JP2008303234A - 未加硫ゴム組成物および加硫ゴム - Google Patents

未加硫ゴム組成物および加硫ゴム Download PDF

Info

Publication number
JP2008303234A
JP2008303234A JP2007149030A JP2007149030A JP2008303234A JP 2008303234 A JP2008303234 A JP 2008303234A JP 2007149030 A JP2007149030 A JP 2007149030A JP 2007149030 A JP2007149030 A JP 2007149030A JP 2008303234 A JP2008303234 A JP 2008303234A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
rubber composition
vulcanized rubber
weight
vulcanized
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2007149030A
Other languages
English (en)
Inventor
Michiki Otake
宙希 大竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP2007149030A priority Critical patent/JP2008303234A/ja
Publication of JP2008303234A publication Critical patent/JP2008303234A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】加工性が良好であって、経年バネ変化が低く、接着性および耐疲労性に優れた加硫ゴムを形成するために有効な未加硫ゴム組成物、ならびに該未加硫ゴム組成物を加硫、成形して得られる加硫ゴムを提供する。
【解決手段】TSラバー100重量部に対して、カーボンブラック30〜60重量部、および硫黄1〜2重量部含むことを特徴とする未加硫ゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、経年バネ変化が低く、接着性および耐疲労性に優れた加硫ゴムを形成するために有効な未加硫ゴム組成物、ならびに、該ゴム組成物を加硫、成形して得られる加硫ゴムに関するものである。
本発明の加硫ゴム成型品は、建築物、構築物、橋梁、船舶、自動車、車両、一般産業向けの防振ゴム用途および免震ゴム用途などに使用されるものである。
建築物や構築物、橋梁、船舶、車両等に使用する防振ゴムおよび免震ゴムにおけるゴム材料には、減衰性が求められており、かかる減衰性達成のために、カーボン成分やオイル等の軟化剤が添加されている。また、特に鉄道車両用防振ゴム用途においては、経年ばね変化低減および耐疲労性向上のため、原料ゴムとして天然ゴム(NR)/ブタジエンゴム(BR)のブレンド系など、ブタジエンゴム成分を必須とするベースポリマーとする例が多い(たとえば、特許文献1参照)。
しかし近年は、経年ばね変化低減の要求がよりいっそう強まっており、BRブレンドした系では100℃のような極めて高温時において静ばね定数が増大してしまう傾向があり、かかる問題の解決が求められている。
特開平7−268147号公報
本発明の目的は、上述の問題点を解消すべく、経年バネ変化が低く、接着性および耐疲労性に優れた加硫ゴムを形成するために有効な未加硫ゴム組成物、ならびに該未加硫ゴム組成物を加硫、成形して得られる加硫ゴムを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、特にゴムの組成と配合比率について鋭意研究した結果、以下に示す未加硫ゴム組成物を用いることにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の未加硫ゴム組成物は、前記TSラバー100重量部に対して、カーボン30〜60重量部、および硫黄1〜2重量部含むことを特徴とする。
本発明によると、実施例の結果が示すように、かかる構成の未加硫ゴム組成物からなる加硫ゴムを用いることにより、経年バネ変化が低く、接着性および耐疲労性に優れた加硫ゴムを形成することができる。
なお、本発明におけるTSラバーとは、TSR(Technically Specified rubber)に分類される天然ゴムをいい、品質の不均一を改めるため、ゴミ、灰分などの含有率を定量的に測定し、技術的に格付けされた天然ゴムをいう。
また、本発明の未加硫ゴム組成物は、さらに、天然ゴム100重量部に対して、オイル0.01〜10重量部含むことが好ましい。
一方、本発明の加硫ゴムは、上述の未加硫ゴム組成物を加硫、成形して得られることを特徴とする。発明の加硫ゴムによると、上記のような作用効果を奏する未加硫ゴムを用いることにより、経年バネ変化が低く、接着性および耐疲労性に優れた加硫ゴムとなる。
また、本発明の加硫ゴムは、60〜80℃で35日間熱処理後の静的ばね定数の経時変化ΔKs(%)が+15%以下であることが好ましく、上記未加硫ゴム組成物を用いることにより上記範囲とすることができる。
また、本発明の加硫ゴムは、100℃で35日間熱処理後の静的ばね定数の経時変化ΔKs(%)が+15%以下であることが好ましく、上記未加硫ゴム組成物を用いることにより上記範囲とすることができる。
なお、本発明における静的ばね定数の経時変化ΔKs(%)とは、熱劣化後の値の初期値の値に対する変化率をいい、より詳細な測定手法は実施例に示す。
他方、本発明の加硫ゴム成型品は、上記いずれかに記載の加硫ゴムを金属部材と接着したものであることを特徴とする。本発明の加硫ゴム成型品によると、上記のような作用効果を奏する加硫ゴムを備えるため、経年バネ変化が低く、接着性および耐疲労性に優れた加硫ゴム成型品となる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の未加硫ゴム組成物は、前記TSラバー100重量部に対して、カーボンブラック30〜60重量部、および硫黄1〜2重量部含むことを特徴とする。
本発明における未加硫ゴム組成物においては、ベースポリマーとして前記TSラバーが用いられることを特徴とする。
なお、本発明におけるTSラバーとは、TSR(Technically Specified rubber)に分類される天然ゴムをいい、品質の不均一を改めるため、ゴミ、灰分などの含有率を定量的に測定し、技術的に格付けされた天然ゴムをいう。
また、本発明においては、上記TSラバー100重量部に対して、カーボン30〜60重量部含むことを特徴とするが、35〜55重量部であることが好ましく、40〜50重量部含まれることがより好ましい。
本発明におけるカーボンとしては、通常粒子径が26〜500nmのものが用いられるが、26〜200nmのものが好ましく、26〜80nmのものがより好ましい。粒子径が26nmより小さくなると、接着性の低下や剥離モードの悪化してしまう傾向にあり、また、未加硫ゴム組成物の混練り工程などにおいてスコーチ現象を起こしやすく加工性(加工安定性)に劣る場合がある。
本発明におけるカーボンとしては、上記粒子径を有するものであれば、通常ゴム組成物に用いられるカーボンブラックを適宜用いることができる。カーボンとしては、たとえば、HAF、MAF、FEF、GPF、SRF、FT、MTなどをあげることができる。なかでも、HAF、MAF、FEF、GPFが用いられることが好ましい。これらのカーボンは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記カーボンの市販品としての具体例としては、たとえば、シースト3、シースト116(以上、いずれも東海カーボン社製)、ショウブラックN330(昭和キャボット社製)、旭#70(旭カーボン社製)、ダイヤブラックH、ダイヤブラックMAF(三菱化学社製)などをあげることができる。
また、本発明においては、上記TSラバー100重量部に対して、硫黄1〜2重量部含むことを特徴とするが、1.2〜1.8重量部であることが好ましく、1.4〜1.6重量部含まれることがより好ましい。
硫黄の配合量が1重量部未満では、加硫後のゴムの架橋結合が不足して、充分なゴム硬度や耐疲労性が得られない。また、2重量部を超えると、耐熱劣化性が低下し、経年ばね変化が上昇する。
加硫剤としての硫黄は、通常のゴム用硫黄であれば用いることができる。
また、本発明においては、上記TSラバー100重量部に対して、さらにオイル0.01〜10重量部含むことを特徴とする。
上記オイルとしては、たとえばリノール酸、オレイン酸、アビエチン酸を主とするトール油、パインタール、菜種油、綿実油、落花生油、ひまし油、パーム油、フアクチス等の植物系軟化剤、パラフイン系油、ナフテン系油、芳香族系油等の鉱物油系軟化剤等があげられる。
本発明においては、上記TSラバー100重量部に対して、アミン系老化防止剤1〜10重量部含むことを特徴とするが、2〜8重量部含まれることが好ましく、3〜7重量部含まれることがより好ましい。上記アミン系老化防止剤の含有量が1重量部未満であると、耐疲労性の十分な改善効果が得られない場合がある。一方、含有量が多すぎると効果はレベリングする一方でコストが高くなる。
本発明におけるアミン系老化防止剤としては、第一級アミンRNH(アミノ化合物)、第二級アミンRR’NH(イミノ化合物)、第三級アミンRR’ R’’Nのいずれかの構造を含む老化防止剤をいう。より具体的には、たとえば、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミンなどのナフチルアミン系老化防止剤、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4´−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミンなどのジフェニルアミン系老化防止剤、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(6C)、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(3C)、N,N´−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N´−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N´−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、フェニルオクチル−p−フェニレンジアミンなどのp−フェニレンジアミン系老化防止剤、アミン混合品、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンなどのキノリン系老化防止剤、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾールなどのイミダゾール系老化防止剤、1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チオウレア、トリブチルチオウレアなどのチオウレア系老化防止剤、ジエチル・ジチオカルバミン酸ニッケル、ジブチル・ジチオカルバミン酸ニッケル、ジメチル・ジチオカルバミン酸ニッケルなどをあげることができる。なかでも、p−フェニレンジアミン系老化防止剤が用いられることが好ましい。これらのアミン系老化防止剤は単独で使用してもよく、また2種以上を適宜混合して使用することも好ましい。
また、上記アミン系老化防止剤の市販品としての具体例としては、たとえば、アンテージ3C、アンテージ6C、アンテージRD、アンテージAW、アンテージMB、アンテージNBC(以上、いずれも川口化学工業社製)、ノクラック6C、ノクラックAD−F、ノクラックTD、ノクラックCD、ノクラックODA、ノクラックODA−N、ノクラック224、ノクラックAW、ノクラックB、ノクラックPA、ノクラックCD(以上、いずれも大内新興化学工業社製)、オゾノン3C、オゾノン6C、オゾノン35、ノンフレックスF(以上、いずれも精工化学社製)などをあげることができる。
本発明においては、上記TSラバー100重量部に対して、アミン系加硫促進剤1〜5重量部含むことを特徴とするが、1〜4重量部含まれることが好ましく、1〜3重量部含まれることがより好ましく、1〜2重量部含まれることがさらに好ましい。上記アミン系加硫促進剤の含有量が1重量部未満であると、上記熱可塑性ノボラック型フェノール樹脂の架橋反応およびゴム組成物の加硫反応が十分でない場合がある。一方、含有量が多すぎると効果はレベリングする一方でコストが高くなる。
本発明におけるアミン系加硫促進剤としては、第一級アミンRNH(アミノ化合物)、第二級アミンRR’NH(イミノ化合物)、第三級アミンRR’ R’’Nのいずれかの構造を含む加硫促進剤をいう。より具体的には、たとえば、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィドなどのチアゾール系加硫促進剤、1,3−ジフェニルグアニジン(DPG)、ジオルトトリルグアニジン(DOTG)、オルトトリルビグアニド(OTBG)などのグアニジン系加硫促進剤、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TET)などのチウラム系加硫促進剤などをあげることができる。なかでも、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT)、N−第三ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドが用いられることが好ましい。これらのアミン系加硫促進剤は単独で使用してもよく、また2種以上を適宜混合して使用することも好ましい。さらには、本発明においては、上記アミン系加硫促進剤が第三級アミン構造を有するものを少なくとも1種以上含むことが好ましく、この場合には、上記ジエン系ゴム100重量部に対して、三級アミン構造を有する加硫促進剤が0.2〜1重量部であることが好ましい。
また、上記アミン系加硫促進剤の市販品としての具体例としては、たとえば、アクセルM、アクセルDM、アクセルCZ、アクセルTBS−R、アクセルTET、アクセルTBT(以上、いずれも川口化学工業社製)、ノクセラーTOT−N、ノクセラーD、ノクセラーDT、ノクセラーDM、ノクセラーCZ、ノクセラーNS、ノクセラーTET(以上、いずれも大内新興化学工業社製)、サンセラーDM、サンセラーCM、サンセラーNS、サンセラーTET、サンセラーTBT(以上、いずれも三新化学工業社製)などをあげることができる。
さらに、本発明の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度が40〜70(ML1+4(100℃))であることが好ましく、45〜65(ML1+4(100℃))であることがより好ましい。かかる未加硫ゴム組成物を用いることにより、ベースポリマーと各種成分や充填剤などとの相溶性、分散性などの加工性が良好となる。
また、本発明の未加硫ゴム組成物には、公知のシランカップリング剤、補強剤、難燃剤、オゾン劣化防止剤、充填剤、プロセスオイルないし可塑剤、粘着付与剤、加工助剤等から必要な成分を選択して添加することができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
補強剤としては、シリカ、ウォラストナイト等のウィスカー等を使用することができる。
難燃剤としては、マグネシウム、アルミニウム、カルシウムなどの金属の水和物等を使用することができる。具体的には、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、塩基性炭酸マグネシウム(Mg(CO)(OH)・4HO)などをあげることができる。
その他の充填剤としては、たとえば、クレー、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム等を使用することができる。
加工助剤としては酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の金属酸化物、ステアリン酸、ステアリン酸金属塩、高融点ワックス、低分子量ポリエチレン、ポリエチレングリコール、オクタデシルアミン等の滑剤があげられる。加工助剤の配合割合はゴム100重量部に対して1〜50重量部とするのが好ましい。
可塑剤としては、たとえば、リン酸のハロゲン化アルキルエステル、アルキルリン酸エステルやアリールリン酸エステル、ホスホン酸エステル等が使用可能であり、具体的にはトリス(2−クロロエチル)ホスフェート(CLP、大八化学製社製)、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート(TMCPP、大八化学社製)、トリブトキシエチルホスフェート(TBXP,大八化学社製)、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート等をあげることができる。
本発明の未加硫ゴム組成物は、上記記載のような構成を有するゴム組成物である。
一方、本発明の加硫ゴムは、上記未加硫ゴム組成物を加硫、成形して得られることを特徴とする。本発明の加硫ゴムによると、上記のような作用効果を奏する未加硫ゴムを用いることにより、経年バネ変化が低く、接着性および耐疲労性に優れた加硫ゴムとなる。
本発明の加硫ゴムは、上記未加硫ゴム組成物を通常の加工方法によって、所定の形状に加硫、成形することができる。具体的には、加硫剤と加硫促進剤を除く成分をバンバリーミキサーにより混練してマスターバッチを製造し、上記マスターバッチを冷却した後にニーダー、混練ロールなどを使用して加硫剤と加硫促進剤とを混練して未加硫ゴム組成物とする。未加硫ゴム組成物を所定形状にて加熱加硫することにより、加硫ゴムが得られる。
また、本発明の加硫ゴムは、60〜80℃で35日間熱処理後の静的ばね定数の経時変化ΔKs(%)が+15%以下であることが好ましく、より好ましくは+5%以下であり、上記未加硫ゴム組成物を用いることにより上記範囲とすることができる。
また、本発明の加硫ゴムは、100℃で35日間熱処理後の静的ばね定数の経時変化ΔKs(%)が+15%以下であることが好ましく、より好ましくは+5%以下であり、上記未加硫ゴム組成物を用いることにより上記範囲とすることができる。
なお、本発明における静的ばね定数の経時変化ΔKs(%)とは、静的ばね定数の経時変化ΔKs(%)とは、熱劣化後の値の初期値の値に対する変化率をいい、より詳細な測定手法は実施例に示す。
他方、本発明の加硫ゴム成型品は、上記いずれかに記載の加硫ゴムを金属部材と接着したものであることを特徴とする。本発明の加硫ゴム成型品によると、上記のような作用効果を奏する加硫ゴムを備えるため、経年バネ変化が低く、接着性および耐疲労性に優れた加硫ゴム成型品となる。そのため、本発明の加硫ゴム成型品は、建築物、橋梁、船舶、自動車、車両、一般産業向けの防振ゴム用途および免震ゴム用途などに好適に使用されるものとなる。
また、加硫ゴム成型品は、その構造は特に限定されないが、たとえば、一般的には2個の取付け金具の間に加硫された防振ゴム材が介設された構造を有するものが多い。このような加硫ゴム成型品は、上述のように加硫ゴムを製造した後に加硫ゴムを金属部材に接着する方法の他、たとえば、金具と未加硫ゴム組成物を金型内に収容して加圧、加熱するプレス法、金具を配設した後に閉鎖した金型内に未加硫ゴム組成物を注入、硬化させるトランスファー成形ないし射出成形法などにより製造することができる。
防振ゴム用途としては、たとえば、建築物や構築物においてコンクリートや金属材料で形成された躯体と天井材、床材、壁材などの部材の間、船舶において乗員、乗客の居室と船体との間、車両においてシャーシーと車体、エンジンマウント、トーショナルダンパー、ストラットマウント等の車両用部材などへの適用が好ましい例としてあげられる。
また、免震ゴム用途としては、たとえば、戸建て住宅、仮設住宅、小型プラントなどの建築物等の他、実験設備、実験装置などの免震装置などへの適用が好ましい例としてあげられる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における物性等の評価方法についても説明する。
<試験サンプルの作成>
〔実施例1〕
表1上欄部に示した配合により、未加硫ゴム組成物を作製した。硫黄と加硫促進剤を除いた成分をバンバリーミキサーにより混練してマスターバッチとし、これに硫黄と加硫促進剤とを混練ロールを使用して混練し、シート状の未加硫ゴム組成物とした。
この未加硫ゴム組成物を加硫条件(150℃×15分)にてシート状に加硫し、加硫ゴムを作製した。
〔比較例1〜4〕
表1上欄部に記載した配合に基づき、実施例1と同様にして試験サンプルを作製した。
なお、各原料成分の組成、サプライヤーは以下のとおりである。
・老化防止剤TMDQ:(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノンポリマー)
・3PPD:(N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン)
・6PPD:(N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン)
・加硫促進剤BBS:(N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド)
・加硫促進剤TMTM:(テトラメチルチウラムモノスルフィド)
・加硫促進剤CTP:(N−シクロヘキシルチオフタルイミド)。
<試験サンプルの評価>
上記の実施例、比較例の未加硫ゴム組成物および加硫ゴムを用いて、以下の評価を行った。
〔加硫ゴムの物理特性〕
(硬度)
JIS K 6253に準拠して評価を行った。
(引張り特性(引張り強さ、伸び))
JIS K 6251に準拠して評価を行った。なお、引張り強さが15MPa未満であった場合は×、15MPa以上であった場合は○と評価した。
(モジュラス測定)
JIS K 6251に準拠して測定を行った。100%伸長時の応力(M100)と300%伸長時の応力(M300)を測定した。
(静的ばね変化の測定・評価)
試験片(形状:φ50×25mm)を用い、圧縮ひずみで0〜20%で2往復し(予備試験)、3往復目を本試験として測定した。なお、静的ばね定数の経時変化ΔKs(%)とは、静的ばね定数の経時変化ΔKs(%)とは、熱劣化後の値の初期値の値に対する変化率をいい、以下の測定手法・計算式を用いて評価した。
(ΔKs定義式)
・ΔKs:熱劣化後の静的ばね定数変化率(%)
・Ks’’:熱劣化後の静的ばね定数(N/mm)
・Ks’:初期静的ばね定数(N/mm)
のとき、
ΔKs=[(Ks’’−Ks’)/Ks’]×100(%)。
(Ks測定方法)
・試験片形状:φ50×25mm
・方法:圧縮ひずみで0〜20%で2往復(予備試験)、3往復目を本試験として測定した。3往復目のひずみ5〜15%における往路と復路の荷重平均値でKsを測定した。
(Ks定義式)
・F:ひずみ5%時の荷重(N)
・F15:ひずみ15%時の荷重(N)
・l:ひずみ5%時の変位(mm)
・l15:ひずみ15%時の変位(mm)
のとき、
Ks=(F15−F)/(l15−l)(N/mm)。
(経年ばね変化の測定・評価)
年間使用あたりの変化率(%/year)で表す。なお、経年ばね変化の低減性評価は、前記変化値が5%未満であった場合は◎、5%以上15%未満であった場合を○、15%以上20%未満であった場合を△、20%以上であった場合を×として評価した。
上記の試験サンプルの評価結果を表1下欄部に示した。
Figure 2008303234

Claims (6)

  1. TSラバー100重量部に対して、カーボン30〜60重量部、および硫黄1〜2重量部含むことを特徴とする未加硫ゴム組成物。
  2. さらに、前記TSラバー100重量部に対して、オイル0.01〜10重量部含む請求項1に記載の未加硫ゴム組成物。
  3. 請求項1または2に記載の未加硫ゴム組成物を加硫、成形して得られる加硫ゴム。
  4. 60〜80℃で35日間熱処理後の静的ばね定数の経時変化ΔKs(%)が15%以下である請求項3に記載の加硫ゴム。
  5. 100℃で35日間熱処理後の静的ばね定数の経時変化ΔKs(%)が15%以下である請求項3または4に記載の加硫ゴム。
  6. 請求項3〜5のいずれかに記載の加硫ゴムを金属部材と接着した加硫ゴム成型品。
JP2007149030A 2007-06-05 2007-06-05 未加硫ゴム組成物および加硫ゴム Withdrawn JP2008303234A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007149030A JP2008303234A (ja) 2007-06-05 2007-06-05 未加硫ゴム組成物および加硫ゴム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007149030A JP2008303234A (ja) 2007-06-05 2007-06-05 未加硫ゴム組成物および加硫ゴム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008303234A true JP2008303234A (ja) 2008-12-18

Family

ID=40232241

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007149030A Withdrawn JP2008303234A (ja) 2007-06-05 2007-06-05 未加硫ゴム組成物および加硫ゴム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008303234A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2104153A2 (en) 2008-03-21 2009-09-23 NGK Insulators, Ltd. Piezoelectric/electrostrictive film element
JP2011127627A (ja) * 2009-12-15 2011-06-30 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 鉄道車両用軸ばね及びその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2104153A2 (en) 2008-03-21 2009-09-23 NGK Insulators, Ltd. Piezoelectric/electrostrictive film element
JP2011127627A (ja) * 2009-12-15 2011-06-30 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 鉄道車両用軸ばね及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI550004B (zh) 低溫防振性氯平橡膠組成物及其硫化橡膠、以及使用該硫化橡膠之橡膠型物、防振橡膠構件、發動機架及軟管
JP2006131871A (ja) 防振ゴム組成物及び防振ゴム部材
JP4622619B2 (ja) 防振ゴム組成物
JP2009029994A (ja) 空気バネ用ゴム組成物及び空気バネ
JP2011052200A (ja) 防振ゴム組成物
JPWO2012063548A1 (ja) クロロプレンゴム組成物及びその加硫物並びに成形体
JP2010254872A (ja) 防振ゴム用ゴム組成物
JP2010095682A (ja) 防振ゴム用ゴム組成物、防振ゴムおよびその製造方法
JP4595488B2 (ja) 防振ゴム組成物
JP2007146035A (ja) 防振ゴム組成物およびそれを用いた防振ゴムの製法
JP4622618B2 (ja) 防振ゴム組成物
WO2015186482A1 (ja) 防振ゴム組成物及び防振ゴム
JP4991163B2 (ja) 架橋用ゴム組成物
JP2008303234A (ja) 未加硫ゴム組成物および加硫ゴム
JP6977420B2 (ja) 防振ゴム用ゴム組成物及び防振ゴム製品
JP2014077050A (ja) 防振ゴム用ゴム組成物および防振ゴム
JP6754226B2 (ja) ゴム組成物、防振ゴム製品用ゴム組成物及び防振ゴム製品
JP6860338B2 (ja) 防振ゴム用ゴム組成物
JP5568493B2 (ja) 防振ゴム組成物
JP5401771B2 (ja) ゴム組成物
JP2010106202A (ja) 防振ゴム用ゴム組成物及び防振ゴム
JP2010111742A (ja) 防振ゴム用ゴム組成物及び防振ゴム
JP5170363B2 (ja) ゴム組成物
JP2011162585A (ja) 防振ゴム用ゴム組成物および防振ゴム
JP2007246784A (ja) 未加硫ゴム組成物、加硫ゴム、および加硫ゴム成型品

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20100907