JP2007126631A - 樹脂組成物とそれを用いた電線・ケーブル、絶縁チューブおよび熱収縮チューブ - Google Patents

樹脂組成物とそれを用いた電線・ケーブル、絶縁チューブおよび熱収縮チューブ Download PDF

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裕 小林
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宏 早味
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Abstract

【課題】 厚みが均一で、かつ外観が良好である上、高い耐熱性と耐油性とを満足し、なおかつ、柔軟性と耐摩耗性とを両立することができると共に、軽量な、電線・ケーブルの被覆、絶縁チューブ、熱収縮チューブ等の薄肉成形品を形成することができる、新規な樹脂組成物と、それを用いて形成された被覆を備える電線・ケーブル、絶縁チューブおよび熱収縮チューブを提供する。
【解決手段】 樹脂組成物は、フッ化ビニリデンを繰り返し単位として含むフッ素樹脂と、アクリル系ゴムとを、フッ素樹脂/アクリル系ゴム(重量比)=60/40〜90/10の割合で含有すると共に、前記フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムを架橋させた分散相が分散された構造を有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規な樹脂組成物と、前記樹脂組成物を用いて形成した被覆を備えた電線・ケーブル、前記樹脂組成物を用いて形成した絶縁チューブ、および熱収縮チューブに関するものである。
自動車のオートマチックトランスミッションを電子制御するためのワイヤーハーネスは、150℃前後の高温下、オートマチックトランスミッションフルードに曝される環境下で使用されることから、前記ワイヤーハーネスを構成する電線・ケーブルの被覆や、前記電線・ケーブル同士の結束、電線・ケーブル末端の保護等に使用される絶縁チューブ、熱収縮チューブ等(以下、これらを「薄肉成形品」と総称する場合がある)を形成するための成形材料としては、架橋によって高い耐熱性、耐油性を付与できることが知られている、フッ素樹脂やフッ素ゴムを主成分とするものが、一般的に用いられる。
また、前記薄肉成形品のうち、電線・ケーブルの被覆としては、導体の表面に直接に被覆されて、前記導体を絶縁する絶縁被覆や、絶縁被覆で被覆された単芯または複数芯の導体のさらに外側を被覆するシース(保護層)等が挙げられる。このうち、絶縁被覆は、導体を一定速度で送りながら、その外周に、押出成形機を用いて、フッ素樹脂またはフッ素ゴムを含む成形材料を、連続的に押出成形しながら被覆した後、加速電子線、ガンマ線等の電離放射線を照射する等して、前記フッ素樹脂やフッ素ゴムを架橋させることで形成される。
導体としては、その許容電流値、引張強度、耐振動性などの観点から、断面積が0.35〜1.0mm2程度の軟銅の撚り導体が、一般的に使用される。また、前記撚り導体を被覆するための絶縁被覆の厚みは、およそ0.3〜1.0mm程度とされる。また、シースも、同様にして形成される(以下では、絶縁被覆とシーストを「被覆」と総称する場合がある)。
絶縁チューブは、押出成形機を用いて、フッ素樹脂またはフッ素ゴムを含む成形材料を、連続的に、チューブ状に押出成形した後、電離放射線を照射する等して、前記フッ素樹脂やフッ素ゴムを架橋させることで製造される。絶縁チューブの厚みは、およそ0.3〜1.0mm程度である。さらに、熱収縮チューブは、フッ素樹脂やフッ素ゴムを架橋させた後の絶縁チューブを、加熱して軟化させながら径方向に拡大させた状態で急冷して、前記絶縁チューブに、熱収縮性を付与することで製造される。
前記押出成形等の溶融加工が比較的容易なフッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン系共重合体等が挙げられる。また、溶融加工が比較的容易なフッ素ゴムとしては、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン系共重合体等が挙げられる。
なお、フッ素樹脂とフッ素ゴムの両方に例示されているフッ化ビニリデン系共重合体としては、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体等が挙げられる。前記フッ化ビニリデン系共重合体は、フッ化ビニリデンと共重合させる第二、第三成分の種類と割合とを調整することで、結晶性の樹脂からゴムまで、任意の物性を付与することができる。
先に説明したように、電離放射線を照射する等して得られるフッ素樹脂の架橋物は、高い耐熱性、耐油性を有する上、耐摩耗性にも優れている。しかし、フッ素樹脂の架橋物は硬いため、例えば、前記架橋物からなる被覆を有する電線・ケーブルを複数本、束ねてハーネスとした際には、狭い箇所での取り回しが容易でなくなるという問題がある。また、フッ素樹脂は、比重が大きいため、自動車の軽量化の要請に合致しないという問題もある。
一方、フッ素ゴムの架橋物は、フッ素樹脂の架橋物に比べて柔軟性に優れるため、前記フッ素ゴムの架橋物からなる被覆を有する電線・ケーブルを複数本、束ねたハーネスは、狭い場所での取り回しが容易である。しかし、フッ素ゴムも比重が大きいため、自動車の軽量化の要請に合致しないという問題がある。また、フッ素ゴムの架橋物からなる、前記被覆等の薄肉成形品は、軽量化のために厚みを小さくすると、フッ素樹脂の架橋物からなるものに比べて、耐摩耗性が大きく低下するという問題もある。
そのため、高い耐熱性と耐油性とを満足し、なおかつ、柔軟性と耐摩耗性とを両立することができると共に、比重の小さい薄肉成形品を形成することができる、フッ素樹脂系の成形材料の開発が求められている。
特許文献1には、フッ素樹脂と、アクリルゴム(ACM)、エチレン・アクリルゴム等のアクリル系ゴムとを、重量比で、フッ素樹脂/アクリル系ゴム=5/95〜65/35の割合で、単純ブレンドしたブレンド物を用いて、自動車用ゴムホースを形成することが記載されている。アクリル系ゴムは、フッ素樹脂との相溶性に優れる上、柔軟で、しかも、フッ素樹脂やフッ素ゴムに比べて比重が小さい。
また、特に、エチレン・アクリルゴムは、耐熱性、耐油性にも優れている。そのため、前記ブレンド物を用いれば、高い耐熱性と耐油性とを満足し、なおかつ、柔軟性と耐摩耗性とを両立することができると共に、比重の小さい薄肉成形品を形成できると考えられる。
しかし、特許文献1に記載されているような、多量のアクリル系ゴムを含む、単純なブレンド物は、溶融粘度が高いことから、前記特許文献1に記載された自動車用ホース等の、肉厚の大きい(特許文献1の実施例では5mm)成形品を、小さい押出線速で押出成形して製造する際には、殆ど問題とならないが、先に説明した、厚みおよそ0.3〜1mm程度という、厚みの小さい薄肉成形品を、高速で押出成形して製造するのは容易ではなく、その厚みがばらついたり、外観が悪化したりしやすいという問題がある。
すなわち、前記ブレンド物等の、溶融粘度が高い成形材料においては、押出成形する厚みが小さいほど、また、押出成形する際の押出線速が大きいほど、溶融状態の成形材料に剪断歪みが蓄積して乱流が発生しやすく、いわゆる脈動現象を生じやすいため、製造される薄肉成形品の厚みがばらついたり、外観が悪化したりしやすいのである。
特開平5−186606号公報(請求項1、2、第0029欄)
本発明の目的は、厚みが均一で、かつ外観が良好である上、高い耐熱性と耐油性とを満足し、なおかつ、柔軟性と耐摩耗性とを両立することができると共に、軽量な、電線・ケーブルの被覆、絶縁チューブ、熱収縮チューブ等の薄肉成形品を形成することができる、新規な樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の目的は、前記樹脂組成物を用いることによって、厚みが均一で、かつ外観が良好である上、高い耐熱性と耐油性とを満足し、なおかつ、柔軟性と耐摩耗性とを両立することができると共に、軽量な被覆を有する電線・ケーブル、同様の特性を有する絶縁チューブ、および熱収縮チューブを提供することにある。
請求項1記載の発明は、少なくともフッ化ビニリデンを繰り返し単位として含むフッ素樹脂と、アクリル系ゴムとが、フッ素樹脂/アクリル系ゴム(重量比)=60/40〜90/10の割合で含有されていると共に、前記フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムを架橋させた分散相が分散された構造を有することを特徴とする樹脂組成物である。
請求項1記載の発明では、フッ素樹脂の中でも耐熱性、耐油性、耐摩耗性に優れた架橋物を形成することができる、少なくともフッ化ビニリデンを繰り返し単位として含むフッ素樹脂と、柔軟性に優れると共に、ゴムの中では耐熱性、耐油性に優れており、しかも、フッ素樹脂に比べて比重が小さい上、フッ素樹脂との相溶性に優れたアクリル系ゴムとを、先に説明した割合で含有させて樹脂組成物を形成している。
そのため、高い耐熱性と耐油性とを満足し、なおかつ、柔軟性と耐摩耗性とを両立することができると共に、軽量な、電線・ケーブルの被覆、絶縁チューブ、熱収縮チューブ等の薄肉成形品を形成することができる。また、前記樹脂組成物は、フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムを架橋させた分散相が分散された構造を有しており、溶融粘度が、連続相を形成する、架橋前のフッ素樹脂単独に近い、低い値を示す。そのため、先に説明した各種の薄肉成形品を、厚みがばらついたり外観が悪化したりすることなしに、高速で、押出成形等によって形成することもできる。
したがって、請求項1記載の発明によれば、厚みが均一で、かつ外観が良好である上、高い耐熱性と耐油性とを満足し、なおかつ、柔軟性と耐摩耗性とを両立することができると共に、軽量な薄肉成形品を形成することができる、新規な樹脂組成物を提供することが可能となる。
請求項2記載の発明は、フッ素樹脂と、アクリル系ゴムとが、フッ素樹脂/アクリル系ゴム(重量比)=80/20〜90/10の割合で含有されている請求項1記載の樹脂組成物である。請求項2記載の発明によれば、樹脂組成物を形成する、フッ素樹脂と、アクリル系ゴムとの含有割合を、前記範囲内とすることによって、前記樹脂組成物を用いて形成される薄肉成形品の、特に耐摩耗性を、さらに向上することができる。
請求項3記載の発明は、分散相が、未架橋のアクリル系ゴムを動的架橋させて形成されている請求項1記載の樹脂組成物である。請求項3記載の発明によれば、未架橋のアクリル系ゴムを、フッ素樹脂と溶融、混練しながら動的架橋させることによって、前記フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムの架橋物からなる微細な分散相を、多数、生成させると共に、前記分散相を、連続相中に、凝集等を生じることなく、均一に、分散させることができる。そのため、樹脂組成物の溶融粘度を、さらに低くすると共に、前記樹脂組成物を用いて形成される薄肉成形品の柔軟性を、さらに向上することができる。
請求項4記載の発明は、電離放射線の照射によってフッ素樹脂を架橋させる多官能性モノマーが含まれている請求項1記載の樹脂組成物である。請求項4記載の発明によれば、多官能性モノマーを含有させることによって、電離放射線の照射時に、フッ素樹脂を、前記多官能性モノマーの機能によって、効率よく架橋させることができる。したがって、電離放射線の照射線量を抑えながら、なおかつ、連続相を形成するフッ素樹脂を十分に架橋させて、薄肉成形品に、高い耐熱性、耐摩耗性を付与することが可能となる。
請求項5記載の発明は、フッ素樹脂の、キャピラリーレオメータ試験(ASTM D3835)によって測定される、温度232℃、せん断速度100sec-1での溶融粘度が4.0〜27.0Kpoiseである請求項1記載の樹脂組成物である。請求項5記載の発明によれば、フッ素樹脂の溶融粘度を前記範囲内とすることで、前記フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムを架橋させた分散相を、先に説明した動的架橋等によって、より短時間で、より効率よく分散させることができる。そのため、樹脂組成物の生産性を向上することが可能となる。
また、請求項5記載の発明によれば、アクリル系ゴムを架橋させた分散相を、フッ素樹脂からなる連続相中に、できるだけ小さい分散粒径で、凝集等を生じることなく、より均一に、分散させることができるため、樹脂組成物の押出成形性を向上して、厚みのばらつきや外観の不良のない、均一な電線・ケーブルの被覆、絶縁チューブ、熱収縮チューブ等の薄肉成形品を形成できると共に、前記薄肉成形品に、前記各用途に適した、十分な絶縁性を付与することもできる。
請求項6記載の発明は、温度23℃、相対湿度60%での体積固有抵抗(ASTM D257)が1×1012Ω・cm以上である請求項1記載の樹脂組成物である。請求項6記載の発明によれば、樹脂組成物の体積固有抵抗を前記範囲内とすることで、前記樹脂組成物を用いて形成される電線・ケーブルの被覆、絶縁チューブ、熱収縮チューブ等の薄肉成形品に、前記各用途に適した、十分な絶縁性を付与することができる。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物からなり、フッ素樹脂が架橋されて形成された被覆を備えることを特徴とする電線・ケーブルである。請求項7記載の発明によれば、前記本発明の樹脂組成物を用いて形成し、フッ素樹脂を架橋させることによって、厚みが均一で、かつ外観が良好である上、高い耐熱性と耐油性とを満足し、なおかつ、柔軟性と耐摩耗性とを両立することができると共に、軽量な被覆を有する電線・ケーブルを提供することができる。フッ素樹脂は、電離放射線の照射によって架橋させるのが好ましい。
請求項8記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物がチューブ状に成形され、フッ素樹脂が架橋されて形成されたことを特徴とする絶縁チューブである。請求項8記載の発明によれば、前記本発明の樹脂組成物をチューブ状に成形して、フッ素樹脂を架橋させることによって、厚みが均一で、かつ外観が良好である上、高い耐熱性と耐油性とを満足し、なおかつ、柔軟性と耐摩耗性とを両立することができると共に、軽量な絶縁チューブを提供することができる。フッ素樹脂は、電離放射線の照射によって架橋させるのが好ましい。
請求項9記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物がチューブ状に成形され、フッ素樹脂が架橋されると共に、径方向に拡大されて、熱収縮性が付与されたことを特徴とする熱収縮チューブである。請求項9記載の発明によれば、前記本発明の樹脂組成物をチューブ状に成形し、フッ素樹脂を架橋させると共に、径方向に拡大させて、熱収縮性を付与することによって、厚みが均一で、かつ外観が良好である上、高い耐熱性と耐油性とを満足し、なおかつ、柔軟性と耐摩耗性とを両立することができると共に、軽量な熱収縮チューブを提供することができる。フッ素樹脂は、電離放射線の照射によって架橋させるのが好ましい。
本発明によれば、厚みが均一で、かつ外観が良好である上、高い耐熱性と耐油性とを満足し、なおかつ、柔軟性と耐摩耗性とを両立することができると共に、軽量な、電線・ケーブルの被覆、絶縁チューブ、熱収縮チューブ等の薄肉成形品を形成することができる、新規な樹脂組成物と、前記樹脂組成物を用いることによって、厚みが均一で、かつ外観が良好である上、高い耐熱性と耐油性とを満足し、なおかつ、柔軟性と耐摩耗性とを両立することができると共に、軽量な被覆を有する電線・ケーブル、同様の特性を有する絶縁チューブ、および熱収縮チューブを提供することが可能となる。
《樹脂組成物》
本発明の樹脂組成物は、少なくともフッ化ビニリデンを繰り返し単位として含むフッ素樹脂と、アクリル系ゴムとが、フッ素樹脂/アクリル系ゴム(重量比)=60/40〜90/10の割合で含有されていると共に、前記フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムを架橋させた分散相が分散された構造を有することを特徴とするものである。
前記本発明の樹脂組成物は、フッ素樹脂の中でも耐熱性、耐油性、耐摩耗性に優れた架橋物を形成することができる、少なくともフッ化ビニリデンを繰り返し単位として含むフッ素樹脂と、柔軟性に優れると共に、ゴムの中では耐熱性、耐油性に優れており、しかも、フッ素樹脂に比べて比重が小さい上、フッ素樹脂との相溶性に優れたアクリル系ゴムとを、前記所定の割合で配合して形成されている。そのため、高い耐熱性と耐油性とを満足し、なおかつ、柔軟性と耐摩耗性とを両立することができると共に、軽量な、電線・ケーブルの被覆、絶縁チューブ、熱収縮チューブ等の薄肉成形品を形成することができる。
また、前記樹脂組成物は、フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムを架橋させた分散相が分散された構造を有しており、溶融粘度が、連続相を形成する、架橋前のフッ素樹脂単独に近い、低い値を示すため、前記薄肉成形品を、厚みのばらつきや外観の悪化を生じさせることなしに、高速で押出成形することができる。
したがって、本発明の樹脂組成物によれば、厚みが均一で、かつ外観が良好である上、高い耐熱性と耐油性とを満足し、なおかつ、柔軟性と耐摩耗性とを両立することができると共に、軽量な薄肉成形品を形成することが可能となる。
先に説明した、フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムを架橋させた分散相が分散された構造を有する樹脂組成物は、あらかじめ架橋させたアクリル系ゴムの微粒子を、フッ素樹脂中に分散させて製造してもよい。しかし、できるだけ微細な分散相を、凝集等を生じることなく、均一に、連続相中に分散させることを考慮すると、いわゆる動的架橋によって、前記構造を有する樹脂組成物を製造するのが好ましい。
すなわち、フッ素樹脂と、未架橋のアクリル系ゴムと、前記アクリル系ゴムの架橋剤とを溶融、混練しながら、架橋剤の作用によってアクリル系ゴムを架橋させることで、フッ素樹脂からなる連続相から相分離させて、前記連続相中に、アクリル系ゴムの架橋物からなる微細な分散相を、多数、生成させることで、フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムを架橋させた分散相が分散された構造を有する樹脂組成物を製造することができる。
動的架橋を実施するためには、オープンロールミキサー、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、単軸または多軸の押出機型混合機等の、前記混合物を所定の温度に加熱して溶融させながら混練することができる、既知の混合機を使用することができる。また、動的架橋によらず、あらかじめ架橋させたアクリル系ゴムの微粒子を、フッ素樹脂中に分散させて、前記の構造を有する樹脂組成物を製造するためには、二軸等の多軸の押出機型混合機等を使用することができる。
本発明の樹脂組成物において、フッ素樹脂とアクリル系ゴムの含有割合が、フッ素樹脂/アクリル系ゴム(重量比)=60/40〜90/10の範囲に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち、この範囲よりアクリル系ゴムが少ない場合には、前記アクリル系ゴムを加えることによる、薄肉成形品に柔軟性を付与する効果が得られず、前記薄肉成形品が、フッ素樹脂単独で形成されたものと同等程度に硬くなるという問題がある。そして、例えば、電線・ケーブルの被覆の場合には、先に説明したように、複数本の電線・ケーブルを束ねてハーネスとした際に、狭い箇所での取り回しが容易でなくなるという問題を生じる。
一方、前記範囲よりアクリル系ゴムが多い場合には、フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムの架橋物からなる微細な分散相が、凝集等を生じることなく、均一に分散された構造を有する樹脂組成物を形成できないという問題がある。
例えば、動的架橋では、混合物中に多量に存在するアクリル系ゴムが、架橋によってフッ素樹脂から相分離する際に融合する等して、分散相の分散粒径が大きくなったり、微細な分散相ではなく、フッ素樹脂の連続相と同等の大きな連続相を生成したりする。また、あらかじめ、架橋させたアクリル系ゴムの分散相を、フッ素樹脂からなる連続相中に分散させる方法では、相対的に、連続相を構成するフッ素樹脂の量が不足するため、前記分散相が、凝集等を生じやすくなる。
そのため、このいずれの場合にも、フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムの架橋物からなる微細な分散相が、凝集等を生じることなく、均一に分散された構造を有する樹脂組成物を得ることができず、樹脂組成物の押出加工性が低下して、厚みおよそ0.3〜1.0mm程度といった厚みの小さい薄肉成形品を、高速で押出成形して製造するのが容易でなくなるという問題がある。
また、薄肉成形品を製造できたとしても、その耐摩耗性が大幅に低下するという問題もある。さらに、分散相の分散粒径が大きくなったり、微細な分散相ではなく、フッ素樹脂の連続相と同等の大きな連続相を生成したりした樹脂組成物は、体積固有抵抗が低下するため、薄肉成形品に、先に説明した各用途に適した、十分な絶縁性を付与できないおそれもある。
なお、これらの問題が生じるのを防止して、フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムの架橋物からなる微細な分散相が、凝集等を生じることなく、均一に分散された構造を有する樹脂組成物を製造すると共に、前記樹脂組成物を用いて製造される薄肉成形品の耐摩耗性や絶縁性を向上することを考慮すると、フッ素樹脂とアクリル系ゴムの含有割合は、前記の範囲内でも、特に、フッ素樹脂/アクリル系ゴム(重量比)=80/20〜90/10であるのが好ましい。
〈フッ素樹脂〉
フッ素樹脂としては、少なくともフッ化ビニリデンを繰り返し単位として含む、種々のフッ素樹脂が、いずれも使用可能であるが、特に、樹脂組成物に高い耐熱性、耐油性、耐摩耗性等を付与することを考慮すると、結晶性のフッ素樹脂が好ましい。
結晶性のフッ素樹脂としては、その結晶融点が、およそ90〜170℃である、フッ化ビニリデンのホモポリマーであるポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体等の、1種または2種以上が挙げられる。
また、フッ素樹脂は、アメリカ材料試験協会規格ASTM D3835−02 "Standard Test Method for Determination of Properties of Polymeric Materials by Means of a Capillary Rheometer"(キャピラリーレオメータを使った重合体材料の特性決定のための標準的な試験方法)に則って、下記の条件で測定される溶融粘度が4.0〜27.0Kpoise、特に4.0〜15.0Kpoiseであるのが好ましい。
温度:232℃
せん断速度:100sec-1
溶融粘度が前記範囲未満では、先に説明した動的架橋を行う際に、フッ素樹脂の溶融粘度が低くなりすぎて、架橋途上のアクリル系ゴムに、十分なせん断応力を加えることができず、フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムを架橋させた分散相を、より短時間で、より効率よく分散させることができないおそれがある。
一方、溶融粘度が前記範囲を超える場合には、動的架橋を行う際に、フッ素樹脂の溶融粘度が高すぎて、架橋途上のアクリル系ゴムと、スムースに混合することができず、やはり、フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムを架橋させた分散相を、より短時間で、より効率よく分散させることができないおそれがある。
また、動的架橋によらず、あらかじめ架橋させたアクリル系ゴムの微粒子を、フッ素樹脂中に分散させて、前記の構造を有する樹脂組成物を製造する場合にも、フッ素樹脂の溶融粘度が前記範囲未満であったり、前記半期を超えたりした場合には、フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムを架橋させた分散相を、より短時間で、より効率よく分散させることができないおそれがある。
そして、前記いずれの場合にも、アクリル系ゴムの架橋物からなる分散相の分散粒径が大きくなったり、アクリル系ゴムが、微細な分散相ではなく、フッ素樹脂の連続相と同等の大きな連続相を生成したりして、先に説明したように、樹脂組成物の押出加工性が低下して、厚みおよそ0.3〜1.0mm程度といった厚みの小さい薄肉成形品を、高速で押出成形して製造するのが容易でなくなるという問題がある。
また、薄肉成形品を製造できたとしても、その耐摩耗性が大幅に低下するという問題もある。さらに、分散相の分散粒径が大きくなったり、微細な分散相ではなく、フッ素樹脂の連続相と同等の大きな連続相を生成したりした樹脂組成物は、体積固有抵抗が低下するため、薄肉成形品に、先に説明した各用途に適した、十分な絶縁性を付与できないおそれもある。
〈アクリル系ゴム〉
アクリル系ゴムとしては、アクリルゴム(ACM)、エチレン・アクリルゴム等が挙げられ、このうちアクリルゴムとしては、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルコキシアルキルエステル等のアクリル酸エステルの1種または2種以上と、架橋活性基を有するモノマーとの共重合体が挙げられる。
アクリルゴムを構成するアクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル等の、アルキル基の炭素数が1〜20であるアクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
また、アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、アクリル酸メトキシメチル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸メトキシエトキシエチル等の、アルコキシル基に含まれるアルキレン基の炭素数、およびアルキル基の炭素数が、共に1〜4であるアクリル酸アルコキシアルキルエステルが挙げられる。
架橋活性基を有するモノマーとしては、エチリデンノルボルネン等の、架橋活性基として不飽和基を有するモノマー;アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート等の、架橋活性基としてエポキシ基を有するモノマー;2−クロロエチルビニルエーテル、クロロ酢酸ビニル等の、架橋活性基として活性塩素基を有するモノマー;アクリル酸等の、架橋活性基としてカルボキシル基を有するモノマー等が挙げられる。
また、その他のアクリル系ゴムとしては、前記アクリル酸アルキルエステル、および架橋活性基を有するモノマーに、さらに、エチレン等のα−オレフィン類や、酢酸ビニル等のビニル系モノマー等を共重合させたものが挙げられ、特に、エチレンを共重合させたエチレン・アクリルゴムが、比較的、流動性の良好なゴムを得やすく、動的架橋混合に適しているため、好適に使用される。これらアクリル系ゴムは、1種単独で使用できる他、2種以上を併用することもできる。
先に説明した動的架橋によって、フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムを架橋させた分散相が分散された構造を有する樹脂組成物を製造する場合、連続相から、より効率的に、アクリル系ゴムの架橋物を相分離させて分散相を形成することを考慮すると、架橋前の、未架橋のアクリル系ゴムは、分子量が小さいほど好ましく、例えば、そのムーニー粘度が15〜40−ML1+4(100℃)、特に、15〜30−ML1+4(100℃)となるように、未架橋のアクリル系ゴムの分子量を調整するのが好ましい。
〈架橋剤〉
アクリル系ゴムを架橋させるために用いる架橋剤としては、前記アクリル系ゴムの分子中に導入した架橋活性基の種類に応じて、それに適した種々の架橋剤が使用可能である。例えば、架橋活性基がエポキシ基である場合に、好適に使用できる架橋剤としては、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、安息香酸アンモニウム等が挙げられ、さらに必要に応じて、ジ−o−トリルグアニジン等のグアニジン系化合物等を、架橋促進剤として添加することもできる。また、架橋活性基がカルボキシル基である場合に、好適に使用できる架橋剤としては、ジグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物や、2,2′−(1,3−フェニレン)ビス−2−オキサゾリン等のビスオキサゾリン化合物が挙げられる。
中でも、動的架橋によってアクリル系ゴムを架橋させる場合には、特に、架橋活性基としてのカルボキシル基と、架橋剤としてのビスオキサゾリン化合物との組み合わせが、架橋反応の反応温度と反応速度とのバランスの点で好ましい。また、架橋剤は、アクリル系ゴムを過不足なく架橋させることを考慮すると、架橋剤の官能基の理論当量と、アクリル系ゴムの架橋活性基の理論当量とがほぼ一致するように、その添加量を調整するのが好ましい。
〈その他の成分〉
樹脂組成物には、前記各成分に加えて、さらに、必要に応じて、加工安定剤、受酸剤、酸化防止剤、充てん材、補強材、滑剤、着色剤、電離放射線の照射によってフッ素樹脂を架橋させるための多官能性モノマー等が配合されても良い。このうち、多官能性モノマーは、電離放射線の照射線量を抑えながら、なおかつ、連続相を形成するフッ素樹脂を十分に架橋させて、薄肉成形品に、高い耐熱性、耐摩耗性を付与するために有効である。
多官能性モノマーとしては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールプロパントリメタクリレート等が挙げられる。中でも、電離放射線の照射による架橋時の着色の少ないトリメチロールプロパントリメタクリレートが、好適に使用される。
多官能性モノマーは、フッ素樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で配合するのが好ましい。配合量が、この範囲未満では、多官能性モノマーを配合したことによる、先に説明した効果が十分に得られないおそれがあり、逆に、この範囲を超えても、それ以上の効果が期待できないだけでなく、過剰の多官能性モノマーが、架橋後の薄肉成形品の表面からブリードするおそれがある。
前記各成分を含む、本発明の樹脂組成物は、アメリカ材料試験協会規格ASTM D257−99(2005) "Standard Test Methods for DC Resistance or Conductance of Insulating Materials"(絶縁材料の直流抵抗あるいはコンダクタンスのための標準的な試験方法)に則って、下記の条件で測定される体積固有抵抗が1×1012Ω・cm以上であるのが好ましい。
温度:23℃
相対湿度:60%
樹脂組成物の体積固有抵抗が前記範囲未満では、前記樹脂組成物を用いて形成される電線・ケーブルの被覆、絶縁チューブ、熱収縮チューブ等の薄肉成形品に、前記各用途に適した、十分な絶縁性を付与できないおそれがある。これに対し、体積固有抵抗が前記範囲以上であれば、薄肉成形品に、それぞれの用途に適した、十分な絶縁性を付与することができる。
なお、樹脂組成物の体積固有抵抗は、フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムを架橋させた分散相が、できるだけ小さい分散粒径で、できるだけ均一に分散されているほど高くなり、逆に、分散相の分散粒径が大きくなったり、微細な分散相ではなく、フッ素樹脂の連続相と同等の大きな連続相を生成したりした場合には、低くなる傾向がある。
そのため、体積固有抵抗を、前記範囲内に調整するためには、先に説明した動的架橋等を実施する際の混合条件等を調整することによって、フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムを架橋させた分散相を、できるだけ分散粒径が小さい状態で、できるだけ均一に分散させるようにするのが好ましい。
《電線・ケーブル》
本発明の電線・ケーブルは、本発明の樹脂組成物からなり、フッ素樹脂が架橋されて形成された被覆を備えることを特徴とするものである。前記被覆としては、導体の表面に直接に被覆されて、前記導体を絶縁する絶縁被覆や、絶縁被覆で被覆された単芯または複数芯の導体のさらに外側を被覆するシース(保護層)等が挙げられる。このうち、絶縁被覆は、従来同様にして形成することができる。すなわち、導体を一定速度で送りながら、その外周に、押出成形機を用いて、前記本発明の樹脂組成物を、連続的に押出成形しながら被覆した後、フッ素樹脂を架橋させることで、絶縁被覆が形成される。
また、シースも、従来同様にして形成することができる。すなわち、絶縁被覆で被覆された単芯または複数芯の導体一定速度で送りながら、その外周に、押出成形機を用いて、前記本発明の樹脂組成物を、連続的に押出成形しながら被覆した後、フッ素樹脂を架橋させることで、シースが形成される。
前記本発明の電線・ケーブルは、本発明の樹脂組成物を用いて形成することで、厚みが均一で、かつ外観が良好である上、高い耐熱性と耐油性とを満足し、なおかつ、柔軟性と耐摩耗性とを両立することができると共に、軽量な、絶縁被覆やシース等の被覆を有するものとなる。また、前記被覆は、耐熱老化性にも優れている。この原因としては、電離放射線を照射する等して、フッ素樹脂からなる連続相を架橋させることで、前記連続相と、アクリル系ゴムの架橋物からなる分散相との、界面での接着強度が向上することが推測されている。
被覆のうち、絶縁被覆は、例えば、導体として、断面積が0.35〜1.0mm2程度の軟銅の撚り導体が使用される場合、その厚みが、およそ0.3〜1.0mm程度であるのが好ましい。また、シースは、前記厚み範囲の絶縁被覆が形成された単芯または複数芯の導体を被覆する場合、その厚みが、およそ0.3〜1.0mm程度であるのが好ましい。フッ素樹脂は、加熱等によって架橋させても良いが、電線・ケーブルの製造時に高速で搬送される被覆中に含まれるフッ素樹脂を、連続的に、しかも、内部まで均一に、効率よく架橋させることを考慮すると、加速電子線、ガンマ線等の、電離放射線の照射によって架橋させるのが好ましい。
電離放射線の照射条件等については、特に限定されないが、例えば、電離放射線として加速電子線を用いる場合、その加速電圧は、被覆の厚みに応じて、適宜、調整することができる。例えば、被覆のうち、導体の表面に直接に被覆される絶縁被覆であって、その厚みが、先に説明した0.3〜1.0mm程度である場合、加速電子線の加速電圧は、およそ500kV〜2MVであるのが好ましい。
また、加速電子線の照射線量は、10〜300kGyであるのが好ましく、30〜200kGyであるのがさらに好ましい。照射線量が、この範囲未満では、絶縁被覆中に含まれるフッ素樹脂を十分に架橋させることができないため、絶縁被覆に、先に説明した優れた特性を付与することができないおそれがあり、逆に、この範囲を超える場合には、フッ素樹脂の分解が進行して、却って、絶縁被覆に、先に説明した優れた特性を付与することができないおそれがある。シースについても同様である。
《絶縁チューブおよび熱収縮チューブ》
本発明の絶縁チューブは、本発明の樹脂組成物がチューブ状に成形され、フッ素樹脂が架橋されて形成されたことを特徴とするものである。また、本発明の熱収縮チューブは、前記絶縁チューブが径方向に拡大されて、熱収縮性が付与されたことを特徴とするものである。
本発明の絶縁チューブは、従来同様にして製造することができる。すなわち、押出成形機を用いて、前記本発明の樹脂組成物を、連続的に、チューブ状に押出成形した後、フッ素樹脂を架橋させることで製造される。また、本発明の熱収縮チューブは、フッ素樹脂を架橋させた後の前記絶縁チューブを、加熱して軟化させながら、その内部に加圧空気を送り込む等して、径方向に拡大させた状態で急冷して、熱収縮性を付与することで製造される。絶縁チューブの厚みは、およそ0.3〜1.0mm程度であるのが好ましい。
前記本発明の絶縁チューブ、および熱収縮チューブは、本発明の樹脂組成物を用いて形成することで、厚みが均一で、かつ外観が良好である上、高い耐熱性と耐油性とを満足し、なおかつ、柔軟性と耐摩耗性とを両立することができると共に、軽量である。また、前記絶縁チューブや熱収縮チューブは、耐熱老化性にも優れている。この原因は、電線・ケーブルのところで説明したとおりと推測されている。
フッ素樹脂は、製造時に高速で搬送される絶縁チューブ中に含まれるフッ素樹脂を、連続的に、しかも均一に、効率よく架橋させることを考慮すると、加速電子線、ガンマ線等の、電離放射線の照射によって架橋させるのが好ましい。電離放射線として加速電子線を用いる場合の加速電圧や照射線量は、電線・ケーブルのところで説明した範囲と同程度であるのが好ましい。
《電線・ケーブル》
〈実施例1〜13、比較例1、2〉
(樹脂組成物のペレットの作製)
表1〜表4に示す各成分を、内容量10リットルの加圧ニーダーを用いて、練り上がり温度が170℃となるように予備混合した後、フィーダールーダーを通してペレット化した。前記各表中の各成分は、下記のとおりとした。
フッ素樹脂(1):フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体〔結晶融点:145℃、メルトフローレート(230℃、12.5kg):4.5g/10分、溶融粘度(232℃、100sec-1):25.0Kpoise、アルケマ社製のKNYAR FLEX 2800−00〕
フッ素樹脂(2):フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体〔結晶融点:160℃、メルトフローレート(230℃、5.0kg):23.0g/10分、溶融粘度(232℃、100sec-1):6.0Kpoise、アルケマ社製のKNYAR FLEX 2850−04〕
アクリル系ゴム(1):〔エチレン・アクリルゴム(エチレン−アクリル酸メチル共重合体)、カルボキシル基変性型、ムーニー粘度:20−ML1+4(100℃)、三井・デュポン ポリケミカル(株)製VAMAC(登録商標) GLS〕
アクリル系ゴム(2):〔アクリルゴム、カルボキシル基変性型、ムーニー粘度:33−ML1+4(100℃)、日本ゼオン(株)製Nipol(登録商標) AR12〕
アクリル系ゴム(3):〔アクリルゴム、エポキシ基変性型、ムーニー粘度:40−ML1+4(100℃)、日本ゼオン(株)製Nipol AR31〕
アクリル系ゴムの架橋剤(1):2,2′−(1,3−フェニレン)ビス−2−オキサゾリン
アクリル系ゴムの架橋剤(2):ヘキサメチレンジアミンカーバメート
アクリル系ゴムの架橋剤(3):安息香酸アンモニウム
アクリル系ゴムの架橋促進剤:ジ−o−トリルグアニジン
充てん材:炭酸カルシウム
酸化防止剤:4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン
多官能性モノマー:トリメチロールプロパントリメタクリレート
次いで、前記ペレットを、二軸の押出機型混合機(スクリュー径:30mmφ、L/D=42、バレル温度:240℃、スクリュー回転数:100rpm)を用いて溶融、混練することで、アクリル系ゴムを動的架橋させた後、再び、フィーダールーダーを通してペレット化して、フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムを架橋させた分散相が分散された構造を有する樹脂組成物のペレットを作製した。
(電線・ケーブルの製造)
導体として、素線径0.23mmの錫めっき軟銅線を19本撚りあわせた撚り導体〔公称断面積0.75mm2、外径約1.15mm〕を用い、前記導体を、長さ方向に100m/分の速度で送りながら、その外周に、熱可塑性樹脂用の押出機(スクリュー径:30mmφ、L/D=42)を用いて、前記フッ素樹脂のペレットを溶融、混練して連続的に押出成形しながら被覆した後、加速電圧1MVの加速電子線を、各表に示す照射線量となるように照射することで、フッ素樹脂を架橋させて絶縁被覆を形成して、電線・ケーブルを製造した。絶縁被覆の厚みは0.3mmとした。そして、押出成形性を下記の基準で評価した。
○:押出線速100m/分で良好に押出成形できた。押出成形性良好。
△:押出線速100m/分では良好に押出成形できなかったが、10m/分以上、100m/分未満の範囲で良好に押出成形できた。押出成形性やや良好。
×:押出線速10m/分未満でも良好に押出成形できなかった。押出成形性不良。
その結果、実施例1〜13は、いずれも押出成形性が良好(○)であったが、比較例1は、押出成形できたものの、絶縁被覆の外観が不良であり、また、比較例2は、押出成形できなかったので、いずれも押出成形性不良(×)であり、その後の工程を行わなかった。
〈比較例3〉
アクリル系ゴムの架橋剤を配合せず、かつ、アクリル系ゴムを動的架橋させなかったこと以外は、実施例2と同様にして、電線・ケーブルを製造した。押出成形性は、良好(○)であった。
〈比較例4〉
導体の外周に被覆した絶縁被覆に加速電子線を照射せず、フッ素樹脂を架橋させなかったこと以外は、実施例2と同様にして、絶縁被覆を形成して電線・ケーブルを製造した。押出成形性は、良好(○)であった。
〈実施例16〉
フッ素樹脂として、下記の特性を有するフッ素樹脂(3)を使用したこと以外は、実施例2と同様にして、絶縁被覆を形成して電線・ケーブルを製造した。押出成形性は、やや良好(△)であった。
フッ素樹脂(3):ポリフッ化ビニリデン〔結晶融点:160℃、メルトフローレート(230℃、21.6kg):6.0g/10分、溶融粘度(232℃、100sec-1):29.0Kpoise、アルケマ社製のKNYAR 460〕
《絶縁チューブ》
〈実施例14、15〉
表3に示す各成分を用いて、実施例3、9と同様にして作製した、フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムを架橋させた分散相が分散された構造を有する樹脂組成物のペレットを、押出機(シリンダ径:50mmφ、L/D=24、C/R=2.6、スクリュー形状:フルフライト)を用いて溶融、混練して、連続的に、チューブ状に押出成形した後、加速電圧1MVの加速電子線を、照射線量が50kGyとなるように照射することで、フッ素樹脂を架橋させて絶縁チューブを製造した。
押出機の設定温度は、供給部:140℃、圧縮部:170℃、計量部:190℃、ヘッドおよびダイ:200℃とした。また、絶縁チューブの設計形状は、内径:4.5mmφ、厚み0.5mmとした。押出成形性を、下記の基準で評価したところ、いずれも押出成形性良好(○)であった。
○:押出線速30m/分で良好に押出成形できた。押出成形性良好。
△:押出線速30m/分では良好に押出成形できなかったが、10m/分以上、30m/分未満の範囲で良好に押出成形できた。押出成形性やや良好。
×:押出線速10m/分未満でも良好に押出成形できなかった。押出成形性不良。
〈耐摩耗性評価〉
前記各実施例、比較例で製造した電線・ケーブルの絶縁被覆の耐摩耗性を、図1に示す装置を用いて評価した。図の装置は、試料としての電線・ケーブル1を載置する架台2と、前記電線・ケーブル1の絶縁被覆3に当接された状態で、図中に白矢印で示す電線・ケーブル1の長さ方向に、一定のストロークで往復動されるエッヂ部材4(先端角:90°、先端仕上げ:C0.02〜C0.05、エッヂ幅:15mm、SUS製、エッヂを、電線・ケーブル1の長さ方向と直交させて、絶縁被覆3に当接)と、前記エッヂ部材4を、絶縁被覆3に、一定の荷重をかけて当接させるための重錘5と、前記電線・ケーブル1の導体6、およびエッヂ部材4と電気的に接続され、前記エッジ4部材を往復動させて絶縁被覆3を摩耗させた際に、導体6とエッヂ4部材との短絡を検出して、前記絶縁被覆3が摩滅したことを検知するための短絡検出装置7とを備えている。
前記装置を用いて、エッヂ部材4を往復動させるストロークを50mm、往復動のサイクルを30サイクル/分、重錘の重さを500gに設定して、前記エッジ部材4を、架台2上に載置した電線・ケーブル1の絶縁被覆3に当接させた状態で往復動させた際に、試験開始から、導体6とエッヂ部材4が短絡するまでの、前記往復動の回数を計数して、絶縁被覆の耐摩耗性を評価した。また、絶縁チューブの耐摩耗性は、前記絶縁チューブを、外径5mmφのアルミニウム棒の外周に外挿したものを、前記電線・ケーブル1の代わりに用いて、前記と同様の測定を行うことで、評価した。
〈耐熱老化性評価〉
前記各実施例、比較例で製造した電線・ケーブルの絶縁被覆、および絶縁チューブを、150℃で1000時間、加熱後、その引張破断強さ(MPa)、および引張破断伸び(%)を、インストロン引張試験機を用いて測定して、耐熱老化性を評価した。
〈耐油性評価〉
前記各実施例、比較例で製造した電線・ケーブルの絶縁被覆、および絶縁チューブを、150℃に加熱した自動車のオートマチックトランスミッションフルード〔トヨタ純正オートフルードWS〕中に1000時間、浸漬後、その引張破断強度(MPa)、および引張破断伸び(%)を、インストロン引張試験機を用いて測定して、耐熱老化性を評価した。
〈体積固有抵抗の測定〉
前記各実施例、比較例で電線・ケーブルや絶縁チューブの製造に使用した樹脂組成物の体積固有抵抗を、先に説明したASTM D257−99(2005)に則って測定した。すなわち、各実施例、比較例で作製した樹脂組成物のペレットを射出成形して、直径50mm、厚み1.0mmのチューブ状の、測定用のサンプルを作製し、前記サンプルを用いて、ASTM D257−99(2005)に所載の体積固有抵抗の測定方法に則って、温度23℃、相対湿度60%での体積固有抵抗を測定した。
以上の結果を表1〜表4に示す。
表よりアクリル系ゴムの割合が、本発明で規定した、フッ素樹脂/アクリル系ゴム(重量比)=60/40〜90/10の範囲を超える比較例1の樹脂組成物は、押出成形性が不良で、先に説明したように、押出成形できたものの、絶縁被覆の外観が不良であり、それよりもさらにアクリル系ゴムの含有割合が多い比較例2の樹脂組成物は、さらに押出成形性が不良で、押出成形することすらできないことが判った。
また、アクリル系ゴムの割合は、前記範囲内であるものの、アクリル系ゴムを動的架橋させなかった比較例3の樹脂組成物は、良好に押出成形できたものの、形成された絶縁被覆は、耐油性が低いことが判った。また、前記絶縁被覆は、耐摩耗性が低いことも判った。さらに、比較例3の樹脂組成物は、体積固有抵抗が低いため、絶縁被覆に適した絶縁性が得られないことも判った。そこで、フッ素樹脂とアクリル系ゴムの割合が同じである実施例2と比較例3の樹脂組成物の、微細な構造を、原子間力顕微鏡法(AFM法)によって、下記の手順で観察した。
すなわち、前記実施例2と比較例3の樹脂組成物のペレットから切断した小片を樹脂に包埋させ、クライオウルトラミクロトーム法によって超精密切削して調製した断面を、原子間力顕微鏡〔デジタルインスツルメンツ(Digital Instruments)社製のNanoscope IIIa+D3100〕を用いて、大気中で、タッピングモードAFM法によって観察し、写真を撮影した。実施例2の結果を図2、比較例3の結果を図3に示す。いずれの図も、縦横寸法に相当する視野は、5μm×5μmであった。
両図から、実施例2では、フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムを架橋させた分散相が分散された構造が形成されているのに対し、比較例3では、前記構造が形成されていないことが確認された。
そして、これらの結果から、比較例3において形成された絶縁被覆の耐熱老化性、耐油性が低いのは、架橋されていないゴム相が、フッ素樹脂中に無定形に混ざりこみ、その一部が、フッ素樹脂に覆われることなく、表面に露出していることが原因であり、樹脂組成物の体積固有抵抗が低いのも、同じことが原因であると考えられた。また、前記比較例2において形成された絶縁被覆の耐摩耗性が低いのは、ゴム相が架橋されていないことと、前記ゴム相が不定形に混ざりこんでいるため、フッ素樹脂の架橋物が、完全な連続相を形成できていないことが原因であると考えられた。
また、アクリル系ゴムの割合は、前記範囲内であり、しかも、アクリル系ゴムを動的架橋させているため、フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムを架橋させた分散相が分散された構造を有している樹脂組成物を用いて形成したものの、フッ素樹脂を架橋させなかった比較例4の絶縁被覆は、前記フッ素樹脂の融点以上の温度である150℃の加熱によって溶融してしまい、耐熱老化性、および耐油性を評価できないことが判った。また、フッ素樹脂を架橋させていないことから、耐摩耗性が低いことも判った。
これに対し、各実施例の樹脂組成物は、いずれも、押出成形性が良好ないしやや良好であり、厚みのばらつきや外観の不良のない、均一な絶縁被覆や絶縁チューブを形成できることが判った。また、前記絶縁被覆や絶縁チューブは、耐熱老化性、耐油性、耐摩耗性、および絶縁性に優れることも確認された。
また、各実施例の比較から、アクリル系ゴムの割合は、絶縁被覆や絶縁チューブの耐摩耗性を、さらに向上することを考慮すると、前記範囲内でも、特に、フッ素樹脂/アクリル系ゴム(重量比)=80/20〜90/10の範囲内であるのが好ましいことが確認された。
なお、アクリル系ゴムの割合は、前記範囲内であるものの、フッ素樹脂として、先に説明した溶融粘度が27.0Kpoiseを超えるフッ素樹脂(3)を用いた実施例16の樹脂組成物は、押出成形性がやや良好で、押出成形できたものの、絶縁被覆の外観がわずかに低下することが判った。また、形成された絶縁被覆は、耐熱老化性、耐油性、耐摩耗性がわずかに低いことも判った。さらに、実施例16の樹脂組成物は、体積固有抵抗がわずかに低いことも判った。
この原因について検討したところ、実施例16の樹脂組成物は、各実施例と同じペレット化の条件では、十分に混合することができず、フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムを架橋させた分散相が分散された構造が十分に形成されていないこと、ペレット化の条件を調整すれば、その生産性は低下するものの、前記各特性をさらに向上できる可能性があることが確認された。
本発明の実施例、比較例で形成した電線・ケーブルの絶縁被覆、および絶縁チューブの耐摩耗性を評価するために用いた装置の構成を説明する概略図である。 本発明の実施例2で作製した樹脂組成物の、微細な構造を示す、原子間力顕微鏡写真である。 本発明の比較例3作製した樹脂組成物の、微細な構造を示す、原子間力顕微鏡写真である。

Claims (9)

  1. 少なくともフッ化ビニリデンを繰り返し単位として含むフッ素樹脂と、アクリル系ゴムとが、フッ素樹脂/アクリル系ゴム(重量比)=60/40〜90/10の割合で含有されていると共に、前記フッ素樹脂からなる連続相中に、アクリル系ゴムを架橋させた分散相が分散された構造を有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. フッ素樹脂と、アクリル系ゴムとが、フッ素樹脂/アクリル系ゴム(重量比)=80/20〜90/10の割合で含有されている請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 分散相が、未架橋のアクリル系ゴムを動的架橋させて形成されている請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 電離放射線の照射によってフッ素樹脂を架橋させる多官能性モノマーが含まれている請求項1記載の樹脂組成物。
  5. フッ素樹脂の、キャピラリーレオメータ試験(ASTM D3835)によって測定される、温度232℃、せん断速度100sec-1での溶融粘度が4.0〜27.0Kpoiseである請求項1記載の樹脂組成物。
  6. 温度23℃、相対湿度60%での体積固有抵抗(ASTM D257)が1×1012Ω・cm以上である請求項1記載の樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物からなり、フッ素樹脂が架橋されて形成された被覆を備えることを特徴とする電線・ケーブル。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物がチューブ状に成形され、フッ素樹脂が架橋されて形成されたことを特徴とする絶縁チューブ。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物がチューブ状に成形され、フッ素樹脂が架橋されると共に、径方向に拡大されて、熱収縮性が付与されたことを特徴とする熱収縮チューブ。

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