JP2003332872A - 圧電振動子およびその製造方法 - Google Patents

圧電振動子およびその製造方法

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Toshiyuki Shimizu
敏志 清水
Keiichi Ouchi
啓一 大内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 落下衝撃等で周波数変化の少ない、信頼性の
高い圧電振動子の提供。 【解決手段】 周波数調整用の金属膜1の周辺部を残し
てレーザービームでトリミングすることで周波数調整を
行う。振動片2の表面に周波数調整用の金属膜1を有す
る圧電振動子において、金属膜1の外周が前記振動片の
主面の外周部から離間した内側にある圧電振動子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、携帯情報機器な
どに用いられる圧電振動子および発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、音叉型振動子や縦型振動子等の圧
電振動子の周波数調整は、図1で示す水晶振動片の腕2
の先端部分に膜付けされた金属膜1をレーザービームで
トリミングすることで行っている。周波数調整用の金属
膜は、水晶振動子の腕2の先端部分全体にスパッタリン
グで膜付けされた下地の金属上に周波数粗調整用のA
g、Au等の比重の高い金属が蒸着されている。トリミ
ングに使用するレーザーは、YAGレーザー、半導体レ
ーザー、エキシマレーザー等を用いる。周波数の調整
は、図2に示すように振動子の腕2の表面の金属膜1に
レーザービーム3を照射して金属膜1を加熱、蒸発させ
ることで重りを軽くして、周波数を高くする方法がとら
れている。レーザービーム3を照射する場合、周波数調
整精度を向上させるために、腕2の幅に対して十分に細
いビーム幅のレーザーを使用する。従ってレーザービー
ム3は振動子の初期の周波数値によって、通常、腕2の
先端部分から基部の方へ向かって1列から十数列スキャ
ンすることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】水晶振動子の周波数調
整のためにレーザートリミングする場合、通常、異物の
付着を防止するために、図2に示す様に水晶振動片の裏
側から水晶を通してレーザービーム3を照射する。しか
し、図2に示すようにバリ5の様なものが、金属膜5の
レーザービーム3を照射した領域の周囲に発生する。レ
ーザービーム3の照射によって発生するバリ5は、エッ
ジ部においては、図3の断面図に示す様に、腕2の端部
から金属異物4として、不安定な状態で付着する。図4
は、この状態を上面から示した図で、振動片の、腕の端
部やレーザースキャン6の方向の端部に金属異物4が不
安定な状態で付着する金属異物4として残ることがあ
る。このときの金属異物4の形状によっては、振動子を
アセンブリした後で加わる衝撃等により、振動片から外
れることがある。重りが外れると振動周波数が高くなり
変化してしまう。また、最悪の場合、電極間に再付着す
るとショートして発振停止となる問題が発生する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、振動片の表
面に周波数調整用の金属膜を有する圧電振動子におい
て、金属膜の外周を振動片の主面の外周部から離間した
内側にすることとした。ここで、金属膜の外周と前記振
動片の主面の外周部との距離が20μmから60μmで
あることが好ましい。
【0005】また、本発明では音叉型振動子の腕の先端
部で、かつ腕の先端と腕の幅方向の外周部から離間した
内側に周波数調整用の金属膜を設けることとした。
【0006】本発明では、振動片の主面の表面に前記振
動片の外周から内側に離間して周波数調整用の金属膜を
形成し、金属膜をレーザービームでスキャンし周波数調
整して圧電振動子を製造する方法を用いた。
【0007】本発明では、音叉型振動子の腕の主面の先
端部で、かつ腕の先端と腕の幅方向の外周部から離間し
た内側に周波数調整用の金属間膜を形成し、金属膜を音
叉型振動子の腕の幅方向にレーザースキャンし周波数調
整を行うこととした。
【0008】また、本発明では、周波数調整用の金属膜
を振動片のエッジ部分まで膜付けしない圧電振動子とし
た。
【0009】この他に、周波数調整用の金属膜を振動片
のエッジ部分まで膜付けしない圧電振動子とした。
【0010】このような問題を解決するために本発明で
は、振動子のエッジ部まで周波数調整用の重りを膜付け
しないで中心部分のみ膜付けするようにした。
【0011】本発明では、圧電材料からなるウエハ内に
縦横に複数の圧電振動子の外形形状を形成し、複数の圧
電振動子表面にそれぞれの圧電振動子の外周の内側に重
りとなる金属膜を形成し、金属膜をレーザートリミング
し周波数調整し圧電振動子を製造することとした。さら
に複数の圧電振動子の周波数調整を行った後、ウエハの
上下面にそれぞれの圧電動子の振動を可能とする凹部を
有する蓋体を接合し、圧電振動子を製造することとし
た。
【0012】
【作用】このような方法によれば、周波数調整時に振動
子のエッジ部に取れやすい不安定な異物が残ることは無
くなる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は周波数調整用の金属膜1
をレーザービームで加熱、蒸発させてトリミングする場
合に、振動子のエッジ部に重りとなる金属膜が膜付けさ
れていないため落下等で落ちる可能性のある溶融した重
りがエッジ部に残らない圧電振動子の製造方法及び圧電
振動子。
【0014】
【実施例】(実施例1)図6は、本発明の実施例を示す
上面図である。音叉型圧電振動子の腕2の主面の先端部
の表面に、腕2の先端部と側部の外周から内側に離間し
て一対の重り1が形成されている。図5は、本発明の原
理を示す圧電振動子のレーザートリミング工程を示す上
面図である。レーザースキャン6は、レーザービームの
スキャンする場所と方向を示している。レーザースキャ
ン6の方向は、圧電振動子の主面の腕の幅方向を副走査
方向とし、腕の先端部から基部の方向を主走査方向に3
回スキャンした後、4回目のスキャンを金属膜1の途中
まで行った状態を示す。本発明は、レーザービームで金
属膜1を加熱、蒸発させてトリミングする場合に、腕の
周辺部分に重りとなる金属膜が膜付けされていないため
に、落下衝撃等で脱落する可能性のある金属異物が周辺
部分に付着することを防止することができる。
【0015】ここでレーザービーム幅は、レーザー装置
の仕様により異なるが、概ね20μmから60μmであ
る。従ってレーザービームでトリミングしない周辺の部
分も、レーザービームと同等の幅20μmから60μm
が必要となる。そこで金属膜1は、腕の幅方向の外周か
ら20μmから60μm内側まで成膜する。これにより
レーザービームを金属膜1の外周部まで照射しても、金
属異物4が腕の外周に不安定な状態で付着することがな
くなる。
【0016】以上、音叉型圧電振動子について説明した
が、本発明は音叉型以外の矩形や円形の圧電振動子に対
しても適応可能である。
【0017】(実施例2)水晶ウエハ内に、縦横に配列
した複数の圧電振動子の外形形状を、フォトリソグラフ
ィー技術により作成する。次に、それぞれの電極パター
ンを圧電振動子の幅より40μm狭く形成した後、振動
周波数の測定を行い、振動周波数の設計値との差を求め
る。次に、音叉型圧電振動子の幅方向を主走査方向とし
て、電極パターンの幅までレーザースキャンを行い、以
下音叉の基部に向かう方向を副走査方向としてレーザー
スキャンを繰り返す。次に、他の列の音叉型水晶振動子
のレーザースキャンを行う。
【0018】ウエハ内のレーザースキャン後、ウエハの
上面と下面にそれぞれ音叉型水晶振動子が振動可能な凹
部を有する蓋体を接合する。最後に、ダイシングし、個
別の水晶振動子に分離する。フォトリソグラフィー技術
による外形形状作成の他に、ブラスト加工による外形形
状の作成も可能である。以上のように、ウエハ単位でレ
ーザートリミングを行い、図4の金属異物4の発生を防
止し、ウエハ表面の清浄度を高くした状態で、圧電振動
子と蓋体の接合をおこなうことにより、接合強度を高め
ることができる。
【0019】以上、音叉型圧電振動子について説明した
が、本発明は音叉型以外の矩形や円形の圧電振動子に対
しても適応可能である。
【0020】
【発明の効果】この発明によれば、圧電振動子の周波数
粗調整時に振動片の腕の周辺部分に重りとなる金属膜が
膜付けされていないため、落下衝撃等で脱落する溶融金
属異物が振動片の周辺に付着するのを防止することがで
きるので、落下衝撃による周波数シフトや発振停止のな
い信頼性の高い振動子が実現出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧電振動子の周波数調整用金属膜の位置を示す
上面図
【図2】レーザービームによるトリミングの状態を示す
断面図
【図3】先端部におけるレーザービームによるトリミン
グの状態を示す断面図
【図4】従来の周波数調整方法を示す上面図
【図5】本発明の実施例を示す上面図
【図6】本発明の実施例を示す上面図
【符号の説明】
1 金属膜 2 水晶振動片の腕 3 レーザービーム 4 金属異物 5 バリ 6 レーザースキャン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H03H 9/19 H01L 41/18 101A

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動片の表面に周波数調整用の金属膜を
    有する圧電振動子において、前記金属膜の外周が前記振
    動片の主面の外周部から離間した内側である圧電振動
    子。
  2. 【請求項2】 前記金属膜の外周と前記振動片の主面の
    外周部との距離が20μmから60μmである請求項1
    記載の圧電振動子。
  3. 【請求項3】 音叉型振動子の腕の先端部で、かつ前記
    腕の先端と前記腕の幅方向の外周部から離間した内側に
    周波数調整用の金属膜を有する音叉型振動子。
  4. 【請求項4】 振動片の主面の表面に前記振動片の外周
    から内側に離間して周波数調整用の金属膜を形成し、 前記金属膜をレーザービームでスキャンし周波数調整す
    る圧電振動子の製造方法。
  5. 【請求項5】 音叉型振動子の腕の主面の先端部で、か
    つ前記腕の先端と前記腕の幅方向の外周部から離間した
    内側に周波数調整用の金属間膜を形成し、 前記金属膜を前記音叉型振動子の前記腕の幅方向にレー
    ザースキャンし周波数調整を行う音叉型振動子の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 周波数調整用の金属膜を振動片のエッジ
    部分まで膜付けしないことを特徴とする圧電振動子。
  7. 【請求項7】 周波数調整用の金属膜を振動片のエッジ
    部分まで膜付けしないことを特徴とする圧電振動子の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 圧電材料からなるウエハ内に縦横に複数
    の圧電振動子の外形形状を形成し、前記複数の圧電振動
    子表面にそれぞれの圧電振動子の外周の内側に重りとな
    る金属膜を形成し、前記金属膜をレーザートリミングし
    周波数調整する圧電振動子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記複数の圧電振動子の前記周波数調整
    を行った後、前記ウエハの上下面にそれぞれの圧電動子
    の振動を可能とする凹部を有する蓋体を接合する請求項
    8記載の圧電振動子の製造方法。
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