JP2016061710A - 振動素子、ジャイロ素子、電子デバイス、電子機器、および移動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】振動する腕部に複数の貫通孔が設けられた低インピーダンスの振動素子やジャイロ素子を提供する。【解決手段】振動素子1は、基部10から面内方向に延出される腕部としての駆動腕20,30を備え、駆動腕20,30は、面内方向と交差する方向に貫通し、駆動腕20,30の延出方向に並ぶ複数の貫通孔28,38を有し、駆動腕20,30の振動方向の幅寸法W1に対し、振動方向に位置する貫通孔28,38の内側面28a,38aと該内側面28a,38a側に位置する駆動腕20,30の側面21,22,31,32との間の幅寸法t1,t2が、20%以上45%以下である。【選択図】図1
Description
本発明は、振動素子、ジャイロ素子、電子デバイス、電子機器、および移動体に関する。
従来、振動素子やジャイロセンサー素子は、携帯電話やデジタルカメラなどの電子機器、および自動車などの移動体に使用されている。これらの電子機器や移動体の高性能化の要求に伴い、振動素子やジャイロセンサー素子にも、低インピーダンス化や検出感度の向上が求められている。例えば、特許文献1には、基部から延びる一対の腕部に、その長手方向に沿って複数の貫通孔を設け、その貫通孔の内側面にも励振電極を設けることによって電界効率を高められ、音叉型水晶振動片のインピーダンス(CI値、直列等価抵抗)を低く抑えられることが開示されている。
しかしながら、上述のような腕部に複数の貫通孔が設けられた音叉型水晶振動片では、貫通孔の形状(大きさ)や加工ばらつきによってインピーダンス(CI値、直列等価抵抗)が変化し、所望の低インピーダンス(CI値、直列等価抵抗)の実現が困難であった。本願発明者は、貫通孔の内壁と腕部の側面との間の距離(寸法)によってインピーダンス(CI値、直列等価抵抗)が変化することに着目し、所望の低インピーダンス(CI値、直列等価抵抗)を容易に実現する手段を見出した。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る振動素子は、基部と、前記基部から延出され、面内方向に沿って振動する腕部と、を備え、前記腕部は、前記面内方向と交差する方向に貫通し、前記腕部の延出方向に並ぶ複数の貫通孔を有し、前記腕部の振動方向の幅寸法に対し、前記振動方向に位置する前記貫通孔の内側面と前記内側面側に位置する前記腕部の側面との間の幅寸法が、20%以上45%以下であることを特徴とする。
本適用例によれば、腕部の振動方向の幅寸法(腕部の両側面間の距離)に対し、振動方向に位置する貫通孔の内側面と、その内側面側に位置する腕部の側面との間の幅寸法(距離)を、20%以上45%以下とする。なお、腕部の振動方向の幅寸法は、腕幅と言い換えることができ、貫通孔の内側面と、その内側面に位置する腕部の側面との間の幅寸法(距離)は、壁厚と言い換えることができる。また、以下の記載では、「内側面側に位置する腕部の側面」のことを、「内側面に対向する腕部の側面」と表現することもある。
このような、腕部の振動方向の幅寸法と、貫通孔が設けられることによって形成された壁部の幅寸法との比率で腕部を構成することにより、熱弾性損失の影響と腕部の振動振幅による等価直列抵抗への影響とのバランスを適正化することができる。この適正化により、振動素子のインピーダンス(CI値、等価直列抵抗)を、低く抑えることが可能となる。
ここで、腕部の振動方向に位置する貫通孔の内側面と、その内側面側に位置する腕部の側面と、の間の幅寸法(距離)は、貫通孔が設けられることによって形成された壁部の幅寸法と言い換えることができる。また、ここでいう幅寸法とは、面内方向に直交する方向から振動素子を見た平面視で、腕部の表裏面のいずれかの面に沿った平面上で計測された距離(寸法)をいう。
このような、腕部の振動方向の幅寸法と、貫通孔が設けられることによって形成された壁部の幅寸法との比率で腕部を構成することにより、熱弾性損失の影響と腕部の振動振幅による等価直列抵抗への影響とのバランスを適正化することができる。この適正化により、振動素子のインピーダンス(CI値、等価直列抵抗)を、低く抑えることが可能となる。
ここで、腕部の振動方向に位置する貫通孔の内側面と、その内側面側に位置する腕部の側面と、の間の幅寸法(距離)は、貫通孔が設けられることによって形成された壁部の幅寸法と言い換えることができる。また、ここでいう幅寸法とは、面内方向に直交する方向から振動素子を見た平面視で、腕部の表裏面のいずれかの面に沿った平面上で計測された距離(寸法)をいう。
[適用例2]上記適用例に記載の振動素子において、前記腕部の前記振動方向の幅寸法に対し、前記振動方向に位置する前記貫通孔の内側面と前記内側面側に位置する前記腕部の側面との間の幅寸法が、25%以上45%以下であることが好ましい。
本適用例によれば、振動素子のインピーダンス(CI値、等価直列抵抗)を、さらに低く抑えることが可能となる。
[適用例3]上記適用例に記載の振動素子において、前記腕部の前記幅寸法は、50μm以上100μm以下であることが好ましい。
本適用例によれば、腕部の幅寸法をこの範囲内に設定することにより、小型の振動素子を提供することできる。
[適用例4]上記適用例に記載の振動素子において、前記貫通孔は、前記腕部の平面視にて、四辺形の少なくとも一つの角部が丸められた形状であることが好ましい。
本適用例によれば、貫通孔の平面視における形状を四辺形とすることにより、貫通孔の内側面と内側面と対向する腕部の外側面との間の幅寸法を有している部分(壁部)を、確実に設けることができる。
また、四辺形の少なくとも一つの角部が丸められた形状とすることにより、駆動腕に、駆動腕の延出方向に伸長させた貫通孔を容易に形成させることが可能となる。
なお、上述の「四辺形の少なくとも一つの角部が丸められた形状」とは、駆動腕を平面視したとき、駆動腕の表面あるいは裏面のいずれかの面に沿った平面上の形状が、少なくともこのような形状であることを意味している。
また、四辺形の少なくとも一つの角部が丸められた形状とすることにより、駆動腕に、駆動腕の延出方向に伸長させた貫通孔を容易に形成させることが可能となる。
なお、上述の「四辺形の少なくとも一つの角部が丸められた形状」とは、駆動腕を平面視したとき、駆動腕の表面あるいは裏面のいずれかの面に沿った平面上の形状が、少なくともこのような形状であることを意味している。
[適用例5]本適用例に係るジャイロ素子は、基部と、上記適用例のいずれか一例に記載の振動素子の前記腕部から構成され、前記基部から延出している駆動腕と、前記基部から延出している検出腕と、を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、ジャイロ素子は、貫通孔が設けられた低インピーダンスの駆動腕を備えている。また、貫通孔により駆動腕の剛性を低下させることができ、これにより、励振振幅を大きくすることができるため、角速度が生じた際のコリオリ力が大きくなる。したがって、角速度の検出感度を高くすることができる、換言すれば、高精度で角速度を検出することが可能なジャイロ素子を実現することができる。
[適用例6]上記適用例に記載のジャイロ素子において、前記駆動腕と前記検出腕とは、前記基部を介して互いに反対方向に延出されていることが好ましい。
本適用例によれば、駆動腕と検出腕とが、基部を介して互いに反対方向に延出されていることにより、検出腕は、面外方向の振動を検出することができる。また、貫通孔により剛性を低下させた駆動腕を備えているため、励振振幅を大きくすることができるため、角速度が生じた際のコリオリ力が大きくなる。したがって、角速度の検出感度を高くすることができる、換言すれば、高精度で角速度を検出することが可能なジャイロ素子を実現することができる。
[適用例7]上記適用例に記載のジャイロ素子において、前記検出腕には、前記検出腕の平面視にて、貫通孔が設けられていることが好ましい。
本適用例によれば、ジャイロ素子の検出腕には、検出腕の剛性を下げるための貫通孔が設けられている。したがって、検出感度を向上させることができるとともに、小型で生産効率を高くすることが可能なジャイロ素子を提供することができる。
[適用例8]上記適用例に記載のジャイロ素子において、前記駆動腕および前記検出腕のそれぞれは、少なくとも一対が設けられ、前記駆動腕のそれぞれは、前記基部を介して互いに反対方向に延出され、前記検出腕のそれぞれは、前記基部を介して互いに反対方向に、前記駆動腕に沿って延出されていることが好ましい。
本適用例によれば、検出腕は、面内方向の振動を検出することができる。また、貫通孔により剛性を低下させた駆動腕を備えているため、励振振幅を大きくすることができるため、角速度が生じた際のコリオリ力が大きくなる。したがって、角速度の検出感度を高くすることができる、換言すれば、高精度で角速度を検出することが可能なジャイロ素子を実現することができる。
[適用例9]本適用例に係る電子デバイスは、上記適用例のいずれか一例に記載の振動素子、または上記適用例のいずれか一例に記載のジャイロ素子を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、小型で低インピーダンスの振動素子またはジャイロ素子を備えている。したがって、小型で、駆動腕の振動(駆動)効率を向上させた電子デバイスを提供することができる。
[適用例10]本適用例に係る電子機器は、上記適用例のいずれか一例に記載の振動素子、または上記適用例のいずれか一例に記載のジャイロ素子を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、小型で低インピーダンスの振動素子またはジャイロ素子を備えている。したがって、小型で、駆動腕の振動(駆動)効率を向上させた電子機器を提供することができる。
[適用例11]本適用例に係る移動体は、上記適用例のいずれか一例に記載の振動素子、または上記適用例のいずれか一例に記載のジャイロ素子を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、小型で低インピーダンスの振動素子またはジャイロ素子を備えている。したがって、小型で、駆動腕の振動(駆動)効率を向上させた移動体を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせている。また、図1、図3、図5、図6、図8、図9、図10、および図11では、説明の便宜上、互いに直交する3軸として、X軸、Y軸およびZ軸を図示しており、その図示した矢印の先端側を「+側」、基端側を「−側」としている。また、以下の説明では、X軸に平行な方向を「X軸方向」と言い、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」と言い、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」と言う。
(実施形態1)
<振動素子>
まず、実施形態1に係る振動素子の概略構成について、図1を用いて説明する。図1(a)は、実施形態1に係る振動素子の概略構成を模式的に示す平面図である。図1(b)は、図1(a)におけるA−A線での断面図である。なお、図1(a)においては、説明の便宜上、駆動電極を省略している。
<振動素子>
まず、実施形態1に係る振動素子の概略構成について、図1を用いて説明する。図1(a)は、実施形態1に係る振動素子の概略構成を模式的に示す平面図である。図1(b)は、図1(a)におけるA−A線での断面図である。なお、図1(a)においては、説明の便宜上、駆動電極を省略している。
図1に示すように、振動素子1は、基部10と、基部10から+Y軸方向に延出している一対の腕部としての駆動腕20,30を備えている。基部10は、括れ部12を介して配置された幅狭部11と幅広部13とを備えた平板状をなしている。なお、基部10は、括れ部12が設けられない形状、すなわち略矩形平板状であってもよい。腕部としての駆動腕20,30は、基部10における幅狭部11の+Y側の一端から、Y軸方向に互いに略平行に延びる一対の角柱状の振動体である。振動素子1を構成する基部10と駆動腕20,30は、一体で形成され、水晶が基材として用いられている。なお、本実施形態1の振動素子1は、フォトリソグラフィー法及びフッ素系ガスなどによるドライエッチング法で形成されている。
水晶は、電気軸と呼ばれるX軸、機械軸と呼ばれるY軸および光学軸と呼ばれるZ軸を有している。振動素子1をなす基材は、水晶結晶軸において直交するX軸およびY軸で規定される平面に沿って切り出されて平板状に加工され、平面と直交するZ軸方向に所定の厚みを有している。Z軸は、X軸を中心に0度から2度の範囲で回転して切り出したものを使用することができる。所定の厚みは、振動周波数、外形サイズ、加工性などにより適宜設定される。
腕部としての駆動腕20は、X軸およびY軸で規定される平面の面内方向の内、X軸方向に沿って振動する。駆動腕20は、振動方向であるX軸方向の幅寸法(駆動腕20の一方の側面21と他方の側面22との間の距離)である腕幅W1を有して設けられている。駆動腕20には、X軸方向の幅寸法s1およびY軸方向の長さ寸法s2でZ軸方向に開口している複数の貫通孔28が設けられている。なお、本形態では、三つの貫通孔28が、駆動腕20の延出方向であるY軸方向に並び配置された例を示している。
貫通孔28は、アール面取り形状に丸めた四隅の角部27を備えた四辺形(角丸長方形)をなしている。貫通孔28における四辺形は、Y軸方向に長辺を有し、X軸方向に短辺を有した長方形であるが、正方形であってもよい。また、貫通孔28は、長辺を半円状に結んだトラック状であってもよい。この貫通孔28により、振動方向(X軸方向)に位置する貫通孔28の内側面28aと、内側面28a側に位置する駆動腕20の一方の側面21との間の幅寸法(壁厚)t1を有する壁部25が形成される。また、振動方向(X軸方向)に位置する貫通孔28の内側面28aと、内側面28a側に位置する駆動腕20の他方の側面22との間の幅寸法(壁厚)t2を有する壁部26が形成される。なお、以下、本明細書中の記載では、「内側面28a側に位置する腕部20の側面」のことを、「内側面28aに対向する腕部20の側面」と表現することもある。
なお、上述の幅寸法(壁厚)t1,t2とは、XY面内方向に直交する方向(Z軸方向)から振動素子1を見た平面視で、駆動腕20の表面23あるいは裏面24のいずれかの面に沿った平面上で計測された距離(寸法)である。
また、上述の「アール面取り形状に丸めた四隅の角部27を備えた四辺形(角丸長方形)」とは、XY面内方向に直交する方向(Z軸方向)から振動素子1を見た平面視で、駆動腕20の表面23あるいは裏面24のいずれかの面に沿った平面上の形状が、少なくともこのような形状であることを意味している。
また、上述の「アール面取り形状に丸めた四隅の角部27を備えた四辺形(角丸長方形)」とは、XY面内方向に直交する方向(Z軸方向)から振動素子1を見た平面視で、駆動腕20の表面23あるいは裏面24のいずれかの面に沿った平面上の形状が、少なくともこのような形状であることを意味している。
このように、貫通孔28の平面視における形状を四辺形とすることにより、壁部25,26を確実に設けることができる。また、四辺形の少なくとも一つの角部27を丸められた形状(アール面取り形状)とすることにより、駆動腕20の剛性が向上する。換言すると、角部27を丸めることにより、駆動腕20に貫通孔28を容易に形成させることが可能となる。
腕部としての駆動腕30は、X軸およびY軸で規定される平面の面内方向の内、X軸方向に沿って振動する。駆動腕30は、振動方向であるX軸方向の幅寸法(駆動腕30の一方の側面31と他方の側面32との間の距離)である腕幅W1を有して設けられている。駆動腕30には、X軸方向の幅寸法s1およびY軸方向の長さ寸法s2でZ軸方向に開口している複数の貫通孔38が設けられている。なお、本形態では、三つの貫通孔38が、駆動腕30の延出方向であるY軸方向に並び配置された例を示している。
貫通孔38は、アール面取り形状に丸めた四隅の角部37を備えた四辺形(角丸長方形)をなしている。貫通孔38における四辺形は、Y軸方向に長辺を有し、X軸方向に短辺を有した長方形であるが、正方形であってもよい。また、貫通孔38は、長辺を半円状に結んだトラック状であってもよい。この貫通孔38により、振動方向(X軸方向)に位置する貫通孔38の内側面38aと、内側面38a側に位置する駆動腕30の一方の側面31との間の幅寸法(壁厚)t1を有する壁部35が形成される。また、振動方向(X軸方向)に位置する貫通孔38の内側面38aと、内側面38a側に位置する駆動腕30の他方の側面32との間の幅寸法(壁厚)t2を有する壁部36が形成される。なお、以下、本明細書中の記載では、「内側面38a側に位置する腕部30の側面」のことを、「内側面38aに対向する腕部30の側面」と表現することもある。
なお、上述の壁部35,36における幅寸法(壁厚)t1,t2とは、XY面内方向に直交する方向(Z軸方向)から振動素子1を見た平面視で、駆動腕30の表面33あるいは裏面34のいずれかの面に沿った平面上で計測された距離(寸法)である。
また、上述の「アール面取り形状に丸めた四隅の角部37を備えた四辺形(角丸長方形)」とは、XY面内方向に直交する方向(Z軸方向)から振動素子1を見た平面視で、駆動腕30の表面33あるいは裏面34のいずれかの面に沿った平面上の形状が、少なくともこのような形状であることを意味している。以下、貫通孔の形状についての記載は、同様に、表面あるいは裏面のいずれかの面に沿った平面上の形状が、少なくともこのような形状であることを意味することとする。
また、上述の「アール面取り形状に丸めた四隅の角部37を備えた四辺形(角丸長方形)」とは、XY面内方向に直交する方向(Z軸方向)から振動素子1を見た平面視で、駆動腕30の表面33あるいは裏面34のいずれかの面に沿った平面上の形状が、少なくともこのような形状であることを意味している。以下、貫通孔の形状についての記載は、同様に、表面あるいは裏面のいずれかの面に沿った平面上の形状が、少なくともこのような形状であることを意味することとする。
このように、貫通孔38の平面視における形状を四辺形とすることにより、壁部35,36を確実に設けることができる。また、四辺形の少なくとも一つの角部37を丸められた形状(アール面取り形状)とすることにより、駆動腕30の剛性が向上する。換言すると、角部37を丸めることにより、駆動腕30に貫通孔38を容易に形成させることが可能となる。
ここで、駆動腕20,30の幅寸法W1と、貫通孔28,38が設けられている壁部25,35の幅寸法(壁厚)t1および壁部26,36の幅寸法(壁厚)t2とは、駆動腕20,30の幅寸法W1に対し、壁部25,35の幅寸法(壁厚)t1および壁部26,36の幅寸法(壁厚)t2のそれぞれが、20%以上45%以下であることが好ましい。本実施形態1の振動素子1では、駆動腕20,30の幅寸法W1を90μmに設定し、壁部25,35の幅寸法(壁厚)t1および壁部26,36の幅寸法(壁厚)t2のそれぞれを27μmに設定した。したがって、この場合の寸法比は、壁部25,35の幅寸法(壁厚)t1/駆動腕20,30の幅寸法W1=27/90=0.30(30.0%)となる。同様に、壁部26,36の幅寸法(壁厚)t2/駆動腕20,30の幅寸法W1=27/90=0.30(30.0%)となる。
このように、20%以上45%以下の寸法比で、駆動腕20,30および貫通孔28,38を設けることにより、熱弾性損失の影響と駆動腕20,30の振動振幅による等価直列抵抗への影響とのバランスを適正化することができる。この適正化により、振動素子1のインピーダンス(CI値、等価直列抵抗)を、低く抑えることが可能となる。
ここで、図2を参照しながら熱弾性損失、および熱弾性損失と貫通孔28,38による壁部25,26,35,36の幅寸法(壁厚)t1,t2との関係について説明する。
屈曲振動する振動体(駆動腕20,30)においては、振動体が一方に屈曲すると、振動方向に沿った振動体の一方側(以下、圧縮側)に圧縮の応力が発生し、反対側(以下、引っ張り側)に引っ張りの応力が発生する。この応力により、振動体の圧縮側は高温部、引っ張り側は低温部となり、温度の傾斜が発生する。
屈曲振動する振動体(駆動腕20,30)においては、振動体が一方に屈曲すると、振動方向に沿った振動体の一方側(以下、圧縮側)に圧縮の応力が発生し、反対側(以下、引っ張り側)に引っ張りの応力が発生する。この応力により、振動体の圧縮側は高温部、引っ張り側は低温部となり、温度の傾斜が発生する。
圧縮側に発生した熱量は、反対側の低温部側に向かって移動(熱移動)し、この熱移動によって高温部と低温部の熱量が相殺されて振動体の温度が均一化されることになる。続いて、振動体が逆方向の他方に屈曲すると、振動体が一方に屈曲した場合と、圧縮側と引っ張り側が逆側となり、高温部と低温部も逆になる。しかしながら、前述したように振動体が一方に屈曲した場合の熱移動が発生していることにより、逆方向の熱移動が生じ難くなり、高温部と低温部の熱量を相殺することができなくなる。つまり、熱移動による高温部と低温部の熱量の相殺が起こり難くなるため、振動体の熱量が蓄えられ、振動体全体の温度が上がることになる。蓄えられた振動体の熱量は、振動体の外部に流出しようとする現象となり、この振動体の熱量が外部に流出する現象による振動の損失現象を、熱弾性損失という。
この熱弾性損失は、屈曲応力(圧縮応力、および引っ張り応力)により発生した熱量が、振動体の内部で移動する周波数(熱移動の周波数)と、振動体の振動周波数とが近いほど大きくなる。熱移動の周波数は、振動体の材料の物性と振動体の振動方向の幅寸法とによって決定される。
図2は、熱弾性損失を説明するためのグラフであり、図2(a)は振動体の幅寸法と振動体の振動周波数および熱移動の周波数との相関を示すグラフであり、図2(b)は振動体の幅寸法と熱弾性損失との関係を示すグラフである。この図2(a)によれば、振動体の幅寸法が小さくなる(振動体が細くなる)ことで、熱移動の周波数が駆動周波数に近づくことを示しており、振動体の幅寸法が小さい(振動体が細い)ほど、熱弾性損失が大きくなることを意味している。
本実施形態1における振動素子1における振動体としての駆動腕20,30に貫通孔28,38が設けられた構造では、駆動腕20,30が、例えば駆動腕20,30が離れる方向に屈曲した際に、貫通孔の両側に設けられている一方の壁部25,36には圧縮応力、他方の壁部26,35には引っ張り応力が発生する。
この場合、それぞれの壁部(一方の壁部25,36および他方の壁部26,35)においても、圧縮応力および引っ張り応力の応力差が発生する。実施形態1の壁部25,26で説明すると、屈曲方向側の壁部25の外側面(側面21)側では比較的圧縮応力が強く、壁部25の内側面28a側では比較的圧縮応力が弱い、また、屈曲方向と反対側の壁部26の外側面(側面22)側では比較的引っ張り応力が強く、壁部26の内側面28a側では比較的引っ張り応力が弱くなる。このように、それぞれの壁部25,26,35,36において圧縮応力および引っ張り応力の強さに差が発生する。なお、前述した壁部25,26,35,36の応力差は、貫通孔28,38が形成されていない部位の応力差(腕部の幅方向の応力差)と比し、比較的小さな応力差となる。
そして、それぞれの壁部25,26,35,36において発生する応力差により、それぞれの壁部25,26,35,36において温度の傾斜が発生することになり、壁部25,26,35,36の内部での熱移動が発生する。ここで、貫通孔28,38が設けられている部位における壁部25,26,35,36の幅寸法(壁幅)t1,t2は、駆動腕20,30の幅寸法(腕幅)W1に対して薄い構造であるため、貫通孔28,38が設けられていない部位よりも、熱移動の周波数が高くなり、図2(a)に示すように、熱移動の周波数が振動周波数に近づくことになる。つまり、壁部25,26,35,36の内部における熱弾性損失は、壁部25,26,35,36の幅寸法(壁幅)t1,t2によって大きな影響を受けることになる。
したがって、貫通孔28,38を設けた構造を用いて、低インピーダンスの駆動腕(振動体)20,30を得るためには、駆動腕(振動体)20,30の振動の損失(Q値)と振動振幅(励振振幅)とのバランスを取ることが必要となる。換言すると、駆動腕(振動体)20,30の振動の損失(Q値)と振動振幅(励振振幅)とのバランスを取って、駆動腕20,30の幅寸法(腕幅)W1と、貫通孔28,38が設けられている部位における壁部25,26,35,36の幅寸法(壁幅)t1,t2とを設定することが必要となる。
上述により、駆動腕20,30の幅寸法W1に対し、壁部25,35の幅寸法(壁厚)t1および壁部26,36の幅寸法(壁厚)t2のそれぞれが、20%以上45%以下となるように、駆動腕20,30および貫通孔28,38を設けることで、熱弾性損失の影響と駆動腕20,30の振動振幅による等価直列抵抗への影響とのバランスを適正化することができる。この適正化により、振動素子1のインピーダンス(CI値、等価直列抵抗)を、低く抑えることが可能となる。
図1(b)に戻り、振動素子1の駆動電極について説明する。
図1(b)に示すように、駆動腕20のX軸方向の二つの側面21,22には、第1駆動電極42が形成されている。駆動腕20に設けられている貫通孔28のX軸方向の二つの内側面28aには、第2駆動電極44が形成されている。また、駆動腕30のX軸方向の二つの側面31,32には、第2駆動電極44が形成されている。駆動腕30に設けられている貫通孔38のX軸方向の二つの内側面38aには、第1駆動電極42が形成されている。
図1(b)に示すように、駆動腕20のX軸方向の二つの側面21,22には、第1駆動電極42が形成されている。駆動腕20に設けられている貫通孔28のX軸方向の二つの内側面28aには、第2駆動電極44が形成されている。また、駆動腕30のX軸方向の二つの側面31,32には、第2駆動電極44が形成されている。駆動腕30に設けられている貫通孔38のX軸方向の二つの内側面38aには、第1駆動電極42が形成されている。
第1駆動電極42と第2駆動電極44とに、交流電圧を印加すると、振動素子1は、駆動腕20と駆動腕30とが、面内方向(XY平面方向)に沿って互いに逆方向へ変位する屈曲運動を繰り返し、所定の周波数で屈曲振動する。
上述のように、駆動腕20,30に貫通孔28,38を設けることにより、貫通孔28,38の内側面と、駆動腕20,30の外側面に第1駆動電極42または第2駆動電極44を配置することができる。これにより、第1駆動電極42と第2駆動電極44との間で電界を効果的に発生させることができるので、インピーダンスの低い振動素子1が得られる。
なお、水晶で構成された振動素子1は、その外形製造過程におけるエッチング異方性などにより、側面や内側面に、図1(b)に示すような斜面などが形成されることがあるが、効果に変わりはない。
なお、水晶で構成された振動素子1は、その外形製造過程におけるエッチング異方性などにより、側面や内側面に、図1(b)に示すような斜面などが形成されることがあるが、効果に変わりはない。
第1駆動電極42、第2駆動電極44の構成としては、特に限定されず、金(Au)、金合金、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金、クロム(Cr)、クロム合金、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)等の金属材料、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電材料により形成することができる。
なお、駆動腕20および駆動腕30の腕幅W1は、50μm以上100μm以下とすることがさらに好ましい。このような腕幅W1とすることにより、貫通孔28,38によって形成される、壁部25,35の幅寸法(壁厚)t1および壁部26,36の幅寸法(壁厚)t2との相関によって生じる熱弾性損失の影響と腕部の振動振幅による等価直列抵抗への影響とのバランスを適正化することができ、結果的に小型の振動素子1とすることができる。
実施形態1に係る振動素子1によれば、熱弾性損失の影響と、駆動腕20,30の振動振幅による等価直列抵抗への影響とのバランスを適正化することができる。この適正化により、振動素子1のインピーダンス(CI値、等価直列抵抗)を低く抑えることが可能となる。したがって、小型で生産効率が高く、低インピーダンスの振動素子1を提供することができる。
(実施形態2)
<ジャイロ素子−1>
次に、図3を参照して、実施形態2に係るジャイロ素子について説明する。
図3は、実施形態2に係るジャイロ素子の概略構成を模式的に示し、図3(a)は平面図であり、図3(b)は図3(a)のB−B断面図である。
<ジャイロ素子−1>
次に、図3を参照して、実施形態2に係るジャイロ素子について説明する。
図3は、実施形態2に係るジャイロ素子の概略構成を模式的に示し、図3(a)は平面図であり、図3(b)は図3(a)のB−B断面図である。
まず、実施形態2に係るジャイロ素子の概略構成について説明する。なお、本実施形態のジャイロ素子は、実施形態1で述べた振動素子1と同一構成の駆動腕20,30を備えている。以下、振動素子1と同一の構成部位については、同一の番号を付し、重複する説明は省略する。したがって、駆動腕20,30の説明は、省略する。
図3に示すように、ジャイロ素子50は、基部10と、基部10から+Y軸方向に延出している一対の腕部としての駆動腕(振動体)20,30と、駆動腕20,30とは反対側の基部10から−Y軸方向に延出している一対の検出腕40,80などから構成されている。詳しくは、ジャイロ素子50は、略矩形平板状の基部10の+Y側の一端から、+Y軸方向に互いに略平行に延びる角柱状の一対の駆動腕20,30と、基部10の−Y側の一端から−Y軸方向に互いに略平行に延びる角柱状の一対の検出腕40,80と、を備えている。換言すれば、駆動腕20,30と検出腕40,80とは、基部10を介して互いに反対方向に延出されている。ジャイロ素子50を構成する基部10と駆動腕20,30と検出腕40,80は、一体で形成され、水晶が基材として用いられている。なお、本実施形態2のジャイロ素子50は、フォトリソグラフィー法及びフッ素系ガスなどによるドライエッチング法で形成することができる。
駆動腕20,30の基本的な構成は、実施形態1で述べた振動素子1と同一構成であるため説明は省略し、異なる事柄について説明する。実施形態2のジャイロ素子50における駆動腕20,30は、幅寸法W1を80μmとし、貫通孔28,38が設けられている部分の壁部25,35の幅寸法(壁厚)t1および壁部26,36の幅寸法(壁厚)t2のそれぞれを27μmにとした。したがって、この場合の寸法比は、壁部25,35の幅寸法(壁厚)t1/駆動腕20,30の幅寸法W1=27/80=0.338(33.8%)となり、同様に、壁部26,36の幅寸法(壁厚)t2/駆動腕20,30の幅寸法W1=27/80=0.338(33.8%)となる。このように、駆動腕20,30の幅寸法W1と、貫通孔28,38が設けられている壁部25,26,35,36の幅寸法(壁厚)t1,t2のそれぞれとは、好ましい範囲である20%以上45%以下の範囲にある。このような構成とすることにより、実施形態1の振動素子1と同様な効果を奏することができる。
検出腕40には、検出腕40の基部10側から検出腕40の先端側(−Y側)に向かって、Z軸方向に開口している貫通孔70が設けられている。貫通孔70は、Y軸方向を長辺とする長方形の角部が丸められた角丸長方形をなしている。
検出腕80には、検出腕80の基部10側から検出腕80の先端側(−Y側)に向かって、Z軸方向に開口している貫通孔71が設けられている。貫通孔71は、Y軸方向を長辺とする長方形の角部が丸められた角丸長方形を成している。
なお、検出腕40,80には、角丸長方形の貫通孔70,71を設けるものと説明したが、この形状に限定するものではない。例えば、貫通孔70,71は、長方形、長方形の少なくとも一つの角部が丸められた形状、角丸部を多角形で形成した形状、楕円形状などであってもよい。
検出腕80には、検出腕80の基部10側から検出腕80の先端側(−Y側)に向かって、Z軸方向に開口している貫通孔71が設けられている。貫通孔71は、Y軸方向を長辺とする長方形の角部が丸められた角丸長方形を成している。
なお、検出腕40,80には、角丸長方形の貫通孔70,71を設けるものと説明したが、この形状に限定するものではない。例えば、貫通孔70,71は、長方形、長方形の少なくとも一つの角部が丸められた形状、角丸部を多角形で形成した形状、楕円形状などであってもよい。
図3(b)に示すように、検出腕40の+X軸方向の外側面には、外側面の+Z側に第1検出電極72が、外側面の−Z側に第2検出電極74が、形成されている。また、検出腕40の−X軸方向の外側面には、外側面の+Z側に第2検出電極74が、外側面の−Z側に第1検出電極72が、形成されている。
検出腕40に設けられている貫通孔70の+X軸方向の内側面には、内側面の+Z側に第2検出電極74が、内側面の−Z側に第1検出電極72が、形成されている。また、検出腕40に設けられている貫通孔70の−X軸方向の内側面には、内側面の+Z側に第1検出電極72が、内側面の−Z側に第2検出電極74が、形成されている。
検出腕80の+X軸方向の外側面には、外側面の+Z側に第2検出電極74が、外側面の−Z側に第1検出電極72が、形成されている。また、検出腕80の−X軸方向の外側面には、外側面の+Z側に第1検出電極72が、外側面の−Z側に第2検出電極74が、形成されている。
検出腕80に設けられている貫通孔71の+X軸方向の内側面には、内側面の+Z側に第1検出電極72が、内側面の−Z側に第2検出電極74が、形成されている。また、検出腕80に設けられている貫通孔71の−X軸方向の内側面には、内側面の+Z側に第2検出電極74が、内側面の−Z側に第1検出電極72が、形成されている。
次に、ジャイロ素子50に加わる角速度の検出について説明する。
駆動腕20,30の第1駆動電極42および第2駆動電極44に、位相が180度異なる交流電圧を印加すると、駆動腕20および駆動腕30は、面内方向(XY平面方向)に沿って互いに逆方向へ変位する屈曲振動(駆動モード)を行う。本実施形態のジャイロ素子50には、インピーダンスの低い駆動腕20,30が用いられているため、効率良く屈曲振動をさせることができる。この駆動モードの状態で、Y軸回りに角速度ωが加わると、駆動腕20,30にコリオリ力が発生し、駆動腕20,30が面内方向と交差する面外方向(+Z軸方向と−Z軸方向)に、互いに逆方向に屈曲振動する。
駆動腕20,30の第1駆動電極42および第2駆動電極44に、位相が180度異なる交流電圧を印加すると、駆動腕20および駆動腕30は、面内方向(XY平面方向)に沿って互いに逆方向へ変位する屈曲振動(駆動モード)を行う。本実施形態のジャイロ素子50には、インピーダンスの低い駆動腕20,30が用いられているため、効率良く屈曲振動をさせることができる。この駆動モードの状態で、Y軸回りに角速度ωが加わると、駆動腕20,30にコリオリ力が発生し、駆動腕20,30が面内方向と交差する面外方向(+Z軸方向と−Z軸方向)に、互いに逆方向に屈曲振動する。
ジャイロ素子50は、駆動腕20,30に貫通孔28,38が設けられているため、低インピーダンスとなる。また、貫通孔28,38により駆動腕20,30の剛性を低下させることができる。これらにより、駆動腕20,30の励振振幅(振動振幅)を大きくすることができるため、角速度ωが生じた際のコリオリ力が大きくなり、結果的に角速度ωの検出感度を高くすることができる。換言すれば、ジャイロ素子50は、高精度で角速度ωを検出することが可能となる。
検出腕40,80は、駆動腕20,30の面外方向の屈曲振動に共振して、同じく面外方向に、互いに逆方向に屈曲振動する。この時、圧電効果により第1検出電極72と、第2検出電極74との間に電荷が発生する。ジャイロ素子50は、この電荷を検出することによりジャイロ素子50に加わる角速度ωを検出することができる。
検出腕40,80には、貫通孔70,71が設けられ、検出腕40,80の外側面と貫通孔70,71の内側面とに、第1検出電極72および第2検出電極74を配置できる。これにより、第1検出電極72と第2検出電極74との間で電荷を効果的に発生させることができるので、検出感度の高いジャイロ素子50を得ることができる。
なお、貫通孔70,71は、検出腕40,80の平面視にて、四辺形をなしている。四辺形をなした検出腕40,80を設けることにより、検出腕の剛性が下がり、検出腕の変位が起こりやすくなるため、検出感度を向上させることができるとともに、小型で生産効率を高くすることが可能なジャイロ素子を提供することができる。
検出腕40,80には、貫通孔70,71が設けられ、検出腕40,80の外側面と貫通孔70,71の内側面とに、第1検出電極72および第2検出電極74を配置できる。これにより、第1検出電極72と第2検出電極74との間で電荷を効果的に発生させることができるので、検出感度の高いジャイロ素子50を得ることができる。
なお、貫通孔70,71は、検出腕40,80の平面視にて、四辺形をなしている。四辺形をなした検出腕40,80を設けることにより、検出腕の剛性が下がり、検出腕の変位が起こりやすくなるため、検出感度を向上させることができるとともに、小型で生産効率を高くすることが可能なジャイロ素子を提供することができる。
図4に、実施形態2に係るジャイロ素子50における駆動腕20,30の壁厚/腕幅と各特性との関係を示す。図4(a)は、壁厚/腕幅と等価直列容量(C1(Motional Capacitance))との相関を示すグラフである。図4(b)は、壁厚/腕幅と駆動腕のインピーダンス(R1)の相関を示すグラフである。図4(c)は、壁厚/腕幅とQ値との相関を示すグラフである。図4(d)は、壁厚/腕幅と駆動周波数との相関を示すグラフである。
図4(a)に、壁厚/腕幅(%)とC1(fF)との相関を示す。
図4(a)の横軸は、駆動腕20,30の腕幅に対する貫通孔28,38が設けられている部分の壁厚t1,t2を、比率(パーセント(%))で表している。また、縦軸は、C1(等価直列容量(Motional Capacitance))の値を示している。
図4(a)に示されているように、C1の値は、壁厚/腕幅の比率20%以上45%以下の範囲で安定的に低下傾向を見せる。
図4(a)の横軸は、駆動腕20,30の腕幅に対する貫通孔28,38が設けられている部分の壁厚t1,t2を、比率(パーセント(%))で表している。また、縦軸は、C1(等価直列容量(Motional Capacitance))の値を示している。
図4(a)に示されているように、C1の値は、壁厚/腕幅の比率20%以上45%以下の範囲で安定的に低下傾向を見せる。
図4(b)に、壁厚/腕幅(%)とインピーダンス(R1)との相関を示す。
図4(b)の横軸は、駆動腕20,30の腕幅に対する貫通孔28,38が設けられている部分の壁厚t1,t2を、比率(パーセント(%))で表している。また、縦軸は、駆動腕20,30のインピーダンス(kΩ)の値を示している。
図4(a)、図4(b)、および図4(c)に示されているように、壁厚が厚くなると、C1が下がってインピーダンスが上がる効果と、Q値が上がってインピーダンスが下がる効果の両方が起こり、それらの総合的効果によりインピーダンスが最小値となる壁厚が30%〜35%に存在する。そして、壁厚/腕幅の比率20%より小さい領域では、インピーダンスが著しい増加傾向が表れる。
図4(b)の横軸は、駆動腕20,30の腕幅に対する貫通孔28,38が設けられている部分の壁厚t1,t2を、比率(パーセント(%))で表している。また、縦軸は、駆動腕20,30のインピーダンス(kΩ)の値を示している。
図4(a)、図4(b)、および図4(c)に示されているように、壁厚が厚くなると、C1が下がってインピーダンスが上がる効果と、Q値が上がってインピーダンスが下がる効果の両方が起こり、それらの総合的効果によりインピーダンスが最小値となる壁厚が30%〜35%に存在する。そして、壁厚/腕幅の比率20%より小さい領域では、インピーダンスが著しい増加傾向が表れる。
図4(c)に、壁厚/腕幅(%)と駆動腕におけるQ値との相関を示す。
図4(c)の横軸は、駆動腕20,30の腕幅に対する貫通孔28,38が設けられている部分の壁厚t1,t2を、比率(パーセント(%))で表している。また、縦軸は、駆動腕20,30のQ値を示している。なお、Q値は、共振のピークの鋭さを表す値であり、大きい程共振のピークが鋭く、正確で安定した振動を得ることができる。
図4(b)に示されているように、壁厚/腕幅の比率が大きくなるにつれて、Q値が増加する。そして、20%から45%の範囲においても、問題となる挙動は示していないことがわかる。
図4(c)の横軸は、駆動腕20,30の腕幅に対する貫通孔28,38が設けられている部分の壁厚t1,t2を、比率(パーセント(%))で表している。また、縦軸は、駆動腕20,30のQ値を示している。なお、Q値は、共振のピークの鋭さを表す値であり、大きい程共振のピークが鋭く、正確で安定した振動を得ることができる。
図4(b)に示されているように、壁厚/腕幅の比率が大きくなるにつれて、Q値が増加する。そして、20%から45%の範囲においても、問題となる挙動は示していないことがわかる。
図4(d)に、壁厚/腕幅(%)と駆動腕における共振周波数(Hz)との相関を示す。
図4(d)の横軸は、駆動腕20,30の腕幅に対する貫通孔28,38が設けられている部分の壁厚t1,t2を、比率(パーセント(%))で表している。また、縦軸は、駆動腕20,30の共振周波数(Hz)を示している。
図4(b)に示されているように、共振周波数(Hz)は、壁厚/腕幅の比率が大きくなるにつれて高くなる傾向がみられるが、20%を超えると変化量が小さくなっていることがわかる。
図4(d)の横軸は、駆動腕20,30の腕幅に対する貫通孔28,38が設けられている部分の壁厚t1,t2を、比率(パーセント(%))で表している。また、縦軸は、駆動腕20,30の共振周波数(Hz)を示している。
図4(b)に示されているように、共振周波数(Hz)は、壁厚/腕幅の比率が大きくなるにつれて高くなる傾向がみられるが、20%を超えると変化量が小さくなっていることがわかる。
上述した図4(a)〜図4(d)のグラフに示されている特性の変化傾向、あるいは特性値の優劣から総合的に判断すると、壁厚/腕幅(%)の比率を20%から45%の範囲内に収めることにより、Q値の高い領域にあって、且つ共振周波数などの特性への影響を抑えつつ、駆動腕20,30のインピーダンス(図4(b)参照)を低く抑えることができる。なお、壁厚/腕幅(%)の比率を25%から45%の範囲内に収めることにより、駆動腕20,30のインピーダンスを、さらに低い領域に抑えることができる(図4(b)参照)。
以上述べたように、本実施形態2に係るジャイロ素子50によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態のジャイロ素子50は、+Z軸方向からの平面視にて、基部10の+Y側から+Y軸方向に平行に延出され面内方向(XY面内方向)に沿って振動する二つの駆動腕20,30と、基部10の−Y側から−Y軸方向に平行に延出され面内方向と交差する面外方向の振動を検出する検出腕40,80と、を備えている。駆動腕20,30は、壁厚/腕幅(%)の比率を20%から45%の範囲内とするように貫通孔28,38を設けることで、駆動腕20,30(振動素子1に相当する振動部分)のインピーダンスを低下させることができる。また、貫通孔28,38により駆動腕20,30の剛性を低下させることができる。これらにより、駆動腕20,30の励振振幅(振動振幅)を大きくすることができるため、角速度ωが生じた際のコリオリ力が大きくなり、結果的に角速度ωの検出感度を高くすることができる。換言すれば、ジャイロ素子50は、高精度で角速度ωを検出することが可能となる。
本実施形態のジャイロ素子50は、+Z軸方向からの平面視にて、基部10の+Y側から+Y軸方向に平行に延出され面内方向(XY面内方向)に沿って振動する二つの駆動腕20,30と、基部10の−Y側から−Y軸方向に平行に延出され面内方向と交差する面外方向の振動を検出する検出腕40,80と、を備えている。駆動腕20,30は、壁厚/腕幅(%)の比率を20%から45%の範囲内とするように貫通孔28,38を設けることで、駆動腕20,30(振動素子1に相当する振動部分)のインピーダンスを低下させることができる。また、貫通孔28,38により駆動腕20,30の剛性を低下させることができる。これらにより、駆動腕20,30の励振振幅(振動振幅)を大きくすることができるため、角速度ωが生じた際のコリオリ力が大きくなり、結果的に角速度ωの検出感度を高くすることができる。換言すれば、ジャイロ素子50は、高精度で角速度ωを検出することが可能となる。
また、検出腕40,80が、基部10から一方向に延出された駆動腕20,30の延出方向と反対の方向に向かって基部10から延出されていることから、平面視における各部位の配置を効率よく行うことができるため、小型で、高精度で角速度ωを検出することが可能なジャイロ素子50を実現することができる。
また、検出腕40,80に、平面視にて、四辺形の貫通孔70,71が設けられていることにより、検出腕40,80の剛性を下げることができる。これにより、検出腕40,80は変位し易くなり、検出感度を向上させたジャイロ素子50とすることができる。
(実施形態3)
<ジャイロ素子−2>
次に、図5を参照して、実施形態3に係るジャイロ素子について説明する。
図5は、実施形態3に係るジャイロ素子の概略構成を模式的に示し、図5(a)は平面図であり、図5(b)は図5(a)のC−C断面図である。
<ジャイロ素子−2>
次に、図5を参照して、実施形態3に係るジャイロ素子について説明する。
図5は、実施形態3に係るジャイロ素子の概略構成を模式的に示し、図5(a)は平面図であり、図5(b)は図5(a)のC−C断面図である。
まず、実施形態3に係るジャイロ素子の概略構成について説明する。なお、本実施形態3のジャイロ素子90は、実施形態2で述べたジャイロ素子50と同一構成の駆動腕20および検出腕40を備えている。以下、ジャイロ素子50と同一の構成部位については、同一の番号を付し、重複する説明は省略する。したがって、駆動腕20および検出腕40の詳細な説明は、省略する。
図5に示すように、ジャイロ素子90は、基部10と、基部10から+Y軸方向に延出している腕部としての一つの駆動腕(振動体)20と、駆動腕20とは反対側の基部10から−Y軸方向に延出している一つの検出腕40などから構成されている。詳しくは、ジャイロ素子90は、略矩形平板状の基部10の+Y側の一端から、+Y軸方向に延びる角柱状の駆動腕20と、基部10の−Y側の一端から−Y軸方向に延びる角柱状の検出腕40と、を備えている。ジャイロ素子90を構成する基部10と駆動腕20と検出腕40は、一体で形成され、水晶が基材として用いられている。なお、本実施形態3のジャイロ素子90は、フォトリソグラフィー法及びフッ素系ガスなどによるドライエッチング法で形成することができる。
駆動腕20の基本的な構成は、実施形態2で述べたジャイロ素子50と同一構成であるため説明は省略し、異なる事柄について説明する。実施形態3のジャイロ素子90における駆動腕20は、幅寸法W1を80μmとし、貫通孔28が設けられている部分の壁部25の幅寸法(壁厚)t1および壁部26の幅寸法(壁厚)t2のそれぞれを27μmにとした。したがって、この場合の寸法比は、壁部25の幅寸法(壁厚)t1/駆動腕20の幅寸法W1=27/80=0.338(33.8%)となり、同様に、壁部26の幅寸法(壁厚)t2/駆動腕20の幅寸法W1=27/80=0.338(33.8%)となる。このように、駆動腕20の幅寸法W1と、貫通孔28が設けられている壁部25,26の幅寸法(壁厚)t1,t2のそれぞれとは、好ましい範囲である20%以上45%以下の範囲にある。このような構成とすることにより、実施形態2のジャイロ素子50と同様な効果を奏することができる。
検出腕40には、検出腕40の基部10側から検出腕40の先端側(−Y側)に向かって、Z軸方向に開口している貫通孔70が設けられている。貫通孔70は、Y軸方向を長辺とする長方形の角部が丸められた角丸長方形をなしている。
なお、検出腕40には、角丸長方形の貫通孔70を設けるものと説明したが、この形状に限定するものではない。例えば、貫通孔70は、長方形、長方形の少なくとも一つの角部が丸められた形状、角丸部を多角形で形成した形状、楕円形状などであってもよい。
なお、検出腕40には、角丸長方形の貫通孔70を設けるものと説明したが、この形状に限定するものではない。例えば、貫通孔70は、長方形、長方形の少なくとも一つの角部が丸められた形状、角丸部を多角形で形成した形状、楕円形状などであってもよい。
図3(b)に示すように、検出腕40の+X軸方向の外側面には、外側面の+Z側に第1検出電極72が、外側面の−Z側に第2検出電極74が、形成されている。また、検出腕40の−X軸方向の外側面には、外側面の+Z側に第2検出電極74が、外側面の−Z側に第1検出電極72が、形成されている。
検出腕40に設けられている貫通孔70の+X軸方向の内側面には、内側面の+Z側に第2検出電極74が、内側面の−Z側に第1検出電極72が、形成されている。また、検出腕40に設けられている貫通孔70の−X軸方向の内側面には、内側面の+Z側に第1検出電極72が、内側面の−Z側に第2検出電極74が、形成されている。
次に、ジャイロ素子90に加わる角速度の検出について説明する。
駆動腕20の第1駆動電極42および第2駆動電極44(図1参照)に、位相が180度異なる交流電圧を印加すると、駆動腕20は、面内方向(XY平面方向)に沿って変位する屈曲振動(駆動モード)を行う。本実施形態のジャイロ素子90には、インピーダンスの低い駆動腕20が用いられているため、効率良く屈曲振動をさせることができる。この駆動モードの状態で、Y軸回りに角速度ωが加わると、駆動腕20にコリオリ力が発生し、駆動腕20が面内方向と交差する面外方向(+Z軸方向と−Z軸方向)に、互いに逆方向に屈曲振動する。
駆動腕20の第1駆動電極42および第2駆動電極44(図1参照)に、位相が180度異なる交流電圧を印加すると、駆動腕20は、面内方向(XY平面方向)に沿って変位する屈曲振動(駆動モード)を行う。本実施形態のジャイロ素子90には、インピーダンスの低い駆動腕20が用いられているため、効率良く屈曲振動をさせることができる。この駆動モードの状態で、Y軸回りに角速度ωが加わると、駆動腕20にコリオリ力が発生し、駆動腕20が面内方向と交差する面外方向(+Z軸方向と−Z軸方向)に、互いに逆方向に屈曲振動する。
ジャイロ素子90は、駆動腕20に貫通孔28が設けられているため、低インピーダンスとなる。また、貫通孔28により駆動腕20の剛性を低下させることができる。これらにより、駆動腕20の励振振幅(振動振幅)を大きくすることができるため、角速度ωが生じた際のコリオリ力が大きくなり、結果的に角速度ωの検出感度を高くすることができる。換言すれば、ジャイロ素子90は、高精度で角速度ωを検出することが可能となる。
検出腕40は、駆動腕20の面外方向の屈曲振動に共振して、同じく面外方向に屈曲振動する。この時、圧電効果により第1検出電極72と、第2検出電極74との間に電荷が発生する。ジャイロ素子90は、この電荷を検出することによりジャイロ素子90に加わる角速度ωを検出することができる。
検出腕40には、貫通孔70が設けられ、検出腕40の外側面と貫通孔70の内側面とに、第1検出電極72および第2検出電極74を配置できる。これにより、第1検出電極72と第2検出電極74との間で電荷を効果的に発生させることができるので、検出感度の高いジャイロ素子90を得ることができる。
なお、貫通孔70は、検出腕40の平面視にて、四辺形をなしている。四辺形をなした検出腕40を設けることにより、検出腕の剛性が下がり、検出腕の変位が起こりやすくなるため、検出感度を向上させることができるとともに、小型で生産効率を高くすることが可能なジャイロ素子90を提供することができる。
検出腕40には、貫通孔70が設けられ、検出腕40の外側面と貫通孔70の内側面とに、第1検出電極72および第2検出電極74を配置できる。これにより、第1検出電極72と第2検出電極74との間で電荷を効果的に発生させることができるので、検出感度の高いジャイロ素子90を得ることができる。
なお、貫通孔70は、検出腕40の平面視にて、四辺形をなしている。四辺形をなした検出腕40を設けることにより、検出腕の剛性が下がり、検出腕の変位が起こりやすくなるため、検出感度を向上させることができるとともに、小型で生産効率を高くすることが可能なジャイロ素子90を提供することができる。
(実施形態4)
<ジャイロ素子−3>
次に、図6を参照して、実施形態4に係るジャイロ素子について説明する。
図6は、実施形態4に係るジャイロ素子の概略構成を模式的に示し。ジャイロ素子を+側のZ軸方向から見た平面図である。なお、ジャイロ素子には、検出信号電極、検出信号配線、検出信号端子、検出接地電極、検出接地配線、検出接地端子、駆動信号電極、駆動信号配線、駆動信号端子、駆動接地電極、駆動接地配線および駆動接地端子などが設けられているが、同図においては省略している。
<ジャイロ素子−3>
次に、図6を参照して、実施形態4に係るジャイロ素子について説明する。
図6は、実施形態4に係るジャイロ素子の概略構成を模式的に示し。ジャイロ素子を+側のZ軸方向から見た平面図である。なお、ジャイロ素子には、検出信号電極、検出信号配線、検出信号端子、検出接地電極、検出接地配線、検出接地端子、駆動信号電極、駆動信号配線、駆動信号端子、駆動接地電極、駆動接地配線および駆動接地端子などが設けられているが、同図においては省略している。
実施形態4に係るジャイロ素子400は、Z軸まわりの角速度を検出する「面外検出型」のセンサー素子であって、図示しないが、基材と、基材の表面に設けられている複数の電極、配線および端子とで構成されている。ジャイロ素子400は、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどの圧電材料で構成することができるが、これらの中でも、水晶で構成するのが好ましい。これにより、優れた振動特性(周波数特性)を発揮することのできるジャイロ素子400が得られる。
このようなジャイロ素子400は、いわゆるダブルT型をなす振動体4と、振動体4を支持する支持部としての第1支持部51および第2支持部52と、振動体4と第1支持部51および第2支持部52とを連結する第1梁61、第2梁62、第3梁63および第4梁64とを有している。
振動体4は、XY平面に拡がりを有し、Z軸方向に厚みを有している。このような振動体4は、中央に位置する基部41と、基部41からY軸方向に沿って両側に延出している第1検出振動腕421、第2検出振動腕422と、基部41からX軸方向に沿って両側に延出している第1連結腕431、第2連結腕432と、第1連結腕431の先端部からY軸方向に沿って両側に延出している腕部としての第1駆動振動腕441、および第2駆動振動腕442と、第2連結腕432の先端部からY軸方向に沿って両側に延出している腕部としての第3駆動振動腕443、および第4駆動振動腕444とを有している。換言すれば、第1検出振動腕421、第1駆動振動腕441、および第3駆動振動腕443と、第2検出振動腕422、第2駆動振動腕442、および第4駆動振動腕444とは、基部41を介して互いに反対方向に延出されている。第1、第2検出振動腕421,422および第1、第2、第3、第4駆動振動腕441,442,443,444の先端部には、それぞれ、基端側よりも幅の大きい略四角形の重量部(ハンマーヘッド)425,426,445,446,447,448が設けられている。このような重量部425,426,445,446,447,448を設けることでジャイロ素子400の角速度の検出感度が向上する。
また、第1、第2、第3、第4駆動振動腕441,442,443,444は、振動方向であるX軸方向の幅寸法(一方の側面と他方の側面との間の距離)である腕幅W1を有して設けられている。第1、第2、第3、第4駆動振動腕441,442,443,444には、X軸方向の幅寸法s1でZ軸方向に開口している複数の貫通孔458,459,460,461が設けられている。
第1駆動振動腕441には、第1駆動振動腕441の延出方向であるY軸方向に沿って二つの貫通孔458が並設されている。同様に、第2駆動振動腕442には、Y軸方向に沿って二つの貫通孔459が並設され、第3駆動振動腕443には、Y軸方向に沿って二つの貫通孔460が並設され、第4駆動振動腕444には、Y軸方向に沿って二つの貫通孔461が並設されている。なお、本形態では、貫通孔458,459,460,461が、第1、第2、第3、第4駆動振動腕441,442,443,444のそれぞれに二つずつ並設された例を示しているが、貫通孔の数は問わず、幾つであってもよい。
貫通孔458,459,460,461は、Y軸方向に沿った内側面を有し、両端を両側の内側面を半円状470に結んだトラック状をなしている。なお、貫通孔458,459,460,461は、四隅の角部を丸めた四辺形であってもよい。この貫通孔458,459,460,461により、振動方向(X軸方向)に位置する貫通孔458,459,460,461の内側面と、その内側面側に位置する第1、第2、第3、第4駆動振動腕441,442,443,444の一方の側面との間の幅寸法(壁厚)t1,t2を有する壁部が形成される。
なお、上述の幅寸法(壁厚)t1,t2とは、XY面内方向に直交する方向(Z軸方向)からジャイロ素子400を見た平面視で、第1、第2、第3、第4駆動振動腕441,442,443,444の表面あるいは裏面のいずれかの面に沿った平面上で計測された距離(寸法)である。
実施形態4のジャイロ素子400における腕部としての第1、第2、第3、第4駆動振動腕441,442,443,444は、幅寸法W1を100μmとし、貫通孔458,459,460,461が設けられている部分の壁部の幅寸法(壁厚)t1,t2のそれぞれを27μmとした。したがって、この場合の寸法比は、壁部の幅寸法(壁厚)t1/腕部の幅寸法W1=27/100=0.27(27%)となり、同様に壁部の幅寸法(壁厚)t2/腕部の幅寸法W1=27/100=0.27(27%)となる。
このように、第1、第2、第3、第4駆動振動腕441,442,443,444の幅寸法W1と貫通孔458,459,460,461が設けられている壁部の幅寸法(壁厚)t1,t2のそれぞれとは、好ましい範囲である20%以上45%以下の範囲にある。このような構成とすることにより、実施形態1の振動素子1と同様に、熱弾性損失の影響と、第1、第2、第3、第4駆動振動腕441,442,443,444の振動振幅による等価直列抵抗への影響と、のバランスを適正化することができる。この適正化により、ジャイロ素子400における第1、第2、第3、第4駆動振動腕441,442,443,444のインピーダンス(CI値、等価直列抵抗)を、低く抑えることが可能となる。
図7に、ジャイロ素子400における、壁厚/腕幅(%)とインピーダンス(R1)との相関を示す。図7に示されているように、実施形態4のジャイロ素子400では、壁厚/腕幅(%)の比率が20%を超えると低インピーダンスの領域となり、25%以上では、さらに低インピーダンスとなる。実施形態4のジャイロ素子400は、この壁厚/腕幅(%)の比率を27%としていることから、十分に低いインピーダンスを実現することができる。
また、図6に示すように、第1、第2支持部51,52は、それぞれ、X軸方向に沿って延在しており、これら第1、第2支持部51,52の間に振動体4が位置している。言い換えれば、第1、第2支持部51,52は、振動体4を介してY軸方向に沿って対向するように配置されている。第1支持部51は、第1梁61、および第2梁62を介して基部41と連結されており、第2支持部52は、第3梁63、および第4梁64を介して基部41と連結されている。
第1梁61は、第1検出振動腕421と第1駆動振動腕441との間を通って第1支持部51と基部41を連結し、第2梁62は、第1検出振動腕421と第3駆動振動腕443との間を通って第1支持部51と基部41を連結し、第3梁63は、第2検出振動腕422と第2駆動振動腕442との間を通って第2支持部52と基部41を連結し、第4梁64は、第2検出振動腕422と第4駆動振動腕444との間を通って第2支持部52と基部41を連結している。
第1梁61〜第4梁64は、それぞれ、X軸方向に沿って往復しながらY軸方向に沿って延びる蛇行部を有する細長い形状で形成されているので、あらゆる方向に弾性を有している。そのため、外部から衝撃が加えられても、各梁61,62,63,64で衝撃を吸収する作用を有するので、これに起因する検出ノイズを低減または抑制することができる。
このような構成のジャイロ素子400は、次のようにしてZ軸まわりの角速度ωを検出する。ジャイロ素子400は、角速度ωが加わらない状態において、駆動信号電極(図示せず)および駆動接地電極(図示せず)の間に電界が生じると、各駆動振動腕441,442,443,444がX軸方向に屈曲振動を行う。このとき、第1、第2駆動振動腕441,442と、第3、第4駆動振動腕443,444とは、中心点(重心)を通るYZ平面に関して面対称の振動を行っているため、基部41と、第1、第2連結腕431,432と、第1、第2検出振動腕421,422とは、ほとんど振動しない。
この駆動振動を行っている状態にて、ジャイロ素子400にZ軸まわりに角速度ωが加わると、駆動振動腕441,442,443,444および連結腕431,432にY軸方向のコリオリの力が働き、このY軸方向の振動に呼応して、X軸方向の検出振動が励起される。そして、この振動により発生した検出振動腕421,422の歪みを検出信号電極(図示せず)および検出接地電極(図示せず)が検出して角速度ωが求められる。
上述した実施形態4に係るジャイロ素子400によれば、第1、第2、第3、第4駆動振動腕441,442,443,444に貫通孔458,459,460,461が設けられているため、低インピーダンスが実現できる。また、貫通孔458,459,460,461により第1、第2、第3、第4駆動振動腕441,442,443,444の剛性を低下させることができる。これらにより、第1、第2、第3、第4駆動振動腕441,442,443,444の励振振幅(振動振幅)を大きくすることができるため、角速度ωが生じた際のコリオリ力が大きくなり、結果的に角速度ωの検出感度を高くすることができる。換言すれば、ジャイロ素子400は、高精度で角速度ωを検出することができる。
なお、実施形態4に係るジャイロ素子400では、第1検出振動腕421および第2検出振動腕422には、貫通孔が設けられていない構成で説明したが、これに限らない。第1検出振動腕421および第2検出振動腕422に、第1、第2、第3、第4駆動振動腕441,442,443,444と同様な貫通孔が設けられている構成でもよい。また、貫通孔は、実施形態2のジャイロ素子50における検出腕40,80に設けられている貫通孔70,71と同様な構成であってもよい。このように、第1検出振動腕421および第2検出振動腕422に貫通孔を設けた構成では、第1検出振動腕421および第2検出振動腕422の外側面と貫通孔の内側面とに、検出電極を配置できる。これにより、検出電極間での電荷を効果的に発生させることができるので、検出感度の高いジャイロ素子400を得ることができる。
(貫通孔の変形例)
貫通孔の変形例について、図8を参照して説明する。図8は、貫通孔の変形例を示し、図8(a)は腕部の部分平面図、図8(b)は図8(a)のD−D断面図である。
貫通孔の変形例について、図8を参照して説明する。図8は、貫通孔の変形例を示し、図8(a)は腕部の部分平面図、図8(b)は図8(a)のD−D断面図である。
図8に示すように、変形例に係る貫通孔28,38は、腕部としての駆動腕20c,30cに設けられている。貫通孔28,38は、駆動腕20c,30cの表面から掘り込まれた凹部28c,38cと、凹部28c,38cの底部109,119を貫通する孔部108,118と、によって構成されている。このような2段構成の貫通孔28,38であっても、壁部25,26,35,36が形成され、壁部25と壁部26との間、および壁部35と壁部36との間が、孔部108,118によって離間されていることにより、ストレートな内側面を有する構成の貫通孔と同様な効果を奏することができる。
以上説明した実施形態1から実施形態4に係る振動素子1、およびジャイロ素子50,90,400では、水晶を基材に用いるものと説明したが、これに限定するものではない。振動素子1、およびジャイロ素子50,90,400は、水晶以外にタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電単結晶や、ジルコン酸チタン酸鉛等の圧電セラミックス等の圧電材料、又はシリコン半導体材料から形成することができる。
<電子デバイス−1>
次に、実施形態1に係る振動素子1を適用した電子デバイスとしての音叉型振動子について、図9を参照して説明する。図9は、実施形態1に係る振動素子1を備える音叉型振動子100の概略を示した正断面図である。
次に、実施形態1に係る振動素子1を適用した電子デバイスとしての音叉型振動子について、図9を参照して説明する。図9は、実施形態1に係る振動素子1を備える音叉型振動子100の概略を示した正断面図である。
図9に示す音叉型振動子100は、振動素子1、振動素子1を収容するために矩形の箱状に形成されているパッケージ本体110、および蓋体120を備えている。振動素子1は、セラミックなどで形成されたパッケージ本体110に形成された支持台112に、振動素子1の基部10が導電性接着剤などの固定部材140を介して接着支持されている。また、支持台112の表面には配線(図示せず)が形成され、振動素子1の第1駆動電極42および第2駆動電極44と、配線とは、固定部材140を介して電気的に接続されている。音叉型振動子100は、振動素子1に電圧を加えることで、振動子として機能する。
この固定部材140は、弾性のある材料であることが望ましい。弾性を有する固定部材140としてはシリコーンを基材とする接着剤などが知られている。パッケージ本体110の上部開口には封止部150が設けられており、パッケージ本体110と蓋体120とは、封止部150を介して封止されている。なお、振動素子1を収容するパッケージ本体110のキャビティー160は窒素などの不活性気体雰囲気あるいは減圧雰囲気となっている。
以上述べた構成によれば、小型で低インピーダンスの振動素子1を備えた電子デバイスとしての音叉型振動子100を提供することができる。
<電子デバイス−2>
次に、実施形態1に係る振動素子1を適用した電子デバイスとしての水晶発振器について図10を参照して説明する。図10は、実施形態1に係る振動素子1を備える水晶発振器200の概略を示した正断面図である。
図10に示す水晶発振器200は、上述した音叉型振動子100の振動素子1の下方にICチップ230が配置されている。なお、音叉型振動子100と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
次に、実施形態1に係る振動素子1を適用した電子デバイスとしての水晶発振器について図10を参照して説明する。図10は、実施形態1に係る振動素子1を備える水晶発振器200の概略を示した正断面図である。
図10に示す水晶発振器200は、上述した音叉型振動子100の振動素子1の下方にICチップ230が配置されている。なお、音叉型振動子100と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
水晶発振器200は、振動素子1、ICチップ230、振動素子1とICチップ230とを収納するための矩形の箱状に形成されているパッケージ本体210、および蓋体120を備えている。パッケージ本体210の底面にはICチップ230を収納するキャビティーが設けられており、キャビティー内にICチップ230が固定部材140を介して接着されている。パッケージ本体210の底面には配線(図示せず)が形成されており、ICチップ230と、配線と、がAu(金)などのワイヤー270で電気的に接続されている。水晶発振器200は、振動素子1が振動すると、その振動がICチップ230に入力され、その後、所定の周波数信号を取り出すことで、発振器として機能する。
以上述べた構成によれば、小型で、低インピーダンスの振動素子1を備えた電子デバイスとしての水晶発振器200を提供することができる。
<電子デバイス−3>
次に、実施形態2から実施形態4に係るジャイロ素子50,90,400を適用した電子デバイスとしてのジャイロ装置について図11を参照して説明する。図11は、実施形態2〜実施形態4に係るジャイロ素子50,90,400を備えるジャイロ装置500の概略を示した正断面図である。なお、音叉型振動子100と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
次に、実施形態2から実施形態4に係るジャイロ素子50,90,400を適用した電子デバイスとしてのジャイロ装置について図11を参照して説明する。図11は、実施形態2〜実施形態4に係るジャイロ素子50,90,400を備えるジャイロ装置500の概略を示した正断面図である。なお、音叉型振動子100と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
図11に示すように、ジャイロ装置500は、ジャイロ素子50,90,400(以下、ジャイロ素子50を代表例として説明する。)、ICチップ550、ジャイロ素子50とICチップ550とを収容するために矩形の箱状に形成されているパッケージ本体510、および蓋体120を備えている。セラミックなどで形成されたパッケージ本体510の底面にはICチップ550が接着剤などの固定部材140を介して接着支持され、Au(金)などのワイヤー270でパッケージ本体510に形成された配線(図示せず)と電気的に接続されている。ICチップ550は、ジャイロ素子50を駆動する駆動回路と、ジャイロ素子50に加わった角速度ωを出力する検出回路とを含んでいる。
ジャイロ素子50は、ICチップ550を取り囲むようにパッケージ本体510に形成された支持台512上に固定された略枠状の基板540に支持されている。基板540は、ポリイミドなどの樹脂からなる基板本体530と、支持台512上に積層されたCu(銅)などの金属箔からなるタブテープ520と、を備えている。基板540は支持台512の縁から中央部に向かって斜め上方に折り曲げられた複数の帯状のタブテープ520が延設されている。タブテープ520の先端は、ジャイロ素子50の基部10(41)に形成された配線(図示せず)に、バンプなどの接合部材を介して電気的に接続されている。これにより、ジャイロ素子50は、基板540によってXY平面に平行に支持されている。
ジャイロ装置500は、ICチップ550からの駆動信号によりジャイロ素子50が所定の周波数で面内方向に沿って振動し、Y軸回りに角速度ωが加わることにより面外方向に振動する。この面外方向の振動により生じた電荷をICチップ550で検出することにより、ジャイロセンサーとして機能する。
以上述べた構成によれば、小型で、低インピーダンスのジャイロ素子50を備えた高感度(高精度の検出感度)な、電子デバイスとしてのジャイロ装置500を提供することができる。
<電子機器>
次に、上記実施形態に係る振動素子1、音叉型振動子100、水晶発振器200、ジャイロ素子50,90,400、またはジャイロ装置500のいずれかを備えた電子機器について図12から図14を用いて説明する。なお、説明では、振動素子1を用いた例を代表例として示している。
次に、上記実施形態に係る振動素子1、音叉型振動子100、水晶発振器200、ジャイロ素子50,90,400、またはジャイロ装置500のいずれかを備えた電子機器について図12から図14を用いて説明する。なお、説明では、振動素子1を用いた例を代表例として示している。
図12は、実施形態1に係る振動素子1を備える電子機器としてのモバイル型(又はノート型)のパーソナルコンピューターの概略を示す斜視図である。図12に示すように、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1000を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、基準信号を出力するための振動素子1が内蔵されている。
図13は、実施形態1に係る振動素子1を備える電子機器としての携帯電話機1200(PHSも含む)の概略を示す斜視図である。図13に示すように、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1000が配置されている。このような携帯電話機1200には、基準信号を出力するための振動素子1が内蔵されている。
図14は、実施形態1に係る振動素子1を備える電子機器としてのデジタルスチールカメラ1300の構成の概略を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、従来のフィルムカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、デジタルスチールカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1000が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1000は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1000に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このデジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなデジタルスチールカメラ1300には、基準信号を出力するための振動素子1が内蔵されている。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1000が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1000は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1000に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このデジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなデジタルスチールカメラ1300には、基準信号を出力するための振動素子1が内蔵されている。
なお、実施形態1に係る振動素子1は、図12のパーソナルコンピューター1100(モバイル型パーソナルコンピューター)、図13の携帯電話機1200、図14のデジタルスチールカメラ1300の他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等の電子機器に適用することができる。
<移動体>
次に、上記実施形態に係る振動素子1、音叉型振動子100、水晶発振器200、ジャイロ素子50,90,400、またはジャイロ装置500のいずれかを備えた移動体の一例としての自動車について図15を用いて説明する。なお、説明では、振動素子1を用いた例を代表例として示している。
図15は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車1500には実施形態1に係る振動素子1が搭載されている。例えば、同図に示すように、移動体としての自動車1500には、振動素子1を内蔵してタイヤなどを制御する電子制御ユニット1510が車体に搭載されている。また、振動素子1は、他にもキーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、等の電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)に広く適用できる。
次に、上記実施形態に係る振動素子1、音叉型振動子100、水晶発振器200、ジャイロ素子50,90,400、またはジャイロ装置500のいずれかを備えた移動体の一例としての自動車について図15を用いて説明する。なお、説明では、振動素子1を用いた例を代表例として示している。
図15は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車1500には実施形態1に係る振動素子1が搭載されている。例えば、同図に示すように、移動体としての自動車1500には、振動素子1を内蔵してタイヤなどを制御する電子制御ユニット1510が車体に搭載されている。また、振動素子1は、他にもキーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、等の電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)に広く適用できる。
1…振動素子、10…基部、11…幅狭部、12…括れ部、13…幅広部、20,30…腕部としての駆動腕、21,31…駆動腕の一方の側面、22,32…駆動腕の他方の側面、23,33…表面、24,34…裏面、25,26,35,36…壁部、27,37…角部、28,38…貫通孔、28a,38a…貫通孔の内側面、40,80…検出腕、42…第1駆動電極、44…第2駆動電極、50,90,400…ジャイロ素子、100…電子デバイスとしての音叉型振動子、200…電子デバイスとしての水晶発振器、500…電子デバイスとしてのジャイロ装置、1100…電子機器としてのパーソナルコンピューター、1200…電子機器としての携帯電話機、1300…電子機器としてのデジタルスチールカメラ、1500…移動体としての自動車、W1…駆動腕の幅寸法(腕幅)、t1,t2…壁部の幅寸法(壁厚)、s1…貫通孔の幅寸法。
Claims (11)
- 基部と、
前記基部から面内方向に延出される腕部と、を備え、
前記腕部は、前記面内方向と交差する方向に貫通し、前記腕部の延出方向に並ぶ複数の貫通孔を有し、
前記腕部の振動方向の幅寸法に対し、前記振動方向に位置する前記貫通孔の内側面と前記内側面側に位置する前記腕部の側面との間の幅寸法が、20%以上45%以下であることを特徴とする振動素子。 - 前記腕部の前記振動方向の幅寸法に対し、前記振動方向に位置する前記貫通孔の内側面と前記内側面側に位置する前記腕部の側面との間の幅寸法が、25%以上45%以下であることを特徴とする請求項1に記載の振動素子。
- 前記腕部の前記幅寸法は、50μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の振動素子。
- 前記貫通孔は、前記腕部の平面視にて、四辺形の少なくとも一つの角部が丸められた形状であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の振動素子。
- 基部と、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の振動素子の前記腕部から構成され、前記基部から延出している駆動腕と、
前記基部から延出している検出腕と、を備えていることを特徴とするジャイロ素子。 - 前記駆動腕と前記検出腕とは、前記基部を介して互いに反対方向に延出されていることを特徴とする請求項5に記載のジャイロ素子。
- 前記検出腕には、前記検出腕の平面視にて、貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項6に記載のジャイロ素子。
- 前記駆動腕および前記検出腕のそれぞれは、少なくとも一対が設けられ、
前記駆動腕のそれぞれは、前記基部を介して互いに反対方向に延出され、
前記検出腕のそれぞれは、前記基部を介して互いに反対方向に、前記駆動腕に沿って延出されていることを特徴とする請求項5に記載のジャイロ素子。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の振動素子、または請求項5ないし請求項8のいずれか一項に記載のジャイロ素子を備えていることを特徴とする電子デバイス。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の振動素子、または請求項5ないし請求項8のいずれか一項に記載のジャイロ素子を備えていることを特徴とする電子機器。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の振動素子、または請求項5ないし請求項8のいずれか一項に記載のジャイロ素子を備えていることを特徴とする移動体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014190896A JP2016061710A (ja) | 2014-09-19 | 2014-09-19 | 振動素子、ジャイロ素子、電子デバイス、電子機器、および移動体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014190896A JP2016061710A (ja) | 2014-09-19 | 2014-09-19 | 振動素子、ジャイロ素子、電子デバイス、電子機器、および移動体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016061710A true JP2016061710A (ja) | 2016-04-25 |
Family
ID=55797620
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014190896A Pending JP2016061710A (ja) | 2014-09-19 | 2014-09-19 | 振動素子、ジャイロ素子、電子デバイス、電子機器、および移動体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016061710A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110392978A (zh) * | 2017-02-21 | 2019-10-29 | 株式会社村田制作所 | 弹性波装置、高频前端电路以及通信装置 |
-
2014
- 2014-09-19 JP JP2014190896A patent/JP2016061710A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110392978A (zh) * | 2017-02-21 | 2019-10-29 | 株式会社村田制作所 | 弹性波装置、高频前端电路以及通信装置 |
CN110392978B (zh) * | 2017-02-21 | 2023-04-04 | 株式会社村田制作所 | 弹性波装置、高频前端电路以及通信装置 |
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