JP2000340034A - ノンハロゲン難燃樹脂組成物とその応用製品 - Google Patents

ノンハロゲン難燃樹脂組成物とその応用製品

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JP2000340034A
JP2000340034A JP11148974A JP14897499A JP2000340034A JP 2000340034 A JP2000340034 A JP 2000340034A JP 11148974 A JP11148974 A JP 11148974A JP 14897499 A JP14897499 A JP 14897499A JP 2000340034 A JP2000340034 A JP 2000340034A
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裕 小林
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彰夫 近田
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宏 早味
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲンを含まぬ高度な難燃性を維持しつ
つ、柔軟で高い耐熱性を有し、端末加工性に優れ、さら
に応力白化が生じにくく、絶縁抵抗が高いノンハロゲン
難燃樹脂組成物を得ること。 【解決手段】 ベースポリマーとしてスチレン系熱可塑
性エラストマーとエチレン−αオレフィンコポリマー又
はポリプロピレン相とオレフィン共重合体ゴム相とのブ
ロックポリマーとのブレンドを使用し、これに金属水酸
化物を混合すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼してもハロゲ
ン化水素などの有害ガスが発生しないノンハロゲン難燃
樹脂組成物と、この組成物を用いた電源コード、絶縁電
線、またはプラグ、アダプター等の電気絶縁部品に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、安全・衛生上の観点から、電線・
ケーブル等の絶縁被覆あるいはシース材料として、火災
時での発煙性が低く、ハロゲン化水素等の有害ガスの発
生がないノンハロゲン難燃性樹脂組成物が用いられるよ
うになってきた。これらの樹脂組成物は、主としてポリ
オレフィン系の樹脂材料をベースポリマーとし、難燃剤
として水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の金
属水酸化物を、難燃助剤として赤リンやリン酸化合物等
を使用するのが一般的である。しかしながら、これらの
樹脂組成物は次に述べるような問題をもっている。 1) ポリオレフィン系ポリマー、特に高圧法低密度
ポリエチレンや、エチレンとαオレフィンとの共重合体
(直鎖状低密度ポリエチレン)、エチレン-酢酸ビニル
コポリマー(EVA)、エチレン-アクリル酸エチルコ
ポリマー(EEA)等は、程度の差はあるものの常温域
では結晶部を有しており比較的剛性が高い。そのためこ
れらをベースポリマーにしたノンハロゲン難燃樹脂組成
物を被覆に用いた絶縁電線等は、塩化ビニル等を用いた
ものに比べ剛直な感触を与える。 2) 剛性を低くするためには結晶性を低下させる必
要があるが、高圧法ポリエチレンでは、製法上、結晶性
低減には限界がある。またエチレンコポリマーの場合は
コモノマーの含有量を上げることで対応可能で、これに
より柔軟性は向上するが、強度保持に寄与していた結晶
部が減少するため材料強度が低下してしまう。 3) 剛性を低くするためには結晶性を低下させる必
要があるが、結晶性の低下により耐熱変形性が低下して
しまう。例えば、密度0.920の直鎖状低密度ポリエチレ
ンの場合、ビカット軟化点は100℃前後であり、これよ
り高温では加熱変形特性が著しく低下するため、絶縁体
として100℃以上での使用には耐えられない。 4) 結晶性ポリマーの場合、降伏点以上の変形を受
けるとネッキングが生じ延伸される。延伸が生じるため
材料は破断しにくいが、この延伸状態は不可逆であるた
め、一度降伏点以上に伸びると元に戻らない。電線被覆
の端末加工の際、絶縁体に軽く刃物を入れ、引き抜く作
業を行うが、このときポリエチレン、EVA、EEA等
をベースにした材料の場合(特に結晶性の高い場合)、
延伸が起こりやすく、端末にヒゲ状の切れ残りが生じ端
末加工性が損なわれるケースがある。 5) ポリエチレン等の結晶性ポリマーは、応力−歪
み挙動に於いて降伏点を示すが、降伏点以上の不可逆変
形を受けることにより材料は白化する(応力白化)。ポ
リエチレン、EVA、EEA等をベースにした材料を電
線被覆に用いた場合(結晶性の高い場合は特に)、電線
を曲げた場合に応力白化が生じ、曲げられた箇所が白色
に変色し、曲がったまま元に戻りにくくなる。 6) 金属水酸化物を充填したノンハロゲン難燃樹脂
組成物は、金属水酸化物が水分を含みやすいため、金属
水酸化物を充填しない系に比べ絶縁抵抗が低下する傾向
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の従来
のノンハロゲン難燃樹脂組成物の問題点がなく、ハロゲ
ンを含まぬ状態で高度な難燃性を維持しつつ、柔軟で高
い耐熱性を有し、端末加工性に優れ、さらに応力白化が
生じにくく、絶縁抵抗が高いノンハロゲン難燃樹脂組成
物を得ることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の種
々の問題点を考慮し、鋭意検討を行った結果、以下に示
す解決策を見出し本発明を完成するに至った。本発明
は、下記の〜の材料を所定の割合で混合することを
第一の特徴とする。 スチレン系熱可塑性エラストマー、 190℃,2.16kg荷重におけるMFIが0.1
〜5.0g/10分の範囲にあり、密度が0.860〜
0.935g/cm3の範囲にあるエチレン-αオレフィンコ
ポリマー、同上のMFIの範囲にあり、密度が0.88
0〜0.890g/cm3の範囲にあるポリプロピレン相と
オレフィン共重合体ゴム相とのブロックポリマー、 平均粒子径(D50)が0.5〜9.0μmの範囲にある
金属水酸化物 即ち、本発明は、〜の材料を所定の割合で混合する
ことにより、これまで、ノンハロゲン難燃材料として実
現が難しかった非常に高い柔軟性と耐熱性、端末加工
性、耐応力白化性とを併せ持たせた電源コードや絶縁電
線の被覆用のノンハロゲン難燃樹脂組成物を提供する。
ここで、平均粒子径(D50)とは、レーザー回折式粒
度分布測定装置を用い、相対粒子量50%のときの粒子
径を指す。
【0005】中のゴム相の存在により材料はゴム弾性
を発現するため、端末加工時の切れ残りの原因となる冷
延伸や応力白化が抑えられる。しかしながら、スチレ
ン系熱可塑性エラストマー単体の場合、溶融させ粘性を
低下させるためには非常に高い温度及び剪断力を必要と
する。加工温度が低く、溶融時の粘性が高すぎると加工
に適した溶融状態を得ることができない。また、溶融粘
度を下げようとして、加工温度を過剰に高くすると、金
属水酸化添加配合では、金属水酸化物の脱水反応が起
き、発泡などの問題が生じる。
【0006】本発明では、を選定し、かつ、に対す
る のブレンド比率を規定することによって、より高
い加工性と柔軟性・耐熱性・端末加工性・耐応力白化性
とを具有するノンハロゲン難燃樹脂組成物を得ることが
できる。のブレンド量が多すぎると、スチレン系熱可
塑性エラストマーによる効果が低減してしまうため、加
工性と柔軟性・耐熱性・端末加工性・耐応力白化性との
両立において特に好ましいブレンド比率は、(/
)、60/40〜80/20である。(請求項1)
【0007】さらに、極性基を有するコポリマーとし
て、エチレン-酢酸ビニルコポリマー(EVA)、エチ
レン-アクリル酸エチルコポリマー(EEA)、エチレ
ン-アクリル酸メチルコポリマー(EMA)の中から選
ばれた少なくとも1種類のポリマーでの一部を置き換
えることにより、樹脂組成物の難燃性等を向上させるこ
とが可能となる。(請求項2)
【0008】また、本発明は、オルガノポリシロキサ
ン、有機官能性シラン(シランカップリング剤)、アル
コキシシランよりなる群より選ばれた少なくとも1種類
の有機ケイ素化合物を0.1〜10重量部配合し、高い
耐摩耗性及び難燃性を有するノンハロゲン難燃樹脂組成
物を提供する。(請求項3) 有機ケイ素化合物の働きにより、導体と絶縁体間で適度
な滑りが生じるため、本発明のノンハロゲン難燃樹脂組
成物を被覆した電線、コード等は曲げても、くせが付き
にくい。特にオルガノポリシロキサンの使用が耐摩耗性
及び難燃性の向上、曲げくせの防止に効果的である。
【0009】さらに本発明は、として一般式(A)で示
される有機官能性シラン(シランカップリング剤)を
0.1〜10重量部配合し、高い絶縁性能を有するノン
ハロゲン難燃樹脂組成物を提供する。(請求項4)
【化3】 ここで、Rはエポキシ基もしくはアミノ基を有するアル
キル基であり、X1、X2、X3はアルコキシ基、アルキ
ル基からなる群から選ばれ、X1、X2、X3の少なくと
も1つがアルコキシ基である原子団を表す。上記有機官
能性シランと金属水酸化物との間で相互作用が生じた結
果、活性な金属水酸化物表面が有機ケイ酸化合物で被覆
され、電子の移動経路が制限されるため絶縁性が向上す
ると考えられる。
【0010】さらに、スチレン系熱可塑性エラストマー
の一部又は全てが、カルボン酸もしくは酸無水物基を有
する酸変性型スチレン系熱可塑性エラストマーを用いる
ことで、金属水酸化物とスチレン系熱可塑性エラストマ
ーとが擬似架橋を形成し、材料強度・耐熱性・端末加工
性・耐応力白化性をさらに高めることが可能となる。
(請求項5)さらに、この系に、一般式(A)で示される
有機ケイ素化合物(有機官能性シラン)を添加すること
で、擬似架橋生成効率がさらに上がるため、材料強度・
耐熱性・端末加工性・耐応力白化性等をより高めること
が可能となる。
【0011】また本発明では、の金属酸化物として水
酸化マグネシウムを使用することにより安定な加工性を
有するノンハロゲン難燃樹脂組成物が得られる。スチレ
ン系熱可塑性エラストマーを使用した配合は、押出加工
温度を比較的高温(170〜190℃)に設定する必要
があるため、吸着水の放出温度の高い(約350℃でピ
ークとなる)水酸化マグネシウムを使用することが加工
性の安定化に非常に有効である。また、オルガノポリシ
ロキサン、有機官能性シラン、アルコキシシランと併用
する場合、表面処理なしの水酸化マグネシウムを使用し
たものが特に曲げ白化性の防止に有効である。(請求項
6)
【0012】そして本発明は、上記ノンハロゲン難燃樹
脂組成物を電源コード及び絶縁電線の被覆材に適用する
ことで、高い難燃性、柔軟性、耐熱性を有し、端末加工
性に優れ、さらに応力白化が生じにくく、絶縁抵抗が高
いノンハロゲン難燃電源コード及び絶縁電線を提供す
る。(請求項7)
【0013】また、本発明は、別の特徴として、 200℃,5.0kg荷重におけるメルトフローイン
デックス(MFI)が10〜90g/10分の範囲スチ
レン系熱可塑性エラストマーと、 190℃,2.16kg荷重におけるMFIが2.0
〜20g/10分の範囲にあり、密度が0.860〜
0.935g/cm3の範囲にあるエチレン-αオレフィンコ
ポリマー若しくは、同MFIの範囲にあり、密度が0.
880〜0.890g/cm3の範囲にあるポリプロピレン
相とオレフィン共重合体ゴム相とのブロックポリマー
と、をブレンド比率(/)40/60〜60/40
の範囲でブレンドしたポリマーをベース樹脂として用
い、高い流動特性を得ることにより、射出成型等による
電気絶縁部品に適したノンハロゲン難燃性樹脂組成物を
提供する。ここでいう電気絶縁部品としては、たとえ
ば、差込プラグ、コードコネクターボディ、アダプター
等の一体成形による差込接続器が挙げられる。こうして
得られた電気絶縁部品は、これまでのノンハロゲン難燃
材料では実現が難しかった高い柔軟性と耐熱性、耐応力
白化性が両立できるものである。さらに、有機ケイ素化
合物、特にオルガノポリシロキサンを使用することによ
り、耐摩耗性、難燃性、耐曲げ白化性、撥水性を向上さ
せることができる。撥水性の向上により結露に起因する
汚れの蓄積が低減できるため、耐トラッキング性が向上
する。
【0014】また、本発明は、以上のノンハロゲン難燃
樹脂組成物を用いて、その架橋度を10〜80%の範囲
にしたことを特徴とする絶縁電線、及びプラグ、アダプ
ター等の電気絶縁部品を提供する。(請求項15) 架橋することにより、耐熱安定性及び耐応力白化性がさ
らに向上する。架橋は、動的架硫等の手法を用いて導入
しても、加硫釜等の設備を使用した有機過酸化物架橋や
シラン架橋等の化学架橋でもよく、電線・差込器具等の
成型後に、電子線架橋等により導入しても、何れでもよ
い。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明でまたはに用いるスチ
レン系熱可塑性エラストマーとしては、ポリスチレンに
よる末端拘束相と、ゴム相としてポリブタジエン(SB
S)又はポリイソプレン(SIS)及びこれらの水素添
加物(SEBS,SEPS)等のブロックコポリマーを
用いることができる。これらのスチレン系熱可塑性エラ
ストマーを単独で使用しても、2種以上をブレンドして
使用してもよい。材料コスト的には未水添のSBS、S
ISの方が水添ポリマー(SEBS,SEPS)より安
価であるため、未水添ポリマー中の不飽和結合による熱
老化劣化が特性上許容できる範囲で使用することは好ま
しいことである。場合によっては、未水添ポリマーと水
添ポリマーとブレンドして使用してもよい。スチレン系
熱可塑性エラストマー中のポリスチレン末端拘束相とゴ
ム相との比については、特に規定するものではないが、
柔軟性と耐熱性の観点から、スチレン/ゴム比=20/
80〜40/60が好ましい。
【0016】またはに用いるエチレン-αオレフィ
ンコポリマーについては、密度が高くなるほど材料の柔
軟性が低下するため、使用に適するポリオレフィンの密
度の上限は0.935g/cm3である。下限は材料強度か
ら0.860g/cm3である。
【0017】ポリマーの分子量分布(MWD)は単分散
(MWD=1)に近いほど材料強度が高くなる傾向があ
り、充填剤の高充填化には効果的だが、高剪断時の剪断
粘度低下が小さく、押出トルクが高くなり加工性が悪く
なる。一方、分子量分布が広くなると低分子量成分をよ
り多く含む結果となり高剪断時の剪断粘度低下効率が高
く、高速押出時のスクリュウトルク低減に寄与するた
め、押出加工性は向上するが、逆に材料強度が低下す
る。本発明で、またはに用いるエチレン-αオレフ
ィンコポリマーポリマーの分子量分布としては、加工性
と材料強度のバランスを考慮するとMWD:3.0〜
8.0の範囲が好ましい。
【0018】また、ポリマーのMFIは平均分子量の指
標である。MFIが小さいと高分子量成分が多くなり、
押出加工が難しくなる。一方MFIが大きいと低分子量
成分が過剰になり材料強度が低下する。本発明の電源コ
ードや絶縁電線の被覆に用いる組成物は、「電気用品の
技術基準及び取扱細目」に規定された強度特性を得るた
めに、にブレンドするに用いるエチレン-αオレフ
ィンコポリマーのMFIは、0.1〜5.0の範囲にあ
ることが好ましく、0.5〜2.0の範囲にあることが
更に好ましい。また、射出成型による電気絶縁部品用の
組成物の場合には、にブレンドするに用いるエチレ
ン-αオレフィンコポリマーのMFIは、2.0〜20
の範囲にあることが好ましい。
【0019】なお、またはに用いるエチレンα−オ
レフィンコポリマーとしては、メタロセン触媒に代表さ
れるシングルサイト触媒、いわゆるチーグラー系触媒
(チタン系、クロム系等)に代表されるマルチサイト触
媒、いずれによって重合されたものでも使用可能であ
る。また、コモノマーとしては、プロピレン、ブテン-
1、ヘキセン-1、4-メチルペンテン-1もしくはオク
テン-1等を使用した共重合体が好ましい。重合方法は
特に規定されるものではないが、ブテン-1またはヘキ
セン-1をコモノマーとして気相法により重合した樹脂
や、4-メチルペンテン-1またはオクテン-1をコモノ
マーとして溶液重合法により重合した樹脂、ブテン-
1、ヘキセン-1をコモノマーとして用い高圧イオン重
合法により重合した樹脂等が適している。
【0020】またはに用いるポリプロピレン相とオ
レフィン共重合体ゴム相とのブロックポリマー(オレフ
ィン系熱可塑性エラストマー)は、ブレンドタイプ及び
重合タイプのいずれも使用可能である。コストパフォー
マンスの点では、製造工程が少ない重合タイプの使用が
効果的である。ゴム相を部分架橋したもの、動的架橋等
により完全架橋したもの等も使用可能である。架橋処理
を施されたものを使用すると、耐熱、耐油等での信頼性
が増す。
【0021】またはに用いる極性基を有するコポリ
マーはエチレンホモポリマーに比べフィラー充填系での
総発熱量が小さく、難燃性組成物への使用に適する。極
性基の含有率は低すぎると発熱量低減効果が低下する。
また、極性基はポリエチレン骨格の結晶性を低下させる
ため含有率が高いほど柔軟性を向上させることができる
が、含有率が高すぎると耐熱性を悪化させるため好まし
くない。好適に使用できる含有率の範囲は5〜30wt
%である。このコポリマーも重合方法に規定されず、オ
ートクレーブリアクター、チューブラーリアクターいず
れによるものも使用可能である。
【0022】に用いる金属水酸化物としては、水酸化
マグネシウム、水酸化アルミニウム等の使用が有効であ
る。平均粒子径(D50)は0.5〜9.0μmの範囲の
ものが好ましく、1.0〜7.0μmの範囲のものが更
に好ましい。これらの使用方法は、単独でも混合しても
何れでもよい。表面処理の有無については特に規定する
ものではないが、水酸化物系の充填剤は吸湿性を有する
ために材料の絶縁抵抗が低下する傾向があるため、表面
処理を施されたものを使用することにより絶縁抵抗の低
下を防ぐことができる。一方、有機ケイ素化合物による
擬似架橋を形成させる場合には、表面処理を施していな
いものの方が擬似架橋形成効率はよい。擬似架橋形成を
目的に有機ケイ素化合物を使用する場合、予め表面処理
した金属水酸化物を使用する方法、或いは表面処理を施
してないものを用いインテグラルブレンド法で同時添加
してやる方法等いずれも適用可能である。
【0023】水酸化マグネシウムとしては天然のブルー
サイト鉱石を原料とするものも、海水等を原料とした合
成品も、両者とも同様に使用することができる。合成品
の方が純度の点で勝るため、高い難燃性が得られる傾向
にある。一方の天然ブルーサイトから製造したものを使
用した樹脂組成物は、非常に高いコストパフォーマンス
を提供する。以上の通り、金属水酸化物についてはいず
れも長短が具有されるため、選択に当たり適用する最終
製品の特性を考慮して使用する水酸化物の種類を決定す
ればよい。
【0024】有機ケイ素化合物としては、オルガノポリ
シロキサン、有機官能性シラン(シランカップリング
剤)、アルコキシシラン等であり、これらを単独または
2種以上を併用することも可能である。オルガノポリシ
ロキサンは分子量的に低分子量のオイル、高分子量のレ
ジン或いはガム等に分類されるが、本発明における耐摩
耗性、難燃性、導体と絶縁体間での滑り性、撥水性等の
向上効果に関しては、用いるオルガノポリシロキサンの
分子量の違いにより大きな差異は生じない。但し、オイ
ルを使用する場合には、分子量が低すぎるとブリード等
により電線、プラグ等の表面状態を悪化させるため、分
子量の指標である粘度に着目し、6000〜30000
センチストークスの範囲にあるものを使用する。
【0025】アルコキシシランの基本的構造はRnSi
(OR')4-nで表され、本発明ではR'基としてメチル
基、エチル基等を有し、R基としてメチル基、フェニル
基、オクタデシル基等を有する構造のアルコキシシラン
が使用可能である。R基のアルキル基の炭素数が多いほ
ど疎水性が高く、且つ加水分解速度(表面処理反応の律
速反応)が遅くなるため、加工条件、他の配合剤への影
響等を考慮し、使用する種類を決定する。
【0026】本発明の難燃性樹脂組成物の柔軟性、加工
性を向上させる目的で、ゴム材料等に使用される軟化
剤、特に石油系配合油(プロセスオイル)を使用しても
よい。一般的なプロセスオイルは何れも使用可能だが、
汚染性や安全性に留意するとパラフィン系オイルの使用
が好ましい。添加量は、全スチレン系熱可塑性エラスト
マー重量と等量を上限とする。これ以上配合すると、成
形後のべたつき等の原因となり好ましくない。
【0027】このほか、樹脂混和物に一般的に使用され
る無機充填剤を使用することができる。例えばタルク、
クレー(カオリン)、マイカ、酸化マグネシウム、炭酸
マグネシウム、炭酸カルシウム等を使用することによ
り、射出成形時のソリ、ヒケ等の防止、熱伝導率向上に
よる冷却速度の向上等の効果を発現させることができ
る。これらの添加量は先に添加する金属水酸化物の添加
量を基準とし、材料強度等の特性を損なわない範囲で決
定する。また必要に応じて、赤リン、リン酸塩等の難燃
助剤を使用することもできる。
【0028】本発明に於ける架橋についてだが、スチレ
ン系熱可塑性エラストマーの溶融加工(混練り、押出
等)は、170℃以上の比較的高温条件が必要となるた
め、成型と架橋とを別工程とする場合、使用する有機過
酸化物系架橋剤は、例えばハイドロパーオキサイド系架
橋剤のような分解温度の高いものを選択する必要があ
る。ポリオレフィン樹脂の架橋反応に一般的に使用され
る有機過酸化物(ジクミルパーオキサイド等)では分解
温度が低く、溶融加工中にゲル化が進み外観、機械特性
等を損なう恐れがある。射出成形や連続架橋方式による
場合はジアルキルパーオキサイド系有機過酸化物でも十
分対応可能である。また、分解温度の高い架橋剤として
キノンジオキシム系架橋剤の使用も可能だが、汚染性が
あるため使用の際には、製品の用途、使用環境等を十分
考慮することが必要である。架橋に際し、種々の架橋助
剤(促進剤、スコーチ防止剤等)の併用が可能であるこ
とは言うまでもない。このほか、γ線や加速電子線等の
電離性放射線を照射する方法によっても架橋することが
できる。
【0029】さらに本発明の難燃性樹脂組成物には、そ
の特性を阻害しない範囲で、ヒンダートフェノール系、
ヒンダートアミン系、ラクトン系、リン系、硫黄系、ビ
タミンE系等の酸化防止剤、ヒドラジン系等の金属不活
性剤、ヒンダートアミン系等の熱安定剤、ベンゾトリア
ゾール系等の紫外線吸収剤、酸化チタン等の紫外線隠蔽
剤、カーボンその他着色用顔料等、一般的に樹脂成形材
料に使用される添加剤を配合してもよい。
【0030】本発明の樹脂組成物のコンパウンドは、コ
ンパウンド製造に通常使用される単軸及び二軸混練押出
機、混練ニーダー、バンバリー、混練ロール等の設備で
溶融混合し、必要に応じ適当な形状に造粒等を行うこと
により製造できる。また、こうして製造したペレット等
による電線用絶縁体及びシース等の押出被覆、プラグ、
アダプター等の射出成形に関しては、それぞれ一般的な
設備により、一般的な方法に準じて行なうことができ
る。その際の加工温度は、160〜210℃の間で配合
系に基づき設定してやればよい。
【0031】
【実施例】以下、実施例と比較例により、本発明を具体
的に説明する。まず、表1〜表9 の上方に示す実施
例、比較例の各々の配合のコンパウンドを作製した。混
合はニーダー型混合機により実施。温度設定は180〜
200℃(比較例の材料系では160〜180℃)とし
た。混合後ペレタイズした。
【0032】評価に用いたシートは、オープンロール等
を用いてコンパウンドを十分溶融混合させた後、定めら
れた厚さのプレスシートとして作製した。電線(実施例
1〜13)は、導体断面積2mm2、線芯数2の平形コー
ドを押出加工により製造し、試験サンプルとした。また
実施例12については、シート及びコードを上記と同様
に加工した後、別工程の架橋設備により、220℃、6
0分間の架橋処理を行い特性の評価を行った。一体成形
による差込接続器としては、横型射出成形により差込プ
ラグを製造、評価した。
【0033】評価の方法としては、以下に記載の規格及
び条件に基づく方法を用いた。 引張特性: 本発明の難燃樹脂組成物コンパウンドを用
い、オープンロール等を用いて十分溶融混合させた後、
厚さ1mmのプレスシートを作成し試験に用いた。試験方
法は「電気用品の技術基準及び取扱細則」別表第一附表
第十四「引張強さおよび伸びの試験」、またはJIS
K6301に準拠し実施した(JIS K6301にお
いては3号形ダンベルを使用)。引張速度は200mm/
分で行った。
【0034】加熱変形試験: 「電気用品の技術基準及
び取扱細則」別表第一附表十八に準拠して実施した。導
体断面積2mm2、線芯数2の平形コードを押出加工によ
り製造し、試験サンプルに用いた。試験条件は、設定温
度;120±3℃、加重;5N、加重時間;30分間
【0035】曲げ弾性率: 本発明の難燃樹脂組成物コ
ンパウンドを用い、オープンロール等を用いて十分溶融
混合させた後、プレス成形した厚さ4mmのシートにより
標準試験片を作製し、JIS K7199に準拠して、
試験速度50mm/分にて測定・評価した。
【0036】固有抵抗: 本発明の難燃樹脂組成物コン
パウンドを用い、オープンロール等を用いて十分溶融混
合させた後、プレス成形した厚さ1mmのシートを試験サ
ンプルとし、 JIS K6760「変成器ブリッジ
法」により測定・評価した。
【0037】難燃性: 導体断面積2mm2、線芯数2の
平形コードを押出加工により製造し、試験サンプルと
し、 JIS C3005.28に準拠して試験し、火
を遠ざけた後、消火するまでの時間(秒)を測定した。
そして、60秒以内に自然に消えたものを「○」、消え
なかったものを「×」とした。
【0038】端末加工性: 導体断面積2mm2、線芯数
2の平形コードを押出加工により製造し、試験サンプル
とした。プラグ加工用の端末加工機にかけ、平刃による
端末加工を実施した。10本端末加工を行い、全数切れ
残りなく加工できたものを「○」、切れ残りが生じたも
のを「△」とし、特にヒゲ状の切れ残りが生じたものを
「×」とした。
【0039】耐曲げ白化性: 導体断面積2mm2、線芯
数2の平形コードを押出加工により製造し、試験サンプ
ルとした。サンプルを180゜折り曲げ、1分間保持
し、その後、折り曲げを解放して被覆の状態を観察し
た。ほぼもとの状態に戻ったものを「◎」、多少膨らみ
は残るが目立たないものを「○」、膨らみが目立つもの
を「△」、膨らみと白化が生じたものを「×」と判定し
た。プラグの場合、射出成型後にプラグの蛇腹部を90
゜曲げ、5分間保持し、亀裂が入る等の不具合が生じな
いか、曲げ跡が残らないかをチェックした。不具合が生
じなければ「○」、何れかの不具合が生じた場合「×」
と判定した。
【0040】架橋度: JIS C3005.27に準
拠した。導体断面積2mm2、線芯数2の平形コードを押
出加工により製造し、プラグは15A,125V用プラ
グを射出成型し、被覆及び射出成型品から規定量(0.
5g)を切り取りサンプルとした。110±2℃に加温
したキシレン中に24時間保持し、その後にサンプルの
乾燥重量を測定、キシレン浸漬前のサンプル重量との比
をもって架橋度とした。
【0041】押出加工性・射出成形性: 実際に製品を
成形し評価した。押出加工性については、導体断面積2
mm2、線芯数2の平形コードを70mm押出機(L/D
=23)を用いて押出加工し、50m/min以上の加工線
速と、80A以下の押出負荷、及び平滑な押出外観の3
項目が満たされるか検討し、全ての項目が満足できた場
合を「○」、満足できなかった項目が1〜2の場合を
「△」、全て満足できなかった場合を「×」とした。射
出成形性は、15A,125V用プラグの「4個取り」
成形(1ショットで4個のプラグを成形する)を行い、
4個全て成形できた場合を「○」、2個の場合を
「△」、0個の場合を「×」とした。
【0042】評価の結果は、それぞれ、表の下方に示し
たが、まとめると以下の通りである。 電線 実施例1〜13で製造した電線は、押出加工性、電線の
端末加工性、耐折り曲げ白化性がすべて良好なものであ
った。端末加工性に着目すると、スチレン系熱可塑性エ
ラストマーの配合比が比較的多いもの(実施例4:60
%,実施例9:70%,)、酸変性スチレン系熱可塑性
エラストマーと有機官能性シランを添加したもの(実施
例10〜14)が特に良好であった。また、耐曲げ白化
性に着目すると、表面処理なしの水酸化マグネシウムを
用いたものが、特に、良好であった。(実施例10,1
1,12,14) 一方、比較例1〜4は、スチレン系熱可塑性エラストマ
ーを含まない従来からのノンハロゲン難燃樹脂組成物で
あるが、これらは、押出加工性は良好であるものの端末
加工性と耐折り曲げ白化性が悪かった。また、スチレン
系熱可塑性エラストマーを含くむものでも、その比率が
すくないもの(比較例8〜12)は、曲げた後の戻りが
悪く、くせが付きやすいく、曲げ白化性の項目で不具合
を呈した。逆にスチレン系熱可塑性エラストマーの比率
が大きすぎるもの(比較例5,6,16)は、押出加工
性が著しく悪く、満足に電線を押し出すことができなか
った。スチレン系熱可塑性エラストマーの場合、酸変性
品を使用することにより、端末加工性、耐曲げ白化性が
良好になる傾向が認められたが、結晶性ポリマーでは、
酸変性物を用いても、端末加工性・曲げ白化性が良くな
る傾向は認められなかった。(比較例11;酸変性LL
DPE) また、MFIが請求項1の範囲にないMDPE(MFI
=0.05)を用いた比較例13は、ヒゲ状の切れ残り
が生じるため端末加工性が悪く、曲げくせも残る傾向に
あり、耐曲げ白化性も不良であった。これはMDPEに
含まれる高分子量成分の影響により、延伸性と応力白化
性が顕著になったものと考えられる。加工性もそれほど
良好ではなかった。MFIの高いLLDPE(MFI=
8.0)を用いた系(比較例14)では、平均分子量が
低下するため加工性と端末加工性は良好となるが、曲げ
たときに微少なクラックが生じ、耐曲げ白化性は不良と
なった。また、密度が請求項1の範囲外にあるポリマー
を使用した比較例15は、若干加工性が悪いのに加え、
端末加工性と耐曲げ白化性が不良であった。特に曲げ白
化性に関しては、結晶性部位の影響と思われる曲げくせ
の残りが著しいものであった。
【0043】プラグ プラグの実施例(15〜18)は、耐曲げ白化性が良好
で、射出成形性も、「4個取り」成形で4個全て成形で
き、良好な成形性を有していた。一方、スチレン系熱可
塑性エラストマーの比率が高い比較例17〜19では、
射出時に圧力を如何に上げても、4個分全てに材料が回
らず加工性が悪いことが示された。また、スチレン系熱
可塑性エラストマーのMFIが請求項9記載の範囲より
小さい比較例20でも流れ性が悪化し、4個全てに材料
が回らなかった。同様の傾向が結晶性ポリマー(LLD
PE)のMFIについても認められ、MFI=0.5の
グレードを使用した比較例21でも、射出成型時、4個
全てに材料が回らなかった。一方、EVAのMFIが請
求項9記載の範囲より大きい比較例22では、成形は良
好に行うことができたが、蛇腹部の曲げ試験で微小クラ
ックが生じ、耐曲げ白化性が不良となった。
【0044】
【発明の効果】以上に述べた通り、本発明の組成物によ
り、従来のノンハロゲン組成物の問題点を解決し、ハロ
ゲンを含まぬ高度な難燃性を維持しつつ、柔軟で高い耐
熱性を有し、端末加工性に優れ、さらに応力白化が生じ
にくく、絶縁抵抗が高いノンハロゲン難燃樹脂組成物を
得ることができた。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 3/44 H01B 3/44 F C08K 5/54 A 7/42 H01B 7/34 Z (72)発明者 早味 宏 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 Fターム(参考) 4J002 BB05X BB06Y BB07Y BB15X BP01W BP02X CP034 DE076 DE146 EX037 EX067 EX077 FD136 FD207 GQ01 5G303 AA06 AB01 AB12 AB20 BA01 BA12 CA01 CA09 CB17 5G305 AA02 AA14 AB01 AB15 AB17 AB24 AB25 AB35 AB36 BA15 BA22 BA26 CA01 CA02 CA04 CA07 CA26 CA47 CA51 CA52 CA55 CB26 CC03 CD06 CD13 5G315 CA03 CB01 CC08 CD03 CD14 FA04

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系熱可塑性エラストマーと、
    190℃,2.16kg荷重におけるMFIが0.
    1〜5.0g/10分の範囲にあり、密度が0.860
    〜0.935g/cm3の範囲にあるエチレン-αオレフィン
    コポリマー若しくは、同MFIの範囲にあり、密度が
    0.880〜0.890g/cm3の範囲にあるポリプロピ
    レン相とオレフィン共重合体ゴム相とのブロックポリマ
    ーと、をブレンド比率(/)40/60〜80/2
    0の範囲でブレンドしたポリマーをベース樹脂として用
    い、平均粒子径(D50)が0.5〜9.0μmの範囲に
    ある金属水酸化物を50〜250重量部配合してなるノ
    ンハロゲン難燃樹脂組成物
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の樹脂組成物において、
    の一部をエチレン-酢酸ビニルコポリマー(EV
    A)、エチレン-アクリル酸エチルコポリマー(EE
    A)、エチレン-アクリル酸メチルコポリマー(EM
    A)の中から選ばれた少なくとも1種類のポリマーによ
    り置き換えたノンハロゲン難燃樹脂組成物
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のノンハ
    ロゲン難燃樹脂組成物に対し、オルガノポリシロキサ
    ン、有機官能性シラン(シランカップリング剤)、アル
    コキシシランよりなる群より選ばれた少なくとも1種類
    の有機ケイ素化合物を0.1〜10重量部配合してなる
    ノンハロゲン難燃性樹脂組成物
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のノンハロゲン難燃樹脂
    組成物に配合する有機ケイ素化合物として一般式(A)
    で示される化合物を添加したことを特徴とするノンハロ
    ゲン難燃性樹脂組成物。 【化1】 ここで、Rはエポキシ基もしくはアミノ基を有するアル
    キル基であり、X1、X2、X3はアルコキシ基、アルキ
    ル基からなる群から選ばれ、X1、X2、X3の少なくと
    も1つがアルコキシ基である原子団を表す。
  5. 【請求項5】 スチレン系熱可塑性エラストマーの一
    部又は全てが、カルボン酸もしくは酸無水物基を有する
    酸変性型スチレン系熱可塑性エラストマーである請求項
    1〜請求項4に記載のノンハロゲン難燃性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項3〜請求項5に記載のノンハロゲ
    ン難燃樹脂組成物において、金属水酸化物の一部また
    は全てとして、平均粒子径(D50)が0.5〜9.0μm
    の範囲で、表面処理なしの水酸化マグネシウムを用いた
    ことを特徴とするノンハロゲン難燃性樹脂組成物
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6記載の樹脂組成物を
    用い、押出等の成型方法により製造した電源コード及び
    絶縁電線。
  8. 【請求項8】 200℃,5.0kg荷重におけるメ
    ルトフローインデックス(MFI)が10〜90g/1
    0分の範囲スチレン系熱可塑性エラストマーと、19
    0℃,2.16kg荷重におけるMFIが2.0〜20
    g/10分の範囲にあり、密度が0.860〜0.93
    5g/cm3の範囲にあるエチレン-αオレフィンコポリマー
    若しくは、同MFIの範囲にあり、密度が0.880〜
    0.890g/cm3の範囲にあるポリプロピレン相とオレ
    フィン共重合体ゴム相とのブロックポリマーと、をブレ
    ンド比率(/)40/60〜60/40の範囲でブ
    レンドしたポリマーをベース樹脂として用い、平均粒
    子径(D50)が0.5〜9.0μmの範囲にある金属水酸
    化物を50〜250重量部配合してなるノンハロゲン難
    燃樹脂組成物
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の樹脂組成物において、
    の一部を190℃,2.16kg荷重におけるMF
    Iが2.0〜20g/10分の範囲のエチレン-酢酸ビニ
    ルコポリマー(EVA)、エチレン-アクリル酸エチル
    コポリマー(EEA)、エチレン-アクリル酸メチルコ
    ポリマー(EMA)の中から選ばれた少なくとも1種類
    のポリマーにより置き換えたノンハロゲン難燃樹脂組成
  10. 【請求項10】 請求項8または請求項9に記載のノン
    ハロゲン難燃樹脂組成物に対し、オルガノポリシロキ
    サン、有機官能性シラン(シランカップリング剤)、ア
    ルコキシシランよりなる群より選ばれた少なくとも1種
    類の有機ケイ素化合物を0.1〜10重量部配合してな
    るノンハロゲン難燃性樹脂組成物
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のノンハロゲン難燃
    樹脂組成物に配合する有機ケイ素化合物として一般式
    (A)で示される化合物を添加したことを特徴とするノン
    ハロゲン難燃性樹脂組成物。 【化2】 ここで、Rはエポキシ基もしくはアミノ基を有するアル
    キル基であり、X1、X2、X3はアルコキシ基、アルキ
    ル基からなる群から選ばれ、X1、X2、X3の少なくと
    も1つがアルコキシ基である原子団を表す。
  12. 【請求項12】 スチレン系熱可塑性エラストマーの
    一部又は全てが、カルボン酸もしくは酸無水物基を有す
    る酸変性型スチレン系熱可塑性エラストマーである請求
    項8〜請求項11に記載のノンハロゲン難燃性樹脂組成
    物。
  13. 【請求項13】 請求項10〜請求項12に記載のノン
    ハロゲン難燃樹脂組成物において、金属水酸化物の一
    部または全てとして、平均粒子径(D50)が0.5〜
    9.0μmの範囲で、表面処理なしの水酸化マグネシウ
    ムを用いたことを特徴とするノンハロゲン難燃性樹脂組
    成物
  14. 【請求項14】 請求項8〜請求項13に記載の樹脂組
    成物を用いた電気絶縁部品。
  15. 【請求項15】 請求項7及び請求項14において、絶
    縁材料の架橋度が10〜80%の範囲にあることを特徴
    とする電源コード・絶縁電線、及び電気絶縁部品。
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