JP2005016684A - 密封板付転がり軸受及び転がり軸受用密封板 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温雰囲気中での使用における耐性を確保しかつ冷却水中の添加剤及び潤滑用グリース中のウレア化合物に対する耐性を向上する。
【解決手段】密封板付転がり軸受を、内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、外輪軌道と内輪軌道との間に転動可能に組み込まれた複数の転動体と、内輪の外周面と内輪の外周面との間に備えられる密封板とを有して構成され、密封板は、フッ素ゴム及びアクリルゴムの混合物を含む加硫可能な合成ゴム組成物からなる弾性部材を備えてなる構成とする。
【選択図】 図2
【解決手段】密封板付転がり軸受を、内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、外輪軌道と内輪軌道との間に転動可能に組み込まれた複数の転動体と、内輪の外周面と内輪の外周面との間に備えられる密封板とを有して構成され、密封板は、フッ素ゴム及びアクリルゴムの混合物を含む加硫可能な合成ゴム組成物からなる弾性部材を備えてなる構成とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密封板付転がり軸受及び転がり軸受用密封板に係り、特に、高温雰囲気中での使用における耐性並びに自動車用エンジン等の冷却水中の添加剤及び潤滑用グリース中のウレア化合物に対する耐性の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車用のエンジンには、エンジンの出力軸から動力を得て、コックドベルト等の動力伝達手段によって駆動される補機類が備えられている。このような補機類には、例えばエンジンの冷却水を圧送して循環させるウォーターポンプ、発電を行うオルタネータ、エアコンディショナーの冷媒を圧縮するコンプレッサ、パワーステアリング用の動作流体を圧送するパワーステアリングポンプ、エンジンの吸入空気を加給するスーパーチャージャーのコンプレッサ等があり、これらのエンジン補機類の回転支持部には、転がり軸受が装着されている。
【0003】
このような転がり軸受には、軸受外部から軌道面側への水、水蒸気、異物等の侵入を阻止するとともに、軸受内部に密封された潤滑用グリースの漏出を防止するため、内輪の外周面と外輪の内周面との間の間隔を塞ぐように形成された密封板が設けられている。密封板は、例えばゴム等の弾性材料によって形成された弾性部材を備え、弾性部材には可撓性を有するシールリップが形成される。そして、例えば密封板が外輪の内周面に固定される場合には、シールリップの先端は内輪あるいは内輪に装着されたフリンガーの外周面と接触し、摺動するようになっている。従来、弾性部材を形成するための弾性材料として、ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴムを、使用温度に応じて選択することが知られている。
【0004】
近年、エンジンの高性能化、高出力化に伴い、エンジンの周囲の温度条件は高温化しており、エンジン補機類の軸受の雰囲気温度が例えば120℃を超える場合もある。
ニトリルゴムの場合、耐熱性の限界は例えば約120℃であり、それ以上の温度で使用されると、熱により硬化劣化して弾性が損なわれ、極端な場合にはリップ部にクラックが発生するなどして、シール性能が損なわれてしまう場合がある。
【0005】
一方、フッ素ゴムは、標準的なものでは耐熱性の限界が約200℃以上であることから、上述した温度条件でも耐熱性の問題は生じない。しかし、フッ素ゴムの場合には、ウォーターポンプの軸受に使用した場合、エンジン冷却水に含まれる添加剤と接触すると劣化して変形してしまい、シール性能が低下するおそれがある。
【0006】
そこで、通常のニトリルゴムよりも耐熱性の高い水素添加ニトリルゴムを弾性部材の材料として用いることが知られている。(例えば、特許文献1を参照)
水素添加ニトリルゴムの耐熱性の限界は、約150℃であることから、水素添加ニトリルゴムを用いれば耐熱性の問題はない。
【0007】
また、弾性部材の材料として、特殊なフッ素ゴムであるビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−プロピレン3元共重合体と、テトラフルオロエチレン−プロピレン2元共重合体を適用することが提案されている。(例えば、特許文献2を参照)これら2種類の特殊なフッ素ゴムは、冷却水中に含まれる添加剤と接触して劣化するおそれはない。
【0008】
また、例えばオルタネータやコンプレッサ等の回転支持部を構成する転がり軸受の場合、密封板の弾性部材の材料と、軸受の内部に封入されるグリースとの組合せによっては、例えば170℃程度の高温下では、必ずしも十分な信頼性並びに耐久性を確保できない可能性がある。
【0009】
先ず、フッ素系グリースと、標準的なフッ素ゴムとを組み合わせた場合には、耐熱性は十分であるが、高速、高荷重となるような使用条件下では、グリースの耐久性が不足する場合があり、オルタネータやコンプレッサ等の回転支持部を構成するには適さない場合がある。また、フッ素系グリースとアクリルゴムとの組合せでは、高速、高荷重となるような使用条件下でグリースの耐久性が不足する場合があり、また、高温状態で長期間使用した場合に、アクリルゴムの弾性が低下し、密封板のシール性能が低下する、したがって、このような組合せも、オルタネータやコンプレッサ等の回転支持部を構成するには適さない場合がある。
【0010】
また、増ちょう剤としてアミンとイソシアネートを反応させたウレア化合物を添加したウレア系グリースと、アクリルゴムとの組合せでは、高温状態で長期間使用した場合に、アクリルゴムの弾性が低下して硬くなり、密封板のシール性能が低下する。したがって、このような組合せも、オルタネータやコンプレッサ等の回転支持部を構成するには適さない場合がある。また、上述したウレア系グリースと、標準的なフッ素ゴムとを組み合わせた場合には、高温時にフッ素ゴムがウレア化合物による影響で弾性が低下し、密封板のシール性能が低下する。したがって、このような組合せも、オルタネータやコンプレッサ等の回転支持部を構成するには適さない場合がある。
【0011】
従来、比較的高温下において、ウレア系グリースと組み合わせて用いられるオルタネータやコンプレッサ等の回転支持部を構成する転がり軸受の密封板の弾性部材の材料として、好適な特性をもつ材料が要望されている。そこで、上述した特殊なフッ素ゴムであるフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−プロピレン3元共重合体と、テトラフルオロエチレン−プロピレン2元共重合体の適用が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。これら2種類の特殊なフッ素ゴムは、高温下でウレア化合物と接触しても劣化するおそれはない。
【0012】
【特許文献1】
特開平11−193795号公報
【特許文献2】
特開2002−181056号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した水素添加ニトリルゴムによって密封板の弾性部材を形成した場合、エンジン冷却水の添加剤による影響については、標準的なフッ素ゴムと比較して程度的な改善は見られるものの、なおも添加剤と接触すると変形してしまい、シール性能が低下する可能性がある。
一方、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−プロピレン3元共重合体と、テトラフルオロエチレン−プロピレン2元共重合体は、成形加工性が劣るから密封板の製作が煩雑であり、また、標準的なフッ素ゴムと同様に非常に高価である。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、高温雰囲気中での使用における耐性並びに冷却水中の添加剤及び潤滑用グリース中のウレア化合物に対して耐性の優れた密封板付転がり軸受及び転がり軸受用密封板を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、外輪軌道と内輪軌道との間に転動可能に組み込まれた複数の転動体と、内輪の外周面と外輪の内周面との間に備えられる密封板とを有して構成され、密封板は、フッ素ゴム及びアクリルゴムの混合物を含む加硫可能な合成ゴム組成物からなる弾性部材を備えてなる密封板付転がり軸受によって上述した課題を解決する。
【0015】
すなわち、フッ素ゴム単独の組成物に対して、フッ素ゴムとアクリルゴムとを混合した組成物は、相対的にフッ化ビニリデンの割合が少ないため、アミン等の塩基性化合物によってフッ化ビニリデンの脱フッ酸反応を起こし難い。
さらに、アクリルゴム単独の組成物に対して、フッ素ゴムとアクリルゴムの混合物は、相対的に耐熱性及び耐水性に劣るアクリルゴムの割合が少ないため、熱劣化や水による膨潤をおこし難い。したがって、本発明によれば、高温雰囲気下において、添加剤を含む冷却水やウレア系グリースと接触しても変性しにくく、長期間にわたって良好なシール性能を発揮することができる。このため、軸受内に水蒸気が侵入することや、グリースが軸受外に漏洩することを防止し、軸受性能を維持することができる。さらに、フッ素ゴムとアクリルゴムとの混合物は、フッ素ゴムと比較してその密度が低く、原材料のコストを低減することができる。
【0016】
この場合において、合成ゴム組成物は、フッ素ゴム10乃至90重量%と、アクリルゴム90乃至10%とを有してなる構成としてもよい。つまり、フッ素ゴムの割合が10重量%を下回る場合には、得られるゴム組成物の耐熱性と耐水性がアクリルゴム単独に対してほとんど改善されない一方、90重量%を越えると、自動車の冷却水中の添加剤や、潤滑用のウレア系グリースとの接触による変性を抑制することが難しいからである。
【0017】
また、転がり軸受の内輪の外周面と外輪の内周面との間に備えられる密封板において、フッ素ゴム及びアクリルゴムの混合物を含む加硫可能な合成ゴム組成物からなる弾性部材を備えてなる構成としてもよい。この場合にも、合成ゴム組成物は、フッ素ゴム10乃至90%と、アクリルゴム90乃至10%とを有してなる構成としてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用してなる密封板付転がり軸受の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態である密封板付転がり軸受を備えてなる自動車エンジン用ウォーターポンプの要部断面図である。図1に示すように、エンジン1の冷却水を圧送するウォーターポンプ3は、冷却水の循環流路であるウォータージャケット5内に配置されるインペラ7が先端部に固定された回転軸9を、この回転軸9が挿入され、軸方向に間隔をおいて配列された複数個の密封板付転がり軸受11を介して回動可能にケーシング13に装着して構成されている。そして、回転軸9のインペラ7と反対の側の端部15はエンジン1の外側に露出し、ここにプーリ17が固定されている。このプーリ17には、図示しないエンジンの出力軸から動力を伝達するベルト18がかけられ、これによってウォーターポンプ3は駆動される。
【0019】
水が満たされるウォータージャケット5内と軸受11との間には、メカニカルシール19が配置され、これによって軸受11への冷却水の侵入を低減している。しかし、回転軸9の外周面とメカニカルシール19との接触面は水潤滑状態であるから、水又は水蒸気が軸受11側に漏出することを完全に防ぐことは困難である。一方、軸受11内に封入された潤滑用グリースが軸受11の外部に漏出することを防ぐ必要がある。そこで、軸受11の両端部には、後述する密封板を備えてなるシール装置が設けられる。
【0020】
図2は、図1のウォーターポンプに備えられる密封板付転がり軸受11の要部拡大断面図である。図2に示すように、軸受11は、内周面に外輪軌道を有する外輪21と、外周面に内輪軌道を有し軸受11の内輪としても機能する回転軸9と、外輪軌道と内輪軌道との間に転動可能に組み込まれる転動体である複数のボール23とを有する。そして、複数のボール23を保持する保持器25が設けられている。そして、外輪21の、図示しないメカニカルシール側の端部の内周面と、これに対向する回転軸9の外周面との間に、シール装置27が設けられている。このシール装置27は、密封板29と、フリンガー31とを有して構成され、密封板29は、金属製の芯金33と、ゴム組成物によって形成され芯金に対して軸受11の外側に付着させられた弾性部材35とを有して構成されている。
【0021】
芯金33は、その断面形状が逆L字状あるいは逆J字状の円盤状に形成され、その外周縁部は密封板29の外周縁として形成され、ここで軸受11の外側にカールして形成されている。一方、芯金33の内周縁は、密封板29の内周縁よりも外周側に寄せられている。すなわち、密封板29の内周縁部は、弾性部材35によって形成されている。また、フリンガー31は断面形状をコの字状とするリング状に形成されている。そして、コの字が開いた側を回転軸方向ボール23側に向けて、軸受11に対して密封板29よりも外側に配置されている。また、フリンガー31の内周面は、回転軸9の外周面に密着嵌合している。換言すれば、フリンガー31は、回転軸9に密着嵌合する小円筒部37と、これを同軸的に内包する大円筒部39と、小円筒部37および大円筒部39それぞれのメカニカルシール側の端部間を径方向に連結するリング状のフランジ部40とを有して構成されている。
【0022】
図2に示すように、密封板29は、外輪21の内周面に周方向にわたって形成されたシール溝37にその外周縁部を加締めて固定されている。また、弾性部材35は、断面形状においてその内周縁部が二股に分岐して形成されている。そして、ボール23側に分岐した枝の部分に相当する副リップ42は、その先端部において回転軸9の外周面と接している。一方、メカニカルシール側に分岐した枝の部分に相当する主リップ41は、フリンガー31の小円筒部37の外周面に接している。また、密封板29の径方向略中央部から突き出して形成された第3リップ43は、フリンガー31の大円筒部39の外周面に接している。
【0023】
次に、本発明を適用してなる密封板付転がり軸受の他の実施形態であって、オルタネータ、コンプレッサ等の各種自動車用エンジン補機類の回転支持部を構成する密封板付転がり軸受について説明する。図3は、この密封板付転がり軸受の要部断面図である。本実施形態の密封板付転がり軸受51は、内周面に外輪軌道を形成されてなる外輪53と、外周面に内輪軌道を形成されてなる内輪55と、外輪軌道と内輪軌道との間に転動可能に組み込まれる転動体である複数のボール57とを有する。また、複数のボール57を保持する保持器59が設けられている。そして、外輪53の端部の内周面と、内輪55の端部の外周面には、それぞれ周方向にわたって延在するシール溝61、63が形成されている。そして、シール溝61とシール溝63との間には、シール装置である密封板67が設けられている、密封板67は、リングプレート状に形成され、その外周縁部をボール57側に折り曲げて形成された金属製の芯金69と、芯金69の、ボール57に対して反対側に付着させられ、ゴム組成物によって形成された弾性部材71とを有して構成されている。弾性部材71の内外両周縁部は、それぞれ芯金69の内外両周縁部よりも径方向に張り出して形成されている。そして、密封板67はその外周縁部を外輪53のシール溝61に嵌めこまれている。一方、密封板67の内周縁部にはリップ73が形成され、リップ73の先端部は内輪55のシール溝63の溝面に接している。
【0024】
そして、上述した軸受11の密封板29の弾性部材35および、軸受51の密封板67の弾性部材71は、フッ素ゴムとアクリルゴムとを含む加硫可能な剛性ゴム組成物からなることを特徴とする。フッ素ゴムとアクリルゴムとの混合割合は、フッ素ゴム10乃至90重量%と、アクリルゴム90乃至10重量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは、フッ素ゴム30乃至70重量%と、アクリルゴム70乃至30%の範囲である。つまり、フッ素ゴムの割合が10重量%を下回る場合には、得られるゴム組成物の耐熱性と耐水性がアクリルゴム単独に対してほとんど改善されない一方、90重量%を越えると、自動車の冷却水中の添加剤や、潤滑用のウレア系グリースとの接触による変性を抑制することが難しいからである。
【0025】
ところで、各実施形態の弾性部材35、71の材料の組成物に含まれるフッ素ゴム及びアクリルゴムとしては、パーオキサイド加硫できるものが好ましい。同一の加硫材によって加硫することができるからである。そして、パーオキサイド加硫することができるものであれば、既存のいかなるフッ素ゴム及びアクリルゴムを用いてもよい。
【0026】
このようなフッ素ゴムとしては、例えば分子内にヨウ素又は臭素を含有しているビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系等のビニリデンフルオライド系共重合体、テトラフルオロエチレン−プロピレン系、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−プロピレン系、ヘキサフルオロプロピレン−エチレン系フッ素ゴムなどが挙げられ、これらのうち、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系のエラストマーが好ましい。
【0027】
次に、このようなアクリルゴムとしては、(メタ)アクリレートモノマーと、多官能性モノマーとを組み合わせた分子内に不飽和結合を有しているパーオキサイド加硫が可能なアクリルゴムが好ましい。例えば、(メタ)アクリレートモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、多官能性モノマーとしては、例えば、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等が挙げられる。
【0028】
パーオキサイド加硫をする場合に加硫剤として用いられる有機過酸化物は、その分子中に、−O−O−結合をもつ有機化合物であり、具体的には、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、ハイドロパーオキサイド等が挙げられる。これらをより具体的に示すと、例えばベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、α,α’−ビス(t−ブチルパ−オキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルパ−オキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。これら有機過酸化物の配合量は、上記フッ素ゴムとアクリルゴムの混合物100重量部に対して、0.5乃至15重量部の範囲であり、この範囲であれば、加硫不足や過加硫のおそれが低い。
【0029】
また、パーオキサイド加硫の際には、加硫助剤を添加することが好ましく、この加硫助剤として、例えば、多アリル化合物、メタクリレート化合物、ジビニル化合物、ポリブタジエンなどの不飽和多官能性化合物やキノンジオキシム化合物やジマレイミド化合物が挙げられる。これら加硫助剤の配合量は、フッ素ゴムとアクリルゴムとの混合物100重量部あたり0.5乃至20重量部、好ましくは1乃至10重量部である。
【0030】
その他、本実施形態の化合物には、必要に応じて、充填剤、可塑剤、加工助剤、酸化防止剤、老化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、カップリング剤等を目的に応じて添加することができる。このような添加剤は、単独で、あるいは複数種類を併用して用いることができる。
【0031】
また、ゴム組成物には、補強性充填剤が必須的に添加される。この補強用充填剤としては、カーボンブラックや、無機充填剤が好適である。カーボンブラックの種類としては、例えばSAF(Super Abrasion Furnace black)、ISAF(Intermediate Super Abrasion Furnace black)、HAF(High Abrasion Furnace black)、MAF(Medium Abrasion Furnace black)、FEF(Fast Extruding Furnace black)、GPF(General Purpose Furnace black)、SRF(Semi−Reinforcing Furnace black)、FT(Fine Thermal Furnace black)、MT(Medium Thermal Furnace black)等が挙げられ、なかでも補強性と成形加工性の優れたHAF、FEF、GPF、SRFが好ましく、特にFEF、GPF、SRFが好ましい。これらのカーボンブラックは、単独で用いてもよいが、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0032】
また、無機充填剤としては、例えば、含水シリカ、クレー、クルク、炭酸カルシウム、珪藻土、ウォラストナイト等を例示することができる。また、これらの白色系充填剤は、単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
【0033】
可塑剤、加工助剤としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸塩、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、オレイン酸エチル等の高級脂肪酸エステル、ステアリルアミン、オレイルアミン等の高級脂肪族アミン、カルナバワックス、セレシンワックス等の天然ワックス、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール等のポリグリコール、ワセリン、パラフィン等の脂肪族炭化水素、シリコーン系オイル、シリコーン系ポリマー、低分子量ポリエチレン、フタル酸エステル類、燐酸エステル類、ロジン、(ハロゲン化)ジアルキルアミン、(ハロゲン化)ジアルキルスルフォン、界面活性剤等が挙げられる。
【0034】
酸化劣化を防止する老化防止剤としては、アミン・ケトン縮合生成物、芳香族第二級アミン類、モノフェノール誘導体、ビス又はポリフェノール誘導体、ヒドロキノン誘導体、硫黄系老化防止剤、リン系老化防止剤等が挙げられるが、このうち、芳香族第二級アミン系の4,4−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンが好ましい。
【0035】
また、熱分解を防止して耐熱性を向上するため、上述した老化防止剤とともに、2次老化防止剤を併用することがより好ましい。2次老化防止剤としては、硫黄系の2−メルカブトペンズイミダゾール、2−メルカブトメチルペンズイミダゾール及びこれらの亜鉛塩等が挙げられる。
【0036】
さらに、日光あるいはオゾンの作用による亀裂を抑制させる日光亀裂防止剤として、融点が例えば55乃至70℃程度のワックス類をフッ素ゴムとアクリルゴムの混合物100重量部に対して、0.5乃至2重量部程度添加してもよい。
【0037】
上述した各成分を用いて、密封板の弾性部材の材料を得るための方法は特に限定されず、いかなる既存の方法も適用可能である。例えば、原料ゴムであるフッ素ゴム及びアクリルゴムと、充填剤及びその他の添加剤を、例えばゴム混練用ロール、加圧ニーダー又はバンバリーミキサー等の既存かつ公知のゴム用混練り装置を用いて極力均一に混合する。この混練り条件は特に限定されないが、通常は例えば30乃至80℃の温度で、例えば5乃至60分間混練すれば、各種添加剤の十分な分散を図るのに十分であると考えられる。
【0038】
また、密封板の製造方法も特に限定されないが、上述したようにして得た素ゴム組成物を、金型の中で加圧しながら加熱すればよく、例えば圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等の公知のゴム成形方法によって製造することができる。例えば、圧縮形成の場合、金型の中に予め接着剤を塗布した芯金を挿入し、上述した方法で得た未加硫ゴム組成物のシートを載せ、通常例えば120乃至250℃で、例えば3分乃至2時間程度加圧加硫することによって製造することができる。また、得られた密封板に後加硫を施すことによって弾性材の加硫をより完全なものにすると同時に、余分な揮発成分を揮散させることは、弾性材の物性を向上するのに効果が認められるので好ましい。このような後加硫の条件は特に限定されないが、例えば150乃至250℃の温度で、例えば1乃至50時間程度の加熱処理を行うことができる。
【0039】
(本実施形態の実施例と比較例との比較試験結果について)
以下、上述した本実施形態の構成を備えてなる実施例1乃至3と、従来技術に係る比較例1乃至3との比較試験結果について説明する。
(第1の実験)
先ず、第1の実験として、表1に示す供試材料を、それぞれ図1に示す構成のウェーターポンプ用軸受の密封板に適用した場合の耐冷却水性を確認するために、表1の実施例1乃至3及び比較例1乃至3の欄にそれぞれ記載された組成に係るJISダンベル状3号形試験片(厚さ2mm)を準備し、オートクレープを用い、150℃のシーシーアイ株式会社製ロングライフクーラント(LLC)を水で50%に希釈したものに500時間浸漬し、各種物性の変化を測定した。
【0040】
なお、表1の最も左側の欄において、ダイエルG−801は、ダイキン工業株式会社製のヨウ素を含むビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン2元共重合体の商品名である。なお、「ダイエル」は、同社の登録商標である。また、アクリルゴムは、エチルアクリレート−ブチルアクリレート−アリルアクリレート(重量比50/50/0.7)を共重合して調整したアクリルゴムである。また、Zetpol2010は、日本ゼオン社製の水素添加ニトリルゴムの商品名である。シースト116は、東海カーボン社製のMAF級カーボンブラックの商品名である。シーストSは、東海カーボン社製のSRF級カーボンブラックの商品名である。ノクラックCDは、大内新興化学工業社製の老化防止剤の商品名である。また、ノクラックMBZは、大内新興化学工業社製の老化防止剤の商品名である。また、パーヘキサ25Bは、日本油脂社製の有機過酸化物の商品名である。なお、「パーヘキサ」は、同社の登録商標である。TAICは、日本化成社製のトリアリルイソシアネートの商品名である。なお、「TAIC」は、同社の登録商標である。
【0041】
試料の調整は、先ず、表1に記載した割合で混練りロールを用いて混練りを行い、厚さ約2.2mmの未加硫ゴムシートを作成した。つぎに、この未加硫ゴムシートを縦横150mm、厚さ2mmの金型に挿入し、表1に記載した1次加硫の条件において、圧力50kgf/cm2(4.90MPa)を負荷しながら加硫成形を行った。さらに、実施例1乃至3及び比較例2及び3については、金型から取り出した状態で、オーブン中において、表1に記載の2次加硫の条件で後加硫を行った。
【0042】
そして、得られた加硫ゴムのシートをJISダンベル状3号形試験片の形状に打抜き、常態物性を測定した。なお、硬さは、ダンベル試験片を3枚重ねにして、JIS K6253に規定されている試験条件に従って、タイプAデュロメータ式硬さ試験機を用いて測定した。また、引張り特性は、JIS K6251に規定されている試験条件に従って測定した。そして、耐LLC性については、オートクレープを用いたこと以外、JIS K6258に規定された試験条件に従って測定した。
【0043】
【表1】
【0044】
表1に示すように、フッ素ゴムとアクリルゴムとの混合物を含む加硫可能な合成ゴム組成物である実施例1乃至3は、良好な耐LLC性を示した。これに対し、原料ゴムにフッ素ゴムを単独で用いた比較例1のゴム組成物は、強度及び伸びの低下がみられた。また、原料ゴムに過酸化物加硫可能なアクリルゴムを単独で用いた比較例2のゴム組成物は、著しい膨潤及びこれに伴う硬度低下を示した。また、原料ゴムに水素添加ニトリルゴムを用いた比較例3のゴム組成物は、比較例2よりは良好であるが、硬化劣化を示した。
【0045】
(第2の実験)
上述した第1の実験における実施例1及び3と、比較例2及び3とそれぞれ同一の組成物を有する弾性部材を備えた密封板について、耐熱性試験及び耐水性試験を行った。図4は、本試験に用いた試験装置の構成を示す図である。図4に示すように、試験装置75は、回転軸77を支持した軸受11を、ハウジング79を介し、ヒータ81によって加熱するとともに、時間当たり一定の水量を供給する定量ポンプ83によって、供試軸受の端部にLLCを定量供給する構成である。そして、ハウジング79の側壁から、軸受11の温度を測定する熱電対83が挿入されている。この試験装置により、軸受端部に備えたシール装置の弾性材の性質の経時変化を調べた。さらに、回転軸77とハウジング79との間の電気抵抗を測定する電気抵抗測定回路85が設けられている。また、回転軸77の一方の端部には、駆動用のプーリ87が固定され、プーリ87には、図示しない動力源から動力を伝達してプーリ87を回転させるベルト89がかけられている。
【0046】
次に、供試軸受の製作方法について説明する。先ず、上述した第1の実験と同様の方法によって未加硫ゴム組成物の調整を行い、得られた未加硫ゴムシートを、予め接着剤を塗布した芯金を挿入した金型にいれ、表1に記載した1次加硫の条件で圧力30kgf/cm2(2.94MPa)を負荷して加硫成形を行った。さらに、金型から取り出した状態でオーブン中に設置し、表1に記載した2次加硫の条件で後加硫を行った。そして、得られた密封板にフリンガーを装着し、軸受に組み込んで供試軸受を作成した。
【0047】
なお、本試験の試験条件は、以下の通りである。
・軸受温度: 140℃
・LLC: シーシーアイ社製LLC
・LLC供給量: 50ml/min
・回転数: 6000rpm(100S−1)
・試験時間: 500時間
また、評価項目は、主リップ41の硬さ変化と、第3リップ43の変形(波打ち)である。なお、硬さの測定は、JIS K6253に規定される試験条件に従って、IRHD(International Rubber Hardness Degree)マイクロ硬さ計を用いて行った。この試験結果を、表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
表2に示すように、本発明に係る実施例1及び3のゴム組成物によって形成された弾性部材35を有する密封板29は、主リップ41の硬さ変化が少なく、第3リップ43の変形も認められないことから、良好な耐LLC性を有するとともに、密封性にも優れていると思われる。原料ゴムにアクリルゴムを用いた比較例2のゴム組成物によって弾性部材35を形成した密封板29においては、主リップ41の硬さ変化が大きく、また第3リップ43の変形も生じている。原料ゴムに水素添加ニトリルゴムを用いた比較例3のゴム組成物によって弾性部材35を形成した密封板29においては、主リップ41の硬さ変化が大きく、実施例1及び3を用いた密封板29に対して密封性に劣り、その結果、軸受寿命が短くなるものと考えられる。
【0050】
(第3の実験)
第3の実験は、内径が15mm、外径が35mm、軸方向の幅が11mmである、呼び番号6202の密封板付深溝玉軸受を使用して、軸受内にウレア系グリースを封入し、高温雰囲気中に放置することによって高温雰囲気下におけるウレア系グリースへの耐性を調べた。雰囲気温度は175℃であり、放置する時間は500時間とした。そして、放置後、各供試軸受に装着された密封板を構成する弾性部材の硬さを測定した。硬さの測定は、JIS K6253に規定される試験条件に従って、IRHD(International Rubber Hardness Degree)マイクロ硬さ計を用いて行った。なお、この試験に用いた密封板の弾性部材は、表1に記載の実施例1乃至3および比較例1乃至3と同様の組成物によって形成した。
【0051】
供試軸受の製作は、先ず、第1の実験と同様の方法によって未加硫ゴム組成物の調整を行い、得られた未加硫ゴムシートを予め接着剤を塗布した芯金を挿入した金型に入れ、表1に記載された1次加硫の条件において、圧力30kgf/cm2(2.94Mpa)を負荷し加硫成形を行った。更に、金型から取り出した状態でオーブン中に設置し、表1に記載された2次加硫の条件において後加硫を行った。そして、得られた密封板を軸受に組み込んで供試軸受を作成した。そして、本試験の結果を図5に示す。図5は、時間(Hr)を横軸にとり、硬さ変化(pts.)を縦軸にとったグラフである。
【0052】
図5に示すように、本発明に係る実施例1乃至3のゴム組成物によって弾性部材を形成した密封板においては、従来技術に係る比較例1乃至3のゴム組成物によって弾性部材を形成した密封板よりも、リップの硬さ変化が少ないことがわかる。
【0053】
(第4の実験)
第4の実験は、第3の実験と同じ供試軸受を用いて行った。そして、この供試軸受を、外輪温度を175℃とした状態で、内輪を15000rpm(250S−1)で回転させ、密封板のシール性能の低下によるグリース漏れ、又はシールの破損を生ずるまでの時間を測定した。なお、2000時間を越えて異常がなかったものは、密封板の耐久性が十分であると評価し、試験を打ち切った。この試験の結果を表3に示す。
【0054】
表3
【0055】
表3に示すように、本発明に係る実施例1乃至3のゴム組成物によって弾性部材を形成した密封板は、いずれも長時間にわたって安定したシール性能を維持することができた。
【0056】
以上のように、本実施形態によれば、フッ素ゴムとアクリルゴムの混合物を含む加硫可能なゴム組成物によって密封板の弾性材を形成することによって、高温雰囲気中における冷却水中の添加剤や、潤滑用グリース中のウレア化合物との接触に対して耐性を向上することができた。従って、例えば自動車用の補機等、高温雰囲気中かつウレア系グリースまたは添加剤を含むLLCに接触しうる状態で、しかも高荷重、高速回転で使用される各種機器の回転支持部分の転がり軸受の信頼性及び耐久性の向上に寄与することができる。特に、ウォーターポンプ用軸受の場合、インペラ側からメカニカルシールを通過した水蒸気等の軸受内への侵入を防止することができる。
【0057】
なお、本発明は、上述した実施形態によって限定されるものではなく、密封板の形状やリップの構成、フリンガーの有無等は、適宜変更することができる。また、内輪、外輪の形状や、転動体、保持器の種類や形状も限定されない。また、ゴム組成物の組成も、上述した各実施例に限定されるものではなく、発明の範囲内で適宜変更することができる。また、用途も、自動車用エンジンの補機類に限定されない。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、高温雰囲気中での使用における耐性を確保しかつ冷却水中の添加剤及び潤滑用部リース中のウレア化合物に対して耐性の優れた密封板付転がり軸受及び転がり軸受用密封板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる密封板付転がり軸受の第1の実施形態を備えてなる自動車用エンジンのウォーターポンプの要部断面図である。
【図2】図1のウォーターポンプに備えられる密封板付転がり軸受であって、本発明を適用してなる転がり軸受の一実施形態に係るものの要部拡大断面図である。
【図3】本発明を適用してなる密封板付転がり軸受の他の実施形態であって、オルタネータやコンプレッサ等の自動車用エンジン補機類の回転支持部を構成するものの要部断面図である。
【図4】第1の実験に用いた試験装置の構成を示す図である。
【図5】第3の実験の試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン
3 ウォーターポンプ
5 ウォータージャケット
7 インペラ
9 回転軸
11 密封板付転がり軸受
13 ケーシング
19 メカニカルシール
21 外輪
23 ボール
【発明の属する技術分野】
本発明は、密封板付転がり軸受及び転がり軸受用密封板に係り、特に、高温雰囲気中での使用における耐性並びに自動車用エンジン等の冷却水中の添加剤及び潤滑用グリース中のウレア化合物に対する耐性の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車用のエンジンには、エンジンの出力軸から動力を得て、コックドベルト等の動力伝達手段によって駆動される補機類が備えられている。このような補機類には、例えばエンジンの冷却水を圧送して循環させるウォーターポンプ、発電を行うオルタネータ、エアコンディショナーの冷媒を圧縮するコンプレッサ、パワーステアリング用の動作流体を圧送するパワーステアリングポンプ、エンジンの吸入空気を加給するスーパーチャージャーのコンプレッサ等があり、これらのエンジン補機類の回転支持部には、転がり軸受が装着されている。
【0003】
このような転がり軸受には、軸受外部から軌道面側への水、水蒸気、異物等の侵入を阻止するとともに、軸受内部に密封された潤滑用グリースの漏出を防止するため、内輪の外周面と外輪の内周面との間の間隔を塞ぐように形成された密封板が設けられている。密封板は、例えばゴム等の弾性材料によって形成された弾性部材を備え、弾性部材には可撓性を有するシールリップが形成される。そして、例えば密封板が外輪の内周面に固定される場合には、シールリップの先端は内輪あるいは内輪に装着されたフリンガーの外周面と接触し、摺動するようになっている。従来、弾性部材を形成するための弾性材料として、ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴムを、使用温度に応じて選択することが知られている。
【0004】
近年、エンジンの高性能化、高出力化に伴い、エンジンの周囲の温度条件は高温化しており、エンジン補機類の軸受の雰囲気温度が例えば120℃を超える場合もある。
ニトリルゴムの場合、耐熱性の限界は例えば約120℃であり、それ以上の温度で使用されると、熱により硬化劣化して弾性が損なわれ、極端な場合にはリップ部にクラックが発生するなどして、シール性能が損なわれてしまう場合がある。
【0005】
一方、フッ素ゴムは、標準的なものでは耐熱性の限界が約200℃以上であることから、上述した温度条件でも耐熱性の問題は生じない。しかし、フッ素ゴムの場合には、ウォーターポンプの軸受に使用した場合、エンジン冷却水に含まれる添加剤と接触すると劣化して変形してしまい、シール性能が低下するおそれがある。
【0006】
そこで、通常のニトリルゴムよりも耐熱性の高い水素添加ニトリルゴムを弾性部材の材料として用いることが知られている。(例えば、特許文献1を参照)
水素添加ニトリルゴムの耐熱性の限界は、約150℃であることから、水素添加ニトリルゴムを用いれば耐熱性の問題はない。
【0007】
また、弾性部材の材料として、特殊なフッ素ゴムであるビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−プロピレン3元共重合体と、テトラフルオロエチレン−プロピレン2元共重合体を適用することが提案されている。(例えば、特許文献2を参照)これら2種類の特殊なフッ素ゴムは、冷却水中に含まれる添加剤と接触して劣化するおそれはない。
【0008】
また、例えばオルタネータやコンプレッサ等の回転支持部を構成する転がり軸受の場合、密封板の弾性部材の材料と、軸受の内部に封入されるグリースとの組合せによっては、例えば170℃程度の高温下では、必ずしも十分な信頼性並びに耐久性を確保できない可能性がある。
【0009】
先ず、フッ素系グリースと、標準的なフッ素ゴムとを組み合わせた場合には、耐熱性は十分であるが、高速、高荷重となるような使用条件下では、グリースの耐久性が不足する場合があり、オルタネータやコンプレッサ等の回転支持部を構成するには適さない場合がある。また、フッ素系グリースとアクリルゴムとの組合せでは、高速、高荷重となるような使用条件下でグリースの耐久性が不足する場合があり、また、高温状態で長期間使用した場合に、アクリルゴムの弾性が低下し、密封板のシール性能が低下する、したがって、このような組合せも、オルタネータやコンプレッサ等の回転支持部を構成するには適さない場合がある。
【0010】
また、増ちょう剤としてアミンとイソシアネートを反応させたウレア化合物を添加したウレア系グリースと、アクリルゴムとの組合せでは、高温状態で長期間使用した場合に、アクリルゴムの弾性が低下して硬くなり、密封板のシール性能が低下する。したがって、このような組合せも、オルタネータやコンプレッサ等の回転支持部を構成するには適さない場合がある。また、上述したウレア系グリースと、標準的なフッ素ゴムとを組み合わせた場合には、高温時にフッ素ゴムがウレア化合物による影響で弾性が低下し、密封板のシール性能が低下する。したがって、このような組合せも、オルタネータやコンプレッサ等の回転支持部を構成するには適さない場合がある。
【0011】
従来、比較的高温下において、ウレア系グリースと組み合わせて用いられるオルタネータやコンプレッサ等の回転支持部を構成する転がり軸受の密封板の弾性部材の材料として、好適な特性をもつ材料が要望されている。そこで、上述した特殊なフッ素ゴムであるフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−プロピレン3元共重合体と、テトラフルオロエチレン−プロピレン2元共重合体の適用が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。これら2種類の特殊なフッ素ゴムは、高温下でウレア化合物と接触しても劣化するおそれはない。
【0012】
【特許文献1】
特開平11−193795号公報
【特許文献2】
特開2002−181056号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した水素添加ニトリルゴムによって密封板の弾性部材を形成した場合、エンジン冷却水の添加剤による影響については、標準的なフッ素ゴムと比較して程度的な改善は見られるものの、なおも添加剤と接触すると変形してしまい、シール性能が低下する可能性がある。
一方、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−プロピレン3元共重合体と、テトラフルオロエチレン−プロピレン2元共重合体は、成形加工性が劣るから密封板の製作が煩雑であり、また、標準的なフッ素ゴムと同様に非常に高価である。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、高温雰囲気中での使用における耐性並びに冷却水中の添加剤及び潤滑用グリース中のウレア化合物に対して耐性の優れた密封板付転がり軸受及び転がり軸受用密封板を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、外輪軌道と内輪軌道との間に転動可能に組み込まれた複数の転動体と、内輪の外周面と外輪の内周面との間に備えられる密封板とを有して構成され、密封板は、フッ素ゴム及びアクリルゴムの混合物を含む加硫可能な合成ゴム組成物からなる弾性部材を備えてなる密封板付転がり軸受によって上述した課題を解決する。
【0015】
すなわち、フッ素ゴム単独の組成物に対して、フッ素ゴムとアクリルゴムとを混合した組成物は、相対的にフッ化ビニリデンの割合が少ないため、アミン等の塩基性化合物によってフッ化ビニリデンの脱フッ酸反応を起こし難い。
さらに、アクリルゴム単独の組成物に対して、フッ素ゴムとアクリルゴムの混合物は、相対的に耐熱性及び耐水性に劣るアクリルゴムの割合が少ないため、熱劣化や水による膨潤をおこし難い。したがって、本発明によれば、高温雰囲気下において、添加剤を含む冷却水やウレア系グリースと接触しても変性しにくく、長期間にわたって良好なシール性能を発揮することができる。このため、軸受内に水蒸気が侵入することや、グリースが軸受外に漏洩することを防止し、軸受性能を維持することができる。さらに、フッ素ゴムとアクリルゴムとの混合物は、フッ素ゴムと比較してその密度が低く、原材料のコストを低減することができる。
【0016】
この場合において、合成ゴム組成物は、フッ素ゴム10乃至90重量%と、アクリルゴム90乃至10%とを有してなる構成としてもよい。つまり、フッ素ゴムの割合が10重量%を下回る場合には、得られるゴム組成物の耐熱性と耐水性がアクリルゴム単独に対してほとんど改善されない一方、90重量%を越えると、自動車の冷却水中の添加剤や、潤滑用のウレア系グリースとの接触による変性を抑制することが難しいからである。
【0017】
また、転がり軸受の内輪の外周面と外輪の内周面との間に備えられる密封板において、フッ素ゴム及びアクリルゴムの混合物を含む加硫可能な合成ゴム組成物からなる弾性部材を備えてなる構成としてもよい。この場合にも、合成ゴム組成物は、フッ素ゴム10乃至90%と、アクリルゴム90乃至10%とを有してなる構成としてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用してなる密封板付転がり軸受の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態である密封板付転がり軸受を備えてなる自動車エンジン用ウォーターポンプの要部断面図である。図1に示すように、エンジン1の冷却水を圧送するウォーターポンプ3は、冷却水の循環流路であるウォータージャケット5内に配置されるインペラ7が先端部に固定された回転軸9を、この回転軸9が挿入され、軸方向に間隔をおいて配列された複数個の密封板付転がり軸受11を介して回動可能にケーシング13に装着して構成されている。そして、回転軸9のインペラ7と反対の側の端部15はエンジン1の外側に露出し、ここにプーリ17が固定されている。このプーリ17には、図示しないエンジンの出力軸から動力を伝達するベルト18がかけられ、これによってウォーターポンプ3は駆動される。
【0019】
水が満たされるウォータージャケット5内と軸受11との間には、メカニカルシール19が配置され、これによって軸受11への冷却水の侵入を低減している。しかし、回転軸9の外周面とメカニカルシール19との接触面は水潤滑状態であるから、水又は水蒸気が軸受11側に漏出することを完全に防ぐことは困難である。一方、軸受11内に封入された潤滑用グリースが軸受11の外部に漏出することを防ぐ必要がある。そこで、軸受11の両端部には、後述する密封板を備えてなるシール装置が設けられる。
【0020】
図2は、図1のウォーターポンプに備えられる密封板付転がり軸受11の要部拡大断面図である。図2に示すように、軸受11は、内周面に外輪軌道を有する外輪21と、外周面に内輪軌道を有し軸受11の内輪としても機能する回転軸9と、外輪軌道と内輪軌道との間に転動可能に組み込まれる転動体である複数のボール23とを有する。そして、複数のボール23を保持する保持器25が設けられている。そして、外輪21の、図示しないメカニカルシール側の端部の内周面と、これに対向する回転軸9の外周面との間に、シール装置27が設けられている。このシール装置27は、密封板29と、フリンガー31とを有して構成され、密封板29は、金属製の芯金33と、ゴム組成物によって形成され芯金に対して軸受11の外側に付着させられた弾性部材35とを有して構成されている。
【0021】
芯金33は、その断面形状が逆L字状あるいは逆J字状の円盤状に形成され、その外周縁部は密封板29の外周縁として形成され、ここで軸受11の外側にカールして形成されている。一方、芯金33の内周縁は、密封板29の内周縁よりも外周側に寄せられている。すなわち、密封板29の内周縁部は、弾性部材35によって形成されている。また、フリンガー31は断面形状をコの字状とするリング状に形成されている。そして、コの字が開いた側を回転軸方向ボール23側に向けて、軸受11に対して密封板29よりも外側に配置されている。また、フリンガー31の内周面は、回転軸9の外周面に密着嵌合している。換言すれば、フリンガー31は、回転軸9に密着嵌合する小円筒部37と、これを同軸的に内包する大円筒部39と、小円筒部37および大円筒部39それぞれのメカニカルシール側の端部間を径方向に連結するリング状のフランジ部40とを有して構成されている。
【0022】
図2に示すように、密封板29は、外輪21の内周面に周方向にわたって形成されたシール溝37にその外周縁部を加締めて固定されている。また、弾性部材35は、断面形状においてその内周縁部が二股に分岐して形成されている。そして、ボール23側に分岐した枝の部分に相当する副リップ42は、その先端部において回転軸9の外周面と接している。一方、メカニカルシール側に分岐した枝の部分に相当する主リップ41は、フリンガー31の小円筒部37の外周面に接している。また、密封板29の径方向略中央部から突き出して形成された第3リップ43は、フリンガー31の大円筒部39の外周面に接している。
【0023】
次に、本発明を適用してなる密封板付転がり軸受の他の実施形態であって、オルタネータ、コンプレッサ等の各種自動車用エンジン補機類の回転支持部を構成する密封板付転がり軸受について説明する。図3は、この密封板付転がり軸受の要部断面図である。本実施形態の密封板付転がり軸受51は、内周面に外輪軌道を形成されてなる外輪53と、外周面に内輪軌道を形成されてなる内輪55と、外輪軌道と内輪軌道との間に転動可能に組み込まれる転動体である複数のボール57とを有する。また、複数のボール57を保持する保持器59が設けられている。そして、外輪53の端部の内周面と、内輪55の端部の外周面には、それぞれ周方向にわたって延在するシール溝61、63が形成されている。そして、シール溝61とシール溝63との間には、シール装置である密封板67が設けられている、密封板67は、リングプレート状に形成され、その外周縁部をボール57側に折り曲げて形成された金属製の芯金69と、芯金69の、ボール57に対して反対側に付着させられ、ゴム組成物によって形成された弾性部材71とを有して構成されている。弾性部材71の内外両周縁部は、それぞれ芯金69の内外両周縁部よりも径方向に張り出して形成されている。そして、密封板67はその外周縁部を外輪53のシール溝61に嵌めこまれている。一方、密封板67の内周縁部にはリップ73が形成され、リップ73の先端部は内輪55のシール溝63の溝面に接している。
【0024】
そして、上述した軸受11の密封板29の弾性部材35および、軸受51の密封板67の弾性部材71は、フッ素ゴムとアクリルゴムとを含む加硫可能な剛性ゴム組成物からなることを特徴とする。フッ素ゴムとアクリルゴムとの混合割合は、フッ素ゴム10乃至90重量%と、アクリルゴム90乃至10重量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは、フッ素ゴム30乃至70重量%と、アクリルゴム70乃至30%の範囲である。つまり、フッ素ゴムの割合が10重量%を下回る場合には、得られるゴム組成物の耐熱性と耐水性がアクリルゴム単独に対してほとんど改善されない一方、90重量%を越えると、自動車の冷却水中の添加剤や、潤滑用のウレア系グリースとの接触による変性を抑制することが難しいからである。
【0025】
ところで、各実施形態の弾性部材35、71の材料の組成物に含まれるフッ素ゴム及びアクリルゴムとしては、パーオキサイド加硫できるものが好ましい。同一の加硫材によって加硫することができるからである。そして、パーオキサイド加硫することができるものであれば、既存のいかなるフッ素ゴム及びアクリルゴムを用いてもよい。
【0026】
このようなフッ素ゴムとしては、例えば分子内にヨウ素又は臭素を含有しているビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系等のビニリデンフルオライド系共重合体、テトラフルオロエチレン−プロピレン系、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−プロピレン系、ヘキサフルオロプロピレン−エチレン系フッ素ゴムなどが挙げられ、これらのうち、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系のエラストマーが好ましい。
【0027】
次に、このようなアクリルゴムとしては、(メタ)アクリレートモノマーと、多官能性モノマーとを組み合わせた分子内に不飽和結合を有しているパーオキサイド加硫が可能なアクリルゴムが好ましい。例えば、(メタ)アクリレートモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、多官能性モノマーとしては、例えば、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等が挙げられる。
【0028】
パーオキサイド加硫をする場合に加硫剤として用いられる有機過酸化物は、その分子中に、−O−O−結合をもつ有機化合物であり、具体的には、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、ハイドロパーオキサイド等が挙げられる。これらをより具体的に示すと、例えばベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、α,α’−ビス(t−ブチルパ−オキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルパ−オキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。これら有機過酸化物の配合量は、上記フッ素ゴムとアクリルゴムの混合物100重量部に対して、0.5乃至15重量部の範囲であり、この範囲であれば、加硫不足や過加硫のおそれが低い。
【0029】
また、パーオキサイド加硫の際には、加硫助剤を添加することが好ましく、この加硫助剤として、例えば、多アリル化合物、メタクリレート化合物、ジビニル化合物、ポリブタジエンなどの不飽和多官能性化合物やキノンジオキシム化合物やジマレイミド化合物が挙げられる。これら加硫助剤の配合量は、フッ素ゴムとアクリルゴムとの混合物100重量部あたり0.5乃至20重量部、好ましくは1乃至10重量部である。
【0030】
その他、本実施形態の化合物には、必要に応じて、充填剤、可塑剤、加工助剤、酸化防止剤、老化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、カップリング剤等を目的に応じて添加することができる。このような添加剤は、単独で、あるいは複数種類を併用して用いることができる。
【0031】
また、ゴム組成物には、補強性充填剤が必須的に添加される。この補強用充填剤としては、カーボンブラックや、無機充填剤が好適である。カーボンブラックの種類としては、例えばSAF(Super Abrasion Furnace black)、ISAF(Intermediate Super Abrasion Furnace black)、HAF(High Abrasion Furnace black)、MAF(Medium Abrasion Furnace black)、FEF(Fast Extruding Furnace black)、GPF(General Purpose Furnace black)、SRF(Semi−Reinforcing Furnace black)、FT(Fine Thermal Furnace black)、MT(Medium Thermal Furnace black)等が挙げられ、なかでも補強性と成形加工性の優れたHAF、FEF、GPF、SRFが好ましく、特にFEF、GPF、SRFが好ましい。これらのカーボンブラックは、単独で用いてもよいが、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0032】
また、無機充填剤としては、例えば、含水シリカ、クレー、クルク、炭酸カルシウム、珪藻土、ウォラストナイト等を例示することができる。また、これらの白色系充填剤は、単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
【0033】
可塑剤、加工助剤としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸塩、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、オレイン酸エチル等の高級脂肪酸エステル、ステアリルアミン、オレイルアミン等の高級脂肪族アミン、カルナバワックス、セレシンワックス等の天然ワックス、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール等のポリグリコール、ワセリン、パラフィン等の脂肪族炭化水素、シリコーン系オイル、シリコーン系ポリマー、低分子量ポリエチレン、フタル酸エステル類、燐酸エステル類、ロジン、(ハロゲン化)ジアルキルアミン、(ハロゲン化)ジアルキルスルフォン、界面活性剤等が挙げられる。
【0034】
酸化劣化を防止する老化防止剤としては、アミン・ケトン縮合生成物、芳香族第二級アミン類、モノフェノール誘導体、ビス又はポリフェノール誘導体、ヒドロキノン誘導体、硫黄系老化防止剤、リン系老化防止剤等が挙げられるが、このうち、芳香族第二級アミン系の4,4−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンが好ましい。
【0035】
また、熱分解を防止して耐熱性を向上するため、上述した老化防止剤とともに、2次老化防止剤を併用することがより好ましい。2次老化防止剤としては、硫黄系の2−メルカブトペンズイミダゾール、2−メルカブトメチルペンズイミダゾール及びこれらの亜鉛塩等が挙げられる。
【0036】
さらに、日光あるいはオゾンの作用による亀裂を抑制させる日光亀裂防止剤として、融点が例えば55乃至70℃程度のワックス類をフッ素ゴムとアクリルゴムの混合物100重量部に対して、0.5乃至2重量部程度添加してもよい。
【0037】
上述した各成分を用いて、密封板の弾性部材の材料を得るための方法は特に限定されず、いかなる既存の方法も適用可能である。例えば、原料ゴムであるフッ素ゴム及びアクリルゴムと、充填剤及びその他の添加剤を、例えばゴム混練用ロール、加圧ニーダー又はバンバリーミキサー等の既存かつ公知のゴム用混練り装置を用いて極力均一に混合する。この混練り条件は特に限定されないが、通常は例えば30乃至80℃の温度で、例えば5乃至60分間混練すれば、各種添加剤の十分な分散を図るのに十分であると考えられる。
【0038】
また、密封板の製造方法も特に限定されないが、上述したようにして得た素ゴム組成物を、金型の中で加圧しながら加熱すればよく、例えば圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等の公知のゴム成形方法によって製造することができる。例えば、圧縮形成の場合、金型の中に予め接着剤を塗布した芯金を挿入し、上述した方法で得た未加硫ゴム組成物のシートを載せ、通常例えば120乃至250℃で、例えば3分乃至2時間程度加圧加硫することによって製造することができる。また、得られた密封板に後加硫を施すことによって弾性材の加硫をより完全なものにすると同時に、余分な揮発成分を揮散させることは、弾性材の物性を向上するのに効果が認められるので好ましい。このような後加硫の条件は特に限定されないが、例えば150乃至250℃の温度で、例えば1乃至50時間程度の加熱処理を行うことができる。
【0039】
(本実施形態の実施例と比較例との比較試験結果について)
以下、上述した本実施形態の構成を備えてなる実施例1乃至3と、従来技術に係る比較例1乃至3との比較試験結果について説明する。
(第1の実験)
先ず、第1の実験として、表1に示す供試材料を、それぞれ図1に示す構成のウェーターポンプ用軸受の密封板に適用した場合の耐冷却水性を確認するために、表1の実施例1乃至3及び比較例1乃至3の欄にそれぞれ記載された組成に係るJISダンベル状3号形試験片(厚さ2mm)を準備し、オートクレープを用い、150℃のシーシーアイ株式会社製ロングライフクーラント(LLC)を水で50%に希釈したものに500時間浸漬し、各種物性の変化を測定した。
【0040】
なお、表1の最も左側の欄において、ダイエルG−801は、ダイキン工業株式会社製のヨウ素を含むビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン2元共重合体の商品名である。なお、「ダイエル」は、同社の登録商標である。また、アクリルゴムは、エチルアクリレート−ブチルアクリレート−アリルアクリレート(重量比50/50/0.7)を共重合して調整したアクリルゴムである。また、Zetpol2010は、日本ゼオン社製の水素添加ニトリルゴムの商品名である。シースト116は、東海カーボン社製のMAF級カーボンブラックの商品名である。シーストSは、東海カーボン社製のSRF級カーボンブラックの商品名である。ノクラックCDは、大内新興化学工業社製の老化防止剤の商品名である。また、ノクラックMBZは、大内新興化学工業社製の老化防止剤の商品名である。また、パーヘキサ25Bは、日本油脂社製の有機過酸化物の商品名である。なお、「パーヘキサ」は、同社の登録商標である。TAICは、日本化成社製のトリアリルイソシアネートの商品名である。なお、「TAIC」は、同社の登録商標である。
【0041】
試料の調整は、先ず、表1に記載した割合で混練りロールを用いて混練りを行い、厚さ約2.2mmの未加硫ゴムシートを作成した。つぎに、この未加硫ゴムシートを縦横150mm、厚さ2mmの金型に挿入し、表1に記載した1次加硫の条件において、圧力50kgf/cm2(4.90MPa)を負荷しながら加硫成形を行った。さらに、実施例1乃至3及び比較例2及び3については、金型から取り出した状態で、オーブン中において、表1に記載の2次加硫の条件で後加硫を行った。
【0042】
そして、得られた加硫ゴムのシートをJISダンベル状3号形試験片の形状に打抜き、常態物性を測定した。なお、硬さは、ダンベル試験片を3枚重ねにして、JIS K6253に規定されている試験条件に従って、タイプAデュロメータ式硬さ試験機を用いて測定した。また、引張り特性は、JIS K6251に規定されている試験条件に従って測定した。そして、耐LLC性については、オートクレープを用いたこと以外、JIS K6258に規定された試験条件に従って測定した。
【0043】
【表1】
【0044】
表1に示すように、フッ素ゴムとアクリルゴムとの混合物を含む加硫可能な合成ゴム組成物である実施例1乃至3は、良好な耐LLC性を示した。これに対し、原料ゴムにフッ素ゴムを単独で用いた比較例1のゴム組成物は、強度及び伸びの低下がみられた。また、原料ゴムに過酸化物加硫可能なアクリルゴムを単独で用いた比較例2のゴム組成物は、著しい膨潤及びこれに伴う硬度低下を示した。また、原料ゴムに水素添加ニトリルゴムを用いた比較例3のゴム組成物は、比較例2よりは良好であるが、硬化劣化を示した。
【0045】
(第2の実験)
上述した第1の実験における実施例1及び3と、比較例2及び3とそれぞれ同一の組成物を有する弾性部材を備えた密封板について、耐熱性試験及び耐水性試験を行った。図4は、本試験に用いた試験装置の構成を示す図である。図4に示すように、試験装置75は、回転軸77を支持した軸受11を、ハウジング79を介し、ヒータ81によって加熱するとともに、時間当たり一定の水量を供給する定量ポンプ83によって、供試軸受の端部にLLCを定量供給する構成である。そして、ハウジング79の側壁から、軸受11の温度を測定する熱電対83が挿入されている。この試験装置により、軸受端部に備えたシール装置の弾性材の性質の経時変化を調べた。さらに、回転軸77とハウジング79との間の電気抵抗を測定する電気抵抗測定回路85が設けられている。また、回転軸77の一方の端部には、駆動用のプーリ87が固定され、プーリ87には、図示しない動力源から動力を伝達してプーリ87を回転させるベルト89がかけられている。
【0046】
次に、供試軸受の製作方法について説明する。先ず、上述した第1の実験と同様の方法によって未加硫ゴム組成物の調整を行い、得られた未加硫ゴムシートを、予め接着剤を塗布した芯金を挿入した金型にいれ、表1に記載した1次加硫の条件で圧力30kgf/cm2(2.94MPa)を負荷して加硫成形を行った。さらに、金型から取り出した状態でオーブン中に設置し、表1に記載した2次加硫の条件で後加硫を行った。そして、得られた密封板にフリンガーを装着し、軸受に組み込んで供試軸受を作成した。
【0047】
なお、本試験の試験条件は、以下の通りである。
・軸受温度: 140℃
・LLC: シーシーアイ社製LLC
・LLC供給量: 50ml/min
・回転数: 6000rpm(100S−1)
・試験時間: 500時間
また、評価項目は、主リップ41の硬さ変化と、第3リップ43の変形(波打ち)である。なお、硬さの測定は、JIS K6253に規定される試験条件に従って、IRHD(International Rubber Hardness Degree)マイクロ硬さ計を用いて行った。この試験結果を、表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
表2に示すように、本発明に係る実施例1及び3のゴム組成物によって形成された弾性部材35を有する密封板29は、主リップ41の硬さ変化が少なく、第3リップ43の変形も認められないことから、良好な耐LLC性を有するとともに、密封性にも優れていると思われる。原料ゴムにアクリルゴムを用いた比較例2のゴム組成物によって弾性部材35を形成した密封板29においては、主リップ41の硬さ変化が大きく、また第3リップ43の変形も生じている。原料ゴムに水素添加ニトリルゴムを用いた比較例3のゴム組成物によって弾性部材35を形成した密封板29においては、主リップ41の硬さ変化が大きく、実施例1及び3を用いた密封板29に対して密封性に劣り、その結果、軸受寿命が短くなるものと考えられる。
【0050】
(第3の実験)
第3の実験は、内径が15mm、外径が35mm、軸方向の幅が11mmである、呼び番号6202の密封板付深溝玉軸受を使用して、軸受内にウレア系グリースを封入し、高温雰囲気中に放置することによって高温雰囲気下におけるウレア系グリースへの耐性を調べた。雰囲気温度は175℃であり、放置する時間は500時間とした。そして、放置後、各供試軸受に装着された密封板を構成する弾性部材の硬さを測定した。硬さの測定は、JIS K6253に規定される試験条件に従って、IRHD(International Rubber Hardness Degree)マイクロ硬さ計を用いて行った。なお、この試験に用いた密封板の弾性部材は、表1に記載の実施例1乃至3および比較例1乃至3と同様の組成物によって形成した。
【0051】
供試軸受の製作は、先ず、第1の実験と同様の方法によって未加硫ゴム組成物の調整を行い、得られた未加硫ゴムシートを予め接着剤を塗布した芯金を挿入した金型に入れ、表1に記載された1次加硫の条件において、圧力30kgf/cm2(2.94Mpa)を負荷し加硫成形を行った。更に、金型から取り出した状態でオーブン中に設置し、表1に記載された2次加硫の条件において後加硫を行った。そして、得られた密封板を軸受に組み込んで供試軸受を作成した。そして、本試験の結果を図5に示す。図5は、時間(Hr)を横軸にとり、硬さ変化(pts.)を縦軸にとったグラフである。
【0052】
図5に示すように、本発明に係る実施例1乃至3のゴム組成物によって弾性部材を形成した密封板においては、従来技術に係る比較例1乃至3のゴム組成物によって弾性部材を形成した密封板よりも、リップの硬さ変化が少ないことがわかる。
【0053】
(第4の実験)
第4の実験は、第3の実験と同じ供試軸受を用いて行った。そして、この供試軸受を、外輪温度を175℃とした状態で、内輪を15000rpm(250S−1)で回転させ、密封板のシール性能の低下によるグリース漏れ、又はシールの破損を生ずるまでの時間を測定した。なお、2000時間を越えて異常がなかったものは、密封板の耐久性が十分であると評価し、試験を打ち切った。この試験の結果を表3に示す。
【0054】
表3
【0055】
表3に示すように、本発明に係る実施例1乃至3のゴム組成物によって弾性部材を形成した密封板は、いずれも長時間にわたって安定したシール性能を維持することができた。
【0056】
以上のように、本実施形態によれば、フッ素ゴムとアクリルゴムの混合物を含む加硫可能なゴム組成物によって密封板の弾性材を形成することによって、高温雰囲気中における冷却水中の添加剤や、潤滑用グリース中のウレア化合物との接触に対して耐性を向上することができた。従って、例えば自動車用の補機等、高温雰囲気中かつウレア系グリースまたは添加剤を含むLLCに接触しうる状態で、しかも高荷重、高速回転で使用される各種機器の回転支持部分の転がり軸受の信頼性及び耐久性の向上に寄与することができる。特に、ウォーターポンプ用軸受の場合、インペラ側からメカニカルシールを通過した水蒸気等の軸受内への侵入を防止することができる。
【0057】
なお、本発明は、上述した実施形態によって限定されるものではなく、密封板の形状やリップの構成、フリンガーの有無等は、適宜変更することができる。また、内輪、外輪の形状や、転動体、保持器の種類や形状も限定されない。また、ゴム組成物の組成も、上述した各実施例に限定されるものではなく、発明の範囲内で適宜変更することができる。また、用途も、自動車用エンジンの補機類に限定されない。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、高温雰囲気中での使用における耐性を確保しかつ冷却水中の添加剤及び潤滑用部リース中のウレア化合物に対して耐性の優れた密封板付転がり軸受及び転がり軸受用密封板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる密封板付転がり軸受の第1の実施形態を備えてなる自動車用エンジンのウォーターポンプの要部断面図である。
【図2】図1のウォーターポンプに備えられる密封板付転がり軸受であって、本発明を適用してなる転がり軸受の一実施形態に係るものの要部拡大断面図である。
【図3】本発明を適用してなる密封板付転がり軸受の他の実施形態であって、オルタネータやコンプレッサ等の自動車用エンジン補機類の回転支持部を構成するものの要部断面図である。
【図4】第1の実験に用いた試験装置の構成を示す図である。
【図5】第3の実験の試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン
3 ウォーターポンプ
5 ウォータージャケット
7 インペラ
9 回転軸
11 密封板付転がり軸受
13 ケーシング
19 メカニカルシール
21 外輪
23 ボール
Claims (4)
- 内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、外輪軌道と内輪軌道との間に転動可能に組み込まれた複数の転動体と、内輪の外周面と外輪の内周面との間に備えられる密封板とを有して構成され、前記密封板は、フッ素ゴム及びアクリルゴムの混合物を含む加硫可能な合成ゴム組成物からなる弾性部材を備えてなる密封板付転がり軸受。
- 合成ゴム組成物は、フッ素ゴム10乃至90重量%と、アクリルゴム90乃至10重量%とを有してなることを特徴とする請求項1に記載の密封板付転がり軸受。
- 転がり軸受の内輪の外周面と外輪の内周面との間に備えられる密封板であって、フッ素ゴム及びアクリルゴムの混合物を含む加硫可能な合成ゴム組成物からなる弾性部材を備えてなる転がり軸受用密封板。
- 合成ゴム組成物は、フッ素ゴム10乃至90重量%と、アクリルゴム90乃至10重量%とを有してなることを特徴とする請求項3に記載の転がり軸受用密封版。
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-
2003
- 2003-06-27 JP JP2003185219A patent/JP2005016684A/ja not_active Withdrawn
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20080912 |