JPH09288914A - 熱器具用絶縁電線 - Google Patents

熱器具用絶縁電線

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JPH09288914A
JPH09288914A JP8102870A JP10287096A JPH09288914A JP H09288914 A JPH09288914 A JP H09288914A JP 8102870 A JP8102870 A JP 8102870A JP 10287096 A JP10287096 A JP 10287096A JP H09288914 A JPH09288914 A JP H09288914A
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JP
Japan
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weight
tetrafluoroethylene
coating layer
parts
copolymer
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Pending
Application number
JP8102870A
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English (en)
Inventor
Kazufumi Kimura
一史 木村
Ikuo Seki
育雄 関
Hideki Yagyu
秀樹 柳生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Cable Ltd filed Critical Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可撓性、耐熱性および耐傷性に優れた熱器具
用絶縁電線を提供するものである。 【解決手段】 導体2の外周に、順次、内部被覆層3お
よび外部被覆層4を形成した熱器具用絶縁電線1におい
て、上記内部被覆層3が60〜95重量%のテトラフル
オロエチレン−プロピレン系共重合体と5〜40重量%
のエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体とで構
成されるふっ素系ポリマ100重量部に対して、炭酸カ
ルシウム、クレー、またはタルクから選択される少なく
とも1種の充填剤を140重量部以下添加してなる組成
物でなり、上記外部被覆層4がふっ素樹脂でなり、該内
部被覆層3と該外部被覆層4とが剥離可能に構成されて
いるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱器具用絶縁電線
に係り、特に、耐傷性に優れた熱器具用絶縁電線に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】アイロン、電気炊飯器、電子レンジなど
の熱器具に用いられる絶縁電線は、耐熱性をはじめ、可
撓性、機械特性、難燃性などにおいて、高度の性能が要
求されている。
【0003】現在、これらの要求を満たす絶縁電線とし
て、ガラス編組またはアスベストガラステープで補強し
たシリコーンゴム被覆電線、あるいは四ふっ化エチレン
(テトラフルオロエチレン)樹脂被覆電線などが用いら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
絶縁電線は、端末加工する際の作業性があまり良好でな
く、また、耐熱性も十分とはいえず、温度が上昇すると
熱分解を起こすおそれもある。後者の絶縁電線は、可撓
性に劣っているため取扱性が悪いという問題があり、使
用範囲に制限があった。
【0005】そこで、本発明は、上記課題を解決し、可
撓性、耐熱性および耐傷性に優れた熱器具用絶縁電線を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1の発明は、導体の外周に、順次、内部被覆層
および外部被覆層を形成した熱器具用絶縁電線におい
て、上記内部被覆層が60〜95重量%のテトラフルオ
ロエチレン−プロピレン系共重合体と5〜40重量%の
エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体とで構成
されるふっ素系ポリマ100重量部に対して、炭酸カル
シウム、クレー、またはタルクから選択される少なくと
も1種の充填剤を140重量部以下添加してなる組成物
でなり、上記外部被覆層がふっ素樹脂でなり、該内部被
覆層と該外部被覆層とが剥離可能に構成されているもの
である。
【0007】請求項2の発明は、上記ふっ素樹脂は、ポ
リビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン−
ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエ
チレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体、およびエチレン−クロロトリフルオロエチレン共重
合体から選択される少なくとも1種である請求項1記載
の熱器具用絶縁電線である。
【0008】請求項3の発明は、上記内部被覆層が電離
性放射線の照射により架橋されている請求項1記載の熱
器具用絶縁電線である。
【0009】上記数値範囲を限定した理由を以下に述べ
る。
【0010】テトラフルオロエチレン−プロピレン系共
重合体とエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体
との重量比を、60/40〜95/5の範囲に限定した
理由は、テトラフルオロエチレン−プロピレン系共重合
体の重量比が60%より少ない(エチレン−テトラフル
オロエチレン系共重合体の重量比が40%より多い)
と、可撓性が損なわれると共に伸びが著しく低下するた
めである。また、テトラフルオロエチレン−プロピレン
系共重合体の重量比が95%より多い(エチレン−テト
ラフルオロエチレン系共重合体の重量比が5%より少な
い)と、強度が低下すると共に、充填剤を多量に添加し
た場合の耐寒性が大幅に低下するためである。
【0011】テトラフルオロエチレン−プロピレン系共
重合体とエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体
とで構成されるふっ素系ポリマ100重量部に対する充
填剤の添加量を140重量部以下に限定した理由は、添
加量が140重量部より多いと、引張強さや伸びなどの
機械特性および耐寒性が大幅に低下するためである。
【0012】以上の構成によれば、導体の外周を被覆す
る組成物のテトラフルオロエチレン−プロピレン系共重
合体とエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体と
の重量比およびふっ素系ポリマと充填剤との混合比を調
節し、組成物との剥離性が良好なふっ素樹脂で組成物の
外周を被覆したため、可撓性、耐熱性および耐傷性に優
れた熱器具用絶縁電線を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0014】図1に示すように、本発明の熱器具用絶縁
電線1は、導体2の外周を内部被覆層3で被覆し、その
内部被覆層3の外周を外部被覆層4で被覆したものであ
る。
【0015】内部被覆層3は、テトラフルオロエチレン
−プロピレン系共重合体とエチレン−テトラフルオロエ
チレン系共重合体とで構成されるふっ素系ポリマに充填
剤を添加した組成物でなるものである。また、外部被覆
層4は、ふっ素樹脂でなるものである。
【0016】テトラフルオロエチレン−プロピレン系共
重合体は、主成分であるテトラフルオロエチレンおよび
プロピレンと、これらと共重合可能な成分とで構成され
る。
【0017】テトラフルオロエチレンおよびプロピレン
と共重合可能な成分として、例えば、エチレン、ブテン
−1、イソブテン、アクリル酸およびそのアルキルエス
テル、メタクリル酸およびそのアルキルエステル、ふっ
化ビニル、ふっ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペ
ン、クロロエチルビニルエーテル、グリシジルビニルエ
ーテル、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロア
ルキルビニルエーテルなどが挙げられる。
【0018】テトラフルオロエチレン−プロピレン系共
重合体は、耐熱性、成形性などの面から、テトラフルオ
ロエチレンとプロピレンとのモル比が95/5〜30/
70の範囲であることが好ましく、特に、90/10〜
45/55の範囲であることが望ましい。
【0019】主成分以外の成分の含有量は、主成分に対
して50モル%以下の範囲であることが好ましく、特
に、30モル%以下の範囲であることが望ましい。
【0020】また、エチレン−テトラフルオロエチレン
系共重合体としては、エチレン−テトラフルオロエチレ
ン−フルオロオレフィン共重合体を用いることが好まし
い。
【0021】フルオロオレフィンとしては、例えば、ク
ロロトリフルオロエチレン、ふっ化ビニリデン、トリフ
ルオロエチレン、1,1−ジヒドロパーフルオロプロペ
ン−1、1,1−ジヒドロパーフルオロブデン、1,
1,5−トリヒドロパーフルオロペンテン−1、1,
1,7−トリヒドロパーフルオロペンテン−1、1,
1,2−トリヒドロパーフルオロヘキセン−1、1,
1,2−トリヒドロパーフルオロオクテン−1、パーフ
ルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチ
ルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロペン、パーフ
ルオロブデン−1、3,3,3−トリフルオロ−2−ト
リフルオロメチルプロペン−1などが挙げられる。
【0022】エチレン−テトラフルオロエチレン系共重
合体は、エチレン単位と、テトラフルオロエチレン単位
と、フルオロオレフィン単位とでなるものであり、それ
ぞれの含有モル比(エチレン/テトラフルオロエチレン
/フルオロオレフィン)が、10〜40/90〜60/
0.1〜20であることが好ましい。
【0023】ふっ素系ポリマに添加される充填剤として
は、炭酸カルシウム、クレー、タルクから選択される少
なくとも1種であることが好ましく、また、これらの充
填剤をビニルシラン、アミノシラン、脂肪酸、脂肪酸金
属塩、アクリル酸などによって表面処理したものを用い
てもよい。
【0024】熱器具用絶縁電線には、その適用範囲によ
って、電気用品技術基準に規定される耐損傷試験(金具
の突起部などを試料に接触させた状態で荷重をかけ、試
料内部における傷の有無を調べる)に合格することが要
求される。この試験において、本発明の熱器具用絶縁電
線1の内部被覆層3と外部被覆層4との剥離性が問題と
なってくる。
【0025】外部被覆層4を構成するふっ素樹脂は、内
部被覆層3との剥離性が良好なポリビニリデンフルオラ
イド、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体、またはエチレン−ク
ロロトリフルオロエチレン共重合体から選択される少な
くとも1種であることが好ましい。
【0026】尚、本発明の熱器具用絶縁電線1の内部被
覆層3を構成する組成物および外部被覆層4を構成する
ふっ素樹脂中に、必要に応じて、架橋助剤、顔料、酸化
防止剤、滑剤、加工助剤、安定剤、カーボンブラック、
無水ケイ酸などを添加しても良いことは言うまでもな
い。
【0027】
【実施例】
(実施例1)数平均分子量が10万のテトラフルオロエ
チレン−プロピレン共重合体90重量部に対して、融点
が225℃、メルトインデックスが30g/10min
のエチレン−テトラフルオロエチレン−1,1−ジヒド
ロパーフルオロプロペン−1を10重量部、架橋助剤と
してトリメチロールプロパントリメタクリレートを1重
量部、滑剤としてステアリン酸を1重量部、充填剤とし
て平均粒径が1.5μmの炭酸カルシウムを80重量部
添加すると共に、これを50〜60℃に加熱したロール
で15分間均一に混練して内部被覆用コンパウンドを形
成する。
【0028】また、ポリビニリデンフルオライド100
重量部に対して、架橋助剤としてトリメチロールプロパ
ントリメタクリレートを1重量部、滑剤としてステアリ
ン酸を1重量部添加すると共に、これを50〜60℃に
加熱したロールで15分間均一に混練して外部被覆用コ
ンパウンドを形成する。
【0029】その後、この内部被覆用コンパウンドおよ
び外部被覆用コンパウンドを、ヘッドが250℃、第1
シリンダーが280℃、第2シリンダーが300℃に設
定された40mm押出機(L/D=22)内にそれぞれ
圧入する。その後、断面積が0.75mm2 の銅撚線
(導体)の外周に厚さ0.4mmの内部被覆層を押出被
覆すると共に、この内部被覆層に10Mradの電子線
を照射することによって架橋を行い、その内部被覆層の
外周に厚さ0.2mmの外部被覆層を押出被覆し、熱器
具用絶縁電線を作製する。
【0030】(実施例2)テトラフルオロエチレン−プ
ロピレン共重合体80重量部に対して、エチレン−テト
ラフルオロエチレン−1,1−ジヒドロパーフルオロプ
ロペン−1を20重量部、架橋助剤を1重量部、滑剤を
1重量部、シランカップリング剤で表面処理した平均粒
径が0.8μmのクレーを充填剤として40重量部添加
すると共に、これを50〜60℃に加熱したロールで1
5分間均一に混練して内部被覆用コンパウンドを形成す
る。
【0031】また、テトラフルオロエチレン−ヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体100重量部に対して、架橋
助剤を1重量部、滑剤を1重量部添加すると共に、これ
を50〜60℃に加熱したロールで15分間均一に混練
して外部被覆用コンパウンドを形成する。
【0032】その後、実施例1と同様にして熱器具用絶
縁電線を作製する。
【0033】(実施例3)テトラフルオロエチレン−プ
ロピレン共重合体70重量部に対して、エチレン−テト
ラフルオロエチレン−1,1−ジヒドロパーフルオロプ
ロペン−1を30重量部、架橋助剤を1重量部、滑剤を
1重量部、平均粒径が1.7μmのタルクを充填剤とし
て60重量部添加すると共に、これを50〜60℃に加
熱したロールで15分間均一に混練して内部被覆用コン
パウンドを形成する。
【0034】また、テトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体100重量部に対
して、架橋助剤を1重量部、滑剤を1重量部添加すると
共に、これを50〜60℃に加熱したロールで15分間
均一に混練して外部被覆用コンパウンドを形成する。
【0035】その後、実施例1と同様にして熱器具用絶
縁電線を作製する。
【0036】(実施例4)テトラフルオロエチレン−プ
ロピレン共重合体60重量部に対して、エチレン−テト
ラフルオロエチレン−1,1−ジヒドロパーフルオロプ
ロペン−1を40重量部、架橋助剤を1重量部、滑剤を
1重量部、平均粒径が1.5μmの炭酸カルシウムを充
填剤として120重量部添加すると共に、これを50〜
60℃に加熱したロールで15分間均一に混練して内部
被覆用コンパウンドを形成する。
【0037】また、エチレン−クロロトリフルオロエチ
レン共重合体100重量部に対して、架橋助剤を1重量
部、滑剤を1重量部添加すると共に、これを50〜60
℃に加熱したロールで15分間均一に混練して外部被覆
用コンパウンドを形成する。
【0038】その後、実施例1と同様にして熱器具用絶
縁電線を作製する。
【0039】(比較例1)テトラフルオロエチレン−プ
ロピレン共重合体100重量部に対して、架橋助剤を1
重量部、滑剤を1重量部、平均粒径が1.5μmの炭酸
カルシウムを充填剤として80重量部添加すると共に、
これを50〜60℃に加熱したロールで15分間均一に
混練して内部被覆用コンパウンドを形成する。
【0040】また、ポリビニリデンフルオライド100
重量部に対して、架橋助剤を1重量部、滑剤を1重量部
添加すると共に、これを50〜60℃に加熱したロール
で15分間均一に混練して外部被覆用コンパウンドを形
成する。
【0041】その後、実施例1と同様にして熱器具用絶
縁電線を作製する。
【0042】(比較例2)テトラフルオロエチレン−プ
ロピレン共重合体50重量部に対して、エチレン−テト
ラフルオロエチレン−1,1−ジヒドロパーフルオロプ
ロペン−1を50重量部、架橋助剤を1重量部、滑剤を
1重量部、シランカップリング剤で表面処理した平均粒
径が0.8μmのクレーを充填剤として100重量部添
加すると共に、これを50〜60℃に加熱したロールで
15分間均一に混練して内部被覆用コンパウンドを形成
する。
【0043】また、テトラフルオロエチレン−ヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体100重量部に対して、架橋
助剤を1重量部、滑剤を1重量部添加すると共に、これ
を50〜60℃に加熱したロールで15分間均一に混練
して外部被覆用コンパウンドを形成する。
【0044】その後、実施例1と同様にして熱器具用絶
縁電線を作製する。
【0045】(比較例3)テトラフルオロエチレン−プ
ロピレン共重合体80重量部に対して、エチレン−テト
ラフルオロエチレン−1,1−ジヒドロパーフルオロプ
ロペン−1を20重量部、架橋助剤を1重量部、滑剤を
1重量部、平均粒径が1.7μmのタルクを充填剤とし
て180重量部添加すると共に、これを50〜60℃に
加熱したロールで15分間均一に混練して内部被覆用コ
ンパウンドを形成する。
【0046】また、テトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体100重量部に対
して、架橋助剤を1重量部、滑剤を1重量部添加すると
共に、これを50〜60℃に加熱したロールで15分間
均一に混練して外部被覆用コンパウンドを形成する。
【0047】その後、実施例1と同様にして熱器具用絶
縁電線を作製する。
【0048】(比較例4)テトラフルオロエチレン−プ
ロピレン共重合体70重量部に対して、エチレン−テト
ラフルオロエチレン−1,1−ジヒドロパーフルオロプ
ロペン−1を30重量部、架橋助剤を1重量部、滑剤を
1重量部、平均粒径が1.5μmの炭酸カルシウムを充
填剤として60重量部添加すると共に、これを50〜6
0℃に加熱したロールで15分間均一に混練して内部被
覆用コンパウンドを形成する。
【0049】また、エチレン−テトラフルオロエチレン
共重合体100重量部に対して、架橋助剤を1重量部、
滑剤を1重量部添加すると共に、これを50〜60℃に
加熱したロールで15分間均一に混練して外部被覆用コ
ンパウンドを形成する。
【0050】その後、実施例1と同様にして熱器具用絶
縁電線を作製する。
【0051】(比較例5)断面積が0.75mm2 の銅
撚線(導体)の外周をシリコーンゴムで被覆し、そのシ
リコーンゴムの外周をガラス編組で被覆したシリコーン
ゴム絶縁電線を作製する。
【0052】(比較例6)断面積が0.75mm2 の銅
撚線(導体)の外周をテトラフルオロエチレンを主成分
とする樹脂組成物で二層に被覆したテトラフルオロエチ
レン樹脂絶縁電線を作製する。
【0053】実施例1〜4および比較例1〜6で作製し
たそれぞれの絶縁電線の諸元を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】次に、実施例1〜4および比較例1〜6で
作製したそれぞれの絶縁電線における機械特性、耐寒
性、耐熱老化性、可撓性、耐傷性について評価した。そ
れぞれの特性の評価は、以下に示す方法で行った。
【0056】 引張特性 それぞれの絶縁電線の外層を剥すと共に導体を抜脱した
試料(内部被覆層のみ)を作製し、JIS−K−630
1に準じた引張試験を行い、引張強さ(MPa)、伸び
(%)を測定した。尚、この引張試験におけるそれぞれ
の引張強さ、伸びの値を初期値とする。
【0057】 耐寒性 それぞれの絶縁電線の外層を剥した試料を作製し、その
試料を−40℃の雰囲気中で自己径マンドレルに巻き付
け、クラックが発生しなければ耐寒性良好(表中では
○)とし、クラックが発生したら耐寒性不良(表中では
×)とした。
【0058】 耐熱老化性 それぞれの絶縁電線の外層を剥した試料を作製し、その
試料を空気置換量200回/hrのギヤーオーブン(2
32℃)中で7日間保持した後、JIS−K−6301
に準じた引張試験を行い、初期値に対する引張強さ残率
(%)、伸び残率(%)を測定した。
【0059】 可撓性 長さ30cmに切ったそれぞれの絶縁電線の一端を固定
し、その固定端から10cmの所に5gの荷重をかけた
時の変形量(mm)を測定した。
【0060】 耐傷性 電気用品技術基準別表第8に準じ、金具端部にそれぞれ
の絶縁電線を押し当てると共に2Nの荷重をかけ、その
後、外部被覆層を剥し、内部被覆層に傷が生じていなけ
れば耐傷性良好(表中では○)とし、傷が生じていたら
耐傷性不良(表中では×)とした。
【0061】実施例1〜4および比較例1〜6で作製し
たそれぞれの絶縁電線における各試験の結果を表2に示
す。
【0062】
【表2】
【0063】表2に示すように、本発明である実施例1
〜4の絶縁電線は、機械特性、耐寒性、耐熱老化性、可
撓性、耐傷性の全てにおいて優れていた。
【0064】これに対して、比較例1の絶縁電線は、内
部被覆層におけるテトラフルオロエチレン−プロピレン
共重合体とエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体
との重量比が規定外(テトラフルオロエチレン−プロピ
レン共重合体のみの使用)であるため、引張強さが低い
と共に、耐寒性が劣っている。
【0065】比較例2の絶縁電線は、内部被覆層におけ
るテトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体とエチ
レン−テトラフルオロエチレン共重合体との重量比が規
定外(テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体が
過少、かつ、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合
体が過多)であるため、伸びが著しく低いと共に、可撓
性が劣っている。
【0066】比較例3の絶縁電線は、内部被覆層におけ
るテトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体とエチ
レン−テトラフルオロエチレン共重合体との重量比は規
定内であるが、充填剤の添加量が多過ぎるため、引張強
さ、伸びが著しく低いと共に、耐寒性、耐熱老化性が劣
っている。
【0067】比較例4の絶縁電線は、内部被覆層におけ
るテトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体とエチ
レン−テトラフルオロエチレン共重合体との重量比およ
び充填剤の添加量は規定内であるが、外部被覆層を形成
する外部被覆用コンパウンドとしてエチレン−テトラフ
ルオロエチレンを用いている。このため、内部被覆層と
外部被覆層との相溶性が比較的良好となり、内部被覆層
と外部被覆層とが密着しやすく剥離しにくい。よって、
機械特性、耐熱老化性、耐傷性が測定不能となり、熱器
具用絶縁電線として実用に供することができない。
【0068】比較例5の絶縁電線は、導体の外周をシリ
コーンゴムで被覆し、そのシリコーンゴムの外周をガラ
ス編組で被覆したシリコーンゴム絶縁電線である。外部
被覆層としてガラス編組を用いているため耐傷性は良好
となるが、シリコーンゴム本来の可撓性が損なわれてい
る。また、引張強さ、耐熱老化性が著しく劣っている。
比較例6の絶縁電線は、導体の外周をテトラフルオロ
エチレンを主成分とする樹脂組成物で二層に被覆したテ
トラフルオロエチレン樹脂絶縁電線である。機械特性、
耐寒性、耐熱老化性には優れているものの、可撓性、耐
傷性が著しく劣っている。
【0069】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、可撓性、
耐熱性および耐傷性に優れた熱器具用絶縁電線を得るこ
とができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱器具用絶縁電線の横断面を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 熱器具用絶縁電線 2 銅撚線(導体) 3 内部被覆層 4 外部被覆層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 123/04 PER C09D 123/04 PER 123/08 PER 123/08 PER 127/18 PFJ 127/18 PFJ H01B 7/34 H01B 7/34 A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体の外周に、順次、内部被覆層および
    外部被覆層を形成した熱器具用絶縁電線において、上記
    内部被覆層が60〜95重量%のテトラフルオロエチレ
    ン−プロピレン系共重合体と5〜40重量%のエチレン
    −テトラフルオロエチレン系共重合体とで構成されるふ
    っ素系ポリマ100重量部に対して、炭酸カルシウム、
    クレー、またはタルクから選択される少なくとも1種の
    充填剤を140重量部以下添加してなる組成物でなり、
    上記外部被覆層がふっ素樹脂でなり、該内部被覆層と該
    外部被覆層とが剥離可能に構成されていることを特徴と
    する熱器具用絶縁電線。
  2. 【請求項2】 上記ふっ素樹脂は、ポリビニリデンフル
    オライド、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
    ロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフル
    オロアルキルビニルエーテル共重合体、およびエチレン
    −クロロトリフルオロエチレン共重合体から選択される
    少なくとも1種である請求項1記載の熱器具用絶縁電
    線。
  3. 【請求項3】 上記内部被覆層が電離性放射線の照射に
    より架橋されている請求項1記載の熱器具用絶縁電線。
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