JP2013181085A - 転がり軸受用シール及びゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐寒性及び耐熱性を長期にわたり維持でき、更にはグリースの基油による膨潤も小さく、高信頼性のシール装置、並びにそのためのゴム組成物を提供する。
【解決手段】アクリロニトリル含有量が18〜26%のアクリロニトリルブタジエンゴムAと、アクリロニトリル含有量が30%以上のアクリロニトリルブタジエンゴムBとを、重量比で、アクリロニトリルブタジエンゴムA:アクリロニトリルブタジエンゴムB=70:30〜90:10である混合アクリロニトリルブタジエンゴムをゴム成分として含有するゴム組成物を成形して転がり軸受用シールを作製する。
【選択図】図2

Description

本発明は転がり軸受のシール、並びに該シールを形成するためのゴム組成物に関する。
例えば、自動車や鉄道車両の車輪を支持する車輪用転がり軸受は、通常、雨水や風雪、塵埃等に曝されながら屋外で使用される。極端な場合には、水中に浸漬した状態で使用されることもある。そこで、車輪用転がり軸受では、例えば図1に示されるような密封構造の転がり軸受Oが使用されている。図示される転がり軸受Oにおいて、固定輪である外輪相当部材1は、その外周面に形成した取付部2により、懸架装置(図示せず)に支持固定される。従ってこの外輪相当部材1は、使用時にも回転しない。この様な外輪相当部材1の内側には回転輪である内輪相当部材3が、外輪相当部材1と同心に設けられ、使用時にこの内輪相当部材3が回転する。この内輪相当部材3は、ハブ4と内輪5とから成る。このうちのハブ4の内周面にはスプライン溝6が、外端(車両への組み付け時に幅方向外側になる端を言い、図1の左端)部外周面には取付フランジ7が、それぞれ形成されている。車両への組み付け時、上記スプライン溝6には等速ジョイントを介して回転駆動される駆動軸が挿入され、上記取付フランジ7には車輪が固定される。
上記外輪相当部材1の内周面には複列の外輪軌道8、8が、上記ハブ4の中間部外周面と上記内輪5の外周面とには内輪軌道9、9が、それぞれ形成されている。そして、これら各外輪軌道8、8と内輪軌道9、9との間に転動体10、10を設けて、上記外輪相当部材1の内側での内輪相当部材3の回転を自在としている。また、転動体10、10を転動自在に保持するために、保持器11、11が設けられている。尚、図示の例では転動体10、10として玉を使用しているが、重量が嵩む車両用のハブユニットの場合には、転動体としてテーパころを使用する場合もある。更に、上記外輪相当部材1の外端部と上記ハブ4の中間部外周面との間にはシール装置12aと12bとが設けられ、上記外輪相当部材1の内周面と上記内輪相当部材3の外周面との間で、上記転動体10、10を設置した空間13部分の外端開口を塞いでいる。
シール装置12aは、図2に拡大して示されるように、芯金105と、スリンガ106と、弾性部材107とから構成される。このうちの芯金105は、低炭素鋼板等の金属板にプレス加工等の打ち抜き加工並びに塑性加工を施す事により、一体成形されている。この様な芯金105は、転がり軸受Oを構成する外輪相当部材1の端部内周面に内嵌固定自在な外径側円筒部109と、この外径側円筒部109の軸方向内端縁(図2の左端縁)から直径方向内方に折れ曲がった内側円輪部110を備えた、断面略L字形で円環状に形成されている。また、上記スリンガ106は、ステンレス鋼板等、優れた耐食性を有する金属板に、やはりプレス加工等の打ち抜き加工並びに塑性加工を施す事により一体成形されている。この様なスリンガ106は、上記転がり軸受Oを構成する内輪5の外端部外周面に外嵌固定自在な内径側円筒部112と、この内径側円筒部112の軸方向外端縁(図2の右端縁)から直径方向外方に折れ曲がった外側円輪部113とを備えた、断面L字形で円環状に形成されている。
また、上記弾性部材107は弾性材料からなり、外側、中間、内側の3本のシールリップ114、115、116を備え、上記芯金105にその基端部が結合固定されている。そして、最も外側に位置する外側シールリップ114の先端縁を上記スリンガ106を構成する外側円輪部113の内側面に摺接させ、残り2本のシールリップである中間シールリップ115及び内側シールリップ116の先端縁を、上記スリンガ106を構成する内径側円筒部112の外周面に摺接させることにより、封入グリースの漏洩を防止するとともに、外部からの塵埃、水、泥水等の軸受内部への侵入を防止する。
シール装置12bは、図3に拡大して示されるように、それぞれが円輪状に形成された芯金216と弾性部材217とから構成される。このうちの芯金216は、金属板により造り、上記外輪相当部材1の外端部に内嵌固定されている。また、上記弾性部材217は弾性材料からなり、上記芯金216に成形し接着等により接合固定されている。また、この弾性部材217は、外径側、内径側、2本のサイドシールリップ218、219と、1本のラジアルシールリップ220とを備える。そして、上記2本のサイドシールリップ218、219を、先端縁(図1の左端縁)に向かう程直径方向外方(図3の上方)に向かう方向に傾斜させる事により、空間13内への異物進入防止機能を確保している。また、上記ラジアルシールリップ220を、先端縁(図3の右下縁)に向かう程上記空間13の内側(図3の右側)に向かう方向に傾斜させる事により、グリースの漏洩防止機能を確保している。
更に詳しく説明すると、シール装置12bは、それぞれが円輪状に形成された芯金216と弾性部材217とから構成されている。シール装置12bの芯金216は、低炭素鋼板等の金属板にプレス加工等の打ち抜き加工並びに塑性加工を施す事により、一体成形されている。この芯金216は、転がり軸受Oを構成する外輪相当部材1の端部内周面に内嵌固定自在な外径側円筒部222と、この外径側円筒部222の外端縁(図3の左端縁)から直径方向内方に折れ曲がった支持板部223とを備える。このうちの外径側円筒部222は、内端寄り(図3の右寄り)の大径部224と弾性部材217とにより、芯金216を構成する支持板部223の外側面(図3の左側面)全体を覆うと共に、この弾性部材217の外周縁部を、上記円筒部222から連続する傾斜部227の外周面と外輪相当部材1の開口端部内周面との間で挟持している。そして、この構成により、上記芯金216と外輪相当部材1との嵌合部を密封している。また、上記大径部224の自由状態に於ける外径は、外輪相当部材1の外端開口部の内径よりも僅かに大きく設定されており、この大径部224は、外輪相当部材1の外端開口部に、締まり嵌めで内嵌固定自在とされている。また、上記支持板部223は、略S字形の断面形状を有し、直径方向内方(図3の下方)に向かう程空間13内に設置した転動体10、10に近づく方向(図3の右方向)に傾斜している。
一方、上記芯金216と共に上記シール装置12bを構成する弾性部材217は、上記芯金216に対してインサート成型し、接着等により接合固定されている。この様な弾性部材217の外周縁部は上記傾斜部227の外周面を覆っている。また、この様な弾性部材217の一部で傾斜部227の外周面を覆っている部分の自由状態での外径は、上記外輪相当部材1の外端開口部の内径よりも少し大きく設定されており、上記大径部224をこの外端開口部に内嵌固定した状態では、上記弾性部材217の一部で傾斜部227の外周面を覆っている部分が、この傾斜部227の外周面と上記外端開口部の内周面との間で弾性的に押圧され、当該部分のシール性を確保する。
更に、上記弾性部材217の基部226は、上記支持板部223の外側面(図3の左側面)を、全周に亙り完全に覆っている。また、この基部226の外側面及び内周縁には、外径側、内径側、2本のサイドシールリップ218、219と、1本のラジアルシールリップ220とが形成されており、2本のサイドシールリップ218、219を、先端縁(図3の左端縁)に向かう程直径方向外方(図3の上方)に向かう方向に傾斜させる事により、空間13内への異物進入防止機能を確保している。また、上記ラジアルシールリップ220を、先端縁(図1の右下縁)に向かう程上記空間13の内側(図3の右側)に向かう方向に傾斜させる事により、グリースの漏洩防止機能を確保している。
このようなシール装置12a、12bを形成する弾性部材107、217は、シール性能やコストの点からアクリロニトリルブタジエンゴムを含むゴム組成物が多用されている。また、近年では、省エネルギー化のために、起動時のトルクの低下や、低トルク化による発熱の低減が望まれており、シール装置12a、12bにおいても低温環境下でのシール性が求められている。アクリロニトリルブタジエンゴムの耐寒性を向上させるために従来では、アクリロニトリル含有量を減らしたり(例えば、特許文献1参照)、可塑剤の種類や含有量を調整する(例えば、特許文献2参照)、などの対策がなされている。
特開2005−188556号公報 特開2006−16523号公報
しかしながら、シール装置12a、12bはグリースと接触した環境下にあるため、アクリロニトリル含有量を減らすと耐熱性が低下し、更には極性の低下によりグリースの基油による膨潤が大きくなる。また、可塑剤の種類や含有量を調整しても、可塑剤がグリース中に溶出して耐寒性が低下する。このように、従来の方法では十分な信頼性を保てない。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、耐寒性及び耐熱性を長期にわたり維持でき、更にはグリースの基油による膨潤も小さく、高信頼性のシール装置、並びにそのためのゴム組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、下記を提供する。
(1)転がり軸受のシールを形成するためのゴム組成物であって、
アクリロニトリル含有量が18〜26%のアクリロニトリルブタジエンゴムAと、アクリロニトリル含有量が30%以上のアクリロニトリルブタジエンゴムBとを、重量比で、アクリロニトリルブタジエンゴムA:アクリロニトリルブタジエンゴムB=70:30〜90:10である混合アクリロニトリルブタジエンゴムをゴム成分として含有することを特徴とする転がり軸受のシール用ゴム組成物。
(2)上記(1)記載のゴム組成物を成形したことを特徴とする転がり軸受用シール。
尚、以降の説明では、アクリロニトリル含有量を「AN含有量」、アクリロニトリルブタジエンゴムAを「NBR−A」、アクリロニトリルブタジエンゴムBを「NBR−B」と呼ぶ。
本発明のシールは、NBR−AとNBR−Bとを特定比率で混合したゴム成分を含むゴム組成物の成形体であるため、グリースの基油による膨潤が少なく、また、−40℃の低温及び120℃の高温においても優れたシール性能を示し、信頼性に優れる。
転がり軸受の一例を示す断面図である。 図1に示した転がり軸受の一方のシール装置(12a)の拡大図である。 図1に示した転がり軸受の他方のシール装置(12b)の拡大図である。
以下、本発明に関して詳細に説明する。
本発明において、シールの種類や構造自体には制限はなく、例えば図1〜3に示した車輪用転がり軸受に組み込まれるシール装置12a、12bを例示することができる。そして、各シール装置の弾性部材107、217を後述するゴム組成物の成形体とする。車輪用転がり軸受は、低温から高温まで広い温度範囲で使用され、更にグリース潤滑されることから、耐寒性や耐熱性、グリースの基油による膨潤が少ない本発明のゴム組成物からからなるシールは特に有用である。
ゴム組成物は、AN含有量が18〜26%のNBR−Aと、AN含有量が30%以上のNBR−Bとの混合ゴムを主成分とする。NBR−AとNBR−Bとの混合比率は、重量比で、NBR−A:NBR−B=70:30〜90:10であり、好ましくは80:20である。
NBR−Aにおいて、AN含有量が18%未満では耐摩耗性及び耐油性に劣るようになり、シールリップ先端部の摩耗量の増加やグリースによる膨潤を引き起こしてシール性能が低下する。また、AN含有量が26%を超えると、十分な耐寒性の確保が難しくなる。NBR−AにおけるAN含有量は、18〜22%がより好ましい。
NBR−Bにおいて、AN含有量が30%未満ではNBR−Aと混合したときの耐熱性を保てないため、好ましくない。また、AN含有量の上限は45%が好ましく、より好ましいAN含有量は30〜35%である。
そのため、NBR−Aの混合比率が70%未満では、NBR−Bによる低温特性が支配的となり、低温環境下での弾性を維持できず、シール性が低下するおそれがある。また、NBR−Aの混合比率が90%を超えると、NBR−Bによる耐熱性の向上が十分ではなくなる。
ゴム組成物は、可塑剤や補強性充填剤、架橋剤、加硫促進剤を配合することが好ましい。
可塑剤の配合量は、上記の混合ゴム100質量部に対し5〜15質量部が好ましい。配合量が5質量部未満では耐寒性の向上が十分に得られず、−40℃における弾性の発揮が困難になる。尚、AN含有量を減じることにより耐寒性を向上させることもできるが、グリースによる膨潤が大きくなりシール性能を損なってしまう。また、15質量部を超えると、可塑剤のブリードが生じ、グリース中に可塑剤が混入したり、低温弾性の損失を引き起こすため、軸受やシール性の寿命を損なうおそれがある。尚、可塑剤の種類には制限はなく、ジオクチルフタレート等のフタレート系可塑剤、アジペート系可塑剤、セバケート系可塑剤、ホスフェート系可塑剤、ポリエーテル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、ポリエーテルエステル系可塑剤、液状ゴム等をそれぞれ単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
補強性充填剤として、カーンブラックや白色系充填剤等を配合することができる。カーボンブラックとしては、SAF(Super Abrasion Furnace Black)、ISAF(Intermediate Super Abrasion Furnace Black)、HAF(High Abrasion Furnace Black)、MAF(Medium Abrasion Furnace Black)、FEF(Fast Extruding Furnace black)、GPF(General Purpose Furnace black)、SRF(Simi-Reinforcing Furnace black)、FTF(Fine Thermal Furnace black)、MT(Medium Thermal Furnace black)等を例示することができる。中でも、補強性と追従性を考慮するとHAF、FEF及びSRFが好ましい。白色系充填剤としては、各種シリカ、塩基性炭酸マグネシウム、活性化炭酸カルシウム、特殊炭酸カルシウム、超微粉ケイ酸マグネシウム、クレー、タルク、珪藻土、ウォラストナイト等を例示することができる。また、これら補強性充填剤の分散性を高めるために、シラン系、アルミニウム系、チタネート系のカップリング剤を添加してもよい。更に、カーボンブラックと白色系充填剤とを併用してもよい。
架橋剤としては、粉末硫黄、硫黄華、沈降硫黄、高分散性硫黄等の各種硫黄、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、N,N−ジチオ−ビス(ヘキサヒドロ−2H−アゼピノン−2)、チウラムポリスルフィド等の硫黄を排出可能な硫黄化合物等を例示することができる。これら硫黄系の他にも、ジクミルパーオキサイド、ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチルヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物等を使用することもできる。尚、硫黄系の加硫剤を用いる場合は、グアニジン系化合物、アルデヒド−アンモニア系化合物、チアゾール系化合物、チオウレア系化合物、スルフェンアミド系化合物、チウラム系化合物、ジチオカルバメート系化合物、キサンテート系化合物等を加硫助剤として併用することもできる。また、高分散性硫黄を用いる場合には、チウラム系のテトラメチルチウラムジスルフィド等またはスルフェンアミド系のN−シクロベンジル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド等と、チアゾール系の2−メツカプトベンゾチアゾール等とを併用してもよい。これらの加硫促進剤は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
加硫促進助剤としては、酸化亜鉛等の金属酸化物、金属炭酸塩、金属水酸化物、ステアリン酸等の有機酸及びその誘導体、アミン類等を、それぞれ単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
その他にも、シールの特性をより向上させるために、各種の添加剤を配合することができる。例えば、酸化劣化を防止するために、アミン・ケトン縮合生成物、芳香族第二級アミン類、モノフェノール誘導体、ビス又はポリフェノール誘導体、ヒドロキノン誘導体、硫黄系老化防止剤、リン系老化防止剤等の老化防止剤を配合することができる。また、熱分解を防止して耐熱性をより向上させるために、上記の老化防止剤とともに、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール及びこれらの亜鉛塩等の2次老化防止剤を併用してもよい。
尚、これらの添加剤の配合量は、目的に応じて適宜設定される。
ゴム組成物を調製する方法には制限はなく、NBR−AとNBR−Bとの混合ゴムに、可塑剤やその他の添加剤を配合してゴム混練ロールや加圧ニーダー、バンバリーミキサー等の従来から公知のゴム用混練り装置を用いて均一に混練りすればよい。混練り条件は特に限定されないが、通常は30〜80℃の温度で、5〜60分間混練りすることによって、各種添加剤の十分な分散を図ることができる。
また、ゴム組成物をシール装置の弾性部材とするための方法も特に限定されないが、未加硫のゴム組成物を金型の中で加圧しながら加熱すれば良く、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等の公知のゴム成形方法により製造することができる。成形条件は、120〜200℃で30秒〜30分程度加圧加硫すればよく、必要であれば120〜200℃で10分〜10時間程度2次加硫を行ってもよい。
尚、図1に示したような車輪用転がり軸受では、シール性を損なわないために通常下記の常態特性が要求されるが、これに従い上記のゴム組成物の組成や架橋条件を適宜調製する。
・硬さ(スプリング硬さAスケール;JIS K 6253):65〜75
・引張強度(JIS K 6251:10〜25MPa
・伸び(JIS K 6251):200〜400%
・ガラス転移温度:−40℃以下、好ましくは−45°以下
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
(実施例1〜3、比較例1〜6)
表1に示すように、ゴム、加硫剤及びその他の添加剤を配合し、ゴム混練ロールにて混練を行い、得られた未架橋のシート状混練物を170℃で5〜10分の熱プレスによる加硫工程を経て架橋シートとした。そして、各架橋シートについて、(1)硬さ測定、(2)一軸引張試験、(3)耐寒性評価、(4)耐熱性評価、(5)耐油性評価を行った。結果を表1に併記する。
(1)硬さ測定
JIS K 6253に従い、厚さ2mmの架橋シートを重ねて6mm以上とし、デュロメータAで硬さを求めた。
(2)一軸引張試験
JIS K 6251に従い、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で試験を行い、破断時の強度、伸び及び伸び率10%における強度を測定した。
(3)耐寒性評価
DSCにて、ガラス転移温度を測定した。
(4)耐熱性評価
架橋シートを120℃の空気中に70時間放置して熱劣化させ、その後に上記の硬さ及び伸びの測定を行った。そして、熱劣化前からの変化率を求めた。
(5)耐油性
グリースによる膨潤を評価するために、JIS K 6253に従ってグリース浸漬を行い、体積変化率を求めた。
Figure 2013181085
尚、表中の配合剤は以下の通りであり、配合量は質量部である。
・NBR(AN量18%):日本ゼオン製「Nipol DN401」
・NBR(AN量22%):日本ゼオン製「Nipol DN407」
・NBR(AN量26%):JSR製「N240S」
・NBR(AN量33%):日本ゼオン製「Nipol DN3350」
・FEFカーボン:東海カーボン製「シーストG−S0」
・導電性カーボン:ライオン製「ケッチェンブラックEC600JD」
・焼成クレー:BASF製「SATINTONE No.5」
・可塑剤:大八化学製「DOA」
・老化防止剤:大内新興化学製「ノクラックCD」
・ワックス:精工化学製「サンタイトR」(精選特殊ワックス)
・加工助剤:三洋貿易製「TE−80−p」
・ステアアリン酸:花王製「Lunac S−35」
・亜鉛華:堺化学製「フランス1号」
・加硫促進剤A:大内新興化学製「ノクセラーTET―G」
・加硫促進剤B:川口化学工業製「アクセルCZ−R」
・硫黄:細井化学製「HK200−5」
表1に示すように、本発明に従いNBR−AとNBR−Bとを特定の混合比率で混合した混合ゴムを用いることにより、常態物性、耐寒性、耐熱性、耐油性にバランスよく優れるようになる。これに対し、比較例1〜4のように、NBR−A単独またはNBR−B単独では、常態物性、耐寒性、耐熱性、耐油性の何れかに劣るようになる。また、比較例5のようにNBR−Bの混合比率が発明の範囲よりも多くなると、耐寒性に劣るようになる。また、比較例6のように、NBR−A同士の組み合わせでは、耐熱性に劣るようになる。
O 転がり軸受
1 外輪相当部材
4 内輪相当部材
10 転動体
11 保持器
12a シール装置
12b シール装置
105 芯金
106 スリンガ
107 弾性部材
217 弾性部材

Claims (2)

  1. 転がり軸受のシールを形成するためのゴム組成物であって、
    アクリロニトリル含有量が18〜26%のアクリロニトリルブタジエンゴムAと、アクリロニトリル含有量が30%以上のアクリロニトリルブタジエンゴムBとを、重量比で、アクリロニトリルブタジエンゴムA:アクリロニトリルブタジエンゴムB=70:30〜90:10である混合アクリロニトリルブタジエンゴムをゴム成分として含有することを特徴とする転がり軸受のシール用ゴム組成物。
  2. 請求項1記載のゴム組成物を成形したことを特徴とする転がり軸受用シール。
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