JP2004092684A - シール装置及びシール装置付車輪用転がり軸受ユニット - Google Patents

シール装置及びシール装置付車輪用転がり軸受ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】泥水や塵芥等の異物に曝され様な厳しい環境下で使用する場合でも、良好なシール性能を長期間に亙り維持できるシール装置12a、12bを実現する。
【解決手段】これら各シール装置12a、12bのシール部材16、25を構成する弾性材として、アクリロニトリルブタジエンゴムに、粒子径が26〜100nmであるカーボンブラックを含有したものを使用する。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明のシール装置は、例えば、転がり軸受の一部に組み付けて、この転がり軸受の内部に封入したグリースの漏洩防止を図ると共に、外部に存在する異物がこの転がり軸受の内部に侵入するのを防止する為に使用する。又、本発明のシール装置付車輪用転がり軸受ユニットは、自動車等の車輪を懸架装置に対し支持する為に使用する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車や鉄道車両等の車輪を懸架装置に支持する為の車輪用転がり軸受ユニットは、一般的に、雨水や風雪、塵挨等に曝されながら屋外で使用される事が多い。しかも、極端な場合には、水中に浸漬した状態で使用される事もある。そこで、例えば、本発明の実施の形態の第1例として図1〜3に示す車輪用転がり軸受ユニットの様に、シール装置を組み合わせて、シール装置付車輪用転がり軸受ユニットとする事が、従来から行なわれている。図1〜3に示すシール装置付車輪用転がり軸受ユニットは、独立式の懸架装置に駆動輪(FF車の前輪、FR車及びRR車の後輪、4WD車の全輪)を支持する為のものであり、外輪相当部材である外輪1は、その外周面に形成した取付部2により、懸架装置(図示せず)に支持固定される。従って、この外輪1は、使用時にも回転しない。又、この外輪1の内径側には内輪相当部材3を、この外輪1と同心に設け、使用時にこの内輪相当部材3が回転する様にしている。この内輪相当部材3は、ハブ4と内輪5とから成る。このうちのハブ4の中心部にはスプライン孔6を、外端(車両への組み付け時に幅方向外側になる端を言い、図1の左端)部外周面には取付フランジ7を、それぞれ形成している。車両への組み付け時に上記スプライン孔6には、図示しない等速ジョイントに付属したスプライン軸を挿入し、上記取付フランジ7には車輪を固定する。
【0003】
上記外輪1の内周面には複列の外輪軌道8、8を、上記ハブ4の中間部外周面と上記内輪5の外周面とには内輪軌道9、9を、それぞれ形成している。そして、これら各外輪軌道8、8と内輪軌道9、9との間に複数個の転動体10、10を転動自在に設けて、上記外輪1の内側での上記内輪相当部材3の回転を自在としている。又、上記ハブ4及び内輪5の外周面と外輪1の内周面との間に、上記各転動体10、10を転動自在に保持する為の保持器11、11を設けている。尚、図示の例の場合、転動体10、10として玉を使用しているが、重量が嵩む車輪用転がり軸受ユニットの場合には、転動体としてテーパころを使用する場合もある。更に、上記外輪1の内端(車両への組み付け時に幅方向中央側になる端を言い、図1の右端)部内周面と上記内輪5の内端部外周面との間、並びに、この外輪1の外端部内周面と上記ハブ4の中間部外周面との間に、それぞれシール装置12a、12bを設け、上記外輪1の内周面と上記内輪相当部材3の外周面との間で、上記各転動体10、10を設置した空間13部分の両端部開口を塞いでいる。
【0004】
で上記両シール装置12a、12bは、それぞれ図2〜3に詳示する様に構成している。先ず、上記空間13の内端開口部を塞ぐシール装置12aは、図2に拡大して示す様に、芯金14と、スリンガ15と、シール部材16とから成る。このうちの芯金14は、低炭素鋼板等の金属板にプレス加工等の打ち抜き加工並びに塑性加工を施す事により、一体成形している。この様な芯金14は、上記外輪1の内端部内周面に内嵌固定自在な外径側円筒部17と、この外径側円筒部17の軸方向外端緑(図2の左端縁)から直径方向内方に折れ曲がった内側円輪部18とを備えたもので、断面略L字形で全体を円環状に形成している。
【0005】
又、上記スリンガ15は、ステンレス鋼板等、優れた耐食性を有する金属板に、やはりプレス加工等の打ち抜き加工並びに塑性加工を施す事により、一体成形している。この様なスリンガ15は、前記内輪5の内端部外周面に外嵌固定自在な内径側円筒部19と、この内径側円筒部19の軸方向内端縁(図2の右端縁)から直径方向外方に折れ曲がった外側円輪部20とを備えたもので、断面L字形で全体を円環状に形成している。
【0006】
又、上記シール部材16は、ゴムの如きエラストマー等の弾性材により造られて、外側、中間、内側の3本のシールリップ21、22、23を備え、上記芯金14にその基端部を結合固定している。そして、上記空間13の内外方向に関して、最も外側に位置する外側シールリップ21の先端縁を上記スリンガ15を横成する外側円輪部20の内側面に摺接させ、残り2本のシールリップである中間シールリップ22及び内側シールリップ23の先端縁を、上記スリンガ15を構成する内径側円筒部18の外周面に摺接させる事により、前記空間13内からのグリースの漏洩を防止すると共に、外部からこの空間13内に、塵挨、水、泥水等が進入する事を防止している。
【0007】
これに対して、上記空間13の外端開口部を塞ぐシール装置12bは、図3に拡大して示す様に、それぞれが円輪状に形成された芯金24とシール部材25とから成る。このうちの芯金24は、低炭素鋼板等の金属板にプレス加工等の打ち抜き加工並びに塑性加工を施す事により、一体成形している。この芯金24は、前記外輪1の外端部内周面に内嵌固定自在な円筒部29と、この円筒部29の軸方向外端縁(図3の左端縁)から直径方向内方に折れ曲がった支持板部30とを備える。このうちの円筒部29は、内半部(図3の右半部)の大径部31と、外半部(図3の左半部)に設けられてこの大径部31から離れるに従って径が小さくなる方向に傾斜した傾斜部32とから成る。このうちの大径部31の自由状態に於ける外径は、上記外輪1の外端開口部の内径よりも僅かに大きくする事により、この大径部31をこの外輪1の外端部に締り嵌めで内嵌固定自在としている。
【0008】
又、上記シール部材25は、ゴムの如きエラストマー等の弾性材により造っている。この様なシール部材25は上記芯金24に対し、この芯金24を成形型のキャビティ内にセットした状態でモールド成形する事により、この芯金24に対し結合固定している。この様なシール部材25は、外径側、内径側、2本のサイドシールリップ26、27と、1本のラジアルシールリップ28とを備える。そして、これら各シールリップ26〜28の先端縁を、それぞれ前記ハブ4の表面に摺接させる事により、前記空間13の外端開口部を密封している。特に、上記外径側、内径側両サイドシールリップ26、27を、それぞれ先端縁(図3の左端縁)に向かう程直径方向外方(図3の上方)に向かう方向に傾斜させる事により、上記空間13内への異物進入防止機能を確保している。これに対して、上記ラジアルシールリップ28を、先端縁に向かう程この空間13の内側(図3の右側)に向かう方向に傾斜させる事により、グリースの漏洩防止機能を確保している。更に、上記シール部材25の外周縁部は、上記芯金24の円筒部29を構成する傾斜部32の外周面を覆っている。そして、このシール部材25の一部でこの傾斜部32を覆った部分を、この傾斜部32の外周面と上記外輪1の外端部内周面との間で弾性的に挟持する事により、当該部分のシール性を確保している。又、上記芯金24を構成する支持板部30は、略S字形の断面形状を有し、内径寄り部分が、外径寄り部分よりも上記空間13の内側に位置する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した様なシール装置付車輪用転がり軸受ユニットに組み付ける各シール装置12a、12bを構成するシール部材16、25は、従来から、コスト及び生産性を主に考慮した組成を有するゴムにより造る事が多く行なわれている。この様なシール装置12a、12bは、水がかかる事が殆どなく、しかも周囲に塵挨等の異物が存在しない様な、清浄な環境で使用されるのであれば、シール性を確保する面から特に問題を生じる事はない。但し、シール装置付車輪用転がり軸受ユニットは、屋外で使用される為、雨水や雪、塵挨等の異物に曝されたり、極端な場合には海水や融雪剤等の腐食性のある物質に浸漬した状態で使用される事がある。シール装置付車輪用転がり軸受ユニットがこの様な劣悪な環境で使用された場合には、上記各シール装置12a、12bのシール性を十分に確保する事が難しくなる。
【0010】
特に、近年は、シール装置付車輪用転がり軸受ユニットで、自動車の低燃費化や加速性能の向上等を図る面から低トルク化を図る事が求められている。そして、この様な要求に応える為に、各シール装置12a、12bを構成するシール部材16、25の先端縁の、相手面に対する緊迫力(接触圧)を小さく設定した状態で使用する事が多くなっている。この様に緊迫力を小さく設定した場合には、上述の様な劣悪な環境で使用した場合に、上記各シール装置12a、12bのシール性能を確保する事が、更に難しくなる。特に、上記シール装置付車輪用転がり軸受ユニットを、泥水中に浸漬した状態で使用した場合には、上記緊迫力が小さくなる事に上記各シール装置12a、12bに水圧が加わる事が相俟って、転がり軸受ユニットの内部に、水と共に塵挨等の異物が侵入し易くなる。この為、この転がり軸受ユニットの内部に封入したグリースが早期に劣化して、潤滑不良が生じ易くなる。
【0011】
上述した従来構造のシール装置12a、12bの場合には、上述の様な厳しい環境下で使用した場合に、シール性を十分に確保できるとは言い難い。本発明のシール装置及びシール装置付車輪用転がり軸受ユニットは、この様な事情に鑑みて、泥水や塵芥等の異物に曝される様な厳しい環境下で使用する場合でも、良好なシール性能を長期間に亙り維持すべく発明したものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のシール装置及びシール装置付車輪用転がり軸受ユニットのうち、請求項1に記載したシール装置は、弾性材製のシール部材を含んで全体を円環状に構成し、このシール部材の先端縁を相手面に全周に亙って摺接させた状態で使用する。
特に、請求項1に記載したシール装置に於いては、上記シール部材を構成する弾性材が、アクリロニトリルブタジエンゴムに、粒子径が26〜100nmであるカーボンブラックを含有したものである。
【0013】
又、請求項2に記載したシール装置付車輪用転がり軸受ユニットは、前述した従来から知られているシール装置付車輪用転がり軸受ユニットと同様に、内周面に外輪軌道を有する外輪相当部材と、外周面に内輪軌道を有する内輪相当部材と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、上記外輪相当部材の内周面と上記内輪相当部材の外周面との間に存在して上記各転動体を設置した空間の端部開口を塞ぐシール装置とを備える。そして、上記外輪相当部材と上記内輪相当部材とのうちの一方の部材を懸架装置に支持すると共に、他方の部材に車輪を支持固定する状態で使用する。
特に、請求項2に記載したシール装置付車輪用転がり軸受ユニットに於いては、上記シール装置が請求項1に記載したシール装置である。
【0014】
【作用】
上述の様に構成する本発明のシール装置及びシール装置付車輪用転がり軸受ユニットの場合、シール装置を構成するシール部材の耐摩耗性、並びに相手面の動きに対する追従性の向上を図れる。この為、泥水や塵芥等の異物に曝される様な厳しい環境下で使用する場合でも、シール装置の良好なシール性能を長期間に亙り維持できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1〜3は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本発明の特徴は、劣悪な環境でもシール装置12a、12bの良好なシール性能を長期間に亙り維持すべく、これら各シール装置12a、12bを構成するシール部材16、25の構成を工夫した点にある。本例に於いて、その他のシール装置付車輪用転がり軸受ユニットの構造は、前述の従来技術の項で上記図1〜3を用いて説明した通りであるので、重複する説明を省略し、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0016】
本発明のシール装置付車輪用転がり軸受ユニットの場合、各シール装置12a、12bのシール部材16、25を構成する弾性材を、アクリロニトリルブタジエンゴムに、粒子径が26〜100nmであるカーボンブラックを含有したものにより構成している。上記アクリロニトリルブタジエンゴム自体は、ブタジエンとアクリロニトリルとを共重合した耐油性ゴムとして従来から広く使用されているものであり、本発明に於いては市販品を含め制限なく使用する事ができる。
【0017】
又、上記アクリロニトリルブタジエンゴムとしては、アクリロニトリルブタジエンゴムを水素化した水素添加アクリロニトリルブタジエンゴム、更には、イソプレンを共重合させたアクリロニトリルブタジエンイソプレンゴム、分子内にカルボキシル基を導入したカルボキシル化アクリロニトリルブタジエンゴム、更には、これを水素化したカルボキシル化水素添加アクリロニトリルブタジエンゴム等の各種変性アクリロニトリルブタジエンゴムも使用できる。又、これらのアクリロニトリルブタジエンゴムのうち、2種以上を混合して使用する事もできる。
【0018】
又、上記アクリロニトリルブタジエンゴムに於けるアクリロニトリルの含有量は特に制限されるものではない。含有量が少ない順に、低ニトリル、中ニトリル、中高ニトリル、高ニトリル、極高ニトリルに分類されるが、得られるシール部材16、25の耐熱性、耐油性、耐摩耗性、耐クリープ性、リップ追従性等を考慮すると、中ニトリル、中高ニトリル、高ニトリルのものを使用する事が好ましく、この場合のアクリロニトリルの含有量は20〜40重量%である。又、アクリロニトリルの含有量を25〜36重量%とする事が、得られるシール部材16、25でバランスの良い性能を得る為に、より好ましい。これに対してアクリロニトリルの含有量が20重量%未満であると、シール部材16、25の耐摩耗性が低下して、シールリップ21〜23、26〜28が摩耗し易くなり、結果として軸受寿命を縮める事になる。逆に、アクリロニトリルの含有量が40重量%を超えると、圧縮永久歪み特性が低下し、シールリップ21〜23、26〜28の追従性が悪化して、やはり結果として軸受寿命を縮める事になる。
【0019】
前記カーボンブラックは、その粒子径に応じて種々の機能及び特性を示す。このカーボンブラックは、一般的に、粒子径の範囲により区分され、粒子径が10〜19nmのものがSAF(Super Abrasion Furnace Black)、粒子径が20〜25nmのものがISAF(Intermediate Super Abrasion Furnace Black )、粒子径が26〜30nmのものがHAF(High Abrasion Furnace Black )、粒子径が40〜48nmのものがFEF(Fast Extruding Furnace Black)、粒子径が49〜60nmのものがGPF(General Purpose Furnace Black )、粒子径が61〜100nmのものがSRF(Simi−Reinforcing Furnace Black)、粒子径が101〜200nmのものがFT(Fine Thermal FurnaceBlack )、粒子径が201〜556nmであるものがMT(Medium Thermal Furnace Black)となっている。得られるシール部材16、25の耐摩耗性及びリップ追従性等を考慮すると、使用するカーボンブラックの粒子径は26〜100nmが好ましい。使用するカーボンブラックの粒子径は、粒子同士で必ずしも同じである必要はなく、その要求性能に応じて、26〜100nmの範囲で異なる粒子径のカーボンブラックを適宜混合して使用する事もできる。但し、26nm未満や、100nmを越える粒子径のカーボンブラックは、それぞれの粒子径を有するものを単独で使用した場合に、得られるシール部材16、25で必要とする耐摩耗性及び追従性を確保する事が難しくなる。この為、26nm未満や、100nmを越える粒子径のカーボンブラックを使用する場合には、これらをカーボンブラックの全重量に対し30重量%以下に抑える必要がある。
【0020】
アクリロニトリルブタジエンゴムに対するカーボンブラックの添加量に就いては、得られるシール部材16、25の硬さ、耐摩耗性、追従性等の観点から、粒子径が26〜60nmであるカーボンブラックの場合に、ゴム100重量部に対して35重量部以上で80重量部以下、粒子径が61〜100nmであるカーボンブラックの場合に、ゴム100重量部に対して45重量部以上で120重量部以下とする事が好ましい。これに対して、カーボンブラックの添加量がこれらの下限未満である場合には、このカーボンブラックによる補強性が弱くなり、得られるシール部材16、25の耐摩耗性が不足する。逆に、上限を超えると、これら各シール部材16、25の硬さが高くなり過ぎて、伸びが低くなり、本来有するゴム弾性が低下してしまう。
【0021】
又、カーボンブラックに、ケイ酸、ケイ酸塩、炭酸カルシウム等の補強剤を混合する事もできる。又、得られるシール部材16、25での耐摩耗性及び硬さを確保する観点から、全補強剤に対するカーボンブラックの割合を、31重量%以上とする事が好ましい。又、上記ケイ酸類としては、天然の石英粉末・珪石粉末(SiO )、合成無水ケイ酸(SiO )、合成含水ケイ酸(SiO ・nH O)等を使用できる。又、上記ケイ酸塩のうち、ケイ酸アルミニウム類として、カオリンクレー(Al O ・2SiO ・2H O)、焼成クレー(Al O ・2SiO )、ロウ石(Al O ・4SiO ・H O)、セリサイト(K O・3Al O ・6SiO ・2H O)、マイカ(K O・3Al O ・6SiO ・2H O)、ネフェリンシナイト(Na O・K O・Al O ・2SiO )、含水ケイ酸アルミ(Al O ・mSiO ・nH O)等を、ケイ酸マグネシウム類として、タルク(3MgO・4SiO ・H O)等を、ケイ酸カルシウム類として、ワラストナイト(CaO・SiO )等を、それぞれ使用できる。尚、ケイ酸アルミニウム類のカオリンクレーを使用する場合には、粒子の結晶度及び結晶表面の水酸基の活性度を考慮すると、一般的にハードクレーと呼ばれている粒径の細かいもの(2μm以下の粒径のものが多く含まれるもの)を使用する事が、補強剤による補強性をより大きくする面から好ましい。
【0022】
又、上記シール部材16、25を構成する弾性材であるゴム組成物中には、成形の為の加硫剤(架橋剤)、加硫助剤、加硫促進助剤を配合する。このうち、加硫剤としては、粉末硫黄、硫黄華、沈降硫黄、高分散性硫黄の如き各種硫黄、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、N,N−ジチオービス(へキサヒドロ−2H−アゼピノン−2)、チウラムポリスルフィドの如き硫黄を排出可能な硫黄化合物、ジクミルパーオキサイド、ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチルへキサン、ベンゾイルパーオキサイドの如き過酸化物等を使用できる。このうち、分散性や取り扱いの容易さ、耐熱性の面からは、高分散性硫黄やモルホリンジスルフィドを、好ましく使用できる。
【0023】
尚、硫黄系の加硫剤を用いる場合には、グアニジン系化合物、アルデヒドーアンモニア化合物、チアゾール系化合物、チオウレア系化合物、スルフェンアミド系化合物、チウラム系化合物、ジチオカルバメート系化合物、キサンテート系化合物等を前記加硫助剤として併用する必要がある。又、硫黄系の加硫剤のうち、高分散性硫黄を用いる場合には、テトラメチルチウラムジスルフィド等のチウラム系又はN−シクロベンジル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド等のスルフェンアミド系と、2−メルカプトベンヅチアゾール等のチアゾール系とを併用する事が好ましい。
【0024】
又、前記加硫促進助剤としては、酸化亜鉛等の金属酸化物、金属炭酸塩、金属水酸化物、ステアリン酸等の有機酸とその誘導体、アミン類等を使用できる。又、上記加硫肋剤及び加硫促進助剤は2種以上を混合して使用しても良く、一般的に、これらは原料ゴム100重量部に対して0.1〜10重量部を配合する。
【0025】
尚、カルボキシル化アクリロニトリルブタジエンゴムを用いる場合に、酸化亜鉛を用いると早期加硫を生じ易くなる。この為、このゴムを用いる場合には、好ましくは、過酸化亜鉛とステアリン酸とを供用する。この理由は、過酸化亜鉛は、加硫成形時には酸化亜鉛を生じるが、アクリロニトリルブタジエンゴム組成物の混練り加工時の温度ではそのまま組成物中に存在する為、混練り加工時及び保管時に早期加硫を生じる事がないからである。
【0026】
又、有機過酸化物系加硫剤を用いる場合には、架橋助剤(コエージェント)を併用する事もできる。架橋助剤しては、例えば、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、エチレングリコールジメクリレート、1,3−ブチレンジメタクリレート、1,4−メチレンジメタクリレート、1,6−へキサンジオールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−へキサンジオールジアクリレート、2,2´−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−アクリロキシジェトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、オリゴエステルアクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、ジンク(メタ)アクリレート、マグネシウム(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルフタレート、ジアリルクロレンデート、ジビニルベンゼン、2−ビニルピリジン、N,N′−メチレンビスアクリルアミド、P−キノンジオキシム、p,p′−ジベンゾイルキノンジオキシム、1,2−ポリブタジエン、メタクリル酸金属塩等を使用できる。又、これら架橋助剤の配合量は、一般的に、アクリロニトリルブタジエンゴム100重量部に対して1〜10重量部である。
【0027】
更に、前記ゴム組成物には、老化防止剤、加工助剤(可塑剤)、摩耗改良剤、摩擦改良剤、導電性付与剤等を添加する事ができる。このうちの老化防止剤としては、アミン・ケトン縮合生成物、芳香族第二級アミン類、モノフェノール誘導体、ビス又はポリフェノール誘導体、ヒドロキノン誘導体、硫黄系老化防止剤、リン系老化防止剤等を使用できる。又、このうちのアミン・ケトン縮合生成物として、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体・ジフェニルアミンとアセトンとの縮合反応物、芳香族第二級アミン系のN、N´−ジ−β−ナフチルーP−フェニレンジアミン、4,4´−ビスー(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N−フェニル−N´−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−P−フェニレンジアミン等を使用できる。
【0028】
又、上記ゴム組成物の熱分解を防止して耐熱性を向上させる為に、上記老化防止剤と共に2次老化防止剤を併用する事が、より好ましい。2次老化防止剤としては、例えば、硫黄系の2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール及びこれらの亜鉛塩等を使用できる。更に、日光又はオゾンの作用による亀裂を抑制させる為の日光亀裂防止剤として、融点が55〜70℃程度のワックス類をゴム100重量部に対して0.5〜2重量部程度添加する事もできる。
【0029】
又、上記ゴム組成物の成形加工性を向上させる必要がある場合には、加工助剤として前記可塑剤を適宜添加する。但し、成形加工性の面で特に支障がない場合は、この可塑剤は添加しなくても良い。この可塑剤を添加する場合、その添加量は、原料ゴム100重量部に対して1〜10重量部とする。これに対して、可塑剤を10重量部を越えて添加すると、ゴム組成物が軟化すると同時に、完全に混合されずにブリードアウトし、シール装置12a、12bを構成する芯金14、24とシール部材16、25との接着性が極端に低下する。上記可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート等のフタル酸ジエステル、アジペー卜系可塑剤、セバケート系可塑剤、ホスフェート系可塑剤、ポリエーテル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、ポリエーテルエステル系可塑剤、液状ゴム等を使用できる。又、近年の環境ホルモン問題を考慮すると、アジペート系可塑剤、セバケート系可塑剤、ホスフェート系可塑剤、ポリエーテル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、ポリエーテルエステル系可塑剤、液状ゴムを使用する事が好ましい。
【0030】
又、前記摩擦改良剤として、融点が40℃〜140℃のワックス(低融点油脂)を使用できる。具体的には、融点がこの範囲内にあるパラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックスに代表される石油ワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、カルナヴァワックス、エステル系ワックス、ステアロアミド、オキシステアロアミド、エルシンアミド、ラウリルアミド、パルミチルアミド、ペヘンアミド、メチロールアミド、エチレンビスオレイルアミド、ステアリルオレイルアミド等を使用できる。特に、このうちのパラフィンワックス、ポリエチレンワックスを使用する事が好ましい。これらワックス類をアクリロニトリルブタジエンゴム100重量部に対して1〜30重量部添加した場合には、前記各シール部材16、25の摩擦特性が向上する。これに対して、ワックス類の添加量が1重量部未満では十分な潤滑性が得られず、逆に、30重量部を超えると十分な引張強度、伸び性能が得られず、ゴム弾性が低下するだけでなく、シール装置12a、12bを構成する芯金14、24とシール部材16、25との接着性が極端に低下する可能性がある。
【0031】
又、前記摩擦改良剤として、例えば、鉱油、エーテル系オイル、シリコーン系オイル、ポリα−オレフィンオイル、フッ素オイル、フッ素系界面活性剤等を使用する事もできる。特に、このうちのシリコーン系オイルを使用する事が好ましい。このシリコーン系オイルは、ポリジメチルシロキサンを主成分とする、常温で液体の物質であるが、アクリロニトリルブタジエンゴムとの相溶性を高める為に、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部又は分子末端がアミノ基、アルキル基、エポキシ基、ポリエーテル基、高級脂肪酸エステル等で置換された変性タイプでも良い。この様な官能基を有する事により、この官能基がアクリロニトリルブタジエンゴムの主鎖に反応若しくは吸着して、シール部材16、25の表面に一度にブルームする事を防止すると同時に、徐々に恒久的にブルームしてその効果を長期間に亙り維持する。この様な摩擦改良剤は、液状であり、少量でその効果を発現する為、アクリロニトリルブタジエンゴム100重量部に対して1〜30重量部添加する事により、潤滑性が向上する。但し、摩擦改良剤の添加量が1重量部未満では十分な潤滑性が得られず、30重量部を超えると加工時に添加剤の分散不良が起こるだけでなく、逆にシール装置12a、12bを構成する芯金14、24とシール部材16、25との接着性が極端に低下する可能性がある。尚、この様な摩擦改良剤の粘度に就いては制限はなく、市販されている何れのものも使用できるが、25℃に於ける動粘度が2〜10,000mm /sの範囲のものを使用する事が、配合の容易さの面から好ましい。
【0032】
尚、シール装置付車輪用転がり軸受ユニットを組み込んだ車両が、車軸と車輪用転がり軸受ユニットとの間を通電する為の構造を持たない場合には、走行中に発生する静電気が車両に残って、ラジオノイズを発生させる可能性がある。そこで、この様な不具合に対処すべく、シール装置12a、12bのシール部材16、25を導電化する事で、車軸と車輪用転がり軸受ユニットとの間を通電させる事もできる。この場合のシール部材16、25の抵抗値は、制限されるものではないが、体積固有抵抗値で10 Ω・cm以下とする事が、ラジオノイズの発生を十分に抑制する面から好ましい。
【0033】
又、上記シール部材16、25を導電化する方法も制限されるものではないが、例えば、ゴム組成物に導電性粉末や導電性繊維を添加する方法を採用する事ができる。このうちの導電性粉末としては、例えば、黄銅、アルミニウム合金、銅、銀、ニッケル、鉄鋼、ステンレス鋼等の金属粉末、黒鉛、導電性カーボンブラック、酸化錫にアンチモンをドープ(被覆或は塗布)した導電性酸化錫、酸化亜鉛にアルミニウムをドープした導電性酸化亜鉛、酸化インジウムに錫をドープした導電性酸化インジウム等の導電性材料を粉末状にしたもの、マイカ等の絶縁材料の粉末に導電性コーティングを施した導電性無機粉末等を使用できる。又、上記導電性繊維としては、例えば、カーボン紙維、金属繊維(黄銅、アルミニウム合金、銅、銀、ニッケル、鉄鋼、ステンレス鋼等から成る繊維)、非導電性繊維に導電性コーティングを施したもの等を使用できる。又、上記導電性粉末としては、アセチレンブラックやケッチェンブラックの様に高度にグラファイト構造が発達した導電性カーボンブラックを使用する事が好ましい。この様な導電性カーボンブラックを使用した場合には、少量で優れた導電性を得られる。この導電性カーボンブラックの添加量は、制限されるものではないが、アクリロニトリルブタジエンゴム100重量部に対して1〜20重量部とする事が好ましい。これに対して、カーボンブラックの添加量が1重量部未満では十分な導電性が得られず、ラジオノイズの抑制に関して満足できる結果を得られない。逆に、20重量部を超えて添加すると、シール装置12a、12bの加工性が極端に低下して、製造作業が困難になるだけでなく、硬度が高くなり過ぎて伸び性が低くなり、アクリルニトリルブタジエンゴムが本来有するゴム弾性が低下する。
【0034】
更に、前記ゴム組成物に、何れも従来から知られているカップリング剤、顔料、染料、離型剤等を添加する事もできる。
【0035】
又、上記ゴム組成物の物性面に就いて述べると、このゴム組成物の硬度は、上述した各種添加剤の添加量等により影響を受けるが、車輪用転がり軸受ユニットに組み込むシール装置12a、12bとして適した密封性及び追従性を確保する為に、JIS K 6301で規定されるスプリング硬さのAスケールで、50〜90の範囲に規制する事が好ましい。これに対して、この硬さが50未満の場合には、シール装置12a、12bの摩擦抵抗が大きくなると共に耐摩耗性が低下する。逆に、上記硬さが90を超えると、硬度が高くなり過ぎて、ゴム弾性が低下する為、シール装置12a、12bの密封性及びシールリップ21〜23、26〜28の追従性が低下して、塵挨が多く存在したり、海水に曝される様な厳しい環境下で使用した場合に、転がり軸受の寿命が不足する。
【0036】
又、原料となるゴムと補強剤等の添加剤とを用いてシール部材16、25を構成するゴム組成物を得る為の方法は特に限定されないが、例えば、これらゴムと添加剤とを、ゴム混練ロール、加圧ニーダ、バンバリーミキサ等の従来から知られているゴム用混練り装置を用いて均一に混練りする事により、上記ゴム組成物を得る事ができる。又、混練り条件は特に限定されないが、一般的には、30〜80℃の温度で、5〜60分間混練りする事により、各種添加剤を十分に分散させる事ができる。
【0037】
又、上記ゴム組成物を用いて上記シール装置12a、12bを造る為の方法も特に限定されない。未加硫のゴム組成物を成形金型の中で加圧しながら加熱する事ができれば良く、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等の従来から知られているゴム成形方法により上記シール装置12a、12bを製造する事ができる。例えば、圧縮成形によりこれら各シール装置12a、12bを造る場合には、成形金型の中に予め接着剤を塗布した芯金14、24を設置すると共に、この芯金14、24に、未加硫のシート状のゴム組成物を載置して、120〜200℃で30秒〜30分程度加圧加硫する事で製造する事ができる。又、必要に応じて、120〜200℃で10分〜10時間程度、架橋する事もできる。例えば、上記各シール装置12a、12bを、次の方法で作製する。先ず、冷間圧延鋼板をプレス成形により図2(又は図3)に示す形状に形成した芯金14(又は24)を洗浄した後、この芯金14(又は24)の一部でシール部材16(又は25)を添着する部分に接着剤を塗布した状態で、この芯金14(又は25)と未加硫のシート状のゴム組成物とを成形型のキャビティ内にセットする。次いで、圧力2.94MPa(30kgf/ cm)で加圧しつつ180℃で10分間、加硫成形を行なう。又、車輪用転がり軸受ユニットの軸方向内端部に組み付けるシール装置12aを造る場合には、この様にして得られた芯金14とシール部材16とが結合されたものと、別途作成したスリンガ15とを組み合わせる事で、シール装置12aとする。
【0038】
上述の様に構成する本発明のシール装置及びシール装置付車輪用転がり軸受ユニットの場合には、シール装置12a、12bを構成するシール部材16、25の耐摩耗性、並びに相手面の動きに対する追従性の向上を図れる。この為、泥水や塵芥等の異物に曝される様な厳しい環境下で使用する場合でも、シール装置12a、12bの良好なシール性能を長期間に亙り維持できる。
【0039】
【実施例】
次に、本発明の効果を確認する為に、本発明者が行なった実験に就いて説明する。尚、本発明が、以下に説明する実施例に限定されるものでない事は勿論である。
実験は、シール部材を構成するゴム組成物(弾性材)が、次の表1〜3に示す配合比でゴムと添加剤とを混合したものである、本発明に属する20種類の試料(実施例1〜20)と、同じく表4〜5に示す、本発明からは外れる15種類の試料(比較例1〜15)とを使用した。又、それぞれの試料のゴム組成物を用いて、前述の図2に示したシール装置12aを作製した。そして、これら各シール装置12aに就いて、シール性の良否を調べた。尚、表1〜5に示した数値は、それぞれ重量部を表している。
【0040】
【表1】
Figure 2004092684
【0041】
【表2】
Figure 2004092684
【0042】
【表3】
Figure 2004092684
【0043】
【表4】
Figure 2004092684
【0044】
【表5】
Figure 2004092684
【0045】
又、上記各表中に示した原料ゴムと添加剤とは、次に詳述する通りである。
・原料ゴムA:日本ゼオン製「Nipol 1042」(アクリロニトリル含有量33.5%)
・原料ゴムB:JSR製「235S」(アクリロニトリル含有量36%)
・原料ゴムC:日本ゼオン製「Nipol DN202」(アクリロニトリル含有量31%)
・原料ゴムD:JSR製「N240S」(アクリロニトリル含有量26%)
・原料ゴムE:JSR製「N250S」(アクリロニトリル含有量20%)
・原料ゴムF:JSR製「N220S」(アクリロニトリル含有量41%)
・ステアリン酸:花王製「Lunac S−35」
・亜鉛華:堺化学製「フランス法1号」
・加硫剤(硫黄):鶴見化学製「SulfaxPMC」
・活性剤:吉冨ファインケミカル製「アクチングSL」
・可塑剤:旭電化製「アデカサイザーPN−350」
・老化防止剤A:大内新興化学製「ノクラックCD」
・老化防止剤B:大内新興化学製「サンノック」(特殊ワックス)
・カーボンブラック(SAF):東海カーボン製「シースト9」
・カーボンブラック(ISAF):東海カーボン製「シースト6」
・カーボンブラック(HAF):東海カーボン製「シースト3」
・カーボンブラック(FEF):東海カーボン製「シーストSO」
・カーボンブラック(GPF):東海カーボン製「シーストV」
・カーボンブラック(SRF):東海カーボン製「シーストS」
・カーボンブラック(FT):旭カーボン製「アサヒサーマル」
・カーボンブラック(MT):Cancarb 製「Thermax N−990」
・クレー:土屋カオリン製「SATINTONE NO.5」
・含水シリカ:日本シリカ製「ニップシールAQ」
・カップリング剤:東芝シリコーン製「TSL8380」
・加硫促進剤A:大内新興化学製「ノクセラー TT−P」(TMTD)
・加硫促進剤B:大内新興化学製「ノクセラー TET−G」(TETD)
・加硫促進剤C:川口化学製「アクセル CZ−G(CBS)」
【0046】
又、実験は、上述した各試料(実施例1〜20、比較例1〜15)により作製したシール装置12aを、図4に示すシール回転試験機33に装着し、同図に示す様に回転軸34の中心まで泥水35を注入する事で、このシール装置12aが泥水中に浸漬された状態を想定して、密封性を評価した。尚、上記シール回転試験機33は、上記シール装置12aを、外輪相当部材に相当するハウジング57の内周面と上記回転軸34の外周面との間に組み付けた状態で、この回転軸34を所定の回転速度で回転自在としている。又、上記シール装置12aを挟んで上記泥水35と反対側に設けた漏電センサー58により、このシール装置12aを通過した泥水35を検知自在としている。
【0047】
又、実験は、軸偏心量を0〜0.70mmTIRの範囲で変化させて、密封性を評価した。試験条件は、以下の通りである。
回転軸34の回転速度:1000min−1 (r.p.m.)
運転時間:50時間
軸偏心量:0.00mmTIR、0.05mmTIR、0.10mmTIR、0・15mmTIR、0.20mmTIR、0.25mmTIR、0.30mmTIR、0.35mmTIR、0.40mmTIR、0.45mmTIR、0.50mmTIR、0.55mmTIR、0.60mmTIR、0.65mmTIR、0.70mmTIR
泥水35の組成:JIS 8種ダスト 20%
使用グリース:ウレア石鹸、鉱油
グリース塗布量:外側シールリップ21と中間シールリップ22との間に0.23g、中間シールリップ22と内側シールリップ23との間に0.07g
【0048】
上述の様な条件で行なった密封性試験の結果を、次の表6に示している。又、この密封性試験は、実験終了後に、シール装置12aのシール部材16に塗布したグリース(本実験では、上記外側シールリップ21と中間シールリップ22とスリンガ15とにより囲まれた環状の空間X)中に含まれる水分量により密封性を評価した。尚、上記表6中、「○」は、水分量が1%以下であった良好な場合を、「△」は、水分量が2〜5%であったやや良好な場合を、「×」は、水分量が5%を超えた不良な場合を、それぞれ表している。
【0049】
【表6】
Figure 2004092684
【0050】
表6で示した実験結果から明らかな様に、実施例1〜20の場合には、比較例1〜15の場合に対し、全体的に良好なシール性能を得られた。即ち、シール装置12aを構成するシール部材16が、アクリロニトリルブタジエンゴムに、カーボンブラックで粒子径が26〜100nmの範囲であるものを単独で含有したものである実施例1〜14、16〜18と、本発明の範囲から外れた粒径を有するカーボンブラックを全カーボンブラックの30重量%以下含んで成る実施例15と、粒子径が26〜100nmのカーボンブラックと、クレー又は含水シリカとを含んで成る実施例19、20とは、それぞれ全体的に優れたシール性能を得られた。
【0051】
又、導電剤としてケッチェンブラックを5部ずつ、実施例1〜20と比較例1〜15とのゴム組成物に添加して、実施例1´〜20´と、比較例1´〜15´とを作製した。そして、これら実施例1´〜20´と比較例1´〜15´とを用いて上述のシール回転試験機33を用いた密封性試験を行ったところ、シール部材16が非導電性である実施例1〜20と比較例1〜15との実験結果と同様の傾向を得られた。即ち、アクリロニトリルブタジエンゴムに粒子径が26〜100nmのカーボンブラックを含有して成るシール部材を用いたシール装置によれば、このアクリロニトリルブタジエンゴムにケッチェンブラックを添加したものでも、優れたシール性能を得られた。
【0052】
尚、上述した実験では、実施例として、図2に示したシール装置12aの構造としたものを用いた場合に就いて説明したが、本発明者が前述の図3に示したシール装置12bの構造のもので同様の試験を行なったところ、上述した実施例の場合と同様の結果が得られた。即ち、図3に示したシール装置12bに就いても、上述の様な密封性試験を行なったところ、アクリロニトリルブタジエンゴムに粒子径が26〜100nmのカーボンブラックを含有して成るシール部材を用いたシール装置の場合には、優れたシール性能を得られた。
【0053】
又、本発明は、前述の図2〜3に示した第1〜2例のシール装置12a、12bに限らず、以下の図5〜13に示す第3〜11例の各シール装置12c〜12kにも適用可能である。但し、本発明がこれらのシール装置に限定されるものでない事は、勿論である。
【0054】
先ず、図5に示した第3例のシール装置12cは、前述の図2に示した第1例のシール装置12aとほぼ同様の構造を有する組み合わせシールリングである。但し、図5に示した第3例のシール装置12cの場合には、スリンガ15aを構成する外側円輪部20aの外径側半部を、径方向外方に向かう程軸方向に関して芯金14に近づく方向に傾斜する傾斜部36としている。そして、シール部材16を構成する外側シールリップ21の先端縁を摺接させる部分である、上記傾斜部36の内側面37を、上記シール装置12cを取り付ける車輪用転がり軸受ユニットの内輪相当部材が外輪相対部材に対し傾斜する場合での傾斜中心を中心とする半径Rの球面、又はこの半径Rの仮想球面に接する円すい凹面としている。これにより、上記車輪用転がり軸受ユニットに荷重が作用する等して、上記芯金14を内嵌支持する外輪相当部材と上記スリンガ15aを外嵌支持する内輪相当部材との中心軸同士が(上記半径Rの中心点を交点として)互いに傾いた場合でも、上記傾斜部36の内側面37に対する上記外側シールリップ21の締め代(接触圧)の変化を抑えられる様にしている。
【0055】
上述の様に構成する第3例のシール装置12cの場合には、自動車用ハブユニットの使用時に上記外輪相当部材と上記内輪相当部材との中心軸同士が互いに傾いた状態でも、上記外側シールリップ21の締め代が低下するのを抑えられ、当該部分で漏水が生じるのを有効に防止できる。この為、上記外輪相当部材と上記内輪相当部材との中心軸同士が互いに一致している状態(傾き未発生の状態)での、上記外側シールリップ21の締め代を小さく設定できる。従って、上記シール装置12cによる密封性の向上、並びに、上記外側シールリップ21と上記スリンガ15aとの摺接部での摩擦抵抗の低減に基づく低トルク化を図れる。
【0056】
次に、図6に示した第4例のシール装置12dも、図2に示した第1例のシール装置12aと同様、組み合わせシールリングである。但し、図2に示した第1例のシール装置12aが芯金14にのみシール部材16を固定していたのに対し、図6に示した第4例のシール装置12dは、芯金14とスリンガ15との双方に、それぞれ1個ずつ、シール部材38a、38bを固定している。そして、これら各シール部材38a、38bに設けたシールリップ39a〜39cを、それぞれこれら各シール部材38a、38bと相対回転する、上記芯金14又は上記スリンガ15の表面に摺接させている。
【0057】
次に、図7に示した第5例のシール装置12eは、芯金14aを構成する内側円輪部18aの径方向中間部に、径方向内方に向かう程軸方向に関してスリンガ15に近づく方向に傾斜する傾斜部40を設けている。そして、このスリンガ15に固定したシール部材38bを構成する一方のシールリップ39bの先端部を摺接させる部分である、上記傾斜部40の内側面41を、上記シール装置12eを取り付ける車輪用転がり軸受ユニットの内輪相当部材が外輪相対部材に対し傾斜する場合での傾斜中心を中心とする半径Rの球面、又はこの半径Rの仮想球面に接する円すい凸面としている。これにより、前述の図5に示した第3例のシール装置12cの場合と同様、上記芯金14aを内嵌支持する外輪相当部材と上記スリンガ15を外嵌支持する内輪相当部材との中心軸同士が(上記半径Rの中心点を交点として)互いに傾いた場合でも、上記傾斜部40の内側面41に対する上記シールリップ39bの締め代の変化を抑えられる様にしている。その他の構成及び作用は、上述の図6に示した第4例のシール装置12dと同様である。
【0058】
次に、図8に示した第6例のシール装置12fは、芯金14に固定したシール部材38cの一部の面42aと、スリンガ15に固定したシール部材38dの一部の面42bとを、互いに全周に亙って近接対向させている。又、これら両面42a、42bの中間部に凹溝を、それぞれ全周に亙って形成する事により、これら両面42a、42b同士の間にラビリンス隙間43を設けている。そして、この様なラビリンス隙間43を設ける事により、上記シール装置12fによる密封性を強化している。本例の場合、このラビリンス隙間43を構成する、互いに近接対向させた上記両面42a、42bをそれぞれ、上記シール装置12fを取り付ける車輪用転がり軸受ユニットの内輪相当部材が外輪相対部材に対し傾斜する場合での傾斜中心を中心とする半径Rの球面、又はこの半径Rの仮想球面に接する円すい面としている。これにより、車輪用転がり軸受ユニットの荷重が作用する等して、上記芯金14を内嵌支持する外輪相当部材と上記スリンガ15を外嵌支持する内輪相当部材との中心軸同士が(上記半径Rの中心点を交点として)互いに傾いた場合でも、上記両面42a、42b同士が接触しない様に(上記ラビリンス隙間43が消失しない様に)している。又、本例のシール装置12fの場合、上記芯金14又は上記スリンガ15に対する、各シールリップ39a〜39cの締め代を小さくしても、上記ラビリンス隙間43の存在に基づき、密封性を十分に確保できる。この為、上記各シールリップ39a〜39cと上記芯金14及びスリンガ15との摺接部での摩擦抵抗の低減に基づく低トルク化を図れる。その他の構成及び作用は、前述の図6に示した第4例の場合と同様である。
【0059】
次に、図9〜10に示した第7〜8例のシール装置12g、12hはそれぞれ、前述の図3に示した第2例のシール装置12bとほぼ同様の構造を有する。但し、図9〜10に示した第7〜8例のシール装置12g、12hの場合、ハブ4a、4bの表面のうち、少なくとも一方のサイドシールリップ26(27)を摺接させる被摺接面44a(44b)を、上記各シール装置12g、12hを取り付ける車輪用転がり軸受ユニットのハブ4a、4bが外輪1に対し傾斜する場合での傾斜中心を中心とする半径R (R )の球面、又はこの半径R (R )の仮想球面に接する円すい凹面としている。これにより、前述の図5に示した第3例のシール装置12cの場合と同様、上記各シール装置12g、12hの芯金24を内嵌支持する外輪1と上記ハブ4a、4bとの中心軸同士が(上記半径R 、R の中心点を交点として)互いに傾いた場合でも、上記被摺接面44a(44b)に対する上記サイドシールリップ26(27)の締め代の変化を抑えられる様にしている。
【0060】
次に、図11に示した第9例のシール装置12iは、1対のシールリング45、46を組み合わせて成る。これら各シールリング45、46はそれぞれ、略円輪状の芯金47、48にシール部材49、50を固定して成る。車輪用転がり軸受ユニットへの組み付け時には、一方(図11の左方)のシールリング45の外周縁部(図11の上端縁部)を外輪相当部材の内周面に形成した係止溝に、他方(図11の右方)のシールリング46の内周縁部(図11の下端縁部)を内輪相当部材の外周面に形成した係止溝に、それぞれ係止する。これと共に、上記一方のシールリング45のシール部材49を構成するラジアルシールリップ51を上記内輪相当部材の外周面に、同じくサイドシールリップ52を上記他方のシールリング46の芯金48の側面に、この他方のシールリング46のシール部材50を構成するラジアルシールリップ53を上記外輪相当部材の内周面に、それぞれ摺接させる。
【0061】
次に、図12に示した第10例のシール装置12jは、一方のシールリング45を構成するサイドシールリップ52を摺接させる部分である、他方(図12の右方)のシールリング46aの芯金48aの側面に設けた被摺接面54を、上記シール装置12jを取り付ける車輪用転がり軸受ユニットの内輪相当部材が外輪相対部材に対し傾斜する場合での傾斜中心を中心とする半径Rの球面、又はこの半径Rの仮想球面に接する円すい凹面としている。これにより、前述の図5に示した第3例のシール装置12cの場合と同様、上記一方のシールリング45を内嵌支持する外輪相当部材と上記他方のシールリング46aを外嵌支持する内輪相当部材との中心軸同士が(上記半径Rの中心点を交点として)互いに傾いた場合でも、上記被摺接面54に対する上記サイドシールリップ52の締め代の変化を抑えられる様にしている。その他の構成及び作用は、上述の図11に示した第9例のシール装置12iと同様である。
【0062】
次に、図13に示した第11例のシール装置12kは、一方(図35の左方)のシールリング45aの一部の面55aと、他方(図35の右方)のシールリング46の一部の面55bとを、互いに全周に亙って近接対向させる事により、これら両面55a、55b同士の間にラビリンス隙間56を設けている。そして、この様なラビリンス隙間56を設ける事により、上記シール装置12kによる密封性を強化している。本例の場合も、上記ラビリンス隙間56を構成する、互いに近接対向させた上記両面55a、55bをそれぞれ、上記シール装置12kを取り付ける車輪用転がり軸受ユニットの内輪相当部材が外輪相当部材に対し傾斜する場合での傾斜中心を中心とする半径Rの球面、又はこの半径Rの仮想球面に接する円すい面としている。これにより、上記一方のシールリング45aを内嵌支持する外輪相当部材と上記他方のシールリング46を外嵌支持する内輪相当部材との中心軸同士が(上記半径Rの中心点を交点として)互いに傾いた場合でも、上記両面55a、55b同士が接触しない様に(上記ラビリンス隙間56が消失しない様に)している。又、本例のシール装置12kの場合も、相手面に対する各シールリップ51〜53の締め代を小さくしても、上記ラビリンス隙間56の存在に基づき、密封性を十分に確保できる。この為、上記各シールリップ51〜53と相手面との摺接部での摩擦抵抗の低減に基づく低トルク化を図れる。その他の構成及び作用は、前述の図11に示した第9例の場合と同様である。
【0063】
尚、本発明は、車輪用転がり軸受ユニットの基本構造が、前述の図1に示した様な内輪回転の構造であるものに限らず、外輪回転の構造にも適用する事ができる。更には、上記図1に示す様な、ハブ4に直接内輪軌道9を形成した、所謂第3世代のハブユニットに限らず、図14に示す様な、所謂第1世代のハブユニット、或は図15〜17に示す様な第2世代のハブユニットにも適用できる。更には、転動体として玉を使用した構造に限らず、図18に示す様な、転動体に円すいころを用いたハブユニットにも適用できる。
【0064】
【発明の効果】
本発明のシール装置及びシール装置付車輪用転がり軸受ユニットは、以上に述べた様に構成され作用するので、泥水や塵芥等の異物に曝される様な厳しい環境下で使用する場合でも、シール装置の良好なシール性能を長期間に亙り維持できる。この為、シール装置を組み込んだ、自動車用ハブユニット等の車輪用転がり軸受ユニットの長寿命化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となるシール装置付車輪用転がり軸受ユニットの第1例を示す断面図。
【図2】図1の右端部に組み込んだ第1例のシール装置を取り出して示す部分拡大断面図。
【図3】図1の中間部に組み込んだ第2例のシール装置を取り出して示す部分拡大断面図。
【図4】シール回転試験機を示す断面図。
【図5】本発明を適用可能なシール装置の第3例を示す部分断面図。
【図6】同第4例を示す部分断面図。
【図7】同第5例を示す部分断面図。
【図8】同第6例を示す部分断面図。
【図9】同第7例を示す部分断面図。
【図10】同第8例を示す部分断面図。
【図11】同第9例を示す部分断面図。
【図12】同第10例を示す部分断面図。
【図13】同第11例を示す部分断面図。
【図14】本発明の対象となるシール装置付車輪用転がり軸受ユニットの第2例を示す断面図。
【図15】同第3例を示す断面図。
【図16】同第4例を示す断面図。
【図17】同第5例を示す断面図。
【図18】同第6例を示す断面図。
【符号の説明】
1  外輪
2  取付部
3、3a 内輪相当部材
4、4a、4b ハブ
5  内輪
6  スプライン孔
7  取付フランジ
8  外輪軌道
9  内輪軌道
10  転動体
11  保持器
12a〜12k シール装置
13  空間
14、14a 芯金
15、15a スリンガ
16  シール部材
17  外径側円筒部
18、18a 内側円輪部
19  内径側円筒部
20、20a 外側円輪部
21  外側シールリップ
22  中間シールリップ
23  内側シールリップ
24  芯金
25  シール部材
26  外径側サイドシールリップ
27  内径側サイドシールリップ
28  ラジアルシールリップ
29  円筒部
30  支持板部
31  大径部
32  傾斜部
33  シール回転試験機
34  回転軸
35  泥水
36  傾斜部
37  内側面
38a〜38c シール部材
39a〜39c シールリップ
40  傾斜部
41  内側面
42a、42b 一部の面
43  ラビリンス隙間
44a、44b 被摺接面
45、45a シールリング
46、46a シールリング
47  芯金
48、48a 芯金
49  シール部材
50  シール部材
51  ラジアルシールリップ
52  サイドシールリップ
53  ラジアルシールリップ
54  被摺接面
55a、55b 一部の面
56  ラビリンス隙間
57  ハウジング
58  漏電センサ

Claims (2)

  1. 弾性材製のシール部材を含んで全体を円環状に構成し、このシール部材の先端縁を相手面に全周に亙って摺接させた状態で使用するシール装置に於いて、このシール部材を構成する弾性材が、アクリロニトリルブタジエンゴムに、粒子径が26〜100nmであるカーボンブラックを含有したものである事を特徴とするシール装置。
  2. 内周面に外輪軌道を有する外輪相当部材と、外周面に内輪軌道を有する内輪相当部材と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、上記外輪相当部材の内周面と上記内輪相当部材の外周面との間に存在して上記各転動体を設置した空間の端部開口を塞ぐシール装置とを備え、上記外輪相当部材と上記内輪相当部材とのうちの一方の部材を懸架装置に支持すると共に、他方の部材に車輪を支持固定する状態で使用するシール装置付車輪用転がり軸受ユニットに於いて、上記シール装置が請求項1に記載したシール装置である事を特徴とするシール装置付車輪用転がり軸受ユニット。
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