JP2011140976A - 転がり支持装置用シール - Google Patents
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Abstract
【課題】安価なベースゴムを用いつつ、耐オゾン性とともに、シールとして必要な機械的強度や使用温度範囲を長期にわたり維持できる転がり支持装置用シールを提供する。
【解決手段】少なくともリップ部が、ニトリルゴム100重量部に対し、180℃に30分保持したときの揮発量が5%未満であるp−フェニレンジアミン系老化防止剤を0.5〜5重量部及び180℃に30分保持したときの揮発量が5%未満であるキノリン系老化防止剤を0.5〜5重量部配合してなるゴム組成物を、加硫成形してなる弾性材料で形成されている転がり支持装置用シール。
【選択図】図1
【解決手段】少なくともリップ部が、ニトリルゴム100重量部に対し、180℃に30分保持したときの揮発量が5%未満であるp−フェニレンジアミン系老化防止剤を0.5〜5重量部及び180℃に30分保持したときの揮発量が5%未満であるキノリン系老化防止剤を0.5〜5重量部配合してなるゴム組成物を、加硫成形してなる弾性材料で形成されている転がり支持装置用シール。
【選択図】図1
Description
本発明は転がり軸受(自動車用ハブユニット軸受、鉄道車両用軸受等)、リニアガイド装置、ボールねじ等の転がり支持装置に使用されるシールに関する。
転がり軸受やリニアガイド装置、ボールねじ等の転がり支持装置では、封入したグリースや潤滑剤の漏洩を防止するとともに、外部からの塵埃、水、泥水等の浸入防止目的としてのシールを装着している。シールを形成する弾性材料には、ニトリルゴム等に適宜添加剤を配合したゴム組成物が広く使用されている。また、近年では、オゾン濃度の増加により弾性材料がオゾン劣化することも懸念されており、オゾンによる作用を受けやすい共役炭素鎖を持たないアクリルゴムやエチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、水素添加ニトリルゴム等がベースゴムに用いられている。しかし、水や塵埃が存在する環境でグリース潤滑ざれる場合、シールとして必要な機械的強度や使用温度範囲が得られない、また高コストになる等の懸念がある。
また、老化防止剤を添加して耐オゾン性を付与することも行なわれている(例えば、特許文献1、2参照)。しかし、転がり軸受等のシールに適した弾性特性と耐オゾン性とをバランスよく良好に維持できているとは言い難い状況にある。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、水や塵埃が存在する環境でグリース潤滑ざれる転がり支持装置用のシールにおいて、安価なベースゴムを用いつつ、耐オゾン性とともに、シールとして必要な機械的強度や使用温度範囲を長期にわたり維持することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、互いに対向配置される軌道面を備える第1部材及び第2部材と、前記第1部材及び前記第2部材の軌道面間に転動自在に配置された複数個の転動体と、を少なくとも備え、前記転動体が転動することにより前記第1部材及び前記第2部材の一方が他方に対して相対移動する転がり支持装置の、前記第1部材と前記第2部材との間を塞ぐシールであって、少なくとも前記第1部材または前記第2部材と摺接するリップ部が、ニトリルゴム100重量部に対し、180℃に30分保持したときの揮発量が5%未満であるp−フェニレンジアミン系老化防止剤を0.5〜5重量部及び180℃に30分保持したときの揮発量が5%未満であるキノリン系老化防止剤を0.5〜5重量部配合してなるゴム組成物を、加硫成形してなる弾性材料で形成されていることを特徴とする転がり支持装置用シールを提供する。
本発明のシールのベースゴムは、汎用で安価なニトリルゴムであり、従来の耐オゾン性ゴムに比べて安価である。また、2種の特定の老化防止剤を併用することにより、耐オゾン性が大きく向上する。しかも、老化防止剤は共に低揮発性であるため、高温環境下でも良好な耐オゾン性が維持される。
以下、本発明に関して図面を参照して詳細に説明する。
本発明において転がり支持装置及びそれに使用されるシールの種類や構造には制限はなく、ここでは、図1及び図2を参照して転がり軸受及び自動車のハブユニット用軸受を、図3〜図5を参照してボールねじを、図6及び図7を参照してリニアガイド装置を例示して説明する。
図1は転がり軸受の一例を示す断面図であるが、内輪1と外輪2との間に、保持器3により複数の転動体(玉)4を周方向に略等間隔で配置し、更に内輪1と外輪2との間の隙間をシール5で密封して構成されている。シール5は、金属製の芯金6と、弾性部材7とを一体に加硫成形したものである。弾性部材7は、芯金6の外側の主部6aと、外輪2の内周面に形成された止め溝8に係止される加締部7aと、内輪1の外周面に形成された受け溝9と当接するシールリップ7bとから構成されている。
また、図2は自動車のハブユニット軸受のシールの一例を示す断面図であるが、芯金10と、スリンガ11、弾性部材12とから構成される。芯金10は、転がり軸受(図示せず)を構成する外輪の端部内周面に内嵌固定自在な外径側円筒部10aと、この外径側円筒部10aの軸方向内端縁から直径方向内方に折れ曲がった内側円輪部10bを備えた断面略L字形で円環状に形成されている。また、スリンガ11は、転がり軸受を構成する内輪の外端部外周面に外嵌固定自在な内径側円筒部11aと、この内径側円筒部11aの軸方向外端縁から直径方向外方に折れ曲がった外側円輪部11bとを備えた断面L字形で円環状に形成されている。また、弾性部材12は弾性材料からなり、外側、中間、内側の3本のシールリップ12a、12b、12cを備え、芯金10にその基端部が接着により結合固定されている。そして、最も外側に位置する外側シールリップ12aの先端縁をスリンガ11を構成する外側円輪部11bの内側面に摺接させ、残り2本のシールリップである中間シールリップ12b及び内側シールリップ12cの先端縁を、スリンガ11を構成する内径側円筒部11aの外周面に摺接させている。
また、図3はボールねじの一例を示す一部切欠平面図であるが、外周面に断面円弧状で螺旋状のねじ溝31aを有するねじ軸31に、ねじ軸31のねじ溝31aに対向する螺旋状のねじ溝を内面に有してねじ軸31に螺合される円筒状のボールねじナット32と、ねじ軸31のねじ溝31aとボールねじナット32のねじ溝とで形成される断面略円形の螺旋状のボールねじ空間に転動自在に装填される多数のボール(図示せず)と、を備えている。また、ボールねじナット32の軸方向両端部の内側には、潤滑剤含有ポリマからなる円筒状の潤滑剤供給部材41,41がガータスプリング33により押圧された状態で嵌挿されており、内部に保持された潤滑剤が徐々に滲み出て潤滑を行う。また、潤滑剤供給部材41の軸方向外側の環状溝32aに、弾性材料からなるシール42,42が装着されている。
シール42の形状は、ナット32の内径よりも大きい外径を有する略円環状であり、ナット32の両端部の内周面に設けられた環状溝32aにシール42の外縁部を嵌め込むことによって装着される。また、シール42は、例えば図4(シールの平面図)の(b)に示すように、外縁部に2個の切り欠き42a,42aを設けた形状とすることもでき、その場合、図5((a)〜(c)はナットの正面図、(d)はナットの側面図)に示すように、この切り欠き42aの部分を利用してシール42の外縁部(切り欠き部分の縁部)をナット32のシール導入溝32bに挿入したうえ、軸を中心にシール42を半回転以上回転させることにより、シール42を環状溝32aに容易に嵌め込むことができる。尚、シール42の形状は図4の(b)に示したものに限定されるものではなく、切り欠き42aの形状及び数は、シール42の外縁部をナット32のシール導入溝32bに円滑に挿入することが可能であれば、例えば図4の(a)〜(d)に示すようなものでもよい。また、図4の(e)〜(h)に示すように、切り欠き42aの代わりにスリット42bを設けてもよい。
また、図6はリニアガイド装置の一例を示す斜視図である。図示されるように、横断面形状が略コ字状のスライダ52が角形の案内レール51上に、軸方向に相対移動可能に跨架されている。スライダ52は、スライダ本体52Aと、その軸方向両端部に着脱可能に取り付けられたエンドキャップ52Bとから構成されている。案内レール51の上面51aと両側面51bが交叉する稜線部には、断面ほぼ1/4円弧形状の凹溝からなる一方の転動体転動溝53Aが軸方向に形成され、案内レール51の両側面51bの中間位置には、断面ほぼ半円形の他方の転動体転動溝53Bが軸方向に形成されている。一方、スライダ本体52Aの両袖部54の内側のコーナ部には、案内レール51の一方の転動体転動溝53Aに対向する断面ほぼ半円形の転動体転動溝(図示されない)が形成され、両袖部54の内側面の中央部には案内レール51の他方の転動体転動溝53Bに対向する断面ほぼ半円形の転動体転動溝(図示されない)が形成されている。また、上記の案内レール51の転動体転動溝53A,53Bと両袖部54の2つの転動体転動溝とで、図示されない転動体転動路が構成されている。これら2つの転動体転動路は、断面ほぼ円形の直線状をなしている。さらに、スライダ52は、スライダ本体52Aの袖部54の肉厚部分の上部及び下部に、軸方向に貫通する断面円形の貫通孔からなる転動体戻し路(図示されない)を2本備えている。また、エンドキャップ52Bは、前記転動体転動路とこれに平行な前記転動体戻し路とを連通させる図示されない湾曲路を有しており、これら転動体転動路と前記転動体戻し路と両端の前記湾曲路とで、前記転動体の循環路が形成されている。この転動体の循環路内には、例えば鋼球からなる多数の転動体(図示されない)が転動自在に装填されている。
案内レール51に組み付けたスライダ52は、両転動体転動路内の転動体の転動を介して案内レール51に沿って滑らかに移動し、その移動中、転動体はスライダ52内の前記循環路を転動しつつ無限循環する。また、スライダ52には、案内レール51との間に形成される隙間の開口をシールする防塵用の接触シール58が、軸方向両端部(エンドキャップ52Bのさらに外側)に取り付けられている。この接触シール58は、図7に拡大断面図で示すように、弾性材料からなるシール部60aと、エンドキャップ52Bの外形に合わせた略コ字状のSECC材(亜鉛めっき鋼板)からなる芯金(補強部材)61と、が加硫接着により一体化されて形成されたものである。また、シール部60aの案内レール51と摺接する部分(リップ部)には、1個または複数の凸状部分60bが形成されて摺動時の抵抗を少なくしている。
上記の各シールは、下記の弾性材料で形成される。
弾性材料のベースゴムには、ニトリルゴムを用いる。ニトリゴムにおけるアクリロニトリル含量(AN量)は、20〜40%が好ましく、30〜40%がより好ましい。AN量が40%を超えると圧縮永久歪等の特性に劣るようになり、シールリップがヘタリ易くなり、20%未満では耐摩耗性及び耐油性に劣るようになり、シールリップの先端縁の摩耗量の増加やグリースによる膨潤量の増加等により密封性や追随性が低下するおそれがある。
耐オゾン性を付与するためにニトリルゴムに老化防止剤を添加するが、本発明では、180℃に30分保持したときの揮発量が5%未満であるp−フェニレンジアミン系老化防止剤と、180℃に30分保持したときの揮発量が5%未満であるキノリン系老化防止剤とを併用する。両者を併用することにより、何れか一方を単独使用した場合、並びに他の老化防止剤を使用した場合に比べて、高温環境下や長期間での使用において耐オゾン性を良好に維持できる。
上記のp−フェニレンジアミン系老化防止剤及びキノリン系老化防止剤は共に、ニトリルゴム100重量部に対し0.5〜5重量部、好ましくは2〜4重量部配合される。配合量が0.5重量部未満では耐オゾン性の付与が十分ではなく、5重量部を超えるとニトリルゴムとの相溶性が悪くなり、混練が困難になる。
180℃に30分保持したときの揮発量が5%未満であるp−フェニレンジアミン系老化防止剤としては、N−フェニル−N´−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N,N´−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等を挙げることができる。また、180℃に30分保持したときの揮発量が5%未満であるキノリン系老化防止剤としては、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン等を挙げることができる。
また、ニトリルゴムには加硫系添加剤が配合ざれる。加硫系添加剤には、加硫剤(架橋剤)、加硫促進剤、加硫促進助剤があるが、何れもニトリルゴムに適用できるものであれば制限はない。また、それぞれの配合量も加硫可能な範囲で適宜選択できる。
加硫剤としては、粉末硫黄、硫黄華、沈降硫黄、高分散性硫黄等の各種硫黄、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、N,N−ジチオ−ビス(ヘキサヒドロ−2H−アゼピノン−2)、チウラムポリスルフィド等の硫黄を生成可能な硫黄化合物、ジクミルパーオキサイド、ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物等を使用できる。
硫黄系の加硫剤を用いた場合は、グアニジン系化合物、アルデヒド−アンモニア系化合物、チアゾール系化合物、チオウレア系化合物、スルフェンアミド系化合物、チウラム系化合物、ジチオカルバメート系化合物、キサンテート系化合物等の加硫促進剤を併用することができる。また、高分散性硫黄を使用した場合には、テトラメチルチウラムジスルフィド等又はスルフェンアミド系化合物であるN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド等と、2−メルカプトベンゾチアゾール等とを併用することができる。尚、加硫促進剤は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
加硫促進助剤としては、酸化亜鉛等の金属酸化物、金属炭酸塩、金属水酸化物、ステアリン酸等の有機酸及びその誘導体、アミン類等をそれぞれ単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
その他、シールの特定をより向上させるために各種の添加剤を配合することができる。例えば、ワックスは、日光あるいはオゾンの作用によるシールの亀裂を抑制させる日光亀裂防止剤として作用し、融点が55〜70℃程度のワックス類を、ニトリルゴム100重量部に対して1〜3重量部配合することができる。1重量部未満では、オゾンの作用による亀裂を防止する効果が殆ど得られない。3重量部を超えると、ニトリルゴムとの相溶性が悪くなり、混練が困難になるとともに、ブリードが発生して芯金との接着性が低下するようになる。
また、補強性充填剤として、カーボンブラックや白色系充填剤等を配合することができる。カーボンブラックとしては、SAF(Super Abrasion Furnace black)、ISAF(Intermediate Super Abrasion Furnace black )、HAF(High Abrasion Furnace black )、MAF(Medium Abrasion Furnace black )、FEF(Fast Extruding Furnace black)、GPF(General Purpose Furnace black )、SRF(Semi-Reinforcing Furnace black)、FT(Fine Thermal Furnace black)、MT(Medium Thermal Furnace black)等を例示することができるが、補強性及び追従性を考慮するとHAF、FEF、SRFが好ましい。白色系充填剤としては、各種シリカ、塩基性炭酸マグネシウム、活性化炭酸カルシウム、特殊炭酸カルシウム、超微粉ケイ酸マグネシウム、クレー、タルク、珪藻土、ウォラストナイト等を例示することができる。また、これら補強性充填材の分散性を高めるために、シラン系、アルミニウム系、チタネート系のカップリング剤を添加してもよい。更に、補強性充填剤と白色系充填剤とを混合して使用することもできる。これらの配合量は、ニトリルゴム100重量部に対し、10〜100重量部が適当である。
また、成形性を向上させる必要がある場合には可塑剤を配合することができる。例えば、ジオクチルフタレート等のフタル酸ジエステル、アジペート系可塑剤、セバケート系可塑剤、ホスフェート系可塑剤、ポリエーテル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、ポリエーテルエステル系可塑剤、液状ゴム等をそれぞれ単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
その他にも、公知の酸化防止剤や難燃剤等を必要に応じて配合することができる。
上記のゴム組成物をシールにするには、通常の方法で構わず、ニトリルゴムに老化防止剤や加硫剤、その他の添加剤を配合して混練し、得られた未架橋の混練物を所定の金型に充填して成形すればよい。混練方法にも制限はなく、ゴム混練ロールや加圧ニーダー、バンバリーミキサー等の公知のゴム用混練装置を用い、30〜80℃で5〜60分程度混練すればよい。また、成形条件にも制限はなく、混練物を圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等の公知のゴム成形方法を採用することができ、通常は120〜200℃で30秒〜30分程度加圧加硫し、更に必要に応じて120〜200℃で10分から10時間程度の二次加硫を行う。
転がり支持装置のシールとしては通常下記の特性が要求されるため、各種成分の配合量や架橋条件を適宜調整する。
・硬さ(スプリング硬さAスケール;JIS K6301):60〜80、好ましくは65〜75
・引張強度(JIS K6251):10〜25MPa、好ましくは15〜25MPa
・伸び(JIS K6251):200〜400%、好ましくは250〜400%
・硬さ(スプリング硬さAスケール;JIS K6301):60〜80、好ましくは65〜75
・引張強度(JIS K6251):10〜25MPa、好ましくは15〜25MPa
・伸び(JIS K6251):200〜400%、好ましくは250〜400%
以下に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
(実施例1〜2、比較例1〜6)
表1に示すように、ニトリルゴム、老化防止剤及びその他添加剤を配合し、ゴム混練ロールにて十分に混練し、得られた未架橋のシート状混練物を180℃で5〜10分の熱プレスによる加硫工程を経て架橋シートとした。また、実施例及び比較例で用いた老化防止剤を、熱重量分析装置にて50℃から180℃まで昇温速度10℃/分、続けて180℃で30分の保持を行い、この測定前後の重量差から揮発量を算出した。結果を表2、表3に示す。
表1に示すように、ニトリルゴム、老化防止剤及びその他添加剤を配合し、ゴム混練ロールにて十分に混練し、得られた未架橋のシート状混練物を180℃で5〜10分の熱プレスによる加硫工程を経て架橋シートとした。また、実施例及び比較例で用いた老化防止剤を、熱重量分析装置にて50℃から180℃まで昇温速度10℃/分、続けて180℃で30分の保持を行い、この測定前後の重量差から揮発量を算出した。結果を表2、表3に示す。
・ニトリルゴム:日本ゼオン株式会社製「Nipol DN3350」(AN量33%)
・ステアリン酸:花王株式会社製「Lunac S−35」
・亜鉛華:堺化学株式会社製「フランス1号」
・SRFカーボン:東海カーボン株式会社製「シーストSP」
・焼成クレー:白石カルシウム株式会社製「ST−309」(カオリンクレー)
・可塑剤:旭電化株式会社製「PN−350」(アジピン酸系ポリエステル)
・硫黄系加硫剤:川口化学株式会社製「アクターR」(モルホリンジスルフィド)
・加硫促進剤A:大内新興化学株式会社製「ノクセラーTT」(テトラメチルチウラムジスルフィド)
・加硫促進剤B:大内新興化学株式会社製「ノクセラーTET−G」(テトラエチルチウラムジスルフィド)
・加硫促進剤C:川口化学株式会社製「アクセルCZ−R」(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
・ワックス:精工化学株式会社製「サンタイトR」
・老化防止剤A:p−フェニレンジアミン系老化防止剤、大内新興化学株式会社製「ノクラックG−1」(N−フェニル−N´−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン)
・老化防止剤B:p−フェニレンジアミン系老化防止剤、川口化学株式会社製「アンテージ3C」(N−イソプロピル−N´−フェニル−p−フェニレンジアミン)
・老化防止剤C:p−フェニレンジアミン系老化防止剤、大内新興化学株式会社製「ノクラック8C」(N−(1−メチルヘプチル)−N´−フェニル−p−フェニレンジアミン)
・老化防止剤D:ジフェニルアミン系老化防止剤、大内新興化学株式会社製「ノクラックODA」(アルキル化ジフェニルアミン)
・老化防止剤E:キノリン系老化防止剤、川口化学株式会社製「アンテージRD−G」(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合体)
・老化防止剤F:キノリン系老化防止剤、川口化学株式会社製「アンテージAW」(6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)
・ステアリン酸:花王株式会社製「Lunac S−35」
・亜鉛華:堺化学株式会社製「フランス1号」
・SRFカーボン:東海カーボン株式会社製「シーストSP」
・焼成クレー:白石カルシウム株式会社製「ST−309」(カオリンクレー)
・可塑剤:旭電化株式会社製「PN−350」(アジピン酸系ポリエステル)
・硫黄系加硫剤:川口化学株式会社製「アクターR」(モルホリンジスルフィド)
・加硫促進剤A:大内新興化学株式会社製「ノクセラーTT」(テトラメチルチウラムジスルフィド)
・加硫促進剤B:大内新興化学株式会社製「ノクセラーTET−G」(テトラエチルチウラムジスルフィド)
・加硫促進剤C:川口化学株式会社製「アクセルCZ−R」(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
・ワックス:精工化学株式会社製「サンタイトR」
・老化防止剤A:p−フェニレンジアミン系老化防止剤、大内新興化学株式会社製「ノクラックG−1」(N−フェニル−N´−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン)
・老化防止剤B:p−フェニレンジアミン系老化防止剤、川口化学株式会社製「アンテージ3C」(N−イソプロピル−N´−フェニル−p−フェニレンジアミン)
・老化防止剤C:p−フェニレンジアミン系老化防止剤、大内新興化学株式会社製「ノクラック8C」(N−(1−メチルヘプチル)−N´−フェニル−p−フェニレンジアミン)
・老化防止剤D:ジフェニルアミン系老化防止剤、大内新興化学株式会社製「ノクラックODA」(アルキル化ジフェニルアミン)
・老化防止剤E:キノリン系老化防止剤、川口化学株式会社製「アンテージRD−G」(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合体)
・老化防止剤F:キノリン系老化防止剤、川口化学株式会社製「アンテージAW」(6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)
そして、各架橋シートについて、下記に示す(1)硬度測定、(2)一軸引張試験及び(3)オゾン劣化試験を行い機械的特性を評価した。
(1)硬度測定
JIS K6301に従い、厚さ2mmの架橋シートを作製し、それを重ねて厚さ6mm以上の試験片を作製してディロメータAにて硬度を測定した。結果を表4に示す。
(2)一軸引張試験
JIS K6251に従い、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で試験を行い、破断時の強度及び伸びを測定した。結果を表4に示す。
(3)オゾン劣化試験
JIS K6259に従い、静的伸張率20%、温度40℃または80℃、オゾン濃度50pphmの雰囲気下に6時間、24時間、48時間放置した後に表面観察を行なった。表面にクラックが無い場合を「NC」、クラックが少ない場合を「A」、クラックがやや多い場合を「B」、クラックが多数の場合を「C」とするとともに、クラックについて、10倍に拡大したときに確認できる場合を「1」、肉眼で確認できる場合を「2」、クラック長さが1mm未満を「3」、1mm以上3mm未満を「4」、3mm以上を「5」、更に切断した場合を「×」とする基準にて評価した。例えば、肉眼で確認できる程度のクラックがやや多い場合は「B−2」とする。結果を表5及び表6に示す。
JIS K6301に従い、厚さ2mmの架橋シートを作製し、それを重ねて厚さ6mm以上の試験片を作製してディロメータAにて硬度を測定した。結果を表4に示す。
(2)一軸引張試験
JIS K6251に従い、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で試験を行い、破断時の強度及び伸びを測定した。結果を表4に示す。
(3)オゾン劣化試験
JIS K6259に従い、静的伸張率20%、温度40℃または80℃、オゾン濃度50pphmの雰囲気下に6時間、24時間、48時間放置した後に表面観察を行なった。表面にクラックが無い場合を「NC」、クラックが少ない場合を「A」、クラックがやや多い場合を「B」、クラックが多数の場合を「C」とするとともに、クラックについて、10倍に拡大したときに確認できる場合を「1」、肉眼で確認できる場合を「2」、クラック長さが1mm未満を「3」、1mm以上3mm未満を「4」、3mm以上を「5」、更に切断した場合を「×」とする基準にて評価した。例えば、肉眼で確認できる程度のクラックがやや多い場合は「B−2」とする。結果を表5及び表6に示す。
表4〜6から、本発明に従う実施例の架橋シートは、比較例と同等以上の機械的強度を有するとともに、高温での耐オゾン性が大きく向上していることがわかる。
1 内輪
2 外輪
3 保持器
4 転動体
5 シール
10 芯金
11 スリンガ
12 弾性部材
31 ねじ軸
32 ボールねじナット
42 シール
50 リニアガイド装置
51 案内レール
52 スライダ
60 接触シール
2 外輪
3 保持器
4 転動体
5 シール
10 芯金
11 スリンガ
12 弾性部材
31 ねじ軸
32 ボールねじナット
42 シール
50 リニアガイド装置
51 案内レール
52 スライダ
60 接触シール
Claims (3)
- 互いに対向配置される軌道面を備える第1部材及び第2部材と、前記第1部材及び前記第2部材の軌道面間に転動自在に配置された複数個の転動体と、を少なくとも備え、前記転動体が転動することにより前記第1部材及び前記第2部材の一方が他方に対して相対移動する転がり支持装置の、前記第1部材と前記第2部材との間を塞ぐシールであって、
少なくとも前記第1部材または前記第2部材と摺接するリップ部が、ニトリルゴム100重量部に対し、180℃に30分保持したときの揮発量が5%未満であるp−フェニレンジアミン系老化防止剤を0.5〜5重量部及び180℃に30分保持したときの揮発量が5%未満であるキノリン系老化防止剤を0.5〜5重量部配合してなるゴム組成物を、加硫成形してなる弾性材料で形成されていることを特徴とする転がり支持装置用シール。 - 前記p−フェニレンジアミン系老化防止剤が、N−フェニル−N´−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン又はN,N´−ジフェニル−p−フェニレンジアミンであることを特徴とする請求項1記載の転がり支持装置用シール。
- 前記キノリン系老化防止剤が、2,2,4−トリメ チル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の転がり支持装置用シール。
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