JP7299525B2 - 電気化学デバイス用被圧縮部材 - Google Patents

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Description

本開示は、電気化学デバイス用被圧縮部材に関する。
封止部材は、たとえば、密閉型電池において用いられている。特許文献1には、電極体および電解質を収容する電池ケースに設けられた端子引出孔を、貫通孔を有する環状のシール部材でシールすることが開示されている。
特開2010-282848号公報
本開示では、射出成形法により容易に製造することができ、表面平滑性、耐クラック性および耐圧縮永久歪み性に優れた電気化学デバイス用被圧縮部材を提供することを目的とする。
本開示によれば、(1)テトラフルオロエチレン単位およびフルオロアルキルビニルエーテル単位を含有する共重合体であって、前記共重合体の全単量体単位に対する前記フルオロアルキルビニルエーテル単位の含有量が、4.3質量%以上5.5質量%未満であり、前記共重合体のメルトフローレートが、10~23g/10分である共重合体、および、(2)テトラフルオロエチレン単位およびフルオロアルキルビニルエーテル単位を含有する共重合体であって、前記共重合体の全単量体単位に対する前記フルオロアルキルビニルエーテル単位の含有量が、5.5質量%以上8.0質量%以下であり、前記共重合体のメルトフローレートが、23~68g/10分である共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体を含有する電気化学デバイス用被圧縮部材が提供される。
本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材において、前記フルオロアルキルビニルエーテル単位が、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)単位およびパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)単位からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材において、前記共重合体の融点が、305℃以下であることが好ましい。
本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、50%の圧縮変形率で圧縮変形した状態で、40℃で1000時間保持した後に測定される前記共重合体の圧縮永久歪み率が、85%以下であることが好ましい。
本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、30%以上の圧縮変形率で圧縮変形した状態で用いられることが好ましい。
本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、最高温度が40℃以上となる環境下で使用されることが好ましい。
本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、射出成形品であることが好ましい。
本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、電池用被圧縮部材であることが好ましい。
本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、封止部材または絶縁部材であることが好ましい。
本開示によれば、射出成形法により容易に製造することができ、表面平滑性、耐クラック性および耐圧縮永久歪み性に優れた電気化学デバイス用被圧縮部材を提供することができる。
以下、本開示の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本開示は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、圧縮変形させて用いられる部材である。本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、テトラフルオロエチレン(TFE)単位およびフルオロアルキルビニルエーテル(FAVE)単位を含有する共重合体を含有する。本発明者らは、FAVE単位の含有量およびメルトフローレート(MFR)が特定の範囲内に調整された共重合体を、電気化学デバイス用被圧縮部材の成形材料として用いると、射出成形法により電気化学デバイス用被圧縮部材を容易に製造することができ(射出成形性)、得られる電気化学デバイス用被圧縮部材の表面粗度が小さく(表面平滑性)、電気化学デバイス用被圧縮部材を高い圧縮変形率で圧縮変形させてもクラックが生じにくく(耐クラック性)、さらには、電気化学デバイス用被圧縮部材を高い圧縮変形率で圧縮変形させた状態で、高温で使用した後であっても、低い圧縮永久歪み率を示す(耐圧縮永久歪み性)ことを見出した。すなわち、本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、これらの要求特性を一度に充足するために最適な材料を見出したことによって完成された発明である。
本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、
(1)テトラフルオロエチレン単位およびフルオロアルキルビニルエーテル単位を含有する共重合体であって、前記共重合体の全単量体単位に対する前記フルオロアルキルビニルエーテル単位の含有量が、4.3質量%以上5.5質量%未満であり、前記共重合体のメルトフローレートが、10~23g/10分である共重合体、および、
(2)テトラフルオロエチレン単位およびフルオロアルキルビニルエーテル単位を含有する共重合体であって、前記共重合体の全単量体単位に対する前記フルオロアルキルビニルエーテル単位の含有量が、5.5質量%以上8.0質量%以下であり、前記共重合体のメルトフローレートが、23~68g/10分である共重合体
からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体を含有する。
共重合体(1)のフルオロアルキルビニルエーテル(FAVE)単位の含有量は、4.3質量%以上5.5質量%未満であり、耐クラック性および耐圧縮永久歪み性により一層優れた電気化学デバイス用被圧縮部材が得られることから、好ましくは4.5質量%以上であり、好ましくは5.0質量%以下であり、より好ましくは4.7質量%以下である。
共重合体(1)のテトラフルオロエチレン(TFE)単位の含有量は、耐クラック性および耐圧縮永久歪み性により一層優れた電気化学デバイス用被圧縮部材が得られることから、共重合体の全単量体単位に対して、好ましくは94.5質量%超であり、より好ましくは95.0質量%以上であり、好ましくは95.7質量%以下であり、より好ましくは95.5質量%以下である。
共重合体(1)のMFRは、10~23g/10分であり、射出成形法によって一層容易に製造することができ、表面平滑性により一層優れた電気化学デバイス用被圧縮部材が得られることから、好ましくは12g/10分以上であり、好ましくは15g/10分以下である。
共重合体(1)は、MFRが上記の範囲内にあることから、射出成形法によって容易に成形できる。たとえば、射出成形法により、多数の小型の成形品を一度に製造する場合には、非常に複雑な形状を有する金型を用いる必要がある。共重合体(1)は、複雑な形状を有する金型を用いる場合であっても、金型内に十分に充填されることから、共重合体(1)を射出成形することによって、複数の小型の電気化学デバイス用被圧縮部材を一度に製造することができる。したがって、共重合体(1)を含有する本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、射出成形法により高い生産性で製造することができる。また、射出成形が困難な共重合体を用いる従来の方法では、共重合体の大型のブロックを作製した後、ブロックを切削加工し、得られたシートを打ち抜き、圧縮加工することにより、電気化学デバイス用被圧縮部材が製造されてきた。切削加工は、生産性に劣るだけでなく、電気化学デバイス用被圧縮部材の表面に切削痕を残す。本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、射出成形法により、所望の形状を有する電気化学デバイス用被圧縮部材を製造することができ、得られた電気化学デバイス用被圧縮部材表面には切削痕が残らないことから、表面平滑性にも優れている。表面平滑性に優れる電気化学デバイス用被圧縮部材は、他の部材と隙間なく密着できることから、封止部材として用いた場合の封止特性に優れており、絶縁部材として用いた場合の絶縁特性に優れている。
また、共重合体(1)のFAVE単位の含有量およびMFRが上記の範囲内にあることから、共重合体(1)を含有する電気化学デバイス用被圧縮部材は、射出成形法により容易に製造することができ、表面平滑性に優れるだけでなく、耐クラック性および耐圧縮永久歪み性にも優れている。FAVE単位の含有量が上記の範囲内にあっても、MFRが上記の範囲外である場合には、射出成形法による製造が困難であったり、耐クラック性または耐圧縮永久歪み性に劣ったりする。MFRが上記の範囲内にあっても、FAVE単位の含有量が上記の範囲外である場合には、耐クラック性または耐圧縮永久歪み性に劣る。
共重合体(2)のFAVE単位の含有量は、5.5質量%以上8.0質量%以下であり、耐クラック性および耐圧縮永久歪み性により一層優れた電気化学デバイス用被圧縮部材が得られることから、好ましくは6.0質量%以上であり、より好ましくは6.5質量%以上であり、好ましくは7.5質量%以下であり、より好ましくは7.0質量%以下である。
共重合体(2)のTFE単位の含有量は、より一層クラックが生じにくく、耐クラック性および耐圧縮永久歪み性により一層優れた電気化学デバイス用被圧縮部材が得られることから、共重合体の全単量体単位に対して、好ましくは92.0質量%以上であり、より好ましくは92.5質量%以上であり、さらに好ましくは93.0質量%以上であり、好ましくは94.5質量%以下であり、より好ましくは94.0質量%以下であり、さらに好ましくは93.5質量%以下である。
共重合体(2)のMFRは、23~68g/10分であり、射出成形法によって一層容易に製造することができ、表面平滑性により一層優れた電気化学デバイス用被圧縮部材が得られることから、好ましくは25g/10分以上であり、好ましくは62g/10分以下であり、より好ましくは40g/10分以下である。
共重合体(2)は、MFRが上記の範囲内にあることから、射出成形法によって容易に成形できる。たとえば、射出成形法により、複数の小型の成形品を一度に製造する場合には、非常に複雑な形状を有する金型を用いる必要がある。共重合体(2)は、複雑な形状を有する金型を用いる場合であっても、金型内に十分に充填されることから、共重合体(2)を射出成形することによって、複数の小型の電気化学デバイス用被圧縮部材を一度に製造することができる。したがって、共重合体(2)を含有する本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、射出成形法により高い生産性で製造することができる。また、射出成形が困難な共重合体を用いる従来の方法では、共重合体の大型のブロックを作製した後、ブロックを切削加工し、得られたシートを打ち抜き、圧縮加工することにより、電気化学デバイス用被圧縮部材が製造されてきた。切削加工は、生産性に劣るだけでなく、電気化学デバイス用被圧縮部材の表面に切削痕を残す。本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、射出成形法により、所望の形状を有する電気化学デバイス用被圧縮部材を製造することができ、得られた電気化学デバイス用被圧縮部材表面には切削痕が残らないことから、表面平滑性にも優れている。表面平滑性に優れる電気化学デバイス用被圧縮部材は、他の部材と隙間なく密着できることから、封止部材として用いた場合の封止特性に優れており、絶縁部材として用いた場合の絶縁特性に優れている。
また、共重合体(2)のFAVE単位の含有量およびMFRが上記の範囲内にあることから、共重合体(2)を含有する電気化学デバイス用被圧縮部材は、射出成形法により容易に製造することができ、表面平滑性に優れるだけでなく、耐クラック性および耐圧縮永久歪み性にも優れている。FAVE単位の含有量が上記の範囲内にあっても、MFRが上記の範囲外である場合には、射出成形法による製造が困難であったり、耐クラック性または耐圧縮永久歪み性に劣ったりする。MFRが上記の範囲内にあっても、FAVE単位の含有量が上記の範囲外である場合には、耐クラック性または耐圧縮永久歪み性に劣る。
本開示において、共重合体中の各単量体単位の含有量は、19F-NMR法により測定する。
本開示において、メルトフローレートは、ASTM D1238に従って、メルトインデクサー(安田精機製作所社製)を用いて、372℃、5kg荷重下で内径2.1mm、長さ8mmのノズルから10分間あたりに流出するポリマーの質量(g/10分)として得られる値である。
本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、共重合体として、共重合体(1)のみを含有するものであってもよいし、共重合体(2)のみを含有するものであってもよいし、共重合体(1)および共重合体(2)の両方を含有するものであってもよいが、共重合体(1)のみを含有するもの、または、共重合体(2)のみを含有するものであることが好ましい。共重合体(1)のみを含有する電気化学デバイス用被圧縮部材は、共重合体(1)のFAVE単位の含有量およびMFRを充足するが、FAVE単位の含有量およびMFRが異なる2種以上の共重合体(1)を含有することができる。また、共重合体(2)のみを含有する電気化学デバイス用被圧縮部材は、共重合体(2)のFAVE単位の含有量およびMFRを充足するが、FAVE単位の含有量およびMFRが異なる2種以上の共重合体(2)を含有することができる。
共重合体(1)および(2)は、TFE単位およびFAVE単位を含有する共重合体(以下、TFE/FAVE共重合体(または、PFA)という)である。共重合体(1)および(2)は、溶融加工性のフッ素樹脂である。溶融加工性とは、押出機および射出成形機などの従来の加工機器を用いて、ポリマーを溶融して加工することが可能であることを意味する。このように、TFE/FAVE共重合体は加工が容易であることから、TFE/FAVE共重合体を含有する本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は製造が容易である。また、本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、TFE/FAVE共重合体を含有することから、耐熱性、耐ヒートショック性、耐ストレスクラッキング性、耐電解液性、低透湿性などにも優れている。
上記FAVE単位を構成するFAVEとしては、一般式(1):
CF=CFO(CFCFYO)-(CFCFCFO)-Rf (1)
(式中、YはFまたはCFを表し、Rfは炭素数1~5のパーフルオロアルキル基を表す。pは0~5の整数を表し、qは0~5の整数を表す。)で表される単量体、および、一般式(2):
CFX=CXOCFOR (2)
(式中、Xは、同一または異なり、H、FまたはCFを表し、Rは、直鎖または分岐した、H、Cl、BrおよびIからなる群より選択される少なくとも1種の原子を1~2個含んでいてもよい炭素数が1~6のフルオロアルキル基、若しくは、H、Cl、BrおよびIからなる群より選択される少なくとも1種の原子を1~2個含んでいてもよい炭素数が5または6の環状フルオロアルキル基を表す。)で表される単量体からなる群より選択される少なくとも1種を挙げることができる。
なかでも、上記FAVEとしては、射出成形法によって一層容易に製造することができ、表面平滑性、耐クラック性および耐圧縮永久歪み性に一層優れた電気化学デバイス用被圧縮部材が得られることから、一般式(1)で表される単量体が好ましく、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)およびパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、PEVEおよびPPVEからなる群より選択される少なくとも1種がさらに好ましく、PPVEが特に好ましい。
共重合体(1)および(2)は、TFEおよびFAVEと共重合可能な単量体に由来する単量体単位を含有することもできる。この場合、TFEおよびFAVEと共重合可能な単量体の含有量は、共重合体の全単量体単位に対して、好ましくは0~10質量%であり、より好ましくは0.1~5質量%である。
TFEおよびFAVEと共重合可能な単量体としては、HFP、CZ=CZ(CF(式中、Z、ZおよびZは、同一または異なって、HまたはFを表し、Zは、H、FまたはClを表し、nは2~10の整数を表す。)で表されるビニル単量体、および、CF=CF-OCH-Rf(式中、Rfは炭素数1~5のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体等が挙げられる。なかでも、HFPが好ましい。
共重合体(1)および(2)としては、TFE単位およびFAVE単位のみからなる共重合体、および、上記TFE/HFP/FAVE共重合体からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、TFE単位およびFAVE単位のみからなる共重合体がより好ましい。
共重合体(1)および(2)の融点は、好ましくは280~322℃であり、より好ましくは290℃以上であり、より好ましくは315℃以下であり、さらに好ましくは305℃以下である。また、共重合体(1)および(2)の融点は、射出成形法によって一層容易に製造することができ、表面平滑性、耐クラック性および耐圧縮永久歪み性に一層優れた電気化学デバイス用被圧縮部材が得られることから、尚さらに好ましくは305℃未満であり、特に好ましくは302℃以下であり、最も好ましくは300℃以下である。上記融点は、示差走査熱量計〔DSC〕を用いて測定できる。
共重合体(1)および(2)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは70~110℃であり、より好ましくは80℃以上であり、より好ましくは100℃以下である。上記ガラス転移温度は、動的粘弾性測定により測定できる。
共重合体(1)および(2)は、例えば、その構成単位となるモノマーや、重合開始剤等の添加剤を適宜混合して、乳化重合、懸濁重合を行う等の従来公知の方法により製造することができる。
本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、充填剤、可塑剤、顔料、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、老化防止剤、帯電防止剤、抗菌剤等を挙げることができる。
上記その他の成分としては、なかでも、充填剤が好ましい。充填剤としては、たとえば、シリカ、カオリン、クレー、有機化クレー、タルク、マイカ、アルミナ、炭酸カルシウム、テレフタル酸カルシウム、酸化チタン、リン酸カルシウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、架橋ポリスチレン、チタン酸カリウム、カーボン、チッ化ホウ素、カーボンナノチューブ、ガラス繊維等が挙げられる。なかでも、チッ化ホウ素が好ましい。
上述したように、本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、共重合体(1)および(2)以外に各種添加剤をさらに含むことができる。ただし、共重合体(1)および(2)が有する優れた特性を充分により発揮させる観点からは、添加剤の含有量は少ないほうが好ましく、添加剤を含まないことが最も好ましい。具体的には、添加剤は、本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材に対して、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、最も好ましくは0質量%、すなわち、本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材が添加剤を含まないことである。本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、共重合体(1)および(2)からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体のみからなるものであってよい。
本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、共重合体(1)および(2)からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体、または、共重合体(1)および(2)からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体ならびに添加剤を含有する組成物を所望の形状や大きさに成形することにより製造することができる。上記組成物の製造方法としては、上記共重合体と上記添加剤とを乾式で混合する方法や、上記共重合体および添加剤を予め混合機で混合し、次いで、ニーダー、溶融押出し機等で溶融混練する方法等を挙げることができる。
上記共重合体または上記組成物を成形する方法は特に限定されず、射出成形法、押出成形法、圧縮成形法、ブロー成形法等が挙げられる。成形方法としては、なかでも、圧縮成形法または射出成形法が好ましく、高い生産性で電気化学デバイス用被圧縮部材を生産できることから、射出成形法がより好ましい。すなわち、本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、圧縮成形品または射出成形品であることが好ましく、高い生産性で生産できることから、射出成形品であることがより好ましい。
本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、高い圧縮変形率で変形させてもクラックが生じにくい。たとえば、非水電解液二次電池では、電極体を収容するケースと蓋との間に、電気化学デバイス用被圧縮部材(封止部材)を圧縮させた状態で配置することによって、電解液などの内容物の漏出を防止するとともに、外部からの空気や水分の侵入を防止する。高い圧縮変形率で電気化学デバイス用被圧縮部材を圧縮した方が、電気化学デバイス用被圧縮部材の反発弾性が大きくなり、封止特性が向上する。また、近年では、二次電池に一層の長寿命化が求められており、電気化学デバイス用被圧縮部材には、長期間使用した後でも一定の反発応力が維持されることが求められる。たとえば、自動車等の移動体に搭載される二次電池などに用いる電気化学デバイス用被圧縮部材には、長期間に渡って電解液の漏出を防止する性能が求められている。
しかし、電気化学デバイス用被圧縮部材を、高圧縮変形率で変形させた状態で長期間使用すると、応力緩和により反発応力が減衰し、封止特性が低下する。したがって、長期間使用後も一定の反発応力を維持させるために、電気化学デバイス用被圧縮部材の圧縮変形率が、従来に比べて高くなる傾向がある。
しかし、従来の電気化学デバイス用被圧縮部材は、高い圧縮変形率で変形させようとすると、クラックが生じることがあった。また、高い圧縮変形率で変形させた際に、電気化学デバイス用被圧縮部材にクラックが生じない場合であっても、十分に反発応力を維持できず、封止特性が低下してしまうことがあった。封止特性の低下は、電気化学デバイス用被圧縮部材を高温で使用し続けた場合に、特に顕著に現れる。本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、高い圧縮変形率で変形させてもクラックが生じにくく、さらには、高い圧縮変形率で変形させた状態で、高温で使用した後であっても、低い圧縮永久歪み率を示す。
共重合体(1)および(2)は、50%の圧縮変形率で圧縮変形した状態で、40℃で1000時間保持した後に測定される圧縮永久歪み率が、85%以下であることが好ましい。共重合体(1)および(2)の高温圧縮後の圧縮変形率が小さいことによって、より一層クラックが生じにくく、高温圧縮後の圧縮永久歪み率がより一層低い電気化学デバイス用被圧縮部材を得ることができる。
本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、上述した構成を有していることから、30%以上の圧縮変形率で圧縮変形した状態で用いた場合でも、クラックが生じず、低い圧縮永久歪み率を維持することができる。本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材を30%以上の圧縮変形率で圧縮変形した状態で用いることによって、一定の反発弾性を長期間維持することができ、封止特性および絶縁特性を長期間維持できる。本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材を用いる際の圧縮変形率は、好ましくは35%以上であり、より好ましくは40%以上である。
上記の圧縮変形率は、電気化学デバイス用被圧縮部材が圧縮された状態で用いられる場合に、最も圧縮変形率が大きい部位の圧縮変形率である。たとえば、扁平な電気化学デバイス用被圧縮部材が、その厚み方向に圧縮した状態で用いられる場合には、厚み方向の圧縮変形率である。また、たとえば、電気化学デバイス用被圧縮部材の一部のみが圧縮された状態で用いられる場合は、圧縮された部位の圧縮変形率のうち、最も圧縮変形率が大きい部位の圧縮変形率である。
本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材の大きさや形状は用途に応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材の形状は、たとえば、環状であってよい。また、本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、平面視で円形、長円形、角を丸めた四角形などの形状を有し、かつその中央部に貫通孔を有するものであってよい。
本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、電気化学デバイスを構成する部材であって、圧縮変形させて用いられる部材である。電気化学デバイスとしては、電気エネルギーと化学エネルギーとを変換するデバイスであれば特に限定されないが、リチウムイオン二次電池などの電池、リチウムイオンキャパシタ、ハイブリットキャパシタ、電気二重層キャパシタ、アルミ電解コンデンサなどがあげられる。電気化学デバイスとしては、リチウムイオン二次電池またはリチウムイオンキャパシタが好ましい。電気化学デバイスの構成部材としては、たとえば、電気化学デバイス用封止部材、電気化学デバイス用絶縁部材などがあげられる。
本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、たとえば、封止ガスケット、封止パッキンなどの封止部材、絶縁ガスケット、絶縁パッキンなどの絶縁部材として、好適に利用できる。封止部材は、液体もしくは気体の漏出または外部からの液体もしくは気体の侵入を防止するために用いられる部材である。絶縁部材は、電気を絶縁するために用いられる部材である。本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、封止および絶縁の両方の目的のために用いられる部材であってもよい。
本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、高い圧縮変形率で変形させてもクラックが生じにくく、さらには、高い圧縮変形率で変形させた状態で、高温で使用した後であっても、低い圧縮永久歪み率を示すことから、高温となる環境下で好適に使用できる。たとえば、本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、最高温度が40℃以上となる環境下で使用することが好適である。
本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、高い圧縮変形率で変形させてもクラックが生じにくく、さらには、高い圧縮変形率で変形させた状態で、高温で使用した後であっても、低い圧縮永久歪み率を示すことから、電池用被圧縮部材として好適に使用できる。たとえば、二次電池などの電池の充電時には、電池の温度が一時的に40℃以上となることがある。本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、二次電池などの電池中で、高い圧縮変形率で変形させて使用しても、高い反発弾性が損なわれない。したがって、本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材を封止部材として使用した場合には、優れた封止特性が長期間維持される。また、本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材を絶縁部材として使用した場合には、2以上の導電部材にしっかりと密着して、短絡を長期間に渡って防止する。
本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、共重合体(1)および(2)からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体を含有することから、非水電解液二次電池に用いられる電解液に対して、優れた耐性を有している。したがって、本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、非水電解液二次電池用被圧縮部材として好適に使用できる。また、本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、表面平滑性に優れ、高い圧縮変形率で変形させてもクラックが生じにくく、さらには、高い圧縮変形率で変形させた状態で、高温で使用した後であっても、低い圧縮永久歪み率を示すことから、非水電解液二次電池用封止部材として、より好適に使用できる。
本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、共重合体(1)および(2)からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体を含有することから、優れた絶縁特性を有している。したがって、本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、絶縁部材としても好適に使用できる。また、本開示の電気化学デバイス用被圧縮部材は、共重合体(1)および(2)からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体を含有することから、非水電解液二次電池に用いられる電解液に対して、優れた耐性を有しており、表面平滑性に優れ、高い圧縮変形率で変形させてもクラックが生じにくく、さらには、高い圧縮変形率で変形させた状態で、高温で使用した後であっても、低い圧縮永久歪み率を示すことから、非水電解液二次電池用絶縁部材として、より好適に使用できる。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
つぎに本開示の実施形態について実験例をあげて説明するが、本開示はかかる実験例のみに限定されるものではない。
実験例
表1に記載の物性を有するテトラフルオロエチレン/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)共重合体を用いて、以下の方法により、射出成形性および圧縮特性を評価した。表1に記載の各物性は以下の方法により測定した。
(融点)
示差走査熱量計〔DSC〕を用いて10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度として求めた。
(単量体単位の含有量)
各単量体単位の含有量は、19F-NMR法により測定した。表1に記載の「PPVE(wt%)」は、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)共重合体を構成する全単量体単位に対する、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)単位(PPVE単位)の含有量を表す。
(メルトフローレート(MFR))
ASTM D1238に従って、メルトインデクサー(安田精機製作所社製)を用いて、372℃、5kg荷重下で内径2.1mm、長さ8mmのノズルから10分間あたりに流出するポリマーの質量(g/10分)を求めた。
(金型流動性)
上記の方法により測定したMFRに基づいて、以下の基準により、金型流動性を評価した。
良:MFRが10g/10分以上であった。
不良:MFRが10g/10分未満であった。
二次電池用被圧縮部材は、一般的に、小さく、肉厚が薄い。したがって、射出成形法により、多数の二次電池用被圧縮部材を一度に製造するためには、複雑な流路を有する金型を用いる必要がある。共重合体のMFRが10g/10分以上である場合、複雑な流路を有する金型に、共重合体を十分に充填させることができ、美麗な射出成形品を得ることができる。一方、共重合体のMFRが10g/10分未満である場合、共重合体の分解温度近傍まで、共重合体および金型を加熱して射出成形しても、得られる射出成形品には、ウェルドライン、ヒケ、ショートショット、メルトフラクチャーと呼ばれる表面粗れ、などの様々な不具合が観られる。
本発明者らの知見によれば、本開示で用いる共重合体のMFRが10g/10分以上である場合、スパイラルフロー試験でも良好な流動性を示す。スパイラルフロー試験では、蚊取り線香様の渦巻き溝を持つ射出成形用金型(スパイラルフロー金型)を用いて、ポリマーが流れる長さ(単位:mm)を測定し流動性を計測する。この試験法は、金型温度や成形条件を一定としポリマーの種類やグレード間の流動性を比較する場合や、金型温度を低くするなど特定の成形条件下でのポリマーの流動性を観察するときにも用いられる。
(成形品の表面平滑性)
射出成形機を用いて、シリンダー温度C1/C2/C3=360/390/400(℃)、ノズル温度400(℃)、金型温度200℃にて、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)共重合体のペレットを射出成形することにより、中空円盤状(リング状)の成形品(外径4.6cm、内径1.2cm、厚み0.3cm)を作製した。
成形品の表面粗度Raを、表面粗度測定機(Mitutoyo社製SURFTESTSV-600)を使用し、JIS B0601-1994に準拠して、測定点数5点の測定を3回繰り返し、得られた測定値の平均値を算出することにより、求めた。算出された表面粗度Raに基づいて、以下の基準により、表面平滑性を評価した。
良:成形品の表面粗度Raが0.1μm未満であった。
不良:成形品の表面粗度Raが0.1μm以上であった。
(射出成形性(総合評価))
金型流動性および成形品の表面平滑性の結果から、以下の基準により射出成形性を評価した。
良:金型流動性および成形品の表面平滑性の両方が良好であった。
不良:金型流動性および成形品の表面平滑性の少なくとも一方が不良であった。
(50%圧縮変形試験による耐クラック性および高温圧縮試験後の耐圧縮永久歪み性)
これらの試験および測定は、ASTM D395またはJIS K6262に記載の方法に準じた。
金型(内径10mm、高さ38mm)に、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)共重合体のペレットを約20g投入した状態で、熱板プレスにて350℃で30分間溶融後、圧力4MPa(樹脂圧)で加圧しながら水冷して、高さ約12mmの成形品を作製した。その後、得られた成形品を切削することにより、外径10mm、高さ10mmの試験片を作製した。作製した試験片を、圧縮装置を用いて、常温で、圧縮変形率50%まで圧縮(つまり、高さ10mmの試験片を、高さ5mmまで圧縮)した。圧縮後の試験片のクラックの有無を確認して、以下の基準により、耐クラック性を評価した。
良:クラックが確認されなかった。
不良:クラックが確認された。
次に、圧縮した試験片を圧縮装置に固定したまま、電気炉内に静置し、40℃で1000時間放置した。電気炉から圧縮装置を取り出し、試験片を取り外した。回収した試験片を、室温で、30分放置して、高さを測定した。次式により、高温圧縮試験後の圧縮永久歪み率を求めた。
圧縮永久歪み率(%)=(t-t)/(t-t)×100
:試験片の元の高さ(mm)
:スペーサの高さ(mm)
:圧縮装置から取り外した試験片の高さ(mm)
上記の試験においては、t=10mm、t=5mmである。
高温圧縮試験後の圧縮永久歪み率に基づいて、以下の基準により、高温圧縮試験後の耐圧縮永久歪み性を評価した。
良:圧縮永久歪み率が85%以下であった。
不良:圧縮永久歪み率が85%超であった。
(圧縮特性(総合評価))
耐クラック性および耐圧縮永久歪み性の結果から、以下の基準により圧縮特性を評価した。
良:耐クラック性および耐圧縮永久歪み性の両方が良好であった。
不良:耐クラック性および耐圧縮永久歪み性の少なくとも一方が不良であった。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0007299525000001

Claims (9)

  1. テトラフルオロエチレン単位およびフルオロアルキルビニルエーテル単位のみからなる共重合体であって、前記共重合体の全単量体単位に対する前記フルオロアルキルビニルエーテル単位の含有量が、4.3質量%以上5.5質量%未満であり、前記共重合体のメルトフローレートが、10~23g/10分である共重合体を含有する電気化学デバイス用被圧縮部材であって、
    前記メルトフローレートが、ASTM D1238に従って、メルトインデクサーを用いて、372℃、5kg荷重下で内径2.1mm、長さ8mmのノズルから10分間あたりに流出する質量から求められる、電気化学デバイス用被圧縮部材。
  2. 前記フルオロアルキルビニルエーテル単位が、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)単位およびパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)単位からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載の電気化学デバイス用被圧縮部材。
  3. 前記共重合体の融点が、305℃以下である請求項1または2に記載の電気化学デバイス用被圧縮部材。
  4. 50%の圧縮変形率で圧縮変形した状態で、40℃で1000時間保持した後に測定される前記共重合体の圧縮永久歪み率が、82%以下である請求項1~3のいずれかに記載の電気化学デバイス用被圧縮部材。
  5. 30%以上の圧縮変形率で圧縮変形した状態で用いられる請求項1~4のいずれかに記載の電気化学デバイス用被圧縮部材。
  6. 最高温度が40℃以上となる環境下で使用される請求項1~5のいずれかに記載の電気化学デバイス用被圧縮部材。
  7. 射出成形品である請求項1~6のいずれかに記載の電気化学デバイス用被圧縮部材。
  8. 電池用被圧縮部材である請求項1~7のいずれかに記載の電気化学デバイス用被圧縮部材。
  9. 封止部材または絶縁部材である請求項1~8のいずれかに記載の電気化学デバイス用被圧縮部材。
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