JP3756245B2 - 自動車用転がり軸受 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、過酷な条件下で使用される自動車用オルタネータやカーエアコンの電磁クラッチ等の回転支持部等に使用される転がり軸受用シールに関し、より詳細には、高温高速の使用環境においてもグリース漏れやリップ部の切損がなく、且つ多量の塵芥が浮遊する環境での寿命が向上された転がり軸受用の接触ゴムシールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、転がり軸受には、転動体の設置部分に存在するグリースや使用時に発生したダストが外部に漏洩したり、外部に浮遊する塵芥が転動体の設置部分に進入したりするのを防ぐために、外輪と内輪との間にシールが取り付けられることがある。このようなシールの付いた転がり軸受の一例を図1に示す。
【0003】
この図の転がり軸受は両側にシールの付いた両シール軸受であり、そのシール1は、外周に鉤部を有するリング状の芯金2と、その外側に合成ゴムを一体に加硫成形してなる弾性体3とで構成され、その機能上から、芯金の鉤部以外とその外側の弾性体とからなる円環状の主部11と、芯金の鉤部とその外側の弾性体とからなり外輪4内面の止め溝41に係止される加締部12と、芯金の内周側の弾性体からなり内輪5外周面の受け溝51に接触されるリップ部13とに分けられる。
【0004】
そして、このシール1は、リップ部13を内輪外周面の受け溝51に接触させた状態で、加締部12を弾性変形させながら外輪内周面の止め溝41に押し込むことによって、転がり軸受の外輪4と内輪5との間に配設される。
【0005】
このようなシールの一般的な材料は、芯金としてはSPCCやSECCなどの鋼板が、リップ等を形成する弾性体としてはニトリルゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム等の合成ゴムが使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このようなシールの弾性体は合成ゴムからなるため、高温環境下で軸受を使用することによって硬化したり、靱性の低下が生じたり、リップ部に変形が生じたりというような所謂劣化現象が起きる。その結果、軸受内に封入したグリースが漏洩したり、シールのリップ部が切損したり、リップ部の締め代が減少して防塵性が低下したりするという問題点があった。
【0007】
本発明は、このような従来技術の問題点に着目してなされたものであり、高温環境下で使用されても、軸受内に封入したグリースが漏洩したり、シールのリップ部が切損したりすることのない転がり軸受用シールを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、ゴム材料の成形体からなるリップ部を有するシールを備えた自動車用転がり軸受において、前記成形体は、JIS K 6257に基づく空気老化試験を、試験温度130℃、試験時間1000時間で施した後の10%ひずみ時応力が0.3〜5.0MPaとなり、且つ同試験後の破断伸びが50%以上となり、JIS K 6262に基づく圧縮永久ひずみ試験を、試験温度130℃、試験時間70時間で施した後の圧縮永久ひずみが0〜35%であるものであり、前記ゴム材料は、ニトリルゴムからなる原料ゴム100重量部に対して、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.0〜2.0質量部をカップリング剤として含み、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン0.3〜5.0重量部、および2−メルカプトベンズイミダゾールと2−メルカプトメチルベンズイミダゾールと2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩と2−メルカプトメチルベンズイミダゾールの亜鉛塩とから選ばれた一種類以上の物質の合計で0.3〜5.0重量部を老化防止剤として含むニトリルゴム組成物であることを特徴とするシールを備えた自動車用転がり軸受を提供する。
【0009】
本発明の自動車用転がり軸受によれば、シールのリップ部をなす成形体の、JIS K 6257に基づく空気老化試験を、試験温度130℃、試験時間1000時間で施した後の10%ひずみ時応力が0.3〜5.0MPaであるため、130℃の高温環境下で使用されても、軸受内に封入したグリースが漏洩する恐れがない。
【0010】
前記10%ひずみ時応力が5.0MPaを超えると、リップ部の内輪外周面への追従性が極端に劣り、軸受内に封入したグリースが漏洩する恐れが生じる。前記10%ひずみ時応力が0.3MPa未満の場合には、軸受外輪の内輪に対する相対的な回転に伴う遠心力により、リップ部がその形状を維持できなくなる。
【0011】
また、前記成形体の、同試験後の破断伸びが50%以上であるため、リップ部に急激に過大な力が作用して変形しても、当該リップ部は切損し難い。
また、前記成形体の、JIS K 6262に基づく130℃で70時間圧縮加熱後の圧縮永久ひずみが0〜35%であるため、130℃の高温環境下で使用されても、リップ部の締め代が減少して防塵性が低下する恐れがない。
【0012】
前記ゴム材料は、原料ゴムに、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤、補強剤、可塑剤、カップリング剤等の配合剤を必要に応じて適宜配合した組成物であり、前記成形体は、当該組成物を加硫成形することにより得られる。
【0013】
原料ゴムとしては、例えばニトリルゴムが挙げられ、ニトリルゴムには、アクリロニトリル含有量により低ニトリルNBR、中ニトリルNBR、中高ニトリルNBR、高ニトリルNBR、極高ニトリルNBR等がある。このうち、耐熱性、耐油性、および耐寒性の点で特に中高ニトリルNBRが好ましく、またより耐熱性を向上させるために、老化防止機能を備えたアミノ基やフェニル基を有するポリマーが共重合されたものを用いてもよい。
【0014】
本発明の転がり軸受用シールにおいて、前記ゴム材料が、ニトリルゴムを含有する原料ゴムに各種配合剤を配合したニトリルゴム組成物であると、原料ゴムがニトリルゴムであることから、耐油性、ゴム弾性、価格の点で好ましい。
【0015】
一方、原料ゴムに配合させる各種配合剤のうち加硫剤としては、粉末硫黄、硫黄華、沈降硫黄、高分散性硫黄などの各種硫黄や、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、N,N’−ジチオ−ビス(ヘキサヒドロ−2H−アゼピノン−2)、チウラムポリスルフィド、2−(4’−モルホリンジチオ)ベンゾチアゾール等の各種含硫黄化合物や、ジチオカルバミン酸塩等が挙げられる。このうち、配合し易さや耐熱性の点で、ニトリルゴムへの練り込みが容易な高分散性硫黄(表面処理硫黄)を少量使用することや、モルホリンジスルフィドを使用することが好ましい。
【0016】
加硫促進剤としては、グァニジン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、チウラム系、ジチオカルバメート系、ザンテート系等が挙げられる。このうち、ニトリルゴムに高分散性硫黄を少量配合した場合には、チウラム系のテトラメチルチウラムジスルフィド等やスルフィンアミド系のN−シクロベンジル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミドと、チアゾール系の2−メルカプトベンゾチアゾール等とを併用することが好ましい。
【0017】
加硫促進助剤としては、酸化亜鉛等の金属酸化物や、金属炭酸塩、金属水酸化物、ステアリン酸等の脂肪酸とその誘導体や、アミン類が挙げられる。
老化防止剤としては、アミン・ケトン縮合生成物、芳香族第二級アミン系、モノフェノール誘導体、ビスまたはポリフェノール誘導体、ヒドロキノン誘導体、硫黄系老化防止剤、リン系老化防止剤、マイクロクリスタリンワックス等のワックス類が挙げられる。このうち、アミン・ケトン系の2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体や、ジフェニルアミンとアセトンの反応物、もしくは芳香族第二級アミン系のN,N’−ジ−β−ナフチル−P−フェニレンジアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−P−フェニレンジアミンが好ましい。
【0018】
また、さらに耐熱性を向上させるために、2次老化防止剤として、硫黄系の2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、これらの亜鉛塩を併用することがより好ましい。
【0019】
特に、老化防止剤として、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンと、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、および2−メルカプトメチルベンズイミダゾールの亜鉛塩から選ばれた一種類以上とが併用されていることが好ましい。
【0020】
ゴム材料中の老化防止剤の配合量は特に限定されないが、ゴム材料が、例えば原料ゴムとしてニトリルゴムを含有するニトリルゴム組成物であり、前述のような老化防止剤の併用を行う場合には、原料ゴム100重量部に対して、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンを0.3〜5.0重量部、2−メルカプトベンズイミダゾールと2−メルカプトメチルベンズイミダゾールと2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩と2−メルカプトメチルベンズイミダゾールの亜鉛塩とから選ばれた一種類以上の物質を合計で0.3〜5.0重量部とすることが好ましい。
【0021】
すなわち、本発明の転がり軸受用シールは、原料ゴム100重量部に対して、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン0.3〜5.0重量部、および2−メルカプトベンズイミダゾールと2−メルカプトメチルベンズイミダゾールと2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩と2−メルカプトメチルベンズイミダゾールの亜鉛塩とから選ばれた一種類以上の物質の合計で0.3〜5.0重量部を老化防止剤として含むニトリルゴム組成物を、ゴム材料として使用するものであることが好ましい。
【0022】
ニトリルゴム組成物(ゴム材料)中の4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンの配合量および前述の2−メルカプトベンズイミダゾール類の合計配合量がそれぞれ0.3重量部未満であると、成形体としたときに十分な耐熱性が得られない場合があり、5.0重量部を超えて配合しても耐熱性の向上は認められず、配合量が多くなるほど圧縮永久歪みの増大やシール外観の悪化などの恐れが出てくる。
【0023】
補強剤としては、各種カーボンブラック、各種シリカ、塩基性炭酸マグネシウム、活性化炭酸カルシウム、特殊炭酸カルシウム、超微粉けい酸マグネシウム、ハードクレー等が挙げられる。このうち、補強性からはカーボンブラックまたはシリカ系が好ましいが、耐熱性を重視した場合はシリカ系を用いることがより好ましい。
【0024】
可塑剤としては、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート等のフタル酸誘導体、イソフタル酸誘導体、テトラヒドロフタル酸誘導体、アジピン酸誘導体、アゼライン酸誘導体、セバシン酸誘導体、ドデカン酸誘導体、マレイン酸誘導体、フマル酸誘導体、トリメット酸誘導体、ピロメリット酸誘導体、クエン酸誘導体、イタコン酸誘導体、オレイン酸誘導体、リシノール酸誘導体、ステアリン酸誘導体、リン酸誘導体、グルタール酸誘導体、グリコール誘導体、グリセリン誘導体、パラフィン誘導体、エポキシ誘導体、ポリエステル系可塑剤、ポリエーテル系可塑剤、液状ゴム等が挙げられる。このうち、耐熱性、耐揮発性、非抽出性の点で、分子量700以上のポリエステル系可塑剤、ポリエーテル系可塑剤、ポリエーテルエステル系可塑剤、液状ニトリルゴムなどの高分子量可塑剤を少量添加することが好ましく、成形が容易な場合は可塑剤を添加しなくてもよい。
【0025】
カップリング剤としては、シラン系、アルミニウム系、チタネート系のカップリング剤、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0026】
また、前記ゴム材料には、この他に、スコーチ防止剤、有機充填剤、無機充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光保護剤、耐熱安定剤、難燃剤、帯電防止剤、過酸化物分解剤、流動性改良剤、粘着性付与剤、非粘着性付与剤、離型剤、固定潤滑剤、顔料、染料等が含まれていてもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を実施例により詳細に説明する。
〔実施例1〕
<使用材料>
原料ゴム:
日本合成ゴム(株)製 中高ニトリルゴム N230S
日本合成ゴム(株)製 中高ニトリルゴム N237
日本合成ゴム(株)製 老化防止剤共重合中高ニトリルゴム N531
加硫剤:
鶴見化学工業(株)製 高分散性硫黄 サルファックスPMC
加硫促進剤:
川口化学工業(株)製 ジベンゾチアジルジスルフィド〔MBTS〕
アクセルDM
川口化学工業(株)製 テトラエチルチウラムジスルフィド〔TETD〕
アクセルTET
川口化学工業(株)製 テトラブチルチウラムジスルフィド〔TBTD〕
アクセルTBT
加硫促進助剤:
堺化学工業(株)製 酸化亜鉛(亜鉛華) フランス法1号
花王(株)製 ステアリン酸 ルナックS−35
老化防止剤:
大内新興化学工業(株)製
2,2,4-トリメチル-1,2- ジヒドロキノリン重合体〔TMDQ〕
ノクラック224
大内新興化学工業(株)製
N,N'−ジ−β−ナフチル-P−フェニレンジアミン〔DNPD〕
ノクラックWhite
大内新興化学工業(株)製
4,4'−ビス−( α, α- ジメチルベンジル)ジフェニルアミン
ノクラックCD 〔CD〕
大内新興化学工業(株)製
2−メルカプトベンズイミダゾール〔MBI〕
ノクラックMB
大内新興化学工業(株)製 オクチル化ジフェニルアミン〔ODPA〕
ノクラックAD−F
大内新興化学工業(株)製 特殊ワックス サンノックN
補強剤:
日本シリカ工業(株)製 含水シリカ ニップシールAQ
塩野義製薬(株)製 含水シリカ カープレックス(登録商標)♯1120
可塑剤:
大八化学工業(株)製 ジ-(2-エチルヘキシル)フタレート〔DOP〕
DOP(分子量391)
旭電化工業(株)製 アジピン酸系ポリエステル
アデカサイザーPN−350(分子量約3000)
上記の原料ゴム、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤、補強剤、および可塑剤を、下記の表1に示す各比率で配合し、加硫成形機により160℃で10分間加硫成形して、各組成のサンプルNo. 1−1〜No. 1−13について、JISダンベル状3号形、厚さ2mmの各試験用の試験片を作製した。
【0028】
なお、特殊ワックスは、耐日光性などを目的とした老化防止剤であって全てのサンプルに配合してある。
【0029】
【表1】
【0030】
各試験片に対して、JIS K 6257の加硫ゴムの老化試験方法(ノーマルオーブン法)に基づく空気老化試験を試験温度:130℃、試験時間:1000時間で行った後に、下記の条件で引張試験を行って、引張強さ、10%ひずみ時応力、および破断伸びを測定した。また、常態物性を調べるために、前記各試験片に対して空気老化試験を行わないで同様の引張試験を行って、引張強さ、10%ひずみ時応力、および破断伸びを測定した。
【0031】
<引張試験>
試験方法:JIS K 6251の加硫ゴムの引張試験方法
引張速度:500mm/min
<硬さ試験>
試験方法:JIS K 6253の加硫ゴムの硬さ試験方法
試験片:前記試験片を三枚重ねて使用
また、SPCC製の芯金2の外側に、前記サンプルNo. 1−1〜No. 1−13の各組成のゴムを一体に加硫成形して、弾性体3のリップ部13が図2に示すような形状となるようにシール1を形成し、その外観を観察した。さらに、このシール1を、日本精工(株)製の6203(呼び番号)単列深溝玉軸受の内輪5と外輪の間に組み込んだ。これを日本精工(株)製の軸受回転試験機にかけて、12000rpmで1000時間回転させた後にグリース漏れとリップ部の欠損の有無を調べた。
【0032】
封入グリース:エーテル系グリース
雰囲気温度:140℃
これらの試験の結果を下記の表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】
表2の結果から分かるように、10%ひずみ時応力および破断伸びのいずれもが本発明の範囲を満たし、且つ二次老化防止剤として2−メルカプトベンズイミダゾール(MBI)を含むNo. 1−1〜1−6については、グリース漏れおよびリップ部の切損のいずれも生じなかったし、外観も良好であった。特に、老化防止剤としてMBIと共に4,4'−ビス−( α, α- ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(CD)を配合すると、MBIと共にCD以外の老化防止剤を配合した場合より少量(例えば0.3重量部)の配合で耐熱性が良好なものとなる。
【0035】
これに対して、10%ひずみ時応力が本発明の範囲から外れるNo. 1−7,1−9,1−10,1−12についてはグリース漏れが生じ、破断伸びが本発明の範囲から外れるNo. 1−8,1−9,1−11,1−12についてはリップ部の切損が生じていた。また、No. 1−12は、老化防止剤としてCDとMBIの両方を含んでいるが、配合量が非常に少ないため耐熱性に劣り、早期にグリース漏れやリップ部の切損が生じていた。さらに、No. 1−13は、グリース漏れおよびリップ部の切損のいずれもが生じなかったが、老化防止剤であるCDとMBIの配合量が非常に多いため、老化防止剤の滲み出しや凝集によってシールのゴム表面に外観不良が生じていた。
【0036】
また、表2の結果から、硬さの測定値が同じでもグリース漏れやリップ部切損の結果は異なり、高温環境下でのシールリップの特性は、デュロメータ硬度などの硬さによっては判定し難いことが分かる。
〔実施例2〕
カップリング剤として、東芝シリコーン(株)製 γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン TSL350を用い、前記実施例1で挙げた原料ゴム、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤、補強剤、および可塑剤と、前記カップリング剤を、下記の表3に示す各比率で配合し、加硫成形機により160℃で10分間加硫成形して、各組成のサンプルNo. 2−1〜No. 2−6について、前記と同様の各試験用の試験片を作製した。
【0037】
【表3】
【0038】
また、各試験片について、前記と同様の常態物性、空気老化後物性、グリース漏れ試験、およびリップ部欠損試験を行うとともに、下記の方法で圧縮永久ひずみ試験とダスト環境寿命試験を行った。
【0039】
<圧縮永久ひずみ試験>
試験方法:JIS K 6262の加硫ゴムの圧縮永久ひずみ試験方法
試験片形状:直径29.0mm、厚さ12.5mm
スペーサ厚さ:9.38mm
試験温度:130℃
試験時間:70時間
なお、圧縮永久ひずみ算出式は下記の(1)式により算出した。
【0040】
CS :圧縮永久ひずみ(%)
t0 :試験片の元の厚さ(mm)
t1 :試験片を圧縮装置から取り出してから30分後の厚さ(mm)
t2 :スペーサの厚さ(mm)
<ダスト環境寿命試験>
各組成のサンプルNo. 2−1〜No. 2−6について、前記と同様にして、リップ部13が図2に示すような形状となるように形成した転がり軸受用シール1を、日本精工(株)製の6203(呼び番号)単列深溝玉軸受に組み込んだ。そして、これを日本精工(株)製のダスト環境寿命試験機にかけて、下記の条件で試験を行った。
【0041】
回転数:3000rpm
ダスト量:200g/箱
試験時間:1000時間
封入グリース:エーテル系グリース
雰囲気温度:130℃
これらの試験の結果を下記の表4に示す。
【0042】
【表4】
【0043】
表4の結果から分かるように、No. 2−1〜2−3については、圧縮永久ひずみが0〜35%の範囲にあるため、ダスト環境寿命が1000時間以上と高いものとなったが、圧縮永久ひずみがこの範囲から外れるNo. 2−4〜2−6についてはダスト環境寿命が桁違いに低いものとなった。中でもNo. 2−6は、老化防止剤であるCDとMBIの配合量が7.0重量部と非常に多いため、圧縮永久ひずみが大きくなり、ダスト環境寿命が低いものとなった。
【0044】
したがって、前記圧縮永久ひずみ試験における圧縮永久ひずみが0〜35%の範囲にある転がり軸受用シールでは、このシールを装着した転がり軸受の、多量の塵芥が存在する環境で使用された場合の寿命を長くすることができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の自動車用転がり軸受によれば、高温環境下で使用されても軸受内に封入したグリースが漏洩したり、シールのリップ部が切損したりする恐れがないため、信頼性が高いものとなる。また、シールのリップ部の絞め代が減少して防塵性が低下する恐れがないため、多量の塵芥が存在する環境で使用された場合の寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シールの付いた転がり軸受の一例を示す断面図である。
【図2】実施例において作製した転がり軸受用シールのリップ部の形状を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シール
3 弾性体(成形体)
13 リップ部
Claims (1)
- ゴム材料の成形体からなるリップ部を有するシールを備えた自動車用転がり軸受において、
前記成形体は、JIS K 6257に基づく空気老化試験を、試験温度130℃、試験時間1000時間で施した後の10%ひずみ時応力が0.3〜5.0MPaとなり、且つ同試験後の破断伸びが50%以上となり、JIS K 6262に基づく圧縮永久ひずみ試験を、試験温度130℃、試験時間70時間で施した後の圧縮永久ひずみが0〜35%であるものであり、
前記ゴム材料は、ニトリルゴムからなる原料ゴム100重量部に対して、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.0〜2.0質量部をカップリング剤として含み、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン0.3〜5.0重量部、および2−メルカプトベンズイミダゾールと2−メルカプトメチルベンズイミダゾールと2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩と2−メルカプトメチルベンズイミダゾールの亜鉛塩とから選ばれた一種類以上の物質の合計で0.3〜5.0重量部を老化防止剤として含むニトリルゴム組成物であることを特徴とするシールを備えた自動車用転がり軸受。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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