JP3818555B2 - 小型車両用トレーラー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、小型車両に牽引されるトレーラーであって収納自在のキャスター脚を有するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
実公昭58−3729号には、自転車に牽引される手押し車兼用の3輪式トレーラーが示され、このトレーラーは左右一対の後輪と、起伏自在にされた一個の前輪とを備えている。また、特公平3−56942号には、車体への積み込み又は積み降ろしを検出する補助輪と、起伏自在に設けられた各左右一対の前輪及び後輪を備えた車載用のベッドが示されている。
【0003】
なお、本願発明において起伏自在とは、キャスター輪が接地しないようにキャスター脚を跳ね上げた収納状態と、キャスター輪が接地するようにキャスター脚を略直立させる起立状態との間で変化自在なことをいう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、トレーラーの前輪側を起伏自在にした場合、キャスター脚の支持剛性を高めなければならない。また、キャスター脚の起伏動作における操作性を向上させることも必要である。
【0005】
上記の観点からすると、実公昭58−3729号は、起立時の前輪を前後方向へ配設された操作ロッドで支持するので支持剛性を確保できるが、前輪を左右一対で設けた場合にはそれぞれに操作ロッドを設けて個々に操作しなければならないので操作性が悪くなる。
【0006】
また、特公平3−56942号は左右のキャスター脚を連動操作可能であるが、起立時の支持は回動支持軸部分に設けたロック機構だけで行っているため、キャスター脚が長くなればなるほど支持剛性が不足しやすくなる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願発明の小型車両用トレーラーは、小型車両に牽引されるトレーラーであって、後部両側に設けられている固定脚に支持された左右一対の後輪と、荷台の前部両側へ起伏自在に取付けられているキャスター脚に支持された左右一対のキャスター輪とを備えた小型車両用トレーラーにおいて、
キャスター脚の起伏動作に追随して支持軸を中心に回動するリンク部材を設け、
キャスター脚の起立時には、リンク部材が略水平に前後方向へ延びて、起立しているキャスター脚下部を車体後方から支持し、
キャスター脚の収納時には、リンク部材が起立して、荷台に沿って前後方向へ略水平に延びるキャスター脚を車体下方から支持する、
ことを特徴とする。
【0008】
このとき、キャスター脚の起伏動作とこれに追随する前記リンク部材の回動動作の間中キャスター脚とリンク部材の連結を保つためにキャスター脚又はリンク部材の一方へ取付けられかつ他方に軸方向へスライド自在に係合するスライド部材を設けることができ、さらにこのスライド部材をリンク部材側へ設けることができる。
【0009】
また、スライド部材のストローク端部にロック機構を設けることができ、さらにこの場合、スライド部材を左右に対で設けてリンク部材の先端部により左右連動して移動可能にでき、そのうえロック機構も左右のスライド部材にそれぞれ設けて左右連動させるようにもできる。
【0010】
さらにまた、前記リンク部材にハンドルを設けることができ、この場合、ハンドルがキャスター脚の回動軌跡を逃げた湾曲形状をなすように形成することができ、ハンドルの近傍にキャスター脚の回動する平面と略平行なナックルガードを設けることもできる。
【0011】
【発明の効果】
キャスター脚の起伏動作に追随して支持軸を中心に回動するリンク部材を設け、キャスター脚の起立時にリンク部材が略水平に前後方向へ延びて、起立しているキャスター脚の下部を車体後方から支持するようにしたので、起立時におけるキャスター脚の支持剛性を高めることができる。
また、キャスター脚の収納時には、リンク部材が起立して、荷台に沿って前後方向へ略水平に延びるキャスター脚を車体下方から支持する。
【0012】
このとき、キャスター脚又はリンク部材の一方へ取付けられかつ他方に軸方向へスライド自在に係合するスライド部材を設ければ、このスライド部材によりキャスター脚の起伏動作とこれに追随する前記リンク部材の回動動作の間中キャスター脚とリンク部材の連結を保つことができる。
【0013】
さらに、このスライド部材をリンク部材側へ設ければ、スライド部材を介してリンク部材先端部をキャスター脚へ容易に連結できる。
【0014】
また、スライド部材のストローク端部にロック機構を設ければ、キャスター脚を起伏させた各位置でスライド部材のロック機構によってロックさせることができる。さらにこの場合、スライド部材を左右に対で設けてリンク部材の先端部により左右連動して移動可能にするとともに、ロック機構も左右のスライド部材にそれぞれ設けて左右連動させるようにすれば、キャスター脚を起伏させるときの操作性が向上する。
【0015】
さらにまた、リンク部材にハンドルを設ければ、キャスター脚を起伏させるときのリンク部材操作をハンドルにより容易に行うことができる。
【0016】
この場合、キャスター脚の回動軌跡を逃げるようにハンドルを湾曲形状にすれば、リンク部材をキャスター脚の内側に配設して車幅方向をコンパクトにするとともに、リンク部材の操作をキャスター脚の外側で操作性よく行うことができる。
【0017】
そのうえ、ハンドルの近傍にキャスター脚の回動する平面と略平行なナックルガードを設ければ、ナックルガードにより、キャスター脚の回動空間とハンドルの操作空間を明確に分離できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1乃至図13に本願発明の一実施形態を示す。図1は本願発明に係るトレーラーを牽引した状態の全体側面図、図2は分離直前の状態を示すトレーラーの側面図、図3は連結のため牽引車の荷台へ乗り上げた直後の状態を示すトレーラーの側面図、図4は起立時のキャスター脚下部を示す図、図5は収納時のキャスター脚下部(後部)を示す図、図6は車体左側におけるキャスター脚の起伏動作を説明する図、図7は図4の7−7線に沿う断面でロック機構を示す図、図8は図7の8−8線に沿うスライド部材の断面図、図9は図8に示す部位と反対側(車体右側)の同様図、図10はロック機構の連動リンクの説明図、図11はキャスター脚の回動途中における作用説明図、図12は連結作業開始直後の作用説明図、図13は連結完了時の作用説明図である。
【0019】
図1において、牽引車である揺動式3輪車1は、一個の前輪2を支持する車体前部3と、駆動輪である左右一対の後輪4を支持する車体後部5を備えた小型車両である原動機付き自転車であり、車体前部3と車体後部5は、ローリングジョイント6により連結されている。
【0020】
ローリングジョイント6は、軸線を後方へ向かって斜め下がりに配設され、その軸回りに車体前部3が揺動自在となり、かつ車体後部5は後輪4が横2輪構成のため車体前部3が揺動しても地面と略平行状態を保つようになっている。
【0021】
車体後部5は、さらに後輪4を支持するスイング式パワーユニット7と、その上方に配置された非スイング部である牽引車側荷台8を備え、牽引車側荷台8を支持する後部フレーム9が略水平に前後方向へ延びている。
【0022】
後部フレーム9の前部は斜め下方へ屈曲し、ここにリヤアーム10及びスイング式パワーユニット7の各前端部がそれぞれ別に軸着され、かつスイング式パワーユニット7の後端部はリヤアーム10の後端部へ支持され、さらにリヤアーム10と後部フレーム9の間に緩衝器11が取付けられている。
【0023】
フラットに形成された牽引車側荷台8上の前端部にはリヤピラー12が略アーチ状をなして上下方向へ設けられている。
【0024】
リヤピラー12は、その上端部の位置が車体前部3のシート13やミラー14よりも高く、上端部の背面には、ストップランプや左右のウィンカからなる灯火器15が設けられ、かつその下方にナンバープレート16が取付けられている。
【0025】
牽引車側荷台8上の前部でリヤピラー12の近傍には連結器17が設けられ、その上部近傍をトレーラー側から延びる配線コード18が前後方向へ配線され、その前端部のカプラー19aがリヤピラー12へ取付けられている相手側カプラー19bへ結合されている。
【0026】
連結器17には、トレーラー20の前端部に前方へ突出して設けられているヒッチアーム21が連結可能になっており、図2に示すように、ヒッチアーム21の前端部には上下方向に貫通するピン穴22が形成され、かつ前端部下部の左右両側には一対のガイドローラー23が回転自在に取付けられている。
【0027】
トレーラー20は、平面視略矩形でフラットなトレーラー側荷台22と、その前部左右に取付けられたキャスター脚24の下端部に支持されるキャスター輪24aと、トレーラー側荷台22の後部左右に側面視略V字形をなす固定脚25の下端部25aにスイングアーム26を介して支持された後輪27を備えている。
【0028】
なお、図2はキャスター脚24を起立状態にしてキャスター輪24aを接地させることにより台車として使用可能に自立させた状態を示し、図1はキャスター脚24の収納時における状態を示している。
【0029】
固定脚25は、前方へ斜め上がりに延びてトレーラー側荷台22へ連結されるフロントステイ25b、後方へ斜め上がりに延びてトレーラー側荷台22へ連結されるリヤステイ25c及びこのリヤステイ25cの中間部から前方へ斜め上がりに延びてフロントステイ25bの連結部近傍でトレーラー側荷台22へ連結される補強パイプ25dを備えている。
【0030】
スイングアーム26の後端部には緩衝器28の下端部が取付けられ、その上端部は前方へ斜め上がりに延びてリヤステイ25cの中間部に設けられている支持部25eへ取付けられ、これらによりトレーラー20における後輪サスペンション機構を構成している。
【0031】
図2に明らかなように、キャスター脚24は上端部がトレーラー側荷台22へ回動自在に軸着され、下半部側には長さ方向に沿ってガイド部材30が取付けられ、このガイド部材に形成された長溝31へリンクロッド32の一端に設けられたクロスパイプ部に取付けられたスライド部材33の両端部がスライド自在に連結されている。
【0032】
このスライド部材33は長溝31のキャスター輪24a側における端部にてキャスター脚24側へロックされるようになっており、かつキャスター脚24へ取付けられているロック解除レバー34を操作することにより、ロックを解除されてスライド自在になるように構成されている。
【0033】
リンクロッド32の他端は固定脚25の下端部25aへ連結軸35により回動自在に支持され、リンクロッド32の中間部に一端が溶接された操作アーム36を操作することにより回動するようになっている。
【0034】
操作アーム36の自由端側はグリップ37をなし、ここを握って操作アーム36を操作するようになっており、グリップ37は樹脂製など適宜材料からなる略半月板状のナックルガード38で覆われている。
【0035】
操作アーム36はキャスター脚24の収納時における平面視で内側から外側へ交差するように配設されるため、キャスター脚24の回動軌跡を逃げるように湾曲して形成され、ナックルガード38は、キャスター脚24の回動平面に対して略平行に設けられ、かつキャスター脚24の回動範囲よりも外側方となる位置へ配設さている(図6参照)。
【0036】
キャスター脚24が起立状態でスライド部材33がロックされると、操作アーム36はキャスター脚24の倒れを防止する支持部材として機能し、腰高状態で長いキャスター脚24の起立状態を保持させることができる。
【0037】
キャスター脚24の上端部はトレーラー側荷台22の周囲枠22aへ取付けられているブラケット40へ筒部材41を介して回動自在に支持されている。この筒部材41は図6に明らかなように、ボルト42とナット43で一対のブラケット40間に支持され、筒部材41の外周部にキャスター脚24の上端部が溶接されている。
【0038】
さらに、この筒部材41の外周部にはロックカム44が一体に回動するように溶接等で取付けられ、このロックカム44はロック部45とストッパー部46が互いに略直角方向へ延出して形成されるとともに、ロック部45の先端はフック状の屈曲部47になっている。
【0039】
一方、図2に示すように、牽引車側荷台8には、左右のロックカム44にそれぞれに対応する位置に略コ字状のストッパー金具50が左右一対で形成され、それぞれにロック部45が前方から係止するか、又はストッパー部46が後方から当接するようになっている。
【0040】
また、牽引車側荷台8の後端部で車幅方向中央部には、左右のガイドローラー23を乗り上げさせるためのガイドプレート52が牽引車側荷台8の後端部から斜め下向きに後方へ突出している。
【0041】
ガイドプレート52は、ヒッチアーム21の連結器17による連結時の高さと、台車使用時における高さが相違するため、連結時におけるヒッチアーム21の乗り上げ並びに分離時の変化が急激にならないように案内するための斜面であり、上下端部間の寸法は前記ヒッチアーム21の変化する高さに対応している。
【0042】
次に、図6乃至図10によりロック機構をさらに詳細に説明する。図6は車体左側のキャスター脚24につき実線で収納時、仮想線で起立時の各状態を示してある。
【0043】
この図に明らかなように、リンクロッド32の一端は、固定脚下部25aをなして車体幅方向に設けられているクロスパイプ60に取付けられたブラケット61へボルト62及びナット63で連結され、このボルト62を支持軸としてこれを中心に回動自在である。なお、右側のリンクロッド32も同様である。
【0044】
リンクロッド32の他端は左右のリンクロッド32間を結ぶクロスパイプ64に溶接され、さらにこのクロスパイプ64の左右両端部に溶接された筒部材65にスライド部材33が支持されている。
【0045】
スライド部材33は図8に明らかなように、摺動性のよい樹脂等で形成された筒部材65内へ嵌合される筒状部材であり、その軸方向一端部はフランジ状をなして筒部材65の外方へ突出し、ガイド部材30のスライド溝31内へ摺動自在に嵌合している。
【0046】
スライド部材33の他端部は筒部材65の内方端部から突出し、この突出部外周に形成されたネジ部66にナット67を締め付けることによりスライド部材33が筒部材65へ取付けられている。
【0047】
このスライド部材33の軸穴68を貫通してロックピン70の一端に形成されたロック端部71が外方へ突出し、ガイド部材30の外側に間隔を持って設けられたロックプレート72のロック穴73へ嵌合している。ロック穴73はスライド部材33のストローク端部であるスライド溝31のキャスター輪24a側端部近傍に一カ所だけ設けられている。
【0048】
このロックプレート72はガイド部材30と平行にキャスター脚24の長さ方向に沿って設けられ、両端はボルト74及びナット75でキャスター脚24の外周部へ取付けられ、かつロック穴73の近傍位置にブラケット76が取付けられ、このブラケット76にロック解除レバー34が軸77により回動自在に取付けられている。
【0049】
ロック解除レバー34はコイルスプリング78により、ロック解除レバー34の解除部先端に設けられている解除ピン79がロックプレート72から外方へ離れるように回動付勢されている。
【0050】
解除ピン79はコイルスプリング78に抗してロック解除レバー34を回動したとき、先端がロック穴73内へ入ることによりロックピン70のロック端部71をロック穴73から内方へ押し出すことのできる突出長さに調整されている。の一端はに設けられたクロスパイプ部左右のリンクロッド32の各一端に設けら
【0051】
符号39はレバーガードであり、図7に明らかなように、ロック端部71がロック穴73へ嵌合したロック状態では、ロック解除レバー34が時計回り方向へ回動して前後方向から見たとき、ロック解除レバー34のハンドル部34aがレバーガード39の内側になるようになっている。
【0052】
逆に、ロック端部71がロック穴73へ嵌合しないアンロック状態では、ロック解除レバー34が反時計回り方向へ回動して解除ピン79がロック穴73内へ入り込むので、前後方向から見たときロック解除レバー34のハンドル部34aがレバーガード39より外側へはみ出し、これにより外観からアンロック状態を直ちに視認できる。
【0053】
なお、図9に示すように車体反対側(右側)におけるロック部分の構造もほぼ同様であるが、こちら側にはロック解除レバー34が設けられず、その代わりにストッパープレート80が断面略L字形にロックプレート72の外方へ突出して設けられ、ロック端部71の突出量を規制している。
【0054】
ロックピン70は、図7に明らかなように、車体幅の約半分程度の長さを有するロッド状部材であって左右一対で設けられ、それぞれの内方側端部である連結部81をクロスパイプ64の車体幅方向略中央部に軸82で回転自在に取付けられたリンクプレート83の軸対象位置へ取付けられる。
【0055】
リンクプレート83は、コイルスプリング84により、各ロックピン70のロック端部71が外方へ突出する方向へ回動付勢され、これによって連動ロック機構が構成されている。
【0056】
すなわち、車体片側(左側)のロック端部71を操作側とし、他方を連動側とし、この操作側のロック端部71がロック穴73の位置に移動すると、左右が連動してロック穴73へ嵌合してロック状態となり、逆にロック解除レバー34によって操作側のロック端部71をアンロック状態にすれば他方側も連動してアンロックされるようになっている。
【0057】
各ロックピン70の連結部81はリンクプレート83近傍部分で屈曲してあり、これによって左右の各ロックピン70の長さ方向大半部分をクロスパイプ64に沿って配設できるようになっている。
【0058】
なお、図10に示すように、左右のロックピン70の連結部81における取付ピッチをA、Bと長短変化させれば(A>B)、各ロックピン70のストローク量abを左右で変化させることができる(a>b)。
【0059】
次に、本実施形態の作用を説明する。まず、図11のキャスター脚24を起立させてトレーラー20を自立する台車として使用する状態では、リンクロッド32が略水平に前後方向へ延び、その先端に設けられたスライド部材がキャスター脚24の下部とロックし、キャスター脚24の下部を車体後方から支持した状態になっている(図4参照)。
【0060】
このため、キャスター脚24にかかるトレーラー20の荷重をリンクロッド32で受け止めることができ、しかも、回動中心から最も離れたキャスター脚24の下部でロックしているから、自立時におけるキャスター脚24の支持剛性を高めることができる。
【0061】
この状態からヒッチアーム21のガイドローラ23をガイドプレート52に案内させて牽引車側荷台8の上へ乗り上げさせて図3の状態とし、ここでロック解除レバー34を操作してロックピン70によるロックを解除するとともに、グリップ37を持って操作アーム36を図の時計回り方向へ回動させると、リンクロッド32も時計回り方向へ回動する。
【0062】
これにより、スライド部材33はガイド溝31内を上方へ移動するため、キャスター脚24はリンクロッド32の回動に連動して、筒部材41を中心に図の反時計回り方向へ回動し、スライド部材33がガイド溝31の他端側へ達すると略45度程度傾斜して収納側へ持ち上がった図12の状態になる。
【0063】
そこで、さらにリンクロッド32の回動を続けると、スライド部材33は再び長溝31をキャスター輪24a側の端部へ向かって戻り始めると同時に、キャスター脚24はさらに同一方向へ回動を続ける。
【0064】
やがて、スライド部材33が長溝31のキャスター輪24a側における端部すなわちスライド部材33のストローク端部へ戻ると、再びロックピン70のロック端部71がロック穴73へ嵌合してロックし、図2及び図5のようにリンクロッド32によりトレーラー荷台22の側部に沿って略水平に後方へ延びる収納状態となる。
【0065】
このとき、リンクロッド32は、キャスター脚24を収納位置に固定するとともに、キャスター脚24の収納状態における後端部を車体下方から支持し、トレーラー荷台22側からの荷重を受け止めるので、固定脚25の補強を兼ねることができる。
【0066】
しかも、ロックピン70によるキャスター脚24のロック位置は、起立時と同じスライド部材33のストローク端部端部側一カ所で済むため、ロック機構の構造を簡単にできる。
【0067】
そこで、さらにトレーラー20を前方へ押し込めば、図13に示すように、ヒッチアーム21が連結器17へ到達するので、ここでジョイントピン17aによりヒッチアーム21を連結器17へ結合させれば、トレーラー20の牽引が可能になる。
【0068】
このように、リンク部材32側へスライド部材33を設けたので、このスライド部材33によりキャスター脚24の起伏動作とこれに追随するリンク部材32の回動動作の間中キャスター脚24とリンク部材32の連結を保つことができる。しかも、このスライド部材33をリンク部材32側へ設けることにより、スライド部材33を介してリンク部材32先端部をキャスター脚24へ容易に連結できる。
【0069】
また、スライド部材33のストローク端部にロック機構を設けたので、キャスター脚24を起伏させた各位置でスライド部材の33ロック機構によって同一場所へロックさせることができる。
【0070】
そのうえ、スライド部材33を左右に対で設けてリンク部材32の先端部により左右連動して移動可能にするとともに、ロック機構も左右のスライド部材33にそれぞれ設けて左右連動させるようしたので、キャスター脚24を起伏させるときの操作性が向上する。
【0071】
さらにまた、リンク部材32にハンドルである操作アーム36及びその一端部のグリップ37を設けたので、キャスター脚24を起伏させるときのリンク部材32の操作をグリップ37を握って操作することにより容易に行うことができる。
【0072】
この場合、キャスター脚24の回動軌跡を逃げるように操作アーム36を湾曲させて形成したので、リンク部材32をキャスター脚24の内側に配設して車幅方向をコンパクトにするとともに、リンク部材32の操作をキャスター脚24の外側で操作性よく行うことができる。
【0073】
そのうえ、グリップ37の近傍にキャスター脚24の回動する平面と略平行なナックルガード38を設けたので、ナックルガード38により、キャスター脚24の回動空間とグリップ37の操作空間を明確に分離できる。
【0074】
なお、本願発明は上記の例に限定されず種々に変形可能であり、例えば、スライド部材33をキャスター脚24側に設け、ガイド部材30をリンク部材32側へ設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るトレーラーを牽引した状態の全体側面図
【図2】分離直前の状態を示すトレーラーの側面図
【図3】牽引車の荷台へ乗り上げた直後の状態を示すトレーラーの側面図
【図4】起立時のキャスター脚下部を示す図
【図5】収納時のキャスター脚下部(後部)を示す図
【図6】車体左側におけるキャスター脚の起伏動作を説明する図
【図7】図4の7−7線に沿う断面でロック機構を示す図
【図8】図7の8−8線に沿うスライド部材の断面図
【図9】反対側(車体右側)の同様図
【図10】ロック機構の連動リンクの説明図
【図11】キャスター脚を回動途中にした作用説明図
【図12】連結作業開始直後の作用説明図
【図13】連結完了時の作用説明図である。
【符号の説明】
1:揺動式3輪車(牽引車両)、8:牽引車両の荷台、17:連結器、20:トレーラー、21:ヒッチアーム、22:トレーラーの荷台、24:キャスター脚、24a:キャスター輪、30:ガイド部材、31:長溝、32:リンクロッド、33:スライド部材、36:操作アーム、38:ナックルガード、70:ロックピン、71:ロック端部
Claims (8)
- 小型車両に牽引されるトレーラーであって、後部両側に設けられている固定脚に支持された左右一対の後輪と、荷台の前部両側へ起伏自在に取付けられているキャスター脚に支持された左右一対のキャスター輪とを備えた小型車両用トレーラーにおいて、
キャスター脚の起伏動作に追随して支持軸を中心に回動するリンク部材を設け、キャスター脚の起立時には、リンク部材が略水平に前後方向へ延びて、起立しているキャスター脚下部を車体後方から支持し、
キャスター脚の収納時には、リンク部材が起立して、荷台に沿って前後方向へ略水平に延びるキャスター脚を車体下方から支持する、
ことを特徴とする小型車両用トレーラー。 - 前記キャスター脚の起伏動作とこれに追随する前記リンク部材の回動動作の間中キャスター脚とリンク部材の連結を保つためにキャスター脚又はリンク部材の一方へ取付けられかつ他方に軸方向へスライド自在に係合するスライド部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載した小型車両用トレーラー。
- 前記スライド部材をリンク部材側へ設けたことを特徴とする請求項2記載の小型車両用トレーラー。
- 前記スライド部材のストローク端部にロック機構を設けたことを特徴とする請求項3に記載した小型車両用トレーラー。
- 前記スライド部材は左右に対で設けられリンク部材の先端部により左右連動して移動可能であるとともに、前記ロック機構も左右のスライド部材に設けられかつ左右連動することを特徴とする請求項4に記載した小型車両用トレーラー。
- 前記リンク部材にハンドルを設けたことを特徴とする請求項1に記載した小型車両用トレーラー。
- 前記ハンドルはキャスター脚の回動軌跡を逃げた湾曲形状をなすことを特徴とする請求項6に記載した小型車両用トレーラー。
- 前記ハンドルの近傍にキャスター脚の回動する平面と略平行なナックルガードを設けたことを特徴とする請求項7記載の小型車両用トレーラー。
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