JP2011067950A - 金属膜のパターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、簡便に、金属加工品、微細部品を製造するための金属膜(金型)のパターンおよびその形成方法を提供することにある。
【解決手段】シード膜2が成膜された基板3上に塗布された硬化性樹脂組成物4と、所定パターンを有するモールド5とを相対移動させて、硬化性樹脂組成物4に所定パターンを転写した状態で、硬化性樹脂組成物4を硬化させることで転写されたパターン形状を有する硬化樹脂4´を得る。硬化樹脂4´よりモールド5を取り外し、金属膜を形成する領域の残渣の硬化樹脂4´´を除去後、電鋳処理を経て金属膜11を形成し、その後不要となった硬化樹脂4´を除去する工程を経て形成される。この際、プラスチックモールドと特定の重量平均分子量以下である重合性化合物を配合した可視光硬化性樹脂を使用することにより、より簡便な金属膜のパターンの製造プロセスが提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属加工品、微細部品等を製造するための金属膜のパターン形成方法に関する。
微細な部品の製造技術としてLIGA(Lithographi Galvanoformung Abformung)プロセスがある。LIGAプロセスとは、リソグラフィ工程で所望する部品と同様のレジストパターンを形成後、電鋳処理で金属膜のパターン(金型)を形成し、さらに金属膜のパターンを用いて金属、樹脂あるいはセラミックス製微細部品の大量製造を図る技術である。(特許文献1参照)
しかし、LIGAプロセスでは、リソグラフィ工程において所望する厚膜レジストパターンを形成するにあたり課題がある。X線リソグラフィで行う場合にはX線装置の安定稼働、生産性、マスク作製の複雑さがあげられる。またUVリソグラフィで行う場合には、現状の厚膜レジストでは解像度・剥離性に課題がある。
近年、熱インプリント法を用いてパターン形成する方法が検討されている。熱インプリント法は、熱可塑性樹脂をそのガラス転移点以上に加熱し、熱可塑性樹脂上に、微細なパターンを形成したモールドを押し付け、冷却後、モールドから剥離することで、パターンを形成する方法である。
しかし、熱可塑性樹脂を用いた熱インプリント法では、電鋳処理でめっきを成長させる凹部底の残膜をアッシング処理等の手法で取り除くことは難しく、また、電鋳処理後の樹脂を除去することも難しいため、良好な金属膜のパターンは得られない。
一方、光インプリント法は、光硬化性樹脂組成物を基板に塗布し、光硬化性樹脂上に、微細なパターンを形成したモールドを押し付け、光照射して該樹脂組成物を硬化させ、モールドから剥離することで、硬化樹脂パターンを形成する方法である(例えば、特許文献2および3参照)。
また、光インプリント法のモールドには、一般に紫外線を通す透明な材料として石英モールドが使用されている(例えば、特許文献4および5参照)。しかし、アスペクト比が大きいパターンの場合、特に深い溝を形成するにあたっては石英の加工が難しく、加工コストも高いという課題を有していた。
特開2006―73936号公報 特表2004−504718号公報 特開2002−539604号公報 特開2007−177194号公報 特開2007−234153号公報
本発明の目的は、簡便な金属膜のパターン形成方法を提供することにある。
本発明は以下の(1)〜(16)に関する。
(1)シード膜が成膜された基板上に塗布された硬化性樹脂組成物と、所定パターンを有するモールドとの相対移動により前記モールドの所定パターンを前記硬化性樹脂組成物に転写した状態で前記硬化性樹脂組成物を硬化させ、硬化樹脂よりモールドを取り外し、金属膜を形成する領域の残渣の硬化樹脂を除去した後、金属膜を形成し、その後、基板上に残っている硬化樹脂を除去することを特徴とする金属膜のパターン形成方法。
(2)硬化性樹脂組成物が光によって硬化する樹脂組成物である前項(1)に記載の金属膜のパターン形成方法。
(3)金属膜の形成を電鋳処理によりおこなう前項(1)または(2)に記載の金属膜のパターン形成方法。
(4)硬化性樹脂組成物が重合性化合物と重合開始剤を含有する前項(1)〜(3)のいずれか1項に記載の金属膜のパターン形成方法。
(5)重合性化合物が重合性モノマーである前項(4)に記載の金属膜のパターン形成方法。
(6)重合性化合物が、重量平均分子量が5,000以下の重合性ポリマー、または重合性モノマーおよび重量平均分子量が5,000以下の重合性ポリマーである前項(4)に記載の金属膜のパターン形成方法。
(7)重量平均分子量が5,000以下の重合性ポリマーが、ウレタンアクリレートを含有する前項(6)に記載の金属膜のパターン形成方法。
(8)硬化性樹脂組成物におけるウレタンアクリレートの含有量が5〜99.99重量部である前項(7)に記載の金属膜のパターン形成方法。
(9)重合開始剤が可視光重合開始剤である前項(4)〜(8)のいずれか1項に記載の金属膜のパターン形成方法。
(10)可視光重合開始剤がアシルホスフィンオキシド化合物である前項(9)に記載の金属膜のパターン形成方法。
(11)所定パターンを有するモールドがプラスチックモールドである前項(1)〜(10)のいずれか1項に記載の金属膜のパターン形成方法。
(12)プラスチックモールドの材料がポリイミド、ポリカーボネート、ポリプロピレンおよびポリジメチルシロキサンの中の少なくともいずれか1つである前項(11)に記載の金属膜のパターン形成方法。
(13)残渣の硬化樹脂をアッシング処理により除去する前項(1)〜(12)のいずれか1項に記載の金属膜のパターン形成方法。
(14)シード膜が金属膜にて構成されている前項(1)〜(13)のいずれか1項に記載の金属膜のパターン形成方法。
(15)前項(1)〜(14)のいずれか1項に記載の方法によってパターン形成されることを特徴とするパターン形成物。
(16)前項(15)に記載のパターン形成物を備えることを特徴とする加工品。
本発明の方法によれば、簡便に、金属膜(金型)のパターンおよびその形成方法を提供することができる。本発明の方法によれば、特に、プラスチックモールドと特定の重量平均分子量以下である重合性化合物を配合した可視光硬化性樹脂組成物を使用することで、より簡便に金属膜(金型)のパターンを形成することができる。
本発明に係る金属膜のパターン形成方法の一例を実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明に係る金属膜のパターン形成方法の一実施形態を説明した説明図である。工程(a)では、基板1上にシード膜2を形成する。基板1は、一例として、シリコン(Si)からなる材料である。シード膜2は、一例として、約50nmのクロム(Cr)膜を成膜し、その後、このクロム膜上に約100nmのニッケル(Ni)膜を成膜する。これら2層からなるシード膜2の形成が完了し、基板1上にシード膜2が成膜された基板3が作成される(以下、シード膜が成膜された基板3を、単に基板3という)。
次に、工程(b)では、基板3のシード膜2上に硬化性樹脂組成物4を塗布し、基板3の上方に配置したプラスチックモールド5を図で見て下方向に移動させていく。プラスチックモールド5には所定パターンが形成されており、本実施形態では、一例として凸部6と凹部7とからなるパターンとなっている。そして、下方向に移動したプラスチックモールド5は、工程(c)に示すように、硬化性樹脂組成物4に食い込んでいく。プラスチックモールド5が硬化性樹脂組成物4に食い込んだ状態で硬化性樹脂組成物4に光を照射して硬化させる。
硬化後は、工程(d)に示すように、プラスチックモールド5を上方向に移動させて硬化樹脂4´から取り外す。硬化樹脂4´には、プラスチックモールド5の凹凸パターンと逆のパターンが転写される。すなわち、プラスチックモールド5の凸部6が硬化樹脂4´の凹部8に転写され、プラスチックモールド5の凹部7が硬化樹脂4´の凸部9に転写される。硬化樹脂4´に転写された凸部9は電鋳処理をおこなわない領域(以下、単に、非電鋳領域と表記する場合もある。)であり、逆に凹部8は電鋳処理をおこなう領域(以下、単に、電鋳領域と表記する場合もある。)である。
しかしながら、電鋳領域である凹部8の底には、硬化樹脂4´の残渣4´´が存在しており、この残渣の硬化樹脂4´´を工程(e)で取り除く。残渣の硬化樹脂4´´の除去は、RIE(Reactive Ion Etching)装置にて酸素(O)プラズマアッシング(以下、単に、アッシング処理と表記する場合もある。)処理を施すことにより行われる。凹部8の残渣の硬化樹脂4´´を全て除去すると、基板3のシード膜2が露出し、この露出箇所が電鋳領域10となる。
そして、工程(f)で、電鋳領域10に電鋳処理を施し、金属膜11の形成を行う。金属膜11の形成後は、工程(g)にて、硬化樹脂4´を除去する。硬化樹脂4´の除去処理は、薬液処理またはRIE装置の酸素(O)プラズマアッシング処理にて行われ、除去処理を行った箇所は凹部12が形成されている。このように、工程(a)〜工程(g)までを行うことにより、基板上に金属膜のパターンが形成された形成物ができあがる。本実施形態では、プラスチックモールドを下方向に移動させて硬化性樹脂組成物に食い込ませているが、移動方向は特に限定されず、基板を上方向に移動させて硬化性樹脂組成物をモールドに食い込ませてもよい。
上述した所定パターンを有するモールドとしては、特に光インプリントを考慮し、石英ガラス製のモールド(石英モールド)やプラスチックモールドがあげられ、これらの中でも特にプラスチックモールドが好ましい。石英モールドでは、パターンを作成するのに硬い石英ガラス表面を加工しなければならず、複雑なパターンや深い溝のパターンを加工するには限界がある。
そこで、プラスチックモールドを用いることで、モールドを安価かつ簡便に加工でき、複雑形状のパターンや深い溝パターン或いは極めて狭いピッチのパターン等を容易に作成することができる。
図2には、プラスチックモールドを作成するときの金型の作成工程の一実施形態が示されている。工程(a)では、基板21の上面にシード膜22を形成させて、シード膜が成膜された基板20を作成する(以下、シード膜が成膜された基板20を、単に基板20という)。シード膜22の形成は、基板21の上面に約50nmの膜厚を有するクロム膜を成膜した後に、このクロム膜上に約100nmの膜厚を有するニッケル膜を成膜する。
このようにして作成された基板20上に、工程(b)に示すように、レジスト23を配置する。レジスト23の上方にはマスク24が配置されており、このマスク24には、光が通過する通過部25(例えば、ガラス等の材料)と光が通過しない非通過部26(例えば、クロム膜が成膜されたガラス材料等)とが形成されている。そして、リソグラフィ技術によりレジスト23に対し、マスク24を介して露光すると、露光されたレジスト23´と未露光のレジスト23´´とが形成される。これらのレジストを現像すると、工程(c)に示すように、露光されたレジスト23´が除去された凹部27と、未露光のレジスト23´´により未露光のレジスト23´´のパターンが形成される。
露光されたレジスト23´が完全に除去されると、工程(d)において、電鋳処理が施される。電鋳処理によって、凹部27に金属膜28を形成させることができる。金属膜28の形成後、工程(e)に示すように、露光されないで残っていたレジスト23´´を除去する。レジスト23´´は薬液処理或いはRIE処理(Reactive Ion Etching)を施すことによって除去することができ、除去処理後は除去部29となる。これらの工程を経て、基板20上に金属膜のパターンを形成させることができる。プラスチックモールドの金型の深さに応じてレジスト膜厚、電鋳処理にて形成される金属膜の厚さを調整する。電鋳される金属材料はパターンのアスペクト強度に耐えられるもの、応力低減を実現できる特性の材料を選択するのが望ましい。
(モールド)
本発明においては、プラスチックモールドが好ましく使用できる。前記プラスチックモールドの材料は、パターンが保持できるプラスチック材料であれば限定されるものではない。プラスチック材料として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリレート、ポリアミド、ポリイミド[例えば、ユーピレックスS(宇部興産(株)製)およびオーラムフィルム(三井化学(株)製)]、ポリスチレン、ポリフッ化エチレン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリウレタン、ポリエステル[例えば、ルミラー(東レ(株)製)]、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンイソフタルアミド、ポリ乳酸[例えば、プラメート(大日本インキ(株)製)およびテラマック(ユニチカ(株)製)]、ポリアクリロニトリル、エポキシ樹脂、シリコン系樹脂[例えば、シルポットまたはシルガード184(東レダウコーニング(株)製)]、ポリジメチルシロキサン、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、サラン樹脂、フッ素系樹脂[例えば、サイトップ(旭硝子(株)製)]およびその他のプラスチック材料等があげられる。
前記プラスチック材料の中でも、樹脂との剥離性の観点から、好ましくは、ポリプロピレン、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリイミド、シリコン系樹脂およびフッ素系樹脂があげられ、より好ましくは、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリプロピレンおよびポリジメチルシロキサンがあげられる。
本発明で使用されるモールドは無色、透明であることが好ましいが、着色していても良い。ただし、全光線透過率が少なくとも10%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。また、UV吸収剤のような充填剤を含有してもよい。また、モールドは無色、透明であることが好ましいが、着色していても少なくとも10%の可視光を透過すれば、可視光硬化性樹脂組成物を硬化し、パターンを形成できる。
また、プラスチックモールドの他に、可視光を透過する、例えば、石英ガラスの他に、軟質ガラス、硬質ガラス、パイレックスガラス、並ガラス、曇ガラス等の安価なガラス材料のモールドも使用できるが、プラスチックモールドが最も好ましい。
例えば、プラスチックモールドを使用する場合、プラスチックモールドの形状はパターン形成が可能であれば、どのような形状でもよく、例えば、板状、フィルム状、無端ベルト形状および円筒形状等があげられ、好ましくは無端ベルト形状および円筒形状があげられる。
フィルム状のプラスチックモールドを使用する場合、前記のプラスチック材料やプラスチックフィルムに接着剤や光硬化により接着して強度を持たせたものをモールドとして使用してもよい。また、金属モールドを圧着により押し付けてパターンを形成したプラスチック板やプラスチックフィルムをそのままモールドとして使用してもよい。
本発明におけるプラスチックモールドの製造方法としては、例えば、熱(ナノ)インプリント法、ホットエンボス加工法、直接プレス法等があげられる。その他に、プラスチックに電子線またはイオンビーム(プロトンビーム、X線等)により直接的に描画する方法、硬化性樹脂を金属金型の上に塗布または滴下し、熱硬化または光硬化させてプラスチックモールドを作製する方法、HSQ(水素シルセスキオキサンポリマー)を用いた室温ナノインプリント法およびPDMS(ポリジメチルシロキサン)を用いたソフトリソグラフィー法等があげられる。
前記プラスチックモールドの製造方法の中でも、熱(ナノ)インプリント法が好ましい。具体的には、プラスチック板またはフィルムの表面に原版のモールド(金属、シリコン、石英またはプラスチック等の材料)を押し付けて、加熱プレスする方法であり、熱(ナノ)インプリント装置の下の加熱板に原版のモールドとプラスチック板またはフィルムを置き、上の加熱板と下の加熱板の温度を変えて行うことで、形状かつ光透過度の良好なプラスチックモールドを形成できる。その際、下の加熱板の加熱温度は、そのプラスチックのガラス転移点(Tg)より±50℃の温度とすることが好ましく、さらには、±30℃の温度とすることがより好ましい。また、上と下の加熱板の温度差は30℃以上とすることが好ましく、さらに、50℃以上とすることがより好ましい。プレス圧は、0.2〜50MPaとすることが好ましく、1〜10MPaとすることがより好ましい。冷却温度は、2段階以上で室温まで冷却することが好ましい。
図3には、プラスチックモールドを作成工程の一実施形態が示されている。工程(a)では、モールド材料30を用意し、このモールド材料30に離型剤を塗布する。その後、工程(b)に示すように、モールド材料30の上方に金型31を配置する。金型31は一例として、図2で示す実施形態により作成された金型を使用することができる。金型31には凸部32と凹部33とが形成されており、これらの凹凸部32、33で所定パターンが形成されている。この金型31を図で見て下方向に移動させて、工程(c)に示すように、金型31の凸部32をモールド材料30に食い込ませる。
そして、金型31をモールド材料30に食い込ませた状態で加熱し、金型31のパターンをモールド材料30に転写する。転写後は、工程(d)に示すように、金型31をモールド30から取り除くことでプラスチックモールド30´が作成される。このプラスチックモールド30´では、金型31の凸部32が転写されて凹部34が形成され、更に、金型31の凹部が転写されて、凸部35が形成され、従って、金型31の逆の凹凸パターンとなっている。
このようにして作成されたプラスチックモールド30´は、図1に示す実施形態の金属膜のパターン形成方法に使用することができる。尚、本実施形態では、金型を下方向に移動させて、モールド材料に食い込ませたが、移動方向は特に限定されず、モールド材料を上方向に移動させて、金型にモールド材料を食い込ませてもよい。
本発明で使用されるモールド(特にプラスチックモールド)は、剥離性や離型性を向上させるために、モールド剥離剤または離型剤を剥離表面に塗布または蒸着してもよい。モールド剥離剤としては、例えば、フッ素系表面処理剤[オプツールDSX、デュラサーフ HD‐1100、HD‐2100(ダイキン工業(株)製)およびNovecEGC−1720(住友スリーエム(株)製)等]および金型剥離剤[バリアセラム ガンマーR(バナテック(株)製)等]等があげられる。離型剤としては、例えば、フッ素系離型剤[フリリース(ネオス(株)製)等]、シリコン樹脂、シリコン油、シリコンワックス、テフロン分散剤、ポリビニルアルコールおよび水溶性エマルジョン離型剤等があげられる。蒸着方法としては、有機薄膜処理法[ナノス(ティアンドケー(株)製)]、フッ素コーティング[旭プレシジョン(株)製]、化学成長気相法[フッ素含有ダイアモンドライクカーボン(F-DLC)成膜法]等があげられ、有機薄膜処理が好ましい。
(硬化性樹脂組成物)
本発明における硬化性樹脂組成物は、重合性化合物と重合開始剤を含み、光または熱で硬化できるものが好ましい。
(1)重合性化合物
重合性化合物としては、重合性モノマーおよび/または重合性ポリマーが好ましい。重合性モノマーおよび重合性ポリマーは、炭素−炭素不飽和結合を分子内に1個以上有する。重合性化合物は1種類を単独で用いてもよく、複数種類を組み合わせて用いてもよい。重合性化合物の含有量は、硬化性樹脂化合物に対して、5〜99.99質量%の範囲内とすることが好ましく、10〜99.9質量%の範囲内とすることがより好ましい。
本発明における硬化性樹脂組成物に含まれる重合性ポリマーの重量平均分子量は、5,000以下が好ましく、より好ましくは2,000以下である。また、より好ましくは500以上であり、より好ましくは800以上である。重合性ポリマーの重量平均分子量が5,000以下のポリマーを使用すると、アッシング処理が容易となり、作業時間が短縮される。
分子内に1個の炭素−炭素不飽和結合を有する重合性モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレン(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド〔例えば、ダイアセトンアクリルアミド[DAAM(協和発酵ケミカル(株)製)]、N−イソプロピルアクリルアミド[NIPAM(興人(株)製)]、アクリロイルモルホリン[ACMO(興人(株)製)]、N,N−ジメチルアクリルアミド[DMAA(興人(株)製)]、N,N−ジエチルアクリルアミド[DEAA(興人(株)製)]およびN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド[DMAPAA(興人(株)製)]〕、N−ビニルピロリドン[例えば、日本触媒(株)製]、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルカルバゾール、4―ビニル−1−シクロヘキセン、2−ビニル−1,3−ジオキソラン、4−ビニル−1,3−ジオキソランー2−オン、ビニレンカーボネート、ヒドロキシエチル化β−ナフトール(メタ)アクリレート、ビニルアセテート等のビニルエステル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル、スチレン、アルキルスチレン、ハロスチレン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニルおよび塩化ビニリデン等があげられる。ここで、(メタ)アクリル酸はアクリルまたはメタクリル酸を表し、(メタ)アクリレートは、アクリレートまたはメタクリレートを表す。他の誘導体についても同様に表現する。
分子内に2個以上の炭素−炭素不飽和結合を有する重合性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート[NKエステル 1G(新中村化学(株)製)]、プロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート[NKエステル 2G(新中村化学(株)製)]、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート[NKエステル 3G(新中村化学(株)製)]、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート[NKエステル BG(新中村化学(株)製)]、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート[NKエステル NPGおよびA−NPG(新中村化学(株)製)]、ジプロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート[NKエステル APG−200(新中村化学(株)製)およびTPGDA(ダイセルユーシービー(株)製)]、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート[NKエステル HDおよびA−HD(新中村化学(株)製)]、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2,2′−ビス[4−{(メタ)アクリロキシエトキシ}フェニル]プロパン[NKエステル BPE−100(新中村化学(株)製)]、4,4′−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、ビスフェノールA型EO(エチレンオキサイド)変性ジ(メタ)アクリレート[NKエステル BPE−200およびA−BPE−4(新中村化学(株)製)]、9,9−ビス(3−フェニル−4−(メタ)アクリロイルポリオキシエトキシ)フルオレン、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート[NKエステル A−DCP(新中村化学(株)製)]、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラアクリレート、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルサクシネート、ジアリルフタレート、トリアリルホスフェート、トリアリルイソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルエチル)イソシアヌレート、ジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート[NKエステル A−CHD−4E(新中村化学(株)製)]、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート[NKエステル TMPT(新中村化学(株)製)、A−TMPT(新中村化学(株)製)およびTMPTA(ダイセルユーシービー(株)製)]等があげられる。
これらの中でも特に、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、ジエチレングリコールジメタクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート[NKエステル、APG−200(新中村化学(株)製)]およびトリメチロールプロパントリメタクリレートが好ましい。
重合性ポリマーとしては、例えば、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリメチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、エポキシ変性(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、エステル(メタ)アクリレート、ビスフェノール変性エポキシ(メタ)アクリレートおよび不飽和ポリエステル樹脂等があげられ、これら中でもウレタンアクリレートが好ましい。
ウレタンアクリレートとしては、例えば、水酸基含有ポリマーと多官能イソシアネートとを反応させた後に活性水素を有する(メタ)アクリレートとを反応させて得られるウレタン、または、活性水素を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートと更に鎖延長剤を反応させて得られるウレタン等があげられる。
水酸基含有ポリマーとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールおよびポリカーボネートポリオールがあげられ、これらの中でもポリエステルポリオールが好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、ジカルボン酸の1種または2種以上と水酸基を2つ以上有する化合物の1種または2種以上を反応させて得られるポリエステルポリオール等があげられる。ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、グルタル酸、2,4−ジエチルグルタル酸、コハク酸およびドデカン二酸等があげられ、これらの中でも、アジピン酸またはグルタル酸が好ましい。水酸基を2つ以上有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ピロカテコール、レゾルシノール、ピロガロール、ビス(ヒドロキシフェニル)−2−プロパン、ビス(ヒドロキシフェニル)メタン、ポリエチレングリコール(2〜120重合体)、ポリプロレングリコール(2〜120重合体)、ポリネオペンチルグリコール(2〜120重合体)、グリセリンおよびペンタエリスリトール等があげられ、これらの中でも、ポリプロピレングリコールおよびビス(ヒドロキシフェニル)−2−プロパンが好ましい。
ポリエーテルポリオールとしては、環状エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、オキセタン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等)の1種または2種以上と、水酸基を2つ以上有する化合物の1種または2種以上を反応させて得られるポリエーテルポリオールがあげられ、これらの中でも、テトラヒドロフランとポリプロピレングリコールから得られるポリエーテルポリオールが好ましい。水酸基を2つ以上有する化合物は前記と同義である。
ポリカーボネートポリオールとしては、炭酸エステル(炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジブチルなど)の1種または2種以上と水酸基を2つ以上有する化合物の1種または2種以上を反応させて得られるポリカーボネートポリオールがあげられ、これらの中でも、炭酸ジエチルとポリプロピレングリコールから得られるポリカーボネートポリオールが好ましい。水酸基を2つ以上有する化合物は前記と同義である。
多官能イソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等があげられ、これらの中でも、2,4−トリレンジイソシアネートおよびキシリレンジイソシアネートが好ましい。
活性水素を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルがあげられ、具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル−3−ベンゾエート(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル−3−(4−フェニルベンゾエート)(メタ)アクリレートおよびグリシジル(メタ)アクリレート等があげられ、これらの中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたは2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
鎖延長剤としては、ポリエチレングリコール(2〜120重合体)、ポリプロレングリコール(2〜120重合体)、ポリネオペンチルグリコール(2〜120重合体)、ポリカプトラクトン(2〜100重合体)またはポリブチロラクトン(2〜100重合体)があげられ、これらの中でも、3〜40重合体のポリプロピレングリコールまたはポリカプトラクトンが好ましい。
本発明における樹脂組成物の硬化には、光硬化または熱硬化の他に、湿気硬化、室温硬化等を併用することができる。そのため、光硬化性樹脂組成物は、前記の重合性化合物以外に、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂(例えば、PDMS)、メラミン樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル樹脂(例えば、PMMA)、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、シアノアクリレート樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、生分解性プラスチック(ポリ乳酸等)、他の熱可塑性樹脂、既存のUV硬化型または可視光硬化型接着剤[例えば、350、352、366、349、3201、3211、3301、3311、3321、3341および3102〜3106(ヘンケルロックタイト(株)製)、3170B、3121、3003、3042および3046(スリーボンド(株)製)、クリアルーチェMA21、OPTOKLEB OPM55(アデール(株)製)、アロニックス(東亞合成(株)製)]および既存の感光性樹脂[例えば、PAK−01(東洋合成工業(株)製)、NIP−K(ZenPhotonics(株)製)およびSU―8(マイクロケム(株)製)等]を含有してもよい。また、含有する樹脂に応じて、熱重合開始剤、重合促進剤および湿気重合剤等を含有してもよい。
(2)重合開始剤
本発明における硬化性樹脂組成物は、重合開始剤として、熱重合開始剤または光重合開始剤を含有することが好ましく、必要により、光増感剤、光重合促進剤、溶剤およびその他の添加剤を含有してもよい。
重合開始剤は1種類を単独で用いてもよく、複数種類を組み合わせて用いてもよい。重合開始剤の含有量は、硬化性樹脂組成物中に0.01〜20質量%の範囲内とすることが好ましい。また、熱重合開始剤の含有量は、全重合性化合物(固形分)に対して、0.01〜20質量%の範囲内とすることが好ましく、0.1〜10質量%の範囲内とすることがより好ましい。
熱重合開始剤としては、例えば、ラジカル重合開始剤およびイオン重合開始剤等があげられ、ラジカル重合開始剤が好ましい。ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩およびレドックス開始剤等があげられ、これらの中でも、過酸化物およびアゾ化合物が好ましい。
アゾ化合物としては、例えば、2,2’‐アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(AMBN)、ジメチル 2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)[V−601:和光純薬(株)製]があげられる。
過酸化物としては、例えば、過酸化水素、過酸化物塩、過酸化アルキル、過酸化アシル、過酸化エステルがあげられ、具体的には、ジtert-ブチル オキサイド(パ−ブチルD:日油(株)製)、tert-ブチル オキシネオデカネート(パ−ブチルND:日油(株)製)およびtert−ブチル オキシピバレート(パ−ブチルPV:日油(株)製)等があげられる。
イオン重合開始剤としては、例えば、カチオン重合開始剤およびアニオン重合開始剤があげられる。カチオン重合開始剤としては、例えば、プロトン酸(硫酸、過塩素酸およびトリクロル酢酸等)、フリーデルクラフト型触媒(塩化アルミニウム、塩化第二鉄、三フッ化ホウ素および四塩化チタン等)および安定カチオン触媒(トリフェニルヘキサクロルアンチモネートおよびトリエチルオキソニウムテトラフルオルボレート等)等があげられる。これらの中でも、トリクロル酢酸、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素が好ましい。
アニオン重合開始剤としては、例えば、アルカリ金属(ナトリウムおよびリチウム等)、グリニャール試薬、アルキルリチウムおよび電子供与性有機化合物(アミンおよびアルカリ化合物)等があげられる。これらの中でも、リチウム、アミン化合物が好ましい。また、エポキシ樹脂の重合に使用される硬化剤も使用できる。当該硬化剤としては、例えば、アミン系硬化剤、酸無水物硬化剤、フェノール系硬化剤およびイミダゾール系硬化促進剤等があげられ、これらの中でも、アミン系および酸無水物系硬化剤が好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、紫外〜近赤外領域(200〜1,000nm)に感光性を有する光重合開始剤があげられ、i線領域〜可視光領域(365〜600nm)に感光性を有する光重合開始剤が好ましく、可視光領域(400〜600nm)に感光性を有する光重合開始剤がより好ましい。本発明で用いられる可視光重合開始剤は可視光領域(400〜600nm)に感光性を有する光重合開始剤である。
可視光重合開始剤としては、例えば、アシルホスフィンオキシド化合物、α−アミノアルキルフェノン化合物、α−ヒドロキシアルキルフェノン化合物、チタノセン型光重合開始剤、水素引抜型のラジカル型光重合開始剤、オキシムエステル型光重合開始剤、カチオン型光重合開始剤および酸発生剤等があげられる。
上述の可視光重合開始剤の中でも、特にアシルホスフィンオキシド化合物が好ましい。アシルホスフィンオキシド化合物としては、例えば、モノアシルホスフィンオキシドおよびビスアシルホスフィンオキシド等があげられる。
モノアシルホスフィンオキシドとしては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド[Lucirin TPO(BASF(株)製)]、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、3−クロロ−2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキシド、5−(4−ペンチロキシベンゾイル)−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシド、5−(4−ヘキシルベンゾイル)−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシド[PFO-E(協和発酵ケミカル(株)製)]、5−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシド、5−(4−トルオイル)−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシド、5−(p−アニソイル)−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシド、5−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシド、5−(1−ナフトイル)−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシド、5−(2−トルオイル)−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシド、5−(2−テノイル)−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシドおよび5−[5−(2’−チエニル)−2−テノイル]−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシド等があげられる。
ビスアシルホスフィンオキシドとしては、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド[BAPO:イルガキュア819(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)およびIRGACURE819(チバ・スペシャルティ・ケミカル(株)製)]、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−4−メチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,6−ジイソプロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−4−イソプロピル−2,6−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシドおよびビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド等があげられる。
α−アミノアルキルフェノン化合物としては、例えば、2―メチル−1−[4(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン[イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)]、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン[イルガキュア369または1300(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)]、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン[イルガキュア379(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)]および3,6―ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−オクチルカルバゾール[アデカオプトマーN−1414(株)ADEKA製]等があげられ、これらはチオキサントン誘導体(後述)と併用できる。
α−ヒドロキシアルキルフェノン化合物としては、例えば、2―ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン[イルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)]、1―ヒドロキシシクロヘキシルフェニル ケトン[イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)]、2―ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン[ダロキュア1173(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)]、1−[4−(2―ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン[イルガキュア2959(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)]、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン[イサキュアKIP 150、イサキュアKIP EMおよびイサキュアKIP 100F(ランベルティ(株)製)]等があげられる。α−ヒドロキシアルキルフェノン化合物は、光増感剤または他の光重合開始剤と併用して使用する。
チタノセン型光重合開始剤としては、例えば、ビス(5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム[イルガキュア784(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)]等があげられる。
水素引抜型のラジカル型光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体およびキノン−アミン系光重合開始剤等があげられる。
ベンゾフェノン誘導体としては、例えば、4−(4−メチルフェニルチオ)フェニル ケトン[カヤキュアBMS(日本化薬(株)製)]等があげられる。
チオキサントン誘導体としては、例えば、2,4−ジエチルチオキサントン[カヤキュアDETX−S(日本化薬(株)製)]、2−クロロチオキサントン[カヤキュアCTX(日本化薬(株)製)]およびイソプロピルチオキサントン[イサキュアITX(ランベルティ(株)製)]等があげられる。
キノン−アミン系光重合開始剤としては、例えば、キノン化合物またはベンジルケタール型光重合開始剤とアミン化合物またはアミノベンゾエート化合物の併用等があげられ、これらは重合開始機能を有する。キノン化合物としては、例えば、カンファーキノン、エチルアントラキノン[カヤキュア2−EAQ(日本化薬(株)製)]およびベンジル[BENZIL(黒金化成(株)製)およびS−113(シンコー技研(株))]等があげられる。
ベンジルケタール型光重合開始剤としては、例えば、ベンジル ジメチルケタール[DMPA:イルガキュア651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)およびイサキュア KB1(ランベルティ(株)製)]、ベンゾイン[セイクオールZ(精工化学(株)製)]およびベンゾイン エチル エーテル[セイクオールBEE(精工化学(株)製)]等があげられる。
アミン化合物としては、例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン[S-112、シンコー技研(株)製およびハイキュアABP(川口薬品(株)製)]、10−ブチル−2−クロロアクリドン(NBCA(黒金化成(株)製))等があげられる。
アミノベンゾエート化合物としては、例えば、エチル 4−ジメチルアミノベンゾエート[ダロキュアEBD(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)およびカヤキュアEPA(日本化薬(株)製)]、2−エチルヘキシル 4−ジメチルアミノベンゾエート[ダロキュアEHA(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)]およびイソアミル 4−ジメチルアミノベンゾエート[カヤキュアDMBI(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)]等があげられる。
オキシムエステル型光重合開始剤としては、例えば、1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−、2−(O−ベンゾイルオキシム)[イルガキュアOXE01(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)]、エタノンおよび1−[9−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−[9−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)[CGI242(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)]等があげられる。
カチオン型光重合開始剤としては、例えば、芳香族スルホニウム塩[シラキュアUVI−697およびUVI−6992(ダウケミカル(株)製)、SP−150、SP−152、SP−170およびSP−172((株)ADEKA製)並びにDTS−102、DTS−103、DTS−105、NDS−103、NDS−105、NDS−155およびMNPS−109(みどり化学(株)製)]、ヨードニウム塩[例えば、UV9380(GE東芝シリコーン(株)製)、イルガキュア250(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)並びにBBI−102およびBBI−103(みどり化学(株)製)]等があげられる。また、カチオン光重合開始剤は、使用の際にエポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ビニルエーテル化合物、ノボラック樹脂、フェノール樹脂および(メタ)アクリル酸樹脂等を混合させることが好ましい。
酸発生剤としては、例えば、2−[2−(フラン−2−イル)ビニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン[TFE−トリアジン(三和ケミカル(株)製)]、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)ビニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン[TME−トリアジン(三和ケミカル(株)製)]、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル)ビニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン[TAZ−113(みどり化学(株)製)およびジメトキシトリアジン(三和ケミカル(株)製)]、(5−オクタンスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル[CGI1325(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)]、[2−(プロパンルスルフォニルオキシイミノ)−2,3−ジヒドロチオフェン−3−イリデン)−(O−トリル)アセトニトリル[CGI103(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)]、[2−(オクタンスルフォニルオキシイミノ)−2,3−ジヒドロチオフェン−3−イリデン)−(O−トリル)アセトニトリル[CGI108(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)]および[2−(4−トルエンスルフォニルオキシイミノ)−2,3−ジヒドロチオフェン−3−イリデン)−(O−トリル)アセトニトリル[CGI121(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)]等があげられる。光増感剤と組み合せて使用できる。また、酸発生剤は、使用の際に、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ビニルエーテル化合物、ノボラック樹脂、フェノール樹脂および(メタ)アクリル酸樹脂等を混合させることが好ましい。
(近)赤外線領域(600〜1,000nm)に感光性を有する光重合開始剤も単独で、または他の重合開始剤と組合せて使用することできる。例えば、有機ホウ素化合物と近赤外線吸収感光色素とを組合せて光重合開始剤として使用できる。具体例としては、例えば、テトラブチルアンモニウム ブチルトリフェニルボレート[P3B(昭和電工(株)製)]、テトラブチルアンモニウム ブチルトリ(4−tert-ブチルフェニル)ボレート[BP3B(昭和電工(株)製)]およびテトラブチルアンモニウム ブチルトリ(4−ナフチル)ボレート[N3B(昭和電工(株)製)]と近赤外線吸収色素[IR−TおよびIR−13F(昭和電工(株)製)]との組合せ等があげられる。
光増感剤としては、例えば、アントラセン、フェノチアゼン、ペリレン、クマリン誘導体、チアゾール誘導体、チオキサントン誘導体およびCT錯体(ピリジニウム塩と芳香族化合物の錯体)等があげられる。
光重合促進剤としては、例えば、芳香族アミン化合物、アミノベンゾエート化合物およびチオキサントン誘導体等があげられる。具体的には、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル[KAYACURE DMBI(日本化薬(株)製)]およびp−ジメチルアミノ安息香酸エチル[KAYACURE EPA(日本化薬(株)製)]等があげられる。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、前記の重合性化合物と可視光重合開始剤を含有することが好ましい。このことで、特に、可視光波長域(400〜800nm)の光により深部まで硬化することができ、充填剤等のような透明性を下げる物質を含有する場合にも光硬化することができる利点がある。また、硬化性樹脂組成物の内部まで可視光が透過するため、硬化性が均一で、モールドに忠実な矩形性を与えることができる。
本発明のパターン形成方法の好ましい形態としては、プラスチックモールドを使用することがあげられる。それによって、可視光硬化性樹脂組成物の深部まで光硬化させることができ、厚膜や高柱状物(高アスペクト比のパターン)のパターン形成が可能となる。パターンが柱状物の場合、得られるパターンの幅は10nm〜100mmであり、深さは10nm〜5mmであることが好ましい。
(3)溶剤
本発明における硬化性樹脂組成物は溶剤を含有してもよい。硬化性樹脂組成物における溶剤の含有量は、0.1〜90質量%の範囲内とすることが好ましく、1〜30質量%の範囲内とすることがより好ましい。溶剤としては、例えば、揮発性の溶剤等があげられる。
揮発性の溶剤としては、例えば、ケトン系溶剤(例えば、アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等)、芳香族系溶剤(例えば、トルエン、キシレン、クメンおよびアニソール等)、エステル系溶剤(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよびプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等)、アルカン系溶剤(例えば、ヘキサン、ヘプタン、ペンタンおよびイソオクタン等)、エーテル系溶剤(例えば、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルおよびジエチレングリコールモノブチルエーテル等)、ラクトン系溶剤(例えば、γ−ブチロラクトン等)、カーボネート系溶剤(例えば、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネート等)、アルコール系溶剤(例えば、ブタノール、2-メチル−1−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノールおよび3,5,5−トリメチルヘキサノール等)およびアミン系溶剤(例えば、トリエチルアミン、ピリジン、トリエタノールアミン、N−メチルピロリドンおよびN−メチルカプロラクタム等)等があげられる。シード膜が成膜された基板上に硬化性樹脂組成物を塗布後、硬化性樹脂組成物に含有される溶剤を加熱処理により除去してもよい。
(4)その他の添加剤
本発明における硬化性樹脂組成物は、公知の添加剤を用途に応じて適宜選択して含有することができる。硬化性樹脂組成物における添加剤の含有量は、0.01〜5質量%の範囲内とすることが好ましい。添加剤としては、例えば、樹脂の安定性向上または重合の抑制・調整の目的で重合禁止剤を添加することができ、具体的には、ヒドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、p−メトキシフェノールおよび立体障害フェノール等の重合禁止剤があげられる。
また、本発明における硬化性樹脂組成物は、暗室下での保存寿命を長くするために、銅化合物、リン化合物、第四アンモニウム化合物およびヒドロキシルアミン誘導体等を含有することができる。他に、硬化中の酸素による障害を低減するために、重合の開始に際して表面へ移動するパラフィンまたは同様なワックス類似物質等を含有することができる。
本発明における硬化性樹脂組成物は光安定剤を含有することもできる。光安定剤としては、例えば、UV吸収剤、UV吸収ポリマーおよび光劣化防止ポリマー等があげられ、具体例としては、例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、ヒドロキシフェニル−s−トリアジンおよびオキサルアニリド化合物等があげられる。
光安定剤としては、市販されているものを適宜使用することができ、例えば、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール[TINUVIN P(チバ・スペシャルティ・ケミカル(株)製)]、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール[TINUVIN328(チバ・スペシャルティ・ケミカル(株)製)]、イソオクチル 3−(3−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート[TINUVIN384(チバ・スペシャルティ・ケミカル(株)製)]、2−[4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン[TINUVIN400(チバ・スペシャルティ・ケミカル(株)製)]、2−[ヒドロキシ−3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール[TINUVIN900(チバ・スペシャルティ・ケミカル(株)製)]、2−[2−ヒドロキシ−3−ジメチルベンジル−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール[TINUVIN928(チバ・スペシャルティ・ケミカル(株)製)]並びに紫外線吸収剤および立体障害アミン(HALS)−アクリル酸エステル共重合ポリマー[ニューコートUVAおよびバナレジン(新中村化学(株)製)]等があげられる。
本発明における硬化性樹脂組成物は、目的に応じて、蛍光増白剤、充填剤、顔料、染料、湿潤剤、分散剤、酸化防止剤、滑剤、腐食防止剤、防藻剤、防汚剤、帯電防止剤、および流れ調整剤等を適宜含有することができる。
本発明における硬化性樹脂組成物は、剥離性や離型性を向上させるために、モールド剥離剤または離型剤を含有、または剥離表面に塗布または分散させてもよい。モールド剥離剤としては、例えば、フッ素系表面処理剤[例えば、オプツールDSX、デュラサーフ HD−1100、HD−2100(ダイキン工業(株)製)およびNovecEGC−1720(住友スリーエム(株)製)]および金型剥離剤[バリアセラム ガンマーR(バナテック(株)製)]等があげられる。離型剤としては、例えば、フッ素系アクリル化合物[V−3F、V−4F、V−8F(大阪有機化学(株)製))]、フッ素系離型剤[フリリース(ネオス(株)製)等]、シリコン樹脂、シリコン油、シリコンワックス、テフロン分散剤、ポリビニルアルコールおよび水溶性エマルジョン離型剤等があげられる。
一方、本発明における硬化性樹脂組成物とシード膜との接着性や付着性を向上させるために、例えば、シランカップリング剤、水酸基含有(メタ)アクリレート、キレート剤、金属トラップ剤、エポキシ化合物および硫黄含有化合物等を硬化性樹脂組成物に含有、または、シード膜表面に塗布または分散してもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン[KBM−403(信越化学工業(株)製)]、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン[KBM−402(信越化学工業(株)製)]、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン[KBE−402(信越化学工業(株)製)]、ビニルトリメトキシシラン[KBM−1003(信越化学工業(株)製)]、ビニルトリエトキシシラン[KBE−1003(信越化学工業(株)製)]、p−スチリルトリメトキシシラン[KBM−1403(信越化学工業(株)製)]、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン[KBM−503(信越化学工業(株)製)]、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン[KBM−502(信越化学工業(株)製)]、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン[KBE−503(信越化学工業(株)製)]、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン[KBE−503(信越化学工業(株)製)]、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン[KBM−5103(信越化学工業(株)製)]、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン[KBM−903(信越化学工業(株)製)]、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン[KBE−903(信越化学工業(株)製)]、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン[KBM−803(信越化学工業(株)製)]およびγ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン[KBM−802(信越化学工業(株)製)]等があげられる。
また、本発明における硬化性樹脂組成物を硬化させる際の収縮を緩和するため、開環重合できるようなエポキシ化合物、オキセタン化合物およびテトラヒドロピラン誘導体等並びに重合を開始できるようなカチオン型光重合開始剤および硬化剤(例えば、アミン類、カルボン酸、酸無視物およびチオール系化合物等)等を硬化性樹脂組成物に含有させてもよい。また、硬化収縮の抑制の目的で、含有する化合物の水酸基にアセチル基等のアシル基を導入させてもよい。
さらに、硬化性樹脂組成物を硬化させる際の収縮を緩和するため、無色透明な充填剤、着色充填剤、光沢のある充填剤等を含有させてもよい。無色透明な充填剤としては、例えば、シリカゲル、機能性シリカゲル(官能基修飾シリカゲル)、ガラス(ガラスビーズ、ガラス片等)、酸化チタン、プラスチック粒(例えば、ポリスチレン粒、ポリアクリル粒、ポリカーボネート粒、PET粒等)、歯科用充填レジン、水、水溶液、糖類、有機溶剤、無機固体およびイオン性液体等があげられる。
着色充填剤としては、例えば、顔料、染料、不透明なプラスチック粒、紙類、陶器、ラテックス、エマルジョン、カーボンブラック(炭)、小石、砂、土、コンクリート、アスファルト、鉱物、肥料、花弁、種子、花粉、石鹸、タンパク質、磁気粉体、砂鉄、脂肪、毛髪、皮膚および煙等があげられる。光沢のある充填剤としては、例えば、金属粒および金属片(例えば、金、銀、銅、鉄、鉛、錫、アルミニウム、クロム、ニッケル、亜鉛、水銀、砒素、ナトリウムおよびカリウム等)、合金類(例えば、ブリキ、青銅、真鍮、アルマイトおよびアマルガム等)、酸化金属(例えば、錆および緑青等)、シリコンウエハー片並びに鏡片等があげられる。
その他には、例えば、分散助剤、充填剤(例えばタルク、石膏、シリカ、ルチル、カーボンブラック、酸化亜鉛および酸化鉄)、増量剤、艶消し剤、消泡剤、蛍光剤、リン光剤、夜光剤、導電剤、金属粒(例えば、金粒、銀粒および銅粒等)、色素材、抗菌剤(例えば、酸化チタンおよび抗菌性有機化合物等)、光触媒、反応触媒、固体酸、イオン交換樹脂、塗料、水系塗料、粉体塗料および表面塗装技術で慣用されている他の助剤等またはそのナノ粒子等があげられる。
本発明における硬化性樹脂組成物に、光触媒として機能する充填剤(例えば、酸化チタンおよび銀等)を含有してもよい。当該充填剤を含有することにより、抗菌性、除菌性、防汚性、消臭性、脱臭性および浄化性等に優れた、硬化性樹脂組成物が得られるからである。
(光源)
本発明における硬化性樹脂組成物の硬化に使用する光としては、例えば、紫外光、可視光、近赤外線光、白熱灯、蛍光灯および太陽光等があげられる。このような光を照射できる光源としては、例えば、低圧、中圧、高圧および超高圧水銀ランプ、金属ハロゲンランプ、レーザー並びにLED等があげられる。
具体例としては、例えば、放射波長360〜600nmの範囲内のある領域の近紫外光または可視光(青色光)を照射することのできる、軽量かつ小型の半導体レーザーおよびLED等があげられる。中でも、人体に対する毒性や遮光装置が不要である等の理由から、半導体バイオレットレーザー、半導体ブルーバイオレットレーザー、半導体ブルーレーザー、および青色LEDが好ましい。また、更に長波長の赤外線および近赤外線レーザー照射機も使用することができる。可視光線または赤外線の照射機の使用は人体に有害な紫外光を用いる方法と比較して、安全性が高く、人が曝光を防止するための遮蔽装置も不要になる利点がある。
光源には市販されているものを適宜使用することができ、例えば、半導体レーザー[バイオレット(400−415nm):NDHV220APAE1、ブルーバイオレット(440−450nm):NDHB510APAE1、ブルー(468−478nm):NDHA500APAE1(日亜化学工業(株)製)]、青色LED[(460−490nm):NSPB300A、NSPB310A、NSPB320BS、NSPB500S、NSPB510S、NSPB513、NSPB518S、NSPB520S、NSPBF50S(日亜化学工業(株)製)]および青緑色LED[(470−530nm):NSPE800S(日亜化学工業(株)製)]等があげられる。
光源から照射光をパターン転写部に集光して当て、転写前の未硬化の樹脂に照射されないように、光源の周囲に反射板または遮蔽板を設けることが好ましい。また、転写前の樹脂に照射光および室内光が当らないように、遮蔽板または遮蔽装置を設けることが好ましい。
(基板)
本発明における硬化性樹脂組成物を塗布する基板は、電鋳処理ができる材料を使用するか、または、電鋳処理ができるように基板上にシード膜を設けることが好ましい。電鋳処理ができる材料またはシード膜の金属としては、例えば、ニッケル、スズ、亜鉛、金、銀および銅等があげられる。これらの中でも、ニッケルおよび銅が好ましい。基板上にシード膜を設ける方法としては、例えば、スパッタリング等があげられる。
シード膜を設ける場合には、基板の材料としては、例えば、ガラス、シリコン、酸化膜塗布ガラス(ITO:インジウムチタニウムオキサイド塗布ガラス等)、金属類(アルミニウム、金、銀、銅、鉄、真ニッケル、スズ、亜鉛、鍮板およびブリキ板等)、プラスチック(ポリカーボネート、アクリル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS(アクリロニトリル並びにブタジエンおよびスチレンのコポリマー)樹脂板等)、フィルム(ポリイミド、塩化ビニル、ポリスチレンおよびサラン樹脂フィルム等)および磁器(陶器、セラミックおよび瓦等)等が使用できる。
(金属膜の形成)
形成される金属膜の金属としては、銅、ニッケル、クロム、亜鉛、スズ、金、銀および白金族金属等があげられ、これらの中でも、銅、ニッケルおよび金が好ましく、銅およびニッケルがより好ましい。
金属膜を形成する方法として、例えば、電鋳処理(電気めっき)、置換めっきおよび無電解めっき等があげられる。電鋳処理は、めっき浴中に含まれる金属イオンを電気で還元して金属膜を形成する方法である。置換めっきは、めっき浴中に含まれる金属イオンよりイオン化傾向の大きい金属をめっき浴に挿入し、イオン化傾向の差によりめっき浴中に含まれる金属イオンを還元して金属膜を形成する方法である。無電解めっきは、めっき浴中の金属イオンを還元剤によって還元して金属膜を形成する方法である。これらの中でも、10μm以上の膜厚が形成できる等の理由より、電鋳処理が好ましい。
電鋳処理でニッケルの金属膜を形成する場合に使用するめっき浴としては、例えば、硫酸ニッケル塩化ニッケルおよびホウ素を主成分とするニッケルめっき浴(ワット浴)、並びにスルファミン酸ニッケル、塩化ニッケルおよびホウ素を主成分とするスルファミン酸塩浴等があげられる。前記のいずれのめっき浴においても、pHを2.5〜5.0でおこなうことが好ましい。ワット浴の場合では40〜65℃でおこなうことが好ましく、スルファミン酸塩浴の場合では25〜65℃の範囲でおこなうことが好ましく、低応力のめっきでは50〜65℃が好ましい。処理時の電流密度としては、例えば、ワット浴の場合では2〜4A/dmの範囲で、スルファミン酸塩浴の場合では2〜90A/dmの範囲で行うことがあげられる。
電鋳処理で銅の金属膜を形成する場合に使用するめっき浴としては、例えば、硫酸銅および硫酸を主成分とする硫酸銅めっき浴、シアン化第一銅およびシアン化ソーダを主成分とするシアン化銅めっき浴、並びにピロリン酸銅およびピロリン酸カリを主成分とするピロリン酸銅めっき浴等があげられる。硫酸銅めっき浴は温度15〜35℃の範囲でおこなうことが好ましく、シアン化銅めっき浴ならびピロリン酸銅めっき浴は温度40〜65℃の範囲でおこなうことが好ましい。シアン化銅めっき浴はpH11〜13の範囲でおこなうことが好ましく、ピロリン酸銅めっき浴は8.0〜9.0の範囲でおこなうことが好ましい。処理時の電流密度としては、例えば、硫酸銅めっき浴では1〜6A/dmの範囲で、シアン化銅めっき浴の場合では1〜4A/dmの範囲で、シアン化銅めっき浴の場合では1〜3A/dmの範囲で行うことがあげられる。
金属膜を形成する際の前処理としては、トリクロロエチレン等の溶剤洗浄や苛性ソーダや炭酸ソーダ組成等のアルカリ浸漬等により脱脂洗浄してもよく、金属膜を形成する領域にある絶縁膜、例えば酸化膜等を除去するために、硫酸、塩酸またはフッ酸等で洗浄してもよい。
(硬化樹脂の除去)
本発明のパターン形成方法における、残渣の硬化樹脂および金属膜形成後の硬化樹脂の除去は、物理的または化学的手法が使用でき、具体的には、アッシング処理(酸素プラズマアッシング)、溶剤(例えば、N-メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートおよびシクロヘキサノン等)による溶解除去法およびアルカリ現像法等が使用でき、これらの中でも、アッシング処理が好ましい。これらの処理を行った後、さらに、化学的手法、例えば、水洗、アルカリ水溶液[例えば、10〜50%テトラメチルアンモニウム ハイドロキサイド(TMAH)水溶液および1〜50%水酸化ナトリウム水溶液]、酸性水溶液、アルコールおよび水溶性化合物等での洗浄、または物理学的手法、例えば、ドライアイス洗浄、温風、冷風およびブラシによる洗浄等を施してもよい。
(パターン形成物および該パターン形成物を備える加工品)
本発明のパターン形成方法により得られるパターン形成物は物理的または化学的手法により、フィルム、ファイバー(繊維)および3次元構造物等の加工品へ形態を変えて使用できる。
本発明のパターン形成方法により得られるパターン形成物または該パターン形成物を備える加工品は、例えば、半導体チップ材料、プリント電子回路材料、マイクロ部品材料、分子デバイス材料、マイクロマシーン材料、印刷版、印刷用マスクの製造用材料、モールド製造用材料、光記録材料、臓器複製用材料、ギブス材料、意匠設計用材料、デザイン設計用材料、小型機器のモデル作成用材料、シュミレーションモデル作成用材料、FPD(フラットパネルディスプレイ)材料、LCD(液晶ディスプレイ)材料、光回路材料、光通信用材料、光導波路、光ファイバー、太陽電池材料、光スイッチ、光回路材料、光造形材料、光感知器用材料、光学モルホロジー用材料、細胞培養材料(細胞培養シート)、植物培養培材料、LED(発光ダイオード)、有機EL材料、インクジェットプリンター材料、印刷版、バイオチップ、DNAチップ、マイクロ流路、診断薬キット、指紋認証装置、指紋複製装置、標本作製用材料、臓器標本作製用材料、自動車部品、船舶部品、航空機部品および宇宙材料等に使用することができる。
また、本発明のパターン形成方法により得られるパターン形成物を使用して、基板に所望のパターンを形成することができる。当該所望のパターンを基板に形成したパターン形成物または該パターン形成物を備える加工品は、例えば、半導体チップ材料、反射防止膜、光導波路、偏光板、マイクロ流路、細胞培養シートおよびバイオチップ等に使用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等に制限されるものではない。
〈実施例1〜10〉
(1)硬化性樹脂組成物の調製
表1に示す組成で、各成分をイエロールーム内で混合した。それらの混合物をメンブレンフィルター(0.45μm、25N、ジーエルサイエンス社)でろ過して、樹脂組成物1〜8を得た。
(可視光重合開始剤)
可視光重合開始剤は、以下に示すものを使用した。PFO−Eは特開2005−225793号公報に記載の方法により製造した。
・BAPO:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド:イルガキュア819(チバ・スペシャルティ・ケミカル(株)製)
・MAPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド:Lucirin TPO(BASF(株)製)
・PFO−E:5−(4−ペンチロキシベンゾイル)−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシド、5−(4−ヘキシルベンゾイル)−5H−ジベンゾホスホール 5−オキシド
・DETX:2,4−ジエチルチオキサントン:カヤキュア DETX−S(日本化薬(株)製)
・TITANO:ビス(5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム:イルガキュア784(チバ・スペシャルティ・ケミカル(株)製)
(重合性化合物)
重合性化合物として、以下に示す化合物を使用した。
・UA:ウレタンアクリレート:NKオリゴ UA-4200(樹脂組成物1〜5で使用、重量平均分子量1,300(新中村化学(株)製)):NKオリゴ UA-122P(樹脂組成物6で使用、重量平均分子量1,100(根上工業(株)製)):アートレジン UN−904(樹脂組成物7で使用、重量平均分子量4,900(根上工業(株)製))
・NVP:N−ビニルピロリドン(日本触媒(株)製)
・TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート:NKエステルA−TMPT(新中村化学(株)製)
・A-DCP:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート:NKエステル A−DCP[分子量304(新中村化学(株)製)]
Figure 2011067950
(2)プラスチックモールド
プラスチックモールドは以下に示す方法で成形し、その成形物を使用した。
・PPモールド:ポリプロピレン板(2.5×2.5cm、厚さ 1mm、紫外線吸収剤入、日本テストパネル(株)製)に、ニッケルモールド(2.5×2.5cm、パターン面積0.5×1.0cm、パターン:L&S:幅80nm〜20μm、アスペクト比0.1〜2、間隔比1:1〜1:10)を押し付けて、熱(ナノ)インプリント装置(TP−32937−0401:マルニ(株)製)を使用して、パターン転写(温度:上板130℃:下板30℃、プレス圧5Mpa、保持時間5分)して、プラスチックモールドを作製した。
・PIモールド:ポリイミドフィルム(オーラムフィルム、2.5×2.5cm、厚さ 300μm(三井化学(株)製)を前記の同じニッケルモールドを用いて、熱(ナノ)インプリント装置を用いて、パターン転写(温度:上板220℃:下板180℃、プレス圧10MPa、保持時間5分)して、同様にしてプラスチックモールドを作製した。
・PDMSモールド:ポリジメチルシロキサン(シルポット184(東レダウコーニング(株)製):主剤と触媒を重量比10:1に混合し、得られた樹脂をそのニッケルモールドのパターン上に、0.1〜1gを滴下し、オーブン中100℃で1時間加熱を行い、PDMSを剥離して、PDMSモールドを作製した。
(3)シード膜が成膜された基板
・シリコンウエハ(2インチ)基板上にスパッタリングをして、ニッケルシード膜(0.1μm)を成膜した。
(4)光インプリント
以下の手順で硬化樹脂のパターンを形成した。シード膜が成膜された基板上に樹脂組成物1〜8を2〜3ml滴下し、該樹脂組成物にプラスチックモールド(PPモールド、PIモールド、または、PDMSモールド)を被せ、光インプリント装置(マルニ(株)製)を用い、室温下で光照射して硬化させて、パターンを得た。表2に示すように、樹脂組成物、プラスチックモールドを用いて、各実施例のパターンを得た。パターンの凸部の膜厚は20〜40μmであった。
パターン形成条件は以下とした。
1.プレス圧:0.5MPaにて30秒間、プレス
2.減圧:次いで、真空ポンプを用いて減圧し、15秒保持
3.光照射:15秒[光量100mJ/cm:測定波長365nm]
4.圧力解除:常圧まで
5.モールドを硬化樹脂から剥がし、該パターンを得た。
(5)アッシング処理
RIE装置としてサムコインターナショナル研究所製RIE−10N型を用いた。RF(Radio Frequency)出力を125W、エッチングチャンバー内の圧力を40Pa、酸素ガス流量を45ml/分(大気圧、0℃の状態として)として、アッシング処理を10分間行うことにより、パターンの凹部にある残渣の硬化樹脂を除去した。RF出力に対する、膜減りの厚さの結果を表2に示す。膜減りの厚さは、アッシング処理によるパターンの凸部の膜厚の減少を表す。膜減りの厚さは触針段差計(DEKTAK3 VEECOSLOAN TECHOLOGY(株)製)を用いて測定した。
Figure 2011067950
〈実施例11〉
(6)ニッケル金属膜のパターンの形成
実施例1で得られた厚さ約20μmの硬化樹脂パターン形成物を、スルファミン酸塩浴(スルファミン酸ニッケル、塩化ニッケルおよびホウ酸の水溶液、40℃、pH4.2)を用いて、電流密度を10A/dmとして2.5時間電鋳処理を行うことにより、パターンの凹部に15μm厚のニッケルめっきを成長させた。次いで、前記のRIE装置を用い、RF出力を135W、エッチングチャンバー内の圧力を40Pa、酸素ガス流量を45ml/分(大気圧、0℃の状態として)としてアッシング処理を50分間行うことにより、基板上に残っている硬化樹脂を完全に除去し、金属膜のパターンを得た。
表1から分かるように、アッシング処理による硬化樹脂の除去には、重合性モノマーまたは/および重量平均分子量5,000以下の重合性ポリマーを配合した硬化性樹脂組成物が効果的であることが分かった。また、実施例11の結果から、インプリント技術と電鋳技術を組合せた手法において、プラスチックモールドと可視光硬化型樹脂を用いて、金属膜のパターンを作成できることが分かった。
本発明により、簡便に、金属加工品、微細部品等を製造するための金属膜(金型)のパターンのおよびその形成方法が提供される。特に、プラスチックモールドと特定の重量平均分子量以下である重合性化合物を配合した可視光硬化性樹脂組成物を使用することで、より簡便に金属膜(金型)のパターンを形成することが可能になる。
本発明に係る金属膜のパターン形成方法の一実施形態を説明した説明図である。 プラスチックモールドを作成するための金型の作成工程の一実施形態を説明した説明図である。 本発明に係る金属膜のパターン形成方法に用いるプラスチックモールドの作成工程の一実施形態を説明した説明図である。
符号の説明
1 基板
2 シード膜
3 シード膜が成膜された基板
4 硬化性樹脂
5 プラスチックモールド
6 凸部
7 凹部
8 凹部
9 凸部
10 電鋳領域
11 金属膜
21 基板
22 シード膜
23 レジスト
24 マスク
25 通過部
26 非通過部
27 凹部
28 金属膜
29 除去部
30 モールド材料
31 金型
32 凸部
33 凹部
34 凹部
35 凸部

Claims (16)

  1. シード膜が成膜された基板上に塗布された硬化性樹脂組成物と、所定パターンを有するモールドとの相対移動により前記モールドの所定パターンを前記硬化性樹脂組成物に転写した状態で前記硬化性樹脂組成物を硬化させ、硬化樹脂よりモールドを取り外し、金属膜を形成する領域の残渣の硬化樹脂を除去した後、金属膜を形成し、その後、基板上に残っている硬化樹脂を除去することを特徴とする金属膜のパターン形成方法。
  2. 硬化性樹脂組成物が光によって硬化する樹脂組成物である請求項1に記載の金属膜のパターン形成方法。
  3. 金属膜の形成を電鋳処理によりおこなう請求項1または2に記載の金属膜のパターン形成方法。
  4. 硬化性樹脂組成物が重合性化合物と重合開始剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属膜のパターン形成方法。
  5. 重合性化合物が重合性モノマーである請求項4に記載の金属膜のパターン形成方法。
  6. 重合性化合物が、重量平均分子量が5,000以下の重合性ポリマー、または重合性モノマーおよび重量平均分子量が5,000以下の重合性ポリマーである請求項4に記載の金属膜のパターン形成方法。
  7. 重量平均分子量が5,000以下の重合性ポリマーが、ウレタンアクリレートを含有する請求項6に記載の金属膜のパターン形成方法。
  8. 硬化性樹脂組成物におけるウレタンアクリレートの含有量が5〜99.99重量部である請求項7に記載の金属膜のパターン形成方法。
  9. 重合開始剤が可視光重合開始剤である請求項4〜8のいずれか1項に記載の金属膜のパターン形成方法。
  10. 可視光重合開始剤がアシルホスフィンオキシド化合物である請求項9に記載の金属膜のパターン形成方法。
  11. 所定パターンを有するモールドがプラスチックモールドである請求項1〜10のいずれか1項に記載の金属膜のパターン形成方法。
  12. プラスチックモールドの材料がポリイミド、ポリカーボネート、ポリプロピレンおよびポリジメチルシロキサンの中の少なくともいずれか1つである請求項11に記載の金属膜のパターン形成方法。
  13. 残渣の硬化樹脂をアッシング処理により除去する請求項1〜12のいずれか1項に記載の金属膜のパターン形成方法。
  14. シード膜が金属膜にて構成されている請求項1〜13のいずれか1項に記載の金属膜のパターン形成方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法によってパターン形成されることを特徴とするパターン形成物。
  16. 請求項15に記載のパターン形成物を備えることを特徴とする加工品。
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