JP5817517B2 - 音叉型水晶振動子の製造方法 - Google Patents

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本発明は各種電子機器のクロック源として用いられる音叉型水晶振動子の製造方法に関する。
音叉型水晶振動子等の水晶振動デバイスは、実装される各種機器の小型化および薄型化に伴い、超小型で薄型のものが求められるようになっている(例えば平面視の外形寸法が2.0mm×1.2mm)。例えば直方体状の容器内に音叉型水晶振動片を収容し、平板状の蓋を前記容器に接合することによって音叉型水晶振動片を気密に封止した表面実装型の音叉型水晶振動子が広く用いられている。
前述の音叉型水晶振動片は例えば図12に示すような形状となっている。図12において音叉型水晶振動片9は基部90と基部90の一端側から一方向に突出した一対の振動腕91,91を備えている。基部90や一対の振動腕91,91には所定形状の電極(図示省略。振動腕の先端領域のみ符号Mで表示)が形成される。そして図13に示すように一対の振動腕91,91の先端領域は対向する一組の主面91A,91Bと対向する一組の側面91C,91Dの計4つの面で構成されている。ここで図13は図12のC−C線における断面図となっており、振動腕91の先端領域には振動腕の全周に電極Mが形成されている。そして電極Mのさらに上層には金属膜Wが周状に形成されており、この金属膜Wが音叉型水晶振動片の周波数を調整するための金属膜となっている(以下、調整用金属膜Wと略記)。
音叉型水晶振動片の周波数調整は、調整用金属膜Wに対してレーザー光(図12に示すL)を照射して調整用金属膜Wの質量を削減して周波数を上昇させることによって行われる(レーザートリミング)。調整用金属膜Wの質量を削減したときの周波数の上昇量は振動腕91の先端に近づくにつれて大きくなり、振動腕の先端が最大となる。このことからレーザー光の照射は最も周波数変化量の大きい振動腕の先端側から開始され、振動腕の幅方向に横断するようにレーザー光が走査される。そして当該レーザー光の走査は、振動腕の先端側から振動腕の根元方向へ順次移動させながら所望の周波数範囲に到達するまで行われる。このような方法で周波数の調整を行う音叉型水晶振動子は例えば特許文献1乃至3に開示されている。
特開昭59−202720号 特開2003−332871号 特開2003−332872号
しかしながら音叉型水晶振動片が超小型になってくると、最初にレーザー光が照射される振動腕の先端において一度に大量の調整用金属膜の質量が削減されてしまい、所望の周波数範囲よりも高い周波数域に到達して規格外となることがあった。かかる不具合を防止するためにレーザーの照射径を絞り込もうとしても照射径には限界があり、初期周波数調整量の過多を防止することが困難であった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、初期周波数調整量の過多を防止しつつ、安定した周波数調整を行うことができる音叉型水晶振動子の製造方法を提供することを目的とするものである。
また、上記目的を達成するために、基部と該基部の一端側から突出した一対の振動腕を備えた音叉型水晶振動片を、容器の内部に収容し、前記容器に蓋を接合することによって音叉型水晶振動片を気密に封止した音叉型水晶振動子の製造方法であって、前記振動腕は一組の対向する主面と一組の対向する側面とを有し、少なくとも前記一組の対向する主面の一方あるいは両方に、質量が削減されることによって周波数の調整が行われる調整用金属膜を振動腕の先端寄りに形成する調整膜形成工程と、前記調整用金属膜は複数の調整領域からなるとともに、振動腕の先端側に他の調整領域よりも単位面積あたりの質量が小さい少調整領域を有してなり、振動腕の先端から離間した外方からレーザー光を照射し始め、振動腕の先端に近づく方向に移動させ、少なくとも前記調整用金属膜のうち、少なくとも前記少調整領域の金属膜の質量を削減することによって音叉型水晶振動片の周波数調整を行う周波数調整工程と、を有する音叉型水晶振動子の製造方法となっている。
上記製造方法によれば、周波数調整の初期段階における周波数調整量の過多を防止することができる。これは振動腕の先端から離間した外方からレーザー光を照射し始め、振動腕の先端に近づく方向に移動させることによって、位置ずれが発生したとしても必ず振動腕の先端にレーザー光が照射されることになるとともに、音叉型水晶振動片の振動腕の先端側から調整用金属膜の質量を削減して周波数調整を行う際に、振動腕の先端側に他の調整領域よりも単位面積あたりの質量が小さい少調整領域が形成されているため、他の調整領域よりも質量削減による周波数の上昇量を減少させることができるためである。これにより周波数調整の際に一度に大量の調整用金属膜の質量が削減されることによる周波数の急激な上昇を防止することができる。
上記目的を達成するために、前記調整用金属膜が前記振動腕の主面にのみ形成されていてもよい。従来の周波数調整用の金属膜の場合、振動腕の先端部分に周状に形成されているため、例えば周波数調整をレーザー光を用いて行う場合、レーザーの焦点深度の関係から振動腕の側面部分の金属膜が完全に除去されず、部分的に剥がれたような不安定な状態で残存してしまうことがある。このような状態で残存した金属膜は後に剥離して脱落するおそれがあり、各種不具合の原因となる。これに対し、本発明の実施形態における調整用金属膜は振動腕の側面に金属膜が形成されていないため、レーザーの焦点深度の関係から完全に除去されない金属膜の発生を防止することができる。これにより残存金属膜の剥離に起因する各種不具合を防止することができるとともに、周波数調整の初期段階における周波数調整量の過多も防止することができる。さらに不安定な状態で残存する振動腕の側面部分の金属膜が存在しないため、想定した周波数調整量と実際の周波数調整量との乖離を防止することができる。
また、上記目的を達成するために、前記少調整領域の平面視の形状が略櫛状であってもよい。少調整領域の平面視の形状を略櫛状、すなわち所定間隔で断続的に切り欠かれ、「櫛」の“歯”に相当する部分が振動腕の伸長方向と略平行で、かつ振動腕の先端方向に突出した形状とすることによって、振動腕の先端側に他の調整領域よりも単位面積あたりの質量が小さい少調整領域が形成されることになる。そして前記“歯”の本数あるいは間隔を増減させることによって調整用金属膜の削減量、つまり周波数上昇量をコントロールすることができる。これにより、周波数調整の初期段階における周波数調整量の過多を防止することができる。なお前記少調整領域は同一幅または同一長で除去された形状に限定されるものではなく、異なる幅または長さで部分的に除去された形状であってもよい。また前記少調整領域の全体の質量を削減するようにトリミングするだけでなく、少調整領域の一部だけの質量を削減するようにトリミングすることによって周波数調整を行ってもよい。
また、上記目的を達成するために、前記少調整領域の平面視の形状が、振動腕の先端に近づくにつれて幅狭になっていてもよい。このような形状によって、少調整領域の先端部分の金属膜の質量を最小とし、当該先端部分から少調整領域の振動腕の根元寄りの方向に離間するにしたがって漸次金属膜の質量が増大することになる。前述したように調整用金属膜の質量を削減したときの周波数の上昇量は、振動腕の先端から振動腕の根元方向に離間するにつれて減少する。本特性と少調整領域の金属膜の質量を考慮し、少調整領域の形状をコントロールすることによって、周波数調整時の周波数の上昇量を一定に近づけることができる。例えばレーザー光を振動腕を振動腕の幅方向に横断するように走査させることによって少調整領域の金属膜の質量を削減する場合、1回のレーザー光の走査による周波数の上昇量を一定に近づけることができる。なお、振動腕の先端に近づくにつれて幅狭となる少調整領域の平面視形状は、振動腕の先端に近づくにつれて連続的に幅狭となるテーパー形状や、振動腕の先端に近づくにつれて断続的に幅狭となる多段形状であってもよい。
上記構成によれば、振動腕の先端側に他の調整領域よりも単位面積あたりの質量を小さい少調整領域が形成されているので周波数調整の初期段階における周波数調整量の過多を防止することができる。さらに少調整領域の形状をコントロールすることによって、少調整領域における1回のレーザー光の走査による周波数の上昇量を一定に近づけることができる。以上により、安定した周波数調整を行うことができる。
以上のように本発明によれば、初期周波数調整量の過多を防止しつつ、安定した周波数調整を行うことができる音叉型水晶振動子の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態を示す音叉型水晶振動子の断面模式図 本発明の実施形態を示す音叉型水晶振動片の平面図 図2のA部拡大図 図2のB−B線における断面拡大図 本発明の実施形態を示す音叉型水晶振動片の部分拡大図 本発明の実施形態の変形例を示す音叉型水晶振動片の部分拡大図 本発明の実施形態の変形例を示す音叉型水晶振動片の部分拡大図 本発明の実施形態の変形例を示す音叉型水晶振動片の部分拡大図 本発明の実施形態の変形例を示す音叉型水晶振動片の部分拡大図 本発明の実施形態の変形例を示す音叉型水晶振動片の部分拡大図 本発明の実施形態の変形例を示す音叉型水晶振動片の部分拡大図 従来の音叉型水晶振動片の平面図 図12のC−C線における断面拡大図
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。本実施形態における音叉型水晶振動子の断面模式図を図1に示す。音叉型水晶振動子1は、容器2の段部8上面に形成された金属膜からなる搭載パッド7の上に、音叉型水晶振動片4が接合部材6を介して接合され、ロウ材5を介して蓋3を容器2に接合することにより、音叉型水晶振動片4を気密に封止した構造となっている。音叉型水晶振動子1は略直方体状であり、平面視の外形寸法は2.0mm×1.2mmとなっている。なお図1では容器底面に形成される外部接続端子や容器の内部配線や音叉型水晶振動片の表裏側面に形成される各種電極の記載を省略している。
図1において容器2はセラミック材料からなる平面視矩形状の箱状体であり、蓋3は金属からなる平面視略矩形状の平板となっている。そしてロウ材5としてAuSn合金が使用されており、蓋3と容器2との接合は雰囲気加熱によるロウ材の溶融(金属溶融)によってなされる。蓋3と容器2との接合方法は金属ロウ材の溶融に限定されるものではなく、その他の接合方法においても本発明は適用可能である。例えばレーザー光や電子ビームなどのビームを用いた局所加熱溶融による封止方法等も適用可能である。また本発明の実施形態において、音叉型水晶振動子の構成部材の材料として蓋3に金属が、容器2にセラミックがそれぞれ用いられているが、本発明の適用は本組合せに限定されるものではなく、その他の材料を蓋または容器に使用してもよい。一例としてガラスや水晶を蓋あるいは容器の材料として使用することも可能である。
本実施形態では接合部材7に金からなるメッキバンプが使用されており、FCB(Flip Chip Bonding)法によって音叉型水晶振動片4と搭載パッド7とが接合されている。なお接合部材7としてメッキバンプの他に、スタッドバンプや導電性樹脂接合材あるいは合金を用いることも可能である。
次に音叉型水晶振動片について図2を用いて説明する。音叉型水晶振動片4は、基部40と、基部40の一端側から突出した一対の振動腕41,41と、基部の一部であり,基部の他端側に近接する側面から突出した突出部42とからなっている。さらに一対の振動腕41,41はストレート状のストレート部410と、ストレート部より幅広に形成された幅広部420と、ストレート部410と幅広部420の境界となる位置にあるテーパー状の拡幅部(図2において符号無し)とで構成されている。音叉型水晶振動片4はフォトリソグラフィ技術と湿式エッチングを用いることによって成形されている。水晶は異方性の結晶材料であるため、水晶の結晶方位固有の角度で化学的溶解が進行し、深さ方向に傾斜面が出現する。しかし説明の便宜上、本発明の実施形態の説明で用いる振動腕の断面図では深さ(厚み)方向に傾斜していない直角の壁面で表示している。
本発明の適用は上述した音叉型水晶振動片の形状に限定されるものではない。例えばストレート部が振動腕の先端に近づくにつれてテーパー状に縮幅する形状や、ストレート部の途中に曲面部分が形成された形状等にも本発明は適用可能である。さらに本実施形態では、図2に示すように突出部42が振動腕と略直交する方向にのみ突出した形態となっているが、平面視でアルファベットの「L」字状に屈曲し、先端が振動腕の伸長方向と略平行となるように基部から突出形成された形状の突出部であっても本発明の適用可能である。また、振動腕41のストレート部410の表裏主面に振動腕の伸長方向と平行に溝が形成されていてもよい。
図2において音叉型水晶振動片4の基部40および振動腕41の表裏側面には所定形状の電極パターン(図示省略)がフォトリソグラフィ技術によって形成されている。幅広部420および拡幅部には全周に金属膜M(図示省略)が形成されている。本実施形態では金属膜MにはAuが使用されており、下地層としてCrが使用されている。この金属膜Mと前記電極パターンとは同一の膜構成となっており、真空蒸着法によって同時に形成されている。なお前述した下地層および金属膜MはそれぞれCrおよびAuに限定されるものではなく、これら以外の金属を使用してもよい。また金属膜Mおよび電極パターンは真空蒸着法以外にスパッタリングによって成膜してもよい。
図2において幅広部420および拡幅部の全周に形成された金属膜M(図示省略)のうち、一主面上には、質量が削減されることによって周波数調整が行われる調整用金属膜43が形成されている。これは本発明の実施形態において調整膜形成工程と呼ばれる工程において形成されるものである。前記調整用金属膜43は幅広部420および拡幅部の一主面のみに形成されており、本実施形態では調整用金属膜43は図3に示すように2つの領域から成っている。すなわち振動腕41の先端側が他の調整領域43bよりも単位面積あたりの質量が小さい少調整領域43aとなっており、振動腕の根元寄りが他の調整領域43bとなっている。なお調整用金属膜は2つの調整領域に限定されるものではなく、2以上の調整領域を有していてもよい。さらに、本実施形態においては少調整領域とその他の調整領域とが一体となった金属膜となっているが、必ずしも一体である必要は無く、複数の調整領域が分離して形成されていてもよい。
上記調整用金属膜43の構成によれば、振動腕41の先端側に他の調整領域よりも単位面積あたりの質量が小さい少調整領域43aを有しているため、周波数調整の初期段階における周波数調整量の過多を防止することができる。これは音叉型水晶振動片4の振動腕41の先端側からレーザー光が照射される際に、振動腕41の先端側に他の調整領域よりも単位面積あたりの質量が小さい少調整領域43aを有する調整用金属膜43が形成されているため、少調整領域43a上を横断するようにレーザー光を走査させたときの調整用金属膜43の削減量が抑制されることによる。これにより周波数調整の際に一度に大量の調整用金属膜の質量が削減されることによる周波数の急激な上昇を防止することができる。
調整用金属膜43は幅広部420および拡幅部の主面全体には形成されておらず、幅広部420および拡幅部の外側と内側の各稜部を覆わないよう、稜部から僅かに離間した位置まで形成されている。従来の周波数調整用の金属膜の場合、振動腕の先端部分に周状に形成されているため、レーザーの焦点深度の関係から振動腕の側面部分の金属膜が完全に除去されず、部分的に剥がれたような不安定な状態で残存してしまうことがある。このような状態で残存した金属膜は後に剥離して脱落するおそれがあり、各種不具合の原因となる。これに対し、本発明の実施形態における調整用金属膜43は振動腕41の側面に金属膜が形成されていないため、レーザーの焦点深度の関係から完全に除去されない金属膜の発生を防止することができる。これにより残存金属膜の剥離に起因する各種不具合を防止することができるとともに、周波数調整の初期段階における周波数調整量の過多も防止することができる。さらに不安定な状態で残存する振動腕の側面部分の金属膜が存在しないため、想定した周波数調整量と実際の周波数調整量との乖離を防止することができる。
図3に示すように調整用金属膜43には、金属膜が形成されていない領域が幅広部420の幅方向に略一定間隔で断続的に形成された,平面視で略櫛状の少調整領域43aが形成されている。少調整領域43aの断面は図4に示すような形状となっており、従来例である図13における調整用金属膜Wの厚みに比して厚膜に形成されている。ここで少調整領域43aは必ずしも図13における調整用金属膜Wの厚みよりも厚くする必要はなく、金属膜Wの厚みと同等かそれ以下であってもよい。なお図4においては図2乃至3で記載を省略した金属膜Mを表示しており、金属膜Mの上に電解メッキ法によって少調整領域43aが成膜されている。一方、他の調整領域43bは少調整領域43aのように部分的に金属膜が切り欠かれた領域は存在していない。以上のような構成により、調整用金属膜43は少調整領域43aの方が他の調整領域よりも単位面積あたりの質量が小さくなっている。
本実施形態において、周波数調整工程は少なくとも少調整領域43aの金属膜の質量を削減することによって音叉型水晶振動片の周波数調整を行う工程となっている。まず図3において振動腕の先端から上方に離間した位置から、振動腕の幅方向と平行にレーザー光(本実施形態ではグリーンレーザーを使用)の照射を開始する。なおグリーンレーザー以外の波長のレーザーを使用することも可能である。例えばYAGレーザーや炭酸ガスレーザーも使用可能である。
図3において振動腕の先端から上方に離間した位置からレーザー照射を行うのは次の理由による。つまり音叉型水晶振動片が超小型になってくると位置ずれの影響が大きくなるとともに、レーザー光の径を絞っても1回の走査で削減される金属膜の質量が従来サイズの音叉型水晶振動片の場合よりも過多となってしまうことがある。1回の走査で削減される金属膜の質量が過多となった場合、想定以上または想定以下に周波数が変化してしまい、調整が困難になるとともに生産効率の悪化を招くことになる。かかる不具合を防止するために、予め振動腕の先端から離間した外方からレーザー光を照射し始め、振動腕の先端に近づく方向(図3で示すLからL’に向かう方向)に所定のピッチで移動させることによって、位置ずれが発生したとしても必ず振動腕の先端にレーザー光が照射されることになる。なお周波数調整工程では図4に示すように少調整領域43aを下向きにして振動腕の上方からレーザー光を照射する。これにより、飛散金属の音叉型水晶振動片等への再付着を防止することができる。
周波数調整工程後の調整用金属膜の状態を図5に示す。図5では少調整領域43aの領域はレーザー照射によって全て除去され、他の調整領域の一部まで除去された状態となっている。なお図6に示すように少調整領域43aの一部を残すようにレーザー光を走査させることによって振動腕先端付近における周波数調整量をコントロールすることができる。また図6では少調整領域43aの内側部分が残存した平面視形状となっているが本形状に限らず、少調整領域43aの外側部分だけが残存する形状や、少調整領域43aの中央部分のみを除去し、外側部分と内側部分が残存した形状であってもよい。
また本発明の実施形態の変形例として、少調整領域の形状は図7乃至11に示すような形状であってもよい。以下各構成ごとに説明する。図7では少調整領域44aは平面視略櫛状であるが、櫛の“歯”に相当する部分がテーパー状となっている。このような形状によれば、少調整領域44aは他の調整領域44bよりも単位面積あたりの金属膜の質量が小さくなっているとともに、1回のレーザー光の走査で削減される金属膜の質量が腕先から離間するにつれて段階的に増大するようになっている。調整用金属膜の質量を削減したときの周波数の上昇量は、振動腕の先端から振動腕の根元方向に離間するにつれて減少するため、少調整領域44aの形状をコントロールすることによって、少調整領域における1回のレーザー光の走査による周波数の上昇量を一定に近づけることができる。また、少調整領域44aは他の調整領域44bよりも単位面積あたりの金属膜の質量が小さくなっているため、周波数調整の初期段階における周波数調整量の過多も防止することができる。
図8に示す少調整領域45aは平面視で振動腕の先端に近づくにつれて幅狭となる略テーパー状となっている。このような形状によって、少調整領域45aの先端部分の金属膜の質量を最小とし、少調整領域45aの先端部分から少調整領域45aの振動腕の根元寄りの方向に離間するにしたがって漸次金属膜の質量が増大することになる。調整用金属膜の質量を削減したときの周波数の上昇量は、振動腕の先端から振動腕の根元方向に離間するにつれて減少する。本特性と少調整領域の金属膜の質量を考慮し、少調整領域45aの形状をコントロールすることによって、1回のレーザー光の走査による周波数の上昇量を一定に近づけることができる。なお、前記テーパー状は図9に示すように振動腕の先端に近づくにつれて断続的に幅狭となる多段形状であってもよい。あるいは図10に示すような振動腕の先端側を頂点とする平面視で略三角形状の少調整領域47aを形成してもよい。図9または図10のような構成により、少調整領域の単位面積あたりの質量を他の調整領域の単位面積あたりの質量よりも小さく形成することができるため、周波数調整の初期段階における周波数調整量の過多を防止することができる。また、少調整領域の形状をコントロールすることによって、少調整領域における1回のレーザー光の走査による周波数の上昇量を一定に近づけることができる。
なお、少調整領域の形状をコントロールすることによって、1回のレーザー光の走査による周波数の上昇量を一定ではなく、少調整領域内で変化させることも可能である。例えば、少調整領域内の振動腕の先端側から振動腕の根元に近づくにつれて連続的あるいは断続的に周波数の上昇量が増大するように少調整領域の形状を設定するようにしてもよい。この場合、図9または図10における調整用金属膜の構成よりも、さらに精密な周波数調整を行うことができる。
さらに、前述のように少調整領域の平面視の形状を可変させることによって、少調整領域内の任意の位置から振動腕の幅方向に横断するようにレーザー光を走査させても周波数の上昇量が略一定となるようにしておき、少調整領域以外の調整用金属膜の形成領域(振動腕の根元側の領域)では振動腕の根元に近づくにつれて1回のレーザー光の走査による周波数の上昇量が漸次減少するように設定してもよい。つまり、調整用金属膜の領域を、1回のレーザー光の走査による周波数の上昇量が略一定の領域(少調整領域)と、1回のレーザー光の走査による周波数の上昇量が変化する領域(少調整領域以外の調整用金属膜の形成領域)の2つの領域としてもよい。このような構成とすることで、より効率的で安定した周波数調整を行うことができる。
また調整用金属膜(48)は、図11に示すように櫛形状とテーパー形状とを組み合わせた平面視形状であってもよい。このような構成であれば1回のレーザー光の走査で削減される質量が腕先から離間するにつれて段階的に増大するとともに、縦方向(振動腕の伸長方向)に断続的に切り欠かれているため、図9または図10における調整用金属膜の構成よりも、さらに精密な周波数調整を行うことができる。
また上記した製造方法によれば、周波数調整の初期段階における周波数調整量の過多を防止することができる。これは音叉型水晶振動片の振動腕の先端側からレーザー光が照射される際に、振動腕の先端側に他の調整領域よりも単位面積あたりの質量が小さい少調整領域を有する調整用金属膜が形成されているため、少調整領域上を横断するようにレーザー光を走査させたときの調整用金属膜の削減量が抑制されることによる。これにより周波数調整の際に一度に大量の調整用金属膜の質量が削減されることによる周波数の急激な上昇を防止することができる。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
音叉型水晶振動子の量産に適用できる。
1 音叉型水晶振動子
2 容器
3 蓋
4 音叉型水晶振動片
40 基部
41 振動腕
43 調整用金属膜
43a、44a、45a、46a、47a、48a 少調整領域
43b、44b、45b、46b、47b、48b 他の調整領域
M 腕先電極

Claims (4)

  1. 基部と該基部の一端側から突出した一対の振動腕を備えた音叉型水晶振動片を、容器の内部に収容し、前記容器に蓋を接合することによって音叉型水晶振動片を気密に封止した音叉型水晶振動子の製造方法であって、
    前記振動腕は一組の対向する主面と一組の対向する側面とを有し、
    少なくとも前記一組の対向する主面の一方あるいは両方に、質量が削減されることによって周波数の調整が行われる調整用金属膜を振動腕の先端寄りに形成する調整膜形成工程と、
    前記調整用金属膜は複数の調整領域からなるとともに、振動腕の先端側に他の調整領域よりも単位面積あたりの質量が小さい少調整領域を有してなり、
    振動腕の先端から離間した外方からレーザー光を照射し始め、振動腕の先端に近づく方向に移動させ、少なくとも前記調整用金属膜のうち、少なくとも前記少調整領域の金属膜の質量を削減することによって音叉型水晶振動片の周波数調整を行う周波数調整工程と、
    を有する音叉型水晶振動子の製造方法。
  2. 前記調整用金属膜が前記振動腕の主面にのみ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の音叉型水晶振動子の製造方法。
  3. 前記少調整領域の平面視の形状が略櫛状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の音叉型水晶振動子の製造方法。
  4. 前記少調整領域の平面視の形状が、振動腕の先端に近づくにつれて幅狭になっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の音叉型水晶振動子の製造方法。
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