JP2011162668A - 熱収縮チューブ用樹脂組成物並びにこれを用いた架橋チューブ及び熱収縮チューブ - Google Patents

熱収縮チューブ用樹脂組成物並びにこれを用いた架橋チューブ及び熱収縮チューブ Download PDF

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Abstract

【課題】 230℃以下で熱収縮することができ、さらに熱収縮後も透明性を保持し、またさらに、平型電線の被覆材として適用できる熱収縮チューブ及び当該チューブの材料となる樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 構成モノマー単位として、少なくともテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロポリプロピレン、及びエチレンを含む部分水素化フッ素樹脂;並びに多官能性モノマーを含有するフッ素系樹脂の組成物であって、前記樹脂組成物をチューブ状に成形した成形品を電子線照射により架橋してなるチューブを、前記部分水素化フッ素樹脂の融点以上の温度で2倍拡径した後、さらに前記部分水素化フッ素樹脂の融点以上の温度をかけて熱収縮させたチューブサンプル(膜厚0.8mm)の230℃雰囲気下での100%モジュラスが1.0kg/cm2以上である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電線や電気機器の接続部材等の被覆材として用いられる熱収縮チューブの材料となる樹脂組成物、特に平型電線(ブレードワイヤ)の被覆に好適な熱収縮チューブ用樹脂組成物、並びに当該樹脂組成物を用いた架橋チューブ及び熱収縮チューブに関する。
樹脂の分子構造にフッ素が含まれるフッ素系樹脂は、耐熱性、耐薬品性、電気特性に優れることが知られている。
フッ素系樹脂のうち、ETFE樹脂(四フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂)、PVDF樹脂(ビニリデンフルオロライド樹脂)等の部分水素化フッ素樹脂は、TFE樹脂(四フッ化エチレン樹脂)等のパーフルオロ系フッ素樹脂と比べて、若干耐熱性が劣るものの、溶融成形が可能であることから、電線、ケーブルの端末やパイプ等の接続部を被覆保護するチューブ材料として、幅広く用いられている。
これらの部分水素化フッ素樹脂に、トリアリルイソシアヌレートやトリメチロールプロパントリメタクリレートのような多官能性モノマーを添加した樹脂組成物では、電子線等の照射により架橋することで、融点以上の温度で溶融変形することを防止できること、さらにチューブ状成形品に電子線照射して作成した架橋チューブを、架橋後に径方向に拡径して固定すれば、加熱により再び元の径に収縮する熱収縮チューブを製造できることも知られている(特開平5−325692号公報:特許文献1)。
上記特許文献1には、ETFE樹脂の架橋体はETFE樹脂の未架橋体と比べて硬くなることによる、ETFE樹脂を用いた熱収縮チューブが座屈を起こしやすいという問題を解決するために、エチレン・テトラフルオロエチレンとフッ素化オレフィンを繰り返し単位とする部分水素化フッ素樹脂を用いることが提案されている。具体的には、ダイキン工業株式会社製ネオフロンEP410(商品名)、ネオフロンEP620を用いることが提案されている。
また、ETFE樹脂やPVDF樹脂に上記多官能性モノマーを添加した樹脂組成物を電子線照射により架橋した場合、架橋前に比べて淡黄色、淡褐色に着色するため、熱収縮チューブの美観が損なわれるという問題があることも知られている(特開平7−33938号公報:特許文献2)。同特許文献2では、組成物に亜リン酸エステル化合物を配合することで着色を抑制することを提案している。
特開平5−325692号公報 特開平7−33938号公報
熱収縮チューブを電線等の接続部品の被覆材として用いる場合、接続部品の物性に影響を与えないようにするために、一般に、230℃以下で熱収縮することが求められる。
また、収縮後に内部の接続部の細部の様子を確認できるように、透明性に優れることも求められる。
しかし、一般にETFE樹脂に代表される部分水素化フッ素樹脂では、融点が260℃以上であることが知られている(例えば、ダイキン工業株式会社のネオフロン(登録商標)ETFEのEP−500系カタログ、Dyneon(登録商標)のカタログ)。低融点タイプのETFE樹脂であるとして知られているダイキン工業株式会社製のネオフロン(登録商標)ETFEのEP600系シリーズでも融点が218〜228℃である(ダイキン工業株式会社のネオフロン(登録商標)ETFEのEP−600系カタログ)。
このようなETFE樹脂を230℃以下で収縮させた場合、収縮不十分となる場合がある。近年、航空機分野では、細い素線を網状に編成した平型電線が用いられるようになっており、このような平型電線の被覆用チューブでは、2倍以上拡径した熱収縮チューブを用いる必要がある。しかしながら、収縮が不十分な場合、密着被覆させることが困難である。
従って、平型電線の被覆材として用いる熱収縮チューブでは、耐熱性、透明性、座屈耐性のほかに、さらに、230℃以下でも1/2以下に熱収縮できることが求められる。
しかしながら、現行の熱収縮チューブでは、いずれも上記要求のすべてを充足することができないのが現状である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被覆される電気接続部品の信頼性保持できるような温度、具体的には230℃以下で熱収縮することができ、さらに熱収縮後も透明性を保持し、またさらに、平型電線の被覆材として適用できる熱収縮チューブ及び当該チューブの材料となる樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、種々のフッ素系共重合体について架橋可能な樹脂組成物を調製し、調製した組成物について、溶融成形性、230℃以下での熱収縮性を検討した。
検討の結果、平型電線の被覆に適用した場合、円筒形パイプや複数本を集束してなる太い径のワイヤの被覆に適応した場合では予測できなかった新たな問題が生じることが見出された。通常、平型電線を熱収縮チューブで被覆しようとする場合、通常、図1に示すように、熱収縮チューブ1内に平型電線2を挿通させた状態で加熱処理して、熱収縮チューブ1を熱収縮させる。このとき、図2に示すように、平型電線2のエッジ部2aで収縮後のチューブ1’の膜が破れたりすることがある。また、平型電線2を構成している素線の一部が何らかの理由で切断していたために、ブレードワイヤから突き出ていた場合には、図3に示すように、突き出た素線3が熱収縮したチューブ1’の膜を突き破ることがある。
本発明者らは、さらに平型電線の被覆に用いた場合に生じる図2及び図3に示すような問題についても検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の熱収縮チューブ用樹脂組成物は、構成モノマー単位として、少なくともテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロポリプロピレン、及びエチレンを含む部分水素化フッ素樹脂;並びに多官能性モノマーを含有するフッ素系樹脂の組成物であって、前記樹脂組成物をチューブ状に成形した成形品を電子線照射により架橋してなるチューブ状成形品(以下、「架橋チューブ」という)を、前記部分水素化フッ素樹脂の融点以上の温度で2倍拡径した後、さらに前記部分水素化フッ素樹脂の融点以上の温度をかけて熱収縮させたチューブサンプル(膜厚0.8mm)の230℃雰囲気下での100%モジュラスが1.0kg/cm2以上である。
前記部分水素化フッ素樹脂の融点は215℃以下であることが好ましい。また、前記架橋チューブを、該架橋チューブの内径の2倍拡径してなるチューブのフィルム(厚み0.4mm)に、常温雰囲気下で針(径0.3mm)を突き刺したときに破断する突き刺し荷重が20g以上であることが好ましい。
さらに、前記部分水素化フッ素樹脂における前記各構成モノマー単位の含有率は、テトラフルオロエチレン40〜70モル%、エチレン20〜45モル%、ヘキサフルオロポリプロピレン10〜30モル%であることが好ましい。また、前記部分水素化フッ素樹脂は、さらに、CH=CF(CF2)nH(式中、nは2〜10の整数である)で示されるモノマー単位を含んでいてもよい。
前記多官能性モノマーは、少なくとも2つのアリル基を含有する化合物であって、前記部分水素化フッ素樹脂100質量部あたり、0.3〜10質量部含有されていることが好ましい。
本発明の架橋チューブは、構成モノマー単位として、少なくともテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロポリプロピレン、及びエチレンを含む部分水素化フッ素樹脂;並びに多官能性モノマーを含有するフッ素系樹脂の組成物をチューブ状に押出し、電子線照射により架橋してなるものである。
また、本発明の熱収縮チューブは、本発明の架橋チューブを、該架橋チューブの内径の少なくとも2倍以上拡径されているものであり、より好ましくは、該架橋チューブの内径の3倍以上拡径されていて、且つ拡径後のチューブ膜厚が0.5mm以下のものである。
本発明の熱収縮チューブ用樹脂組成物は、比較的低温で溶融成形可能であり、熱収縮後も透明性を保持し、しかも径1/2以下に収縮できる熱収縮チューブを提供できる。また、本発明の熱収縮チューブは、平型電線のようにエッジ部がある電線の被覆にも適用できる。
平型電線の被覆に熱収縮チューブを適用する場合を説明するための図である。 平型電線の被覆に熱収縮チューブを適用した場合の問題点を説明するための図である。 平型電線の被覆に熱収縮チューブを適用した場合の問題点を説明するための図である。
〔熱収縮チューブ用樹脂組成物〕
<部分水素化フッ素樹脂>
はじめに、本発明の熱収縮チューブ用樹脂組成物の主成分となる部分水素化フッ素樹脂について説明する。
本発明で用いられる部分水素化フッ素樹脂は、構成モノマー単位として、少なくともヘキサフルオロポリプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、及びエチレン(Et)を含むものである。以下、本発明で用いる部分水素化フッ素樹脂を、構成モノマー単位の頭文字をとってHTE系共重合体という。
HTE系共重合体は、上記構成モノマー(テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロポリプロピレン、及びエチレン)を、重合開始剤存在下で重合することにより得られる。
前記HTE系共重合体における上記構成モノマー単位の含有率は、テトラフルオロエチレン40〜70モル%、エチレン20〜45モル%、ヘキサフルオロポリプロピレン10〜30モル%の範囲とすることが好ましい。このような割合の三元共重合体は、融点が215℃以下とすることが可能である。
前記HTE系共重合体は、構成モノマー単位として、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロポリプロピレン、及びエチレンの他に、さらに下記式で示されるフルオロビニル化合物をモノマー単位として含んでもよい。
CH=CF(CF2)n
式中、nは2〜10の整数であり、好ましくは2〜5である。このフルオロビニル化合物構成単位の含有率は、HTE系共重合体あたり、0〜10モル%とすることが好ましい。
さらに、本発明の目的を阻害しない範囲内であれば、HTE系共重合体の構成モノマー単位として、1,1−ジヒドロパーフルオロプロペン−1、1,1−ジヒドロパーフルオロブテン−1、ヘキサフルオロプロペン、3,3,3−トリフルオロプロペン等のフッ素化オレフィン;パーフルオロアルキルビニルエーテル;CH=CF(CF2)x(CH2)yOH(式中、xは0〜2、yは1〜3の整数)で表わされるヒドロキシ含有フッ素化オレフィンなどが共重合されていてもよい。
本発明で用いるHTE系共重合体は、以上のようなモノマー組成を有し、さらに融点215℃以下であることが好ましく、また265℃、5kg荷重におけるメルトインデックス(MI)が3〜50(g/10min)であることが好ましい。
以上のような要件を充足するHTE系共重合体としては、具体的には、3MグループのDyneon社製HTE1510(融点160℃、MI=10、265℃×5kg)、HTE1705(融点210℃、MI=4、265℃×5kg)やダイキン製ネオフロンRP4020(融点160℃、MI=25〜50、265℃×5kg)、ネオフロンRP4040(融点160℃、MI=3〜8、265℃×5kg)、ネオフロンRP5000(融点195℃、MI=20〜30、265℃×5kg)などがあげられる。
このように融点215℃以下のHTE系共重合体を主体とすることにより、樹脂組成物の架橋体を、230℃以下で熱収縮させることができ、被覆される部品の信頼性、特に230℃以上の高温に曝すことができない部品を含む電線等の被覆に用いる熱収縮チューブの材料として用いることが可能となる。
<多官能性モノマー>
本発明で使用される多官能性モノマーとしては、分子内に炭素―炭素不飽和結合を2以上有する、種々の化合物を用いることができる。例えば、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールプロパンテトラアクリレート等があげられる。これらのうち、分子内に2つ以上のアリル基を有する化合物が好ましく、より好ましくは、トリアリルシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルベンジルイソシアヌレート、ジアリルカルボキシメチルイソシアヌレート等の2個以上のアリル基含有シアヌレート類である。
上記多官能性モノマーは、後述する電離放射線照射による架橋において、架橋助剤として機能することができる。
多官応性モノマーの種類、配合量は、調製した樹脂組成物について、以下の物性を充足するように、HTE系共重合体の種類に応じて選択すればよい。その物性とは、調製した樹脂組成物をチューブ状に成形した成形品を電子線照射により架橋してなるチューブ状成形品(架橋チューブ)を、組成物の主成分となるHTE系共重合体の融点以上の温度下で2倍拡径した後、さらに前記HTE系共重合体の融点以上の温度をかけて熱収縮させたチューブサンプルのフィルム(膜厚0.8mm)の230℃雰囲気下で引っ張り試験したときの100%モジュラスが、1.0kg/cm2以上である。
具体的には、HTE系共重合体100質量部あたり、0.3〜10質量部の割合で配合されることが好ましく、より好ましくは、0.4〜10質量部である。
0.3質量部未満では、連続使用可能温度が200℃未満となり、高度の耐熱性は得られない。また、十分な架橋が行われないため、架橋による強度向上効果が不十分なためと推察されるが、平型電線の被覆に用いると、図2、図3で示したような問題が生じやすくなる。一方、多官応性モノマーの配合量が10質量部を超えると、架橋が過剰となって剛性が高くなりすぎるため、得られる架橋体は2倍膨張することができても、3倍膨張が困難となる。
<樹脂組成物の調製>
本発明の熱収縮チューブ用樹脂組成物は、HTE系共重合体及び多官能性モノマーを含有するもので、調製した樹脂組成物をチューブ状に成形した成形品を電子線照射により架橋してなるチューブ状成形品(架橋チューブ)を、当該組成物の主成分となるHTE系共重合体の融点以上の温度下で2倍拡径した後、さらに前記HTE系共重合体の融点以上の温度をかけて熱収縮させたチューブサンプルのフィルム(膜厚0.8mm)の230℃雰囲気下で引っ張り試験したときの100%モジュラスが、1.0kg/cm2以上となるものである。
本発明の熱収縮チューブ用樹脂組成物は、HTE系共重合体及び多官能性モノマーを所定比率で配合することにより調製できる。HTE系共重合体及び多官能性モノマーの他、本発明の目的を損なわない範囲内で他のフッ素系樹脂を添加混合してもよい。
他のフッ素系樹脂としては、HTE系共重合体以外の部分水素化フッ素樹脂、パーフルオロ系フッ素樹脂、フッ素系樹脂エラストマーなどがあげられる。
具体的には、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロペンテン二元共重合エラストマー、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロペンテン−テトラフルオロエチレン三元共重合エラストマー、テトラフルオロエチレン−プロピレン二元共重合エラストマー等のフルオロエラストマーをブレンドしてもよいし、さらには、これらのフルオロエラストマーにETFE系のフルオロポリマーやPVDF系のフルオロポリマーをグラフトしたポリマーをブレンドしてもよい。これらの他のフッ素系樹脂を含有する場合には、上述した、架橋フィルムの100%モジュラスについての特性を満足する必要があることから、ポリマー成分の40質量%以下とすることが好ましい。
さらに、透明性があまり要求されない場合には、酸化亜鉛(亜鉛華)等の加硫促進剤、導体を腐食するふっ酸の発生を抑制する効果のある酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の無機系の受酸剤を配合してもよい。
さらに以上の成分のほか、必要に応じて、シリカ、タルク、クレー等の無機充填剤、滑剤、酸化防止剤、可塑剤などの添加剤を含有してもよい。
樹脂組成物の調製方法は特に限定しないが、以上の成分を配合し、オープンロールミキサー、バンバリーミキサー、加圧型ニーダー、単軸混合機、2軸混合機等の既知の混合装置を用いて混合することにより調製できる。好ましくは二軸混合機である。
本発明の熱収縮チューブ用樹脂組成物は、上記混練等の手段により配合させてそのまま各種成形を施してもよいし、ペレットなどの成形粉に加工した後、各種成形に用いてもよい。本発明の樹脂組成物を熱収縮チューブの製造に用いる場合、ペレタイザー等を用いてペレット化してもよく、ストランドカッターやファンカッターなどを利用してもよい。
本発明の熱収縮チューブ用樹脂組成物の成形は、公知の成形手段、溶融押出成形、押出成形、射出成型、プレス成型などにより行うことができる。成形方法は特に限定しないが、230℃以下で溶融成形可能であるという特徴を有している。
以上のような特性を備えた本発明の樹脂組成物は、チューブ状成形物を架橋して得られる架橋チューブを、2倍、好ましくは3倍以上に拡径することが可能である。さらに、230℃以下で熱収縮することが可能である。さらにまた、架橋後も優れた透明性を有している。
本発明の熱収縮チューブ用樹脂組成物は、好ましくは、前記樹脂組成物をチューブ状に成形した成形品を電子線照射により架橋してなるチューブ(架橋チューブ)を、2倍拡径してなる熱収縮チューブのフィルム(フィルム厚み0.4mm)を、常温雰囲気下で針(径0.3mm)を突き刺したときに破断する突き刺し荷重が20g以上である。
ここで、架橋するための電子線照射は、樹脂組成物の具体的組成、成形体の膜厚などにより適宜選択されるが、通常、加速電圧は1〜5MeV、照射線量30〜500kGyの範囲内で適宜選択される。
突き刺し荷重の測定は、熱機械分析装置(TMA)を用いて測定する。このTMAに、径0.3mmの押込針を取り付け、室温下(25℃)、5g/分の押込速度で、フィルムに針を押し込んでいき、フィルム厚み残率が0%(貫通状態)のなるときの荷重をいう。
〔チューブ状成形品(架橋チューブ)〕
本発明の架橋チューブは、上記本発明の樹脂組成物をチューブ状に成形し、次いで電子線照射により架橋したものである。
チューブの成形は、公知の成形手段、押出被覆、押出成形、射出成型、プレス成型などの手段により行うことができるが、溶融押出成形が好ましく用いられる。
押出機の種類は特に限定せず、スクリュー式、非スクリュー式のいずれもよいが、好ましくはスクリュー式である。
溶融押出成形の場合、押出成形温度は特に限定しないが、通常、成形材料である樹脂組成物に含まれる部分水素化フッ素共重合体の融点より10〜50℃程度高い温度が選ばれる。
本発明の架橋チューブのチューブフィルムの肉厚は、0.01〜0.5mmであることが好ましい。通常、チューブフィルムの厚を厚くするほど、耐突き刺し性を満足することは容易となるが、分厚くなるに従い、可撓性が低下し、また透明性も低下する。本発明の樹脂組成物は、高温下での機械的強度、特に耐突き刺し性に優れているので、膨張後のフィルム厚みが0.01〜0.5mm程度でも使用可能である。この程度の厚みでも耐突き刺し性を満足できることは、可撓性、透明性の観点からも有利である。
電子線照射架橋に用いる電子線としては、加速電子線やγ線、X線、α線、紫外線などが挙げられる。線源利用の簡便さや電離放射線の透過厚み、架橋処理の速度等、工業的利用の観点から、加速電子線が最も好ましく利用できる。
加速電子線の加速電圧は、架橋チューブのチューブフィルムの厚みによって適宜設定すればよい。例えば、厚み50μm〜200μmのチューブでは、加速電圧は1〜5MeVの間で選定される。照射線量は特に限定しないが、30〜500kGyで十分な架橋度が得られる。
電子線照射は、低酸素下、酸素不在下で行うことが好ましい。酸素存在下では、フッ素系樹脂の分解が先行して、架橋反応が阻害される。
〔熱収縮チューブ〕
本発明の熱収縮チューブは、上記本発明の架橋チューブを、冷却固定したものである。
架橋チューブの拡径は、当該チューブの材料である樹脂組成物の主成分となるHTE系共重合体の融点以上の温度に加熱した状態で、チューブ内に圧縮空気を導入する等の方法により行うことができる。
拡径、膨張は、2倍以上、好ましくは3倍以上である。平型電線の被覆に用いる場合、一般に流通している平型電線の挿通を安定的に行うためには、3倍程度の膨張したものであることが好ましい。
所定の内径にまで拡径した後、冷却して拡径形状を固定すると、熱収縮チューブとなる。冷却方法は特に限定しないが、チューブを水冷、冷風下に放置等することにより行うことができ、好ましくは水冷である。
本発明の熱収縮チューブは、上記のようにして、膨張状態(拡径状態)を固定したチューブ状成形品である。熱収縮チューブは、再度、組成物の主成分である部分水素化フッ素共重合体の融点以上に加熱することにより、元のサイズの形状に収縮する。
以上のようにして形成される本発明の熱収縮チューブは、耐熱性、透明性に優れ、さらには高温での機械的強度、特に、耐突き刺し性に優れている。従って、内部構造の確認などが求めらるような接続部分や電線のように可撓性が要求されるワイヤの被覆に好適である。さらに、耐突き刺し性に優れているので、平型電線の被覆材や、金属線の一部、先端があたるようなおそれがある細線を集束、編成してなる電線の被覆用チューブとしても好適に利用できる。
なお、熱収縮チューブによる密着被覆を達成するために、熱収縮チューブと該チューブ内に挿通した電線等の接続部品との間に、半田などを介在させた状態で、熱収縮させてもよい。
本発明を実施するための形態を実施例により説明する。下記実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
〔測定・評価方法〕
(1)引っ張り特性(MPa)
(1−1)初期
樹脂組成物をチューブ状に押出成形した後、電子線照射で架橋して、チューブ状成形品(架橋チューブ)を作製し、次いで、この架橋チューブを押出成形時の内径の2倍に拡径した熱収縮チューブを作製した。この熱収縮チューブを、組成物の主成分となるフッ素系樹脂の融点以上に加熱して熱収縮させることにより測定用サンプルを得た。この測定用サンプルを用いて、JIS K6301「加硫ゴム物理試験方法」の第3項「引張試験」の試験方法に準じて、引張強さ(MPa)及び破断伸び(%)を測定した。
(1−2)250℃×7日放置後
(1−1)で作製した測定用サンプルを250℃のギヤオーブン中で、168時間(7日間)放置後、(1−1)と同様にして、引張強さ(MPa)及び破断伸び(%)を測定した。熱老化後の引張強さが8.2MPa以上、老化後破断伸びが200%以上を充足できないものは耐熱性が不十分と判定した。
(2)高温下での100%モジュラス(kg/cm
(1−1)で作製した測定用サンプルを、230℃に設定した恒温槽に3分間放置した後、取り出し、引張速度50mm/分で引張試験を行い、100%モジュラスを測定した。
(3)突刺強度(g)
(1−1)で作製した架橋チューブを、押出成形時のチューブの内径の2倍に拡径して熱収縮チューブを作製した。この熱収縮チューブについて、突き刺し強度を測定した。
突き刺し荷重の測定は、熱機械分析装置(TMA)を用いて測定した。このTMAに、径0.3mmの押込針を取り付け、室温下(25℃)、5g/分の押込速度で、チューブフィルムに針を押し込んでいき、フィルム厚み残率が0%(貫通状態)のなるときの荷重(g)を調べた。
(4)被覆性
外径0.15mmの錫メッキ軟銅線を6本撚りし、この撚り線をさらに16本撚りし、平型導体(長径4mm×短径0.8mmの平型導体)を用いて、被覆性を調べた。この平型導体は、実際に航空機用途に用いられるブレードワイヤーに該当する。
作製した熱収縮チューブ(長さ100mm)内に、上記平型導体を図1のように挿通させ、230℃に設定した恒温槽に3分間放置することにより熱収縮させた。熱収縮チューブは、平型導体を被覆するように収縮する。この際、平型導体のエッジ部分における熱収縮チューブの破損の有無(図2参照)、熱収縮チューブが破れて、導体素線が露出(図3参照)していないかどうかを目視で観察した。
各組成物を用いて製造した3倍膨張の熱収縮チューブ10本について上記試験を行い、10本のうち、1本以上のエッジ破損又は素線の露出が認められた場合には、不良(×)とした。エッジ破損、素線の露出が認められなかった場合は、良好(○)とした。
(5)透明性
架橋チューブについて、波長400〜800nmの光の平均透過率を、分光光度計を用いて測定した。75%以上の平均透過率を示すものは、透明性を満足する。60%以下では、黄変が認められたことになる。
(6)熱膨張性
架橋チューブの一端を閉じ、他端に圧縮空気の配管を接続した状態で、各樹脂組成物の溶融成形温度に設定した恒温槽にいれ、配管から圧縮空気を送り込んで、チューブを2倍膨張、さらには3倍膨張(外径7.5mm)させた。2倍膨張、3倍膨張にあたり、チューブに割れが生じていないかを観察した。割れが認められなかった場合を「○」とした。
(7)熱収縮性
3倍膨張して作製した熱収縮チューブ内に、外径5mmのアルミニウム棒を挿通し、230℃に設定した恒温槽内に3分間放置して、熱収縮させた。その後、取り出して、熱収縮チューブのアルミニウム棒の密着状態を目視で観察して、熱収縮性を評価した。アルミニウム棒に密着したものは、熱収縮性良好であり、熱収縮しなかったもの、あるいは熱収縮したがアルミウム棒に密着しなかったものは熱収縮性不良(×)とした。
〔樹脂組成物の調製並びに収縮チューブの製造及び評価〕
各種フッ素系共重合体(融点が異なる3種類のHTE系共重合体、3種類のTHV系共重合体、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ETFE樹脂)及び多官応性モノマー(トリアリルイソシアヌレート(TAIC)又はトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPM))を下記表に示す質量割合質量で混合し、180℃(HTE1705を用いた場合には240℃)に設定した二軸混合機を用いて、溶融、混練して、樹脂組成物を調製した。
調製した樹脂組成物を、ペレタイザーを用いてペレット化した。得られたペレットを、単軸溶融押出機(直径30mm、L/D=24)を用いてチューブ状に押出成形し、次いで、加速電圧2MeV、表に示す線量の電子線照射をして架橋させることにより、内径2.5mm、肉厚0.8mmの架橋チューブを得た。押出成形温度は、HTE系共重合体1,3を用いたときは180℃、HTE系共重合体2を用いたときは240℃、THV系共重合体、PVDF系共重合体又はETFE系共重合体を用いたときは、各共重合体の融点より30℃高い温度である。
得られた架橋チューブの一端を閉じ、他端に圧縮空気の配管を接続した状態で、各樹脂組成物の溶融押出成形温度に設定した恒温槽にいれ、配管から圧縮空気を送り込んで、チューブを2倍膨張(外径5mm)、3倍膨張(外径7.5mm)にまで拡径させた後、直ちに恒温槽から取り出し、水冷することで、熱収縮チューブを作製した。
作製した架橋チューブ、熱収縮チューブを用いて、上記評価方法に基づいて、突刺強度、引張特性、被覆性、100%モジュラス、透明性、膨張性、熱収縮性について評価した。なお、熱膨張性については、熱収縮チューブ作製に際して行う膨張処理時に観察することにより評価した。
フッ素系ポリマーとして、HTE系共重合体を用いた組成物No.1〜10の組成及び評価結果を表1に、他のフッ素系ポリマーを用いた組成物No.11〜18の組成及び評価結果を表2に示す。
尚、表中のフッ素系共重合体は、以下の通りである。
HTE1:3MグループのDyneon社製のHTE1510(融点160℃、MIは10(265℃×5kg))
HTE2:3MグループのDyneon社製のHTE1705(融点210℃、MIは4(265℃×5kg))
HTE3::ダイキン製のネオフロンRP4020(融点160℃、MIは25〜50(265℃×5kg))
THV1:3MグループのDyneon社製のTHV220(VdF(フッ化ビニリデン)、TFE(四フッ化エチレン)、HFP(六フッ化プロピレン)の三元共重合体で、融点120℃)
THV2:3MグループのDyneon社製のTHV610(VdF(フッ化ビニリデン)、TFE(四フッ化エチレン)、HFP(六フッ化プロピレン)の三元共重合体で、融点185℃
THV3:3MグループのDyneon社製のTHV815(VdF(フッ化ビニリデン)、TFE(四フッ化エチレン)、HFP(六フッ化プロピレン)の三元共重合体で、融点225℃)
PVDF:アルケマ製のカイナー2800(VdF(フッ化ビニリデン)とTFE(四フッ化エチレン)の二元共重合体で、融点145℃)
ETFE:3MグループのDyneon社製のET6235で、融点267℃、MIは10(297℃×5kg)
表中のポリマーの括弧内の数値は、樹脂の融点を示す。
Figure 2011162668
Figure 2011162668
No.1〜7は、部分水素化フッ素樹脂としてHTE系共重合体を用いた樹脂組成物である。多官能性モノマーの配合量を適量とすることにより、いずれも架橋チューブを2倍拡径した後、熱収縮した後のチューブについて、230℃での100%モジュラスが1.0kg/cm以上であり、本発明の実施例に該当する。耐熱老化試験後も初期の引張特性を保持しており、膨張性、熱収縮性、透明性を満足していた。さらに、架橋チューブを2倍に拡径してなる熱収縮チューブの状態において、突刺強度が20g以上である。従って、被覆性も満足することができた。
No.8は、部分水素化フッ素樹脂として、HTE系共重合体を用いた樹脂組成物であるが、拡径後、熱収縮させたチューブサンプルの230℃での100%モジュラスが1.0kg/cm未満であった。多官能性モノマーの含有量が少ないために架橋度が不十分となったためと考えられる。架橋が不十分な場合は、拡径してなる熱収縮チューブのフィルムは、耐突き刺し強度も充足できなかったため、被覆性を満足することができなかった。一方、多官能性モノマーの含有率が多くなると(No.9)、拡径後、熱収縮させたチューブは、高温時の100%モジュラスを充足し、拡径してなる熱収縮チューブのフィルムについても、耐突き刺し強度を充足することができた。しかしながら、剛性が高いため、2倍膨張には適用できるが、3倍膨張を要する平型電線には適用できなかった。
No.10は、多官能性モノマーを含有していないので、電子線照射しても架橋しなかった。すなわち、架橋チューブ自体を作製できなかった。そして、ポリマーの融点以上に加熱する熱老化試験で溶融した。このため、融点以上の加熱処理が必要となる高温下での100%モジュラス、膨張性、熱収縮性の評価を行うことができなかった。被覆試験は行わなかった。
No.11は、部分水素化フッ素樹脂としてETFE樹脂を用いた場合である。融点が高いため、融点以上である290℃で2倍膨張、3倍膨張させることはできたが、ワイヤの品質保持の観点からユーザー側が求める230℃では収縮させることができなかった。なお、230℃の加熱による熱収縮被覆を行うことができなかったため、被覆性は評価しなかった。
No.15、16は、部分水素化フッ素樹脂として、融点230℃以下のTHV系フッ素樹脂を用いた場合である。いずれも、多官能性モノマーが共存するにもかかわらず、融点以上に加熱する熱老化試験で溶融した。多官能性モノマーの共存下であっても、電子線照射による架橋が十分行うことができなかったと考えられる。従って、融点以上の加熱処理が必要となる高温下での100%モジュラス、膨張性、熱収縮性の評価を行うことができなかった。被覆試験は行わなかった。
No.17は、部分水素化フッ素樹脂として、融点210℃以下のPVDFを用いた場合である。多官能性モノマーが共存するにもかかわらず、融点以上に加熱する熱老化試験で溶融した。多官能性モノマーの共存下であっても、電子線照射による架橋を十分行うことができなかったと考えられる。このため、融点以上の加熱処理が必要となる高温下での100%モジュラス、膨張性、熱収縮性の評価を行うことができなかった。被覆試験は行わなかった。
No.15−17から、融点が230℃以下の部分水素化フッ素樹脂で、多官能性モノマー共存下であっても、電子線照射による架橋が十分に行えない場合があることがわかる。
No.18は、PVDFを使用し、多官能性モノマーの含有量を増大した場合である。No.18では、架橋度があがったためか、耐熱老化試験で溶融しなかった。さらに被覆性を満足することができた。しかしながら、2倍膨張は可能であったが、3倍膨張することができなかった。
No.12−14は、部分水素化フッ素樹脂として、融点210℃以下のTHV系樹脂を用いた組成物である。230℃での100%モジュラスが1.0kg/cm以上であり、初期引っ張り特性、さらには耐熱老化試験後の引張特性も問題なかった。また、3倍膨張が可能であり、230℃以下で熱収縮することもできた。しかしながら、架橋チューブを拡径してなる熱収縮チューブについては、チューブフィルムの突刺強度が20g未満であったことから、被覆性を満足することができなかった。被覆性については、高温での引張強度以外の特性が影響しており、フッ素系樹脂の構成が関与すると考えられる。なお、No.14では、多官能性モノマーの含有量がNo.12、13と比べて多い場合であり、架橋度が高くなったためと思われるが、剛性が大きくなり、その結果、3倍膨張させようとするとひび割れが生じた。熱収縮性は評価しなかった。
本発明の熱収縮チューブ用樹脂組成物は、比較的低温で溶融成形可能でありながら、高温での機械的強度に優れ、しかも透明性が維持されているので、部品の信頼性との関係で230℃以下での熱処理による収縮しかできない電線や電気機器部品を被覆する熱収縮チューブの材料、及び熱収縮チューブに利用できる。

Claims (9)

  1. 構成モノマー単位として、少なくともテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロポリプロピレン、及びエチレンを含む部分水素化フッ素樹脂;並びに多官能性モノマーを含有するフッ素系樹脂の組成物であって、
    前記樹脂組成物をチューブ状に成形した成形品を電子線照射により架橋してなるチューブ状成形品(以下、「架橋チューブ」という)を、前記部分水素化フッ素樹脂の融点以上の温度で2倍拡径した後、さらに前記部分水素化フッ素樹脂の融点以上の温度をかけて熱収縮させたチューブサンプル(膜厚0.8mm)の230℃雰囲気下での100%モジュラスが1.0kg/cm2以上である熱収縮チューブ用樹脂組成物。
  2. 前記部分水素化フッ素樹脂の融点は215℃以下である請求項1に記載の熱収縮チューブ用樹脂組成物。
  3. 前記架橋チューブを、該架橋チューブの内径の2倍拡径してなるチューブのフィルム(厚み0.4mm)に、常温雰囲気下で針(径0.3mm)を突き刺したときに破断する突き刺し荷重が20g以上である請求項1又は2に記載の熱収縮チューブ用樹脂組成物。
  4. 前記部分水素化フッ素樹脂における前記各構成モノマー単位の含有率は、テトラフルオロエチレン40〜70モル%、エチレン20〜45モル%、ヘキサフルオロポリプロピレン10〜30モル%である請求項1〜3のいずれかに記載の熱収縮チューブ用樹脂組成物。
  5. 前記部分水素化フッ素樹脂は、さらに、CH=CF(CF2)nH(式中、nは2〜10の整数である)で示されるモノマー単位を含んでいる請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱収縮チューブ用樹脂組成物。
  6. 前記多官能性モノマーは、少なくとも2つのアリル基を含有する化合物であって、前記部分水素化フッ素樹脂100質量部あたり、0.3〜10質量部含有されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱収縮チューブ用樹脂組成物。
  7. 構成モノマー単位として、少なくともテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロポリプロピレン、及びエチレンを含む部分水素化フッ素樹脂;並びに多官能性モノマーを含有するフッ素系樹脂の組成物をチューブ状に押出し、電子線照射により架橋してなる架橋チューブ。
  8. 請求項7に記載の架橋チューブを、該架橋チューブの内径の少なくとも2倍以上拡径されている熱収縮チューブ。
  9. 請求項7に記載の架橋チューブを、該架橋チューブの内径の3倍以上拡径されていて、且つ拡径後のチューブ膜厚が0.5mm以下である熱収縮チューブ。
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