JP2014021038A - 振動片、振動片の製造方法、振動子、電子デバイス、電子機器、および移動体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】振動片としてのジャイロ素子2は、基部41から、互いに反対方向に延出されている一対の第1、および第2駆動振動腕441、442と、第1、および第2駆動振動腕の少なくとも一方の先端から基部側に間隔をあけて、少なくとも一方の駆動振動腕の第1領域に設けられている第1錘部12a、12bと、第1錘部の先端と少なくとも一方の駆動振動腕の先端との間の領域である第2領域に設けられている第2錘部11a、11bと、を備え、第1領域の面積をA1、第1錘部の質量をB1、第2領域の面積をA2、第2錘部の質量をB2としたとき、B1/A1>B2/A2である。
【選択図】図2
Description
特許文献1に記載されているジャイロ素子は、基部と、基部から両側へy軸に沿って延出している第1、第2検出振動腕(検出アーム)と、基部から両側へx軸に沿って延出している第1、第2連結腕(連結アーム)と、第1連結腕から両側へy軸に沿って延出している第1、第2駆動振動腕(駆動アーム)と、第2連結腕から両側へy軸に沿って延出している第3、第4駆動振動腕(駆動アーム)とで構成されている。
そして、第1、第2、第3、第4駆動振動腕の先端部には、各駆動振動腕の先端から基部に向かって設けられた錘層が設けられている。この錘層は、各駆動振動腕の共振周波数調整(以下、周波数調整という)に用いられる質量調整膜であり、蒸着マスクを用いた蒸着法などによって形成される。周波数調整は、この錘層の少なくとも一部を、例えばレーザー光などを用いて除去することによって各駆動振動腕の共振周波数を所定の値に合せ込む。
このように、蒸着マスクの装着位置が各駆動振動腕の延出方向(y軸方向)にずれた場合は、互いに反対方向に延出されている駆動振動腕に形成される錘層の大きさや質量が異ってしまう(アンバランスになる)。即ち、互いに反対方向に延出されている各駆動振動腕に設けられている錘層の重心位置と質量が異なることになる。これにより、互いに反対方向に延出されている駆動振動腕の振動バランスが崩れ、周波数温度特性の劣化、所謂温度ドリフトを生じてしまうことがあった。
詳述すると、錘層の質量アンバランスの方が、錘層の位置のアンバランスよりも温度ドリフトへの影響度が大きく、かつ錘層の位置が振動腕の先端に近いほど温度ドリフトへの影響度が大きくなる。さらに、錘層の質量アンバランスと振動片の温度ドリフトとの相関では、負の傾きを持った相関を有し、錘層の位置アンバランスと振動片の温度ドリフトとの相関では、正の傾きを持った相関を有している。即ち、上述の構成の錘層を用いることで、錘層の質量アンバランスによる温度ドリフトと、錘層の位置アンバランスの影響による温度ドリフトとの相殺を生じさせ、これによって、温度ドリフトの発生を減少させることが可能であることを見出した。
ここで、第1錘部は振動腕の先端から間隔をあけて、振動腕の第1領域に設けられており、第2錘部は第1錘部と振動腕の先端との間の全ての領域である第2領域に設けられており、即ち第1錘部より振動腕の先端側に設けられ、第1領域の面積をA1、第1錘部の質量をB1とし、第2領域の面積をA2、第2錘部の質量をB2としたとき、B1/A1>B2/A2である。
したがって、上記構成においては、第2錘部の質量アンバランスによる振動片の温度ドリフトとの相関において小さくなった負の傾きと、第1錘部の位置アンバランスと振動片の温度ドリフトとの相関における元々小さな正の傾きとが、正負で殆んど同じ傾きを有することになる。これによって、質量アンバランスによる振動片の温度ドリフトとの相関と位置アンバランスと振動片の温度ドリフトとの相関とが相殺され、蒸着マスクの装着位置が各振動腕の延出方向にずれた場合、即ちそれぞれの振動腕に設けられた第1錘部および第2錘部の位置がずれた場合でも、振動片の温度ドリフト発生を抑えることが可能となる。
なお、本構成は、一対の振動腕の両方に適用されていてもよいが、一対の振動腕の内で、錘部がずれる方向とは反対側に位置する一方の振動腕に適用されていれば、上述の効果を生じることができる。即ち、錘部がずれる方向とは反対側に位置する一方の振動腕に本構成の錘部が適用されていればよい。
<実施形態>
まず、本発明にかかる振動片の実施形態、およびその振動片を適用した振動子の実施形態について説明する。
図2は、上側から(リッド92側)から見た振動片としてのジャイロ素子の平面図である。なお、ジャイロ素子には、検出信号電極、検出信号配線、検出信号端子、検出接地電極、検出接地配線、検出接地端子、駆動信号電極、駆動信号配線、駆動信号端子、駆動接地電極、駆動接地配線および駆動接地端子などが設けられているが、同図においては省略している。
ジャイロ素子2は、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどの圧電材料で構成することができるが、これらの中でも、水晶で構成するのが好ましい。これにより、優れた振動特性(周波数特性)を発揮することのできるジャイロ素子2が得られる。
このようなジャイロ素子2は、いわゆるダブルT型をなす振動体4と、振動体4を支持する支持部としての第1支持部51および第2支持部52と、振動体4と第1、第2支持部51、52とを連結する梁としての第1梁61、第2梁62、第3梁63および第4梁64とを有している。
また、本例では、基部41から延出している第1連結腕431、第2連結腕432から第1駆動振動腕441、第2駆動振動腕442、第3駆動振動腕443、および第4駆動振動腕444が延出している構成で説明したが、基部41と第1連結腕431と第2連結腕432とを含めて基部とすることも可能である。即ち、基部から第1駆動振動腕、第2駆動振動腕、第3駆動振動腕、および第4駆動振動腕が延出している構成も可能である。
また、第1、第2支持部51、52は、それぞれ、x軸方向に沿って延在しており、これら第1、第2支持部51、52の間に振動体4が位置している。言い換えれば、第1、第2支持部51、52は、振動体4を介してy軸方向に沿って対向するように配置されている。第1支持部51は、第1梁61、および第2梁62を介して基部41と連結されており、第2支持部52は、第3梁63、および第4梁64を介して基部41と連結されている。
第1検出振動腕421の重量部425、および第2検出振動腕422の重量部426には、第1検出振動腕421、および第2検出振動腕422の固有共振周波数を所望の周波数に合わせ込むための質量調整用の検出腕錘層14、15が設けられている。
パッケージ9は、ジャイロ素子2を収納するものである。なお、パッケージ9には、後述する電子デバイスのように、ジャイロ素子2の他に、ジャイロ素子2の駆動等を行うICチップ等が収納されていてもよい。このようなパッケージ9は、その平面視(xy平面視)にて、略矩形状をなしている。
次に、上述した第1駆動振動腕441、第2駆動振動腕442、第3駆動振動腕443、第4駆動振動腕444のそれぞれに設けられている錘部13c、13d、13a、13bについて、その構成と効果について図4〜図7を用いて詳細に説明する。なお、説明の便宜上、従来構成である図4も含めて各図とも本実施形態にかかる第3駆動振動腕443、第4駆動振動腕444を用いて説明している。また、他の第1駆動振動腕441、第2駆動振動腕442においても同様な構成であるので説明は省略している。
図4は、従来の、錘部とジャイロ素子の温度ドリフトとの関係を示しており、(A)は錘部の形態を示す部分平面図、(B)は錘部のずれ量と温度ドリフト量との相関を示すグラフである。図5は、本実施形態の、錘部とジャイロ素子の温度ドリフトとの関係を示しており、(A)は錘部の形態を示す部分平面図、(B)は錘部のずれ量と温度ドリフト量との相関を示すグラフである。図6は、本実施形態の、錘部とジャイロ素子の温度ドリフトとの関係を示しており、(A)は錘部の形態を示す部分平面図、(B)は錘部のずれ量と温度ドリフト量との相関を示すグラフである。図7は、本実施形態の、錘部とジャイロ素子の温度ドリフトとの関係を示しており、(A)は錘部の形態を示す部分平面図、(B)は錘部のずれ量と温度ドリフト量との相関を示すグラフ、(C)は錘部の形状の詳細を示す拡大平面図である。
なお、ここで、温度ドリフト量とは、温度変化に対するジャイロ素子の周波数変化量のことを言う。
先ず、図4を参照しながら、従来の錘部とジャイロ素子の温度ドリフト(以下、温度ドリフトと記載することもある。)との関係について説明する。図4(A)に示すように、第3駆動振動腕443の重量部447には、錘部21が設けられており、第4駆動振動腕444の重量部448には、錘部22が設けられている。この錘部21および錘部22は、その質量と位置が同じになるように、図中二点鎖線で示す位置L1、L3から重量部447、448のそれぞれの先端447a、448aに亘って設けられる。
本例では、−y軸方向にずれ量M1、M2(M1とM2は同量)の位置ずれを生じ、錘部21は、第3駆動振動腕443の根元側の端がL2の位置となり、錘部22は、第4駆動振動腕444の根元側の端がL4の位置となる。
従来例では、錘部21、22の質量アンバランスが大きいほど、換言すれば蒸着マスクの装着位置のy軸方向へのずれ量が大きいほど温度ドリフトが大きくなる。本例のような蒸着マスクのずれでは、錘部21が小さくなるほど錘部22が大きくなるが、逆の方向に蒸着マスクがずれれば、錘部21が徐々に大きくなり錘部22が小さくなる。このように質量アンバランスが増大することで、同図(B)に示すように、錘部21と錘部22のずれ量と温度ドリフトとの相関は、負の傾きを持った近似線W1となる。
特に、従来例の錘部21および錘部22の形状は、それぞれの重量部447、448の先端447a、448aまで達しているため、蒸着マスクの装着位置がy軸方向にずれた場合は、一方の錘部21の質量が小さくなり他方の錘部22の質量が大きくなる。このような構成では、ずれ量が直接質量の変化となって現れるため、質量アンバランスの影響を大きく受けることになり、図中の近似線W1の傾きが大きくなることになる。即ち、蒸着マスクのずれが温度ドリフトに大きな影響を与えていた。
次に、図5、および図6を参照しながら、錘部の形態1とジャイロ素子の温度ドリフト(以下、温度ドリフトと記載することもある。)との関係について説明する。図5(A)は、錘部が重量部の内でずれている状態を示す部分平面図、同図(B)は錘部のずれ量と温度ドリフト量との相関を示すグラフである。図6(A)は、一方の錘部が重量部外に外れるようにずれている状態を示す部分平面図、同図(B)は錘部のずれ量と温度ドリフト量との相関を示すグラフである。
しかしながら、錘部25、26を形成する蒸着マスクの装着位置が−y軸方向にずれ量M1、M2ずれた場合は、錘部25および錘部26が重量部447、448の内側(平面内)でずれる、換言すれば、錘部25および錘部26が、重量部447、448から外れない程度にずれて形成される。この場合、錘部25と錘部26とが、図中ハッチングで示すような位置に形成され、−y軸方向にずれ量M1、M2(M1とM2は同量)の位置ずれを生じる。錘部25は、第3駆動振動腕443の根元側の端がL1からL2の位置となり、錘部26は、第4駆動振動腕444の先端448a側の端がL3からL4の位置となる。
このように、錘部25と錘部26との形成位置が重量部447、448の内側でずれることにより、錘部25と錘部26とは、その質量バランスは変わらず、位置(重心)バランスが変わることになる。
これにより、錘部25と錘部26との形成位置が重量部447、448の内側でずれるような構成にすれば、従来例の質量のばらつきによる影響度よりも小さな温度ドリフトへの影響度とすることができる。
上述の形態では、−y軸方向に錘部25、26がずれる。錘部25は、重量部447の先端447a側にずれ、錘部26は、第4駆動振動腕444の根元側にずれている。上述したが、重量部447の先端447a側にずれた錘部25は、擬似的に質量が増えた状態となるため、上述した従来例の場合と比べると質量の変化が逆となる。したがって、同図(B)に示すように、近似線PU1の傾きが正(従来例とは逆の傾き)の傾きとなる。また、直接質量変化が起こらないため、その傾き(絶対値)も小さくすることができる。換言すれば、温度ドリフトに対する影響度を減少させることができる。
図6(A)に示すように、錘部25が重量部447の先端447aから外れた状態で形成される。この場合、錘部25と錘部26とが、本来の位置である図中二点鎖線で示す矩形状25a、26aの位置から−y軸方向にずれ量M3、M4(M3とM4は同量)の位置ずれを生じる。錘部25は、第3駆動振動腕443の根元側の端がL1からL5の位置となり、重量部447の先端447a側は重量部447から外れた位置25a’(2点鎖線で示す)となる。即ち、先端447a側の錘部25の一部は形成されず、錘部25の表面積が小さくなる。錘部26は、第4駆動振動腕444の先端448a側の端がL3からL6の位置となる。また、錘部25の重心P1は重心P5に移動し、錘部26の重心P3は重心P6に移動する。
このように、錘部25が重量部447の先端447aから外れると、従来例で説明した質量変化の質量アンバランスによる温度ドリフトへの影響が加味されることになる。同図(B)に沿って説明する。ここでは、錘部25が重量部447の先端447aから外れる場合について説明するので、同図(B)の縦軸より左側の領域で説明する。
錘部25が重量部447の内側にある場合は、上述したように正の傾きを持った近似線PU1に沿った影響を受けるが、錘部25が重量部447の外側にかかりだした所を変曲点として質量変化による質量アンバランスとの相関が加わる。換言すれば、変曲点から左側の領域、即ち錘部25が重量部447の外側にはみ出している場合では、質量変化による質量アンバランスと温度ドリフトとの相関である負の傾きを持った近似線W2と、位置(重心)バランスの変化による位置アンバランスと温度ドリフトとの相関である正の傾きを持った近似線PU1とを加算した傾きの近似線(W2+PU1)の相関となる。
次に、図7を参照しながら、錘部の形態2と温度ドリフトとの関係について説明する。図7(A)は、錘部が重量部の内でずれている状態を示す部分平面図、同図(B)は、錘部のずれ量と温度ドリフト量との相関を示すグラフであり、同図(C)は、錘部の形状の詳細を示す拡大平面図である。
錘部13aは、第3駆動振動腕443の根元側の端が、本来の位置L1からずれ量M5分ずれたL2の位置となり、錘部13bは、第4駆動振動腕444の根元側の端が、本来の位置L3からずれ量M6分ずれたL4の位置となる。
位置(重心)バランスが変わることにより、先端447a側に重心が移動した第1錘部12aは擬似的に質量が増えた状態となり、根元側に重心が移動した第1錘部12bは擬似的に質量が減った状態となっている。本形態2では、第1錘部12a、12bよりも単位面積あたりの質量が小さい第2錘部11a、11bにより、その擬似的な質量のアンバランスを相殺し、温度ドリフトへの影響度を減少させている。
形態2の錘部13bは、幅S×長さTの矩形状に形成された第1錘部12bと、幅S/3×長さ2Tの矩形状に形成された第2錘部11bを有している。
また、第1錘部12bは、錘の位置アンバランスとの相関となるが、第2錘部11bが設けられている分先端448aから離れた(間隔を持った)位置に設けられているため、錘の位置アンバランスと温度ドリフトへの影響度を、形態1よりもさらに減少させることができる。即ち、図7(B)に示す、錘の位置アンバランスと温度ドリフトへの影響度を示す近似線PU2の傾きを図6(B)に示す近似線PU1の傾きより小さくすることができる。
上述の錘部13a、13bでは、凸形状の例を示して説明したが、第2錘部の単位面積あたりの質量が第1錘部の単位面積あたりの質量より小さな構成であれば同様な効果を有することになる。図8に錘部の代表的な変形例を示し説明する。なお、図8(A)〜(E)は、変形例における錘部の形状の詳細を示す拡大平面図である。本説明では、第4駆動振動腕444に設けられている錘部13bに相当する箇所を用いて説明するが、他の錘部にも適用可能である。また、第1領域とは、第1錘部12bが設けられている全ての領域のことをいう。また、第1領域と第2領域との境界線は、錘部13bのうち、その形状、質量、材質、厚み、等が変化する境目であって、かつ第1錘部12bの先端(第4駆動振動腕444の先端側の辺)である。
(1)第1錘部と同じ厚みで形成され、第1錘部よりx軸方向の幅寸法が狭い第2錘部。
(2)図9(A)に示すように、第1錘部12nと同じ厚み及び幅で形成され、第1錘部12nより比重の軽い材質で形成された第2錘部11n(ハッチングで示す部分)。
(3)図9(B)に示すように、第1錘部12rと同じ形状で形成され、第1錘部rより厚みが薄く形成された第2錘部11r。
(4)図9(C)に示すように、第1錘部12sと同じ形状でメッシュ(網状)に形成された第2錘部11s。
次に、本発明に係るジャイロ素子の製造方法について図面を参照しながら説明する。図10は、上述した図2に示す振動片としてのジャイロ素子2の概略の製造工程を示すフローチャートである。
ここで、錘部13a、13b、13c、13dは、第1、第2、第3、第4駆動振動腕441、442、443、444の先端から間隔をあけて設けられた第1錘部12a、12b、12c、12dと、第1、第2、第3、第4駆動振動腕441、442、443、444の先端と第1錘部12a、12b、12c、12dと、の間に設けられた、第1錘部12aより単位面積あたりの質量が小さい第2錘部11a、11b、11c、11dとを含んでいる。
なお、第1錘部12a、12b、12c、12dを形成する工程と、第2錘部11a、11b、11c、11dを形成する工程とを、異なる工程で行うことも可能である。このように第1錘部12a、12b、12c、12dの形成と、第2錘部11a、11b、11c、11dの形成とを、異なる工程で行うことにより、第1錘部12a、12b、12c、12dと第2錘部11a、11b、11c、11dとの、例えば材質を変える、厚みを変える、一方を網目状にするなどに対応することができる。
検出腕錘層14、15、および錘部13a、13b、13c、13dは、例えば、金属マスクなどを介した蒸着法やスパッタリング法などにより、金(Au)などの金属層を形成し、その層の厚さは、電極膜よりも厚く形成する。
振動腕周波数調整は、それぞれの第1、第2、第3、第4駆動振動腕441、442、443、444の固有共振周波数を変化させ、それぞれの第1、第2、第3、第4駆動振動腕441、442、443、444の固有共振周波数を一致させるように合わせ込む。この振動腕周波数調整(質量調整)は、例えば、集束されたレーザー光を照射することによって、第1、第2、第3、第4駆動振動腕441、442、443、444に形成された錘部13a、13b、13c、13dと電極とを溶融、蒸発させ、少なくとも一部を除去することによって行う。また、錘部13a、13b、13c、13dの質量を付加することもある。
振動腕周波数調整は、大まかに固有共振周波数を合わせ込む、所謂、粗調整と、微細な質量の合わせ込みによって固有共振周波数を合わせ込む、所謂、微調整と、によって行う。
また、振動腕周波数調整は、錘部13a、13b、13c、13dを構成する第1錘部12a、12b、12c、12d、および第2錘部11a、11b、11c、11dの少なくとも一方を除去することで行うことができる。また、錘部13a、13b、13c、13dを構成する第1錘部12a、12b、12c、12d、および第2錘部11a、11b、11c、11dの少なくとも一方の質量を付加することもある。
次に、上述のジャイロ素子2を用いた電子デバイスの一例としてのジャイロセンサーについて、図11を用いて説明する。図11はジャイロセンサーの概略を示す正断面図である。
ジャイロ素子2は、収容器81に形成された支持台82に、ジャイロ素子2の支持部51、52が導電性接着剤などの固定部材83を介して接着支持されている。また、支持台82表面には配線(図示せず)が形成され、ジャイロ素子2の電極と配線間の導通が固定部材83を介してなされている。この固定部材83は、弾性のある材料であることが望ましい。弾性を有する固定部材83としてはシリコーンを基材とする導電性接着剤などが知られている。そして、収容器81内を真空雰囲気に保持し、収容器81の上部の開口が蓋体86にて封止されている。
次いで、本発明の一実施形態に係る振動片としてのジャイロ素子2、振動片としてのジャイロ素子2を用いた振動子1、あるいは電子デバイスとしてのジャイロセンサー80を適用した電子機器について、図12〜図14に基づき、詳細に説明する。なお、説明では、振動片としてのジャイロ素子2を用いた振動子1を用いた例を示している。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部100が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部100は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部100に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このデジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなデジタルスチールカメラ1300には、角速度センサー等として機能するジャイロ素子2を用いた振動子1が内蔵されている。
図15は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車106には本発明に係るジャイロ素子2を用いた振動子1が搭載されている。例えば、同図に示すように、移動体としての自動車106には、ジャイロ素子2を用いた振動子1を内蔵してタイヤ109などを制御する電子制御ユニット108が車体107に搭載されている。また、振動子1は、他にもキーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
錘部13aは、第3駆動振動腕443の根元側の端が、本来の位置L1からずれ量M5分ずれたL2の位置となり、錘部13bは、第4駆動振動腕444の根元側の端が、本来の位置L3からずれ量M6分ずれたL4の位置となる。
(1)第1錘部と同じ厚みで形成され、第1錘部よりx軸方向の幅寸法が狭い第2錘部。
(2)図9(A)に示すように、第1錘部12nと同じ厚み及び幅で形成され、第1錘部12nより比重の軽い材質で形成された第2錘部11n(ハッチングで示す部分)。
(3)図9(B)に示すように、第1錘部12rと同じ形状で形成され、第1錘部12rより厚みが薄く形成された第2錘部11r。
(4)図9(C)に示すように、第1錘部12sと同じ形状でメッシュ(網状)に形成された第2錘部11s。
ここで、錘部13a、13b、13c、13dは、第1、第2、第3、第4駆動振動腕441、442、443、444の先端から間隔をあけて設けられた第1錘部12a、12b、12c、12dと、第1、第2、第3、第4駆動振動腕441、442、443、444の先端と第1錘部12a、12b、12c、12dと、の間に設けられた、第1錘部12a、12b、12c、12dより単位面積あたりの質量が小さい第2錘部11a、11b、11c、11dとを含んでいる。
なお、第1錘部12a、12b、12c、12dを形成する工程と、第2錘部11a、11b、11c、11dを形成する工程とを、異なる工程で行うことも可能である。このように第1錘部12a、12b、12c、12dの形成と、第2錘部11a、11b、11c、11dの形成とを、異なる工程で行うことにより、第1錘部12a、12b、12c、12dと第2錘部11a、11b、11c、11dとの、例えば材質を変える、厚みを変える、一方を網目状にするなどに対応することができる。
検出腕錘層14、15、および錘部13a、13b、13c、13dは、例えば、金属マスクなどを介した蒸着法やスパッタリング法などにより、金(Au)などの金属層を形成し、その層の厚さは、電極膜よりも厚く形成する。
Claims (13)
- 基部と、
前記基部から、互いに反対方向に延出されている一対の振動腕と、
少なくとも一方の前記振動腕の先端から前記基部側に間隔をあけて、前記少なくとも一方の前記振動腕に設けられている第1錘部と、
前記第1錘部の先端と前記少なくとも一方の前記振動腕の先端との間の領域に設けられている第2錘部と、を備え、
前記第1錘部が設けられている領域を第1領域、前記第1錘部の先端と前記少なくとも一方の前記振動腕の先端との間の領域を第2領域とし、
前記第1領域の面積をA1、前記第1錘部の質量をB1とし、
前記第2領域の面積をA2、前記第2錘部の質量をB2としたとき、
B1/A1>B2/A2である、
ことを特徴とする振動片。 - 請求項1に記載の振動片において、
前記第2錘部は、前記少なくとも一方の前記振動腕の延出方向と直交する方向の幅が、前記第1錘部の前記幅よりも小さいことを特徴とする振動片。 - 請求項1または請求項2に記載の振動片において、
前記第2錘部は、前記少なくとも一方の前記振動腕の延出方向と直交する方向の、前記少なくとも一方の前記振動腕の略中央部に設けられていることを特徴とする振動片。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の振動片において、
前記第2錘部は、複数の第3錘部から構成されていることを特徴とする振動片。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の振動片において、
前記第1錘部は、前記少なくとも一方の前記振動腕の延出方向に沿った前記少なくとも一方の前記振動腕の側端との間に間隔をあけて設けられていることを特徴とする振動片。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の振動片において、
前記少なくとも一方の前記振動腕は、平面視で前記少なくとも一方の前記振動腕の延出方向と直交する方向の前記少なくとも一方の前記振動腕の一部の幅が、前記少なくとも一方の前記振動腕の延出方向と直交する方向の前記少なくとも一方の前記振動腕の他部の幅よりも広く形成された幅広部を備え、
前記第1錘部、および前記第2錘部は、前記幅広部に設けられていることを特徴とする振動片。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の振動片において、
前記基部から、互いに反対方向に延出されている一対の検出用振動腕が設けられていることを特徴とする振動片。 - 基部と、前記基部から、互いに反対方向に延出されている一対の振動腕と、を含む外形形状を形成する工程と、
少なくとも一方の前記振動腕の先端から前記基部側に間隔をあけて、前記少なくとも一方の前記振動腕に第1錘部と、前記第1錘部の先端と前記少なくとも一方の前記振動腕の先端との間の領域に第2錘部と、を形成する工程と、
前記第1錘部および前記第2錘部の少なくとも一方の、少なくとも一部を除去する、または、前記第1錘部および前記第2錘部の少なくとも一方の質量を付加して前記振動腕の共振周波数を調整する工程と、
を備え、
前記第1錘部が設けられている領域を第1領域、前記第1錘部の先端と前記少なくとも一方の前記振動腕の先端との間の領域を第2領域とし、
前記第1領域の面積をA1、前記第1錘部の質量をB1とし、
前記第2領域の面積をA2、前記第2錘部の質量をB2としたとき、
B1/A1>B2/A2で形成する、
ことを特徴とする振動片の製造方法。 - 請求項8に記載の振動片の製造方法において、
前記第1錘部と前記第2錘部とを形成する工程は、
少なくとも一方の前記振動腕の先端から前記基部側に間隔をあけて、前記少なくとも一方の前記振動腕に第1錘部を形成する工程と、
前記第1錘部の先端と前記少なくとも一方の前記振動腕の先端との間の領域に第2錘部を形成する工程と、
を備えていることを特徴とする振動片の製造方法。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の振動片と、
前記振動片が収納されているパッケージと、を備えていることを特徴とする振動子。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の振動片と、
少なくとも前記振動片を駆動させる機能を有している回路素子と、を備えていることを特徴とする電子デバイス。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の振動片を備えていることを特徴とする電子機器。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の振動片を備えていることを特徴とする移動体。
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