JP5268384B2 - ナノインプリント用硬化性組成物およびパターン形成方法 - Google Patents
ナノインプリント用硬化性組成物およびパターン形成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5268384B2 JP5268384B2 JP2008030855A JP2008030855A JP5268384B2 JP 5268384 B2 JP5268384 B2 JP 5268384B2 JP 2008030855 A JP2008030855 A JP 2008030855A JP 2008030855 A JP2008030855 A JP 2008030855A JP 5268384 B2 JP5268384 B2 JP 5268384B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- curable composition
- acrylate
- meth
- group
- mold
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
- Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
第一の技術としては、成型した形状(パターン)そのものが機能を持ち、様々なナノテクノロジーの要素部品、あるいは構造部材として応用できる場合である。例としては、各種のマイクロ・ナノ光学要素や高密度の記録媒体、光学フィルム、フラットパネルディスプレイにおける構造部材などが挙げられる。第二の技術は、マイクロ構造とナノ構造との同時一体成型や、簡単な層間位置合わせにより積層構造を構築し、これをμ−TAS(Micro - Total Analysis System)やバイオチップの作製に応用しようとするものである。第3の技術としては、形成されたパターンをマスクとし、エッチング等の方法により基板を加工する用途に利用されるものである。かかる技術では高精度な位置合わせと高集積化とにより、従来のリソグラフィ技術に代わって高密度半導体集積回路の作製や、液晶ディスプレイのトランジスタへの作製、パターンドメディアと呼ばれる次世代ハードディスクの磁性体加工等に応用できる。前記の技術を始め、これらの応用に関するナノインプリント法の実用化への取り組みが近年活発化している。
LCD基板やPDP基板の大型化や高精細化の動向に伴い、薄膜トランジスタ(TFT)や電極板の製造時に使用する従来のフォトリソグラフィ法に代わる安価なリソグラフィとして光ナノインプリントリ法が、近年注目されている。そのため、従来のフォトリソグラフィ法で用いられるエッチングフォトレジストに代わる光硬化性レジストの開発が必要になってきている。
さらにLCDなどの構造部材としては、下記特許文献4および5に記載される透明保護膜材料や、あるいは下記特許文献5に記載されるスペーサなどに対する光ナノインプリント法の応用も検討され始めている。このような構造部材用のレジストは、前記エッチングレジストとは異なり、最終的にディスプレイ内に残るため、“永久レジスト”、あるいは“永久膜”と称されることがある。
また、液晶ディスプレイにおけるセルギャップを規定するスペーサも永久膜の一種であり、従来のフォトリソグラフィにおいては、樹脂、光重合性モノマーおよび開始剤からなる光硬化性組成物が一般的に広く用いられてきた(例えば、特許文献6参照)。スペーサは、一般には、カラーフィルタ基板上に、カラーフィルタ形成後、もしくは、前記カラーフィルタ用保護膜形成後、光硬化性組成物を塗布し、フォオトリソグラフィにより10μm〜20μm程度の大きさのパターンを形成し、さらにポストベイクにより加熱硬化して形成される。
これら永久膜用途においては、形成されたパターンが最終的に製品に残るため、耐熱性、耐光性、耐溶剤性、耐擦傷性、外部圧力に対する高い機械的特性、硬度など主に膜の耐久性や強度に関する性能が要求される。
このように従来フォトリソグラフィ法で形成されていたパターンのほとんどがナノインプリントで形成可能であり、安価に微細パターンが形成できる技術として注目されている。
[1] シアノ基を有する重合性化合物(Ax)と、光重合開始剤(B)と、を含むことを特徴とするナノインプリント用硬化性組成物である。
のナノインプリント用硬化性組成物である。
[11] さらに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、ガンマブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、並びに、乳酸エチルから選ばれる少なくとも1種の溶剤を含有することを特徴とする[1]〜[10]のいずれか1つに記載のナノインプリント用硬化性組成物。
なお、本発明でいう“ナノインプリント”とは、およそ数nmから数μmのサイズのパターン転写をいう。
尚、本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明のナノインプリント用硬化性組成物(以下、単に「本発明の組成物」と称する場合もある)は、少なくとも、シアノ基を有する重合性化合物(Ax)と、光重合開始剤(B)と、を含む。通常、光ナノインプリント法に用いられる硬化性組成物は、重合性官能基を有する重合性化合物と、光照射によって前記重合性化合物の重合反応を開始させる光重合開始剤と、を含み、さらに必要に応じて、溶剤、界面活性剤または酸化防止剤等を含んで構成される。本発明のナノインプリント用硬化性組成物においては、重合性官能基を有する重合性化合物(以下、本発明の組成物に含有される重合性化合物を総称して「光重合性化合物(A)」と称する場合がある)として少なくとも前記重合性化合物(Ax)を含む。本発明のナノインプリント用硬化性組成物は、シアノ基を有する重合性化合物(Ax)を含むことで、ナノインプリント法によって基材密着性、モールド剥離性、およびエッチング耐性に優れたパターンを形成することができる。
−重合性化合物(Ax)−
本発明における重合性化合物(Ax)は、重合性官能基を含む化合物である。前記重合性官能基としては、カチオン重合性官能基、ラジカル重合性官能基が挙げられ、ラジカル重合性官能基が好ましい。前記カチオン重合性官能基としては、エポキシ基、オキセタン基が好ましい。また、前記ラジカル重合性官能基としては、エチレン性不飽和結合を有する官能基が挙げられ、(メタ)アクリル基、ビニル基、アリル基が好ましく、特に好ましくは、(メタ)アクリル基である。このため、本発明における重合性化合物(Ax)としては、(メタ)アクリレート誘導体であることが好ましい。本発明における重合性化合物(Ax)中に含まれる重合性官能基の数は、硬化性、組成物粘度の観点から1〜3個が好ましく、より好ましくは1または2個、さらに好ましくは1個である。
また、本発明における重合性化合物(Ax)はシアノ基を有する。シアノ基は、重合性官能基に直接結合していてもよいし、連結基を介して結合していてもよいが、連結基を介して結合していることが好ましい。基板密着性、組成物粘度の観点からシアノ基の数としては1〜3個が好ましく、より好ましくは1または2個、さらに好ましくは1個である。
ナノインプリント用硬化性組成物中に、水酸基などの極性官能基を有する化合物が含まれていないとモールド剥離性は良化するが、基板密着性が低くなってしまう。一方で極性官能基を導入するとドライエッチング時においてパターンの劣化が大きくなってしまい(すなわち、ドライエッチング耐性が低くなってしまい)、これらの性能を十分に高いレベルで同時に発揮することができない。本発明のナノインプリント用硬化性組成物は、シアノ基を有する重合性化合物を含むことで特にナノメートルオーダーのパターンを形成する際であっても、基材密着性およびモールドとの剥離性が良好であり、且つ高いドライエッチング耐性を同時に達成できる。
R1および前記アルキル基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子である。
また、前記各式において、mは1〜3の整数を示し、硬化性、組成物粘度の観点から、1または2が好ましい。mが2以上のとき、複数存在するX、R1およびY2は同一であってもよいし異なっていてもよい。また、各式中、nは0〜6の整数を示す。nが2以上の時、複数存在するR2は同一でもあってもよいし異なっていてもよい。また、式(I−1)において、n2は1〜3の整数を示し、基板密着性、組成物粘度の観点から1または2が好ましく、1がさらに好ましい。
式(II)中、Arは芳香族基を示す。前記芳香族基としては、ドライエッチング耐性、組成物粘度の観点から、フェニル基、ナフタレン基、アントラセン基、フェナントレン基、ピレン基、ビフェニル基などの炭化水素系芳香族基、インドール基、カルバゾール基などのヘテロ芳香族基などが挙げられ、好ましくはフェニル基、ナフタレン基である。
X2は単結合、炭素数1〜4のアルキレン基を表す。
X3は単結合、炭素数1〜10のアルキレン基を表す、アルキレン鎖中にヘテロ原子を含む連結基を有していても良い。アルキレン基として好ましくはメチレン基、エチレン基、−CH2CH2O−、CH2CH(CH3)O−である。
上述のように本発明のナノインプリント用硬化性組成物は、さらに、組成物粘度、ドライエッチング耐性、インプリント適性、硬化性等の改良を目的に、重合性化合物として、さらに、重合性化合物(Ax)とは異なる他の重合性単量体を含んでいてもよい。前記他の重合性単量体としては、例えば、エチレン性不飽和結合含有基を1〜6個有する重合性不飽和単量体;オキシラン環を有する化合物(エポキシ化合物);ビニルエーテル化合物;スチレン誘導体;フッ素原子を有する化合物;プロペニルエーテルまたはブテニルエーテル等を挙げることができ、硬化性の観点から、エチレン性不飽和結合含有基を1〜6個有する重合性不飽和単量体が好ましい。
まず、エチレン性不飽和結合含有基を1個有する重合性不飽和単量体(1官能の重合性不飽和単量体)としては具体的に、2−アクリロイロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシ2−ヒドロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−アクリロイロキシプロピルフタレート、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールアクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリル酸ダイマー、ベンジル(メタ)アクリレート、1−または2−ナフチル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性(以下「EO」という。)クレゾール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン(以下「ECH」という)変性フェノキシアクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、EO変性コハク酸(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリドデシル(メタ)アクリレート、p−イソプロペニルフェノール、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、が例示される。
これらの中で特に、芳香族基あるいは脂環炭化水素基を有する(メタ)アクリレートがドライエッチング耐性の観点で好ましく、ベンジル(メタ)アクリレート、1−または2−ナフチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートが本発明に好適に用いられる。
本発明で好ましく用いることのできるエチレン性不飽和結合含有基を2個有する2官能重合性不飽和単量体の例としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリル化イソシアヌレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ECH変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、アリロキシポリエチレングリコールアクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ECH変性ヘキサヒドロフタル酸ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレンオキシド(以後「PO」という。)変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコール、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ECH変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリエステル(ジ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ECH変性プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、シリコーンジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルエチレン尿素、ジビニルプロピレン尿素が例示される。
ビニルエーテル化合物は公知のものを適宜選択することができ、例えば、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ブタンジオール−1,4−ジビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,2−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、テトラメチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタビニルエーテル、エチレングリコールジエチレンビニルエーテル、トリエチレングリコールジエチレンビニルエーテル、エチレングリコールジプロピレンビニルエーテル、トリエチレングリコールジエチレンビニルエーテル、トリメチロールプロパントリエチレンビニルエーテル、トリメチロールプロパンジエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールジエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラエチレンビニルエーテル、1,1,1−トリス〔4−(2−ビニロキシエトキシ)フェニル〕エタン、ビスフェノールAジビニロキシエチルエーテル等が挙げられる。
1官能の重合性不飽和単量体は、通常、反応性希釈剤として用いられ、本発明のナノインプリント硬化性組成物の粘度を低下させる効果を有し、重合性化合物の総量に対して、15質量%以上添加されることが好ましく、20〜80質量%がさらにこのましく、25〜70質量%がより好ましく、30〜60質量%が特に好ましい。
不飽和結合含有基を2個有する単量体(2官能重合性不飽和単量体)は、全重合性不飽和単量体の好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、特に好ましくは70質量%以下の範囲で添加される。1官能および2官能重合性不飽和単量体の割合は、全重合性不飽和単量体の、好ましくは10〜100質量%、より好ましくは30〜95質量%、特に好ましくは50〜90質量%の範囲で添加される。不飽和結合含有基を3個以上有する多官能重合性不飽和単量体の割合は、全重合性不飽和単量体の、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下、特に好ましくは、40質量%以下の範囲で添加される。重合性不飽和結合含有基を3個以上有する重合性不飽和単量体の割合を80質量%以下とすることにより、組成物の粘度を下げられるため好ましい。
本発明のナノインプリント硬化性組成物には、光重合開始剤が含まれる。本発明に用いられる光重合開始剤は、光照射により上述の重合性化合物を重合する活性種を発生する化合物であればいずれのものでも用いることができる。光重合開始剤としては、光照射によりラジカルを発生するラジカル重合開始剤、光照射により酸を発生するカチオン重合開始剤が好ましく、より好ましくはラジカル重合開始剤であるが、前記重合性化合物の重合性基の種類に応じて適宜決定される。即ち、本発明における光重合開始剤は、使用する光源の波長に対して活性を有するものが配合され、反応形式の違い(例えばラジカル重合やカチオン重合など)に応じて適切な活性種を発生させるものを用いる必要がある。また、本発明において、光重合開始剤は複数種を併用してもよい。
光重合開始剤の含有量が0.01質量%以上であると、感度(速硬化性)、解像性、ラインエッジラフネス性、塗膜強度が向上する傾向にあり好ましい。一方、光重合開始剤の含有量を15質量%以下とすると、光透過性、着色性、取り扱い性などが向上する傾向にあり、好ましい。これまで、染料および/または顔料を含むインクジェット用組成物や液晶ディスプレイカラーフィルタ用組成物においては、好ましい光重合開始剤および/または光酸発生剤の添加量が種々検討されてきたが、ナノインプリント用等の光ナノインプリント用硬化性組成物についての好ましい光重合開始剤および/または光酸発生剤の添加量については報告されていない。すなわち、染料および/または顔料を含む系では、これらがラジカルトラップ剤として働くことがあり、光重合性、感度に影響を及ぼす。その点を考慮して、これらの用途では、光重合開始剤の添加量が最適化される。一方で、本発明のナノインプリント硬化性組成物では、染料および/または顔料は必須成分でなく、光重合開始剤の最適範囲がインクジェット用組成物や液晶ディスプレイカラーフィルタ用組成物等の分野のものとは異なる場合がある。
本発明のナノインプリント硬化性組成物は、上述の重合性化合物(A)および光重合開始剤(B)の他に種々の目的に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、界面活性剤、酸化防止剤、溶剤、ポリマー成分等その他の成分を含んでいてもよい。本発明のナノインプリント硬化性組成物としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素・シリコーン系界面活性剤、並びに、酸化防止剤から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
本発明のナノインプリント硬化性組成物には、界面活性剤を含有することが好ましい。本発明に用いられる界面活性剤の含有量は、全組成物中、例えば、0.001〜5質量%であり、好ましくは0.002〜4質量%であり、さらに好ましくは、0.005〜3質量%である。2種類以上の界面活性剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。界面活性剤が組成物中0.001〜5質量%の範囲にあると、塗布の均一性の効果が良好であり、界面活性剤の過多によるモールド転写特性の悪化を招きにくい。
ここで、“フッ素・シリコーン系界面活性剤”とは、フッ素系界面活性剤およびシリコーン系界面活性剤の両方の要件を併せ持つものをいう。
このような界面活性剤を用いることによって、半導体素子製造用のシリコンウエハや、液晶素子製造用のガラス角基板、クロム膜、モリブデン膜、モリブデン合金膜、タンタル膜、タンタル合金膜、窒化珪素膜、アモルファスシリコーン膜、酸化錫をドープした酸化インジウム(ITO)膜や酸化錫膜などの、各種の膜が形成される基板上に本発明のナノインプリント硬化性組成物を塗布したときに起こるストリエーションや、鱗状の模様(レジスト膜の乾燥むら)などの塗布不良の問題を解決するが可能となる。また、モールド凹部のキャビティ内への本発明の組成物の流動性の向上、モールドとレジストとの間の剥離性の向上、レジストと基板間との密着性の向上、組成物の粘度を下げる等が可能になる。特に、本発明のナノインプリント組成物は、前記界面活性剤を添加することにより、塗布均一性を大幅に改良でき、スピンコーターやスリットスキャンコーターを用いた塗布において、基板サイズに依らず良好な塗布適性が得られる。
また、非イオン性の前記シリコーン系界面活性剤の例としては、商品名SI−10シリーズ(竹本油脂(株)製)、メガファックペインタッド31(大日本インキ化学工業(株)製)、KP−341(信越化学工業(株)製)が挙げられる。
また、前記フッ素・シリコーン系界面活性剤の例としては、商品名 X−70−090、X−70−091、X−70−092、X−70−093、(いずれも、信越化学工業(株)製)、商品名メガフアックR−08、XRB−4(いずれも、大日本インキ化学工業(株)製)が挙げられる。
さらに、本発明のナノインプリント硬化性組成物には、公知の酸化防止剤を含有することが好ましい。本発明に用いられる酸化防止剤の含有量は、重合性化合物の総量に対し、例えば、0.01〜10質量%であり、好ましくは0.2〜5質量%である。2種類以上の酸化防止剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。
前記酸化防止剤は、熱や光照射による退色およびオゾン、活性酸素、NOx、SOx(Xは整数)などの各種の酸化性ガスによる退色を抑制するものである。特に本発明では、酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止や、分解による膜厚減少を低減できるという利点がある。このような酸化防止剤としては、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、含窒素複素環メルカプト系化合物、チオエーテル系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、チオシアン酸塩類、チオ尿素誘導体、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。この中でも、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤が硬化膜の着色、膜厚減少の観点で好ましい。
本発明のナノインプリント用硬化性組成物には、種々の必要に応じて、溶剤を用いることができる。特に膜厚500nm以下のパターンを形成する際には溶剤を含有していることが好ましい。好ましい溶剤としては常圧における沸点が80〜200℃の溶剤である。溶剤の種類としては組成物を溶解可能な溶剤であればいずれも用いることができるが、好ましくはエステル構造、ケトン構造、水酸基、エーテル構造のいずれか1つ以上を有する溶剤である。具体的に、好ましい溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、ガンマブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルから選ばれる単独あるいは混合溶剤であり、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する溶剤が塗布均一性の観点で最も好ましい。
本発明の組成物中における前記溶剤の含有量は、溶剤を除く成分の粘度、塗布性、目的とする膜厚によって最適に調整されるが、塗布性の観点から、組成物の0〜95質量%が好ましく、0〜90質量%がさらに好ましい。特に膜厚500nm以下のパターンを形成する際には10〜95質量%が好ましく、30〜90質量%がさらに好ましく、40〜90質量%が特に好ましい。
本発明の組成物では、架橋密度をさらに高める目的で、前記多官能の他の重合性単量体よりもさらに分子量の大きい多官能オリゴマーを、本発明の目的を達成する範囲で配合することもできる。光ラジカル重合性を有する多官能オリゴマーとしてはポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート等の各種アクリレートオリゴマーが挙げられる。オリゴマー成分の添加量としては、組成物の溶剤を除く成分に対し、0〜30質量%が好ましく、より好ましくは0〜20質量%、さらに好ましくは0〜10質量%、最も好ましくは0〜5質量%である。
本発明のナノインプリント用硬化性組成物はドライエッチング耐性、インプリント適性、硬化性等の改良を観点からも、さらにポリマー成分を含有していてもよい。前記ポリマー成分としては側鎖に重合性官能基を有するポリマーが好ましい。前記ポリマー成分の重量平均分子量としては、重合性化合物との相溶性の観点から、2000〜100000が好ましく、5000〜50000がさらに好ましい。ポリマー成分の添加量としては、組成物の溶剤を除く成分に対し、0〜30質量%が好ましく、より好ましくは0〜20質量%、さらに好ましくは0〜10質量%、最も好ましくは2質量%以下である。本発明の組成物において溶剤を除く成分中、分子量2000以上のポリマー成分の含有量が30質量%以下であると、パターン形成性が向上する。また、パターン形成性の観点から樹脂成分はできる限り少ない法が好ましく、界面活性剤や微量の添加剤を除き、樹脂成分を含まないことが好ましい。
本発明のナノインプリント用硬化性組成物において、溶剤を除く成分の25℃における粘度は1〜100mPa・sであることが好ましい。より好ましくは2〜50mPa・s、更に好ましくは5〜30mPa・sである。粘度を適切な範囲とすることで、パターンの矩形性が向上し、更に残膜を低く抑えることができる。
次に、本発明のナノインプリント用硬化性組成物を用いたパターン(特に、微細凹凸パターン)の形成方法について説明する。本発明のパターン形成方法では、本発明のナノインプリント用硬化性組成物を基板または支持体(基材)上に塗布してパターン形成層を形成する工程と、前記パターン形成層表面にモールドを圧接する工程と、前記パターン形成層に光を照射する工程と、を経て本発明の組成物を硬化することで、微細な凹凸パターンを形成することができる。
ここで、本発明のナノインプリント用硬化性組成物は、光照射後にさらに加熱して硬化させることが好ましい。具体的には、基材(基板または支持体)上に少なくとも本発明の組成物からなるパターン形成層を塗布し、必要に応じて乾燥させて本発明の組成物からなる層(パターン形成層)を形成してパターン受容体(基材上にパターン形成層が設けられたもの)を作製し、当該パターン受容体のパターン形成層表面にモールドを圧接し、モールドパターンを転写する加工を行い、微細凹凸パターン形成層を光照射により硬化させる。本発明のパターン形成方法による光インプリントリソグラフィは、積層化や多重パターニングもでき、通常の熱インプリントと組み合わせて用いることもできる。
本発明のパターン形成方法においては、まず、本発明の組成物を基材上に塗布してパターン形成層を形成する。
本発明のナノインプリント用硬化性組成物を基材上に塗布する際の塗布方法としては、一般によく知られた塗布方法、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法、スピンコート方法、スリットスキャン法、インクジェット法などを挙げることができる。また、本発明の組成物からなるパターン形成層の膜厚は、使用する用途によって異なるが、0.05μm〜30μm程度である。また、本発明の組成物を、多重塗布により塗布してもよい。さらに、基材と本発明の組成物からなるパターン形成層との間には、例えば平坦化層等の他の有機層などを形成してもよい。これにより、パターン形成層と基材とが直接接しないことから、基材に対するごみの付着や基材の損傷等を防止したり、パターン形成層と基材との密着性を向上したりすることができる。尚、本発明の組成物によって形成されるパターンは、基材上に有機層を設けた場合であっても、有機層との密着性に優れる。
本発明で用いることのできるモールド材について説明する。本発明の組成物を用いた光ナノインプリントリソグラフィは、モールド材および/または基材の少なくとも一方に、光透過性の材料を選択する。本発明に適用される光インプリントリソグラフィでは、基材の上に本発明のナノインプリント用硬化性組成物を塗布してパターン形成層を形成し、この表面に光透過性のモールドを押接し、モールドの裏面から光を照射し、前記パターン形成層を硬化させる。また、光透過性基材上に光ナノインプリント用硬化性組成物を塗布し、モールドを押し当て、基材の裏面から光を照射し、光ナノインプリント用硬化性組成物を硬化させることもできる。
前記光照射は、モールドを付着させた状態で行ってもよいし、モールド剥離後に行ってもよいが、本発明では、モールドを密着させた状態で行うのが好ましい。
本発明において用いられる光透過性モールド材は、特に限定されないが、所定の強度、耐久性を有するものであればよい。具体的には、ガラス、石英、PMMA、ポリカーボネート樹脂などの光透明性樹脂、透明金属蒸着膜、ポリジメチルシロキサンなどの柔軟膜、光硬化膜、金属膜等が例示される。
また、本発明に適用される光インプリントリソグラフィにおいては、光照射の際の基板温度は、通常、室温で行われるが、反応性を高めるために加熱をしながら光照射してもよい。光照射の前段階として、真空状態にしておくと、気泡混入防止、酸素混入による反応性低下の抑制、モールドと光ナノインプリント用硬化性組成物との密着性向上に効果があるため、真空状態で光照射してもよい。また、本発明のパターン形成方法中、光照射時における好ましい真空度は、10-1Paから常圧の範囲である。
さらに、露光に際しては、酸素によるラジカル重合の阻害を防ぐため、チッソやアルゴンなどの不活性ガスを流して、酸素濃度を100mg/L未満に制御してもよい。
−化合物I−1Aの合成−
アクリル酸12.0g、4−シアノベンジルブロミド25.0g、アセトニトリル200mlの溶液に炭酸カリウム26.5gを加え5時間還留した。反応液に水を加えた後、これを酢酸エチルで抽出、有機相を水洗、乾燥、濃縮し、粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィーで精製すると化合物I−1Aが20g得られた。化合物I−1Aは25℃において液体であり、25℃における粘度は9.1mPa・sであった。
1H−NMR(CDCL3):δ5.3(s,2H)、δ5.9(d,1H)、δ6.2(dd,1H)、δ6.5(d,1H)、δ7.5(d,2H)、δ7.65(d,2H)
−化合物I−1Mの合成−
アクリル酸をメタクリル酸に変えた他は化合物I−1Aと同様の手法で合成した。化合物I−1Mは25℃において固体であった。
1H−NMR(CDCL3):δ2.0(s,3H)、δ5.25(s,2H)、δ5.65(s,1H)、δ6.2(s,1H)、δ7.5(d,2H)、δ7.65(d,2H)
−化合物I−2Aの合成−
4−シアノフェノール25gをアセトン200mlに溶解させこれにトリエチルアミン34gを加えた。氷冷下これにアクリル酸クロリド24.7gを30分かけて滴下し、その後室温で5時間反応させた。反応液に水を加えた後、これを酢酸エチルで抽出、有機相を水洗、乾燥、濃縮し、粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィーで精製すると化合物I−2Aが23g得られた。化合物I−2Aは25℃において固体であった。
1H−NMR(CDCL3):δ6.1(d,1H)、δ6.35(dd,1H)、δ6.65(d,1H)、δ7.3(d,2H)、δ7.7(d,2H)
−化合物I−3Aの合成−
6−シアノ−2−ナフトール25.2gをアセトン200mlに溶解させこれにトリエチルアミン21gを加えた。氷冷下これにアクリル酸クロリド16.2gを30分かけて滴下し、その後室温で5時間反応させた。反応液を水600mlに注ぎ析出した粉体をろ取した。得られた粉体を水280ml/アセトン370mlから再結晶すると化合物I−3Aが20g得られた。化合物I−3Aは25℃において固体であった。
1H−NMR(CDCL3):δ6.1(d,1H)、δ6.4(dd,1H)、δ6.7(d,1H)、δ7.4(dd,1H)、δ7.65(d,1H)δ7.7(s,1H)、δ7.8〜8.0(m,2H)、δ8.2(s,1H)
下記表1に示す重合性化合物に、下記重合開始剤P−1(2質量%)、下記界面活性剤W−1(0.1質量%)、下記界面活性剤W−2(0.04質量%)、下記酸化防止剤A−1およびA−2(各1質量%)を加えてナノインプリント用硬化性組成物を調製した。溶解性の悪いものについては少量のアセトンまたは酢酸エチルを加えて溶解させた後、溶媒を留去した。
R−1A:ベンジルアクリレート(ビスコート#160:大阪有機化学(株)製)
R−1P:フェニルアクリレート
R−1H:2−ヒドロキシエチルアクリレート
R−1N:1−ナフチルアクリレート
<その他の2官能単量体>
R−2:ネオペンチルグリコールジアクリレート
<その他の3官能以上の単量体>
R−3:トリメチロールプロパントリアクリレート
(アロニックスM−309:東亞合成(株)製)
R−4:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(カヤラッドDPHA:日本化薬(株)製)
P−1:2,4,6−トリメチルベンゾイル−エトキシフェニル−ホスフィン
オキシド(Lucirin TPO−L:BASF社製)
W−1:フッ素系界面活性剤(トーケムプロダクツ(株)製:フッ素系界面活性剤)
W−2:シリコーン系界面活性剤
(大日本インキ化学工業(株)製:メガファックペインタッド31)
A−1:スミライザーGA80(住友化学工業(株)製)
A−2:アデカスタブAO503((株)ADEKA製)
得られた組成物について以下の評価を行った。結果を下記表2に示す。
Siウェハ上に硬化後の膜厚が1μmとなるようにレジスト(ナノインプリント用組成物)を塗布した後、モールドを圧着せず、窒素雰囲気下で露光量240mJ/cm2で露光し硬化膜を得た。これを、日立ハイテクノロジー(株)製ドライエッチャー(U−621)を用いてAr/C4F6/O2=100:4:2のガスで2分間プラズマドライエッチングを行い、残膜量を測定し、1 秒間当りのエッチングレートを算出した。得られたエチングレートを比較例2の値が1となるように規格化し、これとの比較において各実施例および比較例を評価した。値が小さいほどドライエッチング耐性が良好であることを示す。
JIS K 5600−5−6(クロスカット法)を参考とし、基材密着性を評価した。Siウェハ上に硬化後の膜厚が1μmとなるようにレジストを塗布した後、モールドを圧着せず、窒素雰囲気下で露光量240mJ/cm2で露光し硬化膜を得た。この硬化膜に、1mm×1mmの直角の格子切り込みパターンを10×10マス作製した。格子パターンにテープを貼り付け、60度の角度でテープを引き剥がした。目視にてパターンの剥離が見られたマス目の数を計測し、以下のように評価した。パターンの剥離が見られたマス目の数の数が少ないほど基材密着性が良好である。
A:剥離が見られたマス目の数が0〜5未満
B:剥離が見られたマス目の数が5以上〜20未満
C:剥離が見られたマス目の数が20以上〜50未満
D:剥離が見られたマス目の数が50以上
−剥離性10μm−
各組成物を、膜厚3.0μmとなるようにガラス基板上にスピンコートした。スピンコートした塗布基膜に10μmのライン/スペースパターンを有し、溝深さが4.0μmのポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング(株)製の「SILPOT184」を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドをのせ、ナノインプリント装置にセットした。装置内を真空とした後窒素パージを行い装置内を窒素置換した。25℃で1.5気圧の圧力でモールドを基板に圧着させ、これにモールドの裏面から240mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、パターンを得た。パターン形成に使用したモールドに組成物成分が付着しているか否かを走査型電子顕微鏡および光学顕微鏡にて観察し、10μmのライン/スペースパターンを有するモールドを用いた場合の剥離性(剥離性10μm)を以下のように評価した。
A:モールドに硬化性組成物の付着がまったく認められなかった。
B:モールドにわずかな硬化性組成物の付着が認められた。
C:モールドの硬化性組成物の付着が明らかに認められた。
各組成物をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解し、膜厚200nmとなるようにシリコン基板上にスピンコートし、100℃で60秒加熱した。得られた塗布膜に200nmのライン/スペースパターンを有し、溝深さが200nmの石英を材質とするパターン表面がフッ素系処理されたモールドをのせ、ナノインプリント装置にセットした。装置内を真空とした後窒素パージを行い装置内を窒素置換した。25℃で1.5気圧の圧力でモールドを基板に圧着させ、これにモールドの裏面から240mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、パターンを得た。パターン形成に使用したモールドに組成物成分が付着しているか否かを走査型電子顕微鏡および光学顕微鏡にて観察し、200nmのライン/スペースパターンを有するモールドを用いた場合の剥離性(剥離性200nm)を同様に評価した。
比較例1は、実施例1の化合物I−1Aに代えて、シアノ基を有さないベンジルアクリレート(化合物R−1A)を用いたものであるが、比較例1の組成物は光照射により硬化しなかった。また、比較例2も同様に、実施例2および4のシアノ基を有する化合物に代えて、シアノ基を有さないベンジルアクリレート(化合物R−1A)を用いたものであるが、実施例2および4の組成物は比較例2の組成物に比べて、エッチング耐性が同等で、かつ、密着性、剥離性が向上した。比較例3は、実施例3のシアノ基を有する化合物に代えて、シアノ基を有さないフェニルアクリレート(化合物R−1P)を用いたものであるが、実施例3の組成物は比較例3の組成物に比べて、エッチング耐性が同等あり、かつ、密着性、剥離性が向上した。また、比較例4は、実施例5の化合物I−4に代えて、シアノ基の代わりに水酸基を有するヒドロキシエチルアクリレート(化合物R−1H)を用いたものであるが、実施例5の組成物は比較例4の組成物と比べて、密着性は同等で、エッチング耐性および剥離性が向上した。実施例6〜9の組成物においても良好なドライエッチング耐性と密着性および剥離性とを示した。
Claims (10)
- 前記重合性化合物(Ax)が、(メタ)アクリル基、ビニル基およびアリル基から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のナノインプリント用硬化性組成物。
- 前記重合性化合物(Ax)が、(メタ)アクリレート誘導体であることを特徴とする請求項1または2に記載のナノインプリント用硬化性組成物。
- 前記重合性化合物(Ax)が、芳香族基を有することを特徴とする請求項1に記載のナノインプリント用硬化性組成物。
- さらに、前記重合性化合物(Ax)と異なる他の重合性単量体を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のナノインプリント用硬化性組成物。
- 全重合性化合物に対し、分子量2000以上のポリマー成分の含有量が30質量%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のナノインプリント用硬化性組成物。
- さらに、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素・シリコーン系界面活性剤、並びに、酸化防止剤から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のナノインプリント用硬化性組成物。
- さらに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、ガンマブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、並びに、乳酸エチルから選ばれる少なくとも1種の溶剤を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のナノインプリント用硬化性組成物。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載のナノインプリント用硬化性組成物を基材上に塗布してパターン形成層を形成する工程と、
前記パターン形成層表面にモールドを圧接する工程と、
前記パターン形成層に光を照射する工程と、
を含むことを特徴とするパターン形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008030855A JP5268384B2 (ja) | 2008-02-12 | 2008-02-12 | ナノインプリント用硬化性組成物およびパターン形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008030855A JP5268384B2 (ja) | 2008-02-12 | 2008-02-12 | ナノインプリント用硬化性組成物およびパターン形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009191107A JP2009191107A (ja) | 2009-08-27 |
JP5268384B2 true JP5268384B2 (ja) | 2013-08-21 |
Family
ID=41073419
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008030855A Expired - Fee Related JP5268384B2 (ja) | 2008-02-12 | 2008-02-12 | ナノインプリント用硬化性組成物およびパターン形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5268384B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11597781B2 (en) | 2020-12-29 | 2023-03-07 | Canon Kabushiki Kaisha | Photocurable composition for making layers with high etch resistance |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
IN2012DN00777A (ja) * | 2009-09-15 | 2015-06-26 | Mylan Group | |
JP2011066074A (ja) * | 2009-09-15 | 2011-03-31 | Fujifilm Corp | インプリント用硬化性組成物 |
EP2566900B1 (en) | 2010-09-14 | 2016-02-17 | Mylan Group | Copolymers for near-infrared radiation-sensitive coating compositions for positive-working thermal lithographic printing plates |
CN107365254B (zh) * | 2016-05-12 | 2021-06-04 | 北京大学 | 一种聚合物微球在拉曼检测中的应用 |
US20200339828A1 (en) * | 2019-04-26 | 2020-10-29 | Canon Kabushiki Kaisha | Photocurable composition |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006054300A (ja) * | 2004-08-11 | 2006-02-23 | Asahi Glass Co Ltd | 転写層にパターンを形成する方法 |
JP4904742B2 (ja) * | 2004-09-16 | 2012-03-28 | 旭硝子株式会社 | パターンの形成方法およびパターンを有する物品 |
JP4929722B2 (ja) * | 2006-01-12 | 2012-05-09 | 日立化成工業株式会社 | 光硬化型ナノプリント用レジスト材及びパターン形成法 |
-
2008
- 2008-02-12 JP JP2008030855A patent/JP5268384B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11597781B2 (en) | 2020-12-29 | 2023-03-07 | Canon Kabushiki Kaisha | Photocurable composition for making layers with high etch resistance |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009191107A (ja) | 2009-08-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5243887B2 (ja) | ナノインプリント用硬化性組成物およびパターン形成方法 | |
JP5671302B2 (ja) | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン | |
JP5611519B2 (ja) | ナノインプリント用組成物、パターンおよびその形成方法 | |
JP5665329B2 (ja) | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン | |
US8530540B2 (en) | Curable composition for imprints, patterning method and pattern | |
JP5498729B2 (ja) | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン | |
JP5829177B2 (ja) | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン | |
JP5564383B2 (ja) | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン | |
JP5671377B2 (ja) | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン | |
JP5511415B2 (ja) | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン | |
JP2010018666A (ja) | ナノインプリント用組成物、パターンおよびパターン形成方法 | |
JP5968933B2 (ja) | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン | |
JP5448589B2 (ja) | パターン形成方法 | |
WO2012137672A1 (ja) | パターン形成方法およびパターン | |
JP5268384B2 (ja) | ナノインプリント用硬化性組成物およびパターン形成方法 | |
JP2010106062A (ja) | ナノインプリント用組成物、パターンおよびその形成方法 | |
JP2013179159A (ja) | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法及びパターン | |
JP5227694B2 (ja) | ナノインプリント用組成物 | |
JP5566639B2 (ja) | インプリント用硬化性組成物、硬化物およびパターン形成方法 | |
JP5695482B2 (ja) | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン | |
JP2010157542A (ja) | ナノインプリント用硬化性組成物およびパターン形成方法 | |
JP2009208239A (ja) | パターン形成方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100701 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120516 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120522 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120710 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130430 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130507 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 5268384 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |