JP2014129309A - ラジカル重合増感剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定の10,10’−ビス(アシルオキシ)−9,9’−ビアントラセン化合物を含有するラジカル重合増感剤。
【選択図】なし
Description
まず、一般式(1)で表される10,10’−ビス(アシルオキシ)−9,9’−ビアントラセン化合物について説明する。
10’−ビス(プロピオニルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ジオクチル−10,10’−ビス(n−ブチリルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ジオクチル−10,10’−ビス(i−ブチリルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ジオクチル−10,10’−ビス(n−バレリルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ジオクチル−10,10’−ビス(i−バレリルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、10,10’−ビス(n−ヘキサノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ジオクチル−10,10’−ビス(n−ヘプタノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ジオクチル−10,10’−ビス(n−オクタノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ジオクチル−10,10’−ビス(2−エチルヘキサノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ジオクチル−10,10’−ビス(n−ノナノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ジオクチル−10,10’−ビス(n−デカノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ジオクチル−10,10’−ビス(n−ドデカノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ジオクチル−10,10’−ビス(ベンゾイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ジオクチル−10,10’−ビス(4−メチルベンゾイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ジオクチル−10,10’−ビス(2−ナフトイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ビス(2−エチルヘキシル)−10,10’−ビス(アセチルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ビス(2−エチルヘキシル)−10,10’−ビス(プロピオニルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ビス(2−エチルヘキシル)−10,10’−ビス(n−ブチリルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ビス(2−エチルヘキシル)−10,10’−ビス(i−ブチリルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ビス(2−エチルヘキシル)−10,10’−ビス(n−バレリルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ビス(2−エチルヘキシル)−10,10’−ビス(i−バレリルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、10,10’−ビス(n−ヘキサノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ビス(2−エチルヘキシル)−10,10’−ビス(n−ヘプタノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ビス(2−エチルヘキシル)−10,10’−ビス(n−オクタノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ビス(2−エチルヘキシル)−10,10’−ビス(2−エチルヘキサノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ビス(2−エチルヘキシル)−10,10’−ビス(n−ノナノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ビス(2−エチルヘキシル)−10,10’−ビス(n−デカノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ビス(2−エチルヘキシル)−10,10’−ビス(n−ドデカノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ビス(2−エチルヘキシル)−10,10’−ビス(ベンゾイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ビス(2−エチルヘキシル)−10,10’−ビス(4−メチルベンゾイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、2,2’−ビス(2−エチルヘキシル)−10,10’−ビス(2−ナフトイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、3,3’−ジメチル−10,10’−ビス(アセチルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、3,3’−ジメチル−10,10’−ビス(プロピオニルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、3,3’−ジメチル−10,10’−ビス(n−ブチリルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、3,3’−ジメチル−10,10’−ビス(i−ブチリルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、3,3’−ジメチル−10,10’−ビス(n−バレリルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、3,3’−ジメチル−10,10’−ビス(i−バレリルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、10,10’−ビス(n−ヘキサノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、3,3’−ジメチル−10,10’−ビス(n−ヘプタノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、3,3’−ジメチル−10,10’−ビス(n−オクタノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、3,3’−ジメチル−10,10’−ビス(2−エチルヘキサノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、3,3’−ジメチル−10,10’−ビス(n−ノナノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、3,3’−ジメチル−10,10’−ビス(n−デカノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、3,3’−ジメチル−10,10’−ビス(n−ドデカノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、3,3’−ジメチル−10,10’−ビス(ベンゾイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、3,3’−ジメチル−10,10’−ビス(4−メチルベンゾイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、3,3’−ジメチル−10,10’−ビス(2−ナフトイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、1,1’−ジメチル−10,10’−ビス(アセチルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、1,1’−ジメチル−10,10’−ビス(プロピオニルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、1,1’−ジメチル−10,10’−ビス(n−ブチリルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、1,1’−ジメチル−10,10’−ビス(i−ブチリルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、1,1’−ジメチル−10,10’−ビス(n−バレリルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、1,1’−ジメチル−10,10’−ビス(i−バレリルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、10,10’−ビス(n−ヘキサノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、1,1’−ジメチル−10,10’−ビス(n−ヘプタノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、1,1’−ジメチル−10,10’−ビス(n−オクタノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、1,1’−ジメチル−10,10’−ビス(2−エチルヘキサノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、1,1’−ジメチル−10,10’−ビス(n−ノナノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、1,1’−ジメチル−10,10’−ビス(n−デカノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、1,1’−ジメチル−10,10’−ビス(n−ドデカノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、1,1’−ジメチル−10,10’−ビス(ベンゾイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、1,1’−ジメチル−10,10’−ビス(4−メチルベンゾイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、1,1’−ジメチル−10,10’−ビス(2−ナフトイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、4,4’−ジメチル−10,10’−ビス(アセチルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、4,4’−ジメチル−10,10’−ビス(プロピオニルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、4,4’−ジメチル−10,10’−ビス(n−ブチリルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、4,4’−ジメチル−10,10’−ビス(i−ブチリルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、4,4’−ジメチル−10,10’−ビス(n−バレリルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、4,4’−ジメチル−10,10’−ビス(i−バレリルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、10,10’−ビス(n−ヘキサノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、4,4’−ジメチル−10,10’−ビス(n−ヘプタノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、4,4’−ジメチル−10,10’−ビス(n−オクタノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、4,4’−ジメチル−10,10’−ビス(2−エチルヘキサノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、4,4’−ジメチル−10,10’−ビス(n−ノナノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、4,4’−ジメチル−10,10’−ビス(n−デカノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、4,4’−ジメチル−10,10’−ビス(n−ドデカノイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、4,4’−ジメチル−10,10’−ビス(ベンゾイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、4,4’−ジメチル−10,10’−ビス(4−メチルベンゾイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン、4,4’−ジメチル−10,10’−ビス(2−ナフトイルオキシ)−9,9’−ビアントラセン等が挙げられる。
次に、一般式(1)に示す10,10’−ビス(アシルオキシ)−9,9’−ビアントラセン化合物の製造方法について説明する。一般式(1)に示す10,10’−ビス(アシルオキシ)−9,9’−ビアントラセン化合物は、出発原料に9−アントロン化合物を用いる。そして、該9−アントロン化合物と、2−メチル−1,4−ナフトキノン化合物等の2位に置換基を有する1,4−ナフトキノン化合物と酸の存在下に反応させることにより、一般式(3)に示す9,9’−ビアントラセン−10,10’(9H,9’H)−ジオン化合物を得ることができる(第一反応)。次いで、該9,9’−ビアントラセン−10,10’(9H,9’H)−ジオン化合物をエノール化して一般式(2)に示す9,9’−ビアントラセン−10,10’−ジオール化合物とし(第二反応)、最後に得られた9,9’−ビアントラセン−10,10’−ジオール化合物をアシル化する(第三反応)ことにより10,10’−ビス(アシルオキシ)−9,9’−ビアントラセン化合物を製造することができる。
本発明の一般式(1)で示される10,10’−ビス(アシルオキシ)−9,9’−ビアントラセン化合物はラジカル重合において増感作用を有するので、ラジカル重合増感剤とすることができる。即ち、本発明のラジカル重合増感剤は、当該化合物を有効成分として含有するラジカル重合増感剤である。
本発明の10,10’−ビス(アシルオキシ)−9,9’−ビアントラセン化合物を含有するラジカル重合増感剤とラジカル重合開始剤及びラジカル重合性化合物とを混合することにより、ラジカル重合性組成物とすることができる。当該ラジカル重合性組成物は、波長が375nmから420nmの光を含むエネルギー線を照射することにより、容易に光硬化させることができる。
また、アセトフェノン系ラジカル重合開始剤であるアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−エトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−イソプロポキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−i−ブトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジル系ラジカル重合開始剤であるベンジル、4,4’−ジメトキシベンジル、アントラキノン系ラジカル重合開始剤である2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−フェノキシアントラキノン、2−(フェニルチオ)アントラキノン、2−(ヒドロキシエチルチオ)アントラキノン等も用いることができる。
当該ラジカル重合性組成物の重合はフィルム状で行うことも出来るし、塊状に硬化させることも可能である。フィルム状に重合させる場合は、当該ラジカル重合性組成物を液状にし、たとえばポリエステルフィルムまたはタックフィルムなどの基材上に、たとえばバーコーターなどを用いてラジカル重合性組成物を塗布し、波長が375nmから420nmの光を含むエネルギー線を照射して重合させる。
フィルム状に重合させる場合に用いられる基材としてはフィルム、紙、アルミ箔、金属等が主に用いられるが特に限定されない。基材としてのフィルムに用いられる素材としてはポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリビニルアルコール(PVA)等が用いられる。当該基材フィルムの膜厚は通常100μm未満の膜厚のものを使用する。光硬化性組成物を塗布して得られる塗膜の膜厚を調整するために使用するバーコーターは特に指定しないが、膜厚が1μm以上100μm未満に調整できるバーコーターを使用する。一方、スピンコーティング法やスクリーン印刷法により、さらに薄い膜厚あるいは厚い膜厚にして塗布することもできる。
また、フィルム状に重合させるときは、酸素存在下では酸素阻害のためフィルム表面のべたつきがなかなか取れず、開始剤の大量添加が必要となる。よって酸素非存在下で重合させることが望ましい。そのような重合方法としては、窒素ガス、ヘリウムガス等の雰囲気で行うことが挙げられる。また、タックフィルムまたはポリエチレンフィルム等で塗布した組成物を覆った後に、ラジカル重合させる方法も有効である。
このようにして調製したラジカル重合性組成物からなる塗膜に、波長が375nmから420nmまでの範囲の光を含むエネルギー線を1〜2000mW/cm2程度の強さで光照射することにより、光硬化物を得ることができる。用いる照射源としては395nmの光を中心波長とする紫外LED、385nm光を中心波長とする紫外LED及び375nmの光を中心波長とする紫外LEDが好ましいが、波長が375nmから420nmの間に発光スペクトルを持つランプであれば使用可能であり、フュージョン社製のD−バルブ、V−バルブ等の無電極ランプや、キセノンランプ、ブラックライト、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ及びガリウムドープドランプ等も使用可能である。また、太陽光によっても硬化させることもできる。
本発明のラジカル重合性組成物が光硬化したかどうかを判定する方法としては、タック・フリー・テスト(指触テスト)を用いた。すなわち、ラジカル重合性組成物に光を照射すると、硬化して組成物のタック(べたつき)がなくなるため、光を照射してからタック(べたつき)がなくなるまでの時間を測定することにより、光硬化時間を測定した。
(1)融点:ゲレンキャンプ社製の融点測定装置、型式MFB−595(JIS K0064に準拠)
(2)赤外線(IR)分光光度計:日本分光社製、型式IR−810
(3)核磁気共鳴装置(NMR):日本電子社製、型式GSX FT NMR Spectorometer
温度計、攪拌機付きの200ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9,9’−ビアントラセン−10,10’−ジオール3.86g(10.0ミリモル)、無水酢酸10.2g(100.0ミリモル)、塩化メチレン30mlを仕込んだ。さらに、氷水で冷却しながらトリエチルアミン2.2g(22.0ミリモル)の塩化メチレン5ml溶液を加えた後、メタノール50mlを加え濃縮して析出した結晶を吸引ろ過・乾燥し、10,10’−ビス(アセチルオキシ)−9,9’−ビアントラセンの薄黄色の結晶3.10g(6.5ミリモル)を得た。9,9’−ビアントラセン−10,10’−ジオールに対する収率は65モル%であった。
(2)IR(KBr,cm−1):3060,2940,1770,1620,1440,1352,1200,1162,1065,770,750,722.
(3)1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ=2.72(s,6H),7.08−7.18(m,8H),7.45−7.52(m,4H),8.05−8.12(m,4H).
温度計、攪拌機付きの200ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9,9’−ビアントラセン−10,10’−ジオール3.86g(10.0ミリモル)、無水プロピオン酸13.0g(100.0ミリモル)、塩化メチレン30mlを仕込んだ。さらに、氷水で冷却しながらトリエチルアミン2.2g(22.0ミリモル)の塩化メチレン5ml溶液を加えた後、メタノール50mlを加え濃縮して析出した結晶を吸引ろ過・乾燥し、10,10’−ビス(プロピオニルルオキシ)−9,9’−ビアントラセンの薄黄色の結晶4.60g(9.2ミリモル)を得た。9,9’−ビアントラセン−10,10’−ジオールに対する収率は92モル%であった。
(2)IR(KBr,cm−1):3060,2980,2950,2930,1770,1441,1241,1120,1083,1056,770,754.
(3)1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ=1.54(t,J=8Hz,6H),3.07(q,J=8Hz,4H),7.08−7.20(m,8H),7.43−7.51(m,4H),8.03−8.11(m,4H).
温度計、攪拌機付きの200ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9,9’−ビアントラセン−10,10’−ジオール7.72g(20.0ミリモル)、塩化n−ブチリル4.69g(44.0ミリモル)、ジメチルアセトアミド50mlを仕込んだ。さらに、氷水で冷却しながらトリエチルアミン4.84g(48.4ミリモル)のジメチルアセトアミド10ml溶液を加えた後、室温で1時間撹拌したところ白い結晶が析出した。該反応混合物にメタノール100mlを加えリスラリーし、ついで結晶を吸引ろ過・乾燥し、10,10’−ビス(n−ブチリルオキシ)−9,9’−ビアントラセンの薄黄色の結晶8.10g(15.4ミリモル)を得た。9,9’−ビアントラセン−10,10’−ジオールに対する収率は77モル%であった。
(2)IR(KBr,cm−1):3070,2976,2940,1764,1628,1442,1348,1130,1096,1080,915,868,758,677.
(3)1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ=1.26(t,J=8Hz,6H),2.03−2.13(m,4H),3.02(t,J=8H,4H),7.08−7.20(m,8H),7.42−7.50(m,4H),8.03−8.14(m,4H).
温度計、攪拌機付きの200ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9,9’−ビアントラセン−10,10’−ジオール7.72g(20.0ミリモル)、塩化n−バレリル5.30g(44.0ミリモル)、ジメチルアセトアミド50mlを仕込んだ。さらに、氷水で冷却しながらトリエチルアミン4.84g(48.4ミリモル)のジメチルアセトアミド10ml溶液を加えた後、室温で1時間撹拌したところ白い結晶が析出した。該反応混合物にメタノール100mlを加えリスラリーし、ついで結晶を吸引ろ過・乾燥し、10,10’−ビス(n−バレリルオキシ)−9,9’−ビアントラセンの薄黄色の結晶7.60g(13.7ミリモル)を得た。9,9’−ビアントラセン−10,10’−ジオールに対する収率は69モル%であった。
(2)IR(KBr,cm−1):3070,2970,2940,2880,1768,1758,1628,1473,1442,1348,1230,1188,1134,1110,1092,1058,1024,870,780,760,742,684,678.
(3)1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ=1.11(t,J=8Hz,6H),1.61−1.72(m,4H),1.99−2.08(m,4H),3.02(t,J=8Hz,4H),7.09−7.20(m,8H),7.43−7.52(m,4H),8.02−8.11(m,4H).
ラジカル重合性化合物であるトリメチロールプロパントリアクリレート100重量部、ラジカル重合開始剤としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.0重量部に対し、ラジカル重合増感剤として、合成例1と同様にして得た10,10’−(アセチルオキシ)−9,9’−ビアントラセンを0.4重量部添加したラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)上に調製した組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、ついで空気雰囲気下、紫外LED(Phoseon社製、中心波長395nm、照射強度1.0W/cm2)を用いて光照射したところ、硬化していることを確認した。タックフリータイムは3.5秒であった。
10,10’−ビス(アセチルオキシ)−9,9’−ビアントラセンを合成例2と同様の方法で得た10,10’−(プロピオニルオキシ)−9,9’−ビアントラセンに変えたこと以外は実施例1と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)上に調製した組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、ついで空気雰囲気下、紫外LED(Phoseon社製、中心波長395nm、照射強度1.0W/cm2)を用いて光照射したところ、硬化していることを確認した。タックフリータイムは4.0秒であった。
10,10’−ビス(アセチルオキシ)−9,9’−ビアントラセンを合成例3と同様の方法で得た10,10’−(n−ブチリルオキシ)−9,9’−ビアントラセンに変えたこと以外は実施例1と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)上に調製した組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、ついで空気雰囲気下、紫外LED(Phoseon社製、中心波長395nm、照射強度1.0W/cm2)を用いて光照射したところ、硬化していることを確認した。タックフリータイムは4.0秒であった。
10,10’−ビス(アセチルオキシ)−9,9’−ビアントラセンを合成例4と同様の方法で得た10,10’−(n−バレリルオキシ)−9,9’−ビアントラセンに変えたこと以外は実施例1と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)上に調製した組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、ついで空気雰囲気下、紫外LED(Phoseon社製、中心波長395nm、照射強度1.0W/cm2)を用いて光照射したところ、硬化していることを確認した。タックフリータイムは3.0秒であった。
ラジカル重合性化合物であるトリメチロールプロパントリアクリレート100重量部、ラジカル重合開始剤としての2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン1.4重量部に対し、ラジカル重合増感剤として、合成例1と同様にして得た10,10’−ビス(アセチルオキシ)−9,9’−ビアントラセンを0.4重量部添加したラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)上に調製した組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、ついで空気雰囲気下、紫外LED(Phoseon社製、中心波長395nm、照射強度1.0W/cm2)を用いて光照射したところ、硬化していることを確認した。タックフリータイムは4.0秒であった。
10,10’−ビス(アセチルオキシ)−9,9’−ビアントラセンを合成例4と同様の方法で得た10,10’−(n−バレリルオキシ)−9,9’−ビアントラセンに変えたこと以外は実施例1と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)上に調製した組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、ついで空気雰囲気下、紫外LED(Phoseon社製、中心波長395nm、照射強度1.0W/cm2)を用いて光照射したところ、硬化していることを確認した。タックフリータイムは3.5秒であった。
ラジカル重合性化合物であるトリメチロールプロパントリアクリレート100重量部、ラジカル重合開始剤としての2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン0.15重量部に対し、ラジカル重合増感剤として、合成例1と同様にして得た10,10’−ビス(アセチルオキシ)−9,9’−ビアントラセンを0.4重量部添加したラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)上に調製した組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、ついで空気雰囲気下、紫外LED(Phoseon社製、中心波長395nm、照射強度1.0W/cm2)を用いて光照射したところ、硬化していることを確認した。タックフリータイムは4.5秒であった。
ラジカル重合性化合物であるトリメチロールプロパントリアクリレート100重量部、ラジカル重合開始剤としての2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン0.15重量部に対し、ラジカル重合増感剤として、合成例4と同様にして得た10,10’−ビス(n−バレリルオキシ)−9,9’−ビアントラセンを0.4重量部添加したラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)上に調製した組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、ついで空気雰囲気下、紫外LED(Phoseon社製、中心波長395nm、照射強度1.0W/cm2)を用いて光照射したところ、硬化していることを確認した。タックフリータイムは4.5秒であった。
10,10’−ビス(アセチルオキシ)−9,9’−ビアントラセンを添加しないこと以外は、実施例1と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは25秒であった。
10,10’−ビス(アセチルオキシ)−9,9’−ビアントラセンを添加しないこと以外は、実施例5と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは37秒であった。
9−(アセチルオキシ)−9,9’−ビアントラセンを添加しないこと以外は、実施例7と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは19秒であった。
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、実施例1と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは19秒であった。
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、実施例2と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは17秒であった。
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、実施例3と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは18秒であった。
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、実施例4と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは19秒であった。
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907)に変えたこと以外は、比較例1と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは4.0秒であった。
Claims (6)
- 下記一般式(1)で示される10,10’−ビス(アシルオキシ)−9,9’−ビアントラセン化合物を含有するラジカル重合増感剤。
(一般式(1)において、Rは、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基のうちのいずれかを示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基のうちのいずれかを示す。) - 請求項1に記載のラジカル重合増感剤、α−ヒドロキシアルキルフェノン系又はベンジルメチルケタール系ラジカル重合開始剤、及びラジカル重合性化合物を含有するラジカル重合性組成物。
- α−ヒドロキシアルキルフェノン系ラジカル重合開始剤が、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン及び/又は1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンであることを特徴とする、請求項2に記載のラジカル重合性組成物。
- ベンジルメチルケタール系ラジカル重合開始剤が、2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンであることを特徴とする、請求項2に記載のラジカル重合性組成物。
- 請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載のラジカル重合性組成物を、波長が375nmから420nmの光を含むエネルギー線を照射することにより重合させる重合方法。
- 波長が375nmから420nmの光を含むエネルギー線の照射源が、中心波長が395nmの紫外LEDであることを特徴とする請求項5に記載の重合方法。
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