JP5056601B2 - ノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物及びその製造方法並びにこれを用いた電線・ケーブル - Google Patents

ノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物及びその製造方法並びにこれを用いた電線・ケーブル Download PDF

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Description

本発明は、動的架橋技術を用いて、オレフィン系樹脂マトリックス中に分散相を形成するノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物に係り、特に、分散相としてシラン架橋したEMAを用いることで、難燃剤を高充填しても高速押出可能でかつ良好な伸びを示すノンハロゲン難燃熱可塑性エラストマ樹脂組成物及びその製造方法並びにこれを用いた電線・ケーブルに関するものである。
環境問題に対する意識は世界的に高まりつつあり、電線被覆材料においても燃焼時に有害ガスを発生せず、マテリアルリサイクル可能な熱可塑性エラストマ樹脂が普及しつつある。
これまで、熱可塑性エラストマは様々な開発が行なわれており、例えば、特許文献1に示されるように、動的架橋技術を用いることで流動成分であるオレフィン系樹脂をマトリックスとし、そのマトリックス中にオレフィン系ゴムを分散させる技術がある。
一般的に電線・ケーブルの絶縁材に用いるノンハロゲン高難燃性熱可塑性樹脂は、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどをはじめとする金属水酸化物を高充填する必要がある。
特開平11−228750号公報
しかしながら、金属水酸化物を高充填させた難燃熱可塑性エラストマ樹脂は、溶融流れ性が悪いため押出加工時に高いトルクがかかり、高速押出が困難となる。そればかりか、伸びが著しく低下する。また、機器用電線などの耐熱性が要求される用途においては、電子線で架橋して耐加熱変形性やカットスルー性等を向上させている。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、動的架橋技術を用いてオレフィン系樹脂マトリックス中に分散相を形成する際に、分散相としてシラン架橋したEMAを用いることで、電子線で架橋せずとも高い機械的強度及び耐熱性を有し、かつ難燃剤を高充填しても高速押出可能でかつ、良好な伸びを示すノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物及びその製造方法並びにこれを用いた電線・ケーブル提供するものである。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、(A)メチルアクリレート含有量が30mass%以上のエチレン−メチルアクリレート共重合体(以下EMAと称す)を30〜80重量部、(B)エチレン−酢酸ビニル共重合体を20〜70重量部、(C)ノンハロゲン難燃剤を、(A)と(B)の合計100重量部に対して、50〜300重量部含有し、前記EMAがシラン架橋され、前記(A)成分の相が前記(B)成分の相中に分散していることを特徴とするノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物である。
請求項の発明は、前記(C)成分が、金属水酸化物である請求項1記載のノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物である。
請求項の発明は、(A)メチルアクリレート含有量が30mass%以上のエチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)を30〜80重量部、(B)エチレン−酢酸ビニル共重合体を20〜70重量部、(C)ノンハロゲン難燃剤を、(A)と(B)の合計100重量部に対して、50〜300重量部含有させたノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物を製造するに際し、前記(A)成分は、未架橋のEMAに、シラン化合物を共重合させることによりシラン架橋され、前記(A)成分の相が前記(B)成分の相中に分散していることを特徴とするノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物の製造方法である。
請求項の発明は、EMAにシラン化合物をグラフト共重合させた後、そのシラン化合物をグラフト共重合させたEMAと、(B)エチレン−酢酸ビニル共重合体と、(C)ノンハロゲン難燃剤及びフリーラジカル発生剤を混練する請求項記載のノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物の製造方法である。
請求項の発明は、請求項1または2に記載のノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物を絶縁体に用いたことを特徴とする電線である。
請求項の発明は、請求項1または2に記載のノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物をシースに用いたことを特徴とするケーブルである。

本発明によれば、難燃剤高充填系での高速押出が可能で良好な伸びを得ることができるノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物を提供できる。
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
先ず、本発明のノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物が適用される電線・ケーブルについて、図1〜図3により説明する。
図1は、銅導体1に、ノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物からなる絶縁体2を被覆した電線10を示している。
図2は、図1に示した電線10を3本撚り合わせ、その外周に、ノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物からなるシース3を被覆したケーブル20を示している。
図3は、図1に示した電線10を複数本(図では4本)を撚り合わせ介在4を介して押さえ巻きテープ5を施してコア6を形成し、そのコア6の外周に、ノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物からなるシース7を被覆したケーブル30を示している。
図1〜図3に示したノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物からなる絶縁体2、シース3,7は押出成形により被覆される。
この本発明のノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物は、(A)MA含有量が30mass%以上のエチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)を30〜80重量部、(B)熱可塑性ポリオレフィン樹脂を20〜70重量部、(C)ノンハロゲン難燃剤を、(A)と(B)の合計100重量部に対して50〜300重量部含有し、EMAがシラン架橋されているものである。
また、(A)成分はシラン架橋させるためにシラン化合物を共重合された樹脂組成物である。
上記(B)熱可塑性ポリオレフィン樹脂の成分中に(A)EMA成分が動的架橋で架橋され分散しているものである。
(A)成分のEMAとしてはMA含有量が30mass%未満では優れた難燃性を得ることが出来ない。(A)成分30重量部未満の場合、十分な架橋が得られず耐熱性が劣る。また、80重量部より多い場合、溶融流れ性が悪く、押出成形などをした際の外観が悪化する。
さらに、(C)成分が(A)と(B)の合計100重量部に対して、50重量部未満の場合、優れた難燃性を得ることが出来ず、一方300重量部より多いと機械的強度が著しく低下する。
このように本発明は、動的架橋技術を用いてオレフィン系マトリックス中に分散相を形成する材料としてEMAを用いることにより、難燃剤を高充填しても流動性が良好で高速押出し可能なノンハロゲン難燃熱可塑性エラストマ樹脂組成物を得ることができる。
すなわち、第1に、本発明においては、金属水酸化物等の難燃剤が動的架橋により形成された分散相(架橋EMA)に主に分布する性質を利用し、分散相(島相)以外の海相(熱可塑性ポリオレフィン系樹脂)における金属水酸化物による機械的特性の低下を防止するとともに、流動性低下の原因となる樹脂中の異物(金属水酸化物等の難燃剤)を分散相(島相)に閉じこめることで、海相における流動性を確保し、良好な押出し性を得ることができる。
さらに、第2に、EMAにおいては他のエチレン共重合体に比べてシランのグラフトされる量が少ないため架橋がある程度抑制されることを利用し、耐熱性を得るために十分な架橋効果を得つつ、架橋物による押出加工性の低下を防止することができる。
上記、第1及び第2の理由により、本発明においては、高流動性で高速押出し可能なノンハロゲン難燃熱可塑性エラストマ樹脂組成物を得ることができる。
本発明において、シラン架橋を選択した理由は、硫黄による架橋では硫化系ガスの生成に伴う異臭の問題や着色するための成形物の色相を自由に設定することが難しいという問題があり、また有機過酸化物による架橋では流動成分であるポリオレフィン系樹脂を同時に架橋させてしまうため、ポリオレフィン系樹脂として架橋の起こりづらい樹脂を選ぶ必要があり、実質的に硬い部類に入るポリプロピレンしか選択できないという問題があるためである。
シラン化合物には、ポリマと反応可能な基とシラノール縮合により架橋を形成するアルコキシ基をともに有していることが要求され、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等のビニルシラン化合物、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フエニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン化合物、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシラン化合物、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリルシラン化合物、ビス(3−メタクリロキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィドなどのポリスルフィドシラン化合物、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプトシラン化合物等を挙げることができる。
シラン化合物を共重合させるにはベースのEMAに所定量のシラン化合物、フリーラジカル発生剤を溶融混練する方法を用いることができる。
フリーラジカル発生剤としては、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物が主として使用できる。シラン化合物の添加量は、特に規定しないが良好な物性を得るためにはEMA100重量部に対して、0.5〜10.0重量部が好適である。0.5重量部より少ないと十分な架橋効果が得られず、組成物の強度、耐熱性が劣る。10.0重量部を超えると加工性が著しく低下する。
また、フリーラジカル発生剤である有機過酸化物の最適な量は、EMA100重量部に対して0.001〜3.0重量部である。0.001重量部より少ないとシラン化合物が十分に共重合せず十分な架橋効果が得られない。3.0重量部を超えるとEMAのスコーチが起きやすくなる。
(C)成分である金属水酸化物は、水酸化マグネシウムがもっとも難燃性が優れているが、水酸化アルミニウムや水酸化カルシウムなどでも良い。また、これらの金属水酸化物は、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、ステアリン酸やステアリン酸カルシウム等の脂肪酸又は、脂肪酸金属塩等によって表面処理されているものを用いても良い。
(B)熱可塑性ポリオレフィン系樹脂としては既知のものが使用でき、特にポリプロピレン、高密度ポリエチレン、直鎮状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体の中から選ばれる少なくとも1種を含み、単独もしくは2種以上をブレンドして用いるのが望ましい。
また、シラン架橋した(A)成分と(B)成分と(C)とを混練して動的架橋させる際に、ジクミルパーオキサイド等のシラノール縮合触媒を予めEVAに混練したものを添加するとよい。
材料は、EMAにシラン化合物をグラフト共重合させる工程および、シラン化合物をグラフト共重合させたEMA、熱可塑性ポリオレフィン系樹脂、金属水酸化物、シラノール縮合触媒(ジクミルパーオキサイド)の配合剤を混練し、EMAをシラン架橋させる工程によって作製した。
EMAにシラン化合物をグラフト共重合させる工程では、原料のEMA、ビニルトリメトキシシラン、ジクミルパーオキサイドを表1、2に示した(A)成分の比率で含浸混合したものを準備し、これらを200℃の40mm押出機(L/D=24)で滞留時間が約5分となるように押出し、グラフト反応させた。
次に表1の各例に示した配合の各成分を40mm二軸押出機(L/D=60)に一括して投入することで混練し、混練中にシラン化合物がグラフト共重合されたEMAを架橋させることで混練物を作製した。
温度は180℃とし、スクリュ回転数は100rpmとした。これをペレット化し、ケーブル作製用の材料とした。
ケーブルは180℃に予熱した40mm押出機(L/D=24)を用い、ケーブルコアに厚さ0.41mmでシースを押出被覆して作製した。
機械的強度、耐熱性、難燃性はJISC3005に準拠して評価した。引張強さ10MPa以上、破断伸び200%以上を合格とした。耐熱性は加熱変形試験(75℃、荷重10Nの条件)により評価し、被覆厚さ(実施例では0.41mm)に対する減少率10%以下を合格とした。
難燃性評価には60度傾斜燃焼試験を行い、炎を取り去った後の延焼時間を測定し60秒以内に自然消火したものを合格とした。
また、シラン架橋の有無を確認するため、110℃の熱キシレン中で24時間材料の抽出を行った。残存不溶ポリマがあれば架橋が導入されたと判定した。押出加工性は押出成形時の外観を目視で確認し、滑らかであれば「良」、凸凹が生じていれば「不良」と判断した。
Figure 0005056601
Figure 0005056601
実施例1
EMAとしてCG2001(住友化学製、MFR=0.6g/10min、MA=31%)、ビニルトリメトキシシランとしてS210(チッソ製)、ジクミルパーオキサイドとしてDCP(日本油脂製、半減期温度:179℃、1分)を70/1.4/0.007重量部の比率で上記の混練方法でグラフト反応させた後、この(A)成分に、(B)成分、(C)成分、触媒を表1に示した配合で混練し、評価した。
その結果、どの評価においても良好な結果が得られた。
実施例2
EMAとしてCG2001、S210、DCPを80/1.6/0.008重量部の比率で上記の混練方法でグラフト反応させた後、表1に示した配合で混練し、評価した。
その結果、どの評価においても良好な結果が得られた。
実施例3
EMAとしてCG4002(住友化学製、MFR=5.9g/10min、MA=30%)を用い、S210、DCPを80/1.6/0.08重量部の比率で上記の混練方法でグラフト反応させ、表1に示した配合で混練し、評価した。
その結果、どの評価においても良好な結果が得られた。
実施例4
CG2001(EMA)、S210、DCPを30/0.6/0.003重量部の比率で上記の混練方法でグラフト反応させた後、表1に示した配合で混練し、評価した。
その結果、どの評価においても良好な結果が得られた。
実施例5
CG2001(EMA)、S210、DCPを80/1.6/0.008重量部の比率で上記の混練方法でグラフト反応させた後、表1に示した配合で混練し、評価した。
その結果、どの評価においても良好な結果が得られた。
実施例6
CG2001(EMA)、S210、DCPを80/1.6/0.008重量部の比率で上記の混練方法でグラフト反応させた後、表1に示した配合で混練し、評価した。
その結果、どの評価においても良好な結果が得られた。
実施例7
CG2001(EMA)、S210、DCPを80/0.4/0.008重量部の比率で上記の混練方法でグラフト反応させた後、表1に示した配合で混練し、評価した。
その結果、どの評価においても良好な結果が得られた。
実施例8
CG2001(EMA)、S210、DCPを80/8/2.4重量部の比率で上記の混練方法でグラフト反応させた後、表1に示した配合で混練し、評価した。
その結果、どの評価においても良好な結果が得られた。
比較例1
MFR=0.6g/10min、MA=31%のEMA(CG2001)、ビニルトリメトキシシラン(S210)、ジクミルパーオキサイド(DCP)を90/1.8/0.009重量部の比率で上記の混練方法でグラフト反応させた後、表2に示した配合で混練し、評価した。
この比較例1においては、実施例2と比較して(В)成分が少ない(10重量部)ため、引張強さ、伸び、架橋の有無、耐熱性、難燃性については良好であったが、押出成形品表面がざらついており不良と判定した。
比較例2
MFR=0.6g/10min、MA=31%のEMA(CG2001)、ビニルトリメトキシシラン、ジクミルパーオキサイドを20/0.4/0.002重量部の比率で上記の混練方法でグラフト反応させ、表2に示した配合で混練し、評価した。
この比較例2においては、実施例4と比較して(В)成分が多い(80重量部)ため、引張強さ、伸び、難燃性、押出加工性については良好であったが、架橋有無の評価で残存ポリマが確認されなかった。よって、耐熱性の加熱変形試験も減少率が10%を下回ったので不良と判定した。
比較例3
MFR=6g/10min、MA=20%のEMA、ビニルトリメトキシシラン、ジクミルパーオキサイドを80/1.6/0.008重量部の比率で上記の混練方法でグラフト反応させ、表2に示した配合で混練し、評価した。
この比較例3においては、EMAのMA含有量が低く(20%)、その結果、引張強さ、伸び、押出加工性については良好であったが、難燃性が不合格となった。
比較例4
MFR=0.6g/10min、MA=31%のEMA、ビニルトリメトキシシラン、ジクミルパーオキサイドを80/1.6/0.008重量部の比率で上記の混練方法でグラフト反応させ、表2に示した配合で混練し、評価した。
この比較例4においては、水酸化マグネシウムの充填量が実施例5に比べて多い(450重量部)ため伸びが200%を下回り、また押出加工品表面にざらつきが有ったため押出加工性は不良と判定した。
比較例5
MFR=0.6g/10min、MA=31%のEMA、ビニルトリメトキシシラン、ジクミルパーオキサイドを80/1.6/0.008重量部の比率で上記の混練方法でグラフト反応させ、表2に示した配合で混練し、評価した。
この比較例5においては、水酸化マグネシウムの充填量が実施例4に比べて少ない(40重量部)ため、難燃性評価においては60秒以上経過しても自然消火せず、不合格と判定した。
比較例6
MFR=30g/10min、VA=42%のEVA、ビニルトリメトキシシラン、ジクミルパーオキサイドを80/1.6/0.008重量部の比率で上記の混練方法でグラフト反応させ、表2に示した配合で混練し、評価した。
この比較例6においては、EVAを用いているため、実施例2、3と比べて押出時のトルクが高く、外観もメルトフローが目立つため押出加工性は不良と判断した。
比較例7
MFR=0.37g/10minのHDPE、ビニルトリメトキシシラン、ジクミルパーオキサイドを80/1.6/0.008重量部の比率で、上記混練方法でグラフト反応させ、表2に示した配合で混練し、評価した。
この比較例7においては、HDPEを用いているため、そもそもシランがグラフトされず架橋が起こらなかったため、架橋残存ポリマは確認することは出来なかった。また、難燃性評価としては60秒以上経過しても自然消火しなかった。さらに、押出成形品表面にざらつきがあり不良と判定した。
以上より、動的架橋技術を用いて、オレフィン系樹脂マトリックス中に分散相としてEMAを用いずに、難燃剤を高充填すると、押出トルクが高くなり、高速押出が難しくなるばかりでなく、伸びが著しく低下する。そのため、押出加工性、伸びを良くするためには分散相をEMAにする必要がある。
また成分(A)のEMAと成分(В)とは、80/20〜20/80の範囲がよく、また(C)成分の難燃剤は、(A)と(B)の合計100重量部に対して50〜300重量部添加することで、難燃性があり、押出加工性も良好であることが判った。
本発明が適用される電線の詳細断面図である。 本発明が適用されるケーブルの詳細断面図である。 本発明が適用されるケーブルの詳細断面図である。
符号の説明
1 銅導体
2 絶縁体
3、7 シース
10 電線
20、30 ケーブル

Claims (6)

  1. (A)メチルアクリレート含有量が30mass%以上のエチレン−メチルアクリレート共重合体(以下EMAと称す)を30〜80重量部、(B)エチレン−酢酸ビニル共重合体を20〜70重量部、(C)ノンハロゲン難燃剤を、(A)と(B)の合計100重量部に対して、50〜300重量部含有し、前記EMAがシラン架橋され、前記(A)成分の相が前記(B)成分の相中に分散していることを特徴とするノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物。
  2. 前記(C)成分が、金属水酸化物である請求項1記載のノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物。
  3. (A)メチルアクリレート含有量が30mass%以上のエチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)を30〜80重量部、(B)エチレン−酢酸ビニル共重合体を20〜70重量部、(C)ノンハロゲン難燃剤を、(A)と(B)の合計100重量部に対して、50〜300重量部含有させたノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物を製造するに際し、前記(A)成分は、未架橋のEMAに、シラン化合物を共重合させることによりシラン架橋され、前記(A)成分の相が前記(B)成分の相中に分散していることを特徴とするノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物の製造方法。
  4. EMAにシラン化合物をグラフト共重合させた後、そのシラン化合物をグラフト共重合させたEMAと、(B)エチレン−酢酸ビニル共重合体と、(C)ノンハロゲン難燃剤及びフリーラジカル発生剤を混練する請求項記載のノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物の製造方法。
  5. 請求項1または2に記載のノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物を絶縁体に用いたことを特徴とする電線。
  6. 請求項1または2に記載のノンハロゲン難燃性熱可塑性エラストマ樹脂組成物をシースに用いたことを特徴とするケーブル。
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