JP2015147924A - 改質含フッ素共重合体及びフッ素樹脂成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】共重合体に放射線を、上記共重合体の融点以下の温度で照射することにより得られる改質含フッ素共重合体であって、上記共重合体は、テトラフルオロエチレン単位とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位とからなる共重合体、及び、テトラフルオロエチレン単位とヘキサフルオロプロピレン単位とからなる共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体であり、かつ、官能基を合計で炭素原子106個あたり10〜10000個有することを特徴とする改質含フッ素共重合体。
【選択図】なし
Description
このような含フッ素共重合体の、耐熱性や機械的特性、耐放射線性等といった諸特性を更に改善する方法が種々検討されている。
しかしながら、含フッ素共重合体を成形した後、得られた成形品に該含フッ素共重合体の融点温度以上に加熱して放射線を照射すると、成形品の形状が変化してしまうといった問題があった。また、放射線の照射によるフッ素樹脂の劣化が大きくなり、所望の機械的特性が充分得られないといった問題があった。
上記官能基は、−CF=CF2、−CF2H、−COF、−COOH、−COOCH3、−CONH2及び−CH2OHからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記官能基は、−CH2CF2H、−CH2COF、−CH2COOH、−CH2COOCH3、−CH2CONH2及び−CH2OHからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明は、上述の改質含フッ素共重合体からなることを特徴とするフッ素樹脂成形品でもある。
上記成形品は、ポリテトラフルオロエチレンを更に含むことが好ましい。
本発明はまた、共重合体を成形する工程、及び、成形された上記共重合体に放射線を照射する工程を有する成形品の製造方法により得られるフッ素樹脂成形品であって、上記共重合体は、テトラフルオロエチレン単位とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位とからなる共重合体、及び、テトラフルオロエチレン単位とヘキサフルオロプロピレン単位とからなる共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体であり、官能基を合計で炭素原子106個あたり10〜10000個有することを特徴とするフッ素樹脂成形品でもある。
上記官能基は、−CF=CF2、−CF2H、−COF、−COOH、−COOCH3、−CONH2及び−CH2OHからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記官能基は、−CH2CF2H、−CH2COF、−CH2COOH、−CH2COOCH3、−CH2CONH2及び−CH2OHからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記官能基は、−CH2−、−CH3、−CH2CH3、−CN、−OCH3及び−SO3Hからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記成形品は、ポリテトラフルオロエチレンを更に含むことが好ましい。
官能基の個数が少なすぎると、改質含フッ素共重合体及び成形品の耐クラック性及び耐熱性を十分に向上させることができない。官能基の個数が多すぎると、熱安定性が低下して官能基の分解によるガス発泡により成形品に気泡が残り、成形が困難になる。
上記主鎖中に存在する官能基は、主鎖炭素に直接結合している官能基である。
上記側鎖中に存在する官能基は、側鎖末端でない側鎖中に存在する官能基である。
上記官能基は、共重合体の主鎖末端又は側鎖末端に存在する官能基であることが好ましい。
側鎖末端に存在する官能基は、共重合体組成によりその個数が決まる。その個数の上限は、耐クラック性と熱安定性に優れる点から、炭素原子106個あたり10000個が好ましい。
また、官能基を有する単量体としては、−CH2−、−CH3、−CH2CH3、−CN、−OCH3及び−SO3Hからなる群より選択される少なくとも1種を有する単量体であっても良い。
CX1 2=CX2−Rf−T
(X1及びX2は同じか又は異なり、水素原子又はフッ素原子であり、Rfは炭素数1〜40の2価のアルキレン基、炭素数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、炭素数2〜40のエーテル結合を含む含フッ素アルキレン基又は炭素数2〜40のエーテル結合を含む含フッ素オキシアルキレン基を表わし、Tは上記の官能基を表す。)で示される単量体(x)が好ましい。
また、Tとしては、−CH3、−CH2CH3、−CN、−OCH3及び−SO3Hからなる群より選択される少なくとも1種であっても良い。
官能基数については、具体的には、以下の方法で測定する。
まず、上記含フッ素共重合体を330〜340℃にて30分間溶融し、圧縮成形して、厚さ0.25〜0.3mmのフィルムを作製する。このフィルムをフーリエ変換赤外分光分析により分析して、上記含フッ素共重合体の赤外吸収スペクトルを得、完全にフッ素化されて官能基が存在しないベーススペクトルとの差スペクトルを得る。この差スペクトルに現れる特定の官能基の吸収ピークから、下記式(A)に従って、上記含フッ素共重合体における炭素原子1×106個あたりの官能基数Nを算出する。
N=I×K/t (A)
I:吸光度
K:補正係数
t:フィルムの厚さ(mm)
従って、例えば、−COFの官能基数とは、−CF2COFに起因する吸収周波数1883cm−1の吸収ピークから求めた官能基数と、−CH2COFに起因する吸収周波数1840cm−1の吸収ピークから求めた官能基数との合計である。
CF2=CFO(CF2CFY1O)p−(CF2CF2CF2O)q−Rf (1)
(式中、Y1はF又はCF3を表し、Rfは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。pは0〜5の整数を表し、qは0〜5の整数を表す。)、及び、一般式(2):
CFX=CXOCF2OR1 (2)
(式中、Xは、同一又は異なり、H、F又はCF3を表し、R1は、直鎖又は分岐した、H、Cl、Br及びIからなる群より選択される少なくとも1種の原子を1〜2個含んでいてもよい炭素数が1〜6のフルオロアルキル基、若しくは、H、Cl、Br及びIからなる群より選択される少なくとも1種の原子を1〜2個含んでいてもよい炭素数が5又は6の環状フルオロアルキル基を表す。)
からなる群より選択される少なくとも1種を挙げることができる。
上記PAVEに基づく重合単位の量は、全重合単位に対して、2.0質量%以上がより好ましく、3.5質量%以上が更に好ましく、4.0質量%以上が特に好ましく、5.0質量%以上が最も好ましく、8.0質量%以下がより好ましく、7.0質量%以下が更に好ましく、6.5質量%以下が特に好ましく、6.0質量%以下が最も好ましい。
なお、上記PAVEに基づく重合単位の量は、19F−NMR法により測定する。
上記融点は、290℃以上であることがより好ましく、315℃以下であることがより好ましい。
上記融点は、示差走査熱量計〔DSC〕を用いて10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度である。
上記ガラス転移温度は、80℃以上がより好ましく、100℃以下がより好ましい。
上記ガラス転移温度は、動的粘弾性測定により測定して得られる値である。
上述の範囲内であると、耐クラック性に優れた改質フッ素樹脂混合物を得ることができる。
上記質量比(TFE/HFP)は、85〜95/5〜15(質量%)がより好ましい。
上記TFE/HFP共重合体に含まれるPAVE単位としては、上述したTFE/PAVE共重合体を構成するPAVE単位と同様のものを挙げることができる。
なかでも、耐クラック性の改善に優れている点で、PPVEがより好ましい。
上述したTFE/PAVE共重合体は、HFP単位を含まないので、その点で、TFE/HFP/PAVE共重合体とは異なる。
上記質量比(TFE/HFP/PAVE)は、75〜98/1.0〜15/1.0〜10(質量%)であることがより好ましい。
上記TFE/HFP/PAVE共重合体は、HFP単位及びPAVE単位を合計で1質量%以上含む。
HFP単位の含有量が上述の範囲内であると、耐熱性に優れたフッ素樹脂成形品を得ることができる。
HFP単位の含有量は、20質量%以下がより好ましく、18質量%以下が更に好ましい。特に好ましくは15質量%以下である。また、HFP単位の含有量は、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。特に好ましくは、2質量%以上である。
なお、HFP単位の含有量は、19F−NMR法により測定することができる。
他のエチレン性単量体(α)としては、TFE単位、HFP単位及びPAVE単位と共重合可能な単量体単位であれば特に限定されず、例えば、フッ化ビニル(VF)、フッ化ビニリデン(VdF)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、エチレン(ETFE)等の含フッ素エチレン性単量体や、エチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテル等の非フッ素化エチレン性単量体等が挙げられる。
上記TFE/HFP共重合体は、TFE単位以外の重合単位を合計で1質量%以上含む。
上記融点は、示差走査熱量計〔DSC〕を用いて10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度である。
上記ガラス転移温度は、65℃以上であることがより好ましく、100℃以下であることがより好ましい。
上記ガラス転移温度は、動的粘弾性測定により測定して得られる値である。
上記質量比は、5/5〜2/8がより好ましい。上記TFE/PAVE共重合体に比べ、一般的に耐クラック性に劣る上記TFE/HFP共重合体の比率が高いことで、従来より改善が望まれた上記TFE/HFP共重合体の耐クラック性を大きく改善しつつ、高い絶縁性などの上記TFE/HFP共重合体の特性を併せ持つ素材を得ることができる。
上記MFRは、0.5g/10分以上がより好ましく、80g/10分以下がより好ましく、40g/10分以下が更に好ましい。上記MFRは、ASTM D1238に従って、メルトインデクサー((株)安田精機製作所製)を用いて、372℃、5kg荷重下で内径2mm、長さ8mmのノズルから10分間あたりに流出するポリマーの質量(g/10分)として得られる値である。
放射線を照射する方法としては、特に限定されず、従来公知の放射線照射装置を用いて行う方法等が挙げられる。
放射線の照射線量は、10kGy以上がより好ましく、100kGy以下がより好ましく、60kGy以下が更に好ましく、50kGy以下が特に好ましい。
上述の共重合体を成形する工程、及び、成形された上記共重合体に放射線を照射する工程を有する成形品の製造方法により得られるフッ素樹脂成形品もまた、本発明の一つである。
なかでも、圧縮成形、射出成形又は押出成形が好ましく、微小又は複雑な形状の成形が容易となる点で、射出成形又は押出成形がより好ましい。
押出成形としては電線被覆押出成形、チューブ押出成形、異形押出成形、フィルム押出成形、繊維押出成形等が特に最適である。
上記共重合体が有する官能基は高温で熱分解する可能性がある。また、押出成形条件における回転数が高かったり、スクリュー圧縮率が高いと、高せん断力が原因で官能基の劣化を促進することがある。官能基を残す為には官能基が分解しない押出条件を選ぶ事が必要である。
このため、上記共重合体を成形する際の樹脂温度は430℃以下であることが好ましく、400℃以下であることがより好ましく、380℃以下であることが更に好ましく、360℃以下であることが特に好ましい。
この条件は、特殊な条件ではなく融点が330℃以下のフッ素樹脂であれば十分可能な条件である。
上記TFE/PAVE共重合体、上記TFE/HFP共重合体又はそれらの混合物に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を添加することにより、調整できる。
混合する方法は、特に限定されないが、樹脂を乳化分散した液での混合、樹脂を溶液分散した液での混合、樹脂の溶融状態での混合、パウダーでの混合等がある。
PTFEの含有量は、フッ素樹脂混合物中20質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい。
添加されるPTFEは、TFEのホモポリマーであるか、又は、99質量%超のTFEと1質量%未満の変性モノマーとを含む変性PTFEである。上記変性モノマーとしては、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、フルオロアルキルエチレン、及び、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)が挙げられる。上記変性モノマーは、1種であっても2種以上であってもよい。
上記PTFEは、315〜350℃の融点を有することが好ましい。
成形方法としては、上述した方法と同様の方法が挙げられ、上記混合物に放射線を照射する方法としては、上述した方法と同様の方法が挙げられる。
上記シートの厚みは、0.01〜10mmが好ましい。
また、フッ素樹脂塗料を非粘着性、耐熱性などの特性を利用するため被覆された製品である炊飯器の内釜、ホットプレート、フライパンなどの調理具の被覆層や電子写真方式または静電記録方式の複写機、レーザープリンタなどの画像形成装置用の定着ローラのトップコート層などフッ素樹脂製塗膜であってもかまわない。
ダイヤフラムポンプの隔膜部、ベローズ成形品、電線被覆品、半導体用部品、パッキン・シール、コピーロール用薄肉チューブ、モノフィラメント、ベルト、ガスケット、光学レンズ部品、石油発掘用チューブ、石油発掘用電線、サテライト用電線、原子力発電用電線、太陽電池パネルフィルム。
なかでも、ダイヤフラムポンプの隔膜部やベローズ成形品、電線被覆材、OAロール等、耐熱性や繰り返し運動による耐クラック性が求められる箇所の部材に用いられることが好ましい。
本発明のフッ素樹脂成形品は、特に高温でも形状が保持されることから、充電や放電で発熱のある二次電池や電気二重層コンデンサーなどのガスケットの用途にも好適である。
上記共重合体を成形する工程は、上述した共重合体を成形する方法と同様に行うとよい。上記放射線を照射する工程は、上述した共重合体に放射線を照射する方法と同様にして行うとよい。
各単量体単位の含有量は、19F−NMR法により測定した。
ASTM D1238に従って、メルトインデクサー((株)安田精機製作所製)を用いて、372℃、5kg荷重下で内径2mm、長さ8mmのノズルから10分間あたりに流出するポリマーの質量(g/10分)を求めた。
DVA−220(アイティー計測制御株式会社製)を用いた動的粘弾性測定を行い求めた。
サンプル試験片として、長さ25mm、幅5mm、厚み0.2mmの圧縮成形シートを用いて、昇温速度2℃/分、周波数10Hzで測定し、tanδ値のピークにおける温度をガラス転移温度とした。
上記融点は、示差走査熱量計〔DSC〕を用いて10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度である。
試料を330〜340℃にて30分間溶融し、圧縮成形して、厚さ0.25〜0.3mmのフィルムを作製する。このフィルムをフーリエ変換赤外分光分析装置〔FT−IR(商品名:1760X型、パーキンエルマー社製)により40回スキャンし、分析して赤外吸収スペクトルを得、完全にフッ素化されて官能基が存在しないベーススペクトルとの差スペクトルを得る。この差スペクトルに現れる特定の官能基の吸収ピークから、下記式(A)に従って試料における炭素原子1×106個あたりの官能基数Nを算出する。
I:吸光度
K:補正係数
t:フィルムの厚さ(mm)
ASTM D2176に準じて行った。具体的には、幅12.5mm、長さ130mmの電子線未照射又は照射後の試験片を、MIT測定器(型番12176、(株)安田精機製作所製)に装着し、荷重1.25kg、左右の折り曲げ角度各135度、折り曲げ回数175回/分の条件下で試験片を屈曲させ、試験片が切断するまでの回数(MIT繰り返し回数)を測定した。
アイティー計測制御株式会社製DVA−220にて固体粘弾性の測定を行い、貯蔵弾性率(Er)を得た。測定条件は下記で行った。サンプル:長さ25mm 幅5mm 厚み0.2mm、昇温温度:5℃/min、データ取り込み間隔:1℃/毎、周波数:10Hz、歪:0.1%、静/動力比:2、上限伸び率:100%、最小荷重:0.1cN。
以上の条件で測定した温度と貯蔵弾性率(Er)の測定結果から貯蔵弾性率(Er)が0.1MPa以下になる温度を得た。ここで、TFE共重合体であるオレフィン系樹脂が融点以上で貯蔵弾性率(Er)が0.1MPa以上あれば架橋構造を形成していると考えられることから、耐熱性向上の指標とした。
テトラフルオロエチレン(TFE)/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)共重合体[TFE/PPVE=94.1/5.9(質量%)、MFR21g/10min、融点303℃、ガラス転移温度93℃]をヒートプレス成型器で0.22mm厚のシート状に加工した後、幅12.5mm、長さ130mmの短冊状に切り取り、試験片を得た。
得られた試験片を、電子線照射装置(NHVコーポレーション社製)の電子線照射容器に収容し、その後窒素ガスを加えて容器内を窒素雰囲気下にした。容器内の温度を25℃にし温度が安定した後に、電子線加速電圧が3000kV、照射線量の強度が20kGy/5minの条件で、試験片に40kGyの電子線を照射した。
照射後の試験片について、貯蔵弾性率測定を行った。結果を表3に示す。
また、実施例1で用いた共重合体(未照射)の官能基数は、191(個/炭素原子106個)(内訳はCH2OHが150個、COFが17個、COOHが24個、他官能基が0個)であった。
電子線照射を行わなかった点以外は、実施例1と同様にして、試験片を得て、MIT繰り返し折り曲げ試験と貯蔵弾性率測定を行った。結果を表3に示す。
表3に記載の照射温度と照射線量で電子線照射を行った点以外は、実施例1と同様にして、試験片を得て、照射後の試験片について、MIT繰り返し折り曲げ試験と貯蔵弾性率測定を行った。結果を表3に示す。
共重合体材料として、テトラフルオロエチレン(TFE)/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)共重合体[TFE/PPVE=93.9/6.1(質量%)、MFR23g/10min、融点301℃、ガラス転移温度93℃]を用い、表4に記載の照射温度と照射線量で電子線照射を行った点以外は実施例1と同様にして、電子線照射後の試験片について、MIT繰り返し折り曲げ試験と貯蔵弾性率測定を行った。結果を表4に示す。
また、実施例5〜8で用いた共重合体(未照射)の官能基数は、425(個/炭素原子数106個)(内訳はCH2OHが218個、COFが35個、COOHが172個、他官能基が0個)であった。
電子線照射を行わなかった点以外は、実施例5と同様にして、試験片を得て、MIT繰り返し折り曲げ試験と貯蔵弾性率測定を行った。結果を表4に示す。
共重合体材料として、テトラフルオロエチレン(TFE)/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)共重合体[TFE/PPVE=93.4/6.6(質量%)、MFR64g/10min、融点284℃、ガラス転移温度90℃]を用い、表5に記載の照射温度と照射線量で電子線照射を行った点以外は実施例1と同様にして、電子線照射後の試験片について、MIT繰り返し折り曲げ試験と貯蔵弾性率測定を行った。結果を表5に示す。
また、実施例9〜12で用いた共重合体(未照射)の官能基数は497(個/炭素原子数106個)(内訳はCH2OHが304個、COFが17個、COOHが152個、CF2Hが24個、他官能基が0個)であった。
電子線照射を行わなかった点以外は、実施例9と同様にして、試験片を得て、MIT繰り返し折り曲げ試験と貯蔵弾性率測定を行った。結果を表5に示す。
共重合体材料として、テトラフルオロエチレン(TFE)/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)共重合体[TFE/PPVE=93.9/6.1(質量%)、MFR25g/10min、融点304℃、ガラス転移温度93℃]を、30体積%に窒素で希釈したフッ素ガスにて官能基をCF3末端に処理したものを用い、表6に記載の照射温度と照射線量で電子線照射を行った点以外は実施例1と同様にして、電子線照射後の試験片について、貯蔵弾性率測定を行った。結果を表6に示す。
また、比較例4で用いた共重合体(未照射)の官能基数は5(個/炭素原子数106個)(内訳はCH2OHが0個、COFが5個、COOHが0個、他官能基が0個)であった。
電子線照射を行わなかった点以外は、比較例4と同様にして、試験片を得て、MIT繰り返し折り曲げ試験と貯蔵弾性率測定を行った。結果を表6に示す。
共重合体材料として、テトラフルオロエチレン(TFE)/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)/パーフルオロ(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサノネノール)(OH基含有含フッ素アリルエーテル)共重合体[TFE/PPVE/OH基含有含フッ素アリルエーテル=92.0/4.5/3.5(質量%)、MFR30g/10min(測定温度330℃)、融点290℃、ガラス転移温度75℃]を用い、表7に記載の照射温度と照射線量で電子線照射を行った点以外は実施例1と同様にして、電子線照射後の試験片について、貯蔵弾性率測定を行った。結果を表7に示す。
また、実施例13〜14で用いた共重合体(未照射)の官能基数は8502(個/炭素原子数106個)(内訳は側鎖末端CH2OHが4251個、主鎖中−CH2−が4251個、他官能基が0個)であった。
電子線照射を行わなかった点以外は、実施例13と同様にして、試験片を得て、貯蔵弾性率測定を行った。結果を表7に示す。
共重合体材料として、テトラフルオロエチレン(TFE)/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル(PPVE)/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体[TFE/PPVE/HFP=87.9/1.0/11.1(質量%)、MFR24g/10min、融点257℃、ガラス転移温度85℃]を用い、表8に記載の照射温度と照射線量で電子線照射を行った点以外は実施例1と同様にして、電子線照射後の試験片について、貯蔵弾性率測定を行った。結果を表8に示す。
また、実施例15〜16で用いた共重合体(未照射)の官能基数は116(個/炭素原子数106個)(内訳はCH2OHが0個、COFが6個、COOHが10個、CF2Hが100個、他官能基が0個)であった。
電子線照射を行わなかった点以外は、実施例15と同様にして、試験片を得て、貯蔵弾性率測定を行った。結果を表8に示す。
Claims (10)
- 共重合体に放射線を、前記共重合体の融点以下の温度で照射することにより得られる改質含フッ素共重合体であって、
前記共重合体は、テトラフルオロエチレン単位とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位とからなる共重合体、及び、テトラフルオロエチレン単位とヘキサフルオロプロピレン単位とからなる共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体であり、かつ、官能基を合計で炭素原子106個あたり10〜10000個有する
ことを特徴とする改質含フッ素共重合体。 - 官能基は、−CF=CF2、−CF2H、−COF、−COOH、−COOCH3、−CONH2及び−CH2OHからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載の改質含フッ素共重合体。
- 官能基は、−CH2CF2H、−CH2COF、−CH2COOH、−CH2COOCH3、−CH2CONH2及び−CH2OHからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1又は2記載の改質含フッ素共重合体。
- 請求項1、2又は3記載の改質含フッ素共重合体からなることを特徴とするフッ素樹脂成形品。
- 成形品は、ポリテトラフルオロエチレンを更に含む請求項4記載のフッ素樹脂成形品。
- 共重合体を成形する工程、及び、成形された前記共重合体に放射線を照射する工程を有する成形品の製造方法により得られるフッ素樹脂成形品であって、
前記共重合体は、テトラフルオロエチレン単位とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位とからなる共重合体、及び、テトラフルオロエチレン単位とヘキサフルオロプロピレン単位とからなる共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体であり、官能基を合計で炭素原子106個あたり10〜10000個有することを特徴とするフッ素樹脂成形品。 - 官能基は、−CF=CF2、−CF2H、−COF、−COOH、−COOCH3、−CONH2及び−CH2OHからなる群より選択される少なくとも1種である請求項6記載のフッ素樹脂成形品。
- 官能基は、−CH2CF2H、−CH2COF、−CH2COOH、−CH2COOCH3、−CH2CONH2及び−CH2OHからなる群より選択される少なくとも1種である請求項6又は7記載のフッ素樹脂成形品。
- 官能基は、−CH2−、−CH3、−CH2CH3、−CN、−OCH3及び−SO3Hからなる群より選択される少なくとも1種である請求項6記載のフッ素樹脂成形品。
- 成形品は、ポリテトラフルオロエチレンを更に含む請求項6、7、8又は9記載のフッ素樹脂成形品。
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