JP6432766B2 - 光ラジカル重合開始剤 - Google Patents

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Description

本発明は、モノ(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物、その製造方法及びモノ(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物を含有する光ラジカル重合開始剤に関する。
現在、エネルギー線硬化樹脂がコーティング、インキ、電子材料などの分野で広く用いられている。エネルギー線硬化樹脂は、エネルギー線重合性組成物にエネルギー線、例えば紫外線や電子線などを照射することにより重合、硬化させることによって得られる。このエネルギー線で硬化させる技術は、例えば木工用塗料、金属などのコーティング材、スクリーン印刷やオフセット印刷用インキ、電子基板に用いられるドライフィルムレジスト、また、ホログラム材料、封止剤、オーバーコート材、光造形用樹脂、接着剤などさまざまな用途に用いられている。
そして、このエネルギー線重合性組成物は、主に重合性化合物とエネルギー照射により重合性化合物の重合を開始させる重合開始剤より構成されている。重合方法としては、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合があり、ラジカル重合が古くから最も広く用いられている。このラジカル重合では、光ラジカル重合開始剤を用い、エネルギー線、主に紫外線を照射することにより、光ラジカル重合開始剤によりラジカルを発生させ、ラジカル重合性化合物の重合を開始させている。また、カチオン重合ではカチオン重合開始材によりカチオンを発生させカチオン重合性化合物の重合を開始させている。
光ラジカル重合開始剤は、主に分子内開裂型と水素引抜き型に分類される。分子内開裂型の光ラジカル重合開始剤では、特定波長の光を吸収することで、特定の部位の結合が切断され、その切断された部位にラジカルが発生し、それが重合開始剤となり重合性化合物の重合が始まる。一方、水素引き抜き型の場合は、特定波長の光を吸収し励起状態になり、その励起種が周囲にある水素供与体から水素引き抜き反応を起こし、ラジカルが発生し、それが重合開始剤となり重合性化合物の重合が始まる。
水素引き抜き型光ラジカル重合開始剤は、水素供与体が必要であり、ラジカル発生効率が悪く感度が低い等の問題がある。一方、分子内開裂型光ラジカル重合開始剤は、ラジカル発生効率は良好で感度が高いため広く用いられている。
よく用いられている分子内開裂型光ラジカル重合開始剤としては、アルキルフェノン系光ラジカル重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光ラジカル重合開始剤、オキシムエステル系光ラジカル重合開始剤が知られている。これらはカルボニル基に隣接した結合がα開裂して、ラジカル種を生成するタイプのものである。アルキルフェノン系光ラジカル重合開始剤としては、ベンジルメチルケタール系光ラジカル重合開始剤、α−ヒドロキシアルキルフェノン系光ラジカル重合開始剤、アミノアルキルフェノン系光ラジカル重合開始剤等がある。具体的な化合物としては、例えば、ベンジルメチルケタール系光ラジカル重合開始剤としては、2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名イルガキュア651、「イルガキュア」はビーエーエスエフ社の登録商標)等があり、α−ヒドロキシアルキルフェノン系光ラジカル重合開始剤としては2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名ダロキュア1173、「ダロキュア」はビーエーエスエフ社の登録商標)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名イルガキュア184)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名イルガキュア2959)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン(商品名イルガキュア127)等がある。さらに、アミノアルキルフェノン系光ラジカル重合開始剤としては、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名イルガキュア907)あるいは2−ベンジルメチル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン(商品名イルガキュア369)、アシルホスフィンオキサイド系光ラジカル重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(商品名ルシリンTPO、「ルシリン」はビーエーエスエフ社の登録商標)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(商品名イルガキュア819)、オキシムエステル系光ラジカル重合開始剤としては、(2E)−2−(ベンゾイルオキシイミノ)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]オクタン−1−オン(商品名イルガキュアOXE−01)等が挙げられる(特許文献1)。
一方、エネルギー線として紫外線を用いた重合反応において、近年、照射源としてLED(発光ダイオード)が用いられるようになってきた。LEDの特徴としては、水銀ランプと異なり、発熱が少なく、かつ長寿命なことから、近年LEDを用いた紫外線硬化技術の開発が加速している。このLEDの代表的なものとしては、中心波長が395nmのものや中心波長が365nmのLEDなどが挙げられる。これらの波長に適合する重合開始剤としては、先に挙げた重合開始剤の中でも、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名イルガキュア907)あるいは2−ベンジルメチル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(商品名イルガキュア369)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(商品名ルシリンTPO)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(商品名イルガキュア819)等が挙げられる(特許文献2)。
しかしながら、これらの重合開始剤は分子構造中の構成元素として、窒素原子、硫黄原子又はリン原子を含んでいることから、これらの原子を含む化合物は、生体に対する活性が高く、これらの重合開始剤は安全性に懸念が抱かれることが多い。
近年、より安全性の高い重合開始剤が求められるようになり、炭素原子、水素原子及び酸素原子のみからなる重合開始剤である、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名ダロキュア1173)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名イルガキュア184)、2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名イルガキュア651)等のα−ヒドロキシアルキルフェノン系やベンジルメチルケタール系の光ラジカル重合開始剤が見直されるようになった。しかしながら、これらの炭素原子、水素原子及び酸素原子のみからなるα−ヒドロキシアルキルフェノン系、ベンジルメチルケタール系の光ラジカル重合開始剤は高圧水銀ランプに対してはある程度活性があるが、より長波長の範囲のエネルギー線、すなわち波長が335nmから400nmまでの光を含むエネルギー線、例えば中心波長が365nm又は395nmのLED光やガリウムドープドランプの発する光線等に対しては活性が低いという問題があった。
そこで、波長が335nmから400nmまでの光を含むエネルギー線に感応し得る光ラジカル重合開始剤であり、かつ、それ自身も環境に優しい炭素原子、水素原子及び酸素原子のみからなる光ラジカル重合開始剤が求められている。
このような光ラジカル重合開始剤として、9,10−ビス(アシルオキシ)アントラセン化合物、9,10−ビス(置換カルボニルオキシ)アントラセン化合物が報告されている(特許文献3、4)。しかしながら、これらのアントラセン化合物は、ラジカル重合性化合物であるアクリレートモノマーに対する溶解度が小さく、光ラジカル重合開始剤としての活性も十分ではなく、いまだ十分満足できる性能を有するものではなかった。
特開昭63−150303号公報 特開2000−016910号公報 特開2011−042743号公報 特開2007−099637号公報
よって、本発明の目的は、それ自身、窒素原子や硫黄原子さらにはリン原子を含有せず、環境に優しい炭素原子、水素原子及び酸素原子のみからなり、かつ、波長が335nmから400nmまでの光を含むエネルギー線に対して活性である光ラジカル重合開始剤を提供することである。
本発明者らは、かかる状況に鑑み、従来技術のこれらの欠点を排除した技術を提供すべく鋭意検討した結果、本発明のモノ(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物が炭素原子、水素原子、酸素原子のみからなる化合物であり、当該化合物に波長が335nmから400nmの光を含むエネルギー線を照射することにより、光エネルギーを吸収して励起しラジカル種を発生すること、更に本発明のモノ(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物を光ラジカル重合開始剤として含むラジカル重合性組成物が、波長335nmから400nmの光を含むエネルギー線を照射することにより、すみやかに硬化することを見出し、本発明を完成した。
第一の発明では、下記一般式(1)で表されるモノ(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物を提供する。
上記一般式(1)において、Aは炭素数1から8のアルキル基、アリル基又は炭素数6から10のアリール基のいずれかを示す。
第二の発明では、下記一般式(2)で表される1−(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物を提供する。
上記一般式(2)において、Aは炭素数1から8のアルキル基、アリル基又は炭素数6から10のアリール基のいずれかを示す。
第三の発明では、下記一般式(3)で表される2−(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物を提供する。
上記一般式(3)において、Aは炭素数1から8のアルキル基、アリル基又は炭素数6から10のアリール基のいずれかを示す。
第四の発明では、下記一般式(4)で表されるヒドロキシ−9,10−アントラキノンと炭酸エステル化剤を反応させることからなる下記一般式(1)で表されるモノ(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物の製造方法を提供する。

上記一般式(1)において、Aは炭素数1から8のアルキル基、アリル基又は炭素数6から10のアリール基のいずれかを示す。
第五の発明では、1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンと炭酸エステル化剤を反応させることからなる下記一般式(2)で表される1−(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物の製造方法を提供する。
上記一般式(2)において、Aは炭素数1から8のアルキル基、アリル基又は炭素数6から10のアリール基のいずれかを示す。
第六の発明では、2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンと炭酸エステル化剤を反応させることからなる下記一般式(3)で表される2−(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物の製造方法を提供する。
上記一般式(3)において、Aは炭素数1から8のアルキル基、アリル基又は炭素数6から10のアリール基のいずれかを示す。
第七の発明では、第一の発明に記載のモノ(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物を含有する光ラジカル重合開始剤を提供する。
第八の発明では、第七の発明に記載の光ラジカル重合開始剤、及びラジカル重合性化合物を含有するラジカル重合性組成物を提供する。
第九の発明では、第八の発明に記載のラジカル重合性組成物に335nmから400nmまでの範囲の光を含むエネルギー線を照射することにより重合することを特徴とする、重合方法を提供する。
第十の発明では、第八の発明に記載のラジカル重合性組成物を重合してなる重合物を提供する。
本発明の光ラジカル重合開始剤であるモノ(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物は、その骨格中に置換カルボニルオキシ構造とアントラキノン構造の両方を併せ持つ、新規な光ラジカル重合開始剤であり、かつ、当該化合物は、窒素原子や硫黄原子さらにはリン原子を含有しない、炭素原子、水素原子、酸素原子のみからなる環境に優しい化合物である。さらに、本発明のモノ(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物を光ラジカル重合開始剤として含むラジカル重合性組成物は、波長が335nmから400nmの光を含むエネルギー線を照射することにより、すみやかに硬化する。
以下、本発明を詳細に記述する。
(化合物)
本発明の化合物は、下記一般式(1)で表されるモノ(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物である。
上記一般式(1)において、Aは炭素数1から8のアルキル基、アリル基又は炭素数6から10のアリール基のいずれかを示す。
一般式(1)において、置換基である炭酸エステル基の位置が1位にある場合は、下記一般式(2)で表される1−(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物である。
また、一般式(1)において、置換基である炭酸エステル基の位置が2位にある場合は、下記一般式(3)で表される2−(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物である。
上記一般式(1)乃至(3)において、Aは炭素数1から8のアルキル基、アリル基又は炭素数6から10のアリール基のいずれかを示す。Aで示されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられ、アリル基としては、アリル基、メタリル基が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
一般式(2)で表される1−(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物の具体例としては、例えば次のものが挙げられる。すなわち、1−(メトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、1−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、1−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、1−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、1−(i−ブトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、1−(n−ペンチルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、1−(n−ヘキシルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、1−(n−ヘプチルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、1−(n−オクチルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、1−(アリルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、1−(メタリルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、1−(フェノキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、1−(トリリルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、1−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン等が挙げられる。
一般式(3)で表される2−(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物の具体例としては、例えば次のものが挙げられる。すなわち、2−(メトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、2−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、2−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、2−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、2−(n−ブトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、2−(i−ブトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、2−(n−ペンチルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、2−(n−ヘキシルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、2−(n−ヘプチルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、2−(n−オクチルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、2−(アリルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、2−(メタリルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、2−(フェノキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、2−(トリリルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、2−(ナフチルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン等が挙げられる。
上記に挙げた化合物の中でも、合成の容易さと光ラジカル重合開始剤としての性能の高さから、特に、1−(アリルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、2−(アリルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、1−(i−ブトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン、2−(i−ブトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンが好ましい。
(製造方法)
次に、上記一般式(2)で表される1−(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物及び上記一般式(3)で表される2−(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物の製造方法について説明する。
本発明の上記一般式(2)で表される1−(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物及び上記一般式(3)で表される2−(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物は、それぞれ1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン又は2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンと炭酸エステル化剤を塩基性化合物の存在下に反応させることにより得られる。
1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン又は2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンとの反応に用いる炭酸エステル化剤としては、ハロゲン化炭酸アルキル、ハロゲン化炭酸アリール及び二炭酸ジアルキル等が挙げられる。ハロゲン化炭酸アルキルとしては、クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸n−プロピル、クロロ炭酸i−プロピル、クロロ炭酸n−ブチル、クロロ炭酸i−ブチル、クロロ炭酸n−ペンチル、クロロ炭酸n−ヘキシル、クロロ炭酸n−ヘプチル、クロロ炭酸n−オクチル、クロロ炭酸2−エチルヘキシル等が挙げられ、ハロゲン化炭酸アリルとしては、クロロ炭酸アリルが挙げられ、ハロゲン化炭酸アリールとしては、クロロ炭酸フェニル、クロロ炭酸ナフチル等が挙げられ、二炭酸ジアルキル、二炭酸ジアリールとしては、二炭酸ジメチル、二炭酸ジエチル、二炭酸ジ(t−ブチル)、二炭酸ジフェニル等が挙げられる
1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン又は2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する炭酸エステル化剤の添加量は、1.0モル倍から3.0モル倍、好ましくは1.2モル倍から2.0モル倍である。
使用する塩基性化合物としては、一級アミン、二級アミン、三級アミン及びピリジン類が挙げられる。一級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン等が挙げられ、二級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ピペリジン等が挙げられ、3級アミンとしてはトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等が挙げられ、ピリジン類としては、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、ルチジン等が挙げられる。
塩基性化合物の添加量は1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン又は2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンの1.0モル倍から2.0モル倍、好ましくは1.2モル倍から1.5モル倍である。
使用する溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族系溶媒、塩化メチレン、ジクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン系溶媒、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド系溶媒、テトラヒドロフラン、1,2−ジオキサンのようなエーテル系溶媒が好適に用いられる。特に、原料の5,12−ジオキソ−6,11−ジヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する溶解度の高さから、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
反応温度は0〜80℃、好ましくは0〜20℃である。反応時間は反応温度にもよるが、通常15〜60分程度である。
反応終了後、水又はメタノールを加えて未反応の炭酸エステル化剤を水和した後、水混和性の溶媒を用いたときは水を添加して晶析し、水非混和性の溶媒を用いたときはメタノールを添加した後濃縮し、析出した結晶を濾別・洗浄し、必要に応じて再結晶することにより、純度良く目的物を得ることができる。
(光ラジカル重合開始剤)
本発明のモノ(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物は光ラジカル重合反応において重合開始能を有するので、光ラジカル重合開始剤とすることができる。
本発明の光ラジカル重合開始剤であるモノ(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物は、その骨格中に(置換カルボニルオキシ)アントラセン構造とアントラキノン構造の両方を併せ持つ、新規な光ラジカル重合開始剤構造を有する化合物である。
(ラジカル重合性組成物)
本発明のモノ(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物を含有する光ラジカル重合開始剤とラジカル重合性化合物とを混合することにより、ラジカル重合性組成物とすることができる。当該ラジカル重合性組成物は、波長が335nmから400nmの光を含むエネルギー線を照射することにより、容易に光重合させることができる。
ラジカル重合性化合物としては、例えば、スチレン、p−ヒドロキシスチレン、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル又はこれらのオリゴマー等が挙げられる。
アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート、イソステアリルアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、トリデシルアクリレート、カプロラクトンアクリレート、エトキシ化ノニルフェニルアクリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート等の単官能アクリレートが挙げられる。
更に、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート等の二官能アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。さらには、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、ポリオールアクリレート、ポリエーテルアクリレート、シリコーン樹脂アクリレート、イミドアクリレート等の多官能アクリレートも使用可能である。
メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、フェノキシエチレングリコールメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、リデシルメタクリレート等の単官能メタクリレートが挙げられる。
更に、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレンジオールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート等の二官能メタクリレートが挙げられ、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能メタクリレートが挙げられる。
これらのラジカル重合性化合物は、単独で用いても、二種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の光ラジカル重合開始剤の添加量は、ラジカル重合性化合物100重量部に対して0.01重量部以上3.0重量部未満、好ましくは0.05重量部以上1.0重量部未満である。光ラジカル重合開始剤の添加量が0.01重量部未満だと、光重合速度が遅くなってしまい、一方、光ラジカル重合開始剤の添加量が3.0重量部以上だと、重合物の物性が悪化するため好ましくない。
なお、本発明のラジカル重合性組成物には、本発明の光ラジカル重合開始剤及びラジカル重合性化合物の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明の光ラジカル重合開始剤以外の光ラジカル重合開始剤を含有させることができる。また、本発明の効果を損なわない範囲で、希釈剤、着色剤、有機又は無機の充填剤、レベリング剤、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤、滑剤、可塑剤等の各種樹脂添加剤を含有させることができる。
(重合方法)
本発明のモノ(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物を含有するラジカル重合性組成物は、波長が335nmから400nmの光を含むエネルギー線を照射することにより、容易に光重合させることができる。光重合はフィルム状で行うこともできるし、塊状に硬化させることもできる。フィルム状に重合させる場合は、当該ラジカル重合性組成物を液状にし、例えばポリエステルフィルム又はトリアセチルセルロース(TAC)フィルム等の基材上に、例えばバーコーター等を用いてラジカル重合性組成物を塗布し、波長が335nmから400nmの光を含むエネルギー線を照射して重合させることができる。
(塗布)
光重合において、フィルム状で重合させる場合に用いられる基材としては、例えばポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリビニルアルコール(PVA)等のフィルム、紙、アルミ箔、金属等が主に用いられるが特に限定されない。当該基材に用いるフィルムの膜厚は、通常100μm未満の膜厚のものを使用する。本発明のラジカル重合性組成物を基材に塗布して得られる塗膜の膜厚を調整するために使用するバーコーターは特に指定しないが、膜厚が1μm以上100μm未満に調整できるバーコーターを使用することが好ましい。一方、スピンコーティング法やスクリーン印刷法により、さらに薄い膜厚あるいは厚い膜厚にして塗布することもできる。
(雰囲気)
また、本発明のラジカル重合性組成物をフィルム状で重合させるときは、酸素存在下では酸素阻害のためフィルム表面のべたつきがなかなか取れず、光ラジカル重合開始剤の大量添加が必要となる。よって酸素非存在下で重合させることが望ましい。具体的な重合方法としては、窒素ガス、ヘリウムガス等の不活性ガス雰囲気下で重合させる方法がある。また、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムまたはポリエチレンフィルム等で塗布したラジカル重合性組成物を覆った後に、ラジカル重合させる方法も有効である。
(照射源)
このようにして調製したラジカル重合性組成物からなる塗膜に、波長が335nmから400nmまでの範囲の光を含むエネルギー線を1〜2000mW/cm程度の強さで光照射することにより、重合物を得ることができる。用いる照射源としては、395nmの光を中心波長とする紫外LED、385nmの光を中心波長とする紫外LED、375nmの光を中心波長とする紫外LED又は365nmの光を中心波長とする紫外LEDが好ましい。その他の照射源としては、フュージョン社製のD−バルブ、V−バルブ等の無電極ランプや、キセノンランプ、ブラックライト、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等も使用することができる。また、太陽光によっても重合させることができる。
(タック・フリー・テスト)
本発明のラジカル重合性組成物が重合したかどうかを判定する方法としては、例えばタック・フリー・テスト(指触テスト)が挙げられる。すなわち、ラジカル重合性組成物に光を照射すると、硬化して組成物のタック(べたつき)がなくなるため、光を照射してからタック(べたつき)がなくなるまでの時間を測定することにより、光重合時間を測定することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。また、特記しない限り、すべての部および百分率は重量基準である。
生成物の確認は下記の機器による測定により行った。
(1)融点:ゲレンキャンプ社製の融点測定装置、型式MFB−595(JIS K0064に準拠)
(2)赤外線(IR)分光光度計:日本分光社製、型式IR−810
(3)核磁気共鳴装置(NMR):日本電子社製、型式GSX FT NMR Spect orometer
(合成実施例1)1−(メトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、冷却器付きの100ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン0.45g(2ミリモル)、クロロ炭酸メチル0.28g(3ミリモル)をジメチルアセトアミド6gに加え、朱色スラリーとした。次いで、氷水で冷やしながら、トリエチルアミン0.25g(2.5ミリモル)のジメチルアセトアミド1g溶液を加えた。すぐに朱色が消えて、薄黄色のスラリーとなった。室温で1時間攪拌後、得られた反応物を水20gに投入し、黄色の沈殿が生じるので、スラリーを吸引濾過・乾燥し、1−(メトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの薄黄色粉末0.55gを得た。原料の1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は97モル%であった。
(1)融点:230−231℃
(2)IR(KBr、cm−1):1760,1673,1588,1440,1323,1286,1266,1220,1165,942,873,804,698,688cm−1
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=4.02(s,3H),7.52(d,J=9Hz,1H),7.70−7.89(m,3),8.18−8.40(m,3H).
(合成実施例2)1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、冷却器付きの100ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン1.12g(5ミリモル)、クロロ炭酸エチル0.87g(8ミリモル)をジメチルアセトアミド12gに加え、朱色スラリーとした。次いで、氷水で冷やしながら、トリエチルアミン0.7g(7ミリモル)のジメチルアセトアミド2g溶液を加えた。すぐに朱色が消えて、薄黄色のスラリーとなった。室温で1時間攪拌後、得られた反応物を水50gに投入し、黄色の沈殿が生じるので、スラリーを吸引濾過・乾燥し、1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの薄黄色粉末1.45gを得た。原料の1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は98モル%であった。
(1)融点:174−175℃
(2)IR(KBr、cm−1):1754,1673,1590,1284,1218,1165,1010,860,807,703cm−1
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.47(t,J=8Hz,3H),4.42(q,J=8Hz,2H),7.51(d,J=9Hz,1H),7.73−7.82(m,3H),8.21−8.26(m,2H),8.28(d,J=9Hz,1H).
(合成実施例3)1−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、冷却器付きの100ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン1.12g(5ミリモル)、クロロ炭酸n−プロピル0.98g(8ミリモル)をジメチルアセトアミド12gに加え、朱色スラリーとした。次いで、氷水で冷やしながら、トリエチルアミン0.7g(7ミリモル)のジメチルアセトアミド2g溶液を加えた。すぐに朱色が消えて、薄黄色のスラリーとなった。室温で1時間攪拌後、得られた反応物を水50gに投入し、黄色の沈殿が生じるので、スラリーを吸引濾過・乾燥し、1−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの薄黄色粉末1.55gを得た。原料の1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は100モル%であった。
(1)融点:126−127℃
(2)IR(KBr、cm−1):1751,1671,1590,1318,12861268,1226,1164,993,963,869,809,701cm−1
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.08(t,J=8Hz,3H),1.80−1.91(m,1H),4.32(t,J=8Hz,2H),7.51(d,J=9Hz,1H),7.73−7.82(m,3H),8.22−8.28(m,2H),8.29(d,J=9Hz,1H).
(合成実施例4)1−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、冷却器付きの100ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン1.12g(5ミリモル)、クロロ炭酸i−プロピル0.98g(8ミリモル)をジメチルアセトアミド12gに加え、朱色スラリーとした。次いで、氷水で冷やしながら、トリエチルアミン0.7g(7ミリモル)のジメチルアセトアミド2g溶液を加えた。すぐに朱色が消えて、薄黄色のスラリーとなった。室温で1時間攪拌後、得られた反応物を水50gに投入し、黄色の沈殿が生じるので、スラリーを吸引濾過・乾燥し、1−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの薄黄色粉末1.55gを得た。原料の1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は100モル%であった。
(1)融点:168−169℃
(2)IR(KBr、cm−1):1747,1672,1319,1286,1269,1231,1185,1163,1107,884,809,703cm−1
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.47(d,J=8Hz,6H),4.99−5.07(m,1H),7.49(d,J=9Hz,1H),7.70−7.81(m,3H),8.21−8.26(m,2H),8.27(d,J=9Hz,1H).
(合成実施例5)1−(i−ブトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、冷却器付きの100ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン1.12g(5ミリモル)、クロロ炭酸i−ブチル1.08g(8ミリモル)をジメチルアセトアミド12gに加え、朱色スラリーとした。次いで、氷水で冷やしながら、トリエチルアミン0.7g(7ミリモル)のジメチルアセトアミド2g溶液を加えた。すぐに朱色が消えて、薄黄色のスラリーとなった。室温で1時間攪拌後、得られた反応物を水50gに投入し、黄色の沈殿が生じるので、スラリーを吸引濾過・乾燥し、1−(i−ブトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの薄黄色粉末1.28gを得た。原料の1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は79モル%であった。
(1)融点:94−95℃
(2)IR(KBr、cm−1):1751,1673,1591,1320,1286,1268,1230,1164,996,872,809,702cm−1
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.07(d,J=8Hz,6H),2.09−2.12(m,1H),4.13(q,J=8Hz,2H),7.51(d,J=9Hz,1H),7.73−7.82(m,3H),8.20−8.27(m,2H),8.28(d,J=9Hz,1H).
(合成実施例6)1−(アリルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、冷却器付きの100ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン1.12g(5ミリモル)、クロロ炭酸アリル0.96g(8ミリモル)をジメチルアセトアミド12gに加え、朱色スラリーとした。次いで、氷水で冷やしながら、トリエチルアミン0.7g(7ミリモル)のジメチルアセトアミド2g溶液を加えた。すぐに朱色が消えて、薄黄色のスラリーとなった。室温で1時間攪拌後、得られた反応物を水50gに投入し、黄色の沈殿が生じるので、スラリーを吸引濾過・乾燥し、1−(アリルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの薄黄色粉末1.43gを得た。原料の1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は93モル%であった。
(1)融点:119−120℃
(2)IR(KBr、cm−1):1752,1671,1589,1320,1285,1264,1224,1164,983,958,938,920,869,839,806、781,769,751,702,645,530cm−1
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=4.85(d,J=8Hz,2H),5.37(d,J=10Hz,1H),5.50(d,J=14Hz,1H),6.04−6.12(m,1H),7.51(d,J=9Hz,1H),7.73−7.82(m,3H),8.21−8.27(m,2H),8.28(d,J=9Hz,1H).
(合成実施例7)1−(フェノキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、冷却器付きの100ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン0.45g(2ミリモル)、クロロ炭酸フェニル0.47g(3ミリモル)をジメチルアセトアミド6gに加え、朱色スラリーとした。次いで、氷水で冷やしながら、トリエチルアミン0.25g(2.5ミリモル)のジメチルアセトアミド1g溶液を加えた。すぐに朱色が消えて、薄黄色のスラリーとなった。室温で1時間攪拌後、得られた反応物を水20gに投入し、黄色の沈殿が生じるので、スラリーを吸引濾過・乾燥し、1−(フェノキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの薄黄色粉末0.67gを得た。原料の1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は97モル%であった。
(1)融点:186−187℃
(2)IR(KBr、cm−1):1759,1668,1591,1320,1280,1236,1196,1160,1068,1024,980,887,844,806,794,773,737,707,690,650,637,619,524,497cm−1
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=7.24−7.29(m,1H),7.37−7.46(m,4H),7.59(d,J=9Hz,1H),8.25(D,J=9Hz,1H),8.27−8.33(m,2H).
(合成実施例8)2−(メトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、冷却器付きの100ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン0.45g(2ミリモル)、クロロ炭酸メチル0.28g(3ミリモル)をジメチルアセトアミド6gに加え、黒緑色の溶液とした。次いで、氷水で冷やしながら、トリエチルアミン0.25g(2.5ミリモル)のジメチルアセトアミド1g溶液を加えた。すぐに黒緑色が消えて、縁エンジ色の溶液となった。室温で1時間攪拌後、得られた反応物を水20gに投入し、灰色の沈殿が生じるので、スラリーを吸引濾過・乾燥し、2−(メトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの薄黄色粉末0.52gを得た。原料の2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は92モル%であった。
(1)融点:190−191℃
(2)IR(KBr、cm−1):1761,1675,1589,1436,1328,1272,1245,1202,1169,1157,934,864,775,706cm−1
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=3.96(s,3H),7.59(d,J=9Hz,1H),7.76−7.82(m,2H),8.07(s,1H)8.25−8.31(m,2H),8.33(d,J=9Hz,1H).
(合成実施例9)2−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、冷却器付きの100ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン1.12g(5ミリモル)、クロロ炭酸エチル0.87g(8ミリモル)をジメチルアセトアミド12gに加え、黒緑色の溶液とした。次いで、氷水で冷やしながら、トリエチルアミン0.7g(7ミリモル)のジメチルアセトアミド2g溶液を加えた。すぐに黒緑色が消えて、灰色のスラリーとなった。室温で1時間攪拌後、得られた反応物を水50gに投入し、灰白色の沈殿が生じるので、スラリーを吸引濾過・乾燥し、2−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの灰白色粉末1.39gを得た。原料の2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は94モル%であった。
(1)融点:142−143℃
(2)IR(KBr、cm−1):1770,1674,1590,1206,1163,1145,1054,1000,977,934,910,890,774,707,653,636,540cm−1
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.32(t,J=8Hz,3H),4.37(q,J=8Hz,2H),7.59(d,J=9Hz,1H),7.75−7.82(m,2H),8.08(s,1H),8.28−8.37(m,2H),8.34(d,J=9Hz,1H).
(合成実施例10)2−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、冷却器付きの100ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン1.12g(5ミリモル)、クロロ炭酸n−プロピル0.98g(8ミリモル)をジメチルアセトアミド12gに加え、黒緑色の溶液とした。次いで、氷水で冷やしながら、トリエチルアミン0.7g(7ミリモル)のジメチルアセトアミド2g溶液を加えた。すぐに黒緑色が消えて、灰色のスラリーとなった。室温で1時間攪拌後、得られた反応物を水50gに投入し、灰白色の沈殿が生じるので、スラリーを吸引濾過・乾燥し、2−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの灰白色粉末1.43gを得た。原料の2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は92モル%であった。
(1)融点:122−123℃
(2)IR(KBr、cm−1):1753,1673,1590,1328,1319,1264,1240,1221,1161,1145,1094,1049,1032,958,930,914,904,851,760,704,690,654,637,627,545cm−1
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.00(t,J=8Hz,3H),1.71−1.81(m,2H),4.25(t,J=8Hz,2H),7.58(d,J=9Hz,1H),7.72−7.81(m,2H),8.08(s,1H),8.25−8.31(m,2H),8.34(d,J=9Hz,1H).
(合成実施例11)2−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、冷却器付きの100ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン1.12g(5ミリモル)、クロロ炭酸i−プロピル0.98g(8ミリモル)をジメチルアセトアミド12gに加え、黒緑色の溶液とした。次いで、氷水で冷やしながら、トリエチルアミン0.7g(7ミリモル)のジメチルアセトアミド2g溶液を加えた。すぐに黒緑色が消えて、灰色のスラリーとなった。室温で1時間攪拌後、得られた反応物を水50gに投入し、灰白色の沈殿が生じるので、スラリーを吸引濾過・乾燥し、2−(i−プロポキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの灰白色粉末1.23gを得た。原料の2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は79モル%であった。
(1)融点:100−101℃
(2)IR(KBr、cm−1):1754,1674,1589,1297,1264,1237,1211,1181,1159,1143,1101,934,917,850,828,779,705,653,613cm−1
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.41(d,J=8Hz,6H),4.96−5.06(m,1H),7.59(d,J=9Hz,1H),7.73−7.82(m,2H),8.07(s,1H),8.22−8.31(m,2H),8.33(d,J=9Hz,1H).
(合成実施例12)2−(i−ブトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、冷却器付きの100ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン1.12g(5ミリモル)、クロロ炭酸i−ブチル1.08g(8ミリモル)をジメチルアセトアミド12gに加え、黒緑色の溶液とした。次いで、氷水で冷やしながら、トリエチルアミン0.7g(7ミリモル)のジメチルアセトアミド2g溶液を加えた。すぐに黒緑色が消えて、灰色のスラリーとなった。室温で1時間攪拌後、得られた反応物を水50gに投入し、灰白色の沈殿が生じるので、スラリーを吸引濾過・乾燥し、2−(i−ブトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの灰白色粉末1.44gを得た。原料の2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は89モル%であった。
(1)融点:85−86℃
(2)IR(KBr、cm−1):1759、1676,1590,1331,1297,1232,1204,1159,1050,1143,1049,1142,969,931,894,849,794,778,762,704,653,540cm−1
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=1.04(d,J=8Hz,6H),2.04−2.14(m,1H),4.10(q,J=8Hz,2H),7.61(d,J=9Hz,1H),7.76−7.84(m,2H),8.11(s,1H),8.27−8.34(m,2H),8.37(d,J=9Hz,1H).
(合成実施例13)2−(アリルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、冷却器付きの100ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン1.12g(5ミリモル)、クロロ炭酸アリル0.96g(8ミリモル)をジメチルアセトアミド12gに加え、黒緑色の溶液とした。次いで、氷水で冷やしながら、トリエチルアミン0.7g(7ミリモル)のジメチルアセトアミド2g溶液を加えた。すぐに黒緑色が消えて、灰色のスラリーとなった。室温で1時間攪拌後、得られた反応物を水50gに投入し、灰白色の沈殿が生じるので、スラリーを吸引濾過・乾燥し、2−(アリルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの灰白色粉末1.49gを得た。原料の2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は96モル%であった。
(1)融点:146−147℃
(2)IR(KBr、cm−1):1752,1674,1589,1330,1291,1263,1249,1161,957,929,851,777,707cm−1
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=4.79(d,J=8Hz,2H),5.37(d,J=10Hz,1H),5.47(d,J=14Hz,1H),5.97−6.07(m,1H),7.61(d,J=9Hz,1H),7.75−7.85(m,2H),8.11(s,1H),8.27−8.36(m,2H),8.36(d,J=9Hz,1H).
(合成実施例14)2−(フェノキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの合成
温度計、冷却器付きの100ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン0.47g(2ミリモル)、クロロ炭酸フェニル0.47g(3ミリモル)をジメチルアセトアミド7gに加え、黒緑色の溶液とした。次いで、氷水で冷やしながら、トリエチルアミン0.25g(2.5ミリモル)のジメチルアセトアミド2g溶液を加えた。すぐに黒緑色が消えて、灰色のスラリーとなった。室温で1時間攪拌後、得られた反応物を水50gに投入し、灰白色の沈殿が生じるので、スラリーを吸引濾過・乾燥し、2−(フェノキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンの灰白色粉末0.65gを得た。原料の2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンに対する単離収率は94モル%であった。
(1)融点:193−194℃
(2)IR(KBr、cm−1):1763,1675,1591,1330,1246,1194,1162,1140,1014,1007,933,911,759,729,708,6812,654,631,541,495cm−1
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=7.24−7.34(m,3H),7.40−7.48(m,2H),7.70(d,J=9Hz,1H),7.76−7.83(m,2H),8.20(s,1H),8.28−8.34(m,2H),8.339(d,J=9Hz,1H).
(評価実施例1)1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光硬化速度評価実験(中心波長365nmのUV−LED照射)
ラジカル重合性化合物であるペンタエリスリトールテトラアクリレート100重量部に対し、光ラジカル重合開始剤として、合成実施例2と同様の方法で得た1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンを1.0重量部添加し、ラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、「ルミラー」は東レ株式会社の登録商標)上に調製したラジカル重合性組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、次いで空気雰囲気下、紫外LED(イワサキ社製、中心波長365nm、照射強度20mW/cm)を用いて光照射したところ、硬化していることを確認した。タックフリータイムは1.8秒であった。
(評価実施例2)1−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光硬化速度評価実験(中心波長365nmのUV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部の代わりに合成実施例3と同様の方法で得た1−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を使用すること以外は、評価実施例1と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後、評価実施例1と同条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.2秒であった。
(評価実施例3)1−(i−ブトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光硬化速度評価実験(中心波長365nmのUV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部の代わりに合成実施例5と同様の方法で得た1−(i−ブトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を使用すること以外は、評価実施例1と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.4秒であった。
(評価実施例4)1−(アリルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光硬化速度評価実験(中心波長365nmのUV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部の代わりに合成実施例6と同様の方法で得た1−(アリルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を使用すること以外は、評価実施例1と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後、評価実施例1と同条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.7秒であった。
(評価実施例5)1−(フェノキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光硬化速度評価実験(中心波長365nmのUV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部の代わりに合成実施例7と同様の方法で得た1−(フェノキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を使用すること以外は、評価実施例1と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後、評価実施例1と同条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.8秒であった。
(評価実施例6)2−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光硬化速度評価実験(中心波長365nmのUV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部の代わりに合成実施例9と同様の方法で得た2−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を使用すること以外は、評価実施例1と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後、評価実施例1と同条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは2.5秒であった。
(評価実施例7)2−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光硬化速度評価実験(中心波長365nmのUV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部の代わりに合成実施例10と同様の方法で得た2−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を使用すること以外は、評価実施例1と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後、評価実施例1と同条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは2.3秒であった。
(評価実施例8)2−(i−ブトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光硬化速度評価実験(中心波長365nmのUV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部の代わりに合成実施例12と同様の方法で得た2−(i−ブトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を使用すること以外は、評価実施例1と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後、評価実施例1と同条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは2.5秒であった。
(評価実施例9)2−(アリルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光硬化速度評価実験(中心波長365nmのUV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部の代わりに合成実施例13と同様の方法で得た2−(アリルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を使用すること以外は、評価実施例1と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後、評価実施例1と同条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは2.0秒であった。
(評価比較例1)2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名ダロキュア1173)を光ラジカル重合開始剤とする光硬化速度評価実験(中心波長365nmのUV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部の代わりに市販の2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名ダロキュア1173)1.0重量部を使用すること以外は、評価実施例1と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後、評価実施例1と同条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは4.5秒であった。
(評価比較例2)1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を光ラジカル重合開始剤とする光硬化速度評価実験(中心波長365nmのUV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部の代わりに市販の1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)1.0重量部を使用すること以外は、評価実施例1と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後、評価実施例1と同条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは3.5秒であった。
(評価実施例10)1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光硬化速度評価実験(中心波長395nmのUV−LED照射)
光源として、紫外LED(イワサキ社製、中心波長365nm、照射強度20mW/cm)の代わりに紫外LED(Phoseon社製、中心波長395nm、照射強度50mW/cm)を使用すること以外は、評価実施例1と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後変更した条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは3.5秒であった。
(評価実施例11)1−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光硬化速度評価実験(中心波長395nmのUV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部の代わりに合成実施例3と同様の方法で得た1−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を使用すること以外は、評価実施例10と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後、評価実施例10と同条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは0.8秒であった。
(評価実施例12)1−(i−ブトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光硬化速度評価実験(中心波長395nmのUV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部の代わりに合成実施例5と同様の方法で得た1−(i−ブトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を使用すること以外は、評価実施例10と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後、評価実施例10と同条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.1秒であった。
(評価実施例13)1−(アリルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光硬化速度評価実験(中心波長395nmのUV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部の代わりに合成実施例6と同様の方法で得た1−(アリルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を使用すること以外は、評価実施例10と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後、評価実施例10と同条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.5秒であった。
(評価実施例14)1−(フェノシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光硬化速度評価実験(中心波長395nmのUV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部の代わりに合成実施例7と同様の方法で得た1−(フェノキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を使用すること以外は、評価実施例10と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後、評価実施例10と同条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.0秒であった。
(評価実施例15)2−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光硬化速度評価実験(中心波長395nmのUV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部の代わりに合成実施例9と同様の方法で得た2−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を使用すること以外は、評価実施例10と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後、評価実施例10と同条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは1.0秒であった。
(評価実施例16)2−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光硬化速度評価実験(中心波長395nmのUV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部の代わりに合成実施例10と同様の方法で得た2−(n−プロポキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を使用すること以外は、評価実施例10と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後、評価実施例10と同条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは2.3秒であった。
(評価実施例17)2−(i−ブトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光硬化速度評価実験(中心波長395nmのUV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部の代わりに合成実施例12と同様の方法で得た2−(i−ブトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を使用すること以外は、評価実施例10と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後、評価実施例10と同条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは2.2秒であった。
(評価実施例18)2−(アリルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノンを光ラジカル重合開始剤とする光硬化速度評価実験(中心波長395nmのUV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部の代わりに合成実施例13と同様の方法で得た2−(アリルオキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部を使用すること以外は、評価実施例10と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後、評価実施例10と同条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは2.5秒であった。
(評価比較例3)2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名ダロキュア1173)を光ラジカル重合開始剤とする光硬化速度評価実験(中心波長395nmのUV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部の代わりに市販の2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名ダロキュア1173)1.0重量部を使用すること以外は、評価実施例10と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後、評価実施例10と同条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは150秒であった。
(評価比較例4)1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を光ラジカル重合開始剤とする光硬化速度評価実験(中心波長395nmのUV−LED照射)
光ラジカル重合開始剤として、1−(エトキシカルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン1.0重量部の代わりに市販の1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)1.0重量部を使用すること以外は、評価実施例10と同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後、評価実施例10と同条件で紫外LED光を照射した。タックフリータイムは70秒であった。
評価実施例1〜9の結果を表1に、評価比較例1、2の結果を表2に、評価実施例10〜18の結果を表3に、評価比較例3、4の結果を表4にまとめた。
評価実施例1〜9と評価比較例1、2さらに評価実施例10〜18と評価比較例3、4の結果を比較すると以下のことが明らかである。すなわち、本発明のモノ(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物を光ラジカル重合開始剤として含有するラジカル重合性組成物は、市販の光ラジカル重合開始剤を含有するラジカル重合性組成物に比べて、タックフリータイムが短縮していることから、本発明のモノ(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物は光ラジカル重合開始剤として有用であるといえる。特に中心波長395nmの紫外LEDを光源として用いた場合は、タックフリータイムが著しく短縮していることがわかる。また、本発明の光ラジカル重合開始剤であるモノ(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物と市販の光ラジカル重合開始剤の構造式を比較してわかるように、本発明のモノ(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物は窒素原子や、硫黄原子さらにはリン原子を含有しない、炭素原子、水素原子、酸素原子のみからなる環境に優しい化合物である。

Claims (8)

  1. 下記一般式(3)で表される2−(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物。

    (上記一般式(3)において、Aは炭素数1から8のアルキル基、アリル基又は炭素数6から10のアリール基のいずれかを示す。)
  2. 2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノンと炭酸エステル化剤を反応させることからなる下記一般式(3)で表される2−(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物の製造方法。

    (上記一般式(3)において、Aは炭素数1から8のアルキル基、アリル基又は炭素数6から10のアリール基のいずれかを示す。)
  3. 下記一般式(1)で表されるモノ(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物を含有する光ラジカル重合開始剤。

    (上記一般式(1)において、Aは炭素数1から8のアルキル基、アリル基又は炭素数6から10のアリール基のいずれかを示す。)
  4. 下記一般式(2)で表される1−(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物を含有する光ラジカル重合開始剤。

    (上記一般式(2)において、Aは炭素数1から8のアルキル基、アリル基又は炭素数6から10のアリール基のいずれかを示す。)
  5. 下記一般式(3)で表される2−(置換カルボニルオキシ)−9,10−アントラキノン化合物を含有する光ラジカル重合開始剤。

    (上記一般式(3)において、Aは炭素数1から8のアルキル基、アリル基又は炭素数6から10のアリール基のいずれかを示す。)
  6. 請求項3乃至5のいずれか一項に記載の光ラジカル重合開始剤、及びラジカル重合性化合物を含有するラジカル重合性組成物。
  7. 請求項に記載のラジカル重合性組成物に335nmから400nmまでの範囲の光を含むエネルギー線を照射することにより重合することを特徴とする、重合方法。
  8. 請求項に記載のラジカル重合性組成物を重合してなる重合物。
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