JP2006104395A - 樹脂組成物、並びにそれを用いる絶縁電線、電線ケーブル、チューブ及び熱収縮チューブ - Google Patents

樹脂組成物、並びにそれを用いる絶縁電線、電線ケーブル、チューブ及び熱収縮チューブ Download PDF

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Abstract

【課題】 トランスミッション用のワイヤーハーネス等に使用される絶縁電線、チューブ用の材質として用いられる樹脂組成物であって、耐油性、耐摩耗性、耐熱性、柔軟性等を満足するとともに、安価、低比重で、かつ押出加工性が良好で生産上の問題も生じない樹脂組成物、並びにこの樹脂組成物を用いて得られる絶縁電線、電線ケーブル、チューブ、熱収縮チューブ用を提供する。
【解決手段】 (A)フッ化ビニリデンを主たる繰返単位とするフルオロポリマー、(B)アクリルゴム、(C)シリカ、及び(D)カーボンブラックを含有し、(A)と(B)の重量比率が40/60〜90/10であり、かつ(A)と(B)の合計100重量部に対する、(C)の配合量が10〜40重量部であり、(D)の配合量が5〜20重量部であることを特徴とする樹脂組成物、及びこの樹脂組成物を用いて得られる絶縁電線、電線ケーブル、チューブ、熱収縮チューブ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、自動車のトランスミッション、トルクコンバータ用のワイヤーハーネス等に使用される絶縁電線、電線ケーブル、チューブ及び熱収縮チューブの製造に用いられる樹脂組成物、及びこの樹脂組成物を用いて製造される絶縁電線、電線ケーブル、チューブ及び熱収縮チューブに関するものである。
自動車のトランスミッション、トルクコンバータ用のワイヤーハーネスに使用される絶縁電線、電線ケーブル、絶縁チューブ、熱収縮チューブには、トランスミッションフルードに対する耐油性、耐摩耗性、耐熱性等の特性が要求され、さらにハーネスの引き回しのための柔軟性も求められる。そこで、これらの要求特性を満たすために、絶縁電線や電線ケーブルの絶縁被覆やシースの材質として、又絶縁チューブや熱収縮チューブの素材として、PTFE、PFA、FEP、ETFE等のフッ素樹脂、FKM、TFE−P系の加硫フッ素ゴム、AEM、ACM等の加硫アクリルゴムが使用されてきた。
例えば、特開平7−126468号公報には、高度な耐熱性と耐摩耗性が要求される自動車用途に好適な材質として、フルオロエラストマーとフルオロポリマーとの混合物であって電離放射線の照射により架橋されているフッ素樹脂組成物が開示されており、さらに該樹脂組成物からの絶縁電線及び熱収縮チューブ等が記載されている。
しかしながら、このようなフッ素樹脂は高価であり、又比重が大きく自動車の軽量化の要請には合致しない。さらに概して硬質で柔軟性に劣り、ハーネスの引き回し等の柔軟性が要求される場合には適さないという問題もある。
加硫フッ素ゴムは、フッ素樹脂に比べて柔軟性の点では優れる。しかし、同様に高価で比重が大きいので自動車の軽量化の要請には合致しない。さらに、フッ素樹脂に比べて耐摩耗性は劣り、特に軽量化のために製品肉厚を薄肉化するとさらに耐摩耗性が低下するとの問題がある。
一方、加硫アクリルゴムは、フッ素樹脂や加硫フッ素ゴムに比べれば安価であり、かつ比重も小さい。そこでこれは、肉厚のホース類等に利用されているが、耐摩耗性が十分ではなく、特に肉厚を薄肉化するとさらに耐摩耗性が低下する問題があり、軽量化のために薄肉化が求められる電線被覆やチューブ等への使用は困難である。
又、アクリルゴムはムーニー粘度が高いため、電線やチューブへの成型加工にはゴム用の押出成型機を用いての押出加工、加硫が必要であり、押出加工線速の向上が難しく、製品の製造コストが高くなる問題がある。アクリルゴム中でエチレンアクリレートゴム(AEM)は、低粘度のゴムとして知られているが、それでもプラスチック用の押出成型機で成型加工することは困難で加硫も必要であり、同様に押出加工性が低い問題がある。
アクリルゴムの押出加工性の向上については、ファーネスカーボンブラック等のカーボンブラックを配合する方法が知られている。しかし、アクリルゴムに対してカーボンを多量に配合すると絶縁性が低下するので、絶縁被覆等への適用が困難となる。一方、特許第2748866号には、押出加工性の向上のために、特定のシリカをアクリルゴムに対して配合する方法が開示されているが、シリカの比表面積が増大するに従い、時間当たりのコンパウンド混練効率が低下し、生産性が低下する問題が生じる。
特開平7−126468号公報 特許第2748866号公報
以上述べたように、従来は、自動車用の絶縁電線、電線ケーブル、チューブ、熱収縮チューブ用の材質として用いられる樹脂組成物であって、耐油性、耐摩耗性、耐熱性、柔軟性等の要求特性を満足するとともに、安価、低比重で、かつ押出加工性が良好で生産上の問題も生じない樹脂組成物は、得られていなかった。そこで、このような要請を満足する樹脂組成物、並びに絶縁電線、電線ケーブル、絶縁チューブ及び熱収縮チューブの開発が望まれていた。
本発明は、自動車用、特にトランスミッション、トルクコンバータ用のワイヤーハーネス等に使用される絶縁電線、電線ケーブル、チューブ、熱収縮チューブ用の材質として用いられる樹脂組成物であって、耐油性、耐摩耗性、耐熱性、柔軟性等の要求特性を満足するとともに、安価、低比重で、かつ押出加工性が良好で生産上の問題も生じない樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明は、さらに前記の樹脂組成物を用いて得られ、前記のすぐれた特徴を有する自動車用の絶縁電線、電線ケーブル、チューブ、熱収縮チューブ用を提供することをその課題とする。
本発明者らは前記課題を達成するべく鋭意検討した結果、フッ化ビニリデンを主たる繰り返し単位とするフルオロポリマーとアクリルゴムを特定の比率でブレンドした樹脂混合物に、シリカとカーボンブラックを特定量配合した樹脂組成物は、押出加工性が良く、この樹脂組成物によれば、絶縁電線や電線ケーブルの絶縁被覆やシース、又絶縁チューブや熱収縮チューブを、プラスチック用押出機を用いて生産性良く、かつ後述するような表面肌荒れ等の問題を生ぜずに加工できることを見出した。さらにこの樹脂組成物を電離性放射線の照射により架橋することによって、トランスミッションフルード(ATF)に対する耐油性、耐摩耗性、耐熱性等に優れ、かつ柔軟性に優れる絶縁電線、電線ケーブル、チューブ、熱収縮チューブを製造できることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成した。
本発明は、その請求項1において、(A)フッ化ビニリデンを主たる繰返単位とするフルオロポリマー、(B)アクリルゴム、(C)シリカ、及び(D)カーボンブラックを含有し、該フルオロポリマー(A)と該アクリルゴム(B)の重量比率が40/60〜90/10であり、かつ該フルオロポリマー(A)と該アクリルゴム(B)の合計100重量部に対する、該シリカ(C)の配合量が10〜40重量部であり、該カーボンブラック(D)の配合量が5〜20重量部であることを特徴とする樹脂組成物を提供する。
ここで、(A)フッ化ビニリデンを主たる繰返単位とするフルオロポリマーとしては、より具体的には、フッ化ビニリデンの単独重合体、フッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンの二元共重合体、フッ化ビニリデンと四フッ化エチレンの二元共重合体、フッ化ビニリデン、六フッ化プロピレンと四フッ化エチレンの三元共重合体等が例示できる。これらのフッ化ビニリデン系ポリマーとしては、融点がおよそ140〜170℃の範囲のものが通常使用される。
(B)アクリルゴムとしては、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルコキシアルキルエステルを主成分とし、エチリデンノルボルネン等の不飽和基含有モノマーを架橋活性基としてもつもの、上記主成分に対しアリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有モノマー、2−クロロエチルビニルエーテル、クロロ酢酸ビニル等の活性塩素基含有モノマー、アクリル酸等のようなカルボキシル基含有モノマーのいずれかを架橋活性基として有するものが例示できる。
主成分であるアクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のアクリル酸エステルが例示され、アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、アクリル酸メトキシメチル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸メトキシエトキシエチル等のアルキレン基の炭素数が1〜4のアルコキシアルキル基のアクリル酸エステルが例示される。(B)アクリルゴムとしては、エチレンアクリレートゴムを使用しても良い。また必要に応じて、これら数種類のアクリルゴムをブレンドし使用することもできる。
本発明の樹脂組成物において、フルオロポリマー(A)とアクリルゴム(B)の比率は重量比で90/10ないし40/60の範囲である。フルオロポリマー(A)の比率の上昇により耐摩耗性、耐油性、耐熱性は向上するが、比率が90を越えると、柔軟性が低下するとともに、比重も上昇するので好ましくない。又、材料価格も上昇する。
一方、アクリルゴムの比率が60を越えると、押出加工性が悪化し、耐摩耗性が低下する等の点で好ましくない。
本発明の樹脂組成物は、前記のフルオロポリマー(A)とアクリルゴム(B)に加えて、シリカ(C)及びカーボンブラック(D)を含有する。フルオロポリマーとアクリルゴムのブレンドである樹脂組成物は、例えば特開平5−186606号公報に記載されている。ここでは、ブレンド比が95/5〜35/65であるアクリルゴム/フッ素樹脂(フルオロポリマーとアクリルゴムのブレンド)を用いてホースを成型し評価を行っており、フルオロポリマーとしてはフッ化ビニリデンの重合体が挙げられているが、このような樹脂組成物を用いて、押出加工を行い、押出線速を向上させると、押出成型物の表面外観が著しく悪化する問題がある。そこで、肉厚の薄いチューブ、被覆厚の薄い絶縁電線の被覆材としての押出加工への適用は困難である。本発明者は、検討の結果、シリカ(C)及びカーボンブラック(D)を所定量含有させることにより、このような問題を解決でき、表面外観が良好な押出成型物が得られることを見出したのである。
シリカ(C)としては、特に限定されず、湿式法、乾式法、電弧法いずれで得られたものも使用可能であるが、湿式法によるものが好ましく使用できる。中でも、4%懸濁液のpH5.5〜10、BET比表面積:30〜280m/g、吸油量:100〜300ml/100gのシリカがより好ましく用いられ、さらに好ましくは、4%懸濁液のpH6.5〜9.0、BET比表面積:30〜100m/g、吸油量:100〜200ml/100gのシリカである。
本発明の樹脂組成物において、シリカ(C)の配合量は、該フルオロポリマー(A)と該アクリルゴム(B)の合計100重量部に対して、10〜40重量部である。配合量が10重量部未満の場合は、後述するカーボンブラック(D)量が多い場合でも押出物の表面平滑性を充分向上できず、表面外観が良好な押出成型物が得られない。一方、配合量が40重量部を越えるとポリマーへの充填限界を越え、成型物が脆くなり耐摩耗性等が低下する。
又カーボンブラック(D)の配合量は、該フルオロポリマー(A)と該アクリルゴム(B)の合計100重量部に対して、5〜20重量部重量部である。シリカ(C)の配合のみでは、押出物の表面平滑性は向上されない、そこでカーボンブラック(D)の配合が必要である。カーボンブラック(D)の配合量が5重量部未満では、充分な表面平滑性の向上は得られない。一方、配合量が20重量部を越えると、樹脂組成物の体積固有抵抗が低下し、良好な絶縁性能が得られなくなる。
カーボンブラック(D)としては、ファーネス式製法によるファーネスカーボンブラックを用いると押出成型性がより向上し、成型体の表面肌荒れを防ぐ効果が大きいので、好ましく用いられる。請求項2は、この好ましい態様に該当する。ファーネスカーボンブラックとしては、SAF、SAF−HS、ISAF、N−339、ISAF−LS、I−ISAF−HS、HAF、HAF−HS、HAF−LS、MAF、FEF、FEF−HS、SRF、SRF−LM、GPF等の品種が使用でき、好適には、HAF(High Abrasion Furnece:ハイアブレージョンファーネス)或いはFEF(Fast Extruding Furnece:ファストエクストルーディングファーネス)、より好適にはFEFが使用される。
本発明の樹脂組成物中には必要に応じて既知の配合剤、例えば、滑剤、酸化防止剤、安定剤、補強剤、充填剤を配合できるし、電離放射線の照射による架橋効率を高める目的で、トリメチロールプロパントリメタクリレートやトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアネート、トリメリット酸トリアリル等に代表される同一分子内に炭素−炭素不飽和結合を複数個有する多官能性モノマーを配合することもできる。
さらに、シリカによる補強性、耐摩耗性を向上させる目的で各種シランカップリング剤を配合しても良い。シランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビス−(3−(トリエトキシシリル)−プロピル)テトラスルフィド等が使用できる。
エポキシ基含有モノマー及びカルボキシル基含有モノマーを架橋基とするアクリルゴムを使用する場合は、N−(2−アミノメチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシランが、活性塩素基含有モノマーを架橋基とするアクリルゴムを使用する場合は、ビス−(3−(トリエトキシシリル)−プロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の硫黄含有性シランが使用可能である。
酸化防止剤としては、アクリルゴムに好適なジフェニルアミン系酸化防止剤が使用可能であるほか、フェノール系酸化防止剤等も使用可能である。これらの配合剤の他に、必要に応じて酸化亜鉛、酸化カルシウム等の金属酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩、タルク、クレー、炭酸カルシウム等の無機充填剤、着色剤、可塑剤、発泡剤、架橋剤等を必要に応じて配合することができる。
本発明の樹脂組成物は、前記の成分(A)、(B)、(C)及び(D)、さらに必要により加えられる他の成分を、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、オープンロールミキサー、単軸或いは二軸混合機等の混合装置を用いて混合することにより製造することができる。フッ化ビニリデン系ポリマーとしては、融点がおよそ140〜170℃の範囲のものが通常使用されるので、フッ化ビニリデンを主たる繰返単位とするフルオロポリマー(A)の結晶を融解し、組成物中に有効に分散させるためには、好ましくは180℃以上、より好ましくは190℃以上の温度で混合し、成型加工を行う必要がある。
本発明の樹脂組成物は、自動車のトランスミッション用のワイヤーハーネス等に使用される絶縁電線や電線ケーブルの絶縁被覆やシースの材質として、又チューブや熱収縮チューブの素材としての使用が期待されるものであるが、これらの材質としては、次のようにして評価される耐油性、耐摩耗性及び耐熱性を満足する必要がある。
すなわち、耐油性としてはトランスミッションフルードに対する耐油性が求められ、通常、150℃に加温したトランスミッションフルードにチューブ等の試験片を入れ、1000時間浸漬後の試験片の引張強さ、伸び、重量変化率等により評価される(耐ATF試験)。耐摩耗性に関しては、例えば、図1のような構造の耐摩耗試験機を用いて評価される。耐熱性については、エンジンルーム内での配線についても考慮する必要があり、JASO規格を参考とすれば、200℃の恒温槽内に30分間チューブ等の試験片を吊り下げ、溶融しないことが求められる。
このように絶縁電線等の材質として用いられる樹脂組成物には、200℃×30分の耐熱性試験を満足する耐熱性が求められるが、前記のようにして得られた本発明の樹脂組成物は、室温ではコールドフローせず押出成型品の形状を保持するが、フッ化ビニリデンを主たる繰返単位とするフルオロポリマーの融点は高いものでも170℃程度であり、かつアクリルゴムとの混合により結晶性が低下するため耐熱性が低下し、そのままでは200℃×30分の耐熱性試験を満足しない。そこで、耐熱性を向上するために、樹脂の架橋が行われる。又、耐ATF試験を満足するすぐれた耐油性を得るためにもアクリルゴムを架橋することが重要である。
アクリルゴムの架橋は、通常アクリルゴムで使用される有機アンモニウム系、ジチオカルバミン酸亜鉛系、第四級アンモニウム塩系、トリアジン系、ジアミン系、一部の有機過酸化物系等の架橋剤を用いて行うこともできる。しかし、これらの架橋剤を用いて行う架橋では、140℃前後の比較的低温から架橋反応が始まる傾向があり、一方、本発明の樹脂組成物の製造では、前記のように180℃以上の温度で混合し成型加工を行う必要があるため、このような架橋方法では加工中にゲル化が進行し押出成型品の外観が損なわれる問題がある。そこで、本発明の樹脂組成物の架橋では、このような架橋剤を添加する化学架橋より、電離性放射線による照射架橋が優れている。
なお、本発明者の検討により、200℃における貯蔵弾性率(E’)が架橋度の指標として有効であり、200℃での貯蔵弾性率(E’)と耐ATF試験での重量変化を関連づけられることが見出された。例えば、図2は、フッ化ビニリデンを主たる繰返単位とするフルオロポリマー50重量部とアクリルゴム50重量部とを混合した材料を100kGyの照射線量により照射架橋した場合の耐ATF試験(150℃ ATFに240時間浸漬)での重量変化率と200℃での貯蔵弾性率(E’)の関係を表したものである。
図2より、重量変化率の許容範囲を10%以下とするためには、200℃での貯蔵弾性率(E’)は少なくとも8.0E+5Pa以上とする必要があることがわかる。逆に200℃での貯蔵弾性率(E’)が1.0E+6Pa以上であれば、重量変化率は2%以下となり、ATF浸漬条件下において非常に高い寸法安定性を実現できることが示されている。すなわち、200℃におけるE’が1.0MPa以上となるように本発明の樹脂組成物を架橋することにより、200℃×30分の耐熱性を満足するのに足る材質が得られる。
電離放射線としては、加速電子線、γ線、X線、α線、紫外線等を例示でき、線源利用の簡便さ、架橋処理のスピードなどの点から加速電子線が好ましく使用できる。加速電子線の加速電圧は製品厚みに応じ適宜選定可能である。照射線量は、好ましくは30〜500kGyの範囲から選択され、より好ましくは30〜200kGyの範囲から選択される。30kGy未満では架橋が不十分になり、200℃におけるE’は1.0MPa未満となり、500kGyを超えると架橋とともにフッ素樹脂の崩壊も進行するため好ましくない。
なお、前記架橋については電離性放射線による照射架橋が優れているが、他に、10時間半減期温度が110℃以上の有機過酸化物を選定、配合し、架硫管や架硫釜等の加圧設備を用いての熱架橋により実施することもできる。
(B)アクリルゴムとしては、分子内にエチリデンノルボルネン等の炭素−炭素不飽和結合を有し、過酸化物加硫ができる化学構造のアクリルゴムを主成分とするものが、電離放射線の照射により架橋処理が進行しやすく好ましい。本発明者は、検討の結果、分子内に、電離放射線の照射により架橋反応を生じる炭素−炭素不飽和結合を有するアクリルゴムをアクリルゴムの主成分とすると、少ない照射量で架橋が進行し、200℃における貯蔵弾性率(E’)が向上し、耐ATF試験での重量変化が極めて少なくなることを見出したのである。請求項3は、この好ましい態様に該当する。
前記の本発明の樹脂組成物は、電離性放射線の照射により架橋されて、自動車のトランスミッション用のワイヤーハーネス等に使用される絶縁電線や電線ケーブルの絶縁被覆やシースの材質として、又チューブや熱収縮チューブの素材として使用される。すなわち、押出成型、射出成型、プレス成型等の方法により、該樹脂組成物を、導体やコア上に被覆し、又はチューブ状に成型加工し、さらに電離性放射線の照射による架橋を施すことにより、優れた耐油性、耐摩耗性、耐熱性及び絶縁性、柔軟性を有する絶縁電線、電線ケーブル、チューブ又は熱収縮チューブを製造することができる。本発明は、このようにして製造された絶縁電線、電線ケーブル、チューブ及び熱収縮チューブも提供するものである。
すなわち、本発明の樹脂組成物を用いて導体を絶縁被覆し、樹脂を照射架橋することにより、優れた耐油性、耐摩耗性、耐熱性及び絶縁性、柔軟性を有する絶縁剤で被覆された絶縁電線が得られる。請求項4はこの絶縁電線に該当するものであり、導体が、前記本発明の樹脂組成物より被覆されており、該樹脂組成物が電離放射線の照射により架橋されていることを特徴とする絶縁電線を提供するものである。
コアとして単芯又は複数芯の絶縁電線を用い、その外周のシースとして本発明の樹脂組成物を用い、樹脂を照射架橋することにより、優れた耐油性、耐摩耗性、耐熱性及び絶縁性、柔軟性を有するシースを有する電線ケーブルが得られる。請求項5はこの電線ケーブルに該当するものであり、単芯又は複数芯の絶縁電線からなるコアが、前記本発明の樹脂組成物より被覆されており、該樹脂組成物が電離放射線の照射により架橋されていることを特徴とする電線ケーブルを提供するものである。
本発明の樹脂組成物を、押出成型等によりチューブ状に加工し、次いで電離性放射線による照射架橋を施せば、優れた耐油性、耐摩耗性、耐熱性及び絶縁性、柔軟性を有するチューブが得られる。請求項6はこのチューブに該当するものであり、前記本発明の樹脂組成物をチューブ状に成型してなり、該樹脂組成物が電離放射線の照射により架橋されていることを特徴とするチューブを提供するものである。
このようなチューブの製造において、電離性放射線による架橋後、加熱条件下でチューブ内部に圧搾空気を送り込む等の方法によりチューブを拡径して冷却固定(拡径固定)する方法により、熱収縮チューブを得ることができる。請求項7はこの熱収縮チューブに該当するものであり、前記本発明の樹脂組成物をチューブ状に成型し、該樹脂組成物を電離放射線の照射により架橋した後、拡径固定してなることを特徴とする熱収縮チューブを提供するものである。このようにして得られた熱収縮チューブは(A)フルオロポリマーの融点以上に加熱することで、予め記憶させたチューブ形状に復元する。
本発明の樹脂組成物を用い、電離放射線による照射架橋を施すことにより、自動車のトランスミッション用のワイヤーハーネス等に使用される絶縁電線、電線ケーブル、チューブ及び熱収縮チューブ用の材質に求められる優れた耐油性、耐摩耗性、耐熱性及び絶縁性、柔軟性を満足することができる。しかも、この樹脂組成物は押出加工性が良く、この樹脂組成物によれば、絶縁電線や電線ケーブルの絶縁被覆やシース、又チューブや熱収縮チューブを、プラスチック用押出機を用いて生産性良く成型することができる。さらに、表面荒れ等の問題を生ぜずに成型加工できるので、自動車に軽量化のために好適な薄肉の絶縁電線やチューブ等を製造できる。
従って、本発明の樹脂組成物を用いて製造された絶縁電線、電線ケーブル、チューブ及び熱収縮チューブは、耐油性、耐摩耗性、耐熱性及び絶縁性、柔軟性に優れ、トランスミッション用のワイヤーハーネス等に好適に使用される。
次に本発明を実施するための最良の形態を実施例により説明する。なお、本発明の範囲はこの実施例により限定されるものではない。
[樹脂組成物の製造]
表1〜表5の配合組成物を、加圧ニーダー(株式会社トーシン製:加圧式ニーダー:TD3−10MDX型)を用いて混合温度180℃で混合し、混練トルク(ニーダーロータの負荷電流値)安定後3分で排出した。この後、直ちに押出機型のペレット造粒機に負荷し、押出用のペレットを調整した。
表1〜表5に記載の配合組成物としては、次のものを用いた。
フッ化ビニリデンコポリマー: カイナー2800
フッ化ビニリデンホモポリマー: カイナー460
(以上、ATOFINA社製)
過酸化物架橋型アクリルゴム(ACM): NOXTITE AY1045
エポキシ基型アクリルゴム(ACM): NOXTITE PA312
(以上、NOK株式会社製)
活性塩素基型アクリルゴム(ACM): Nipol AR74X
カルボキシル基型アクリルゴム(ACM): Nipol AR12
(以上、日本ゼオン株式会社製)
エチレンアクリレートゴム(AEM): ベイマックGLS(三井デュポンポリケミカル社製、三元共重合体)
シリカ1: ニップシール E−743
シリカ2: ニップシール VN3 (以上東ソー・シリカ株式会社製)
FEFカーボン: シースト SO (東海カーボン株式会社製ファーネスカーボンブラック)
アクリルシラン: KBM 503 (信越化学工業株式会社製)
サーマルカーボン: サーマックスMT(Engineered Carbons社製)
[チューブ(試験試料)の製造]
チューブ設計は内径:4.5φ、肉厚0.5mmとした。チューブ押出は、シリンダー径50φ、L/D=24、C/R=2.6、スクリュー形状:フルフライトの設備を用いて実施した。押出温度設定は、供給部:140℃、圧縮部:170℃、計量部:190℃、ヘッド/ダイ:200℃とし、押出加工線速30m/分で行った。サンプリングを行いチューブ表面の外観評価を行った。チューブ成型後、加速電圧1MVの電子線を100kGy又は200kGy照射し試験試料とした。
[特性評価]
初期特性として、引張特性、耐摩耗性、体積固有抵抗及び200℃での貯蔵弾性率(E’)を評価した。耐油試験は、150℃に加熱したATF(トランスミッションフルード)に試料を1000時間浸漬後、引張特性、重量変化率で評価した。ATFは「トヨタ純正 オートフルードWS」タイプを使用した。
引張特性はインストロン引張試験機を用い、引張速度200mm/分で実施し、引張強さ及び伸びを測定した。柔軟性については、初期引張特性の10%モジュラスを測定し評価に用いた。耐摩耗性は、図1のような構造の耐摩耗試験機を用い、チューブに外径4.5φのアルミ棒を挿入し、荷重500g、ストローク50mm、30サイクル/分の条件で試験を実施した。
体積固有抵抗の評価は、チューブを製造した際のペレットの1部を用いて1mm厚のプレスシートを作成し、チューブと同条件にて電子線照射による架橋を行った後、JIS K 6723 6.8記載の体積抵抗率試験に従い実施した。1.0E+10Ωcm以上の体積固有抵抗率のものを合格とした。
200℃での貯蔵弾性率(E’)の測定はアイティー計測制御株式会社製動的粘弾性測定装置「DVA−220」を用い、剪断モード、周波数10Hz、歪み0.08%、温度スキャン0℃→250℃、昇温速度10℃/分で測定し、200℃の貯蔵弾性率(E’)を抽出した。耐熱性は、試験試料の片端を固定した状態で200℃の恒温槽中に30分間放置後の状態変化を確認する方法で行った。著しい溶融又はクラックが生じない場合を合格とした。押出外観は、押出後の表面の肌荒れを目視で判定し、肌荒れが見られないものを表中で○とした。
実施例1〜3
フッ化ビニリデンコポリマーと表1に記載の過酸化物架橋型アクリルゴム(分子内に、エチリデンノルボルネン基、すなわち電離放射線の照射により架橋反応を生じる炭素−炭素不飽和結合を有する。)のブレンド物に、シリカ及びFEFカーボンブラック等を表1に記載の量配合した樹脂組成物を用い、前記の試験試料の製造、特性評価を行った。その結果を表1に示す。表1から明らかなように、高い耐摩耗性と絶縁性等全ての評価項目に優れ、耐油後の重量変化も非常に小さい。いずれの例でも押出しはスムーズに行われ、押出し後の外観も良好で、表面の肌荒れは見られなかった。
実施例4〜5
フッ化ビニリデンホモポリマーと表1に記載の過酸化物架橋型アクリルゴムのブレンド物に、シリカ及びFEFカーボンブラック等を表1に記載の量配合した樹脂組成物を用い、前記の試験試料の製造、特性評価を行った。その結果を表1に示す。実施例1〜3同様、全ての評価項目に優れ、特に高い耐摩耗性、電気絶縁性、耐油性が実現されている。いずれの例でも押出しはスムーズに行われ、押出し後の外観も良好で、肌荒れは見られなかった。
実施例6
フッ化ビニリデンコポリマーと表2に記載の過酸化物架橋型アクリルゴムのブレンド物に、シリカ及びFEFカーボンブラック等を表2に記載の量配合し、さらにアクリル系のシランカップリング剤(γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)を添加した樹脂組成物を用い、前記の試験試料の製造、特性評価を行った。その結果を表2に示す。全ての評価項目に優れ、特にシランカップリング剤未添加の場合に比べ、耐摩耗性がさらに改善されている。押出しはスムーズに行われ、押出し後の外観も良好で、肌荒れは見られなかった。
実施例7〜11
アクリルゴムとして、表2又は表3に記載の過酸化物架橋型アクリルゴム以外のもの又はエチレンアクリレートゴムを用いた例である。フッ化ビニリデンコポリマーと該アクリルゴムのブレンド物に、シリカ及びFEFカーボンブラック等を表2又は表3に記載の量配合した樹脂組成物を用い、前記の試験試料の製造、特性評価を行った。その結果を表2又は表3に示す。
実施例7はエポキシ基型アクリルゴムを用い、照射線量が100kGyの場合であるが、許容範囲ではあるものの耐摩耗性が、過酸化物架橋型アクリルゴムを用いた場合(実施例4等)に比べて、低下傾向で耐油後の重量変化も大きめとなる。しかし、照射線量を200kGyに上げた実施例8では改善傾向となる。この傾向は、活性塩素基型(実施例9)、カルボキシル基型(実施例10)及びエチレンアクリレートゴム(実施例11)をアクリルゴムとして用いた場合も同様であった。なお、いずれの例でも押出しはスムーズに行われ、押出し後の外観も良好で、肌荒れは見られなかった。
実施例12
表3に記載したフッ化ビニリデンコポリマーと過酸化物架橋型アクリルゴムのブレンド物にシリカ及びFEFカーボンブラック等を表3に記載の量配合した樹脂組成物を絶縁被覆に用い、絶縁電線を製造し評価した。ここで、導体は素線径0.127φニッケルメッキ軟銅線の19本撚り導体を使用し、絶縁被覆厚の設計値を0.45mmとして押出被覆した。押出機はシリンダー径50φ、L/D=24、C/R=2.6、スクリュー形状:フルフライトの設備を使用した。押出温度設定は、供給部:140℃、圧縮部:170℃、計量部:190℃、ヘッド/ダイ:200℃とし、押出加工線速30m/分で実施し、サンプリングを行い表面の外観評価を行った。押出後、加速電圧1MVの電子線を100kGy照射し試験試料とした。前記と同様の引張、耐熱、耐油評価を、電線より導体を除去して実施した。その結果を表3に示す。チューブの場合と同様、耐熱、耐油性は良好であり、又耐摩耗性も良好である等全ての評価項目に優れていた。なお押出しはスムーズに行われ、押出し後の外観も良好で、肌荒れは見られなかった。
実施例13
表3に記載したフッ化ビニリデンコポリマーと過酸化物架橋型アクリルゴムのブレンドポリマーに、シリカ及びFEFカーボンブラック等を表3に記載の量配合した樹脂組成物を用いて実施例1〜11と同条件によりチューブ押出、電子線照射を行った後、250℃の加熱条件下でチューブ内部に圧搾空気を送り込むことにより拡径し、冷却固定し熱収縮チューブを製造した。できあがった熱収縮チューブに4.5φのアルミ棒を挿入し200℃にて収縮させ、前記の各項目の評価を行った。体積固有抵抗に関しては、実施例1〜11と同様に1mm厚のプレスシートにより実施した。その結果を表3に示す。表3より明らかなように全ての項目で良好な結果が得られた。なお押出しはスムーズに行われ、押出し後の外観も良好で、肌荒れは見られなかった。
比較例1、2
比較例1、2は、電子線の照射を行わなかった例である。比較例1はフッ化ビニリデンの比率が、本発明の範囲の上限であり、比較例2は、アクリルゴムの比率が、本発明の範囲内の高めの例である。結果を表4に示すが、照射を施さなかった場合、耐熱評価で溶融傾向となるとともに、耐油性能も低下することが明らかである。すなわち、フッ化ビニリデン比率が高い比較例1では、200℃の耐熱評価で溶融し、耐油性評価でも溶融し評価不能である。アクリルゴム比率が高めの比較例2では、完全には溶融しないものの、耐熱評価ではサンプルが延伸され、耐油後の引張評価でも著しい伸びと大きな重量変化を呈している。
比較例3、4
比較例3は、カーボンを添加しない例であり、比較例4は、カーボン添加量が本発明の範囲を越えた例である。表4より明らかなように、カーボンを添加しない比較例3では、押出外観が極端に悪化する。逆に比較例4では、体積固有抵抗が測定不能であり、チューブの絶縁特性が損なわれている。
比較例5
アクリルゴム配合量が本発明の範囲を越えた例である。表5より明らかなように、この場合押出外観が悪化する。
比較例6
アクリルゴム配合量が本発明の範囲を越えた例であって、シリカの添加量を比較例5の場合より増加させた例である。表5より明らかなように、押出外観は、比較例5より改善されるが、体積固有抵抗が低下し絶縁性能が低下する。
実施例14
カーボンブラックとしてファーネスカーボンブラックの代りにサーマルカーボンを用いた例である。耐摩耗性、耐熱性、絶縁性、耐油性等の物性に優れるが、押出外観が若干悪く、少しの肌荒れが見られる。
Figure 2006104395
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Figure 2006104395
耐摩耗試験に用いられる耐摩耗試験機の概念図である。 耐ATF試験での重量変化率と200℃での貯蔵弾性率(E’)の関係を表わすグラフである。

Claims (7)

  1. (A)フッ化ビニリデンを主たる繰返単位とするフルオロポリマー、(B)アクリルゴム、(C)シリカ、及び(D)カーボンブラックを含有し、該フルオロポリマー(A)と該アクリルゴム(B)の重量比率が40/60〜90/10であり、かつ該フルオロポリマー(A)と該アクリルゴム(B)の合計100重量部に対する、該シリカ(C)の配合量が10〜40重量部であり、該カーボンブラック(D)の配合量が5〜20重量部であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 該カーボンブラック(D)が、ファーネスカーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 該アクリルゴム(B)が、分子内に、電離放射線の照射により架橋反応を生じる炭素−炭素不飽和結合を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 導体が、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の樹脂組成物により被覆されており、該樹脂組成物が電離放射線の照射により架橋されていることを特徴とする絶縁電線。
  5. 単芯又は複数芯の絶縁電線からなるコアが、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の樹脂組成物により被覆されており、該樹脂組成物が電離放射線の照射により架橋されていることを特徴とする電線ケーブル。
  6. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の樹脂組成物をチューブ状に成型してなり、該樹脂組成物が電離放射線の照射により架橋されていることを特徴とするチューブ。
  7. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の樹脂組成物をチューブ状に成型し、該樹脂組成物を電離放射線の照射により架橋した後、拡径固定してなることを特徴とする熱収縮チューブ。

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