにより、積載部をより安定して支持することができる。
請求項13に記載の荷物運搬用台車では、一対の脚部が一つの構造体に含まれるので、一対の脚部の構造を簡単にできる。
請求項14に記載の荷物運搬用台車では、荷物運搬用台車の幅方向に揺動できないように設けられた補助輪にブレーキユニットが設けられる。この場合、上下方向に延びる回動軸周りに回動可能な(荷物運搬用台車の幅方向に揺動可能な)キャスタにブレーキユニットを設ける場合に比べて、ブレーキユニットの構造を簡単にすることができる。
請求項15に記載の荷物運搬用台車では、補助輪の非接地状態への切替を容易に行うことができる。
請求項16に記載の荷物運搬用台車では、当該荷物運搬用台車が車両に連結されているときに補助輪が非接地状態に設定されるので、車両の走行性を向上できる。また、荷物運搬用台車が車両から切り離されているときに接地状態に設定されるので、荷物運搬用台車単体によって荷物を運搬する際に、荷物を安定して保持できる。
この発明によれば、荷物運搬用台車のキャスタと荷物運搬用台車が連結される車両の車輪との内輪差が大きくなることを防止できる荷物運搬用台車が得られる。
この発明の一実施の形態にかかる3輪自転車を示す左側面図である。 フレームの後端部および後輪支持ユニットを示す平面図解図である。 後輪支持ユニットを示す斜視図である。 図2のA−A線断面図である。 連結ユニットを示す拡大図である。(a)は連結ユニットを示す正面図解図であり、(b)は(a)のB−B線断面図である。 台車を示す拡大図である。(a)は台車を示す平面図であり、(b)は台車を示す左側面図である。 連結ユニットを示す拡大図である。(a)は連結ユニットを示す平面図であり、(b)は連結ユニットを示す正面図であり、(c)は連結ユニットを示す左側面図である。 連結ユニットの使用方法を説明するための図である。(a)は連結ユニットを示す正面図であり、(b)は連結ユニットを示す左側面図であり、(c)は連結ユニットを示す正面図である。 自転車本体の後端部および台車を示す平面図解図である。 後輪支持ユニットと台車との関係を示す正面図解図である。 後輪支持ユニットに設けられる連結ユニットと台車に設けられる連結ユニットとの関係を示す図である。(a)は2つの連結ユニットの関係を示す平面図解図であり、(b)は2つの連結ユニットの関係を示す正面図解図であり、(c)は2つの連結ユニットの関係を示す左側面図である。 この発明の他の実施の形態に係る3輪自転車の後部を示す平面図解図である。 台車を示す拡大図である。(a)は台車を示す平面図であり、(b)は台車を示す左側面図である。 3つの連結ユニットの関係を示す図である。(a)は3つの連結ユニットの関係を示す平面図解図であり、(b)は3つの連結ユニットの関係を示す左側面図である。 2つの連結ユニットの関係を示す図である。(a)は2つの連結ユニットの関係を示す平面図解図であり、(b)は(a)のH−H線断面図である。 台車のその他の例を示す図である。(a)は台車を示す正面図であり、(b)は台車を示す左側面図である。 自転車本体に連結して用いる場合の台車の状態を示す左側面図である。 積載部の後部を示す左側面図である。(a)はキャスタの左右方向への揺動が規制された状態を示す図であり、(b)はキャスタの左右方向への揺動が規制されていない状態を示す図である。 リアフレームの左右方向における中央部を示す背面図である。 台車のさらにその他の例を示す左側面図である。 (a)は図20の台車を示す正面図であり、(b)は(a)の正面図において一部の構成(回動部材の一部、軸部材、取付部材および規制部材)を省略した図である。 ロック機構およびスタンド部材の左端部を示す拡大図である。(a)はロック機構およびスタンド部材を示す正面図であり、(b)はロック機構およびスタンド部材を示す左側面図である。 ロック機構の構成要素を示す図である。(a)はブラケットを示す図であり、(b)はロック部材を示す図であり、(c)は操作部材を示す図である。 台車を自転車本体に連結する際のロック機構およびスタンド部材の状態を示す側面図である。(a)はロック機構によるスタンド部材のロックを解除する際の状態を示す図であり、(b)はスタンド部材のロックが解除された状態を示す図である。 台車が自転車本体に連結されたときのロック機構およびスタンド部材の状態を示す側面図である。 図24(a)のK−K線端面図である。(a)は変形部材が変形していないときのロック機構の状態を示す図であり、(b)は変形部材が変形したときのロック機構の状態を示す図である。 自転車本体に連結されている状態の台車を示す側面図である。 チェーンステイに対してローリング可能な後輪支持ユニットを備えかつ台車の積載部の前端が左後輪および右後輪の前端よりも前方に位置する3輪自転車を示す側面図である。 自転車本体の後部を示す平面図である。 スタンド部材が接地状態に設定された台車を示す側面図である。 スタンド部材が非接地状態に設定された台車を示す側面図である。 台車を示す正面図である。 台車を示す平面図である。 スタンド部材を示す斜視図である。 第1ユニットおよび第2ユニットを示す左側面図である。 第1ユニットおよび第2ユニットを示す右側面断面図である。 第2ユニットを示す正面図である。 第2ユニットを示す底面図である。 第2ユニットのブラケット部の凹部に自転車本体のカラーが嵌め込まれる際のロック機構およびスタンド部材の状態を示す左側面図である。 第2ユニットのブラケット部の凹部に自転車本体のカラーが嵌め込まれたときのロック機構およびスタンド部材の状態を示す左側面図である。 スタンド部材のロック状態が解除されたときのロック機構およびスタンド部材の状態を示す左側面図である。 スタンド部材が非接地状態になったときのロック機構およびスタンド部材の状態を示す左側面図である。 スタンド部材が非接地状態でロックされたときのロック機構およびスタンド部材の状態を示す左側面図である。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。なお、以下においては、この発明に係る荷物運搬用台車が、車両の一例である自転車本体に連結される場合について説明する。この発明の実施形態の左右、前後、上下とは、3輪自転車10のシート92に乗車者がそのハンドル82に向かって着座した状態を基準とした左右、前後、上下を意味する。
図1を参照して、3輪自転車10は、自転車本体12および荷物運搬用台車14(以下、台車14と略記する。)を含む。自転車本体12は、前後方向に延びるフレーム16を有する。フレーム16は、ヘッドチューブ18、ダウンチューブ20、シートチューブ22、ブラケット部24、一対のチェーンステイ26(図1では1本のみ図示)、一対のシートステイ28(図1では1本のみ図示)、および後輪支持ユニット30(後述の図3参照)を含む。
ヘッドチューブ18は、フレーム16の前端部に設けられている。ダウンチューブ20は、ヘッドチューブ18から後方斜め下方に向かって延びるように設けられている。シートチューブ22は、ダウンチューブ20の後端部から上方斜め後方に向かって延びるように設けられている。ブラケット部24は、ダウンチューブ20の後端部およびシートチューブ22の下端部から後方に向かって延びるように設けられている。
図2を参照して、一対のチェーンステイ26は、ブラケット部24(図1参照)の後端部から後方に向かって延びかつ互いの間隔が後側において大きくなるように(左右方向に拡がるように)設けられている。一対のチェーンステイ26を接続するように、補強チューブ32が設けられている。なお、図2においては、図面が煩雑になることを避けるために、台車14は図示していない。
図1を参照して、一対のシートステイ28は、シートチューブ22の上端部から後方斜め下方に向かって延びるように設けられている。一対のシートステイ28の下端部は、一対のチェーンステイ26にそれぞれ接続されている。なお、図2においては、図面が煩雑になることを避けるために、シートステイ28は図示していない。
図2および図3を参照して、後輪支持ユニット30は、チェーンステイ26(図2参照)よりも後方において左右方向に延びるように設けられる支持チューブ34a,34bを有する。支持チューブ34a,34bは、互いに平行にかつ前後に並ぶように設けられている。なお、支持チューブ34a,34bは、後述する左後輪108の車軸110および右後輪114の車軸116を支持する車軸支持部として機能し、大きな負荷に耐えることができるように高強度に構成されている。
図4は、図2のA−A線断面図である。図4をも参照して、支持チューブ34a,34b(図2および図3参照)の左端部には、ブラケット36が設けられている。支持チューブ34a,34bとブラケット36とは、たとえば溶接によって接合されている。ブラケット36よりも左側においてブラケット36と対向するようにブラケット38が設けられている。図3を参照して、ブラケット36とブラケット38とは、フェンダフレーム40a,40bによって接続されている。フェンダフレーム40a,40bは、たとえば溶接によってブラケット36,38に接合されている。図2および図3を参照して、フェンダフレーム40aは、平面視において半楕円形状を描くように、ブラケット36,38から前方斜め上方に延びている。フェンダフレーム40bは、平面視において半楕円形状を描くように、ブラケット36,38から後方斜め上方に延びている。図1および図4を参照して、フェンダフレーム40a,40b(図1参照)には、フェンダ42が取り付けられている。
図2〜図4を参照して、支持チューブ34a,34b(図2および図3参照)の右端部には、ブラケット44が設けられている。支持チューブ34a,34bとブラケット44とは、たとえば溶接によって接合されている。ブラケット44よりも右側においてブラケット44と対向するようにブラケット46が設けられている。図3を参照して、ブラケット44とブラケット46とは、フェンダフレーム48a,48bによって接続されている。フェンダフレーム48a,48b、それぞれフェンダフレーム40a,40bと同様の構成を有し、たとえば、溶接によってブラケット44,46に接合されている。図4を参照して、フェンダフレーム48a,48b(図4においては、フェンダフレーム48aのみ図示)には、フェンダ50が取り付けられている。
図2および図4を参照して、支持チューブ34a,34bには、連結ユニット52,54が設けられている。連結ユニット52,54は、一対のチェーンステイ26にそれぞれ対応するように左右方向に離れて並ぶように配置されている。
図5は、連結ユニット52を示す拡大図であり、図5(a)は連結ユニット52を示す正面図解図であり、図5(b)は図5(a)のB−B線断面図である。図5を参照して、連結ユニット52は、支持チューブ34a,34bを上下から挟むように設けられる板状の把持部材56,58を有する。
図5(b)を参照して、把持部材56は、後方に傾くように下から上に向かって延びる傾斜部56a、傾斜部56aの上端から支持チューブ34aの外周面に沿って湾曲するように後方に延びる湾曲部56b、湾曲部56bの後端から後方に向かって直線状に延びる平坦部56c、および平坦部56cの後端から支持チューブ34bの外周面に沿って湾曲するように後方に延びる鉤状部56dを含む。把持部材58は、後方に傾くように下から上に向かって延びる傾斜部58a、支持チューブ34aの下端に接触するように傾斜部58aの上端から湾曲しつつ後方に延びる湾曲部58b、および支持チューブ34bの下端に接触するように湾曲部58bの後端から後方に向かって直線状に延びる平坦部58cを含む。傾斜部56aと傾斜部58aとは、把持部材56,58が支持チューブ34a,34bに圧接するように、たとえば溶接によって接合されている。これにより、把持部材56,58が支持チューブ34a,34bに固定されている。
図5(a)を参照して、把持部材56から上方に延びるように、板状の支持部材60,62が間隔をおいて左右に並ぶように設けられている。支持部材60の上端部は、左方向に拡がるように屈曲している。図5(a)および(b)を参照して、一対のチェーンステイ26のうちの一方の後端部は、把持部材56の傾斜部56aに接続されている。一方のチェーンステイ26の後端部の一部は、支持部材60,62によって挟まれている。一方のチェーンステイ26は、たとえば溶接によって把持部材56および支持部材60,62に接合されている。これにより、一方のチェーンステイ26と支持チューブ34a,34bとが連結ユニット52(把持部材56,58)を介して連結されている。
支持部材60,62の上端部に支持されるように、円筒状のカラー64が設けられている。支持部材60,62とカラー64とは、たとえば溶接によって接合されている。カラー64内には、円筒状のアイブッシュ66が嵌め込まれている。アイブッシュ66は、同軸状に設けられる円筒状の外筒66a、円筒状の弾性部材66bおよび円筒状の内筒66cを含む。弾性部材66bは、たとえばゴムからなる。弾性部材66bは、たとえば、外筒66aおよび内筒66cのそれぞれに対して焼付け(加硫接着)されている。カラー64およびアイブッシュ66は、自転車本体12(図1)と台車14(図1)とを連結するために用いられる。詳細は後述する。
図4を参照して、連結ユニット54は、連結ユニット52と同様の構成を有し、把持部材68,70、支持部材72,74、カラー76およびアイブッシュ78を有する。アイブッシュ78は、アイブッシュ66と同様に、外筒、弾性部材および内筒を含む。一対のチェーンステイ26のうちの他方は、たとえば溶接によって把持部材68および支持部材72,74に接合されている。これにより、他方のチェーンステイ26と支持チューブ34a,34bとが連結ユニット54(把持部材68,70)を介して連結されている。
図1を参照して、ヘッドチューブ18には、ハンドルステム80が回転自在に挿通されている。ハンドルステム80の上端部には、ハンドル82が固定されている。ハンドル82には、図示しないブレーキレバーが設けられており、乗車者は、ブレーキレバーを操作することによって3輪自転車10にブレーキをかけることができる。ハンドルステム80の下端部には、フロントフォーク84が固定されている。フロントフォーク84の下端部には、前輪86が車軸を介して回転可能に支持されている。前輪86は、車軸に回転可能に支持されるホイール87およびホイール87に取り付けられるタイヤ88を含む。3輪自転車10においては、ハンドル82を左右に切ることによって、前輪86が左右に向きを変える。それによって、3輪自転車10の向きを変えることができる。
シートチューブ22には、シートパイプ90が挿入されている。シートパイプ90の上端部には、シート92が設けられている。ブラケット部24には、駆動ユニット94が設けられている。駆動ユニット94は、クランク96、一対のペダル98a,98b、ドライブスプロケット100および電動モータ102を含む。クランク96は、ブラケット部24の下方において左右方向に延びるようにかつ回転可能に設けられるクランクジャーナル96a、クランクジャーナル96aの左端部に設けられるクランクアーム96b、およびクランクジャーナル96aの右端部に設けられるクランクアーム96cを含む。ペダル98aは、クランクアーム96bの先端部に支軸を介して回転可能に設けられ、ペダル98bは、クランクアーム96cの先端部に支軸を介して回転可能に設けられている。乗車者がペダル98a,98bを踏み込むことによって、クランク96が回転する。なお、図1には、クランク96が回転するときのペダル98a,98bの回転軌道X1が一転鎖線で示されている。
ドライブスプロケット100は、クランクジャーナル96aの一方向の回転に従って回転するように、一方向クラッチ(図示せず)を介してクランクジャーナル96aに取り付けられている。ドライブスプロケット100は、無端状のチェーン104を介して後輪支持ユニット30の下部に設けられるドリブンスプロケット(図示せず)に連結されている。電動モータ102は、クランクジャーナル96aの後方斜め下方に設けられ、クランク96の回転を補助するためのトルクを発生する。シートチューブ22よりも後方において駆動ユニット94には、電動モータ102の駆動等に用いられる電力を蓄えるためのバッテリ106が設けられている。
図1および図2を参照して、後輪支持ユニット30のブラケット36(図2参照)およびブラケット38には、左後輪108が車軸110を介して回転可能に支持されている。左後輪108は、車軸110に回転可能に支持されるホイール111およびホイール111に取り付けられるタイヤ112を含む。なお、図1においては、図面が煩雑になることを避けるため、ホイール111の一部の構成(複数のスポークのうちの一部)の図示を省略している。
図2を参照して、ブラケット44およびブラケット46には、右後輪114が車軸116を介して回転可能に支持されている。右後輪114は、車軸116に回転可能に支持されるホイール117およびホイール117に取り付けられるタイヤ118を含む。なお、図面が煩雑になることを避けるために図示していないが、上述のドリブンスプロケット(図示せず)と左後輪108とは、図示しない伝達機構によって連結されている。図1を参照して、自転車本体12においては、乗車者がペダル98a,98bを踏んでクランク96を一方向に回転させることによって、クランク96の回転力がドライブスプロケット100、チェーン104、上述のドリブンスプロケット(図示せず)および上述の伝達機構(図示せず)を介して左後輪108に伝達される。それにより、左後輪108が回転し、自転車本体12が前進する。
図6は、台車14を示す拡大図であり、図6(a)は台車14を示す平面図であり、図6(b)は台車14を示す左側面図である。
図6を参照して、台車14は、積載部120、積載部120に積まれた荷物の落下を防止するために積載部120から上方に延びるように設けられる柵部122、柵部122の上部から前方に延びるように設けられるハンドル部124、積載部120の前部に設けられるスタンド部材126および積載部120の後部に設けられるキャスタ128を含む。積載部120の前端部には、連結ユニット130,132(図6(a)参照)が設けられている。
積載部120は、左右に並んで配置されかつ前後方向に延びる一対のサイドフレーム134,136(図6(a)参照)、サイドフレーム134の前端部とサイドフレーム136(図6(a)参照)の前端部とを接続するように左右方向に延びるフロントフレーム138、サイドフレーム134の後端部とサイドフレーム136の後端部とを接続するように左右方向に延びるリアフレーム140、およびフロントフレーム138とリアフレーム140との間においてサイドフレーム134とサイドフレーム136とを接続するように左右方向に延びる中間フレーム142,144を有する。
図6(a)を参照して、フロントフレーム138の中央部と中間フレーム142の中央部とを接続するように、前後方向に延びる補強フレーム146が設けられている。補強フレーム146よりも左側において、フロントフレーム138とサイドフレーム134とを接続するようにフロントフレーム138から後方斜め左方向に延びる補強フレーム148が設けられている。補強フレーム146よりも右側において、フロントフレーム138とサイドフレーム136とを接続するようにフロントフレーム138から後方斜め右方向に延びる補強フレーム150が設けられている。
中間フレーム142の中央部と中間フレーム144の中央部とを接続するように、前後方向に延びる補強フレーム152が設けられている。補強フレーム152よりも左側において中間フレーム144とリアフレーム140とを接続するように、前後方向に延びる補強フレーム154が設けられている。補強フレーム154よりも右側において中間フレーム144とリアフレーム140とを接続するように、前後方向に延びる補強フレーム156が設けられている。中間フレーム144とリアフレーム140との間において補強フレーム154と補強フレーム156とを接続するように、補強フレーム158が設けられている。中間フレーム144、補強フレーム154、補強フレーム156および補強フレーム158によって形成される矩形の領域を塞ぐように、中間フレーム144、補強フレーム154、補強フレーム156および補強フレーム158の底面部に板状部材160が固定されている。板状部材160は、たとえば溶接によって中間フレーム144、補強フレーム154、補強フレーム156および補強フレーム158に接合されている。なお、板状部材160は、その中央部に円形の貫通孔を有し、その貫通孔には、後述するベアリングユニット176の上端部が挿通されている。
図6(a)および(b)を参照して、キャスタ128は、車輪162、車軸164、および車軸164を介して車輪162を回転可能に支持する支持フレーム166を有する。図6(b)を参照して、車輪162は、車軸164に回転可能に支持されるホイール167およびホイール167に取り付けられるタイヤ168を含む。図1を参照して、車輪162の直径は、左後輪108の直径および右後輪114(図2参照)の直径よりも小さい。
図6を参照して、支持フレーム166は、平面視において半楕円形状を描くように車軸164から前方斜め上方に延びる車輪支持部170および車輪支持部170から上方に延びる接続部172を有する。接続部172の上端には、上下方向に延びる軸部174aを有する接続部材174(図6(b)参照)が固定されている。接続部材174の軸部174aは、ベアリングユニット176に回転可能に支持されている。ベアリングユニット176は、板状部材160の下面に固定された円形の取付板178に保持されている。これにより、積載部120とキャスタ128とが接続され、積載部120の後部がキャスタ128によって支持されている。
台車14においては、接続部材174の軸部174aがベアリングユニット176に回動可能に支持されているので、支持フレーム166は、軸部174aを中心として回動可能となる。これにより、キャスタ128が積載部120に対して軸部174aを中心として回動可能となる。具体的には、図6(a)に示すように、キャスタ128は、軌道X2を描くように軸部174aを中心として回動する。このとき、キャスタ128は、平面視において積載部120よりも後方および積載部120よりも左右方向に突出しない。なお、軸部174aは、サイドフレーム134とサイドフレーム136との中間点に位置する。すなわち、軸部174aは、積載部120の左右方向における中央部に位置する。
図6を参照して、積載部120において、キャスタ128が最も後方に位置する場合における車軸164の軸心よりも前方の第1領域120aの平面視における面積は、車軸164の軸心よりも後方の第2領域120bの平面視における面積よりも大きい。また、第1領域120aの前後方向の長さは、第2領域120bの前後方向の長さよりも長い。
図6および後述の図10を参照して、柵部122は、サイドフレーム134,136の前端部から上方に延びるように設けられかつ正面視において逆U字形状を有するU字フレーム180、サイドフレーム134の上方においてU字フレーム180とサイドフレーム134の後端部とを接続しかつ側面視においてL字形状を有するL字フレーム182(図6参照)、およびサイドフレーム136の上方においてU字フレーム180とサイドフレーム136(図6(a)参照)の後端部とを接続しかつ側面視においてL字形状を有するL字フレーム184(図6(a)参照)を有する。また、柵部122は、さらに、U字フレーム180の上下方向における略中央部において左右方向に延びるように設けられる補強フレーム186、U字フレーム180よりも後方においてサイドフレーム134とL字フレーム182(図6参照)とを接続するように上下方向に延びる支持フレーム188,190(図6参照)、およびU字フレーム180よりも後方においてサイドフレーム136とL字フレーム184(図6(a)参照)とを接続するように上下方向に延びる支持フレーム192,194(図6(a)参照)を有する。
図6および図10を参照して、ハンドル部124は、U字フレーム180から前方に延びかつ平面視において略U字形状を有するハンドルフレーム196、およびハンドルフレーム196を支持するようにハンドルフレーム196とU字フレーム180とを接続する一対の支持フレーム198a,198b(図10参照)を有する。
図6(b)を参照して、スタンド部材126は、サイドフレーム134,136(図6(a)参照)に接続される一対の脚部126a(図6(b)には、サイドフレーム134に接続される脚部126aのみ図示)を有する。なお、図6(a)においては、図面が煩雑になることを避けるために一対の脚部126aを図示していない。図6(b)を参照して、一対の脚部126aのうち一方は、サイドフレーム134に設けられたブラケット134aに支持軸126bを介して回動可能に支持され、一対の脚部126aのうち他方(図示せず)は、サイドフレーム136(図6(a)参照)に設けられたブラケット(図示せず)に支持軸(図示せず)を介して回動可能に支持されている。図6(a)および(b)を参照して、一対の脚部126a(図6(b)参照)を接続するように、左右方向に延びるクロスメンバ126cが設けられている。台車14が自転車本体12に連結されていない場合には、図6(b)に示すように、台車14は、スタンド部材126およびキャスタ128によって支持される。図1を参照して、台車14が自転車本体12に連結されている場合には、スタンド部材126は、積載部120のサイドフレーム134と略平行になるようにして保持される。
図6(a)を参照して、連結ユニット130,132は、左右に並ぶようにフロントフレーム138に取り付けられている。図7は、連結ユニット130を示す拡大図であり、図7(a)は、連結ユニット130を示す平面図であり、図7(b)は、連結ユニット130を示す正面図であり、図7(c)は、連結ユニット130を示す左側面図である。
図7を参照して、連結ユニット130は、ブラケット200、連結部材202および固定板204を含む。ブラケット200は、左右方向に延びる平板部200aおよび平板部200aの両端部から前方に延びるアーム部200b,200c(図7(a)および(b)参照)を有する。ブラケット200の平板部200aは、たとえば溶接によってフロントフレーム138の前端面138aに接合されている。図7(a)および(b)を参照して、アーム部200b,200cは、それぞれ左右方向に貫通する貫通孔200d,200eを有する。アーム部200bの左側面には、円板状の補強部材206が固定されている。補強部材206は、アーム部200bの貫通孔200dに連通する貫通孔206aを有する。アーム部200cの右側面には、円板状の補強部材208が固定されている。補強部材208は、アーム部200cの貫通孔200eに連通する貫通孔208aを有する。
連結部材202は、左右方向に延びる軸部202aおよび軸部202aの右端部から屈曲して下方に延びる操作部202bを含む。軸部202aは、貫通孔208a、貫通孔200e、貫通孔200dおよび貫通孔206aに挿通されている。軸部202aの右端部には、リング状の係止部材210が固定されている。係止部材210と補強部材208との間において軸部202aと同軸状に、コイルばね212が設けられている。コイルばね212は、連結部材202を右方向に付勢している。
固定板204は、アーム部200cの下端部に接合されかつアーム部200cから下方に延びる接合部204a(図7(b)および(c)参照)、接合部204aの下端から屈曲して右方向に延びる屈曲部204b、および屈曲部204bの後端部から右方向に延びる鉤状部204cを含む。接合部204aは、たとえば溶接によってアーム部200cの下端部に接合されている。鉤状部204cは、屈曲部204bの後端部から操作部202bの後方および右方を通って操作部202bの前方まで延びるように形成されている。上述のように連結部材202はコイルばね212によって右方向に付勢されているので、連結部材202の操作部202bは鉤状部204cに押し付けられている。このとき、軸部202aを中心とする操作部202bの揺動動作は、鉤状部204cによって規制される。これにより、ブラケット200から連結部材202が抜け落ちることを防止できる。なお、図7(a)を参照して、鉤状部204cの先端204dと屈曲部204bとの左右方向における距離D1は、操作部202bの直径よりも大きく設定される。
図8(a)を参照して、ブラケット200から連結部材202を取り外す際には、操作部202bを左方向(矢印C1方向)に向かって押しこむことによって、操作部202bを鉤状部204cの先端204dよりも左側に移動させる。次に、図8(b)を参照して、軸部202aを中心として操作部202bを矢印C2方向に回動させる。最後に、図8(c)を参照して、操作部202bを右方向(矢印C3方向)に向かって引っ張ることによって、ブラケット200から軸部202aを引き抜く。これにより、ブラケット200から連結部材202を取り外すことができる。なお、ブラケット200に連結部材202を取り付ける際には、上述の図8(a)から(c)で説明した動作と反対の動作を行えばよい。
図6(a)を参照して、連結ユニット132は連結ユニット130と同様の構成を有し、ブラケット200、連結部材202および固定板204と同様の構成を有するブラケット214、連結部材216および固定板218を備える。また、連結部材216は、軸部202aと同様の軸部216aを有する。
次に、自転車本体12と台車14との連結方法について説明する。図9は、自転車本体12の後端部および台車14を示す平面図解図であり、図10は、後輪支持ユニット30と台車14との関係を示す正面図解図である。なお、図10においては、図面が煩雑になることを避けるために、台車14の各構成要素のうち積載部120、柵部122およびハンドル部124以外の構成要素は図示を省略している。
図9および図10を参照して、自転車本体12(図1参照)のフレーム16と台車14とを連結する場合には、連結ユニット52と連結ユニット130とが接続され、連結ユニット54と連結ユニット132とが接続される。上述のように、連結ユニット52,54は、一対のチェーンステイ26と後輪支持ユニット30の支持チューブ34a,34bとを連結している。また、連結ユニット130,132は、台車14のフロントフレーム138に固定されている。したがって、連結ユニット52,54と連結ユニット130,132とを接続することによって、チェーンステイ26および後輪支持ユニット30と台車14とを連結することができる。すなわち、自転車本体12のフレーム16と台車14とが連結される。以下、連結ユニット52,54と連結ユニット130,132との連結方法について詳細に説明する。
図11は、連結ユニット52と連結ユニット130との関係を示す図であり、図11(a)は、連結ユニット52および連結ユニット130を示す平面図解図であり、図11(b)は、連結ユニット52および連結ユニット130を示す正面図解図であり、図11(c)は、連結ユニット52および連結ユニット130を示す左側面図である。なお、図11(a)および(b)においては、連結ユニット52と連結ユニット130との連結構造を解り易くするために、支持部材60,62(図11(b))、カラー64、アイブッシュ66、ブラケット200、補強部材206および補強部材208を断面で示している。
連結ユニット52と連結ユニット130とを接続する際には、まず、図8で説明した方法で連結ユニット130のブラケット200から連結部材202を取り外す。次に、図11(a)および(b)を参照して、連結ユニット52のカラー64およびアイブッシュ66がブラケット200のアーム部200bとアーム部200cとの間に配置されるように、台車14を移動させる。次に、連結部材202の軸部202aを補強部材208の貫通孔208a、ブラケット200の貫通孔200e、アイブッシュ66の内筒66c、ブラケット200の貫通孔200d、および補強部材206の貫通孔206aに挿通する。最後に、図11(b)を参照して、連結部材202の操作部202bを固定板204の鉤状部204cに引っかけて連結部材202を固定する。これにより、連結ユニット52と連結ユニット130が接続される。同様の方法で、連結ユニット54(図10参照)と連結ユニット132(図10参照)とが接続される。
3輪自転車10においては、連結ユニット130,132が連結部として機能し、軸部174aが回動軸として機能する。
次に、3輪自転車10の作用効果を説明する。
3輪自転車10においては、自転車本体12のフレーム16と台車14とが連結ユニット52,54および連結ユニット130,132を介して連結されている。図11を参照して、連結ユニット52と連結ユニット130とは、連結部材202の軸部202aを補強部材208の貫通孔208a、ブラケット200の貫通孔200e、アイブッシュ66の内筒66c、ブラケット200の貫通孔200d、および補強部材206の貫通孔206aに挿通することによって接続されている。ここで、アイブッシュ66の内筒66c、ブラケット200、および補強部材206,208は軸部202aに固定されていないので、図11(c)に矢印Dで示すように、ブラケット200は、軸部202aを中心として上下方向に揺動することができる。図9を参照して、連結ユニット54および連結ユニット132も同様の構成によって接続されるので、連結ユニット132のブラケット214も軸部216aを中心として上下方向に揺動することができる。ブラケット200およびブラケット214は台車14のフロントフレーム138に固定されているので、ブラケット200,214が軸部202a,216aを中心として上下方向に揺動することによって、台車14が軸部202a,216aを中心として上下方向に揺動する。これにより、自転車本体12のフレーム16に対して台車14が上下方向に揺動可能となる。この場合、地面の凹凸等によって台車14が上下動したとしても、台車14に連動してフレーム16が上下動することを防止することができる。それにより、3輪自転車10の快適な走行が可能になる。
連結ユニット130,132の連結部材202,216は、軸部202a,216aを中心として回動することはできるが、連結部材202,216の前後方向への移動は、ブラケット200,214によって阻止されている。また、軸部202a,216aとフレーム16とを接続する連結ユニット52,54は、フレーム16(後輪支持ユニット30)に固定されている。したがって、軸部202a,216aがフレーム16に対して前後方向に移動することは防止されている。この場合、連結ユニット130および連結ユニット132のいずれか一方が他方に対して前後に移動することが防止されるので、フレーム16に対して台車14が左右方向に揺動することが防止される。それにより、たとえば、3輪自転車10が走行中に進行方向を変えても、自転車本体12のフレーム16と台車14とが略くの字状に折れ曲がることを防止することができる。この場合、3輪自転車10の進行方向を変える際に、台車14によって自転車本体12のフレーム16の後部が斜め方向に押されることを防止できるので、3輪自転車10の操縦性を向上させることができる。また、フレーム16と台車14とが略くの字状に折れ曲がることが防止されるので、3輪自転車10にブレーキをかけた際に、台車14によってフレーム16の後部が斜め方向に押されることを防止できる。それにより、ブレーキをかけた際に3輪自転車10が前輪86を中心として旋回することを防止することができる。その結果、3輪自転車10を円滑に停止させることができる。
また、図6を参照して、台車14のキャスタ128は上下方向に延びる軸部174a周りに回動可能に設けられているので、3輪自転車10の進行方向に応じて台車14の進行方向を円滑に変えることができる。また、図1を参照して、台車14の積載部120の前端(フロントフレーム138の前端面138a(図7参照))が左後輪108および右後輪114(図2参照)の後端よりも前方に設けられている。この場合、積載部120の前後方向の長さを十分に確保しつつ、台車14を含めた3輪自転車10の全長が長くなることを防止することができる。それにより、路地等の狭い場所においても、3輪自転車10を操縦性良く走行させることができる。さらに、台車14の積載部120の前端が左後輪108および右後輪114(図2参照)の上端よりも下方に設けられている。この場合、積載部120の位置が高くなることが防止されるので、フレーム16によって積載部120を安定して支持することができる。それにより、荷物を円滑に運搬することができる。
また、図10を参照して、連結ユニット52,54は、支持チューブ34a,34bに固定されている。上述したように、支持チューブ34a,34bは車軸110,116を支持するための車軸支持部として機能し、大きな負荷に耐えることができるように高強度に構成されている。したがって、連結ユニット52,54を支持チューブ34a,34bに固定することによって、台車14を支持するための支持部として高強度の支持チューブ34a,34bを用いることができる。この場合、台車14を支持するために別個の部材をフレーム16に設けなくてよいので、フレーム16の構成を簡単にすることができる。それにより、フレーム16を軽量に構成することができ、3輪自転車10の操縦性を向上させることができる。
また、図2を参照して、連結ユニット52,54および連結ユニット130,132は、左後輪108と右後輪114との間に配置されている。この場合、連結ユニット52,54および連結ユニット130,132を設けることによって3輪自転車10の幅が大きくなることを防止することができる。それにより、狭い場所等においても3輪自転車10の優れた操縦性を得ることができる。
また、図6を参照して、積載部120において、第1領域120aの前後方向の長さは、第2領域120bの前後方向の長さよりも長い。この場合、第2領域120bに積まれた荷物の重さが第1領域120aに積まれた荷物の重さよりも重くなることを防止することができる。それにより、3輪自転車10の走行時に、第2領域120bに積まれた荷物の重さによって、キャスタ128の接地点P(図6(b)参照)を中心として台車14の前部を上方に持ち上げようとする力が台車14に作用することを防止することができる。それにより、3輪自転車10のより円滑な走行が可能になる。
また、第1領域120aの平面視における面積は、第2領域120bの平面視における面積よりも大きい。この場合、第2領域120bに積まれた荷物の重さが第1領域120aに積まれた荷物の重さよりも重くなることを十分に防止することができる。
また、キャスタ128の車輪162の直径は、左後輪108および右後輪114の直径よりも小さい。この場合、積載部120をより下方に配置することができるので、フレーム16およびキャスタ128によって積載部120をより安定して支持することができる。その結果、3輪自転車10の円滑な走行が可能になる。
図9を参照して、積載部120の前端(フロントフレーム138の前端面138a(図7参照))は、左後輪108の車軸110および右後輪114の車軸116よりも前方に配置されている。さらに、図1を参照して、積載部120の前端は、一対のペダル98a,98bの回転軌道X1よりも後方に位置している。このように、3輪自転車10においては、乗車者の足が積載部120に接触することを防止しつつ、積載部120の前端を十分に前方に配置している。それにより、3輪自転車10の快適な操縦性を維持しつつ、積載部120を十分に大きくすることができる。
また、図6を参照して、キャスタ128が軸部174a周りに回動する際に、キャスタ128が積載部120よりも左側または右側に突出しない。それにより、路地等の道幅の狭い場所を通る場合でも、キャスタ128が壁等に接触することを防止することができる。その結果、3輪自転車10を円滑に走行させることができる。
また、キャスタ128が軸部174a周りに回動する際に、キャスタ128が積載部120よりも後方に突出しないので、荷物を積み降ろす際にキャスタ128が邪魔にならない。それにより、作業性を向上させることができる。また、荷物の落下を防止するために積載部120の後端部にその下端を中心として後方に向かって開くような扉または柵等を設ける場合でも、その扉等がキャスタ128に接触することを防止することができる。この場合、扉等を全開することができるので、荷物の積み降ろしが容易になる。
また、3輪自転車10においては、連結部材202の軸部202aは、弾性部材66bを有するアイブッシュ66に挿入されている。同様に、連結部材216の軸部216aは、弾性部材を有するアイブッシュ78に挿入されている。この場合、台車14において振動が発生しても、アイブッシュ66,78においてその振動を減衰させることができる。それにより、台車14から自転車本体12のフレーム16に大きな振動が伝達されることを防止できるので、3輪自転車10のより快適な走行が可能になる。
また、3輪自転車10においては、フレーム16の後部に荷台を設けることなく台車14が連結されている。この場合、荷台の後方にさらに台車を設ける場合に比べて、3輪自転車10の前後方向の長さを確実に短くすることができる。また、荷台を設けるための構造が不要となるので、自転車本体12のフレーム16の構成を簡単にすることができる。
なお、上述の実施形態では、連結ユニット52,54を支持チューブ34a,34bに固定しているが、連結ユニット52,54をフレーム16の他の位置に固定してもよい。この場合でも、連結ユニット52,54および連結ユニット130,132を、左後輪108および右後輪114の上端よりも下方において、左後輪108および右後輪114の後端よりも前方でかつ左後輪108および右後輪114の前端よりも後方に配置することによって、高強度の支持チューブ34a,34bを台車14を支持するための支持部として用いることができる。この場合、台車14を支持するために別個の部材をフレーム16に設けなくてよいので、フレーム16の構成を簡単にすることができる。それにより、フレーム16を軽量に構成することができ、3輪自転車の操縦性を向上させることができる。
また、上述の実施形態では、左右に配置された連結ユニット52,54および左右に配置された連結ユニット130,132によってフレーム16と台車14とを連結しているが、たとえば、連結ユニット52および連結ユニット130のみによってフレーム16と台車14とを連結してもよい。この場合、連結ユニット52および連結ユニット130は、たとえば、左右方向において3輪自転車10の中央部に配置される。
また、上述の実施形態では、1つのキャスタ128を有する台車14を自転車本体12に連結する場合について説明したが、2つのキャスタを有する台車を自転車本体12に連結していてもよい。図12は、第1キャスタ128aおよび第2キャスタ128bを有する台車14aを備えた3輪自転車10aの後部を示す平面図解図である。
図12を参照して、3輪自転車10aが上述の3輪自転車10と異なるのは、台車14の代わりに台車14aが設けられている点、連結ユニット52と連結ユニット130とが連結ユニット220を介して連結されている点、連結ユニット54の代わりに連結ユニット54aが設けられている点、および連結ユニット132の代わりに連結ユニット222が設けられている点である。したがって、台車14a、連結ユニット52と連結ユニット130との連結構造(連結ユニット220の構成)、連結ユニット54a、および連結ユニット222以外の構成については説明を省略する。
図13は、台車14aを示す拡大図であり、図13(a)は台車14aを示す平面図であり、図13(b)は台車14aを示す左側面図である。図13を参照して、台車14aが図6の台車14と異なる点は、積載部224の構成、ならびに積載部224に左右方向に並ぶ第1キャスタ128aおよび第2キャスタ128bが設けられている点である。したがって、積載部224、第1キャスタ128aおよび第2キャスタ128b以外の台車14aの構成については説明を省略する。
図13(a)を参照して、積載部224が図6の積載部120と異なるのは、補強フレーム158の代わりに、補強フレーム226および補強フレーム228が設けられている点、ならびに板状部材160の代わりに板状部材230および板状部材232が設けられている点である。補強フレーム226は、中間フレーム144とリアフレーム140との間においてサイドフレーム134と補強フレーム154とを接続するように設けられている。補強フレーム228は、中間フレーム144とリアフレーム140との間においてサイドフレーム136と補強フレーム156とを接続するように設けられている。板状部材230は、たとえば溶接によってサイドフレーム134、中間フレーム144、補強フレーム154および補強フレーム226に接合されている。板状部材232は、たとえば溶接によってサイドフレーム136、中間フレーム144、補強フレーム156および補強フレーム228に接合されている。
図13(a)および(b)を参照して、第1キャスタ128aは、キャスタ128と同様に、車輪162a、車軸164aおよび支持フレーム166aを有する。同様に、図13(a)を参照して、第2キャスタ128bは、車輪162b、車軸164bおよび支持フレーム166bを有する。なお、車輪162a,162bの直径は、車輪162(図1参照)の直径よりも小さい。
図13(b)を参照して、支持フレーム166aは、支持フレーム166(図6参照)と同様に、軸部234aを有する接続部材234およびベアリングユニット236を介して板状部材230に取り付けられている。接続部材234の軸部234aは、ベアリングユニット236に回転可能に支持されている。これにより、支持フレーム166aが積載部224に対して軸部234aを中心として回動可能になる。具体的には、図13(a)に示すように、第1キャスタ128aは、軌道X3を描くように軸部234aを中心として回動する。このとき、第1キャスタ128aは、平面視において積載部224よりも後方および積載部224よりも左方向に突出しない。
図13(a)を参照して、支持フレーム166bは、支持フレーム166aと同様に、軸部238aを有する接続部材238およびベアリングユニット240を介して板状部材232に取り付けられている。接続部材238の軸部238aは、ベアリングユニット240に回転可能に支持されている。これにより、支持フレーム166bが積載部224に対して軸部238aを中心として回動可能になる。具体的には、第2キャスタ128bは、軌道X4を描くように軸部238aを中心として回動する。このとき、第2キャスタ128bは、平面視において積載部224よりも後方および積載部224よりも右方向に突出しない。
なお、図6に示した積載部120の第1領域120aおよび第2領域120bと同様に、積載部224の第1領域(第1キャスタ128aおよび第2キャスタ128bが最も後方に位置する場合における車軸164a,164bの軸心よりも前方の領域)の平面視における面積は、積載部224の第2領域(第1キャスタ128aおよび第2キャスタ128bが最も後方に位置する場合における車軸164a,164bの軸心よりも後方の領域)の平面視における面積よりも大きい。また、積載部224の第1領域の前後方向の長さは、第2領域の前後方向の長さよりも長い。
図14は、連結ユニット52、連結ユニット220および連結ユニット130の関係を示す図であり、図14(a)は、連結ユニット52、連結ユニット220および連結ユニット130を示す平面図解図であり、図14(b)は、連結ユニット52、連結ユニット220および連結ユニット130を示す左側面図である。
図14を参照して、連結ユニット220は、ブラケット242、ボルト244、ナット246(図14(a)参照)、揺動部材248、カラー250およびアイブッシュ252(図14(a)参照)を含む。図14(a)を参照して、ブラケット242は、左右方向に延びる平板部242aおよび平板部242aの両端部から前方に延びるアーム部242b,242cを有する。アーム部242b,242cは、それぞれ左右方向に貫通する貫通孔242d,242eを有する。アーム部242bの左側面には、中空円板状の補強部材254が固定され、アーム部242cの右側面には、中空円板状の補強部材256が固定されている。
ボルト244は、左右方向に延びる軸部244aおよび軸部244aの左端に設けられる頭部244bを含む。軸部244aは、補強部材254、アーム部242b(貫通孔242d)、内筒66c、アーム部242c(貫通孔242e)および補強部材256に挿通されている。ナット246は、ワッシャ258を介して軸部244aの右端部に取り付けられている。これによって、ボルト244がブラケット242に取り付けられている。なお、軸部244aは内筒66cに対して回転可能に設けられている。これにより、図14(b)に矢印Eで示すように、ブラケット242は、軸部244aを中心として上下方向に揺動可能に設けられている。
揺動部材248は、ブラケット242の平板部242aとカラー250とを接続するように設けられている。平板部242aと揺動部材248とは、たとえば溶接によって接合されている。これにより、揺動部材248は軸部244aを中心としてブラケット242と一体的に上下方向に揺動できる。
図14(a)を参照して、カラー250と揺動部材248とは、たとえば溶接によって接合されている。カラー250は円筒形状を有し、アイブッシュ252はカラー250内に嵌め込まれている。アイブッシュ252は、アイブッシュ66の外筒66a、弾性部材66bおよび内筒66cと同様の外筒252a、弾性部材252bおよび内筒252cを有する。
アイブッシュ252の内筒252cには、連結ユニット130の軸部202aが挿入されている。これにより、図14(b)に矢印Fで示すように、揺動部材248が軸部202aを中心として上下方向に揺動可能になる。また、図14(b)に矢印Gで示すように、ブラケット200および台車14aが軸部202aを中心として上下方向に揺動可能になる。
図15は、連結ユニット54aおよび連結ユニット222の関係を示す図であり、図15(a)は、連結ユニット54aおよび連結ユニット222を示す平面図解図であり、図15(b)は、図15(a)のH−H線断面図である。
連結ユニット54aが図4の連結ユニット54と異なるのは、カラー76の代わりにカラー260が設けられている点、およびアイブッシュ78の代わりに球面軸受262が設けられている点である。したがって、カラー260および球面軸受262以外の連結ユニット54aの構成については説明を省略する。
図15を参照して、連結ユニット54aにおいては、支持部材72,74(図4参照)の上端部に支持されるように、円筒状のカラー260が設けられている。カラー260の左右方向における長さは、たとえば、カラー76(図4参照)の左右方向における長さよりも短く設定されている。支持部材72,74(図4参照)とカラー260とは、たとえば溶接によって接合されている。
カラー260内には、球面軸受262が設けられている。球面軸受262は、略円筒形状の外輪264および中空略球体状の内輪266を含む。外輪264は、カラー260に固定されている。外輪264は、その内周面において径方向に向かって凹む湾曲面264aを有する。内輪266の外周面は、湾曲面264aにおいて摺動可能に外輪264に支持されている。これにより、内輪266は、その中心を通りかつ前後方向に延びる仮想的な揺動軸Iを中心として上下方向に揺動可能となる。
連結ユニット222は、ブラケット268、連結部材270、固定板272および支持部材274を含む。図15(a)を参照して、ブラケット268は、左右方向に延びる平板部268aおよび平板部268aの両端部から前方に延びるアーム部268b,268cを有する。アーム部268b,268cは、それぞれ左右方向に貫通する貫通孔268d,268eを有する。アーム部268bの左側面には、中空円板状の補強部材276が固定され、アーム部268bの右側面には、中空円板状のスペーサ278が設けられている。アーム部268cの右側面には、中空円板状の補強部材280が固定され、アーム部268cの左側面には、中空円板状のスペーサ281が設けられている。
連結部材270は、連結部材216(図6(a)参照)と同様の構成を有し、軸部270aを有する。軸部270aは、補強部材276、アーム部268b(貫通孔268d)、スペーサ278、内輪266、スペーサ281、アーム部268c(貫通孔268e)、および補強部材280に挿通されている。これにより、連結ユニット54aの内輪266と連結ユニット222のブラケット268とが連結される。それにより、ブラケット268は、揺動軸Iを中心として上下方向に揺動可能となる。また、図15(b)に矢印Jで示すように、ブラケット268は、軸部270aを中心として上下方向に揺動可能となる。なお、軸部270aと軸部244a(図12参照)とは、左右に並ぶように同一軸線上に配置されている。固定板272については、固定板218(図6(a)参照)と略同一の形状を有するので説明を省略する。
支持部材274は、ブラケット268の平板部268aとフロントフレーム138の前端面138aとを接続するように設けられている。平板部268aと支持部材274とは、たとえば溶接によって接合されている。また、フロントフレーム138の前端面138aと支持部材274とは、たとえば溶接によって接合されている。これにより、台車14aが揺動軸I(図15(a)参照)を中心として上下方向に揺動可能となるとともに、矢印J(図15(b)参照)で示すように軸部270aを中心として上下方向に揺動可能となる。
3輪自転車10aにおいては、連結ユニット130および連結ユニット222が連結部として機能し、軸部234aおよび軸部238aが回動軸として機能する。
以下、3輪自転車10aの作用効果について説明する。
3輪自転車10aにおいては、台車14aが第1キャスタ128aおよび第2キャスタ128bを有するので、積載部224に多くの荷物が積まれた場合でも、積載部224を安定して支持することができる。
また、第1キャスタ128aが軸部234a周りに回動する際に、第1キャスタ128aが積載部224よりも左側に突出せず、かつ第2キャスタ128bが軸部238a周りに回動する際に、第2キャスタ128bが積載部224よりも右側に突出しない。それにより、路地等の道幅の狭い場所を通る場合でも、第1キャスタ128aおよび第2キャスタ128bが壁等に接触することを防止することができる。その結果、3輪自転車10aを円滑に走行させることができる。
また、第1キャスタ128aが軸部234a周りに回動する際に、第1キャスタ128aが積載部224よりも後方に突出せず、かつ第2キャスタ128bが軸部238a周りに回動する際に、第2キャスタ128bが積載部224よりも後方に突出しない。それにより、荷物を積み降ろす際に第1キャスタ128aおよび第2キャスタ128bが邪魔にならない。それにより、作業性を向上させることができる。また、荷物の落下を防止するために、積載部224の後端部にその下端を中心として後方に向かって開くような扉または柵等を設ける場合でも、その扉等が第1キャスタ128aおよび第2キャスタ128bに接触することを防止することができる。この場合、扉等を全開することができるので、荷物の積み降ろしが容易になる。
また、3輪自転車10aにおいては、台車14aは、揺動軸I周りに揺動可能になるように連結ユニット52、連結ユニット54a、連結ユニット130、連結ユニット220、および連結ユニット222によって自転車本体12のフレーム16に連結されている。より具体的には、台車14aは、揺動軸Iを中心として上下方向に揺動できるように、連結ユニット222を介して球面軸受262に支持されている。これにより、台車14aはフレーム16に対して揺動軸Iを中心としてローリングすることができる。したがって、第1キャスタ128aおよび第2キャスタ128bのいずれか一方が地面の凸部等に乗り上げた場合でも、フレーム16と台車14aとの間に大きなねじり応力が発生することを防止することができる。それにより、フレーム16の強度設計が容易になる。
また、揺動部材248は、軸部244aを中心として上下方向に揺動可能に設けられかつ軸部202aを中心として上下方向に揺動可能に設けられている。これによって、台車14aに設けられたブラケット200は、軸部244aから後方に離間した位置で軸部244aを中心として上下方向に揺動することができる。このような構成によって、台車14aが揺動軸Iを中心としてローリングする場合には、台車14aに設けられたブラケット200は、軸部244aを中心として上下方向に揺動することができる。それにより、台車14aがローリングする際に、軸部244aが上下方向に揺動することを防止することができる。その結果、台車14aのローリング動作が自転車本体12のフレーム16に伝達されることを防止することができるので、3輪自転車10aのより快適な走行が可能になる。
なお、台車の構成は上述の台車14,14aの構成に限定されない。図16は、台車のその他の例を示す図であり、図16(a)は台車14bを示す正面図であり、図16(b)は台車14bを示す左側面図である。以下では、台車14bにおいて台車14と異なる構成を有する部分についてのみ説明する。台車14bにおいて以下で説明していない部分の構成は、台車14と同じ構成である。なお、図16(a)においては、図面が煩雑になることを避けるために、キャスタ128を図示していない。
図16を参照して、台車14bは、スタンド部材282を備える。スタンド部材282は、左右に並んで配置される一対の脚部282a,282b、脚部282a,282bを接続するように左右方向に延びるクロスメンバ282c、および左右に並んで配置されかつ脚部282a,282bを支持する一対の補助キャスタ282d,282eを有する。
この実施形態では、補助キャスタ282d,282eが地面Gに接触している状態をスタンド部材282の接地状態といい、補助キャスタ282d,282eが地面Gに接触していない状態をスタンド部材282の非接地状態という。
補助キャスタ282dは、水平方向に回動可能に脚部282aの下端部に設けられ、補助キャスタ282eは、水平方向に回動可能に脚部282bの下端部に設けられている。
脚部282aの上端部は、支持軸284aを介してブラケット286aに揺動可能に支持され、脚部282bの上端部は、支持軸284bを介してブラケット286bに揺動可能に支持されている。ブラケット286aは、補強フレーム148(図16(b)参照)に固定され、ブラケット286bは、補強フレーム150(図6(a)参照)に固定されている。これにより、スタンド部材282は、支持軸284a,284bを中心として上下方向に揺動可能に積載部120に支持されている。
脚部282aとブラケット286aとを連結するように、ロック機構288が設けられている。ロック機構288は、たとえば、自転車のキックスタンドに用いられるロック機構と同様の構成を有し、スタンド部材282の揺動動作を規制することができる。なお、図16には、スタンド部材282の揺動動作が規制された状態、すなわちロック機構288によってスタンド部材282がロックされた状態が示されている。
台車14bを自転車本体12(図1参照)から切り離して用いる場合には、補助キャスタ282d,282eが地面Gに接触した状態(すなわち、スタンド部材282を接地状態に設定した状態)で、ロック機構288によってスタンド部材282をロックする。この場合、台車14bの積載部120がスタンド部材282およびキャスタ128によって支持されるので、配達人は、荷物を運搬する際に積載部120を容易に安定させることができる。それにより、配達人の負担を軽減することができる。
一方、図17を参照して、台車14bを自転車本体12(図1参照)に連結して用いる場合には、ロック機構288によるスタンド部材282のロックを解除して、補助キャスタ282dおよび補助キャスタ282e(図16(a)参照)が地面Gから離れるようにスタンド部材282を上方に回動させる。すなわち、スタンド部材282を非接地状態に設定する。なお、スタンド部材282はロック機構288のコイルばね288aによって前方斜め上方に引っ張られるので、スタンド部材282が上方に引き上げられた状態(図17に示す非接地状態)が維持される。これにより、3輪自転車の走行中に、補助キャスタ282d,282eが地面Gに接触することを防止できる。
図16(b)を参照して、キャスタ128の支持フレーム166(接続部172)の上端には、接続部材290が固定される。接続部材290は、接続部172に固定される円柱状のフランジ部292、およびフランジ部292の上面の中心部から上方に延びる軸部294を含む。軸部294は、ベアリングユニット176に回転可能に支持されている。これにより、支持フレーム166が軸部294を中心として水平方向に回動可能となり、キャスタ128が軸部294を中心として水平方向に回動可能となる。
図18は、台車14bの積載部120の後部を示す左側面図であり、図19は、台車14bのリアフレーム140の左右方向における中央部を示す背面図である。なお、図18および図19においては、図面が繁雑になることを避けるために、柵部122(図16参照)は図示していない。
図18を参照して、フランジ部292は、その外周面において開口する略円柱状の空洞部292aを有する。空洞部292aは、キャスタ128が最も後方に位置する場合(図16〜図18に示す状態の場合)に、後方に向かって開口しかつ前後方向に対して平行になるように形成されている。なお、図18(b)においては、フランジ部292のうちの空洞部292aの周辺部を断面で示している。
図16〜図19を参照して、補強フレーム158(図16〜図18参照)の左右方向における中央部とリアフレーム140の左右方向における中央部とを接続するように、前後方向に延びる補強フレーム296が設けられている。図19を参照して、補強フレーム296から下方に延びるように、一対の板状部材298a,298bが設けられている。板状部材298aは、補強フレーム296の左側面に固定され、板状部材298bは、補強フレーム296の右側面に固定されている。一対の板状部材298a,298bの下端部には、前後方向に延びるように円筒状の保持部材300が固定されている。
図18を参照して、保持部材300の後端部には、円環状のばね受け部材302が設けられている。なお、図19においては、図面が繁雑になることを避けるために、ばね受け部材302、後述するばね受け部材308(図18参照)および後述するコイルばね310(図18参照)は図示していない。
図18および図19を参照して、保持部材300およびばね受け部材302に略円柱形状の規制部材304が挿通されている。図18を参照して、規制部材304の前端部の直径は、空洞部292aの直径よりも小さい。規制部材304は、空洞部292aと等しい高さに設けられている。図18および図19を参照して、規制部材304の後端部には、右斜め下方に延びるように棒状の操作部材306が固定されている。
図18を参照して、規制部材304において操作部材306よりも前方には、円環状のばね受け部材308が設けられている。ばね受け部材302とばね受け部材308とによって支持されるように、コイルばね310が規制部材304に嵌められている。コイルばね310は、ばね受け部材308を介して規制部材304を後方に向かって付勢している。
図18および図19を参照して、積載部120の後端部において規制部材304よりも右側に、板状の案内部材312が設けられている。案内部材312は、リアフレーム140に対して略平行に延びる平行部312a(図19参照)、平行部312aの右端部から上方に向かって屈曲する鉤状部312b、および平行部312aの左端部から左斜め下方に延びる傾斜部312cを含む。平行部312aは、たとえばリアフレーム140に溶接され、鉤状部312bは、たとえば補強フレーム156に溶接されている。これにより、案内部材312が積載部120に固定されている。
図18を参照して、傾斜部312cは貫通孔314を有する。貫通孔314は、その一端部314aから右斜め前方に延びた後、他端部314bに向かって左方向に延びている。貫通孔314の他端部314bは、一端部314aよりも前方に位置しかつ後方に向かって屈曲している。
操作部材306は、案内部材312の貫通孔314に挿通されている。操作部材306は規制部材304に固定されているので、操作部材306を貫通孔314に沿って移動させることによって規制部材304を前後方向に移動させることができる。
上述したように、操作部材306はコイルばね310によって後方に向かって付勢されている。これにより、操作部材306は、貫通孔314の一端部314aまたは他端部314bにおいて案内部材312に係止される。すなわち、コイルばね310によって、操作部材306を貫通孔314の一端部314aまたは他端部314bに固定することができる。この結果、規制部材304の前後方向の移動を規制することができる。
図18(a)を参照して、たとえば、台車14bを自転車本体12(図1参照)から切り離して用いる場合には、規制部材304の前端部を接続部材290の空洞部292aに挿入するとともに、操作部材306を貫通孔314の他端部314bに固定する。これにより、操作部材306の後方への移動が規制され、規制部材304の前端部が空洞部292aから抜けることを防止できる。規制部材304の左右方向への揺動は、保持部材300によって規制されている。これにより、接続部材290の左右方向への揺動が規制部材304によって規制され、キャスタ128の左右方向への揺動が規制される。したがって、たとえば、キャスタ128側(リアフレーム140側)が進行方向前方になるように配達人が台車14bを押している場合でも、台車14bのキャスタ128側(リアフレーム140側)が左右に揺れることを防止できる。この結果、台車14bの進行方向が安定し、荷物の運搬が容易になる。
一方、図18(b)を参照して、台車14bを自転車本体12(図1参照)に連結して用いる場合には、規制部材304の前端部を空洞部292aから抜くとともに、操作部材306を貫通孔314の一端部314aに固定する。これにより、接続部材290の左右方向への揺動が可能になり、キャスタ128の左右方向への揺動が可能になる。これにより、台車14bは、上述の台車14と同様の作用効果を奏することができる。
以上のように、台車14bでは、キャスタ128だけではなく一対の補助キャスタ282d,282eによっても積載部120が支持されるので、配達人は、荷物を運搬する際に積載部120を容易に安定させることができる。また、規制部材304によってキャスタ128の左右方向への揺動を規制することができるので、配達人は、台車14bの進行方向を容易に安定させることができる。これらの結果、配達人の負担を十分に軽減できる。
なお、台車14a(図13参照)においてスタンド部材126の代わりにスタンド部材282を設けてもよい。また、台車14aにおいて、上述の規制部材304(図18参照)等と同様の構成要素をさらに設け、第1キャスタ128aおよび第2キャスタ128bの左右方向への揺動を規制してもよい。
また、台車14(図6参照)および台車14a(図13参照)において、スタンド部材126にロック機構288(図16参照)を設けてもよい。
図20は、台車のさらにその他の例を示す左側面図であり、図21は、図20の台車14cを示す正面図である。図20および図21においては、後述するスタンド部材322によって積載部120の前端部が支持されている状態の台車14cを示している。なお、自転車本体12(図1参照)と台車14cとの位置関係を明確にするために、図20には、自転車本体12(図1参照)の後輪支持ユニット30、左後輪108および右後輪114を二点鎖線で示し、図21(b)には、後輪支持ユニット30を二点鎖線で示している。また、台車14cの構造を理解し易くするために、図21(b)においては、台車14cの一部の構成(後述する回動部材322の一部、軸部材320、取付部材334および規制部材346)を省略している。
図20および図21を参照して、台車14cが図6の台車14と異なるのは、サイドフレーム134の前端部に設けられるロック機構316を有する点、サイドフレーム136(図21参照)の前端部に設けられるブラケット318(図21参照)を有する点、ロック機構316とブラケット318とを連結する軸部材320(図20および図21(a)参照)を有する点、スタンド部材126の代わりにスタンド部材322を有する点、スタンド部材322とキャスタ128との間に設けられるロック機構324(図20および図21(a)参照)を有する点、および連結ユニット130,132(図6(a)参照)の代わりに連結部326,327(図21参照)が設けられている点である。したがって、これらの構成以外の台車14cの構成については説明を省略する。
この実施形態では、スタンド部材322の後述する補助キャスタ330a,330bが地面に接触している状態をスタンド部材322の接地状態といい、補助キャスタ330a,330bが地面に接触していない状態をスタンド部材322の非接地状態という。
図20および図21を参照して、サイドフレーム134の前端部から下方に突出するようにロック機構316が設けられ、サイドフレーム136(図21参照)の前端部から下方に突出するようにブラケット318(図21参照)が設けられている。積載部120の下方においてロック機構316とブラケット318とを連結するように、左右方向に延びる円柱状の軸部材320が設けられている。軸部材320の一端部(この実施形態では左端部)は、ロック機構316の後述するブラケット336に支持され、軸部材320の他端部(この実施形態では右端部)は、ブラケット318に支持されている。図20を参照して、軸部材320の上下方向における位置は、後輪支持ユニット30の支持チューブ34bの上下方向における位置と略等しい。積載部120の前端部を支持するように、積載部120の下方にスタンド部材322が設けられている。
図22は、ロック機構316およびスタンド部材322の左端部を示す拡大図であり、(a)は正面図であり、(b)は左側面図である。図21および図22を参照して、スタンド部材322は、左右に並んで配置される略角筒状の一対の脚部328a,328b、左右に並んで配置されかつ脚部328a,328bの下端部を支持する一対の補助キャスタ330a,330b、左右方向に延びかつ脚部328a,328bの上端部に接続される円筒状の回動部材332、および回動部材332の左右方向における中央部から後方(側面視において脚部328a,328bに対して略垂直な方向)に突出する側面視略三角形状の取付部材334(図21(a)および図22(b)参照)を含む。
補助キャスタ330aは、水平方向に回動可能に脚部328aの下端部に取り付けられ、補助キャスタ330bは、水平方向に回動可能に脚部328bの下端部に取り付けられている。軸部材320に対して回動部材332が回動できるように、回動部材332に軸部材320が挿通されている。脚部328a,328bおよび取付部材334は、たとえば溶接によって回動部材332に固定されている。これにより、脚部328a,328b、補助キャスタ330a,330bおよび取付部材334は、軸部材320を中心として回動部材332と一体的に回動できる。言い換えると、スタンド部材322は、軸部材320およびブラケット318,336を介して上下方向に揺動可能に積載部120に支持されている。
図21を参照して、連結部326は、回動部材332の一端部(この実施形態では左端部)から上方(回動部材332の径方向において脚部328aとは反対の方向)に延びるように設けられ、連結部327は、回動部材332の他端部(この実施形態では右端部)から上方(回動部材332の径方向において脚部328bとは反対の方向)に延びるように設けられている。図22を参照して、連結部326は、その上端部に鉤状部326aを有している。後述する図25に示すように、鉤状部326aは、後輪支持ユニット30の支持チューブ34bに係止可能な形状を有している。同様に、図21を参照して、連結部327は、その上端部に鉤状部327aを有している。鉤状部327aは、鉤状部326aと同様の形状を有している。連結部326,327は、たとえば溶接によって回動部材332に固定されている。したがって、連結部326,327は、軸部材320を中心として回動部材332(スタンド部材322)と一体的に回動できる。
図23は、ロック機構316の構成要素を示す図である。図22および図23を参照して、ロック機構316は、ブラケット336、ロック部材338および操作部材340を含む。
図22および図23(a)を参照して、ブラケット336は、板状部336a、板状部336aの左側面に設けられる略L字状の係止部336b、および板状部336aの右側面に設けられる直方体状の係止部336cを含む。
図23(a)を参照して、板状部336aの略中央部には、左右方向に貫通する孔336dが形成されている。軸部材320(図22参照)の一端部(この実施形態においては左端部)は、孔336dにおいて板状部336aに支持されている。なお、ブラケット318(図21参照)にも孔336dと同様の孔が形成されており、軸部材320の他端部(この実施形態においては右端部)は、その孔においてブラケット318に支持されている。軸部材320(図22参照)は、たとえば、図示しない締結具(ボルト等)によってブラケット318およびブラケット336(板状部336a)に固定されてもよく、ブラケット318,336に溶接されてもよい。
図22および図23(a)を参照して、板状部336aの前縁には、後方に向かって凹む凹部336eが形成されている。凹部336eの上下方向における位置は、貫通孔336d(図23(a)参照)の上下方向における位置と略等しい。なお、図21(a)を参照して、ブラケット318にも、凹部336eと同様の凹部318aが形成されている。図23を参照して、板状部336aにおいて孔336dの後方斜め下方には、円弧状に湾曲しかつ左右方向に貫通する孔336fが形成されている。
図22を参照して、略L字状の係止部336bは、板状部336aの後端部から操作部材340よりも左側まで延びた後、上方に向かって屈曲している。係止部336bの上下方向における位置は、孔336d(図23(a)参照)の上下方向における位置と略等しい。係止部336cは、孔336d(図23(a)参照)の前方斜め下方において、板状部336aから右方向に突出するように設けられている。図22(a)を参照して、係止部336cは、軸部材320を中心とする脚部328aの回転軌道(図示せず)上に位置している。したがって、脚部328aの前方への揺動は、係止部336cによって規制されている。
図21を参照して、ブラケット318は、係止部336cと同様の係止部318bを有している。係止部318bは、軸部材320を中心とする脚部328bの回転軌道(図示せず)上に位置している。したがって、脚部328bの前方への揺動は、係止部318bによって規制されている。このように、台車14cでは、ブラケット336の係止部336cおよびブラケット318の係止部318bによって脚部328a,328bを係止することによって、スタンド部材322の前方への揺動を規制することができる。なお、ブラケット318は、係止部336b(図23(a)参照)および孔336f(図23(a)参照)に対応する係止部および孔が設けられない点を除いて、ブラケット336(図23(a)参照)の左右対称となる構成を有している。
図22および図23(b)を参照して、ロック部材338は、長尺状の変形部材338aおよび側面視円弧状の係止部材338bを含む。変形部材338aは、たとえば弾性変形可能な材料によって構成される。変形部材338aとしては、たとえば、板ばねを用いることができる。変形部材338aの上端部は、たとえばピンまたはネジ等の締結具342(図22(b)参照)によって板状部336aに固定されている。これにより、変形部材338aが板状部336aの左側面に取り付けられている。なお、図面が煩雑になることを避けるために、図22(a)には締結具342ならびに後述の締結具338cおよび支持部材344は図示していない。
図22(b)および図23(b)を参照して、係止部材338bは、たとえばピンまたはネジ等の締結具338cによって変形部材338aの右側面に固定されている。図22(b)および図23(a),(b)を参照して、側面視において、係止部材338bの外形は孔336fの外形と略等しくかつ僅かに小さい。図22(b)を参照して、係止部材338bは孔336fに嵌め込まれている。
図22(a)を参照して、係止部材338bの左右方向における厚みは、板状部336aの厚みよりも大きい。これにより、係止部材338bの右端部は、板状部336aの右側面よりも右側に突出し、軸部材320を中心とする脚部328aの回転軌道(図示せず)上に位置している。図22(b)を参照して、脚部328aが上下方向に対して平行な場合には、係止部材338bは脚部328aの後方に位置している。したがって、脚部328aの後方への揺動は、係止部材338bによって規制されている。これにより、スタンド部材322の後方への揺動が規制されている。なお、上述したように、スタンド部材322の前方への揺動は、係止部336cおよび係止部318b(図21参照)によって規制されている。したがって、台車14cにおいては、係止部336c,338bによって脚部328aを係止するとともに係止部318b(図21参照)によって脚部328b(図21参照)を係止することによって、スタンド部材322の揺動を規制することができる。すなわち、ロック機構316によってスタンド部材322をロックすることができる。
図22および図23(c)を参照して、操作部材340は、長尺状の本体部340aおよび本体部340aから本体部340aの幅方向に突出する突出部340bを含む。本体部340aの長手方向における略中央部において右側面には、凹部340cが形成されている。図22を参照して、ロック部材338の変形部材338aが凹部340cを通るように、ブラケット336の左側面に操作部材340が設けられている。図22(b)を参照して、操作部材340の本体部340aの下端部は、ピン等の支持部材344を介してブラケット336に回動可能に支持されている。側面視において操作部材340の突出部340bは、本体部340aの上端部が係止部336bに係止されている場合に係止部材338bと重なる。この場合、突出部340bによって係止部338bの左方向への移動が規制されるので、係止部材338bの右端部が板状部336aから右側に突出した状態が維持される。これにより、係止部338bによって脚部328aの揺動が規制された状態が維持される。すなわち、ロック機構316によってスタンド部材322がロックされた状態が維持される。ロック機構316の詳細な機能については後述する。
図20を参照して、ロック機構324は、棒状の規制部材346、板状の保持部材348および板状の係止部材350を含む。図21(a)および図22(b)を参照して、規制部材346の一端部(この実施形態では前端部)は、スタンド部材322の支持部材344に揺動可能に支持されている。図20および図21(a)を参照して、保持部材348は、積載部120から下方に延びるように設けられている。より具体的には、保持部材348の上端部は、たとえば溶接によって補強フレーム152(図6(a)参照)に固定されている。保持部材348は、前後方向に貫通する円形の孔348aを有している。規制部材346の他端部(この実施形態では後端部)は、孔348aに挿通されている。これにより、規制部材346の後端部が摺動可能に保持部材348に支持されている。
図20および図21(b)を参照して、係止部材350は、キャスタ128の車輪支持部170の前端部から上方に延びるように設けられている。係止部材350は、たとえば溶接によって車輪支持部170に固定されている。図21(b)を参照して、係止部材350は、その上端部に、下方に向かって凹みかつ規制部材346(図20参照)の他端部(この実施形態では後端部)が挿通可能な凹部350aを有している。
以上のような構成を有する台車14cでは、連結部326,327の鉤状部326a,327bを後輪支持ユニット30の支持チューブ34bに引っ掛けることによって、台車14cと自転車本体12(図1参照)とを連結することができる。したがって、台車14cを備えた3輪自転車においては、連結ユニット52,54(図2参照)を設ける必要がない。そのため、たとえば、溶接によって一対のチェーンステイ26(図2参照)を直接的に後輪支持ユニット30に接続してもよく、把持部材56,58(図5参照)と同様の部材を介して一対のチェーンステイ26を後輪支持ユニット30に接続してもよい。以下、台車14cと自転車本体12(図1参照)との連結方法および切り離し方法について図面を用いて詳細に説明する。
図24および図25は、台車14cを自転車本体12(図1)に連結する際のロック機構316およびスタンド部材322の状態を示す側面図である。図24において、(a)はロック機構316によるスタンド部材322のロックを解除する際の状態を示す図であり、(b)はスタンド部材322のロックが解除された状態を示す図である。図25は、台車14cが自転車本体12に連結されたときのロック機構316およびスタンド部材322の状態を示す図である。図26は、図24(a)のK−K線端面図であり、(a)は変形部材338aが変形していないときのロック機構316の状態を示す図であり、(b)は変形部材338aが変形したときのロック機構316の状態を示す図である。
図20を参照して、台車14cを自転車本体12(図1)に連結する際には、まず、スタンド部材322が接地状態に設定されている状態で、後輪支持ユニット30の支持チューブ34bがブラケット336の凹部336eおよびブラケット318(図21参照)の凹部318a(図21(a)参照)に嵌るように、台車14cを自転車本体12の後方に配置する。
次に、図22(b)および図24(a)を参照して、矢印L(図22(b)参照)で示すように操作部材340を前方に回動させる。具体的には、図24(a)に示すように、側面視において突出部340bが係止部材338bに重ならない位置に移動するまで、操作部材340を回動させる。このとき、図26(a)に示すように、ロック部材338の係止部材338bは、脚部328aの回転軌道上に位置しているので、脚部328aの後方への回動は係止部材338bによって規制されている。すなわち、ロック機構316によってスタンド部材322(図24参照)がロックされた状態が維持されている。
次に、図26(b)を参照して、ロック部材338の変形部材338aの下端部を左方向に引っ張ることによって、係止部材338bを左方向に移動させる。具体的には、係止部材338bが脚部328aの回転軌道上から外れる位置まで移動するように、変形部材338aを左方向に引っ張る。これにより、脚部328aの後方への回動が可能になる。すなわち、ロック機構316によるスタンド部材322のロックが解除される。
次に、図24(b)および図25を参照して、矢印M(図24(b)参照)で示すようにスタンド部材322を後方に回動させる。具体的には、図25を参照して、連結部326の鉤状部326aおよび連結部327(図21参照)の鉤状部327a(図21参照)が支持チューブ34bに引っ掛かる位置までスタンド部材322を回動させる。これにより、連結部326,327を介して後輪支持ユニット30(図20参照)と台車14cとが連結される。すなわち、自転車本体12(図1参照)と台車14cとが連結される。また、スタンド部材322が非接地状態に設定される。なお、この実施形態では、連結部326,327の鉤状部326a,327aは、支持チューブ34bの外周面に対してその周方向に摺動可能な形状を有している。したがって、台車14cは、上述の台車14(図1参照)と同様に、後輪支持ユニット30に対して上下方向に揺動可能に後輪支持ユニット30に連結される。また、この実施形態では、鉤状部326a,327aはそれぞれ、支持チューブ34bを前方および後方から挟むように支持チューブ34bに接続される。これにより、連結部326,327が支持チューブ34bとの接続部(鉤状部326a,327a)を中心として左右方向に揺動することが防止される。したがって、台車14cは、上述の台車14(図1参照)と同様に、後輪支持ユニット30に対して左右方向に揺動できないように後輪支持ユニット30に連結される。
図25を参照して、後輪支持ユニット30と台車14cとが連結されている状態(連結部326,327が支持チューブ34bに引っ掛かっている状態)においては、脚部328aは係止部材338bよりも上方に位置している。この状態で、図26(a)に示すように、ロック部材338の変形部材338aを元の状態に戻す。これにより、係止部材338bが再び脚部328aの回転軌道上に位置し、脚部328aの下方への回動が係止部材338bによって規制される。すなわち、ロック機構316によってスタンド部材322がロックされる。これにより、補助キャスタ330a,330bを地面から離した状態(すなわち、非接地状態)でスタンド部材322を保持することができる。
最後に、図25および図27を参照して、矢印N(図25参照)で示すように操作部材340を後方に回動させ、操作部材340の上端部を係止部336bに係止させる。これにより、図27に示すように、突出部340bが係止部材338bの左側に移動し、係止部材338bの左方向への移動が規制される。すなわち、ロック機構316のロック解除が防止される。なお、台車14cを自転車本体12(図1参照)から切り離す際には、上記と反対の動作を行うことによって、スタンド部材322を図27に示す状態から図20に示す状態に移行させればよい。
ここで、上述したように、台車14cにおいては、規制部材346の前端部は取付部材334に揺動可能に支持されている。このため、図24および図25に示すように、スタンド部材322が回動する際には、規制部材346の前端部は、取付部材334とともに、軸部材320を中心とする円軌道を描くように移動する。それにより、規制部材346が前後方向に移動する。
この実施形態では、図20および図27に示すように、脚部328a,328bが上下方向に対して平行な場合(図20参照)に規制部材346の後端部を係止部材350の凹部350a(図21(b)参照)に挿通でき、かつ脚部328a,328bが前後方向に対して平行な場合(図27参照)には規制部材346の後端が保持部材348と係止部材350との間に位置するように、ロック機構324が構成されている。
したがって、たとえば台車14cを自転車本体12(図1参照)から切り離して用いる場合には、図20に示すように、規制部材346の後端部を係止部材350の凹部350a(図21(b)参照)に挿通しつつスタンド部材322によって積載部120の前端部を支持することができる。この場合、規制部材346によって係止部材350の左右方向の揺動が規制されるので、キャスタ128の左右方向の揺動が規制される。これにより、たとえば、キャスタ128側が進行方向前方になるように配達人が台車14cを押している場合でも、台車14cのキャスタ128側が左右に揺れることを防止できる。この結果、台車14cの進行方向が安定し、荷物の運搬が容易になる。
一方、台車14cを自転車本体12(図1参照)に連結して用いる場合には、図27に示すように、規制部材346の後端部が係止部材350の凹部350a(図21(b)参照)から引き抜かれる。これにより、係止部材350の左右方向への揺動が可能になり、キャスタ128の左右方向への揺動が可能になる。これにより、台車14cは、上述の台車14と同様の作用効果を奏することができる。
以上のように、台車14cにおいては、スタンド部材322を回動させることによって、自転車本体12(図1参照)と台車14cとの切り離しおよびキャスタ128の固定を同時に行うことができる。また、スタンド部材322を回動させることによって、自転車本体12と台車14cとの連結およびキャスタ128の固定解除を同時に行うことができる。これらの結果、配達員の作業効率を十分に向上させることができる。
なお、上述の台車14aにおいてスタンド部材126の代わりにスタンド部材322と同様のスタンド部材を設けてもよい。この場合、スタンド部材と第1キャスタ128aと間およびスタンド部材と第2キャスタ128bとの間にそれぞれ上述のロック機構324と同様のロック機構が設けられる。
また、上述の実施形態では、前輪86、左後輪108および右後輪114を備えた自転車本体12に台車14,14a,14b,14cを連結する場合について説明したが、4輪以上の車輪を備えた自転車本体に台車14,14a,14b,14cを連結してもよい。
また、上述の実施形態では、駆動ユニット94によってクランク96の回転を補助する場合について説明したが、駆動ユニット94を持たず、クランク96へ入力される人力のみで走行する車両であってもよい。
また、上述の実施形態では、後輪支持ユニット30がチェーンステイ26に対して固定される場合について説明したが、後輪支持ユニットがチェーンステイに対してローリング可能な構成であってもよい。
また、上述の実施形態では、積載部120の前端が、左後輪108および右後輪114の後端よりも前方でかつ前端よりも後方に位置しているが、積載部の前端が左後輪108および右後輪114よりも前方に位置してもよい。
図28は、チェーンステイ352に対してローリング可能な後輪支持ユニット30aを備えかつ台車14dの積載部374の前端374aが左後輪108および右後輪114の前端よりも前方に位置する3輪自転車10bを示す側面図である。
図28を参照して、3輪自転車10bは、自転車本体12aおよび荷物運搬用台車14d(以下、台車14dと略記する。)を含む。
図29は、自転車本体12aの後部を示す平面図である。図28および図29を参照して、自転車本体12aが上述の自転車本体12と異なるのは、一対のチェーンステイ26(図1および図2参照)の代わりに1本のチェーンステイ352が設けられている点、一対のシートステイ28(図1参照)の代わりに1本のシートステイ354が設けられている点、後輪支持ユニット30(図1参照)の代わりに後輪支持ユニット30aが設けられている点、およびチェーン104と左後輪108とが伝達機構T(図29参照)を介して連結されている点である。これらの点を除く自転車本体12aの構成は上述の自転車本体12と同様であるので説明は省略する。なお、チェーンステイ352およびシートステイ354としては、公知の種々の3輪自転車に用いられているチェーンステイおよびシートステイを利用できるので、チェーンステイ352およびシートステイ354の詳細な説明は省略する。
図29を参照して、伝達機構Tは、回転シャフト356およびチェーン358を含む。チェーン104は、回転シャフト356の右端部に連結される。チェーン358は、回転シャフト356の左端部と左後輪108とを連結する。このような構成によって、伝達機構Tを介してチェーン104から左後輪108に回転が伝達される。なお、伝達機構Tとしては、公知の種々の3輪自転車に用いられている伝達機構を利用できるので、伝達機構Tの詳細な説明は省略する。
後輪支持ユニット30aは、車軸110を介して左後輪108を回転可能に支持するためのブラケット360,362、車軸116を介して右後輪114を回転可能に支持するためのブラケット364,366、ブラケット360とブラケット364とを連結する支持チューブ368、および支持チューブ368に取り付けられる一対の連結ユニット370,372を含む。後輪支持ユニット30aは、チェーンステイ352を中心としてローリングできるように、チェーンステイ352に接続されている。なお、ブラケット360,362,364,366、支持チューブ368、および連結ユニット370,372以外の後輪支持ユニット30aの構成としては、公知のローリングタイプの後輪支持ユニットの構成を利用できるので、後輪支持ユニット30aの詳細な説明は省略する。
連結ユニット370は、平面視略U字形状のブラケット370aおよび左右方向に延びる円筒状のカラー370bを有する。ブラケット370aの両端部は、左右方向に拡がるように斜め後方に向かって延びている。カラー370bは、ボルト370cおよびナット370dを介してブラケット370aに支持されている。
連結ユニット372は、連結ユニット370の左右対称となる構成を有し、ブラケット370aおよびカラー370bと同様のブラケット372aおよびカラー372bを有する。カラー372bは、ボルト372cおよびナット372dを介してブラケット372aに支持されている。
図30および図31は、台車14dを示す側面図であり、図32は、台車14dを示す正面図であり、図33は、台車14dを示す平面図である。なお、図30は、後述するスタンド部材382が接地状態に設定されている場合の台車14dを示す図であり、図31および図32は、スタンド部材382が非接地状態に設定されている場合の台車14dを示す図である。この実施形態において、スタンド部材382の接地状態とは、スタンド部材382の後述する補助輪428,430が地面に接触している状態をいい、スタンド部材382の非接地状態とは、補助輪428,430が地面に接触していない状態をいう。なお、図32および図33においては、図面が煩雑になることを避けるために、後述するレバー420の図示を省略している。また、図33においては、図面が煩雑になることを避けるために、後述するロック機構380およびスタンド部材382の図示を省略している。
図30〜図32を参照して、台車14dは、積載部374、積載部374から上方に延びるように設けられる柵部376、積載部374の後部に設けられる一対のキャスタ378、積載部374の略中央部に設けられるロック機構380、およびロック機構380を介して積載部374に連結されるスタンド部材382を含む。
図30および図32を参照して、積載部374は、左右に並んで配置されかつ前後方向に延びる一対のサイドフレーム384、および一対のサイドフレーム384を連結するように左右方向に延びるクロスメンバ386,388,390,392を有する。
図30、図32および図33を参照して、クロスメンバ386とクロスメンバ388(図30および図33参照)との間において各サイドフレーム384に、前後方向に延びかつ積載部374よりも下方に突出するブラケット394が設けられている。各ブラケット394は、たとえば、サイドフレーム384の内側の側面に溶接されている。
図30および図33を参照して、クロスメンバ388の中央部から後方斜め下方に延びるようにブラケット395が設けられている。ブラケット395は、たとえば、クロスメンバ388に溶接されている。ブラケット395は、後述するワイヤ470を支持している。
図33を参照して、クロスメンバ390の両端部とクロスメンバ392(図30参照)の両端部とを連結するように、一対の板状部材396が設けられている。各板状部材396は、たとえば、サイドフレーム384およびクロスメンバ390,392に溶接されている。各板状部材396には、ベアリングユニット398が取り付けられている。ベアリングユニット398としては、公知の種々のベアリングユニットを用いることができるので、ベアリングユニット398の詳細な説明は省略する。ベアリングユニット398は、たとえば、上述のベアリングユニット176(図6参照)と同様に構成される。
図30を参照して、各キャスタ378は、車輪400および車輪400を回転可能に支持する支持フレーム402を含む。支持フレーム部402は、その上端部に、上下方向に延びる軸部402aを有する。軸部402aは、ベアリングユニット398(図33参照)に回転可能に支持されている。これにより、キャスタ378が積載部374に対して軸部402aを中心として回動可能となる。
図30、図32および図33を参照して、柵部376は、一対のサイドフレーム384(図30および図32参照)の前端部に接続されかつ上方に延びる一対の第1ハンドルフレーム404、一対の第1ハンドルフレーム404を連結するクロスメンバ406,408(図30および図32参照)、一対のサイドフレーム384(図30および図32参照)の後端部に接続されかつ上方に延びる正面視逆U字状の第2ハンドルフレーム410、第2ハンドルフレーム410の上部において左右方向に延びるように設けられるクロスメンバ412、およびクロスメンバ412とクロスメンバ392(図30参照)とを連結する一対の縦フレーム414(図32参照)を含む。図30および図33を参照して、柵部376はさらに、一対の第1ハンドルフレーム404と第2ハンドルフレーム410とを連結する一対のサイドフレーム416、および一対のサイドフレーム416と一対のサイドフレーム384(図30参照)とを連結する複数(この実施形態では4本:図30では2本のみ図示)の縦フレーム418(図30参照)を有する。図30を参照して、第2ハンドルフレーム410の上端部には、レバー420が設けられる。
図34は、スタンド部材382を示す斜視図である。
図34を参照して、スタンド部材382は、左右に並んで配置される一対の脚部422,424、脚部422,424を連結するように左右方向に延びるクロスメンバ426、左右に並んで配置されかつ脚部422,424に回転可能に支持される一対の補助輪428,430、および脚部422に接続されかつ脚部422,424に対して略平行な方向に向かって腕状に延びるハンドル部432を含む。なお、補助輪428,430の直径は、キャスタ378の車輪400の直径よりも小さい。
脚部422は、角管状の本体部422a、本体部422aの上端部に接続される略U字状のブラケット部422b、本体部422aから前方に突出する鉤状部422c、および本体部422の下端部に接続される略逆U字状の車輪支持部422dを含む。鉤状部422cは、略L字状の板状部434および板状部434を左右方向に貫通する中空円筒状の支持部436を含む。板状部434の上端部には、切り欠き状に形成される係止部434aが設けられ、鉤状部422cの下端部には、前方に向かって延びる係止部434bが設けられる。脚部424は、脚部422と同様の構成を有し、本体部424a、ブラケット部424b、鉤状部424cおよび車輪支持部424dを含む。
車輪支持部422dには、補助輪428を制動するためのブレーキユニット438が設けられ、車輪支持部424dには、補助輪430を制動するためのブレーキユニット440が設けられている。ブレーキユニット438,440は、ワイヤ442,444を介してレバー420(図30参照)に連結されている。ブレーキユニット438,440は、レバー420が操作されることによって作動され、補助輪428,430を制動する。
ハンドル部432の上端部には、レバー446が設けられている。レバー446については、後述する。
図30および図32を参照して、ロック機構380は、第1ユニット448、一対の第2ユニット450,452(図32参照)、および一対の付勢部材454,456(図32参照)を含む。第1ユニット448は、一対のブラケット394を連結するように設けられている。図30を参照して、第2ユニット450は、図示しない締結部材(たとえば、ボルトおよびナット等)によって一方(この実施形態では左側)のブラケット394に固定され、第2ユニット452は、図示しない締結部材(たとえば、ボルトおよびナット等)によって他方(この実施形態では右側)のブラケット394に固定されている。第2ユニット450と第2ユニット452とは、左右対称となる構成を有する。付勢部材454は、第1ユニット448と第2ユニット450とを連結するように設けられ、付勢部材456は、第1ユニット448と第2ユニット452とを連結するように設けられている。この実施形態では、付勢部材454,456としてコイルばねが用いられている。以下、第1ユニット448および第2ユニット450について詳細に説明する。なお、上述したように、第2ユニット452は第2ユニット450の左右対称となる構成を有するので、第2ユニット452の詳細な説明は省略する。
図35は、第1ユニット448および第2ユニット450を示す左側面図であり、図36は、第1ユニット448および第2ユニット450を示す右側面断面図である。なお、図36は、図32のY−Y線断面図である。
図32、図35および図36を参照して、第1ユニット448は、左右方向に延びる円筒状の軸部材458、軸部材458の中央部に固定される係止部材460、軸部材458の両端部に固定される一対の板状のロック部材462,464(図32参照)、および一対のロック部材462,464よりもやや内側(係止部材460側)において軸部材458に固定される一対の係止部材466,468(図32参照)を含む。
付勢部材454の一端部は、係止部材466に係止され、付勢部材456の一端部は、係止部材468に係止されている。付勢部材454の他端部は、後述する係止部484に係止され、付勢部材456の他端部は、後述する係止部486(図32参照)に係止されている。これにより、係止部材466,468が付勢部材454,456によって前方斜め上方に向かって付勢されている。
図35および図36を参照して、係止部材460には、ワイヤ470の一端部が係止されている。ワイヤ470の他端部は、レバー446(図34参照)に接続されている。これにより、ロック機構380の第1ユニット448とレバー446とがワイヤ470を介して連結されている。
図32、図35および図36を参照して、ロック部材462の上端部は、支持部材472を介して一方(この実施形態では左側)のブラケット394の後端部に回動可能に支持されている。図32を参照して、同様に、ロック部材464の上端部は、支持部材474を介して他方(この実施形態では右側)のブラケット394の後端部に回動可能に支持されている。この実施形態では、支持部材472,474は、円筒状のカラー、カラーに挿通されるボルトおよびボルトを固定するナットを含む。
図35および図36を参照して、この実施形態では、レバー446(図34参照)が操作されることによって、係止部材460が後方に引っ張られる。これにより、第1ユニット448が、支持部材472,474を中心として後方に向かって回動する。上述したように、第1ユニット448の係止部材466,468は、付勢部材454,456によって前方斜め上方に向かって付勢されている。したがって、レバー446の操作が解除されると、第1ユニット448は、支持部材472,474を中心として前方に向かって回動する。すなわち、この実施形態では、第1ユニット448は、レバー446の操作に応じて、支持部材472,474を中心として前後方向に揺動する。
図35および図36を参照して、ロック部材462は、ロック部材462の略中央部から下方に向かって(支持部材472とは反対方向に向かって)延びる孔部476を有する。孔部476の一端部476a(支持部材472側の端部)および他端部476bは、後方に向かって屈曲している。孔部476内に、円筒状の摺動部材478が摺動可能に挿通される。摺動部材478は、支持部材480を介してスタンド部材382のブラケット部422b(図34参照)に支持されている。これにより、スタンド部材382とロック部材462とが連結されている。この実施形態では、支持部材480は、摺動部材478に挿通されるボルトおよびボルトをブラケット部422bに固定するナットを含む。なお、図面が煩雑になることを避けるために、図32においては、摺動部材478および支持部材480の図示を省略している。
詳細な説明は省略するが、ロック部材464(図32参照)はロック部材462の左右対称となる構成を有し、孔部476(図35参照)と同様の孔部(図示せず)を有する。図34を参照して、スタンド部材382のブラケット部424bは、上述の摺動部材478および支持部材480と同様の摺動部材(図示せず)および支持部材(図示せず)を介してロック部材464(図32参照)に連結されている。これにより、スタンド部材382とロック部材464とが連結されている。
図37は、第2ユニット450を示す正面図であり、図38は、第2ユニット450を示す底面図である。
図35〜図38を参照して、第2ユニット450は、正面視逆U字形状のブラケット部482を含む。図37を参照して、ブラケット部482は、上下方向に延びる側壁部482a,482bおよび側壁部482aと側壁部482bとを連結する天井部482cを有する。この実施形態では、天井部482cがブラケット394(図35参照)に固定されている。
図35を参照して、側壁部482aは、その前縁に、後方に向かって凹む凹部482dを有する。凹部482dの先端部(後端部)は、側面視略円形状に湾曲している。図36を参照して、側壁部482bは、その前縁に、後方に向かって凹む凹部482eを有する。凹部482eの先端部(後端部)は、側面視略円形状に湾曲している。凹部482dおよび凹部482eは、左右方向において互いに対応する位置に設けられている。
図35を参照して、側壁部482aは、その後部に孔部482fを有する。孔部482fは、左右方向に貫通しかつ斜め上方に向かって下から上に延びている。側壁部482aから側方(この実施形態では左方向)に突出しかつ孔部482fの後縁に沿って上下方向に延びるように、板状部483が設けられている。上下方向における板状部483の上端の位置は、上下方向における孔部482fの中央部の位置と略等しい。
図36および図37を参照して、側壁部482bの上部から側方(この実施形態では右方向)に延びるように略円柱状の係止部484が設けられている。上述したように、係止部484には、付勢部材454の他端部が係止されている。詳細な説明は省略するが、図32を参照して、第2ユニット452も、ブラケット部482と同様のブラケット部485および係止部484と同様の係止部486を有し、係止部486に付勢部材456の他端部が係止されている。
図35〜図38を参照して、ブラケット部482の略中央部において、側壁部482aと側壁部482bとを連結するように、略円柱状の軸部材488が設けられている。ブラケット部482の内側において軸部材488の両端部に、一対の板状の揺動部材490が揺動可能に取り付けられている。図35および図36を参照して、各揺動部材490は、その後端部に左右方向に貫通する孔部490aを有する。孔部490aについては後述する。
軸部材488の上方においてブラケット部482に一対の付勢部材492が取り付けられる。具体的には、軸部材488の上方において側壁部482a,482bにそれぞれ付勢部材492の一端部が係止されている。各付勢部材492の他端部は、揺動部材490の後端部に係止されている。これにより、一対の揺動部材490の後端部が一対の付勢部材492によって前方斜め上方に付勢されている。すなわち、図35を参照して、一対の付勢部材492は、左側から見た場合に一対の揺動部材490が軸部材488を中心として反時計回りに回動するように、一対の揺動部材490を付勢している。
図35〜図38を参照して、一対の揺動部材490の間において軸部材488に、揺動部材494が揺動可能に取り付けられている。揺動部材494は、軸部材488に揺動可能に支持される一対の板状のアーム部496、一対のアーム部496の後端部を連結するように左右方向に延びる板状の係止部498、係止部498から後方に突出する直方体状の突出部500(図35、図36および図38参照)、および突出部500の後端面の上端部に設けられかつ左右方向に延びる円柱状の報知部502を含む。図35および図38を参照して、報知部502の一端部(この実施形態では左端部)は、孔部482fを通って側壁部482aよりも側方(この実施形態では左側)に突出している。
図35および図36を参照して、各アーム部496は、左右方向に貫通する孔部496aを有する。一対の揺動部材490の孔部490aおよび一対のアーム部496の孔部496aに挿通されかつ側壁部482aと側壁部482bとを連結するように、規制部材504が設けられている。この実施形態では、規制部材504はピンからなる。なお、図35および図36に示す状態においては、規制部材504は、孔部490aの下端部に係止されかつ孔部496aの上端部に係止されている。したがって、図35に示す状態においては、左側から見た場合に、揺動部材490の反時計回り方向への回動が規制部材504によって規制され、かつ揺動部材494の時計回り方向への回動が規制部材504によって規制されている。
図35および図36を参照して、側壁部482aと側壁部482bとの間に、スタンド部材382の鉤状部422cが配置される。鉤状部422cの支持部436(図34参照)に、円筒状の支持部材506が回転可能に挿入される。この実施形態では、支持部材506はカラーからなる。図37および図38を参照して、支持部材506は、締結部材508によって側壁部482a,482bに支持されている。これにより、鉤状部422cが支持部材506を介してブラケット部482(第2ユニット450)に揺動可能に支持されている。この実施形態では、締結部材508は、ボルト、ナットおよびワッシャを含む。詳細な説明は省略するが、鉤状部424cも、鉤状部422cと同様に、第2ユニット452に揺動可能に支持されている。この結果、図35を参照して、スタンド部材382は、支持部材506の中心を通って左右方向(台車14dの幅方向)に延びる仮想的な揺動軸510を中心として上下方向に揺動可能となる。
なお、図32においては、図面が煩雑になることをさけるためにブラケット部485および係止部486にのみ符号を付しているが、第2ユニット452は、第2ユニット450の板状部483、軸部材488、一対の揺動部材490、一対の付勢部材492、揺動部材494、支持部材506および締結部材508と同様の構成の板状部、軸部材、一対の揺動部材、一対の付勢部材、揺動部材、支持部材および締結部材を有する。
この実施形態では、ブラケット部482,485および鉤状部422c,424cが連結部として機能し、軸部402aが回動軸として機能する。
次に、台車14d(図28参照)と自転車本体12a(図28参照)との連結方法について図面を用いて詳細に説明する。
図39〜図43は、接地状態(図30に示す状態)の台車14dを自転車本体12aに連結する際の、ロック機構380およびスタンド部材382の状態を示す左側面図である。なお、以下の説明において、時計回りの方向および反時計回りの方向とは、左側から見た場合の方向を意味する。
まず、図35を参照して、接地状態においては、揺動部材494の係止部498の下端が、鉤状部422cの係止部434aの上端よりも下方に位置する。これにより、鉤状部422cの時計回りの方向への回動が規制され、スタンド部材382の時計回りの方向への回動が規制されている。したがって、スタンド部材382を非接地状態にすることはできない。
図39を参照して、台車14dを自転車本体12aに連結する際には、まず、後輪支持ユニット30a(図29参照)のカラー370bが凹部482dおよび凹部482e(図36参照)に嵌るように、台車14dを自転車本体12a側に移動させる。このとき、図39を参照して、揺動部材490の前端部はカラー370bによって上方に押し上げられる。
次に、図40を参照して、台車14dを自転車本体12a側にさらに移動させることによって、揺動部材490の前端部がカラー370bを乗り越える。上述したように、揺動部材490は付勢部材492によって反時計回りの方向に回動するように付勢されているので、カラー370bは、揺動部材490によって下方に押し付けられる。これにより、カラー370bが凹部482dおよび凹部482e(図36参照)から抜け出てしまうことを防止できる。また、揺動部材494のアーム部496の前端部が後方に押され、揺動部材494が軸部材488を中心として反時計回りに回動する。これにより、揺動部材494の係止部498が、鉤状部422cの係止部434aよりも上方に移動する。なお、このとき、摺動部材478は、孔部476の一端部476aにおいてロック部材462に係止されているので、孔部476内を移動することができない。したがって、スタンド部材382は揺動軸510を中心として揺動できない。すなわち、スタンド部材382の揺動が規制された状態(ロック状態)が維持され、スタンド部材382の接地状態(図30に示す状態)が維持されている。
次に、図41を参照して、レバー446(図34参照)を操作することによって、第1ユニット448(ロック部材462)が、支持部材472および支持部材474(図32参照)を中心として反時計回り(後方)に回動する。これにより、摺動部材478が孔部476の一端部476aから前方に抜け出す。その結果、孔部476内において摺動部材478の下方への移動が可能になり、スタンド部材382の揺動が可能になる。すなわち、スタンド部材382のロック状態が解除される。なお、上述のように、揺動部材494の係止部498は鉤状部422cの係止部434aよりも上方に位置しているので、鉤状部422cの回動が揺動部材494によって規制されることはない。
次に、図42を参照して、揺動軸510を中心としてスタンド部材382を時計回りに回動させる。これにより、スタンド部材382の補助輪428,430(図34参照)が地面から離れ、スタンド部材382が非接地状態になる。このとき、摺動部材478は、孔部476内を下方に向かって(他端部476b側に向かって)移動する。
上述したように、第1ユニット448は付勢部材454および付勢部材456(図32)によって時計回りの方向(前方)に回動するように付勢されている。したがって、図43を参照して、摺動部材478が孔部476内の下端部まで移動したときにレバー446(図34参照)の操作を解除することによって、第1ユニット448(ロック部材462)は時計回り(前方)に回動する。これにより、摺動部材478が孔部476の他端部476bに嵌り込み、ロック部材462に係止される。その結果、摺動部材478は孔部476内を移動することができなくなり、スタンド部材382は揺動軸510を中心として揺動できなくなる。すなわち、スタンド部材382の揺動が規制された状態(ロック状態)になり、スタンド部材382の非接地状態(図28および図31に示す状態)が維持される。このとき、鉤状部422cの係止部434bはカラー370bの前方に位置するので、カラー370bが凹部482dおよび凹部482e(図36参照)から抜け出てしまうことが防止されている。すなわち、自転車本体12aと台車14dとが切り離されてしまうことが防止されている。
なお、説明は省略するが、上述したように第2ユニット452は第2ユニット450と同様の構成を有しているので、第2ユニット452は第2ユニット450と同様に作動する。また、第2ユニット452とカラー372bとの関係は、第2ユニット450とカラー370bとの上述の関係と同様である。
この実施形態では、図43に示す状態において、ブラケット部482および鉤状部422cは、カラー370bを前方および後方から挟むようにカラー370bに接続される。これにより、ブラケット部482および鉤状部422cが、カラー370bとの接続部(凹部482dおよび係止部434b)を中心として左右方向に揺動することが防止される。同様に、ブラケット部485および鉤状部424cは、カラー372bを前方および後方から挟むようにカラー372bに接続される。これにより、ブラケット部485および鉤状部424cが、カラー372bとの接続部を中心として左右方向に揺動することが防止される。したがって、台車14dは、上述の台車14(図1参照)と同様に、後輪支持ユニット30aに対して左右方向に揺動できないように後輪支持ユニット30aに連結される。また、ブラケット部482および鉤状部422cは、カラー370bの外周面に対してその周方向に摺動可能にカラー370bに接続される。同様に、ブラケット部485および鉤状部424cは、カラー372bの外周面に対してその周方向に摺動可能にカラー372bに接続される。したがって、台車14dは、上述の台車14と同様に、後輪支持ユニット30aに対して上下方向に揺動可能に後輪支持ユニット30aに連結される。
図28に示すように、このように自転車本体12aに連結された台車14dの積載部374の前端部374aは、左後輪108および右後輪114(図29参照)よりも前方に位置する。この場合、台車14dに積まれた荷物をより安定して保持することができる。
なお、自転車本体12aと台車14dとを切り離す際には、上記と反対の動作を行うことによって、スタンド部材382を図43に示す非接地状態から図35に示す接地状態にすればよい。
3輪自転車10bでは、台車14dが自転車本体12aに連結されていない場合には、図35に示すように、報知部502は、板状部483の上端よりも下方に位置する。一方、台車14dが自転車本体12aに連結されている場合には、図43に示すように、報知部502は、板状部483よりも上方に位置する。したがって、たとえば配達人は、台車14dを自転車本体12aに連結させる際に、台車14dの後方から報知部502の位置を確認することによって、台車14dの自転車本体12aへの連結が完了したのか否かを認識することができる。
以上のように構成される台車14dを自転車本体12aから切り離して用いる場合には、スタンド部材382が接地状態に設定されるので、配達人は、荷物を運搬する際に積載部374を容易に安定させることができる。それにより、配達人の負担を軽減することができる。一方、台車14dを自転車本体12aに連結して用いる場合には、スタンド部材382が非接地状態に設定されるので、3輪自転車10bの走行性を向上させることができる。また、ロック機構380によってスタンド部材382をロックすることができるので、台車14dを単体で用いている場合にスタンド部材382が誤って非接地状態になることおよび台車14dを自転車本体12aに連結して用いている場合にスタンド部材382が誤って接地状態になることを防止することができる。
また、ブラケット部482,485および鉤状部422c,424cは、台車14dが自転車本体12aに対して左右方向に揺動するのではなく上下方向に揺動するように台車14dを自転車本体12aに連結する。この場合、3輪自転車10bが走行中に進行方向を変えても、自転車本体12aと台車14dとが略くの字状に折れ曲がることが防止される。これにより、自転車本体12aの車輪(特に前輪)と台車14dのキャスタ378との内輪差が大きくなることを防止できる。
また、一対の脚部422,424は互いに連動するので、スタンド部材382の接地状態および非接地状態の切替を容易に行うことができる。
また、一対の脚部422,424がハンドル部432の動きに連動するので、ハンドル部432を操作することによってスタンド部材382の接地状態および非接地状態の切替を容易に行うことができる。
また、ハンドル部432は、スタンド部材382を接地状態と非接地状態との間で揺動させる際、常に揺動軸510(ハンドル部432の揺動中心)よりも上方に延びている。これにより、ハンドル部432をより操作しやすくなり、スタンド部材382の接地状態および非接地状態の切替がさらに容易になる。
また、一対の補助輪428,430およびハンドル部432は、共通の揺動軸510を中心として揺動するように構成される。これにより、スタンド部材382の構成を簡単にできる。
また、ハンドル部432は腕状に延びかつ揺動可能に設けられるので、ハンドル部432の操作が容易になる。
また、一対の補助輪428,430およびハンドル部432は、台車14dの幅方向に対して平行に延びる揺動軸510を中心として揺動する。言い換えると、一対の補助輪428,430およびハンドル部432は、台車14dの幅方向に直交する方向すなわち台車14dの前後方向(上下方向)に向かって揺動する。これにより、一対の補助輪428,430およびハンドル部432が台車14dの幅方向に大きく突出することが防止されるので、台車14dの利便性が向上する。
また、ロック機構380の第1ユニット448を操作するためのレバー446がハンドル部432に設けられるので、レバー446の操作とハンドル部432の操作とを同時に行うことができる。これにより、レバー446を操作してロック機構380によるスタンド部材382のロック状態を解除しつつハンドル部432を操作してスタンド部材382を接地状態および非接地状態に容易に設定できる。
また、ロック機構380の第1ユニット448とレバー446とがワイヤ470を介して連結されるので、簡単な構成でロック機構380とレバー446とを連結できる。
また、一対の補助輪428,430は、スタンド部材382が非接地状態に設定されたときには、前後方向において一対の補助輪428,430の揺動中心(揺動軸510)を挟んでキャスタ378とは反対側に位置する。この場合、台車14dの重心を自転車本体12a側に近づけることができるので、3輪自転車10bの走行性を向上させることができる。
また、一対の補助輪428,430は、スタンド部材382が接地状態に設定されたときにも、前後方向において揺動軸510を挟んでキャスタ378とは反対側に位置する。この場合、接地状態において、一対の補助輪428,430とキャスタ378との前後方向における距離を十分に確保することができるので、積載部374をより安定して支持することができる。
また、一対の脚部422,424は、クロスメンバ426とともに一つの構造体として形成される。これにより、一対の脚部422,424の構造を簡単にできる。
また、台車14dでは、台車14dの幅方向に揺動できないように設けられた補助輪428,430にブレーキユニット438,440が設けられる。この場合、上下方向に延びる軸部402a周りに回動可能な(台車14dの幅方向に揺動可能な)キャスタ378にブレーキユニットを設ける場合に比べて、ブレーキユニット438,440の構造を簡単にすることができる。
また、補助輪428,430の直径は、キャスタ378の車輪400の直径よりも小さいので、スタンド部材382の非接地状態への切替を容易に行うことができる。
なお、台車14dでは、スタンド部材382のブレーキユニット438,440が1つのレバー420によって操作されているが、ブレーキユニット438およびブレーキユニット440にそれぞれ対応するレバーを設けてもよい。また、ブレーキユニット438,440を操作するためのレバーの取付位置は、第2ハンドルフレーム410に限定されない。たとえば、ブレーキユニット438,440を操作するためのレバーを第1ハンドルフレーム404に取り付けてもよい。
また、台車14dでは、スタンド部材382の補助輪428,430は左右方向に揺動できないが、スタンド部材の補助輪が左右方向に揺動できる構成であってもよい。たとえば、車輪支持部422dおよび補助輪428の代わりに本体部422aの下端部に左右方向に揺動可能なキャスタを取り付け、車輪支持部424dおよび補助輪430の代わりに本体部424aの下端部に左右方向に揺動可能なキャスタを取り付けてもよい。
また、台車14dでは、積載部374の後部に一対のキャスタ378が設けられているが、キャスタ378の数は2つに限定されない。たとえば、積載部374の後部に1つのキャスタ378が設けられてもよく、3つ以上のキャスタ378が設けられてもよい。
また、台車14dでは、スタンド部材382を揺動させることによって補助輪428,430を地面に接触させまたは地面から離れさせているが、他の方法によって補助輪428,430を地面に接触させまたは地面から離れさせてもよい。たとえば、スタンド部材382の代わりに、補助輪428,430の車軸を上下動可能に支持する支持部材を設けてもよい。この場合、補助輪428,430の車軸を上下動させることによって、補助輪428,430を地面に接触させまたは地面から離れさせることができる。
また、台車14dでは、スタンド部材382は腕状に延びかつ揺動可能なハンドル部432を備えているが、スタンド部材のハンドル部の形状および動きは上述の例に限定されない。たとえば、スタンド部材のハンドル部が円環形状を有し、回転可能に設けられてもよい。この場合、ハンドル部は、たとえば、その回転中心が上述の揺動軸510上に位置するように設けられる。
10,10a,10b 3輪自転車
12,12a 自転車本体
14,14a,14b,14c,14d 台車
30,30a 後輪支持ユニット
52,54、54a,130,132,220,222 連結ユニット
120,224,374 積載部
126,282,322,382 スタンド部材
128,378 キャスタ
128a 第1キャスタ
128b 第2キャスタ
294,402a 軸部
282d,282e,330a,330b 補助キャスタ
326,327 連結部
380 ロック機構
382 スタンド部材
422,424 脚部
422c,424c 鉤状部
426 クロスメンバ
428,430 補助輪
432 ハンドル部
438,440 ブレーキユニット
400 車輪
420,446 レバー
470 ワイヤ
482,485 ブラケット部
510 揺動軸

Claims (15)

  1. 車両に連結される荷物運搬用台車であって、
    荷物を積載するための積載部と、
    前記積載部を支持する車輪と、
    前記荷物運搬用台車を前記車両に連結する連結部と、
    当該荷物運搬用台車の前後方向において前記車輪からみて前記連結部側に位置しかつ地面に接触する接地状態および地面に接触しない非接地状態に設定可能な補助輪と、
    前記補助輪を前記接地状態および前記非接地状態に設定するためのハンドル部とを備え、
    前記ハンドル部は、支点を中心に揺動できるように設けられ、
    前記補助輪は、前記接地状態と前記非接地状態との間で揺動できるように設けられ、
    前記ハンドル部が当該荷物運搬用台車の幅方向における前記積載部の側方に位置し、前記ハンドル部の把持部は常に前記積載部よりも上方に位置している、荷物運搬用台車。
  2. 前記ハンドル部の揺動方向と前記補助輪の揺動方向とは同じである、請求項1に記載の荷物運搬用台車。
  3. 前記把持部は、前記補助輪を前記接地状態と前記非接地状態との間で揺動させる際、常に前記補助輪よりも上方に位置している、請求項1または2に記載の荷物運搬用台車。
  4. 前記補助輪は、一対の補助輪を含む、請求項1から3のいずれかに記載の荷物運搬用台車。
  5. 前記接地状態と前記非接地状態との間における前記一対の補助輪の動きは前記ハンドル部の動きに連動する、請求項4に記載の荷物運搬用台車。
  6. 前記一対の補助輪を支持する一対の脚部をさらに備え、
    前記一対の補助輪を前記接地状態および前記非接地状態に設定する際に前記一対の脚部は互いに連動する、請求項5に記載の荷物運搬用台車。
  7. 前記一対の補助輪の揺動中心および前記ハンドル部の支点は同軸上に位置する、請求項6に記載の荷物運搬用台車。
  8. 前記ハンドル部は、前記支点から腕状に延びかつ前記支点を揺動中心として揺動可能に設けられる、請求項7に記載の荷物運搬用台車。
  9. 前記ハンドル部は、前記一対の補助輪を前記接地状態と前記非接地状態との間で揺動させる際、常に前記支点よりも上方に延びている、請求項8に記載の荷物運搬用台車。
  10. 前記一対の補助輪および前記ハンドル部は、当該荷物運搬用台車の幅方向に対して平行に延びる仮想的な揺動軸を中心として揺動する、請求項9に記載の荷物運搬用台車。
  11. 前記接地状態および前記非接地状態をそれぞれ維持するためのロック機構をさらに備える、請求項10に記載の荷物運搬用台車。
  12. 前記一対の補助輪は、前記接地状態と前記非接地状態との間で揺動できるように設けられ、前記非接地状態に設定されたときには、前記前後方向において前記一対の補助輪の揺動中心を挟んで前記車輪とは反対側に位置する、請求項6に記載の荷物運搬用台車。
  13. 前記一対の脚部は一つの構造体に含まれる、請求項6に記載の荷物運搬用台車。
  14. 前記補助輪の直径は、前記車輪の直径よりも小さい、請求項1から3のいずれかに記載の荷物運搬用台車。
  15. 前記補助輪は、当該荷物運搬用台車が前記車両に連結されているときに前記非接地状態に設定されかつ当該荷物運搬用台車が前記車両から切り離されているときに前記接地状態に設定される、請求項1から3のいずれかに記載の荷物運搬用台車。
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