JP6810888B2 - 含ふっ素エラストマ被覆絶縁電線の製造方法 - Google Patents

含ふっ素エラストマ被覆絶縁電線の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6810888B2
JP6810888B2 JP2016224925A JP2016224925A JP6810888B2 JP 6810888 B2 JP6810888 B2 JP 6810888B2 JP 2016224925 A JP2016224925 A JP 2016224925A JP 2016224925 A JP2016224925 A JP 2016224925A JP 6810888 B2 JP6810888 B2 JP 6810888B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copolymer
mass
cross
tetrafluoroethylene
insulated wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016224925A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018081871A (ja
Inventor
正信 中橋
正信 中橋
英俊 根本
英俊 根本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2016224925A priority Critical patent/JP6810888B2/ja
Priority to CN201711122606.2A priority patent/CN108070184A/zh
Publication of JP2018081871A publication Critical patent/JP2018081871A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6810888B2 publication Critical patent/JP6810888B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L27/00Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L27/02Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
    • C08L27/12Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment containing fluorine atoms
    • C08L27/18Homopolymers or copolymers or tetrafluoroethene
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B13/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing conductors or cables
    • H01B13/06Insulating conductors or cables
    • H01B13/14Insulating conductors or cables by extrusion
    • H01B13/148Selection of the insulating material therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L2201/00Properties
    • C08L2201/02Flame or fire retardant/resistant
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L2201/00Properties
    • C08L2201/08Stabilised against heat, light or radiation or oxydation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L2203/00Applications
    • C08L2203/20Applications use in electrical or conductive gadgets
    • C08L2203/202Applications use in electrical or conductive gadgets use in electrical wires or wirecoating

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Processes Specially Adapted For Manufacturing Cables (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Description

本発明は、含ふっ素エラストマ被覆絶縁電線の製造方法に関する。
従来から、耐熱性、難燃性が要求される電線の被覆材料として、テトラフルオロエチレンと炭素数2〜4のαオレフィンとの共重合体が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。
押出機を用いて電線を作製する場合、絶縁体は帯状又はペレット状のコンパウンドで押出機に投入される。帯状のコンパウンドは作製に手間がかかり、作製後の取り扱い性も良くないため、ペレット状のコンパウンドを用いることが好ましい。
ペレット状のコンパウンドを用いる場合、長期保管の目的で、始めに架橋剤の入っていないコンパウンド(A練りコンパウンド)を作製し、次に使用するタイミングに合わせて架橋剤を添加したコンパウンド(B練りコンパウンド)を作製する。
特開2014−6969号公報
しかしながら、テトラフルオロエチレン−プロピレン系共重合体は非晶質であり粘着しやすいことから、離型剤を打粉することにより、A練りコンパウンドペレットを作製できるが、テトラフルオロエチレン−プロピレン系共重合体がふっ素系材料であることから、架橋剤との相溶性が劣り、A練りコンパウンドペレットに架橋剤を含浸させることができなかった。
このようにA練りコンパウンドペレットに架橋剤を含浸できない場合、A練りコンパウンドペレットに架橋剤を加えて混練し、再度ペレット化を行わなければならず、非常に工程の多い作業となり、A練りコンパウンドペレットを作製するメリットが損なわれてしまう。
そこで、本発明の目的は、上記したような従来技術の問題点を解消し、耐熱性を有し、ペレットに架橋剤を含浸させることができる含ふっ素エラストマ被覆絶縁電線の製造方法を提供することにある。
本発明の一観点によれば、
導体と、前記導体の外周に、テトラフルオロエチレンと炭素数が2から3のα−オレフィンとの共重合体と、ポリオレフィン系共重合体とを含むベースポリマと、架橋剤とを含む含ふっ素エラストマ組成物を絶縁層として押出被覆して絶縁電線を製造する方法において、
前記テトラフルオロエチレンと炭素数が2から3のα−オレフィンとの共重合体を70質量%以上95質量%以下及び前記ポリオレフィン系共重合体を5質量%以上30質量%以下含む樹脂組成物を混練し、前記架橋剤を含まないペレットを作製する工程と、
前記架橋剤を含まないペレットに液状の架橋剤を含浸させる工程と、
前記架橋剤を含浸させたペレットを、前記絶縁層として前記導体の外周に押出被覆する工程とを有することを特徴とする含ふっ素エラストマ被覆絶縁電線の製造方法。
本発明によれば、耐熱性を有し、ペレットに架橋剤を含浸させることができる含ふっ素エラストマ被覆絶縁電線の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る含ふっ素エラストマ被覆絶縁電線の製造方法を用いて製造された絶縁電線を模式的に示す断面図である。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態について説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
〔含フッ素エラストマ被覆絶縁電線の製造方法〕
まず、本実施形態の含ふっ素エラストマ被覆絶縁電線の製造方法について説明する。以下に示す工程は、それぞれ独立して行われても良いし、一連の工程として連続的に行われても良い。
(ペレットを作製する工程)
まず、テトラフルオロエチレンと炭素数が2から3のα−オレフィンとの共重合体を70質量%以上95質量%以下及びポリオレフィン系共重合体を5質量%以上30質量%以下含む樹脂組成物を混練し、架橋剤を含まないペレットを作製する。
ペレットを作製する工程は、例えば、前記テトラフルオロエチレンと炭素数が2から3のα−オレフィンとの共重合体を70質量%以上95質量%以下及び前記ポリオレフィン系共重合体を5質量%以上30質量%以下の樹脂成分をニーダを用いて混練し、押出機で紐状に押出し、紐状コンパウンドをカッティングし、これに離型剤を打粉し、ペレットを作製する方法を用いることができる。
ここにペレットを作製する理由は、混練作業においては、帯状コンパウンドに架橋剤を添加する場合は、混練工程と帯状化工程が必要となるが、ペレット状コンパウンドを用いれば、撹拌混合するだけで作製できるので工程を簡略化でき、また、押出作業において、ペレットは移動、計量、押出機投入口への供給などハンドリング性が優れる利点があるためである。
テトラフルオロエチレンと共重合してエラストマ性状を呈する炭素数2〜4のαオレフィンとしては、プロピレン及びブテン−1単独、並びにエチレン、プロピレン、ブテン−1及びイソブテンから選ばれる2種以上の組合せが例示されるが、プロピレンがより好ましい。
テトラフルオロエチレン−プロピレン系共重合体としては、主成分のテトラフルオロエチレンとプロピレンに加えて、これらと共重合可能な成分、例えば、エチレン、イソブチレン、アクリル酸及びそのアルキルエステル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペン、クロロエチルビニルエーテル、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等を適当に含有せしめたものであってもよい。
テトラフルオロエチレン−プロピレン系共重合体は、耐熱性、成型性等の面からテトラフルオロエチレン/プロピレンの含有モル比を95/5〜30/70の範囲に選定するのが好ましく、特に好ましくは、90/10〜45/55の範囲がよい。また、適宜加えられる主成分以外の成分の含有量としては50モル%以下、特に30モル%以下の範囲から選定することが好ましい。
テトラフルオロエチレン−プロピレン系共重合体の数平均分子量は2万〜20万とすることが押出性及び機械的強度の点から好ましく、数平均分子量が大きすぎると成形体にクラックが発生しやすくなり、一方小さすぎると機械的強度が不十分となりやすい。この場合の数平均分子量調整は、単量体濃度、重合開始剤濃度、単量体対重合開始剤量比、重合温度、連鎖移動剤使用等の共重合反応条件の操作により直接生成重合体の分子量を調整する方法、あるいは共重合反応時には高分子量共重合体を生成し、これを酸素存在下に加熱処理するなどして低分子量化する方法により行うことができる。
本発明において、ポリオレフィン系共重合体を用いる。ポリオレフィン系共重合体を用いる理由は、テトラフルオロエチレンと炭素数が2から3のα−オレフィンとの共重合体と架橋剤とは、相溶性が劣るため、テトラフルオロエチレンと炭素数が2から3のα−オレフィンとの共重合体にポリオレフィン系共重合体をブレンドしたペレットを用いることで、ポリオレフィン系共重合体と架橋剤とは相溶性に優れるため、次工程において(架橋剤を含むペレットを作製する工程)において、かかるペレットに液状の架橋剤を含浸させることができるからである。
本発明において、ポリオレフィン系共重合体としては、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンメチルアクリレート共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンプロピルアクリレート共重合体、エチレンブチルアクリレート共重合体、エチレン酢酸ビニル無水マレイン酸共重合体、エチレンメチルアクリレート無水マレイン酸共重合体、エチレンエチルアクリレート無水マレイン酸共重合体、エチレンプロピルアクリレート無水マレイン酸共重合体、エチレンブチルアクリレート無水マレイン酸共重合体エチレン、エチレングリシジルメタクリレート共重合体、エチレン酢酸ビニルグリシジルメタクリレート共重合体、エチレンメチルアクリレートグリシジルメタクリレート共重合体、エチレンエチルアクリレートグリシジルメタクリレート共重合体、エチレンプロピルアクリレートグリシジルメタクリレート共重合体、エチレンブチルアクリレートグリシジルメタクリレート共重合体などを用いることができ、エチレン、酢酸ビニル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、無水マレイン酸、グリシジルメタクリレートの割合は特に限定はしない。
テトラフルオロエチレンと炭素数が2から3のα−オレフィンとの共重合体とポリオレフィン系共重合体とを添加し、テトラフルオロエチレンと炭素数が2から3のα−オレフィンとの共重合体の添加量は樹脂成分中で70質量%〜95質量%とし、ポリオレフィン系共重合体の添加量は樹脂成分中で5質量%〜30質量%としている。
ポリオレフィン系共重合体の添加量が樹脂成分中で30質量%を超えると耐熱性が劣り、5質量%未満では含浸性と押出性が低下するためである。
また本発明においては、上記成分以外に、難燃剤、無機充填剤、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤等の添加剤を種々配合することが可能である。
本発明において、三酸化アンチモンを用いることができる。これは難燃性を向上させるためである。ベースポリマ100質量部に対して、三酸化アンチモンを1質量部〜20質量部が好ましい。1質量部未満では難燃性を向上させる効果がなく、20質量部を超えると耐熱性を低下させるためである。
本発明において、エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)を用いることができる。これは難燃性を向上させるためである。ベースポリマ100質量部に対して、エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)を0.3質量部〜15質量部が好ましい。0.3質量部未満では難燃性を向上させる効果がなく、15質量部を超えると耐熱性を低下させるためである。
また、上記したベースポリマに対して、架橋助剤、充填剤等を添加することもできる。
架橋助剤としてはトリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート、テトラアリルピロメリテートなどのアリル型化合物が特に好ましい。充填剤としては無機充填剤が好ましく、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。
(ペレットに架橋剤を含浸させる工程)
次に、前記架橋剤を含まないペレットに液状の架橋剤を含浸させる。
テトラフルオロエチレンと炭素数が2から3のα−オレフィンとの共重合体にポリオレフィン系共重合体をブレンドしたペレットを用いることで、かかるペレットに液状の架橋剤を含浸させることができる。
本発明において、液状の架橋剤としては、架橋後のイオン性不純物の残留防止の観点から有機過酸化物系架橋剤が好ましい。この場合、架橋剤としては、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートなどがあげられる。これらは単独あるいは二種以上混合して使用してもよい。ジアルキルパーオキサイドが特に好ましい。過酸化物以外でも液状化する架橋剤があれば特に過酸化物でなくともよい。
(押出被覆する工程)
次に、架橋剤を含浸させたペレットを、絶縁層として導体の外周に押出被覆する。押出被覆する方法としては、押出機等従来から用いられる方法を用いることができる。
架橋方法としては、化学架橋、γ線や電子線等の電離性放射線の照射による照射架橋が採用可能であり、特に限定はされない。
〔絶縁電線〕
次に、上述の含フッ素エラストマ組成物を使用して作製される絶縁電線について図を参照しながら説明する。
図1に示すように、絶縁電線10は導体11と絶縁層12とを備えて構成される。
導体11としては、通常用いられる金属線、例えば銅線、銅合金線の他、アルミニウム
線、金線、銀線などを用いることができる。また、金属線の外周に錫やニッケルなどの金
属めっきを施したものを用いてもよい。さらに、金属線を撚り合わせた集合撚り導体を用いることもできる。導体11の外径は、特に限定されず、絶縁電線10に求められる電気特性に応じて適宜変更するとよい。
導体11の外周には導体11を被覆するように絶縁層12が設けられている。絶縁層12は、上述の含フッ素エラストマ組成物で形成されている。例えば、含フッ素エラストマ組成物を導体11の外周を被覆するように押し出して成形し、架橋させることにより形成されている。絶縁層12の厚さは、特に限定されず、絶縁電線10に求められる電気特性に応じて適宜変更するとよい。
次に、本発明について実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例及び比較例で用いた材料は次のとおりである。
テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体:旭硝子株式会社製 アフラス150E
ポリオレフィン系共重合体:エチレン−酢酸ビニル共重合体
エチレン−アクリル酸エチル共重合体
エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体
その他添加剤:架橋剤 有機過酸化物 α,α’−ジ(ターシャルーブチルパーオキサイド)
ジイソプロピルベンゼン 日本油脂株式会社製 パーブチルP
架橋助剤(アリル型化合物) トリアリルイソシアヌレート
受酸剤(酸化マグネシウム)
充填剤(シリカ)日本アエロジル株式会社製 アエロジルR−972
充填剤(炭酸カルシウム)白石工業株式会社製 ソフトン1200
難燃剤 三酸化アンチモン
難燃剤 臭素系難燃剤 エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)アルベマール株式会社製 サイテックス8010
(1)絶縁電線の作製
(実施例1)
はじめにペレット作製方法について説明する。下記表1に示す配合で、絶縁層を形成するための含ふっ素エラストマ組成物を調整した。具体的には、架橋剤を除く成分、つまり、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体を70質量部と、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体を30質量部と、架橋助剤を5質量部と、受酸剤を1質量部と、充填剤としてシリカを10質量部と、炭酸カルシウムを10質量部と、難燃剤として三酸化アンチモンを10質量部と、エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)を5質量部とからなる成分をニーダで混練し、押出機で紐状に押出し、紐状コンパウンドをカッティングし、離型剤を打粉し、ペレットを作製した。次に、ペレットに液状化した架橋剤(有機過酸化物)を2質量部加え、撹拌混合し、ペレットに架橋剤を含浸させたペレットを作製した。
次に押出による電線作製方法について説明する。架橋剤を含浸させたペレットコンパウンドをシリンダー1:80℃ シリンダー2:80℃ シリンダー3:80℃ ヘッド:90℃ ダイス:100℃の各温度に設定した40mm押出機を用い、外径0.9mmの錫めっき銅撚線導体上に厚さ0.4mmに押出被覆し、その後13気圧のスチームにて3分間架橋を行い電線を作製した。
Figure 0006810888
(実施例2)
実施例2では、ベースポリマとして、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体を80質量部と、エチレン−酢酸ビニル共重合体を20質量部とを用いた点以外は、実施例1と同様に含ふっ素エラストマ組成物を調整して絶縁電線を作製した。
(実施例3)
実施例3では、ベースポリマとして、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体を80質量部と、エチレン−アクリル酸エチル共重合体を20質量部とを用いた点以外は、実施例1と同様に含ふっ素エラストマ組成物を調整して絶縁電線を作製した。
(実施例4)
実施例4では、ベースポリマとして、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体とエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体の混合比率を変更した点以外は、実施例1と同様に含ふっ素エラストマ組成物を調整して絶縁電線を作製した。
(実施例5)
実施例5では、ベースポリマとして、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体とエチレン−アクリル酸エチル共重合体の混合比率を変更した点以外は、実施例3と同様に含ふっ素エラストマ組成物を調整して絶縁電線を作製した。
(実施例6)
実施例6では、ベースポリマとして、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体とエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体の混合比率を変更した点以外は、実施例1と同様に含ふっ素エラストマ組成物を調整して絶縁電線を作製した。
(実施例7)
実施例7では、ベースポリマとして、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体とエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体の混合比率を変更した点以外は、実施例1と同様に含ふっ素エラストマ組成物を調整して絶縁電線を作製した。
(比較例1)
比較例1では、ベースポリマとして、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体を60質量部、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体を40質量部として、両者の混合比率を本発明で規定する範囲外とした以外は、実施例1と同様に含ふっ素エラストマ組成物を調整して絶縁電線を作製した。
(比較例2)
比較例2では、ベースポリマとして、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体を99質量部、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体を1質量部として、両者の混合比率を本発明で規定する範囲外とした以外は、実施例1と同様に含ふっ素エラストマ組成物を調整して絶縁電線を作製した。
(比較例3)
比較例3では、ベースポリマとして、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体を100質量部とし、ポリオレフィン系共重合体を用いなかったことで両者の混合比率を本発明で規定する範囲外とした以外は、実施例1と同様に含ふっ素エラストマ組成物を調整して絶縁電線を作製した。
(2)評価方法
作製した絶縁電線について以下の方法により評価した。
(含浸性)
加工性の含浸性は、架橋剤を含浸させたペレットを架橋剤の融点以上で放置して、ペレット表面に艶がない場合は合格、艶がある場合は不合格とした。架橋剤がペレットに含浸されていないとペレット表面で架橋剤が溶けて艶がでてくるためである。
(押出性)
加工性の押出性は、押出機の投入口でペレットが空回りしない場合を合格、空回りした場合を不合格とした。
(耐熱性)
耐熱性は、上記のようにして製造した絶縁電線から錫めっき銅撚線を引き抜いてチューブ形状として、250℃で4日間熱老化試験機に入れた後、取出し、引張特性を測定し、初期引張特性に対する熱老化後引張特性の比を次式「残率(%)=(熱老化後引張特性/初期引張特性)×100」により算出し、残率で表し、残率80%以上を合格とした。
(難燃性)
難燃性は、UL758に準拠した垂直燃焼試験(VW−1)を行い、1分以内に自己消火したものを合格、1分を超えるものを不合格とした。
(3)評価結果
評価結果を上記表1にまとめる。
実施例1〜7では、テトラフルオロエチレンと炭素数が2から3のα−オレフィンとの共重合体とポリオレフィン系共重合体とを所定量ブレンドすることで、テトラフルオロエチレンと炭素数が2から3のα−オレフィンとの共重合体が本来有する耐熱性を維持しながら、含浸性に優れることが確認された。
これに対して、比較例1では、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体の比率を多くしすぎたため、耐熱性を高く維持することができないことが確認された。
比較例2及び比較例3では、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体の比率が少なすぎた又はゼロであったため、含浸性及び押出性に劣ることが確認された。
以上のように、テトラフルオロエチレンと炭素数が2から3のα−オレフィンとの共重合体とポリオレフィン系共重合体とを所定量添加し、これらからなるペレットに液状の架橋剤を含浸させることにより、テトラフルオロエチレンと炭素数が2から3のα−オレフィンとの共重合体が本来有する耐熱性を維持しながら、含浸性に優れることが確認された。
10 絶縁電線
11 導体
12 絶縁層

Claims (3)

  1. 導体と、前記導体の外周に、テトラフルオロエチレンと炭素数が2から3のα−オレフィンとの共重合体と、ポリオレフィン系共重合体とを含むベースポリマと、架橋剤とを含む含ふっ素エラストマ組成物を絶縁層として押出被覆して絶縁電線を製造する方法において、
    前記テトラフルオロエチレンと炭素数が2から3のα−オレフィンとの共重合体を70質量%以上95質量%以下及び前記ポリオレフィン系共重合体を5質量%以上30質量%以下含む樹脂組成物を混練し、前記架橋剤を含まないペレットを作製する工程と、
    前記架橋剤を含まないペレットに液状の架橋剤を含浸させる工程と、
    前記架橋剤を含浸させたペレットを、前記絶縁層として前記導体の外周に押出被覆する工程とを有し、
    前記ポリオレフィン系共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体及びエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体のうちのいずれかからなる
    ことを特徴とする含ふっ素エラストマ被覆絶縁電線の製造方法。
  2. 前記テトラフルオロエチレンと炭素数が2から3のα−オレフィンとの共重合体がテトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体である、請求項1に記載の含ふっ素エラストマ被覆絶縁電線の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の前記含ふっ素エラストマ被覆絶縁電線の製造方法において、さらに、前記導体の外周に押出被覆した絶縁体を架橋する工程を有することを特徴とする含ふっ素エラストマ被覆絶縁電線の製造方法。
JP2016224925A 2016-11-18 2016-11-18 含ふっ素エラストマ被覆絶縁電線の製造方法 Active JP6810888B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016224925A JP6810888B2 (ja) 2016-11-18 2016-11-18 含ふっ素エラストマ被覆絶縁電線の製造方法
CN201711122606.2A CN108070184A (zh) 2016-11-18 2017-11-14 含氟弹性体被覆绝缘电线的制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016224925A JP6810888B2 (ja) 2016-11-18 2016-11-18 含ふっ素エラストマ被覆絶縁電線の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018081871A JP2018081871A (ja) 2018-05-24
JP6810888B2 true JP6810888B2 (ja) 2021-01-13

Family

ID=62159805

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016224925A Active JP6810888B2 (ja) 2016-11-18 2016-11-18 含ふっ素エラストマ被覆絶縁電線の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6810888B2 (ja)
CN (1) CN108070184A (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109867890B (zh) * 2017-12-05 2022-01-07 日立金属株式会社 绝缘电线
KR102295204B1 (ko) * 2019-03-06 2021-08-31 (주)삼일씨앤에프 난연도료 및 그의 제조방법
JP7214677B2 (ja) * 2020-03-27 2023-01-30 古河電気工業株式会社 架橋フッ素ゴム組成物、並びに、これを用いた配線材及びその製造方法
JP7405001B2 (ja) 2020-05-18 2023-12-26 株式会社プロテリアル 絶縁電線の製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6092331A (ja) * 1983-10-26 1985-05-23 Sumitomo Electric Ind Ltd 押出成型品の架橋方法
EP2842717B1 (en) * 2012-04-27 2018-08-15 Mitsui Chemicals Tohcello, Inc. Process for producing sealant sheet for solar cell
JP5425973B2 (ja) * 2012-06-21 2014-02-26 昭和電線ケーブルシステム株式会社 耐熱難燃絶縁電線
JP5648985B2 (ja) * 2012-07-09 2015-01-07 住友電気工業株式会社 耐熱難燃性樹脂組成物及び絶縁電線、チューブ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018081871A (ja) 2018-05-24
CN108070184A (zh) 2018-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6810888B2 (ja) 含ふっ素エラストマ被覆絶縁電線の製造方法
US11192984B2 (en) Heat-resistant crosslinked fluorocarbon rubber formed body and method for producing the same, silane master batch, master batch mixture and formed body thereof, and heat-resistant product
KR20160060650A (ko) 함불소 엘라스토머 조성물, 그 제조 방법, 성형체, 가교물, 및 피복 전선
WO2020013186A1 (ja) 耐熱性架橋フッ素ゴム成形体及びその製造方法、シランマスターバッチ、マスターバッチ混合物、並びに、耐熱性製品
US11643487B2 (en) Heat-resistant crosslinked fluororubber formed body and method of producing the same, and heat-resistant product
JP6020200B2 (ja) 含ふっ素エラストマ組成物及びこれを用いた絶縁電線
JP6194842B2 (ja) 含フッ素エラストマー組成物、並びにこれを用いた絶縁電線及びケーブル
JP6766569B2 (ja) 絶縁電線
CN110343348B (zh) 绝缘电线
CN109867890B (zh) 绝缘电线
JP7203783B2 (ja) 耐熱性難燃架橋フッ素ゴム成形体及びその製造方法、並びに耐熱性製品
JP6766570B2 (ja) 絶縁電線
JP7405001B2 (ja) 絶縁電線の製造方法
JP6311502B2 (ja) 含フッ素エラストマー組成物、並びにこれを用いた絶縁電線及びケーブル
JP4070006B2 (ja) 含フッ素エラストマー組成物
WO2015132930A1 (ja) 含フッ素エラストマー組成物、並びにこれを用いた絶縁電線及びケーブル
JPS59100141A (ja) フツ素樹脂架橋成形体の製造方法
JP6575777B2 (ja) 電線
JPS6116932A (ja) 含フツ素エラストマ架橋成形体の製造方法
JP2014055225A (ja) 含フッ素エラストマ組成物及び絶縁電線
JP7214677B2 (ja) 架橋フッ素ゴム組成物、並びに、これを用いた配線材及びその製造方法
JPH02216704A (ja) 含ふっ素エラストマ被覆絶縁電線
JP2022119103A (ja) 架橋性フッ素ゴム組成物及びこれを用いた配線材
JPH052922A (ja) 含ふつ素弾性体被覆電線
JP2017033784A (ja) 絶縁電線

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190808

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200717

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200817

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201015

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201125

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6810888

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350