JP2013133902A - ハブ軸受用シール装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】―40℃以下の極低温環境下でも密封性を維持し、且つ、耐油性を有するハブ軸受用シール部装置を提供する。
【解決手段】アクリロニトリルブタジエンゴムのAN量を18〜30%とし、可塑剤をアクリロニトリルブタジエンゴム100重量部に対して、5〜15重量部配合したゴム組成物からなるシール装置とする。ゴム組成物は、伸び率10%において、応力が1.0MPa以下である。また、可塑剤のSP値が8.5〜10.0である。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車のホイール用ハブ軸受のシール装置に関し、特に、その耐寒性の改善に関するものである。
自動車や鉄道車両の車軸を支持する車輪用転がり軸受は、通常、雨水や風雪、塵埃等に曝されながら屋外で使用される。極端な場合には水中に浸漬した状態で使用されることもある。そこで、車輪用転がり軸受では、例えば図1に示されるような密封構造が採られている。図示される転がり軸受Oにおいて、固定輪である外輪相当部材1は、その外周面に形成した取付部2により、図示しない懸架装置に支持固定される。従ってこの外輪相当部材1は、使用時にも回転しない。この様な外輪相当部材1の内側には回転輪である内輪相当部材3が、外輪相当部材1と同心に設けられ、使用時にこの内輪相当部材3が回転する。この内輪相当部材3は、ハブ4と内輪5から成る。このうちのハブ4の内周面にはスプライン溝6が、外端(車両への組付け時に幅方向外側になる端をいい、図1の左端)部外周面には取付フランジ7が、それぞれ形成されている。車両への組み付け時、上記スプライン溝6には等速ジョイントを介して回転駆動される駆動軸が挿入され、上記取付けフランジ7には車軸が固定される。上記外輪相当部材1の内周面には複列の外輪軌道8、8が、上記ハブ4の中間部外周面と上記内輪5の外周面とには内輪軌道9、9が、それぞれ形成されている。そして、これら各外輪軌道8、8と内輪軌道9、9との間に転動体10、10を設けて、上記外輪相当部材1の内側での内輪相当部材3の回転を自在としている。また、転動体10、10を転動自在に保持する為に、保持器11、11が設けられている。尚、図示の例では転動体10、10として玉を使用しているが、重量が嵩む車両用のハブユニットの場合には、転動体としてテーパころを使用する場合もある。更に、上記外輪相当部材1の外端部と上記ハブ4の中間部外周面との間にはシール装置12aと12bとが設けられ、上記外輪相当部材1の内周面と、上記内輪相当部材3の外周面との間で、上記転動体10、10を設置した空間13部分の外端開口を塞いでいる。
シール装置12aは、図2に拡大して示されるように、芯金105とスリンガ106と、弾性部材107とから構成される。このうちの芯金105は、低炭素鋼板等の金属板にプレス加工等の打ち抜き加工並びに塑性加工を施す事により、一体成形されている。この様な芯金105は、転がり軸受Oを構成する外輪相当部材1の端部内周面に内嵌固定自在な外径側円筒部109と、この外径側円筒部109の軸方向内端縁(図2の左端縁)から直径方向内方に折れ曲がった内側円輪部110を備えた、断面略L字形で円環状に形成されている。また、上記スリンガ106は、ステンレス鋼板等、優れた耐食性を有する金属板に、やはりプレス加工等の打ち抜き加工並びに塑性加工を施す事により一体成形されている。この様なスリンガ106は、上記転がり軸受Oを構成する内輪5の外端部外周面に外嵌固定自在な内径側円筒部112と、この内径側円筒部112の軸方向外端縁(図2の右端縁)から直径方向外方に折れ曲がった外側円輪部113とを備えた、断面略L字形で円環状に形成されている。
また、上記弾性部材107は弾性部材からなり、外側、中間、内側の三本のシールリップ114、115、116を備え、上記芯金105にその基端部が結合固定されている。そして、最も外側に位置する外側シールリップ114の先端縁を上記スリンガ106を構成する外側円輪部113の内側面に摺接させ、残り2本のシールリップである中間シールリップ115及び内側シールリップ116の先端縁を、上記スリンガ106を構成する内径側円筒部112の外周面に摺接させることにより、封入グリースの漏洩を防止するとともに、外部からの塵埃、水、泥水等の軸受内部への浸入を防止する。
シール装置12bは図3に拡大して示されるように、それぞれが円輪状に形成された芯金216と弾性部材217とから構成される。このうちの芯金216は、金属板より造られ、上記外輪相当部材1の外端部に内嵌固定されている。また、上記弾性部材217は弾性材料からなり、上記芯金216に成形し、接着等により接合固定されている。また、この弾性部材は217は、外径側、内径側、2本のサイドシールリップ218、219と、1本のラジアルシールリップ220とを備える。そして、上記2本のサイドシールリップ218、219を、先端縁(図1の左端縁)に向かう程直径方向外方(図3の上方)に向かう方向に傾斜させる事により、空間13内への異物進入防止機能を確保している。また、上記ラジアルシールリップ220を、先端縁(図3の右下縁)に向かう程上記空間13の内側(図3の右側)に向かう方向に傾斜させる事により、グリースの漏洩防止機能を確保している。
更に詳しく説明すると、シール装置12bは、それぞれが円輪状に形成された芯金216と弾性部材217とから構成されている。シール装置12bの芯金216は、低炭素鋼板等の金属板にプレス加工等の打ち抜き加工並びに塑性加工を施す事により、一体成形されている。この芯金216は、転がり軸受Oを構成する外輪相当部材1の端部内周面に内嵌固定自在な外径側円筒部222と、この外径側円筒部222の外端縁(図3の左端縁)から直径方向内方に折れ曲がった支持板部223とを備える。このうちの外径側円筒部222は、内端寄り(図3の右寄り)の大径部224と弾性部材217とにより、芯金216を構成する支持板部223の外側面(図3の左側面)全体を覆うとともに、この弾性部材217の外周面と外輪相当部材1の開口端部内周面との間で挟持している。そして、この構成により、上記芯金216と外輪相当部材1との嵌合部を密封している。また、上記大径部224に自由状態における外径は、外輪相当部材1の外端開口部の内径よりも僅かに大きく設定されており、この大径部224は、外輪相当部材1の外端開口部に、締まり嵌めで内嵌固定自在とされている。また、上記支持板部223は、略S字形の断面形状を有し、直径方向内方(図3の下方)に向かう程空間13内に設置した転動体10、10に近づく方向(図3の右方向)に傾斜している。一方、上記芯金216と共に上記シール装置12bを構成する弾性部材217は、上記芯金216に対してインサート成型し、接着等により接合固定されている。この様な弾性部材217の外周縁部は、上記傾斜部227の外周面を覆っている。また、この様な弾性部材217の一部で傾斜部227の外周面を覆っている部分の自由状態での外径は、上記外輪相当部材1の外端開口部の内径よりも少し大きく設定されており、上記大径部224をこの外端開口部に内嵌固定した状態では、上記弾性部材217の一部で傾斜部227の外周面を覆っている部分が、この傾斜部227の外周面と上記外端開口部の内周面との間で弾性的に押圧され、当該部分のシール性を確保する。更に、上記弾性部材217の基部226は、上記支持板部223の外側面(図3の左側面)を、全周に亙り完全に覆っている。また、この基部226の外側面及び内周縁には、外径側、内径側、2本のサイドシールリップ218、219と、1本のラジアルシールリップ220とが形成されており、2本のサイドシールリップ218、219を、先端縁(図3の左端縁)に向かう程直径方向外方(図3の上方)に向かう方向に傾斜させる事により、空間13内への異物侵入防止機能を確保している。また、上記ラジアルシールリップ220を、先端縁(図3の右下縁)に向かう程上記空間13の内側(図3の右側)に向かう方向に傾斜させる事により、グリースの漏洩防止機能を確保している。
従来から前記シール装置に用いられる弾性部材にはシール性能やコストの点より、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)が用いられている。特に近年は、省エネルギー化の一環として、ハブ軸受にも起動トルクの低下や、回転時の低トルク化による発熱の低減が望まれている。さらに、ハブ軸受には、例えば−40℃以下の極低温環境下でのシール性も求められている。
NBRの耐寒性を向上させる手段として、特許文献1には、NBRのアクリルニトリル(AN)量を減らす方法が記載されている。特許文献2には、数平均分子量200〜650のポリオキシテトラメチレングリコールと炭素数6〜12の直鎖又は分岐鎖脂肪酸とのジエステルを含有するNBR系ゴム用可塑剤をNBR系ゴム100重量部に対して、5〜40重量部含有するゴム組成物が記載されている。
特開2005−188556号公報 特開2006−016523号公報
しかしながら、弾性材料にAN量を減らしたNBRを使用する場合、軸受内のグリースに含まれる基油成分によって弾性部材が大きく膨潤するという問題があった。また、特許文献2に記載の発明では、軸受内のグリースへの可塑剤の抽出が生じ、弾性材料のシールとしての性能が悪化する恐れがあった。
本発明は、このような不都合を解消するためになされたものであり、その目的は、−40℃以下の極低温環境下、且つ、グリース接触下においてもシール性能を保つハブ軸受け用シール装置を提供することにある。
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、アクリロニトリル量が18〜30%のアクリロニトリルブタジエンゴム100重量部に、5〜15重量部の可塑剤を配合してなるゴム組成物からなるハブ軸受用シール装置であることを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のハブ軸受用シール装置において、前記ゴム組成物が、伸び率10%において、応力が1.0MPa以下であることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のハブ軸受用シール装置において、前記ゴム組成物に配合される可塑剤のSP値が8.5〜10.0であることを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3に記載のハブ軸受用シール装置が装着されるハブ軸受であって、鉱油またはPAOを基油としたグリースが封入されていることを特徴としている。
本発明によれば、ハブ軸受用シール装置に用いられるゴム組成物が、AN量18〜30%であるNBRを主成分とし、可塑剤の配合量を規定することで、−40℃以下の極低温環境下、且つ、グリース接触下においても、充分なシール性を保つことが可能である。
本発明においてハブ軸受け用シール装置に使用されるシールの種類や構造には制限はない。また、シールは、全体が後述されるゴム組成物で形成されていてもよく、ゴム組成物が芯金に接合されていてもよい。
シール装置のゴム組成物は、主にNBRにより構成され、該NBRは、AN量18〜30%が好ましく、22〜26%がより好ましい。AN量が30%を超えると-40℃の低温環境下において弾性を維持できず、シール性を失う。18%未満では、耐摩耗性、及び耐油性が劣るようになり、シールリップ先端縁の摩耗量の増加やグリースによる膨潤を引き起こしシール性が低下するため好ましくない。
可塑剤は、配合量が5重量部未満であると、可塑剤による耐寒性の向上が充分に得られず−40℃における弾性の発揮が困難となる。また、AN量の低下のみで耐寒性の向上を図ると、グリースによる膨潤が大きくなりシール性能を損なってしまう。15重量部を超えて配合すると、可塑剤のブリードが生じ、グリース中への可塑剤の混入、および低温弾性の損失を引き起こすため、軸受や、シール性の寿命を損なう恐れがある。
また、前記可塑剤は、溶解度パラメーター(SP値)が8.5〜10.0であることが好ましい。SP値が8.5未満であると、可塑剤がグリース中に移行し易くなり、シールの低温性が失われる恐れがある。10.0を超えると、5重量部以上の配合でブリードが発生してしまうため添加量が制限され、耐寒性の改善が図れない。これは、母材となるNBRのSP値が8.5〜10.0程度であり、かつ、ハブ軸受に用いられるグリースの基油が、鉱油およびPAOのSP値が6.0〜8.0程度であるため、可塑剤とNBR、およびNBRとグリース基油のSP値の差が、前者の方が大きくなると、NBR中に可塑剤よりもグリース基油が入りやすくなり、代わって可塑剤が流出することによる。
可塑剤の種類は、前記の条件を充たす限り制限は無く、例えば、例えば、ジオクチルフタレート等のフタル酸ジエステル、アジペート系可塑剤、セバケート系可塑剤、ホスフェート系可塑剤、ポリエーテル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、ポリエーテルエステル系可塑剤、液状ゴム等をそれぞれ単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
その他の配合剤は、シール性を損なわない範囲で、以降の記述に従い制限は無いが、架橋体において伸び率が10%における応力を1.0MPa以下とする必要がある。1.0MPaより大きいと、シールとして使用する際、可塑剤のブリードが生じやすく5重量部以上の配合ができなくなり、低温性の維持ができなくなるため好ましくない。これは、ゴム組成物に応力が掛かった際、可塑剤等を保持している隙間が圧縮されるため、保持成分がブリードされ易くなる性質による。
加硫剤は、成形後の架橋体が、伸び率10%にて、1.0MPa以下の特性を有するゴム組成物を発揮できれば制限はなく、例えば、粉末硫黄、硫黄華、沈降硫黄、高分散性硫黄等の各種硫黄や、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、N,N−ジチオ−ビス(ヘキサヒドロ−2H−アゼピノン−2)、チウラムポリスルフィド等の硫黄を生成可能な硫黄化合物を使用できる。硫黄系以外の架橋剤、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物等を使用することもできる。
また、グアニジン系化合物、アルデヒド−アンモニア系化合物、チアゾール系化合物、チオウレア系化合物、スルフェンアミド系化合物、チウラム系化合物、ジチオカルバメート系化合物、キサンテート系化合物等の加硫促進剤を併用してもよい。また、高分散性硫黄を使用した場合には、テトラメチルチウラムジスルフィド等又はスルフェンアミド系化合物であるN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド等と、2−メルカプトベンゾチアゾール等とを併用してもよい。尚、加硫促進剤は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
更に、加硫促進助剤を併用してもよく、酸化亜鉛等の金属酸化物、金属炭酸塩、金属水酸化物、ステアリン酸等の有機酸及びその誘導体、アミン類等をそれぞれ単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
ゴム組成物には、シールの特定をより向上させるために各種の添加剤を配合することができる。例えば、酸化劣化を防止する老化防止剤としてアミン・ケトン縮合生成物、芳香族第二級アミン類、モノフェノール誘導体、ビス又はポリフェノール誘導体、ヒドロキノン誘導体、硫黄系老化防止剤、リン系老化防止剤等を配合することができる。更に、熱分解を防止して耐熱性を向上するため、上記の老化防止剤とともに2次老化防止剤を併用してもよく、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、及びこれらの亜鉛塩等を併用してもよい。
更に、補強性充てん剤および非補強性充てん剤として、カーボンブラックや白色系充てん剤等を添加してもよい。カーボンブラックとしては、(Super Abrasion Furnace black)、ISAF(Intermediate Super Abrasion Furnace
black )、HAF(High Abrasion Furnace black)、MAF(Medium Abrasion Furnace black)、FEF(Fast
Extruding Furnace black)、GPF(General Purpose Furnace black)、SRF(Semi-Reinforcing
Furnace black)、FTF(Fine Thermal Furnace black)、MT(Medium Thermal Furnace black)等を例示することができる。特に、補強性及び追従性を考慮するとHAF、FEF、SRFが好ましい。白色系充てん剤としては、各種シリカ、塩基性炭酸マグネシウム、活性化炭酸カルシウム、特殊炭酸カルシウム、超微粉ケイ酸マグネシウム、クレー、タルク、珪藻土、ウォラストナイト等を例示することができる。また、これら補強性充てん剤の分散性を高めるために、シラン系、アルミニウム系、チタネート系のカップリング剤を添加してもよい。なお、充てん剤は単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。更に、補強性充てん剤と白色系充てん剤とを混合して使用することもできる。
上記のゴム組成物をシールにするには、通常の方法で構わず、ゴム成分に加硫剤やその他の添加剤を配合して混練し、得られた未架橋の混練物を所定の金型に充てんして成形すればよい。混練方法にも制限はなく、ゴム混練ロールや加圧ニーダー、バンバリーミキサー等の公知のゴム用混練装置を用い、30〜160℃で5〜60分程度混練すればよい。また、成形条件にも制限はなく、混練物を圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等の公知のゴム成形方法を採用することができ、通常は120〜200℃で30秒〜30分程度加圧加硫すれば良く、更に必要であれば120〜200℃で10分から10時間程度の二次加硫を行っても良い。
本発明による実施例を示す。以下に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
表1に示すように、ゴム成分、加硫剤及びその他添加剤を配合し、ゴム混練ロールにて混練を行い、得られた未架橋のシート状混練物を、170℃で5〜10分の熱プレスによる加硫工程を経て架橋シートとした。
作製した各架橋シートについて、下記に示す(1)硬度測定、(2)一軸引張試験(3)ガラス転移温度測定を、常態と、基油が鉱油、増ちょう剤がリチウム石鹸からなるグリースを用いて温度120℃、70h下で浸漬した後と、に測定を行った。また、常態においては、目視でブリードの有無の確認を行った。
(1)硬度測定
厚さ2mmの架橋シートを作製し、それを重ねて厚さ6mm以上の試験片を作製してデュロメータAにて硬度を測定した。結果を表2に示す。
(2)一軸引張試験
JIS
K6251に従い、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で試験を行い、破断時の応力,伸び,および伸び率10%における応力を測定した。結果を表2に示す。
(3)ガラス転移温度(Tg)測定
耐寒性の指標として、DSCにて、ガラス転移温度の読み取りを行った。結果を表2に示す。
・ブリードの確認
目視で確認し、ブリードなしを○、ブリードがあったものは×で評価した。
・グリース浸漬試験後の評価
JIS
K6258に従い行ったグリース浸漬試験後に、硬さ変化幅,体積変化率,Tg変化幅の評価を行った.Tg変化幅は、0〜+5℃を○,+5℃以上を×と評価した。
尚、表中に記した配合剤は以下の通りである。
・ニトリルゴムA:日本ゼオン製「Nipol
DN3350」(AN量:33%)
・ニトリルゴムB:JSR製「N240S」(AN量:26%)
・ニトリルゴムC:日本ゼオン製「Nipol
DN401」(AN量:18%)
・FEFカーボン:東海カーボン製「シーストSO」
・高導電性カーボン:ライオン製「EC600JD」
・焼成クレー:BASF製「SATINTONE
No.5」
・可塑剤A:大八化学製「DOA」(SP値:9.0(Fedors推算値))
・可塑剤B:ADEKA製「RS-107」(SP値:8.8(Small法))
・老化防止剤A:大内新興化学製「ノクラックCD」
・老化防止剤B:谷口石油精製製「パラペレ125」(パラフィンワックス)
・老化防止剤C:精工化学製「サンタイトR」(精選特殊ワックス)
・加硫促進剤A:大内新興化学製「ノクセラーTET」
・加硫促進剤B:川口化学株式会社製「アクセルCZ」
・加硫促進助剤A:ステアリン酸
・加硫促進助剤B:酸化亜鉛
Figure 2013133902
Figure 2013133902
上記の各結果より、本発明によれば、ハブ軸受用シール装置に用いられるゴム組成物が、AN量18〜30%であるNBRを主成分とし、可塑剤の配合量を規定することで、耐寒性、耐油性および、低トルク性を併せ持つことができる。
車輪用転がり軸受の一例を示す断面を示すものである。 図1に示した車輪用転がり軸受の一方のシール装置(12a)の拡大図を示すものである。 図1に示した車輪用転がり軸受の他方のシール装置(12b)の拡大図を示すものである。
O 転がり軸受
1 外輪相当部材
4 内輪相当部材
10 転動体
11 保持器
12a シール装置
12b シール装置
20 シール付き転がり軸受
21 内輪
22 外輪
30 シール
31 芯金
32 弾性部材
105 芯金
106 スリンガ
107 弾性部材
217 弾性部材

Claims (4)

  1. アクリロニトリル量が18〜30%のアクリロニトリルブタジエンゴム100重量部に、5〜15重量部の可塑剤を配合してなるゴム組成物からなることを特徴とするハブ軸受用シール装置。
  2. 請求項1に記載のハブ軸受用シール装置において、前記ゴム組成物が、伸び率10%において、応力が1.0MPa以下であることを特徴とするハブ軸受用シール装置。
  3. 請求項1に記載のハブ軸受用シール装置において、前記ゴム組成物に配合される可塑剤のSP値が8.5〜10.0であることを特徴とするハブ軸受用シール装置。
  4. 請求項1〜3に記載のハブ軸受用シール装置が装着されるハブ軸受であって、鉱油またはPAOを基油としたグリースが封入されていることを特徴するハブ軸受。
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