JP6766569B2 - 絶縁電線 - Google Patents

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Description

本発明は、絶縁電線に関する。
鉄道車両や自動車などに使用される絶縁電線には、火災時の安全性の観点から難燃性が求められている。また、鉄道車両や自動車の高性能化に伴い、絶縁電線が使用される環境温度が高くなる傾向があるため、高温環境下に長期間にわたって放置されても劣化しないように耐熱性が求められている。
このような特性を満たすため、絶縁電線に設けられる絶縁層の形成材料には含フッ素エラストマが使用されている。含フッ素エラストマには、例えば、テトラフルオロエチレンとαオレフィンとの共重合体があり、耐熱性や難燃性、機械的特性、耐油性、耐薬品性および電気特性などに優れた材料として知られている。一方、含フッ素エラストマは、一般的に高価な材料であることから、価格面で使用範囲が制限されることがある。
そこで、含フッ素エラストマは、コストを下げるために、安価なポリオレフィンや無機充填剤などを配合して用いられることがある(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1では、ポリオレフィンとして、例えば、低密度ポリエチレン(LLDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)などを含フッ素エラストマに配合し、含フッ素エラストマの割合を低くしている。そして、難燃性を向上させるために難燃剤を配合している。これにより、要求される特性を満たしながらも、低コスト化を図ることができる。
特開2014−6969号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、LLDPEやHDPEなどを配合することで含フッ素エラストマが本来有する特性が損なわれてしまい、絶縁層において機械的特性、難燃性および耐熱性を高い水準で満たすことが困難となっている。
また、絶縁電線には、上述の特性だけでなく、絶縁電線を引き回して配線する際の作業効率を高めるために可とう性も要求されている。
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、安価で、機械的特性、難燃性、耐熱性および可とう性に優れる絶縁電線を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、
導体と前記導体の外周に配置される絶縁層とを備え、
前記絶縁層は、
テトラフルオロエチレンと炭素数2〜4のαオレフィンとの共重合体(a1)を70質量%以上98質量%以下と、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体(a2)を2質量%以上30質量%以下とを含むベースポリマ(A)と、アンチモン化合物(b1)および臭素系難燃剤(b2)を含む難燃剤(B)とを含み、前記ベースポリマ(A)100質量部に対して、前記アンチモン化合物(b1)を1質量部以上20質量部以下、前記臭素系難燃剤(b2)を0.3質量部以上15質量部以下、含有する含フッ素エラストマ組成物から形成され、
JIS C3005に準拠する100%モジュラスが8MPa以下である、絶縁電線が提供される。
本発明によれば、安価で、機械的特性、難燃性、耐熱性および可とう性に優れる絶縁電線が得られる。
本発明の一実施形態に係る絶縁電線の長さ方向に垂直な断面図である。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態について説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
〔含フッ素エラストマ組成物〕
まず、本実施形態の絶縁電線に使用する含フッ素エラストマ組成物について説明する。
本実施形態の絶縁電線に使用する含フッ素エラストマ組成物は、テトラフルオロエチレンと炭素数2〜4のαオレフィンとの共重合体(a1)およびエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体(a2)を含むベースポリマ(A)と、アンチモン化合物(b1)および臭素系難燃剤(b2)を含む難燃剤(B)とを含有する。
(ベースポリマ(A))
ベースポリマ(A)は、テトラフルオロエチレンと炭素数2〜4のαオレフィンとの共重合体(a1)およびエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体(a2)を含む。
(共重合体(a1))
テトラフルオロエチレンと炭素数2〜4のαオレフィンとの共重合体(a1)(以下、単に(a1)成分ともいう)は、含フッ素エラストマであり、耐熱性や難燃性、機械的特性、可とう性、耐油性、耐薬品性、電気特性などに優れる成分である。
(a1)成分において、炭素数2〜4のαオレフィンとしては、テトラフルオロエチレンと共重合してエラストマ性状を呈するものであれば、特に限定されないが、例えば、プロピレン又はブテン−1を単独、もしくはエチレン、プロピレン、ブテン−1及びイソブテンのうち2種以上の組み合わせを用いることができる。この中でも、絶縁層12の耐熱性および難燃性を向上させる観点からはプロピレンが好ましい。つまり、(a1)成分としては、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体が好ましい。テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体は、含フッ素エラストマ組成物の耐熱性や成形性の観点からは、テトラフルオロエチレンとプロピレンとをモル比で95:5〜30:70の範囲で有することが好ましく、90:10〜45:55の範囲で有することがより好ましい。
(a1)成分は、主にテトラフルオロエチレンと炭素数2〜4のαオレフィンから構成されていれば、これらと共重合可能な成分をさらに含んでもよい。このような成分としては、例えば、エチレン、イソブチレン、アクリル酸及びそのアルキルエステル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペン、クロロエチルビニルエーテル、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等を用いることができる。これら成分の含有量は、(a1)成分の特性を損ねない範囲であればよく、例えば50モル%以下が好ましく、30モル%以下であることがより好ましい。
(a1)成分の数平均分子量は、特に限定されないが、低すぎると、絶縁層12の機械的強度が低くなるおそれがあるので、2万以上であることが好ましい。一方、数平均分子量が高すぎると、含フッ素エラストマ組成物の押出成形性が低下し、絶縁層12にクラックが発生するおそれがあるので、20万以下であることが好ましい。すなわち、数平均分子量を2万〜20万の範囲とすることにより、絶縁層12におけるクラックの発生を抑制できるとともに機械的強度を向上させることができる。なお、数平均分子量の調整は、単量体濃度、重合開始剤濃度、単量体対重合開始剤量比、重合温度、連鎖移動剤の使用等の共重合反応条件を操作することにより生成する重合体の分子量を直接調整する方法、あるいは共重合反応時には高分子量の共重合体を生成し、これを酸素存在下で加熱処理するなどして低分子量化する方法により行うことができる。
(三元共重合体(a2))
本実施形態では、含フッ素エラストマ組成物中の(a1)成分の割合を減らすため、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体(a2)(以下、単に(a2)成分ともいう)を用いる。上述したように、従来、(a1)成分に配合する成分には、ポリオレフィンとして、例えば、低密度ポリエチレン(LLDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)などが使用されていた。しかし、これらの成分は(a1)成分と比べて諸特性が著しく低いため、(a1)成分と配合したときに所望の高い特性を維持することが困難となる。一方、(a2)成分によれば、(a1)成分と混合して含フッ素エラストマ組成物とした場合であっても、LLDPEやHDPEのように諸特性を大きく損ねることなく、バランスよく維持することが可能となる。この理由としては、(a2)成分が化学構造中に無水マレイン酸を含み、他のポリオレフィンと比べて共重合体(a1)との相溶性に優れるためと考えられる。すなわち、(a2)成分は共重合体(a1)に混合したときによく混ざることで含フッ素エラストマ組成物の耐熱性、難燃性、機械的特性および可とう性を損なうことなく高く維持することができる。なお、(a2)成分において、エチレン、アクリル酸エチルおよび無水マレイン酸のそれぞれの比率は、特に限定されず、適宜変更してもよい。
(a2)成分は、ショアD硬度が30以下であることが好ましい。一般に、(a2)成分は(a1)成分と比べて硬く、絶縁層12の可とう性を低下させるおそれがあるが、ショアD硬度が30以下である(a2)成分によれば、後述する絶縁層12の100%モジュラスを8MPa以下にさせやすく、絶縁電線10に適度な可とう性を付与することができる。これにより、絶縁電線10を配線するときの作業効率を高めることができる。なお、(a2)成分のショアD硬度は、各モノマ成分(エチレン、アクリル酸エチルおよび無水マレイン酸)の比率を適宜変更して30以下となるように調整するとよい。
(a2)成分は、融点が含フッ素エラストマ組成物の押出温度以下となることが好ましい。このような融点を有する(a2)成分を用いることにより、含フッ素エラストマ組成物を成形性良く押し出すことができる。一般に、含フッ素エラストマ組成物の押出温度が100℃以下であることから、(a2)成分の融点は100℃以下であることが好ましい。
なお、ベースポリマ(A)には、含フッ素エラストマ組成物の諸特性を損ねない範囲で、上述の(a1)成分および(a2)成分以外のポリマ成分が配合されてもよい。
(難燃剤(B))
本実施形態では、(a1)成分の割合の低下に伴う難燃性の低下を補完するとともに難燃性をさらに向上させるために、含フッ素エラストマ組成物に難燃剤(B)を配合する。そして、難燃剤(B)として、少なくともアンチモン化合物(b1)および臭素系難燃剤(b2)を用いる。例えば、臭素系難燃剤(b2)のみを用いるといったように1種を単独で配合する場合、高い難燃性を得るには多量に配合する必要がある。しかし、1種のみを多量に配合すると、含フッ素エラストマ組成物の難燃性は向上できるものの、耐熱性が大きく損なわれてしまう。この点、アンチモン化合物(b1)および臭素系難燃剤(b2)を併用することで、各配合量を少なくすることができ、耐熱性を大きく損なうことなく、難燃性を向上させることができる。
アンチモン化合物(b1)は、絶縁層12の燃焼の際にガスを発生させて酸素を遮断し、燃焼を抑制することで、絶縁層12の難燃性を向上させる。アンチモン化合物としては、例えば、三酸化二アンチモン、四酸化二アンチモン、五酸化二アンチモン、アンチモン酸ナトリウムなどの酸化アンチモン類などを用いることができる。これらの中でも、三酸化アンチモンが好ましい。
臭素系難燃剤(b2)は、アンチモン化合物(b1)と同様に、絶縁層12の燃焼の際に酸素を遮断することにより絶縁層12の難燃性を向上させる。臭素系難燃剤(b2)としては、公知の化合物を用いることが可能であり、例えば、エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)、エチレンビスペンタブロモベンゼン、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、デカブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、ペンタブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエーテル)、ヘキサブロモシクロデカン、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、テトラブロモビスフェノールAエポキシオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAカーボネートオリゴマー、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ポリ−ジブロモフェニレンオキサイド、2,4,6−トリブロモフェノール、テトラブロモビスフェノールA−ビス(アクリレート)、テトラブロモフタリックアンヒドリド、テトラブロモフタレートジオール、2,3−ジブロモプロパノール、トリブロモスチレン、テトラブロモフェニルマレイミド、ポリ(ペンタブロモベンジル)アクリレート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェートなどを用いることができる。これらは、1種単独または2種以上を併用してもよい。この中でも、安全性の観点からは、特にエチレンビス(ペンタブロモベンゼン)が好ましい。
(組成)
含フッ素エラストマ組成物は、上述の各成分を以下の配合比で含有する。
ベースポリマ(A)は、テトラフルオロエチレンと炭素数2〜4のαオレフィンとの共重合体(a1)を70質量%〜98質量%と、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体(a2)を2質量%〜30質量%含有する。(a2)成分を2質量%よりも少なく配合すると、含フッ素エラストマ組成物中の(a1)成分の割合を小さくできず、コストを十分に低減できなくなる。一方、(a2)成分を30質量%よりも多く配合すると、含フッ素エラストマ組成物において機械的特性、耐熱性、難燃性および可とう性を高い水準でバランスよく得ることが困難となる。
難燃剤(B)は、ベースポリマ(A)100質量部に対して、アンチモン化合物(b1)を1質量部〜20質量部、臭素系難燃剤(b2)を0.3質量部〜15質量部含有する。(b1)成分および(b2)成分のいずれかの配合量が範囲よりも少なくなると、絶縁層12において十分な難燃性が得られなくなる。一方、(b1)成分および(b2)成分のいずれかの配合量が範囲よりも多くなると、絶縁層12において難燃性は得られるものの、耐熱性が低下してしまう。
すなわち、各成分の配合量を上記範囲内とすることにより、含フッ素エラストマ組成物のコストを抑えつつ、絶縁層12において機械的特性、耐熱性および難燃性を高い水準で満たすことができる。
(その他の添加剤)
含フッ素エラストマ組成物には、上述した成分以外に、その他の添加剤が配合されてもよい。
例えば、絶縁層12を架橋させるために、含フッ素エラストマ組成物に架橋剤や架橋助剤を配合するとよい。架橋方法としては、含フッ素エラストマ組成物に架橋剤(有機過酸化物やアミン類など)を添加し、加熱することにより架橋させる化学架橋や、含フッ素エラストマ組成物に架橋助剤を添加し、γ線や電子線などの電離放射線を照射して架橋させる照射架橋などが挙げられる。化学架橋の場合、架橋後のイオン性不純物の残留を抑制する観点から、架橋剤として有機過酸化物を用いることが好ましく、例えば、パーオキシケタールやハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート等を用いるとよい。これらの中でも反応性の観点からはジアルキルパーオキサイドが特に好ましい。照射架橋の場合、架橋助剤を配合するとよく、例えば、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート、テトラアリルピロメリテート等のアリル型化合物を用いるとよい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また例えば、絶縁層12の機械的強度を向上させるために、含フッ素エラストマ組成物に充填剤を配合するとよい。この充填剤としては、無機充填剤が好ましく、例えば、シリカや無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム等を用いることができる。無機充填剤の配合量は、特に限定されず、本発明の効果を損ねない範囲で適宜変更することができる。
また例えば、含フッ素エラストマ組成物には、必要に応じて、その他の無機充填剤や安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤などを配合してもよい。これらは、含フッ素エラストマ組成物の特性を損なわない範囲で配合するとよい。
なお、含フッ素エラストマ組成物は、上述の(a1)成分、(a2)成分、(b1)成分および(b2)成分、ならびに、必要に応じてその他の添加剤をオープンロール、バンバリーミキサ、加圧ニーダなどの混練機で混練することにより調製することができる。
〔絶縁電線〕
次に、上述の含フッ素エラストマ組成物を使用して作製される絶縁電線について図を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る絶縁電線の長さ方向に垂直な断面図である。
図1に示すように、絶縁電線10は導体11と絶縁層12とを備えて構成される。
導体11としては、通常用いられる金属線、例えば銅線、銅合金線の他、アルミニウム線、金線、銀線などを用いることができる。また、金属線の外周に錫やニッケルなどの金属めっきを施したものを用いてもよい。さらに、金属線を撚り合わせた集合撚り導体を用いることもできる。導体11の外径は、特に限定されず、絶縁電線10に求められる電気特性に応じて適宜変更するとよい。
導体11の外周には導体11を被覆するように絶縁層12が設けられている。絶縁層12は、上述の含フッ素エラストマ組成物で形成されている。例えば、含フッ素エラストマ組成物を導体11の外周を被覆するように押し出して成形し、架橋させることにより形成されている。絶縁層12の厚さは、特に限定されず、絶縁電線10に求められる電気特性に応じて適宜変更するとよい。
絶縁層12を形成する含フッ素エラストマ組成物は、上述したように、テトラフルオロエチレンと炭素数2〜4のαオレフィンとの共重合体(a1)を70〜98質量%、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体(a2)を2〜30質量%含むベースポリマ(A)を含有する。(a1)成分と(a2)成分とを所定の比率で混合することで、高価な(a1)成分の一部を安価な(a2)成分で代替し、高価な(a1)成分の比率を下げて使用量を減らすことが可能となる。これにより、含フッ素エラストマ組成物のコストを低減することができる。
また、(a2)成分によれば、他のポリオレフィンであるLLDPEやHDPEのように(a1)成分が本来有する機械的特性、耐熱性、難燃性および可とう性を損なうことなく、所望の範囲に維持することができる。しかも、本実施形態では、ベースポリマ(A)に難燃剤(B)としてアンチモン化合物(b1)および臭素系難燃剤(b2)を所定量配合することにより、(a1)成分の比率の低下(減量)による難燃性の低下を補完して向上させることができる。
このように、本実施形態によれば、安価であり、かつ機械的特性、耐熱性、難燃性および可とう性に優れる絶縁電線10を得ることができる。
具体的には、絶縁層12は、初期状態(劣化前の状態)で、引張強さが10MPa以上、かつ伸びが200%以上となる機械的特性を有する。
また、絶縁層12は、耐熱性に優れており、絶縁電線10を高温環境下に長期間にわたって放置した場合であっても劣化しにくく、機械的特性を高く維持することができる。具体的には、絶縁層12は、250℃で4日間、熱老化させたときに、引張強さ残率が80%以上、伸び残率が80%以上となる耐熱性を有する。
また、絶縁層12は、絶縁電線10に対してUL758に準拠した垂直燃焼試験を行ったときに1分以内に自己消火するといった難燃性を有する。
また、絶縁層12は、上述の含フッ素エラストマ組成物で形成されることにより、JIS C3005に準拠する100%モジュラスが8MPa以下となる可とう性を有する。そのため、絶縁電線10は引き回しやすく、配線の作業効率に優れることになる。
次に、本発明について実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例および比較例で用いた材料は次のとおりである。
(a1)成分
・テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体:旭硝子株式会社製「アフラス150E」
(a2)成分
・エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体(ショアD硬度14、融点67℃)
・エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体(ショアD硬度42、融点107℃)
アンチモン化合物(b1)
・三酸化アンチモン
臭素系難燃剤(b2)
・エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)):アルベマール株式会社「サイテックス8010」
その他の添加剤
・架橋剤(有機過酸化物;α,α’−ジ(ターシャルブチルパーオキサイド)ジイソプロピルベンゼン):日本油脂株式会社製「パーブチルP」
・架橋助剤(アリル型化合物):トリアリルイソシアヌレート
・受酸剤(酸化カルシウム)
・充填剤(シリカ):日本アエロジル株式会社製「アエロジルR−972」
・充填剤(炭酸カルシウム):白石工業株式会社「ソフトン1200」
(1)絶縁電線の作製
(実施例1)
まず、下記表1に示す配合で、絶縁層を形成するための含フッ素エラストマ組成物を調製した。具体的には、(a1)成分であるテトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体を70質量部と、(a2)成分であるショアD硬度が14、融点が67℃のエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体を30質量部とを混合してベースポリマ(A)とし、このベースポリマ(A)100質量部に対して、難燃剤(B)としてアンチモン化合物(b1)を10質量部、臭素系難燃剤(b2)を5質量部、架橋剤(有機過酸化物)を2質量部、架橋助剤(アリル型化合物)を5質量部、受酸剤(酸化マグネシウム)を1質量部、無機充填剤(シリカ)を5質量部、無機充填剤(炭酸カルシウム)を5質量部添加し、これらをロールで混練することで、実施例1の含フッ素エラストマ組成物を調製した。
続いて、調製した含フッ素エラストマ組成物を、40mm押出機を用いて、外径0.9mmの導体(錫メッキ銅撚線)の外周上に厚さ0.4mmで押し出した。その後、13気圧のスチームにて3分間架橋を行い、絶縁層を架橋させて実施例1の絶縁電線を作製した。なお、40mm押出機では、シリンダーの温度を80℃に、ヘッド温度を90℃に、ダイス温度を100℃にそれぞれ設定した。
Figure 0006766569
(実施例2,3)
実施例2,3では、(a1)成分と(a2)成分の混合比率を変更した以外は、実施例1と同様に含フッ素エラストマ組成物を調製して絶縁電線を作製した。
(実施例4)
実施例4では、臭素系難燃剤(b1)の配合量を5質量部から10質量部に増やした以外は、実施例2と同様に含フッ素エラストマ組成物を調製して絶縁電線を作製した。
(比較例1)
比較例1では、(a1)成分を60質量%、(a2)成分を40質量%として、(a1)成分と(a2)成分の混合比率を本発明で規定する範囲外とした以外は、実施例4と同様に含フッ素エラストマ組成物を調製して絶縁電線を作製した。
(比較例2)
比較例2では、(a2)成分を配合せず、(a1)成分のみを用いた以外は、実施例4と同様に含フッ素エラストマ組成物を調製して絶縁電線を作製した。
(比較例3)
比較例3では、アンチモン化合物(b1)を配合せずに、臭素系難燃剤(b2)のみを用いた以外は、実施例2と同様に含フッ素エラストマ組成物を調製して絶縁電線を作製した。
(比較例4)
比較例4では、(a1)成分と(a2)成分の混合比率を80:20としたうえで、アンチモン化合物(b1)の配合量を10質量部から30質量部に増やして本発明で規定する範囲外とした以外は、実施例1と同様に含フッ素エラストマ組成物を調製して絶縁電線を作製した。
(比較例5)
比較例5では、(a1)成分と(a2)成分の混合比率を80:20としたうえで、臭素系難燃剤(b2)を配合せずに、アンチモン化合物(b1)のみを用いた以外は、実施例1と同様に含フッ素エラストマ組成物を調製して絶縁電線を作製した。
(比較例6)
比較例6では、(a1)成分と(a2)成分の混合比率を80:20としたうえで、臭素系難燃剤(b2)の配合量を5質量部から25質量部に増やして本発明で規定する範囲外とした以外は、実施例1と同様に含フッ素エラストマ組成物を調製して絶縁電線を作製した。
(比較例7)
比較例7では、(a2)成分の種類を、ショアD硬度が42で、融点が107℃である成分に変更するとともに、(a1)成分と(a2)成分の混合比率を80:20とした以外は、実施例1と同様に含フッ素エラストマ組成物を調製して絶縁電線を作製した。
(2)評価方法
作製した絶縁電線について以下の方法により評価した。
(引張特性)
絶縁層の初期状態での機械的特性として引張特性を評価した。具体的には、絶縁電線から導体を引き抜き、チューブ形状の絶縁層を得て、このチューブ形状の絶縁層について初期の引張特性(引張強さおよび伸び)を測定した。本実施例では、引張強さが10MPa以上、かつ伸びが200%以上であれば、十分な機械的特性を有するものと評価した。
(耐熱性)
絶縁層の耐熱性については、絶縁電線から導体を引き抜いて得られたチューブ形状の絶縁層を加熱により老化(劣化)させ、その劣化の程度により評価した。具体的には、チューブ形状の絶縁層を熱老化試験機に投入して250℃で4日間劣化させ、熱老化後の引張特性(引張強さおよび伸び)を測定した。そして、下記式に示すように、初期の引張特性に対する熱老化後の引張特性の残率(引張強さ残率(%)および伸び残率(%))を算出した。本実施例では、引張強さ残率(%)および伸び残率(%)のいずれもが80%以上であれば、十分な耐熱性を有し、これらの残率が80%未満となれば、絶縁層が加熱により劣化しすぎてしまい、耐熱性が不十分であると評価した。
引張強さ残率(%)=(熱老化後の引張強さ/初期状態での引張強さ)×100
伸び残率(%)=(熱老化後の伸び/初期状態での伸び)×100
(難燃性)
絶縁層の難燃性については、UL758に準拠して垂直燃焼試験(VW−1)を行い、1分以内に自己消火したものを合格、1分を超えるものを不合格とした。
(可とう性)
絶縁電線の可とう性については、JIS C3005に準拠する可とう性試験により、絶縁層の100%モジュラスを測定した。本実施例では、100%モジュラスが8MPa以下であれば、十分な可とう性を有するものと評価した。
(価格)
価格については、高価な(a1)成分と安価な(a2)成分を含むベースポリマ(A)において、(a2)成分のベースポリマ(A)に占める比率が2%以上となるものを安価であると評価した。
(3)評価結果
評価結果を上記表1にまとめる。
実施例1〜4では、絶縁層において、高価な(a1)成分に安価な(a2)成分を所定の比率で混合してコストを低減しながらも、(a1)成分が本来有する機械的特性、耐熱性、難燃性および可とう性を損なうことなく、高く維持できることが確認された。
これに対して、比較例1では、安価な(a2)成分の比率を多くしすぎたため、機械的特性、耐熱性および可とう性を高く維持できないことが確認された。
比較例2では、(a1)成分のみを使用したため、諸特性を高い水準でバランスよく満たすことができたが、コストが高いことが確認された。
比較例3,5では、アンチモン化合物(b1)および臭素系難燃剤(b2)を併用せず、いずれか一方のみを用いたため、十分な難燃性を得られないことが確認された。
比較例4,6では、アンチモン化合物(b1)および臭素系難燃剤(b2)のいずれか一方の配合量を過度に多くしたため、十分な難燃性は得られたものの、耐熱性が損なわれてしまうことが確認された。
比較例7では、ショアD硬度が30よりも大きな(a2)成分を用いたため、絶縁層の100%モジュラスが8MPaよりも高くなり、十分な可とう性を得られないことが確認された。
以上のように、本発明によれば、テトラフルオロエチレンと炭素数2〜4のαオレフィンとの共重合体(a1)と、比較的安価なエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体(a2)とを併用するとともに、アンチモン化合物(b1)および臭素系難燃剤(b2)を所定量配合することにより、コストを低減しながらも、(a1)成分が本来有する機械的特性、耐熱性、難燃性および可とう性を損なうことなく、高く維持することができる。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
[付記1]
本発明の一態様によれば、
導体と前記導体の外周に配置される絶縁層とを備え、
前記絶縁層は、
テトラフルオロエチレンと炭素数2〜4のαオレフィンとの共重合体(a1)を70質量%以上98質量%以下と、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体(a2)を2質量%以上30質量%以下とを含むベースポリマ(A)と、アンチモン化合物(b1)および臭素系難燃剤(b2)を含む難燃剤(B)とを含み、前記ベースポリマ(A)100質量部に対して、前記アンチモン化合物(b1)を1質量部以上20質量部以下、前記臭素系難燃剤(b2)を0.3質量部以上15質量部以下、含有する含フッ素エラストマ組成物から形成され、
JIS C3005に準拠する100%モジュラスが8MPa以下である、絶縁電線が提供される。
[付記2]
付記1の絶縁電線において、好ましくは、
前記エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体(a2)はショアD硬度が30以下である。
[付記3]
付記1又は2の絶縁電線において、好ましくは、
前記共重合体(a1)がテトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体である。
[付記4]
付記1〜3のいずれかの絶縁電線において、好ましくは、
前記臭素系難燃剤(b2)がエチレンビス(ペンタブロモベンゼン)である。
[付記5]
付記1〜4のいずれかの絶縁電線において、好ましくは、
前記エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体(a2)は融点が100℃以下である。
[付記6]
付記1〜5のいずれかの絶縁電線において、好ましくは、
前記絶縁層が、前記含フッ素エラストマ組成物を架橋させた架橋体から形成されている。
[付記7]
付記1〜6のいずれかの絶縁電線において、好ましくは、
前記絶縁層は、
引張強さが10MPa以上、かつ伸びが200%以上となる機械的特性と、
250℃で4日間、熱老化させたときに、引張強さ残率が80%以上、伸び残率が80%以上となる耐熱性と、
UL758に準拠した垂直燃焼試験を行ったときに1分以内に自己消火する難燃性と、を有する。
10 絶縁電線
11 導体
12 絶縁層

Claims (6)

  1. 導体と前記導体の外周に配置される絶縁層とを備え、
    前記絶縁層は、
    テトラフルオロエチレンと炭素数2〜4のαオレフィンとの共重合体(a1)を70質量%以上98質量%以下と、ショアD硬度が30以下であり、かつ融点が100℃以下であるエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体(a2)を2質量%以上30質量%以下とを含むベースポリマ(A)と、アンチモン化合物(b1)および臭素系難燃剤(b2)を含む難燃剤(B)とを含み、前記ベースポリマ(A)100質量部に対して、前記アンチモン化合物(b1)を1質量部以上20質量部以下、前記臭素系難燃剤(b2)を0.3質量部以上15質量部以下、含有する含フッ素エラストマ組成物から形成され、
    JIS C3005に準拠する100%モジュラスが8MPa以下である、絶縁電線。
  2. 前記共重合体(a1)がテトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体である、請求項1に記載の絶縁電線。
  3. 前記臭素系難燃剤(b2)がエチレンビス(ペンタブロモベンゼン)である、請求項1又は2に記載の絶縁電線。
  4. 前記エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体(a2)は融点が100℃以下である、請求項1〜のいずれかに記載の絶縁電線。
  5. 前記絶縁層が、前記含フッ素エラストマ組成物を架橋させた架橋体から形成されている、請求項1〜のいずれかに記載の絶縁電線。
  6. 前記絶縁層は、
    引張強さが10MPa以上、かつ伸びが200%以上となる機械的特性と、
    250℃で4日間、熱老化させたときに、引張強さ残率が80%以上、伸び残率が80%以上となる耐熱性と、
    UL758に準拠した垂直燃焼試験を行ったときに1分以内に自己消火する難燃性と、を有する、請求項1〜のいずれかに記載の絶縁電線。
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