JP2014149016A - 転がり支持軸受用シール及び転がり支持軸受 - Google Patents

転がり支持軸受用シール及び転がり支持軸受 Download PDF

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勇樹 笠原
Kaneaki Matsumoto
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Abstract

【課題】従来と同等以上のシール性能を維持しつつ、かつ、シールと相手部材との間の摩擦係数を低減することにより低トルク化を図った、アクリロニトリルブタジエンゴムから成る転がり軸受用シールを提供する。
【解決手段】転がり軸受用シールを構成するゴム材料組成物を構成するゴム組成物を、アクリロニトリル含有量(AN量)が18〜30質量%であるアクリロニトリルブタジエンゴムとし、かつ、前記ゴム材料組成物の−20℃〜40℃における、周波数0.01〜10Hzの損失弾性率(E´´)を1.0×10MPa以下とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、グリース潤滑で使用される転がり支持軸受に使用されるシール装置において、封入グリースの漏洩を防止すると共に、低トルクなシール装置に関するものである。
自動車や鉄道車両の車軸を支持する車輪用転がり支持軸受は、通常、雨水や風雪、塵埃等に曝されながら屋外で使用される。極端な場合には水中に浸漬した状態で使用されることもある。その為、車輪用転がり支持軸受では、例えば図1に示されるような密封構造が採られている。図示される転がり支持軸受Oにおいて、固定輪である外輪相当部材1は、その外周面に形成した取付部2により、図示しない懸架装置に支持固定される。従ってこの外輪相当部材1は、使用時にも回転しない。この様な外輪相当部材1の内側には回転輪である内輪相当部材3が、外輪相当部材1と同心に設けられ、使用時にこの内輪相当部材3が回転する。この内輪相当部材3は、ハブ4と内輪5から成る。このうちのハブ4の内周面にはスプライン溝6が、外端(車両への組付け時に幅方向外側になる端をいい、図1の左端)部外周面には取付フランジ7が、それぞれ形成されている。車両への組み付け時、上記スプライン溝6には等速ジョイントを介して回転駆動される駆動軸が挿入され、上記取付けフランジ7には車軸が固定される。上記外輪相当部材1の内周面には複列の外輪軌道8、8が、上記ハブ4の中間部外周面と上記内輪5の外周面とには内輪軌道9、9が、それぞれ形成されている。そして、これら各外輪軌道8、8と内輪軌道9、9との間に転動体10、10を設けて、上記外輪相当部材1の内側での内輪相当部材3の回転を自在としている。また、転動体10、10を転動自在に保持する為に、保持器11、11が設けられている。尚、図示の例では転動体10、10として玉を使用しているが、重量が嵩む車両用のハブユニットの場合には、転動体としてテーパころを使用する場合もある。更に、上記外輪相当部材1の外端部と上記ハブ4の中間部外周面との間にはシール装置12aと12bとが設けられ、上記外輪相当部材1の内周面と、上記内輪相当部材3の外周面との間で、上記転動体10、10を設置した空間13部分の外端開口を塞いでいる。
シール装置12aは、図2に拡大して示されるように、芯金105とスリンガ106と、弾性部材107とから構成される。このうちの芯金105は、低炭素鋼板等の金属板にプレス加工等の打ち抜き加工並びに塑性加工を施す事により、一体成形されている。この様な芯金105は、転がり支持軸受Oを構成する外輪相当部材1の端部内周面に内嵌固定自在な外径側円筒部109と、この外径側円筒部109の軸方向内端縁(図2の左端縁)から直径方向内方に折れ曲がった内側円輪部110を備えた、断面略L字形で円環状に形成されている。また、上記スリンガ106は、ステンレス鋼板等、優れた耐食性を有する金属板に、やはりプレス加工等の打ち抜き加工並びに塑性加工を施す事により一体成形されている。この様なスリンガ106は、上記転がり支持軸受Oを構成する内輪5の外端部外周面に外嵌固定自在な内径側円筒部112と、この内径側円筒部112の軸方向外端縁(図2の右端縁)から直径方向外方に折れ曲がった外側円輪部113とを備えた、断面略L字形で円環状に形成されている。また、上記弾性部材107は弾性部材からなり、外側、中間、内側の三本のシールリップ114、115、116を備え、上記芯金105にその基端部が結合固定されている。そして、最も外側に位置する外側シールリップ114の先端縁を上記スリンガ106を構成する外側円輪部113の内側面に摺接させ、残り2本のシールリップである中間シールリップ115及び内側シールリップ116の先端縁を、上記スリンガ106を構成する内径側円筒部112の外周面に摺接させることにより、封入グリースの漏洩を防止するとともに、外部からの塵埃、水、泥水等の軸受内部への浸入を防止する。
シール装置12bは図3に拡大して示されるように、それぞれが円輪状に形成された芯金216と弾性部材217とから構成される。このうちの芯金216は、金属板より造られ、上記外輪相当部材1の外端部に内嵌固定されている。また、上記弾性部材217は弾性材料からなり、上記芯金216に成形し、接着等により接合固定されている。また、この弾性部材217は、外径側、内径側、2本のサイドシールリップ218、219と、1本のラジアルシールリップ220とを備える。そして、上記2本のサイドシールリップ218、219を、先端縁(図1の左端縁)に向かう程直径方向外方(図3の上方)に向かう方向に傾斜させる事により、空間13内への異物進入防止機能を確保している。また、上記ラジアルシールリップ220を、先端縁(図3の右下縁)に向かう程上記空間13の内側(図3の右側)に向かう方向に傾斜させる事により、グリースの漏洩防止機能を確保している。
更に詳しく説明すると、シール装置12bは、それぞれが円輪状に形成された芯金216と弾性部材217とから構成されている。シール装置12bの芯金216は、低炭素鋼板等の金属板にプレス加工等の打ち抜き加工並びに塑性加工を施す事により、一体成形されている。この芯金216は、転がり支持軸受Oを構成する外輪相当部材1の端部内周面に内嵌固定自在な外径側円筒部222と、この外径側円筒部222の外端縁(図3の左端縁)から直径方向内方に折れ曲がった支持板部223とを備える。このうちの外径側円筒部222は、内端寄り(図3の右寄り)の大径部224と弾性部材217とにより、芯金216を構成する支持板部223の外側面(図3の左側面)全体を覆うとともに、この弾性部材217の外周面と外輪相当部材1の開口端部内周面との間で挟持している。そして、この構成により、上記芯金216と外輪相当部材1との嵌合部を密封している。また、上記大径部224に自由状態における外径は、外輪相当部材1の外端開口部の内径よりも僅かに大きく設定されており、この大径部224は、外輪相当部材1の外端開口部に、締まり嵌めで内嵌固定自在とされている。また、上記支持板部223は、略S字形の断面形状を有し、直径方向内方(図3の下方)に向かう程空間13内に設置した転動体10、10に近づく方向(図3の右方向)に傾斜している。一方、上記芯金216と共に上記シール装置12bを構成する弾性部材217は、上記芯金216に対してインサート成形し、接着等により接合固定されている。この様な弾性部材217の外周縁部は、上記傾斜部227の外周面を覆っている。また、この様な弾性部材217の一部で傾斜部227の外周面を覆っている部分の自由状態での外径は、上記外輪相当部材1の外端開口部の内径よりも少し大きく設定されており、上記大径部224をこの外端開口部に内嵌固定した状態では、上記弾性部材217の一部で傾斜部227の外周面を覆っている部分が、この傾斜部227の外周面と上記外端開口部の内周面との間で弾性的に押圧され、当該部分のシール性を確保する。更に、上記弾性部材217の基部226は、上記支持板部223の外側面(図3の左側面)を、全周に亙り完全に覆っている。また、この基部226の外側面及び内周縁には、外径側、内径側、2本のサイドシールリップ218、219と、1本のラジアルシールリップ220とが形成されており、2本のサイドシールリップ218、219を、先端縁(図3の左端縁)に向かう程直径方向外方(図3の上方)に向かう方向に傾斜させる事により、空間13内への異物侵入防止機能を確保している。また、上記ラジアルシールリップ220を、先端縁(図3の右下縁)に向かう程上記空間13の内側(図3の右側)に向かう方向に傾斜させる事により、グリースの漏洩防止機能を確保している。
さらに、図4に示すような密封玉軸受400においては、内周面に軌道面を有する外輪401と、外周面に軌道面を有する内輪402と、前記外輪軌道と前記内輪軌道の間に転動自在に配された複数の転動体403と、前記転動体を等間隔に保持する保持器404とを備えた端列深溝玉軸受の開口部にシール405を備えた構造となっている。シール405は外輪に装着固定され、シール摺接側にシールリップ部405aを有し、内輪402の軸方向端部に形成されたシール溝402aに摺接することで、軸受に封入したグリース(図示しない)が軸受の外部に漏出するのを防いでいる。
従来から転がり支持軸受用シールに用いられる弾性部材にはシール性能やコストの点より、アクリロニトリルブタジエンゴム(以後、NBR、または、ニトリルゴムと呼称)が用いられている。近年、省エネルギー化の観点から、長期間に亘るシール性の維持と、起動時及び回転時の低トルク化が求められている。NBR製弾性部材のトルクを低減する手段として、NBR中に硬い無機充てん剤を添加する方法(特許文献1)やオイルの成分を添加する方法(特許文献2)知られている。
特開2006−37044号公報 特開2006−70275号公報
しかしながら、硬い無機充てん剤の添加では、シールが磨耗した場合に磨耗粉が軸受内部で転動体の転動面や軌道輪の軌道面を傷付け易く、軸受の寿命を著しく悪化させる虞がある。また、オイル成分の添加では、オイル成分の漏出または揮発が生じ、数年間の使用において、低トルク化の効果が失われる虞があり、何れの場合も長期に渡りシールの信頼性を保てない虞があるという問題がある。
本発明は、このような不都合を解消するためになされたものであり、その目的は、従来のシールよりも低トルクであり、且つ、十分なシール性を有する転がり支持軸受用シールを提供することにある。上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ゴム材料組成物を材料とする転がり支持軸受用シールであって、前記シールを構成するゴム材料組成物はアクリロニトリル量(AN量)が18〜30%であるアクリロニトリルブタジエンゴム100重量部に対して、カーボンブラック及び表面修飾したシリカからなる補強材の少なくとも一方を10〜50重量部の範囲で、補強性の低い充てん剤を20〜80重量部の範囲で、合計50〜100重量部含有したものを加硫成形してなり、且つ、温度が−20〜40℃での周波数0.01〜10Hzの損失弾性率(E´´)が1.0×10MPa以下であることを特徴としている。また、請求項2に記載の発明は請求項1に記載の転がり支持軸受用シールが組み込まれた転がり支持軸受であることを特徴としている。
本発明によれば、オイルのブリードや、耐油性の悪化を生じることなく、従来のシールより低トルク、且つ、十分なシール性を持つ転がり支持軸受用シールを提供することが出来る。これは次のメカニズムによるものである。
転がり支持軸受用シールのシールトルク上昇の一因に、ゴム材料組成物の変形に伴うエネルギーの散逸が挙げられる。転がり支持軸受において、ゴム材料組成物の変形は主にシールリップ部の摺接部で生じる。よって、ゴムシールを、リップの摺接による変形の入力に対して、散逸エネルギー、すなわち損失弾性率(E´´)が小さいゴム材料組成物で構成すると、トルクを低減することができる。
転がり支持軸受おけるゴムシールが、雰囲気温度40℃、回転数1000〜10000min−1で回転していると仮定する。シールリップが摺接する相手材の軌道の荒さを考慮するとシールリップ摺接によるゴム材料組成物の変形周波数は、10〜10Hzに相当する。つまり、40℃、10〜10Hzにおける損失弾性率(E´´)が小さいほど転がり支持軸受のシールリップ摺接によるトルクは低減されると考えられる。
但し、40℃、10〜10Hzにおける損失弾性率(E´´)は測定するのは困難の為、温度−時間換算則により、−20〜40℃、周波数0.01〜10Hzにおける損失弾性率(E´´)で評価を行なう。
本発明において転がり支持軸受用シールに使用されるシールの形状や構造には制限はない。例えば、シールは全体が後述されるゴム材料組成物で形成されていてもよく、ゴム材料組成物が芯金に接合されていてもよい。
シールのゴム材料組成物を構成するNBRは、AN量が、18〜30%が好ましく、18〜26%がより好ましい。AN量が30%を超えると、―20℃〜40℃、周波数0.01〜10Hzの損失弾性率(E´´)を1.0×10MPa以下に保てなくなり、トルクを低減させることができない。また、AN量が18%未満では、ゴム材料組成物の耐摩耗性や耐油性が低下し、シールリップ部の磨耗やグリースとの接触による膨潤を生じるためシール性の低下を生じ、好ましくない。
また、カーボンブラック、および、表面修飾したシリカから成る補強材は、合計で10〜50重量部が好ましく、30〜50重量部がより好ましい。50重量部を超えると、−20℃〜40℃における、周波数0.01〜10Hzの損失弾性率(E´´)を1.0×10MPa以下に維持することができず、トルクの低減に繋がらない。一方、10重量部未満では、必要十分なゴム弾性が不足し、シール性を損なうため、好ましくない。
補強性の低い充てん剤は、20〜80重量部の範囲で、前記補強材との合計含有量が50〜100重量部が好ましい。補強性の低い充てん剤が80重量部以上、若しくは補強性の低い充てん剤と補強材の合計含有量が100重量部以上では、耐摩耗性や耐油性が低下し、シールリップの先端縁の摩耗やグリースとの接触による膨潤が生じ易くなるため、シール性が低下し好ましくない。一方、補強性の低い充てん剤が20重量部未満、若しくは補強性の低い充てん剤と補強材の合計含有量が50重量部未満では、シール性能に必要十分なゴム弾性を得られないため好ましくない。
カーボンブラックとしては、SAF(Super Abrasion Furnace black)、ISAF(Intermediate
Super Abrasion Furnace black )、HAF(High Abrasion Furnace black)、MAF(Medium Abrasion
Furnace black)、FEF(Fast Extruding Furnace black)、GPF(General Purpose Furnace black)、SRF(Semi−Reinforcing
Furnace black)、FT(Fine Thermal Furnace black)、MT(Medium Thermal Furnace black)等を例示することができる。特に、補強性及び追従性を考慮するとHAF、FEF、SRFが好ましい。
表面修飾したシリカとは、NBRへの配合前に、シランカップリング剤を用いて、シリカ表面を修飾したシリカを指す。また、母材のシリカとしては、フュームドシリカ、湿式シリカ、乾式シリカ等を例示することが出来、シランカップリング剤としては、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等を例示することができる。これらシランカップリング剤は、加水分解性のアルコキシ基がシラノール基を加水分解し、そのシラノール基が補強部材であるシリカ表面のOH基とカップリング反応(脱水縮合)して化学的に結合するとともに、ビニル基やアミノ基がニトリルゴム構造中に存在する二重結合あるいは架橋反応中に構造に取り込まれ、シリカとゴム組成物と化学的に結び付けることにより、強い補強性を実現する。
補強性の低い充てん剤としては、グラファイト、各種の非修飾シリカ、珪藻土、タルク、石英粉、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、クレー、ウォラストナイト等を例示することができる。
これら補強材、および補強性の低い充てん剤は、各々単一、または複数を混合して使用することもできる。
また、成形性を向上させる必要がある場合には可塑剤を配合することができる。例えば、ジオクチルフタレート等のフタル酸ジエステル、アジペート系可塑剤、
セバケート系可塑剤、ホスフェート系可塑剤、ポリエーテル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、ポリエーテルエステル系可塑剤、液状ゴム等をそれぞれ単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
加硫剤には、上記のゴム成分を架橋できれば制限はないが、粉末硫黄、硫黄華、沈降硫黄、高分散性硫黄等の各種硫黄や、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、N,N−ジチオ−ビス(ヘキサヒドロ−2H−アゼピノン−2)、チウラムポリスルフィド等の硫黄を生成可能な硫黄化合物や、ジクミルパーオキサイド、ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物等を例示することができる。さらに、硫黄系の加硫剤を用いた場合は、グアニジン系化合物、アルデヒド−アンモニア系化合物、チアゾール系化合物、チオウレア系化合物、スルフェンアミド系化合物、チウラム系化合物、ジチオカルバメート系化合物、キサンテート系化合物等の加硫促進剤を併用してもよい。また、高分散性硫黄を使用した場合には、テトラメチルチウラムジスルフィド等又はスルフェンアミド系化合物であるN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド等と、2−メルカプトベンゾチアゾール等とを併用してもよい。尚、加硫促進剤は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。また、加硫促進助剤を併用してもよく、酸化亜鉛等の金属酸化物、金属炭酸塩、金属水酸化物、ステアリン酸等の有機酸及びその誘導体、アミン類等をそれぞれ単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
また、本発明の目的が損なわれない限りにおいて、これらに加えて、公知の添加剤を適宜配合することができる。例えば、酸化劣化を防止する老化防止剤としてアミン・ケトン縮合生成物、芳香族第二級アミン類、モノフェノール誘導体、ビス又はポリフェノール誘導体、ヒドロキノン誘導体、硫黄系老化防止剤、リン系老化防止剤等、熱分解を防止して耐熱性を向上させる2次老化防止剤として、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、及びこれらの亜鉛塩等、また、スコーチ防止剤、加工助剤、パラフィン系ワックス等が挙げられる。
上記の各成分を用いてゴム組成物を得るための方法は、特に限定されないが、上記した各材料の所定量をゴム混練ロール、加圧ニーダー、バンバリーミキサーなどの従来から公知のゴム用混練り装置に投入し、均一に混練りすることが可能である。混練り条件は特に限定はないが、通常は30〜80℃の温度で、5〜60分間混練りすることによって、各種添加剤を十分に分散させることが可能である。
また、上記ゴム組成物の架橋方法も特に限定はないが、未架橋のゴム組成物を金型の中で加圧しながら加熱すればよく、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形などの公知のゴム成形方法により製造することができる。通常、120〜200℃で30秒〜30分程度加圧加硫し、更に、必要に応じて、120〜200℃で10分〜10時間程度の二次加硫により作成される。
本発明の目的を達成するために必要なゴム組成物の物性は以下のようになる。
・硬さ(スプリング硬さAスケール;JIS K6253):23℃で60〜80
・引張破断強度(MPa;JIS K6251):23℃で12MPa以上
・引張破断伸び(%;JIS K6251):23℃で200%以上
シール本体をなすゴム組成物の硬さは、接触式密封装置に適用した際の密封性、及び追従性を考慮すると、硬さが60未満の場合は、軸受の回転に伴って、特にリップ部の変形により、摩擦抵抗の増大や封入グリースの漏洩、異物の侵入を生じさせる恐れがある。また、ゴム組成物の硬さが80を超える場合は、ゴム弾性の低下によりリップ部の追従性が悪化し、封入グリースの漏洩、異物の侵入を生じさせる恐れがある。また、回転運動に速やかに追従し、リップ部の損傷を起こさないためには、シール本体をなすゴム組成物が前述した硬さ以外に、引張破断伸び(JIS K6251)が200%以上、且つ引張破断強度(JIS K6251)が12MPa以上の機械的強度を必要とする。
以下に実施例を挙げて本発明を説明する。本提案のゴム組成物は、上記ゴムに、架橋剤、加硫促進剤を添加して構成される。また、転がり支持軸受のシールとして必要な特性、および本発明の特性を損なわない範囲で、他の添加剤を配合してもよい。
表1に示す配合(配合量は質量部)にて各材料をゴム混練ロールに投入して混練りし、表記の条件にて架橋し、下記に示す(1)硬さ測定、(2)一軸引張試験、(3)動的粘弾性試験(4)トルク試験に用いるための試験片を作製した。
Figure 2014149016
※表1に記載の材料は下記を使用した。
・ニトリルゴムA:NBR
JSR株式会社製「N240S」(AN量26%)
・ニトリルゴムB:NBR 日本ゼオン株式会社製「Nipol
DN3350」(AN量33%)
・ステアリン酸:花王株式会社製「Lunac
S−35」
・カーボン:東海カーボン株式会社製「シーストG−SO」(FEFカーボン)
・修飾シリカ:東ソー・シリカ株式会社製「Nipesil AQ」を、信越科学工業株式会社製信越シリコーン「KBM503」(3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)で表面修飾したシリカ
・クレー:白石カルシウム株式会社製「ST−309」(カオリンクレー)
・非修飾シリカ:東ソー・シリカ株式会社製「Nipesil AQ」
・老化防止剤:大内新興化学株式会社製「ノクラックCD」(4,4'-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン)
・ワックス:精工化学株式会社製「サンタイトR」
・スコーチ防止剤:バイエル社(ドイツ)製「Vulkalent
E/C」
・可塑剤:大八化学株式会社製「DOA」(アジピン酸ジオクチル)
・硫黄:細井化学工業株式会社製「HK200−5」(5%オイル含浸硫黄)
・ステアリン酸:花王社製「LUNAC
S−35」
・亜鉛華:堺化学株式会社製「フランス1号」
・加硫促進剤A:大内新興化学株式会社製「ノクセラーTET−G」(テトラエチルチウラムジスルフィド)
・加硫促進剤B:川口化学株式会社製「アクセルCZ−R」(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
作製した各架橋シートについて、下記機械的物性を測定した。
(1)硬さ測定
JIS K6253に従い、2mm厚のシート状試験片を重ねて6mm以上とし、デュロメータAで硬さを測定した。結果を表2に示す。
(2)一軸引張試験
JIS K6251に従い、JISダンベル状3号試験片を用いて、引張速度500mm/minの条件で試験を行い、破断強度及び破断伸びを測定した。結果を表2に示す。
(3)動的粘弾性試験
幅5mm、厚み2mmの短冊状試験片を、チャック間10mmの引張モード、静的歪み10%、振幅1%の温度周波数掃引にて、温度−20〜40℃、周波数0.01〜10Hzの損失弾性率(E´´)の測定を行った。結果を表2に示す。
(4)トルク試験
単列深玉軸受,および自動車用ハブユニットシール単体として,日本精工(株)製の軸受回転試験機にて,試験を実施し,比較例1との比として,評価を行った。結果を表2に示す。SPCC製の芯金の外側に、実施例および比較例の各ゴム材料組成物を一体に加硫成形して、弾性体のリップ部が図4に示すような形状となるようにシールを形成し、このシールを、日本精工(株)製の6203(呼び番号)単列深溝玉軸受と外輪の間に組み込んだ。これを以下の条件で日本精工(株)製の軸受回転試験機にかけて試験した。一定時間後のトルク測定・及び寿命試験を行った。
・回転数:10000min−1
・トルク測定時間:回転開始12時間後
・封入グリース:ウレア化合物,鉱油(協同油脂(株)製「レアマックスAF-1」)
・雰囲気温度:室温
Figure 2014149016
表1、表2に示した実施例1〜3の様に、NBRのAN量を18〜30%とし、ゴム材料組成物の−20〜40℃における、周波数0.01〜10Hzの損失弾性率(E´´)を1.0×10MPa以下にすることで、表2に示すように、NBRのAN量が30%を超える比較例1に比べ、シールとしての硬さや強度、伸びを維持しつつ、摩擦係数をより低く抑えることが出来る。これを転がり軸受のシールに用いることにより、トルクを低減することができる。一方、比較例2では、補強材の配合量が50重量部を超えている為、損失弾性率(E´´)が1.0×10MPaを超えてしまい、トルクの低減効果が見られない。また、比較例3では、補強性の低い充てん剤の配合量が80を超えている為、引張強度、伸びが低く、シールとして必要な強度を満たさない。
転がり軸受の一例(車輪用転がり軸受)を示す図である。 図1に示した転がり軸受の一方のシール装置(12a)の拡大図である。 図1に示した転がり軸受の他方のシール装置(12b)の拡大図である。 転がり軸受の一例(深溝玉軸受)を示す図である。
O 転がり軸受
1 外輪相当部材
4 内輪相当部材
10 転動体
11 保持器
12a
シール装置
12b
シール装置
105
芯金
106
スリンガ
107
弾性部材
217
弾性部材
400
玉軸受(単列深溝玉軸受)
401
外輪
402
内輪
402a
シール溝
403
転動体
404
保持器
405
シール
405a
シールリップ

Claims (2)

  1. ゴム材料組成物を材料とする転がり支持軸受用シールであって、前記シールを構成するゴム材料組成物はアクリロニトリル量(AN量)が18〜30%であるアクリロニトリルブタジエンゴム100重量部に対して、カーボンブラック及び表面修飾したシリカからなる補強材の少なくとも一方を10〜50重量部の範囲で、補強性の低い充てん剤を20〜80重量部の範囲で、合計50〜100重量部含有したものを加硫成形してなり、且つ、温度が−20〜40℃での周波数0.01〜10Hzの損失弾性率(E´´)が1.0×10MPa以下であることを特徴とする転がり支持軸受用シール。
  2. 請求項1に記載の転がり支持軸受用シールが組み込まれたことを特徴とする転がり支持軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017057354A (ja) * 2015-09-18 2017-03-23 内山工業株式会社 ゴム組成物、ゴム成形品及びゴム成形品の製造方法
KR20180138256A (ko) * 2017-06-20 2018-12-31 셰플러코리아(유) 내마모성이 우수한 베어링 씰용 고무

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KR102452724B1 (ko) * 2017-06-20 2022-10-07 셰플러코리아 유한책임회사 내마모성이 우수한 베어링 씰용 고무

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