JP2014080690A - マグネシウム合金板材、マグネシウム合金成形体、及びマグネシウム合金板材の製造方法 - Google Patents

マグネシウム合金板材、マグネシウム合金成形体、及びマグネシウム合金板材の製造方法 Download PDF

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    • C22F1/06Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of magnesium or alloys based thereon

Abstract

【課題】温間塑性加工性に優れるマグネシウム合金板材及びその製造方法、この板材に温間塑性加工を施してなる成形体を提供する。
【解決手段】マグネシウム合金板材は、再結晶化を目的とする熱処理を行っていない圧延材RSに所定の歪みを付与し、歪み付与後にも上記熱処理を行わないことで製造される。歪みの付与は、圧延材RSを加熱炉10で加熱し、加熱した圧延材RSを加熱したローラ21間に通過させて圧延材RSに曲げを付与し、付与後の板材の単色光X線回折における(0004)回折ピークの半価幅が0.20deg以上0.59deg以下となるように行う。この合金板材は、残存する歪みを利用して、温間塑性加工中に連続的な再結晶を生じ、高い塑性変形能を発現する。
【選択図】図1

Description

本発明は、マグネシウム合金板材、及びこの板材に塑性加工を施してなる成形体、並びにこの板材の製造方法に関するものである。特に、温間塑性加工(加工時の被加工材の温度:200〜300℃)において高い加工性を有するマグネシウム合金板材に関する。
マグネシウムに種々の元素を添加したマグネシウム合金が、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータといった携帯機器類の筐体や自動車部品などに利用されてきている。しかし、六方晶の結晶構造(hcp構造)を有するマグネシウム合金は、常温での塑性加工性に乏しい。そのため、上記筐体などに利用されているマグネシウム合金製品は、ダイカスト法やチクソモールド法による鋳造材が主流である。
一方、比較的塑性加工し易いAZ31といった展伸用マグネシウム合金では、プレス加工や鍛造といった塑性加工を施すことが行われている。例えば、インゴットを圧延してなる圧延板に、六方晶の柱面や錘面がすべり変形を生じる200℃以上の温度領域(温間又は熱間)でプレス加工を施したプレス成形体が開発されてきている。塑性加工性を向上するために、例えば、塑性加工前に圧延材を焼鈍して、マグネシウム合金の組織を微細な再結晶組織とすることが検討されている(特許文献1参照)。その他、特許文献2は、ローラレベラと再結晶熱処理とを組み合わせた処理を圧延板に複数回施し、圧延面に対して{0002}面を傾斜させることを開示しており、この構成により、100℃以下での塑性加工性の向上を図っている。
特開2007-98470号公報 特開2005-298885号公報
しかし、再結晶を目的とする熱処理を施して再結晶組織を有する板材としても、200℃以上、特に200℃以上300℃以下の温間での塑性加工中、板材に歪みが蓄積したり、転位密度が増大することで板材が加工硬化したりする。すると、大きな伸びが生じずに板材が破断することがある。そのため、上記熱処理による再結晶組織を有する板材では、所望の形状の塑性加工を行えない恐れがある。
また、圧延面に対して{0002}面が傾斜した組織、即ち、c軸が板厚方向に平行でなく交差した組織の板材にプレス加工を施してなる成形体は、落下などの衝撃で大きな凹みを生じ易い。上記板材の組織(c軸が交差した組織)は、プレス加工後も維持される。そのため、この成形体は、{0002}面が板厚方向に交差した状態である。マグネシウム合金の常温での滑り面は実質的に{0002}面のみであるから、上記成形体は、常温下で使用されていても落下などで衝撃が加わると、{0002}面の滑りにより、板厚方向に容易に塑性変形して大きな凹みができる。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、温間塑性加工性に優れるマグネシウム合金板材及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、耐衝撃性に優れるマグネシウム合金成形体を提供することにある。
発明者らは、塑性加工前のマグネシウム合金板材(圧延材)に、再結晶を目的とする熱処理を行って再結晶化を促進するよりも、特定量の歪みを積極的に付与することで、温間塑性加工性を高められるとの知見を得た。温間塑性加工前のマグネシウム合金板材に特定量の歪みを付与すると、温間塑性加工時の加熱による熱エネルギ、及び塑性加工で蓄積される歪みによる歪みエネルギに加え、上記予め付与した特定量の歪みによる歪みエネルギの三者のエネルギが駆動力となり、200℃以上の温度領域での温間塑性加工中に上記板材に連続的な再結晶が生じる。この結果、上記予め歪みを付与した板材は、転位密度が増大せず、プレス加工などの塑性加工の条件を特別に制御しなくても加工硬化が生じ難く、200℃以上の温度領域で伸びが100%以上という高い塑性変形能を発現し得ると考えられる。この知見に基づき、温間塑性変形性に優れる本発明マグネシウム合金板材を提案する。
本発明マグネシウム合金板材は、マグネシウム基合金からなり、単色光X線回折における(0004)回折ピークの半価幅が0.20deg以上0.59deg以下であることを特徴とする。本発明マグネシウム合金板材は、以下の本発明製造方法により得られる。
本発明マグネシウム合金板材の製造方法は、マグネシウム基合金からなる板材を製造する方法であって、上記マグネシウム基合金からなる素材に圧延を施す工程と、この圧延により得られた圧延材を加熱した状態で歪みを付与する工程とを具える。上記歪みの付与は、付与後の板材の単色光X線回折における(0004)回折ピークの半価幅が0.20deg以上0.59deg以下となるように行う。また、この歪みを付与する工程の前後において、再結晶化を目的とする熱処理を行わない。以下、本発明をより詳細に説明する。
[マグネシウム合金板材]
<半価幅>
本発明マグネシウム合金板材は、圧延材に積極的に歪みを付与して製造されることから、再結晶を目的とする熱処理を施した圧延材と異なる結晶子サイズの分布を有する。X線回折における半価幅は、結晶子サイズの平均分布を反映することから、この結晶子サイズの指標として、本発明合金板材では、単色光X線回折における特定の回折線((0004)回折ピーク)の半価幅を利用する。ここでの半価幅は、(0004)回折ピーク強度の50%でのピークの幅とする。(0004)回折ピークの半価幅が0.20deg以上0.59deg以下の範囲外では、温間(200℃〜300℃の温度領域)における板材の伸びが100%以上とならず、種々の形状に対して十分な塑性変形を行えない。より好ましくは、0.30deg以上0.54deg以下である。
<内部組織>
本発明マグネシウム合金板材は、歪み(せん断帯)が残存することから、その内部を顕微鏡観察しても、明確な結晶粒界が観察され難く、結晶粒が不明瞭な組織を有する。そのため、本発明合金板材は、結晶粒径の測定や各結晶粒の方位の測定が実質的にできない又は困難である。但し、本発明合金板材は、単色光X線回折ピークが取得できることから、非晶質ではないと考えられる。このような結晶構造の組織を定量的に示す指標として、EBSD(Electron Back Scattering Diffraction)測定における信頼性指数:CI(Confidence Index)を利用する。
<低CI領域の存在>
CIとは、株式会社TSLソリューションズ製結晶方位解析装置(OIM)の説明書に記載される方位決定の確からしさを示す指数である。CI値は、測定点ごとに測定可能である。CI値が0.1以上である測定点の95%以上について、方位が正しく測定されていると解釈される。再結晶化を目的とする熱処理が行われたマグネシウム合金板材は、実質的に、CI値が0.1以上の領域で構成される。これに対し、本発明マグネシウム合金板材は、CI値が0.1未満である領域(低CI領域)が多く存在することが特徴の一つである。具体的には、低CI領域が面積比で50%以上90%未満存在する。つまり、本発明合金板材にEBSD測定を行った場合、結晶粒の方位解析を正しく行えない領域が、本発明合金板材の面積全体に対して5割以上存在する。方位解析が正しく行えない理由は、試料作製時の不備及び測定条件の不適を除くと、せん断帯や転位、双晶などの欠陥や歪みの影響が考えられる。上記試料作製時の不備は、例えば、機械的研磨による歪みの付加や、試料表面の汚染などが挙げられる。測定条件の不備のうち、影響が大きな不備として、解析に使用する結晶系データが間違っている場合が挙げられる。上記不備に対する対処は後述する。
<形状>
本発明マグネシウム合金板材は、コイル状に巻き取られた長尺材、及び長尺材を切断した短尺材のいずれも含む。長尺材は、通常、その長手方向が圧延方向に平行である。短尺材は、代表的には、圧延方向に直交する方向に長尺材を切断した長方形(正方形を含む)状の板材である。切断した長方形状の板材を更に圧延方向に平行に切断することもある。このような切断により、長方形状の板材の一辺方向は、圧延方向に平行な方向、この一辺に直交する他の辺の方向は、圧延方向に直交する方向となる。一辺方向或いは他の辺の方向はいずれかが板幅方向である。
本発明マグネシウム合金板材は、圧延時の加工度(圧下率)を適宜調整することで板厚を変化できる。例えば、本発明合金板材を後述のように電子機器の筐体材料に利用する場合、本発明合金板材の板厚は、2mm以下が好ましく、0.03mm以上1.5mm以下がより好ましい。
<残留応力>
本発明マグネシウム合金板材は、圧延材に歪みを付与することから、圧縮性の残留応力を有することも特徴の一つである。具体的には、本発明合金板材の表面に、板幅方向又は板幅方向に対して90°方向に圧縮性の残留応力が存在する。板幅方向とは、本発明合金板材が上記長尺材の場合、長手方向(即ち、圧延方向)に直交する方向、本発明合金板材が長方形状の短尺材の場合、任意の一辺方向とする。短尺材において圧延方向が判別できる場合、圧延方向に直交する方向を板幅方向とする。
上記圧縮性の残留応力の具体的な大きさは、板幅方向に対して90°方向(長尺材の場合、長手方向)が圧延方向であるとき、圧延方向に0MPa以上100MPa以下(OMPaは圧縮性の残留応力に含む)、圧延方向に対して90°方向に0MPa以上100MPa以下である。圧縮性の残留応力が上記範囲を外れる場合や引張性の残留応力を有する場合、温間(200℃〜300℃の温度領域)での板材の伸びが100%以上とならず、種々の形状に対して十分な塑性変形を行い難い。この残留応力の値は、歪みが付与されたことを示す指標として利用することができる。
<c軸配向性>
本発明マグネシウム合金板材は、圧延材のc軸配向性が強く維持される点も特徴の一つである。圧延材の{0002}面は一般に圧延方向に平行に並ぶことから、圧延材のc軸は、圧延方向に直交するように、即ち圧延材の表面に垂直に配向する。本発明合金板材は、上記圧延材の配向状態が実質的に維持され、c軸配向指標値が大きく、4.00以上である。また、c軸の平均傾斜角度が小さく、5°以下である。このような本発明合金板材を塑性加工して得られる本発明成形体は、本発明合金板材の配向状態が維持され易く、c軸が成形体の表面にほぼ垂直に配向されることから、板材の厚さ方向に塑性変形が生じ難い。そのため、本発明成形体は、落下などの衝撃を受けても、大きな凹みが生じ難い。
<温間での特性>
本発明マグネシウム合金板材は、温間(200℃以上300℃以下の温度領域)で高い伸びを有する。具体的には、200℃以上の温度において100%以上、特に250℃以上の温度において200%以上、更に275℃以上の温度において300%以上という非常に高い伸びを有する。このように温間で十分な伸びを有することから、本発明合金板材は、温間プレス加工などの温間塑性加工を行う際、割れなどが生じ難く、塑性加工性に優れる。
更に、本発明マグネシウム合金板材は、上記温間での伸びの異方性が小さいことも特徴の一つである。具体的には、本発明合金板材の任意の方向を0°とし、この0°方向に沿った伸びと、0°方向に対して45°傾いた45°方向の伸びと、0°方向に対して90°傾いた90°方向、即ち、0°方向に直交する方向の伸びと、0°方向に対して135°傾いた135°方向、即ち、45°方向に直交する方向の伸びとの差が小さい。つまり、上記4つの方向のいずれも200℃以上で100%以上の伸びを有し、かつ各伸びは同程度の大きさである。250℃以上、275℃以上の場合も同様である。このように異方性が小さいことから、本発明合金板材は任意の方向に温間塑性加工を受けても、割れなどが生じ難く、塑性加工性に優れる。
<常温での特性>
本発明マグネシウム合金板材は、常温(20℃)での機械的特性(伸び、引張強度、0.2%耐力)に優れることも特徴の一つである。具体的には、20℃において、伸び:2.0%以上14.9%以下、引張強度:350MPa以上400MPa以下、0.2%耐力:250MPa以上350MPa以下である。本発明合金板材は、常温での機械的特性にも優れることから、変形や破断が生じ難く、構造材料に好適に利用することができる。
<硬度>
本発明マグネシウム合金板材は、圧縮性の残留応力を有することから、圧延後に再結晶を目的とする熱処理を行った熱処理材と比較して硬度が高くなる傾向にある。具体的には、ビッカース硬度(Hv)が85以上105以下である。本発明合金板材は、比較的高硬度であることから傷が付き難く、構造材料に好適に利用することができる。この硬度は、歪みが付与されたことを示す指標として利用することができる。
<組成>
本発明マグネシウム合金板材は、Mgを母材とするマグネシウム基合金、即ち、Mgを50質量%超含有する合金からなる。母材のMgに添加される添加元素は、アルミニウム(Al),亜鉛(Zn),マンガン(Mn),イットリウム(Y),ジルコニウム(Zr),銅(Cu),銀(Ag),シリコン(Si),カルシウム(Ca),ベリリウム(Be),ニッケル(Ni),金(Au),プラチナ(Pt),ストロンチウム(Sr),チタン(Ti),ホウ素(B),ビスマス(Bi),ゲルマニウム(Ge),インジウム(In),テルビウム(Tb),ネオジム(Nd),ニオブ(Nb),ランタン(La),及び希土類元素RE(Y,Nd,Tb,Laを除く)が挙げられる。具体的な組成を以下に挙げる(単位は質量%)。
(1)Alを1.0%以上10.0%以下、Znを0.1%以上1.5%以下含み、残部がMg及び不可避的不純物からなる合金
(2)Al,Zn,Mn,Y,Zr,Cu,Ag,及びSiからなる群から選択される1種以上の元素を合計で0.01%以上20%以下含み、残部がMg及び不可避的不純物からなる合金
(3)Ca及びBeの少なくとも1種の元素を合計で0.00001%以上16%以下含み、残部がMg及び不可避的不純物からなる合金
(4)Ni,Au,Pt,Sr,Ti,B,Bi,Ge,In,Tb,Nd,Nb,La,及び希土類元素RE(但し、Tb,Nd,Laを除く)からなる群から選択される1種以上の元素を合計で0.001%以上5%以下含み、残部がMg及び不可避的不純物からなる合金
(5)上記(1)の合金に対して、(2),(3),及び(4)の少なくとも一つに規定される特定量の元素を添加元素として含有した合金
Alを含有するマグネシウム合金は、耐食性に優れる。特に、Alを8.3質量%以上9.5質量%以下含有する合金は、耐食性や機械的特性の点で好ましい。Al含有合金として、ASTM規格のAZ10,AZ31,AZ61,AZ63,AZ80,AZ81,AZ91などを利用することができる。Alに加え、上記(2)に規定するMnやSiを含有する合金として、ASTM規格のAS系合金、AM系合金を利用することができる。上記(2)に規定する元素は、耐食性、耐熱性、機械的特性の点で好ましい。上記(3)に規定するCaやBeは、合金の難燃性を高めることができる。上記(4)に規定する元素は、耐食性、耐熱性の点で好ましい。
[マグネシウム合金板材の製造方法]
上記本発明マグネシウム合金板材は、上記組成からなる素材を圧延した圧延材に、所定の歪みを付与することで得られる。
<素材>
圧延に供する素材は、例えば、インゴット鋳造材、ビュレットを押出した押出材、双ロール法といった連続鋳造材などが利用できる。特に、双ロール法は、凝固速度が50K/秒以上という急冷凝固が可能であり、急冷凝固により酸化物や偏析物などの内部欠陥が少ない鋳造材が得られる。このような双ロール鋳造材を用いることで、塑性加工時、これら内部欠陥が起点となって割れなどが生じることを軽減できる。特に、Al含有量の多いマグネシウム合金は、鋳造時に晶出物や偏析が発生し易く、鋳造後に圧延などの工程を経ても、内部に晶出物や偏析物が残存し易いため、双ロール鋳造材を素材とすることが好ましい。凝固速度は、200K/秒以上が好ましく、特に300K/秒以上、更に400K/秒以上が好ましい。凝固速度を速めることで、晶析出物を20μm以下に微細化でき、割れの起点となり難くすることができる。素材の厚さは、適宜選択することができる。素材を双ロール鋳造材とする場合、素材の厚さは0.1mm以上10.0mm以下が好ましい。
上記素材は、圧延前に適宜溶体化処理を施してもよい。溶体化処理の条件は、380℃以上420℃以下×60分以上600分以下、好ましくは390℃以上410℃以下×360分以上600分以下が挙げられる。溶体化処理を施すことで、偏析物を小さくすることができる。Al含有量の多いマグネシウム合金の場合、溶体化処理時間を長めにすることが好ましい。
<圧延工程>
上記素材に施す圧延は、代表的には、粗圧延と仕上げ圧延とに分けられる。粗圧延は、圧延ロールへ挿入する直前の素材(被加工材)の表面温度(予熱温度)を300℃以上、圧延ロールの表面温度を180℃以上で行うと、1パスあたりの圧下率を高くしても縁割れが生じ難く、効率がよい。好ましくは、被加工材の表面温度を300℃以上360℃以下、圧延ロールの表面温度を180℃以上210℃以下とする。粗圧延の1パスあたりの圧下率は、10%以上40%以下、総圧下率は75%以上85%以下が好ましい。
上記粗圧延に引き続いて仕上げ圧延を行う。仕上げ圧延は、圧延ロールへ挿入する直前の被加工材の表面温度(予熱温度)を140℃以上250℃以下、圧延ロールの表面温度を150℃以上180℃以下とすることが好ましい。特に、Al含有量が多いマグネシウム合金の場合、被加工材の表面温度を高めにすることが好ましい。仕上げ圧延の1パスあたりの圧下率は、5%以上20%以下、総圧下率は10%以上75%以下、特に20%以上50%以下が好ましい。
上記粗圧延及び仕上げ圧延はそれぞれ、1パス以上、好ましくは2パス以上行う。複数パスの圧延を行う場合、所定のパスごとに歪み除去を目的とした中間焼鈍を行うと、その後の圧延が円滑に行える。中間焼鈍の条件は、250℃以上350℃以下×20分以上60分以下が挙げられる。また、複数パスのうち、少なくとも1パスを他のパスと圧延方向を逆転させて圧延を行うと、被加工材に加工歪みが均等に入り易い。
<歪み付与工程>
上記圧延された圧延材に所定の歪みを付与する。この圧延材には、最終圧延後歪み付与前において、再結晶化を目的とする熱処理を施さない。かつ、歪み付与後温間塑性加工前の被加工材にも再結晶化を目的とする熱処理を施さない。再結晶化のための熱処理を行うと、塑性加工時に連続的な再結晶が発現することによる塑性加工性の向上効果が十分に得られなくなる。
歪みの付与は、圧延材を加熱した状態で行う。具体的な加熱温度は、100℃以上250℃以下が好ましい。常温を含む100℃未満では、付与される歪み量が過剰となり、温間塑性加工中に転位密度が増大して加工硬化が生じることから板材が破断し易くなる他、歪み付与時に圧延材に割れなどが生じる恐れがある。250℃超では、付与される歪み量が小さく、温間塑性加工中に連続的な再結晶が生じ難い。より好ましくは、150℃以上200℃以下である。圧延材の加熱は、例えば、温風を吹き付けることが挙げられる。
圧延材だけでなく、歪みを付与する付与手段も加熱することが好ましい。具体的な加熱温度は、150℃以上300℃以下が好ましい。常温を含む150℃未満では、圧延材を所望の温度に維持し難く、圧延材の温度が低下して、上述のように付与される歪み量が過剰となり易い。300℃超では、圧延材の温度が上昇して、上述のように付与される歪み量が小さくなり易い。より好ましくは、200℃以上250℃以下である。
上述のように圧延材を加熱し、付与手段を利用して、付与後の板材の単色光X線回折における(0004)回折ピークの半価幅が0.20deg以上0.59deg以下となるように歪みを付与する。特に、低CI領域が面積比で50%以上90%未満存在するように歪みを付与することが好ましい。具体的な付与手段は、1つ以上のローラを具え、ローラにより曲げを付与するものが挙げられる。特に、千鳥状に配置されたローラ間に圧延材を通過させて、圧延材に繰り返し曲げを付与可能な手段が好ましい。上記ローラは、加熱手段、例えばヒータを具えるものを利用すると、付与手段の加熱を容易に行える。歪み量の調整は、ローラの大きさ、数、ローラ間の間隔などを調整することで行える。
<成形体>
本発明マグネシウム合金板材に200℃以上の温間領域で塑性加工を施すことで、本発明マグネシウム合金成形体が得られる。本発明合金板材は、温間塑性加工が施されると、連続的な再結晶を生じて微細な再結晶化が促される。従って、本発明成形体は、微細な再結晶組織を有する。即ち、本発明合金板材は結晶粒径の測定が難しいが、本発明成形体となることで結晶粒径の測定が可能である。具体的には、本発明成形体の平均結晶粒径は、0.5μm以上5μm以下である。このような微細な再結晶組織を有することから、本発明成形体は、機械的強度が高い。
<塑性加工>
本発明マグネシウム合金成形体を得るにあたり、本発明マグネシウム合金板材に施す塑性加工は、プレス加工、深絞り加工、鍛造加工、ブロー加工及び曲げ加工の少なくとも一つが挙げられる。これらの塑性加工により種々の形状の本発明成形体が得られる。
塑性加工後に、塑性加工による歪みの除去、塑性加工の際に導入された残留応力の除去、機械的特性の向上、その他溶体化などを目的として、熱処理を施してもよい。熱処理条件は、温度:100℃以上450℃以下、時間:5分以上40時間以下が挙げられる。温度及び時間は、目的に応じて適宜選択するとよい。
塑性加工後に防食処理(化成処理又は陽極酸化処理)及び塗装処理を行うと、耐食性を高められると共に、商品価値の高い成形体とすることができる。
<成形体の適用例>
特に、プレス加工が施された本発明成形体は、電子機器の筐体に好適である。より具体的には、携帯電話、携帯情報端末、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA、カメラ、携帯音楽プレイヤなどの携帯電子機器の筐体、液晶やプラズマといった薄型TVなどの筐体が挙げられる。その他、自動車、航空機、鉄道などの輸送機用ボディーパネル、シートパネルなどの内装品、エンジン部品、シャーシ周りの部品、メガネフレーム、バイクなどのマフラーといった金属管やパイプなどの構造部材にも本発明合金成形体を適用することができる。
本発明マグネシウム合金板材は、温間塑性加工性に優れる。この板材に温間塑性加工を施してなる本発明マグネシウム合金成形体は、高強度で衝撃にも強い。本発明マグネシウム合金板材の製造方法は、上記本発明合金板材を生産性よく製造することができる。
(I)は、本発明マグネシウム合金板材の製造に利用する歪み付与手段の一例を模式的に示す概略構成図、(II)は、ロール部分の拡大説明図である。 (I)は、試料No.4、(II)は、試料No.101、(III)は、試料No.4の温間引張試験後(275℃)の組織を示す顕微鏡写真である。
(試験例1)
《マグネシウム合金板材》
表1に示す組成のマグネシウム合金からなる圧延材と、圧延材に熱処理や歪み付与を行ったものとを作製し、種々の特性を調べた。
圧延材は、以下のように作製する。表1に示す成分のマグネシウム合金(残部Mg及び不可避的不純物)を用意し、双ロール連続鋳造機により、厚さ4.0mmの鋳造板材を作製する(凝固速度:50K/秒以上)。この鋳造板材に粗圧延を施し、厚さ1.0mmの粗圧延材を作製する(粗圧延の総圧下率:75%)。粗圧延は、鋳造板材を含む被加工材を360℃に予熱し、表面温度を200℃とした圧延ロールで複数パス行う(ここでは6パス)。次に、粗圧延材に仕上げ圧延を施し、厚さ0.6mmの仕上げ圧延材を作製する(仕上げ圧延の総圧下率:40%)。仕上げ圧延は、粗圧延材を含む被加工材を240℃に予熱し、表面温度を180℃とした圧延ロールで複数パス行う(ここでは4パス)。
[試料No.1〜11]
上記圧延工程により得られた厚さ0.6mmの圧延材に歪みを付与する。歪みの付与は、図1に例示する付与手段を用いて行う。この付与手段は、圧延材RSを加熱する加熱炉10と、加熱された圧延材RSに連続的に曲げを付与するロール21を有するロール部20とを具える。加熱炉10が上流側、ロール部20が下流側に配されている。加熱炉10は、両端が開口した筒状体であり、圧延材RSを下流のロール部20に搬送する搬送部(ここではベルトコンベア)11が内部に配置されている。この搬送部11により、一方(上流側)の開口部から他方(下流側)の開口部に向かって圧延板RSを搬送する。加熱炉10には、循環型熱風発生手段12が接続されている。所定の温度の熱風が循環型熱風発生手段12の導入口12iから加熱炉10内に導入され、加熱炉10内から排気口12oに排気される。排気された熱風は、循環型熱風発生手段12で所定の温度に調整され、所定の温度に調整された熱風が加熱炉10内に再度導入される。ロール部20も両端が開口した筒状体であり、一方(上流側)の開口部が加熱炉10の下流側の開口部に直結されている。この上流側の開口部から、搬送部11で搬送された圧延板RSがロール部20内に送られてくる。ロール部20の内部には、複数のロール21が千鳥状に配置されている。ロール部20に送られてきた圧延板RSは、対向するロール21間に導入され、ロール21間を通過するごとにロール21により順次曲げが付与されつつ、下流側の開口部に送られる。各ロール21は、棒状のヒータ22を内蔵しており、ロール21自体を加熱可能である。
ここでは、上ロール21uを20個、下ロール21dを21個、合計41個のロール21を具えるロール部20を用いた(図1はロール数を簡略して示す)。各ロール21は直径φ40mm、上ロール21uと下ロール21dの中心間の水平距離Lが43mmであり、ロール間隔Pn(上ロール21uと下ロール21dの中心間の垂直距離)は、ロール部20の上流側から下流側に向かって線形的に変化する(n=1,2,…,20)。具体的には、ロール間隔は、上流側ほど狭く、下流側ほど広くなっており、加熱炉10から搬送されてきた圧延板RSを導入する側のロール間隔P1が39mm、ロール21間を通過した圧延板RSを外部に排出する側のロール間隔P20が41mmである。なお、ロール部は、ロールレベラを利用することができる。
図1に示すような付与手段を用いて、表1に示す歪み付与条件(ロール温度(℃)、圧延材の温度(℃))で圧延材に歪みを付与する。歪み付与の回数は、上記付与手段を1度通過した場合を1回と数える。上述のように圧延材に歪みを付与したものを試料No.1〜11とする。
なお、試料No.1〜11及び後述するNo.102のいずれも、圧延後歪み付与前、及び歪み付与後に再結晶化を目的とする熱処理(後述する焼鈍)を行っていない。
[試料No.100〜103]
上記圧延工程により得られた圧延したままの厚さ0.6mmの圧延材を試料No.100、圧延材を焼鈍(320℃×20分)した後、上記歪み付与を1回行ったものを試料No.101、圧延材に上記焼鈍を行わず、上記歪み付与を2回行ったものを試料No.102、圧延材に上記焼鈍のみを行い、その後上記歪み付与を行っていないものを試料No.103とする。
得られた各試料について単色光X線回折における(0004)回折ピークの半価幅(deg)、残留応力(MPa)、低CI領域の面積比(%)、c軸配向指標値、c軸平均傾斜角度(°)、結晶粒径(μm)、ビッカース硬度(Hv)を調べた。その結果を表2に示す。上記各特性の測定は、各試料を適宜切断して長方形状の試験片を作製し、この試験片を用いて行った。試験片は、長辺方向が圧延方向に平行な方向、短辺方向(板幅方向)が圧延方向に対して90°方向となるように作製した。
半価幅(deg)は、以下のX線回折装置を用いて、単色光X線による(0004)回折ピークの半価幅(deg)を測定することで評価した。ここでの単色光とは、PHILIPS社製X線回折装置 X'pert Proにハイブリットミラーシステムを装着して、Cu-Kα2線の強度を無視できる程度(0.1%以下)に低減した照射X線を指す。測定条件を以下に示す。
使用装置:X線回折装置(PHILIPS社製 X'pert Pro)
使用X線:Cu-Kα ラインフォーカス
励起条件:45kV 40mA
入射光学系:ハイブリッドミラー
受光光学系:平板コリメータ0.27
走査方法:θ-2θスキャン
測定範囲:2θ=72°〜76° (ステップ幅:0.02゜)
残留応力は、以下の微小部X線応力測定装置を用いて、(1004)面を測定面とし、sin2Ψ法にて測定を行った。測定は、各試験片について圧延方向、及び圧延方向に対して90°方向(圧延に垂直な方向)について行った。表2においてマイナス(-)の数値は、圧縮性の残留応力、プラス(+)の数値は、引張性の残留応力を示す。また、残留応力「0」は、圧縮性の残留応力に含む。測定条件を以下に示す。
使用装置:微小部X線応力測定装置(株式会社リガク製 MSF-SYSTEM)
使用X線:Cr-Kα(V フィルタ-)
励起条件:30kV 20mA
測定領域:φ2mm(使用コリメータ径)
測定法 :sin2Ψ法(並傾法、揺動有り)
Ψ=0,10,15,20,25,30,35,40,45゜
測定面 :Mg(1004)面
使用定数:ヤング率=45,000MPa、ポアソン比=0.306
測定箇所:サンプルの中央部
測定方向:圧延方向及び圧延に垂直な方向
低CI領域の面積比(%)は、試料にEBSD測定を行い、信頼性指数:CI値が0.1未満である領域(低CI領域)の面積を測定し、測定領域の全面積に対する低CI領域の面積の比を求めて評価した。試料作製時の不備を防止するため、試料の作製は、上記付与手段による歪みに加えて新たな歪みを付加しない方法を利用した。具体的には、真空中でArイオンビームを用いて試料の表面の削り取りが可能なイオンビーム断面試料作製装置(日本電子株式会社製 クロスセクションポリッシャー)を使用した。作製後の試料は、上記試料作製装置から取り出してから5分以内にEBSD測定装置内に導入して、EBSD測定を実施した。また、測定条件の不備を防止するため、EBSD測定の結晶解析に際して、結晶系データは、株式会社TSLソリューションズから提供されているデータベースのうちのマグネシウムを利用した。なお、マグネシウム合金中には、母相のMg以外に添加元素(AlやZnなど)を含む各種の介在物も存在する。これら介在物部分もCI値が低くなることから、この試験の測定では、これら介在物の存在を考慮していない。測定条件を以下に示す。
使用装置:走査型電子顕微鏡(SEM) (ZEISS社製 SUPRA35VP)
電子線後方散乱回折装置(EBSD装置) (株式会社TSLソリューションズ製 OIM5.2)
加速電圧:15kV 照射電流:2.3nA 試料傾斜角:70゜ WD:20mm
結晶系データ:マグネシウム
観察倍率:400倍
EBSD測定領域:120μm×300μm(0.5μm間隔)
c軸配向指標値は、各試料と同じ組成を有するマグネシウム合金の粉末をX線回折し、得られたマグネシウム合金粉末の(0002)回折ピーク強度に対する各試料の(0002)回折強度の比を求めて評価した。具体的には、各試料及びマグネシウム合金粉末について、(0002)回折強度:I(0002)、(1000)回折強度:I(1000)、(1001)回折強度:I(1001)、(1100)回折強度:I(1100)、(1003)回折強度:I(1003)、(1004)回折強度:I(1004)を測定すると共に、これらの合計強度Itotal:I(0002)+I(1000)+I(1001)+I(1100)+I(1003)+I(1004)を求める。そして、(試料のI(0002)/試料のItotal)/(マグネシウム合金粉末のI(0002)/マグネシウム合金粉末のItotal)をc軸配向指標値と定義する。測定条件を以下に示す。
使用装置:X線回折装置(株式会社リガク製 RINT-1500)
使用X線:Cu-Kα
励起条件:50kV 200mA
スリット:DS 1゜ RS 0.15mm SS 1゜
測定法 :θ-2θ測定
測定条件:6゜/min(測定間隔:0.02゜)
測定箇所:圧延面
c軸平均傾斜角度は、X線回折装置を用いて正極点図測定により評価した。測定条件を以下に示す。
使用装置:X線回折装置(PHILIPS社製 X'pert Pro)
使用X線:Cu-Kα
励起条件:45kV 40mA
測定領域:φ1mm(使用コリメータ径)
測定法 :正極点図測定;Mg(0002)面
測定条件:測定間隔5゜
測定箇所:圧延面
結晶粒径は、JIS G 0551(2005)に記載される算出式に基づいて求めた。具体的には、試験片を切断し、その切断面をバフ研磨(ダイヤモンド砥粒♯200使用)した後、エッチング処理を施して、光学顕微鏡で400倍の視野で組織観察を行って、ライン法(試験線による切断法)にて平均結晶粒径を測定した。組織観察において、結晶粒界が不明瞭であり、結晶粒径が測定できないものは、表2中「ND」と示す。後述する表6も同様である。
ビッカース硬度(Hv)は、試験片(厚さ:0.6mm)の長辺方向に沿って切断した縦断面、及び短辺方向に沿って切断した横断面において、表面から厚さ方向に0.05mmまでの表層部分を除く中央部分について複数点(ここでは各断面につき5点、合計10点)のビッカース硬度を測定し、その平均値とする。
また、20℃における機械的特性(伸び(%)、引張強度(MPa)、0.2%耐力(MPa))、温間温度領域での伸び(%)を調べた。その結果を表3,4に示す。
20℃の機械的特性は、JIS Z 2241(1998)に記載される引張試験に基づいて行った。ここでは、各試料を切断して、JIS Z 2201(1998)に記載される13B号の試験片を作製して引張試験を行った。各試料の試験片は、その長手方向が圧延方向に対して種々の傾きを有する複数のものを作製した。具体的には、長手方向が、圧延方向に平行となるように作製したもの(引張試験方向:0°)、圧延方向に対して45°傾いた方向となるように作製したもの(引張試験方向:45°)、圧延方向に対して90°傾いた方向、即ち圧延方向に直交する方向となるように作製したもの(引張試験方向:90°)、圧延方向に対して135°傾いた方向となるように作製したもの(引張試験方向:135°)を試料ごとに用意した。
表2に示すように、単色光X線回折における(0004)回折ピークの半価幅が0.20deg以上0.59deg以下となるように歪みが付与された試料は、低CI領域の面積比が50%以上90%未満であり、方位解析を正しく行い難い組織、即ち、結晶粒が不明瞭な組織を有すると考えられる。実際に組織を調べると、上記半価幅が0.20〜0.59degを満たす試料は、図2(I)に示すように結晶粒界が不明瞭であり、結晶粒が判別し難い(図2(I)は試料No.4を示す)。これに対し、焼鈍を行った後に歪み付与を行った試料No.101は、図2(II)に示すように結晶粒界が明瞭であり、結晶粒を判別することができる。試料No.101は、焼鈍により再結晶化が促されることから、焼鈍後に歪みが付与されても、再結晶組織が維持されていると考えられる。
また、上記半価幅が0.20〜0.59degである試料はいずれも、圧縮性の残留応力を有し、ビッカース硬度が比較的高い。更に、上記半価幅が0.20〜0.59degを満たす試料は、c軸配向指標値が4.00以上と高い上に、c軸平均傾斜角度が5°以下であり、圧延材(試料No.100)の配向状態が強く維持されている。
加えて、上記半価幅が0.20〜0.59degを満たす試料は、表3に示すように引張試験方向が0°,45°,90°,135°のいずれにおいても、温間での伸びが高く、かつ方向によらずいずれも同程度の大きさであり、異方性が小さい。これに対し、圧延材である試料No.100は、表4に示すように温間において、特に0°と90°との伸びの差が大きく、異方性が大きい。焼鈍を行った試料No.101も250℃以下の温間での伸びの異方性が大きい。
また、275℃の引張試験後に試料No.4の組織観察を行ったところ、図2(III)に示すように微細な結晶組織(再結晶組織)が見られた。このことから、上記半価幅が0.20deg以上0.59deg以下を満たす試料は、温間塑性加工時、再結晶が発現することが裏付けられる。
加えて、上記半価幅が0.20〜0.59degを満たす試料は、表3に示すように20℃において十分な機械的特性を有する。
上記試験結果から、単色光X線回折における(0004)回折ピークの半価幅が0.20deg以上0.59deg以下となるように圧延材に歪みを付与し、かつ歪み付与の前後において再結晶化を目的とする熱処理を行わないことで、温間での伸びに優れるマグネシウム合金板材が得られることがわかる。このようなマグネシウム合金板材は、温間での塑性加工性に優れると期待される。
《マグネシウム合金成形体》
上記試料No.4,103を適宜切断した板材に温間プレス加工(200℃,250℃,275℃)を施して成形体を作製した。この成形体は、縦横:100mm×100mm、深さ:50mmの断面]状の箱状体であり、隣接する側面がつくる角部において外側R:5mm、底面と側面とがつくる角部において内側R:0mmである。プレス加工は、ヒータを内蔵した金型(パンチ及びダイス)を用いて行った。具体的には、ヒータによりパンチ及びダイスを所定の温度(200℃,250℃,275℃のいずれかの温度)に加熱し、パンチとダイスとの間に各試料の板材をそれぞれ設置して、各板材が金型と同じ温度になるまで保持した後、金型を加圧して成形体を作製した。
その結果、試料No.4の板材は、200℃,250℃,275℃のいずれの加工でも割れなどが生じなかった。これに対し、試料No.103の板材は、温度が高い場合(250℃,275℃)、割れなどが生じなかったが、200℃において一部に割れが認められた。
上記試験結果から、単色光X線回折における(0004)回折ピークの半価幅が0.20deg以上0.59deg以下となるように歪みが付与されたマグネシウム合金板材は、温間塑性加工性に優れることがわかる。
(試験例2)
試験例1と組成が異なるマグネシウム合金を用意して、圧延材を作製し、この圧延材に歪み付与を行ったものについて、単色光X線回折における(0004)回折ピークの半価幅(deg)、残留応力(MPa)、低CI領域の面積比(%)、c軸配向指標値、c軸平均傾斜角度(°)、結晶粒径(μm)、ビッカース硬度(Hv)を調べた。
圧延材は、表5に示す成分のマグネシウム合金を用意し、試験例1と同様の条件で双ロール鋳造、圧延を行って作製した。得られた圧延材に焼鈍を行わず、試験例1と同様に図1に示すような付与手段を用いて、表5に示す歪み付与条件で歪み付与を行った。得られた板材について、各特性の測定は、試験例1と同様に行った。その結果を表6及び表7に示す。
表6に示すように、単色光X線回折における(0004)回折ピークの半価幅が0.20〜0.59degを満たすように歪みが付与された試料No.12〜18はいずれも、低CI領域の面積比が50%以上90%未満である。また、試料No.12〜18はいずれも、圧縮性の残留応力を有し、ビッカース硬度が比較的高く、c軸配向指標値が4.00以上、c軸平均傾斜角度が5°以下である。更に、これらの試料No.12〜18はいずれも、温間での伸びが高く、20℃での機械的特性にも優れる。従って、これらのマグネシウム合金板材は、温間での塑性加工性に優れ、構造材料に好適に利用できると期待される。
なお、上述した実施の形態は、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であり、上述した構成に限定されるものではない。例えば、試験例1においてAl含有量を変化させるなど、組成を変更することができる。
本発明マグネシウム合金成形体は、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータなどの電子機器の筐体や輸送機器の部品に好適に利用することができる。本発明マグネシウム合金板材は、上記本発明成形体の材料に好適に利用することができる。本発明マグネシウム合金板材の製造方法は、上記本発明合金板材の製造に好適に利用することができる。
10 加熱炉 11 搬送部 12 循環型熱風発生手段 12i 導入口
12o 排気口 20 ロール部 21 ロール 21u 上ロール 21d 下ロール
22 ヒータ RS 圧延板

Claims (19)

  1. マグネシウム基合金からなるマグネシウム合金板材であって、
    単色光X線回折における(0004)回折ピークの半価幅が0.20deg以上0.59deg以下であるマグネシウム合金板材。
  2. 前記マグネシウム合金板材は、この板材を構成するマグネシウム基合金のEBSD測定における信頼性指数が0.1未満である低CI領域を有しており、
    前記低CI領域が、面積比で50%以上90%未満である請求項1に記載のマグネシウム合金板材。
  3. 前記マグネシウム合金板材は、その表面に、板幅方向又は板幅方向に対して90°方向に圧縮性の残留応力が存在する請求項1又は請求項2に記載のマグネシウム合金板材。
  4. 前記マグネシウム合金板材の板幅方向に対して90°方向が圧延方向であるとき、前記マグネシウム合金板材は、その表面に、圧延方向に0MPa以上100MPa以下の圧縮性の残留応力が存在する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のマグネシウム合金板材。
  5. 前記マグネシウム合金板材の板幅方向に対して90°方向が圧延方向であるとき、前記マグネシウム合金板材は、その表面に、圧延方向に対して90°方向に0MPa以上100MPa以下の圧縮性の残留応力が存在する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のマグネシウム合金板材。
  6. 前記マグネシウム合金板材のc軸配向指標値が4.00以上である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のマグネシウム合金板材。
  7. 前記マグネシウム合金板材のc軸平均傾斜角度が5°以下である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のマグネシウム合金板材。
  8. 前記マグネシウム合金板材の任意の方向を0°とするとき、0°,45°,90°,135°のいずれの方向においても、200℃以上の温度における伸びが100%以上である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のマグネシウム合金板材。
  9. 前記マグネシウム合金板材の任意の方向を0°とするとき、0°,45°,90°,135°のいずれの方向においても、250℃以上の温度における伸びが200%以上である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のマグネシウム合金板材。
  10. 前記マグネシウム合金板材の任意の方向を0°とするとき、0°,45°,90°,135°のいずれの方向においても、275℃以上の温度における伸びが300%以上である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のマグネシウム合金板材。
  11. 前記マグネシウム合金板材のビッカース硬度(Hv)が85以上105以下である請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のマグネシウム合金板材。
  12. 前記マグネシウム合金板材の任意の方向を0°とするとき、0°,45°,90°,135°のいずれの方向においても、20℃における伸びが2.0%以上14.9%以下、20℃における引張強度が350MPa以上400MPa以下、20℃における0.2%耐力が250MPa以上350MPa以下である請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のマグネシウム合金板材。
  13. 前記マグネシウム基合金は、質量%で、アルミニウムを1.0%以上10.0%以下、亜鉛を0.1%以上1.5%以下含み、残部がマグネシウム及び不可避的不純物からなる請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載のマグネシウム合金板材。
  14. 前記マグネシウム基合金は、マグネシウムを50質量%超含有し、アルミニウム、亜鉛、マンガン、イットリウム、ジルコニウム、銅、銀、及びシリコンからなる群から選択される1種以上の元素を合計で0.01質量%以上20質量%以下含む請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載のマグネシウム合金板材。
  15. 前記マグネシウム基合金は、マグネシウムを50質量%超含有し、カルシウム及びベリリウムの少なくとも1種の元素を合計で0.00001質量%以上16質量%以下含む請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載のマグネシウム合金板材。
  16. 前記マグネシウム基合金は、マグネシウムを50質量%超含有し、ニッケル、金、プラチナ、ストロンチウム、チタン、ホウ素、ビスマス、ゲルマニウム、インジウム、テルビウム、ネオジム、ニオブ、ランタン、及び希土類元素RE(但しネオジム、テルビウム、ランタンを除く)からなる群から選択される1種以上の元素を合計で0.001質量%以上5質量%以下含む請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載のマグネシウム合金板材。
  17. 請求項1〜請求項16のいずれか1項に記載のマグネシウム合金板材に、200℃以上で塑性加工して得られたマグネシウム合金成形体。
  18. 前記塑性加工は、プレス加工である請求項17に記載のマグネシウム合金成形体。
  19. マグネシウム基合金からなる板材を製造するマグネシウム合金板材の製造方法であって、
    前記マグネシウム基合金からなる素材に圧延を施す工程と、
    前記圧延により得られた圧延材を加熱した状態で歪みを付与する工程とを具え、
    前記歪みの付与は、付与後の板材の単色光X線回折における(0004)回折ピークの半価幅が0.20deg以上0.59deg以下となるように行い、
    前記歪みを付与する工程の前後において、再結晶化を目的とする熱処理を行わないマグネシウム合金板材の製造方法。
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