JP2012097205A - ゴム組成物及びゴム成形体 - Google Patents

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【課題】耐熱性に優れたゴム成形体のための、加工性に優れたアクリル酸エステル系のゴム組成物、該ゴム組成物を架橋してなり、耐熱性に優れたゴム成形体並びに該ゴム成形体からなる軸受用シールを提供すること。
【解決手段】アクリルゴム100重量部に対して、第1配合成分として4フッ化エチレン(PTFE)30〜80重量部、第2配合成分としてカーボンブラック及びシリカより選ばれる1種以上20〜90重量部を含有することを特徴とするゴム組成物、該ゴム組成物を架橋してなるゴム成形体、並びに該ゴム成形体からなる軸受用シール。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物及び該ゴム組成物を架橋して得られるゴム成形体に関する。
自動車、鉄道車両、産業車両、船舶、航空機等の輸送機械に使用される各種機械は、近年、小型軽量化に加えて、高性能であることを同時に求められるケースが増加している。例えば、自動車の分野では、小型軽量化を目的としたFF(フロントエンジン・フロント駆動)車の普及により、またさらに居住空間の拡大により、自動車はエンジンルームの縮小を余儀なくされつつある。このような高性能の機械に使用されるシール部材には、高温で使用しても劣化が小さく、良好な密封性を長く維持し、信頼性や耐熱性に優れることが求められる。
中でも、前記各種機械において、軸受のような回転する部分に使用されるシール材は、高温環境下にさらされることが多いため、耐熱性に優れた合成ゴムが必要とされている。
合成ゴムの耐熱性の向上を図る場合、まず前記ゴム組成物に使用するポリマーの中から所望の耐熱性を備えた素材を選択したり、そのポリマーを加工するのに適した加硫剤、老化防止剤等を選択したりすることが行われている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
しかしながら、耐熱性を有する合成ゴムの上市品としては、実質的にはシリコーンゴム系又はフッ素ゴム系に限定されるために選択肢が少なく、これらの合成ゴムは単価が高いため各種機械を製造するメーカーにとっては経済的な負担が大きくなっている。また、新規なポリマーを用いて重合を行ったり、新規な添加剤(例えば、老化防止剤)を用いて、新規な合成ゴムを作製したりすると、開発や製造にかかるコストに加えて、新規な合成ゴムを市場に広める点でもさらに経済的な負担が大きくなるという背景もある。
そこで、本件出願人も、高温で使用しても劣化が小さく、良好な密封性を長く維持し、信頼性や耐熱性に優れるシール部材として、特許文献4記載のような転がり軸受用シール部材を提供している。
しかしながら、各種機械では、小型軽量化に加えて、高性能であることを同時に求められるケースが、今後ますます増加していく傾向にあることは明らかであり、小型化に伴って、加工しやすく、且つ耐熱性に優れたシール部材が必要とされている。
特開平5−287125号公報 特開平11−118041号公報 特開2003−252932号公報 特開2005−140261号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、耐熱性に優れたゴム成形体のための、加工性に優れたアクリル酸エステル系のゴム組成物、該ゴム組成物を架橋してなり、耐熱性に優れたゴム成形体並びに該ゴム成形体からなる軸受用シールを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために、単価がシリコーンゴム系又はフッ素ゴム系の合成ゴムよりも安価なアクリルゴムに着目し、その合成ゴムの耐熱性を向上させることを目的として鋭意検討したところ、ゴム組成物中の第1配合成分としてPTFEの含有量を多量に含有させ、第2配合成分としてカーボンブラック及びシリカの含有量を特定することで、ゴム組成物の加工性が優れたものでありながら、そのゴム組成物から得られるゴム成形体の耐熱性が有意に向上することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は、
(1)アクリルゴム100重量部に対して、
第1配合成分として4フッ化エチレン(PTFE)30〜80重量部、
並びに第2配合成分としてカーボンブラック及びシリカより選ばれる1種以上20〜90重量部
を含有することを特徴とするゴム組成物、
(2)アクリルゴム100重量部に対して、第1配合成分と第2配合成分との合計量が50〜120重量部である前記(1)記載のゴム組成物。
(3)前記(1)又は(2)に記載のゴム組成物を架橋してなるゴム成形体、
(4)前記(3)に記載のゴム成形体からなる軸受用シール
に関する。
本発明のゴム組成物は、加工性に優れたものであるため、様々な部材に加工・成形することが可能である。
また、前記ゴム組成物から得られるゴム成形体は耐熱性に優れたものであるため、機械の様々な部分に使用されるシール、特に軸受用シールの材料として好適に使用することができる。
本発明のゴム組成物は、アクリルゴム100重量部に対して、
第1配合成分として4フッ化エチレン(PTFE)30〜80重量部、
並びに第2配合成分としてカーボンブラック及びシリカより選ばれる1種以上20〜90重量部
を含有することを特徴とする。
本発明においてはポリマーとしてアクリルゴムを使用する。アクリルゴムは、カルボキシル基、活性塩素、エポキシ基等の架橋点を備えた市販のアクリル酸エステルの重合体又は共重合体であればよく、これらの市販品はいずれも本発明において使用可能である。また、アクリルゴムの種類についても特に限定はない。例えば、日本ゼオン(株)製の「Nipol」(商品名)では、エポキシ基を有するアクリル酸エステルの重合体又は共重合体として「AR31」、「AR42W」、「AR54」等、活性塩素基を有するアクリル酸エステルの重合体又は共重合体であれば「AR71」、「AR72LS」等、カルボキシル基を有するアクリル酸エステルの重合体又は共重合体であれば「AR12」、「AR22」等が挙げられる。
これらの中では、耐熱性、耐水性が優れるという点から、カルボキシル基を持つアクリル酸エステル共重合体が好ましい。
本発明においては、第1配合成分として4フッ化エチレン樹脂(PTFE)を使用することで、アクリルゴムをポリマーとするゴム成形体の耐熱性を向上させることができる。
本発明のゴム組成物中において、前記第1配合成分であるPTFEは、前記アクリルゴム100重量部に対して、30〜80重量部含有される。前記PTFEの含有量が30重量部未満であると、耐熱性を向上することができず、また、80重量部を超えると、ゴム組成物の粘度が高くなりすぎて、加工性が劣化する。前記PTFEの含有量は、ゴム組成物の加工性とゴム成形体の耐熱性が共に優れる観点から、30〜40重量部が好ましい。
前記PTFEとしては、合成ゴムに使用できるものであればよい。また、PTFEとしては、アクリルポリマーの分散性の観点から、粉体状のものが好ましい。例えば、旭硝子(株)製の「AGC・169J」(粒径は15μm)、住友3M(株)製の「T−9205」(粒径は8μm)が挙げられる。
本発明においては、第2配合成分としてカーボンブラック及びシリカからなる群より選ばれる1種又は2種を使用することで、アクリルゴムをポリマーとするゴム組成物の加工性を向上させ、ゴム成形体の強度を保つことができる。
前記カーボンブラックとしては、例えば、SAFカーボンブラック、ISAFカーボンブラック、HAFカーボンブラック、FEFカーボンブラック、GPFカーボンブラック、SRFカーボンブラック、FTカーボンブラック、MTカーボンブラック、アセチレンカーボンブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を併用することができる。
前記シリカとしては、珪酸、珪酸塩、二酸化珪素等が挙げられる。また、前記シリカとしては、珪酸、珪酸塩又は二酸化珪素が含まれた材料でもよく、例えば、珪藻土、珪酸塩鉱物、シリカゲル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を併用することができる。また、シリカの形態としては、粉砕品として使用することが取り扱い性の観点から、好ましい。
本発明のゴム組成物中において、第2配合成分は、前記アクリルゴム100重量部に対して、20〜90重量部含有される。前記第2配合成分の含有量が20重量部未満であると、ゴム組成物の加工性が劣化して、例えば、表面状態が悪化する傾向があり、また、90重量部を超えると、ゴム組成物の粘度が高くなり加工性が劣化してしまい、成形体の強度が高くなりすぎる傾向がある。前記第2配合成分の含有量は、ゴム組成物の加工性に優れ、ゴム成形体の強度を保つ観点から、30〜60重量部が好ましい。
また、本発明のゴム組成物において、前記アクリルゴム100重量部に対して、第1配合成分と第2配合成分との合計量を50〜120重量部に調整することで、ゴム組成物の加工性及びゴム成形体の耐熱性を共に優れたものとすることができる。前記第1配合成分と第2配合成分との合計量が50重量部未満とすると、第1配合成分及び第2配合成分のそれぞれの添加効果が出難くなる傾向があり、また、120重量部を超えるとアクリルゴムと混練した場合に混練物の粘度が高くなりすぎたり、得られるゴム成形体の強度が高くなりすぎて、加工性が著しく損なわれる傾向がある。したがって、本発明のゴム組成物において、前記第1配合成分と第2配合成分との合計量を50〜120重量部に調整することが好ましい。
本発明のゴム組成物は、上記成分以外に、通常、更に、架橋剤、加硫剤、可塑剤、充填剤、補強剤、金属酸化物、軟化剤、老化防止剤、カップリング剤、加工助剤、難燃剤、紫外線吸収剤等の各種の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で適量配合することができる。
架橋剤としては、アクリルゴム用のものであればよく、特に限定はないが、硫黄及び有機過酸化物が用いられる。硫黄としては、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄等が挙げられる。また、架橋温度で活性硫黄を放出して架橋する硫黄化合物、例えば、モルホリンジスルフィド、炭素数1〜18のアルキルフェノ−ルジスルフィド、炭素数1〜18のテトラアルキルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレン等を加硫促進剤として用いることもできる。
有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルヒドロパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシン)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−モノ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン等が挙げられる。これらの有機過酸化物は単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また、前記架橋剤の使用に際しては、架橋促進剤、架橋助剤等を用いることもできる。架橋促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系化合物;2−メルカプトベンゾチアゾ−ル、2−(2’,4’−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾ−ル、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾ−ル、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾ−ル系化合物;ジフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレ−ト等のグアニジン化合物;アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミン又はアルデヒド−アンモニア系化合物;2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラオクチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系化合物;ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテ−ト系化合物;亜鉛華等の化合物を挙げることができる。
架橋助剤としては、具体的には、p−キノンジオキシム等のキノンジオキシム系化合物;ポリエチレングリコールジメタクリレ−ト等のメタクリレ−ト系化合物;ジアリルフタレ−ト、トリアリルシアヌレ−ト等のアリル系化合物;マレイミド系化合物;ジビニルベンゼン等が挙げられる。
加硫剤としては、例えば、脂肪族第一アミン及び芳香族第一アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメイト、テトラメチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン−シンナムアルデヒド付加物及びヘキサメチレンジアミン−ジベンゾエート塩等が挙げられる。又、芳香族アミンとしては、例えば、4,4′−メチレンジアニリン、4,4′−オキシフェニルジフェニルアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4′−メチレンビス(o−クロロアニリン)等が挙げられる。これらのなかでは、ヘキサメチレンジアミンカーバメイト、ヘキサメチレンジアミン−シンナムアルデヒド付加物、4、4′−メチレンジアニリン、4、4′−オキシフェニルジフェニルアミンが特に好ましい。
可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ブチルオクチルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸エステル類、ジメチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、オクチルデシルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレート、ジイソブチルアゼレート、ジブチルセバケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート、ジイソオクチルセバケート等の脂肪酸エステル類、トリメリット酸イソデシルエステル、トリメリット酸オクチルエステル、トリメリット酸n−オクチルエステル、トリメリット酸系イソノニルエステル等のトリメリット酸エステル類の他、ジ−(2−エチルヘキシル)フマレート、ジエチレングリコールモノオレート、グリセリルモノリシノレート、トリラウリルホスフェート、トリステアリルホスフェート、トリ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、エポキシ化大豆油、ポリエーテルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を併用することができる。
充填剤としては、例えば、重質炭酸カルシウム、胡粉、軽微性炭酸カルシウム、極微細活性化炭酸カルシウム、特殊炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、カオリンクレー、焼成クレー、パイロフライトクレー、シラン処理クレー、合成ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、カオリン、セリサイト、タルク、微粉タルク、ウォラスナイト、ゼオライト、ゾーノトナイト、セピオライト、チタン酸カリウム、エレスタダイト、石膏繊維、ガラスバルン、シリカバルン、ハイドロタルサイト、フライアシュバルン、シラスバルン、カーボン系バルン、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を併用することができる。
金属酸化物としては、例えば、亜鉛華、活性亜鉛華、表面処理亜鉛華、炭酸亜鉛、複合亜鉛華、複合活性亜鉛華、表面処理酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、極微細水酸化カルシウム、一酸化鉛、鉛丹、鉛白等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を併用することができる。
軟化剤としては、石油系軟化剤、植物油系軟化剤等が挙げられる。石油系軟化剤としては、例えば、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系軟化剤等が挙げられる。植物系軟化剤としては、例えば、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、木ろう等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を併用することができる。
老化防止剤としては、例えば、ナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体系、モノ、ビス、トリス、ポリフェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダートフェノール系、亜リン酸エステル系、イミダゾール系、ジチオカルバミン酸ニッケル塩系、リン酸系の老化防止剤等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を併用することができる。
前記カップリング剤としては、特に限定されるものではないが、例えばビニル系シランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤等のシランカップリング剤、ジルコニア系カップリング剤等が挙げられる。
加工助剤としては、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリルアミン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を併用することができる。
本発明のゴム組成物には、ゴム成分として他のゴムを配合することもできる。他のゴムとしては特に限定されないが、本発明以外のアクリル酸エステル系共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエン・イソプレン共重合ゴム、ブタジエン・スチレン・イソプレン共重合ゴム、アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム、ブチルゴム、天然ゴム、クロロプレンゴム等を使用することができる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂と使用することもできる。
また、本発明のゴム組成物を調製するに際し、各原料の配合順序は特に限定されるものではない。また、ゴム組成物の原料を混合する際には、例えばミキシングロール、密閉式混練機等の公知の混練装置を用いて行うのが良い。また、ゴム組成物の原料を混合する前に、あらかじめ圧延ロール等で圧延処理してもよい。
前記の成分を含有する本発明のゴム組成物を架橋することにより、加工性、耐熱性に優れたゴム成形体を得ることができる。架橋は、例えば、前記ゴム組成物を、公知の手法に基づいて加硫すればよく、しかる後、シート成形等の成形を行うことによって、ゴム成形体を得ることができる。なお、前記加硫処理は、1次加硫と2次加硫に分けて行うことが好ましい。加硫処理の温度条件としては、特に限定はないが、1次加硫、2次加硫ともに140〜180℃の範囲が好ましい。また、加硫処理時間としては、特に限定はないが、1次加硫を10〜30分間、2次加硫を2〜5時間で行うことが好ましい。
以上のようにして得られた本発明のゴム成形体は、耐熱性を有し、加工性や各種強度に優れるものである。
次に、本発明を実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
<主要な原材料>
実施例で使用した主要な原材料について、以下に示す。
・アクリルゴム:日本ゼオン社製「AR22」
・PTFE:旭硝子社製「ルブリカントE169J」
・シリカ:東ソー・シリカ社製 「ニプシールER(SiO2)」
・珪藻土:昭和化学社製 「ラジオライトF」
・カーボンブラック:東海カーボン製 [シースト116]
<実施例1>
アクリルゴム100.0重量郡、シリカ40.0重量部、珪藻土(ラジオライトF)50.0重量部、PTFE35.0重量部、ステアリン酸(加工助剤)2.0重量部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(シランカップリング剤)1.0重量部、ジ−O−トリルグアニジン(架橋促進剤)2.0部、ヘキサメチレンジアミンカーバメイト(加硫剤)0.6部、4,4’−ビスフェニルアミン(老化防止剤)2.0重量部を圧延ロールでプレスした後、密封式混合機により混合し、ゴム組成物を作製した(表1)。このゴム組成物は、後述のような手順で加工性を調べるのに使用した。
次いで、得られたゴム組成物をミキシングロールにて混練した後、1次加硫(170℃、12分)2次加硫160℃×4時間を実施してシート状に成形することによって、厚さ2mmのゴムシート(ゴム成形体)を得た。
<実施例2〜8、比較例1〜7>
表1〜2に示す配合となるように原材料を混合した以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、次いで、ゴムシート(ゴム成形体)を得た。
上記のようにして得られた各ゴム組成物及びゴムシートについて下記評価法に従い評価を行った。それらの結果を表3〜4に示す。
<引張強さ測定法(TB)>
JI S K6251に準拠してゴムシートの3号ダンベル試験片の引張強さ(Mpa)を測定した。
<引張伸び測定法(EB)>
JIS.K6251に準拠してゴムシートの3号ダンベル試験片の伸び(%)を測定した。
<デュロメータ硬さ(ショアA硬度)測定法(HS)>
JIS K6253に準拠してゴムシートのデュロメータ硬さ(シヨアA硬度)を測定した。
<熱老化測定評価法>
JIS K6257に準拠し、ゴムシートに対して190℃条件下において熱老化試験を開始し、開始から504時間における、初期値に対する硬度変化量(ΔHS)、引
張り伸び変化量(ΔEB)を算出した。
(判定基準)
「○」…変化量ΔHS=+20ポイント以内、伸び変化ΔEB −80%以内。どちら
も満足する。
「△」…変化量ΔHS=+20ポイント以内、伸び変化ΔEB −80%以内。一方を
満足する。
「×」…変化ΔHS=+20ポイント以内、伸び変化ΔEB −80%以内。どちらも
満足しない。
<加工性評価法>
ゴム組成物をミキシングロールで混練する際の混練性及び得られる混練組成物をシート状に成形する際の成形性(表中、ロール加工性)を調べて下記判定基準に基づいて評価した。
(ロール加工性の判定基準)
「○」…混練性が良好で、成形性も良好である
「△」…少し時間がかかるものの混練性及び成形性ともにほぼ良好である
(まれにバリが発生することがあるが実生産上問題のないレベルである)
「×」…混練性が悪く、成形性も悪い(粘着、巻き付き、発熱によるスコーチ、割れ、離型不良のいずれかの問題があって実生産上問題がある)。
また、加硫成形後のシート表面を目視で確認し、製品として良好なものを「○」、クラック等が発生して不良なものを「×」で評価した。
Figure 2012097205
Figure 2012097205
Figure 2012097205
Figure 2012097205
表1〜4の結果より、実施例1〜8で得られたゴム組成物はいずれもロール加工性と加硫成形後のシート表面の評価が「○」であることから、優れた加工性を有しており、また、これらのゴム組成物を用いて得られたゴムシートはいずれも十分な硬度、引っ張り強さ及び引っ張り伸びを備えており、しかも190℃の高熱下で504時間さらされた熱老化試験後でも硬度と引っ張り伸びの変化量が少ない点で、非常に優れた耐熱性を有していることがわかる。
一方、比較例1〜5で得られたゴム組成物は、いずれも加工性は良好であったものの、かかるゴム組成物を用いて得られたゴムシートの耐熱性はいずれも悪いものであった。
また、比較例6、7で得られたゴム組成物は、いずれも成形はできたものの、加硫を行うと表面状態が悪く、結果としてゴムシートに加工することは困難であった。したがって、熱老化試験は行えなかった。
本発明に係るゴム組成物は、例えば自動車のトランスミッションの軸受用シール等の各種軸受用シールの材料として好適に用いられるが、特にこのような用途に限定されるものではない。
例えば、前記ゴム組成物から得られるゴム成形体は、耐熱性を有し、加工性や各種強度に優れていることから、オイルクーラーホース、エアーダクトホース、パワーステアリングホース、コントロールホース、インタークーラーホース、トルコンホース、オイルリターンホース、耐熱ホース等の各種ホース材、燃料ホース材、ベアリングシール、バルクステムシール、各種オイルシール、O−リング、パッキング、ガスケット等のシール材、各種ダイヤフラム、ゴム板、ベルト、オイルレベルゲージ、ホースマスキング、配管断熱材等の被覆材、ロール等に好適に利用することができる。
中でも、自動車エンジン補機に使用される軸受用シール、例えば、オルタネータ、磁気クラッチ、ベルトプーリー等に設置される軸受用シールとすることができる。

Claims (4)

  1. アクリルゴム100重量部に対して、
    第1配合成分として4フッ化エチレン(PTFE)30〜80重量部、
    並びに第2配合成分としてカーボンブラック及びシリカより選ばれる1種以上20〜90重量部
    を含有することを特徴とするゴム組成物。
  2. アクリルゴム100重量部に対して、第1配合成分と第2配合成分との合計量が50〜120重量部である請求項1記載のゴム組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のゴム組成物を架橋してなるゴム成形体。
  4. 請求項3に記載のゴム成形体からなる軸受用シール。
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