JP2014192802A - 圧電振動片、圧電振動片の製造方法、及び圧電デバイス - Google Patents

圧電振動片、圧電振動片の製造方法、及び圧電デバイス Download PDF

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Takeshi Saito
健史 齊藤
Noritoshi Kimura
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Abstract

【課題】励振電極等が不用意に除去されることを防止し、周波数調整を高精度に行うことにより信頼性を向上させる。
【解決手段】基部105から第1方向に延びる少なくとも一対の振動腕106、107と、振動腕106、107に形成された励振電極111〜114と、励振電極111〜114を被覆する絶縁膜131、141と、を有し、絶縁膜131、141は、振動腕106、107に形成された周波数調整領域130a、130b、140a、140bを露出させる開口部131a、131b、141a、141bを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電振動片、圧電振動片の製造方法、及び圧電デバイスに関する。
携帯端末や携帯電話などの電子機器では、水晶振動子や水晶発振器などの圧電デバイスが搭載されている。このような圧電デバイスは、水晶振動片などの圧電振動片を、各種容器等に収容して構成されている。圧電振動片としては、例えば、基部と、この基部から一方向に延びた少なくとも一対の振動腕とを有する音叉型の圧電振動片が知られている(例えば、特許文献1参照)。
音叉型の圧電振動片は、所定の振動数で振動腕を振動させることにより、所望の周波数の信号を取り出せるようにしている。従って、この圧電振動片から所望の周波数の信号を取り出すには、振動腕を所定の振動数で振動させるように適宜調整することが必要である。振動腕の振動数の調整は、予め振動腕の表面に形成された調整用の金属膜(電極)の一部または全部を除去することにより行っている。金属膜の除去としては、例えば、Arガスやレーザー照射などが用いられ、これらによって金属膜をトリミングすることにより、振動腕の振動数を調整している。
特開2008−199283号公報
近年では電子機器の小型化により圧電デバイスのさらなる小型化が求められ、この圧電デバイスに用いられる圧電振動片においても小型化が求められている。しかしながら、上記した音叉型の圧電振動片を小型化すると振動腕も小さくなり、この振動腕の表面に形成される調整用の金属膜が励振電極と近接した状態となってしまう。このように、調整用の金属膜が励振電極と近接すると、トリミング時にArガス(アルゴンガス)やレーザーを金属膜に向けて照射させたときに励振電極の一部が除去されてしまう場合があり、圧電振動片の振動特性に影響を与えてしまうといった問題がある。
以上のような事情に鑑み、本発明は、圧電振動片が小型化された場合であっても励振電極に影響を与えることなく周波数調整を高精度に行うことが可能であり、信頼性に優れた圧電振動片、圧電振動片の製造方法及び圧電デバイスを提供することを目的とする。
本発明では、基部から第1方向に延びる少なくとも一対の振動腕と、振動腕に形成された励振電極と、励振電極を被覆する絶縁膜と、を有し、絶縁膜は、振動腕に形成された周波数調整領域を露出させる開口部を備える。
また、一対の振動腕のそれぞれは、第1方向に延びる第1腕部と、第1腕部の先端から第1方向とは反対方向の第2方向に延びる第2腕部と、を有する構成であってもよい。また、開口部は、第1腕部に対応した第1開口部と、第2腕部に対応した第2開口部と、を有する構成であってもよい。また、振動腕の周波数調整領域には、開口部によって露出される調整用電極が設けられる構成であってもよい。また、基部及び振動腕を囲む枠部を有し、基部と枠部とを接続するアンカー部を備える構成であってもよい。また、本発明では、上記した圧電振動片を含む圧電デバイスが提供される。
本発明では、基部から延びる少なくとも一対の振動腕を有する圧電振動片の製造方法であって、振動腕に形成された励振電極を絶縁膜で被覆する被覆工程と、振動腕の周波数調整領域を露出させるように、絶縁膜に開口部を形成する開口部形成工程と、開口部を介して振動腕に対して周波数調整を行う調整工程と、を含む。
また、振動腕の周波数調整領域に調整用電極を形成する工程を含み、調整工程は、開口部を介して調整用電極の一部または全部を除去することにより行うようにしてもよい。また、調整工程の後、絶縁膜を除去する除去工程を含んでもよい。
本発明によれば、開口部から露出した周波数調整領域に対して周波数調整の処理が行われ、絶縁膜に覆われた部分は保護されるため、絶縁膜に覆われた電極等が不用意に除去されることを防止し、周波数調整を高精度に行うことが可能となる。これにより、信頼性に優れた圧電振動片、圧電振動片の製造方法及び圧電デバイスを提供することができる。
第1実施形態に係る圧電振動片を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図、(c)は(a)のB−B線に沿った断面図である。 図1に示す圧電振動片の要部を拡大した斜視図である。 (a)〜(g)は、図1に示す圧電振動片の製造工程を示す図である。 第2実施形態に係る圧電振動片を示す平面図である。 第3実施形態に係る圧電振動片を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C線に沿った断面図である。 第4実施形態に係る圧電振動片を示す平面図である。 圧電デバイスの実施形態を示す分解斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、以下の実施形態では、図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きくまたは強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。また、図面においてハッチングした部分は金属膜を表している。以下の各図において、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ座標系においては、圧電振動片の表面に平行な平面をYZ平面とする。このYZ平面において圧電振動片の長手方向をY方向と表記し、Y方向に直交する方向をZ方向と表記する。YZ平面に垂直な方向(圧電振動片の厚さ方向)はX方向と表記する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の方向が+方向であり、矢印の方向とは反対の方向が−方向であるものとして説明する。
<第1実施形態>
(圧電振動片100の構成)
第1実施形態に係る圧電振動片100について図面を用いて説明する。図1(a)は、圧電振動片100の平面を示している。本実施形態では、圧電振動片100として、例えばXカットの水晶振動片が用いられている。Xカットは、人工水晶の3つの結晶軸である電気軸、機械軸及び光学軸のうち、電気軸にほぼ垂直な面で切り出す加工手法である。Xカットによって切り出された水晶振動片は、圧電特性が大きく現れる等の利点を有している。また、本明細書において、Xカットの水晶板には+2°Xカット水晶板など、電気軸(X軸)から適宜傾斜させてカットされた水晶板を含む意味で用いている。
圧電振動片100は、所定の振動数で振動する振動部101と、振動部101を囲む枠部102と、振動部101と枠部102とを連結するアンカー部103と、を有している。振動部101と枠部102との間には、アンカー部103を除いて、Y軸方向に貫通する貫通穴104が形成されている。振動部101は、基部105と、振動腕106、107と、励振電極111〜114、121〜124とを有している。
基部105は、+Y方向に延びる一対の振動腕106、107を支持する。基部105は、アンカー部103によって枠部102の内側に保持される。また、基部105は、アンカー部103から+Z方向及び−Z方向にそれぞれ等しい長さだけ突出した状態となっている。基部105のX方向の厚さは、アンカー部103の厚さと等しくなっている。振動部101の+X側表面及び−X側表面は、アンカー部103から基部105にかけて平坦となっている。基部105は、枠部102内において、−Y側に偏った位置に設けられている。
アンカー部103は、基部105の+Y側に形成される第1アンカー部103aと、基部105の−Y側に形成される第2アンカー部103bとを有している。第1アンカー部103a及び第2アンカー部103bは、基部105を挟んでY方向に配置されている。第1アンカー部103a及び第2アンカー部103bは、X方向から見たときに、Z方向の幅が同一に形成されている。また、第1アンカー部103a及び第2アンカー部103bは、その断面形状(Y方向に垂直な断面形状)がY方向において変化せず、ほぼ一定となっている。
振動腕106は、振動部101における振動の発生部分であり、第1腕部106aと、第2腕部106bと、接続部106cとを有している。これら第1腕部106a、第2腕部106b、及び接続部106cは、枠部102の内側において配置されている。第1腕部106aは、基部105から+Y方向(第1方向)に延びるように帯状に形成されており、Z方向の寸法(幅)が均一に形成されている。第1腕部106aは、基部105を基端としてZ方向に振動する。第1腕部106aの先端(+Y側端部)は、接続部106cに接続されている。
接続部106cは、第1腕部106aの先端(+Y側端部)から+Z方向に延びる帯状に形成される。第2腕部106bは、接続部106cから−Y方向(第2方向)に延びるように帯状に形成されており、Z方向の寸法(幅)が均一に形成されている。従って、第2腕部106bは、第1腕部106aの+Z側に間隔を空けて並んで配置された状態となっている。第2腕部106bの−Y側端部は、自由端となっている。この第2腕部106bは、接続部106cを基端としてZ方向に振動する。
接続部106cは、第1腕部106aと第2腕部106bとを接続している。従って、第1腕部106aと第2腕部106bとが接続部106cによって折り返された形状を有している。なお、振動腕106は、第1腕部106a、第2腕部106b、及び接続部106cにおいて等しい厚さに形成されている。第1腕部106a及び第2腕部106bのX方向、Y方向及びZ方向についての寸法や形状については、所望の振動数に応じて適宜変更される。
一方、振動腕107は、振動腕106と同様、振動部101における振動の発生部分であり、第1腕部107aと、第2腕部107bと、接続部107cとを有している。これら第1腕部107a、第2腕部107b、及び接続部107cは、枠部102の内側において配置されている。第1腕部107aは、基部105から+Y方向(第1方向)に延びるように帯状に形成されており、Z方向の寸法(幅)が均一に形成されている。第1腕部107aは、基部105を基端としてZ方向に振動する。第1腕部107aの先端(+Y側端部)は、接続部106cに接続されている。
接続部107cは、第1腕部107aの先端(+Y側端部)から−Z方向に延びる帯状に形成される。第2腕部107bは、接続部107cから−Y方向(第2方向)に延びるように帯状に形成されており、Z方向の寸法(幅)が均一に形成されている。従って、第2腕部107bは、第1腕部107aの−Z側に間隔を空けて並んで配置された状態となっている。第2腕部107bの−Y側端部は、自由端となっている。この第2腕部107bは、接続部107cを基端としてZ方向に振動する。
接続部107cは、第1腕部107aと第2腕部107bとを接続している。従って、第1腕部107aと第2腕部107bとが接続部107cによって折り返された形状を有している。なお、振動腕107は、第1腕部107a、第2腕部107b、及び接続部107cにおいて等しい厚さに形成されている。第1腕部107a及び第2腕部107bのX方向、Y方向及びZ方向についての寸法や形状については、所望の振動数に応じて適宜変更される。なお、振動腕106と振動腕107とは、アンカー部103に対して対称の形状となっている。
振動腕106の表面(+X側の面)には、基部105の表面(+X側の面)まで延びる励振電極111、112が形成されている。同様に、振動腕106の裏面(−X側の面)には、基部105の裏面(−X側の面)まで延びる励振電極121、122が形成されている。励振電極111、112及び励振電極121、122は、基部105及び振動腕106の延在方向に沿ってそれぞれ平行に形成されている。
励振電極111は、4つの直線部分を有しており、これらが電気的に接続されている。先ず1つめの直線部分は、基部105の表面の+Y側の領域に、+Z方向に延びるように形成される。2つめの直線部分は、第1腕部106aの表面の−Z側の領域に、基部105から+Y方向に延びるように形成される。3つめの直線部分は、接続部106cの表面の+Y側の領域に、第1腕部106aから+Z方向に延びるように形成される。4つめの直線部分は、第2腕部106bの表面の+Z側の領域に、接続部106cから−Y方向に延びるように形成される。
同様に、励振電極112も、4つの直線部分を有しており、これらが電気的に接続されている。1つめの直線部分は、基部105の表面の−Y側の領域に、+Z方向に延びるように形成される。2つめの直線部分は、第1腕部106aの表面の+Z側の領域に、基部105から+Y方向に延びるように形成される。3つめの直線部分は、接続部106cの表面の−Y側の領域に、第1腕部106aから+Z方向に延びるように形成される。4つめの直線部分は、第2腕部106bの表面の−Z側の領域に、接続部106cから−Y方向に延びるように形成される。
励振電極111は、引出電極115を介して接続電極118に接続されている。また、励振電極112は、引出電極116を介して接続電極119に接続されている。これら引出電極115、116は、アンカー部103の表面(+X側の面)から枠部102の表面(+X側の面)にわたって形成されている。接続電極118、119は、枠部102の表面に形成されている。接続電極118、119は、枠部102に形成された貫通孔102a、102bに形成された不図示の貫通電極を介して、それぞれ枠部102の裏面(−X側の面)に形成された接続電極128、129に接続されている。
励振電極121、122は、基部105及び振動腕106の裏面に形成されている。励振電極121は、X方向から見たときに励振電極112と重なるように配置されている。図1(a)では、励振電極121は、励振電極112に重なっていることを表している。また、励振電極122は、X方向から見たとき励振電極111と重なるように配置されている。図1(a)では、励振電極122は、励振電極111に重なっていることを表している。
励振電極121は、基部105及び枠部102の裏面に形成された引出電極126を介して接続電極128に接続されている。また、励振電極122は、同じく基部105及び枠部102の裏面に形成された引出電極125を介して接続電極129に接続されている。従って、励振電極111と励振電極121とは同極であり、励振電極112と励振電極122とは同極である。このように、振動腕106は、第1腕部106a及び第2腕部106bの双方において、同極の励振電極(励振電極111及び励振電極121、励振電極112及び励振電極122)がX方向にクロスした状態で配置されている(図1(b)参照)。
振動腕107の表面(+X側の面)には、基部105の表面まで延びる励振電極113、114が形成されている。振動腕107の裏面(−X側の面)には、基部105の裏面まで延びる励振電極123、124が形成されている。励振電極113、114及び励振電極123、124は、基部105及び振動腕106の延在方向に沿ってそれぞれ平行に形成されている。
励振電極113、114及び励振電極123、124は、アンカー部103に対して、振動腕106に形成された励振電極111、112及び励振電極121、122とそれぞれ対称に形成されている。励振電極113は、励振電極111と対称であり、基部105の表面の+Y側の領域において−Z方向に延びる直線部分と、第1腕部107aの表面の+Z側の領域において+Y方向に延びる直線部分と、接続部107cの表面の+Y側の領域において−Z方向に延びる直線部分と、第2腕部107bの表面の−Z側の領域において−Y方向に延びる直線部分とを有している。
励振電極114は、励振電極112と対称であり、基部105の表面の−Y側の領域に、−Z方向に延びる直線部分と、第1腕部107aの表面の−Z側の領域において+Y方向に延びる直線部分と、接続部107cの表面の−Y側の領域において−Z方向に延びる直線部分と、第2腕部107bの表面の+Z側の領域において−Y方向に延びる直線部分とを有している。励振電極113は、引出電極115を介して接続電極118に接続されている。また、励振電極114は、引出電極116を介して接続電極119に接続されている。
励振電極113は、振動腕106の励振電極111と同様に、引出電極115を介して接続電極118に接続されている。また、励振電極114は、引出電極117を介して接続電極119に接続されている。引出電極117は、アンカー部103の表面(+X側の面)から枠部102の表面(+X側の面)にわたって形成されている。
励振電極123、124は、基部105及び振動腕107の裏面に形成されている。励振電極123は、X方向から見たときに励振電極114と重なるように配置されている。図1(a)では、励振電極123は、励振電極114に重なっていることを表している。また、励振電極124は、X方向から見たとき励振電極113と重なるように配置されている。図1(a)では、励振電極124は、励振電極113に重なっていることを表している。
励振電極123は、基部105及び枠部102の裏面に形成された引出電極127を介して接続電極128に接続されている。また、励振電極124は、振動腕106裏面の励振電極122と同様に引出電極125を介して接続電極129に接続されている。従って、励振電極113と励振電極123とは同極であり、励振電極114と励振電極124とは同極である。このように、振動腕107は、第1腕部107a及び第2腕部107bの双方において、同極の励振電極(励振電極113及び励振電極123、励振電極114及び励振電極124)がX方向にクロスした状態で配置されている(図1(b)参照)。
図1(b)は、図1(a)のA−A線に沿った断面図である。図1(b)に示すように、振動腕106の表面(+X側の面)には、絶縁膜131が形成されている。絶縁膜131は、励振電極111、112を覆うように形成されている。絶縁膜131としては、酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)が用いられる。酸化シリコンに対して何らかの物質をドープさせるか否かは任意である。その他、絶縁膜131としては、非導電性の金属や樹脂等が用いられてもよい。絶縁膜131の膜厚は任意であるが、後述する圧電振動片100の製造工程において、Arガスやレーザーの照射を受けて消失しない程度の膜厚に設定される。また、振動腕106の裏面(−X側の面)に、励振電極121、122を覆うように絶縁膜131が形成されてもよい。
絶縁膜131には、開口部131a及び開口部131bが形成される。開口部131aは、接続部106cのうち+Y側に設定された周波数調整領域130aに対応して形成される。開口部131aは矩形状に形成されるが、これに限定されず、他の多角形状、円形状、楕円形状、長円形状のいずれであってもよい。この開口部131aにより、接続部106c表面の周波数調整領域130aは、開口部131aから露出した状態となっている。この周波数調整領域130aには、調整用電極132が設けられている。
調整用電極132は、主として第1腕部106aの振動数を調整するための電極である。調整用電極132は、X方向から見たときに矩形状に形成されており、周波数調整領域130a(開口部131a)の内側に収まる形状に設定されている。従って、調整用電極132は、開口部131aから外部に露出した状態となる。調整用電極132としては、励振電極111等と同様の金(Au)や銀(Ag)が用いられる。ただし、調整用電極132として金や銀以外の金属が用いられてもよい。金などの比重が大きい金属を用いることにより、調整可能なレンジが大きいといった利点がある。調整用電極132の形状(厚さや面積など)は、任意に設定できる。また、調整用電極132は、励振電極111等と電気的に接続されず、絶縁された状態となっている。
開口部131bは、第2腕部106bのうち−Y側端部に設定された周波数調整領域130bに対応して形成される。開口部131bは矩形状に形成される。この開口部131bにより、第2腕部106bの周波数調整領域130bは、開口部131bから露出した状態となっている。この周波数調整領域130bには、調整用電極133が設けられている。調整用電極133は、主として第2腕部106bの振動数を調整するための電極である。
図1(c)は、図1(a)のB−B線に沿った断面図であり、調整用電極133を含めた断面を示している。図2は、第2腕部106bの−Y側端部を拡大した斜視図である。調整用電極133は、X方向から見たときに矩形状に形成されており、周波数調整領域130b(開口部131b)の内側に収まる形状に設定されている。従って、調整用電極133は、開口部131bから外部に露出した状態で設けられている。調整用電極133としては、調整用電極132と同様に、励振電極111等と同様の金(Au)や銀(Ag)、その他の金属が用いられる。なお、調整用電極133の形状(厚さや面積など)は、任意に設定できる。また、調整用電極133は、調整用電極132と同様に、励振電極111等と電気的に接続されず、絶縁された状態となっている。
一方、振動腕107の表面(+X側の面)には、絶縁膜141が形成されている。絶縁膜141は、励振電極113、114を覆うように形成されている。絶縁膜141としては、絶縁膜131と同様のものが用いられる。なお、振動腕107の裏面(−X側の面)に、励振電極123、124を覆うように絶縁膜が形成されてもよい。絶縁膜141には、開口部141a及び開口部141bが形成される。
開口部141aは、接続部107cのうち+Y側に設定された周波数調整領域140aに対応して形成される。この開口部141aにより、接続部107c表面の周波数調整領域140aは、開口部141aから露出した状態となっている。周波数調整領域140aには、調整用電極142が設けられている。調整用電極142は、主として第1腕部107aの振動数を調整するための電極である。調整用電極142は、励振電極113等と電気的に接続されず、絶縁された状態となっている。なお、開口部141aの形状や調整用電極142の形状、材質は、先に説明した開口部131a及び調整用電極132と同様である。
開口部141bは、第2腕部107bのうち−Y側端部に設定された周波数調整領域140bに対応して形成される。この開口部141bにより、第2腕部107bの周波数調整領域140bは、開口部141bから露出した状態となっている。周波数調整領域140bには、調整用電極143が設けられている。調整用電極143は、主として第2腕部107bの振動数を調整するための電極である。調整用電極143は、励振電極113等と電気的に接続されず、絶縁された状態となっている。なお、開口部141bの形状や調整用電極143の形状、材質は、先に説明した開口部131b及び調整用電極133と同様である。
調整用電極132、133、142、143の一部または全部がそれぞれArガスやレーザーなどの照射によって除去(トリミング)されることにより、振動腕106、107の振動数が個別に調整される。なお、枠部102、アンカー部103、及び基部105、の表面や裏面の一部または全部に絶縁膜131、141が設けられてもよい。その際、基部105やアンカー部103のうち、電極を覆うように部分的に絶縁膜131、141が設けられてもよい。
(圧電振動片100の製造方法)
次に、上記のように構成された圧電振動片100の製造方法を説明する。
図3(a)〜図3(h)は、圧電振動片100の製造過程を示す工程図である。なお、図3では、振動腕106の第2腕部106bに相当する部分について示しており、裏面(−X側の面)の電極については省略している。本実施形態では例えば人工水晶をXカットして作成された圧電ウェハW(図3(a)参照)から個々の圧電振動片100を切り出す多面取りが行われる。
先ず、図3(b)では、圧電振動片100を構成する振動部101が所望の周波数特性を備えるように、領域A1を薄肉化して凹部A1aを形成させる。領域A1は、振動部101やアンカー部130を形成する領域である。薄肉化の工程には、ドライエッチング法や、サンドブラスト等が用いられる。圧電振動片100がXカット水晶板より作成された音叉型の水晶振動片である場合は、X方向の肉厚が薄くなるほど振動特性が向上する利点がある。ただし、凹部A1aを形成せずに、圧電ウェハWの全体を研磨等して薄肉化してもよい。なお、薄肉化されない領域は、圧電振動片100の枠部102となる。
続いて、図3(c)に示すように、凹部A1a内に導電性の金属膜によって励振電極111(その他、引出電極115や接続電極148など)がパターニングされる。パターニング手法としては、例えば、フォトリソグラフィ法及びエッチングによる手法の他に、メタルマスクを用いてスパッタもしくは蒸着する手法などがある。金属膜としては、例えば、圧電ウェハWとの密着性を確保するための下地膜としてクロム(Cr)や、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、あるいはニッケルクロム(NiCr)や、ニッケルチタン(NiTi)、ニッケルタングステン(NiW)合金を成膜し、その上に金(Au)や銀(Ag)を成膜した積層構造が採用される。また、圧電振動片100に形成された貫通孔102a、102bには、内周面に導電性の金属膜が成膜されることにより貫通電極が形成される。貫通電極の金属膜は、励振電極111等と同様にスパッタ等により成膜され、励振電極111等の成膜と同時に行われる。
励振電極111等のパターニングと同時に、調整用電極132、133が形成される(調整用電極形成工程)。従って、調整用電極132、133の厚さは、励振電極111等と同一となっている。なお、調整用電極132、133の形成は、励振電極111等のパターニングと同時であることに限定されず、励振電極111等のパターニングの前工程または後工程として実施してもよい。調整用電極132、133の形成を励振電極111等のパターニングと同時に行うことにより、工程数を削減できる。
電極の形成後、図3(d)に示すように、酸化シリコンや窒化シリコンなどの絶縁層Zが形成される。絶縁層Zの形成は、蒸着や塗布等が用いられる。続いて、図3(e)に示すように、フォトリソグラフィ法及びエッチング法などによって絶縁層Zをパターニングし、励振電極111を被覆した絶縁膜131を形成させる(被覆工程)。絶縁膜131の形成と同時に、調整用電極132、133の全体が外部に露出するように開口部131a及び開口部131bが形成される(開口部形成工程)。ただし、開口部形成工程は、絶縁膜131の形成の前または後に行われてもよい。
次に、図3(f)に示すように、圧電ウェハWの領域A2に対して、ドライエッチングによりアンカー部103を除いて貫通させ、振動部101、枠部102、アンカー部103を形成させる。なお、領域A2は領域A1内に設定されている。貫通した部分は、圧電振動片100の貫通穴104である。圧電振動片100の外形が形成された後、図3(g)に示すように、調整用電極132、133に対してArガスやレーザーなどを照射し、調整用電極132、133の一部または全部を除去(トリミング)する。これにより、振動部101を構成する第1腕部106a及び第2腕部106bの振動数が調整される(調整工程)。このとき、励振電極111は絶縁膜131に被覆されているため、Arガス等によって不用意に除去されることはない。
以上の工程により、圧電振動片100が形成される。なお、図3(g)に示す調整工程の後、エッチング等により絶縁膜131を除去する除去工程が行われてもよい。先に説明したが、圧電振動片100がXカット水晶板より作成された音叉型の水晶振動片である場合は、X方向の肉厚が薄くなるほど振動特性が向上する利点がある。その一方、あまり薄くなると振動腕106の剛性が不足して割れ等を生じさせる。従って、絶縁膜131を除去せずにそのまま残すことにより、振動腕106等の補強膜として剛性を向上させることができる。すなわち、振動腕106等をより一層薄くできるため、圧電振動片100の振動特性を高めることができる。
このように、第1実施形態によれば、絶縁膜131の開口部131a等から露出した周波数調整領域130aの調整用電極132等に対して周波数調整が行われるだけで、絶縁膜131に覆われた部分は保護されるため、絶縁膜131等に覆われた励振電極111等が不用意に除去されることを防止される。これにより、圧電振動片100が小型化された場合でも不良品等の発生が抑制され、信頼性の優れた圧電振動片100を提供することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、第1実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。図4は、第2実施形態に係る圧電振動子200の平面図を示している。図4に示すように、圧電振動子200の振動部101は、振動腕206、207を有しており、それぞれ第1腕部206a、207aと、第2腕部206b、207bと、接続部206c、207cとを有している。
第2腕部206b、207bの−Y側端部は、第1実施形態に比べてZ方向に張り出した形状となっている。接続部206c、207cは、第1実施形態に比べてY方向の寸法(幅)が広く形成されている。これらに対応して周波数調整領域230a、230b、240a、240bは拡げられた状態となっている。振動腕206、207の表面には、励振電極111等を覆うように、それぞれ絶縁膜231、241が形成されている。絶縁膜231、241には、周波数調整領域230a、230bに対応して開口部231a、231bが形成され、周波数調整領域240a、240bに対応して開口部241a、241bが形成される。
周波数調整領域230a、230bには、それぞれ調整用電極232、233が形成されており、これらは、いずれも第1実施形態より大きく形成されている。同様に、周波数調整領域240a、240bには、それぞれ調整用電極242、243が形成されており、これらは、いずれも第1実施形態より大きく形成されている。なお、調整用電極232、233、242、243については、第1実施形態の調整用電極132、133、142、143と比較してX方向から見たときに広い点が相違し、その他については第1実施形態と同様である。
このように、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、絶縁膜231等に覆われた励振電極111等が不用意に除去されることを防止され、信頼性の優れた圧電振動片200を提供できる。さらに、第1実施形態と比較して除去(トリミング)可能な金属量が多いため、振動数の調整幅を第1実施形態に比べて拡大することができる。なお、圧電振動片200の製造方法は、図3に示す圧電振動片100の製造方法とほぼ同様である。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、第1実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。図5(a)は、第3実施形態に係る圧電振動片300の平面図を示している。図5(b)は図5(a)のC−C線に沿った断面図である。この圧電振動片300は、励振電極111等とは別に調整用電極が設けられず、励振電極111〜114の一部をトリミングすることで振動数を調整する点で上記第1実施形態とは異なっている。
振動腕106、107の励振電極111〜114のうち、接続部分106c、107cに形成される部分は、Y方向の幅が広げられた第1露出部111a、112a、113a、114aが形成されている。なお、第1露出部111a等の幅が広げられたことに伴い、接続部分106c、107cのY方向の幅も広げられている。また、第2腕部106b、107bの−Y側端部には、励振電極111〜114が−Y方向に延長されて第2露出部111b、112b、113b、114bが形成されている。なお、これら第1露出部111a等及び第2露出部111b等は、いずれも調整用電極として用いられるとともに、励振電極111等の一部として機能する。
振動腕106、107の表面には、第1実施形態と同様に、それぞれ絶縁膜331、341が形成されている。絶縁膜131、141には、周波数調整領域330a、330bに対応して開口部331a、331bが形成され、周波数調整領域340a、340bに対応して開口部341a、341bが形成される。なお、周波数調整領域330a、340aは、接続部106c、107cの表面のほぼ全体にわたって設定されている。
振動腕106では、開口部331aによって第1露出部111a、112aが露出され、開口部331bによって第2露出部111b、112bが露出された状態となっている。同様に、振動腕107では、開口部341aによって第1露出部113a、114aが露出され、開口部341bによって第2露出部113b、114bが露出された状態となっている。第1露出部111a等の一部の除去や、第2露出部111b等の一部または全部が除去されることにより、振動腕106、107の振動数が調整される。
このように、第3実施形態によれば、除去されると不都合が生じる部分(例えば励振電極111等の途中部分や幅が細い部分)が絶縁膜331等に覆われており、かかる部分が不用意に除去されることを防止され、信頼性の優れた圧電振動片300を提供できる。なお、図5では、第1露出部111a等がY方向に幅を広くして形成されているが、これに限定されない。例えば、第1露出部111a等の部分を他より肉厚とし、かつ幅を他の励振電極111等と同様にしてもよい。
圧電振動片300の製造方法は、図3に示す圧電振動片100の製造方法とほぼ同様である。ただし、調整用電極形成工程では、励振電極111等が形成される際に、調整用電極として第1露出部111a等や第2露出部111b等が形成される。また、調整工程では、第1露出部分111a〜114aは、全部除去されないように(すなわち励振電極111等の電気的な接続が維持されるように)行われる。一方、第2露出部分111b〜114bは調整工程で全部除去されてもよい。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。以下の説明において、第1実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。図6は、第4実施形態に係る圧電振動片400の平面図を示している。この圧電振動片400は、振動腕406、407が折り返されておらず、第1方向のみに延在する構成となっている点で上記実施形態とは異なっている。
図6に示すように、振動腕406、407は、基部105から第1方向(+Y方向)に向かって延びた状態で形成される。振動腕406の表面には、並行して+Y方向に延びる励振電極411、412が形成される。同様に、振動腕407の表面には、並行して+Y方向に延びる励振電極413、414が形成される。なお、図示しないが、振動腕406、407の裏面にもそれぞれ並行して+Y方向に延びる2本の励振電極が形成されている。
振動腕406、407の先端部分には、周波数調整領域430a、430bが設定されており、それぞれに調整用電極432、442が設けられている。振動腕406、407の表面には、励振電極411、412、413、414を覆うように、それぞれ絶縁膜431、441が形成されている。絶縁膜431、441には、周波数調整領域430a、430bに対応してそれぞれ開口部431a、441aが形成される。開口部431aによって調整用電極432が露出され、開口部441aによって調整用電極442が露出される。これら調整用電極432、442の一部または全部が除去されることにより、振動腕406、407の振動数が調整される。
このように、第4実施形態によれば、第1実施形態と同様に、絶縁膜431等に覆われた励振電極411等が不用意に除去されることを防止され、信頼性の優れた圧電振動片400を提供できる。なお、圧電振動片400の製造方法は、図3に示す圧電振動片100の製造方法とほぼ同様である。
<圧電デバイス>
次に、圧電デバイスの実施形態について説明する。図7は、実施形態に係る圧電デバイス500の分解斜視図である。図7に示すように、圧電デバイス500は、圧電振動片100を挟むように、圧電振動片100の+X側にリッド170が接合され、また、−X側にベース180が接合されて構成されている。圧電振動片100としては、図1に示す第1実施形態の圧電振動片100が用いられている。リッド170及びベース180は、シリコンが用いられるが、これに代えて圧電振動片100と同様に、水晶材が用いられてもよい。さらに、リッド170及びベース180として、ガラスやセラミックスが用いられてもよい。
リッド170は、図7に示すように、矩形の板状に形成されており、裏面(−X側の面)に形成された凹部171と、凹部171を囲む接合面172とを有している。リッド170の接合面172は、圧電振動片100の枠部102の表面に接合される。接合面172と枠部102との接合は、低融点ガラスやポリイミドなどの樹脂からなる接合材が用いられる他に、常温接合や陽極接合等により直接接合されてもよい。また、水晶振動片100のアンカー部103及び振動腕106、107は薄片化されているので、リッド170の凹部171は設けられなくてもよい。また、リッド170の裏面には、外縁に沿った金属膜173が形成されている。この金属膜173は、圧電振動片100とリッド170とを接合する場合、圧電振動片100の表面の電極(例えば、引出電極116等)による高さのギャップが生じないようにするものである。従って、この金属膜173は、リッド170の裏面に形成されることに代えて、圧電振動片100の表面に形成されてもよい。この金属膜173は、他の電極との電気的な接続はない。なお、金属膜173の幅は、任意に設定される。また、リッド170の凹部171の領域を拡大して(すなわち接合面172を外側に狭く形成させて)、圧電振動片100と接合面172との間に引出電極116等を挟まないようにしてもよい。この場合、金属膜173は不要である。
ベース180は、図7に示すように、矩形の板状に形成されており、表面(+X側の面)に形成された凹部181と、凹部181を囲む接合面182とを有している。ベース180の接合面182は、圧電振動片100の枠部102の裏面に接合される。接合面182と枠部102との接合は、上記と同様に、低融点ガラスやポリイミドなどの樹脂からなる接合材が用いられる他に、常温接合や陽極接合等により直接接合されてもよい。
ベース180の裏面(−Y側の面)には、一対の実装端子としての外部電極186、186aがそれぞれ設けられている。外部電極186、186aは、それぞれベース180を貫通して形成された貫通電極187、187aを介して、水晶振動片100の裏面の接続電極128、129に接続されている。なお、外部電極186、186aとの接続を貫通電極187、187aを介して行うことに限定されず、例えば、ベース180に形成された切り欠き(キャスタレーション)に金属膜を形成させ、この金属膜を介して外部電極186、186aと接続電極128、129とを接続させてもよい。
外部電極186、186aは、例えばメタルマスク等を用いたスパッタリングや真空蒸着により導電性の金属膜が成膜されることで形成される。金属膜としては、圧電振動片100の励振電極111と同様に、例えば、圧電ウェハWとの密着性を確保するための下地膜としてクロム(Cr)や、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、あるいはニッケルクロム(NiCr)や、ニッケルチタン(NiTi)、ニッケルタングステン(NiW)合金を成膜し、その上に金(Au)や銀(Ag)を成膜した積層構造が採用される。
貫通電極187、187aは、ベース180に設けられた貫通孔を銅メッキ等により充填するか、導電性ペーストを充填することにより形成される。ベース180を圧電振動片100に接合した際、ベース180の貫通電極187、187aは、圧電振動片100の裏面の接続電極128、129とそれぞれ電気的に接続される。また、ベース180の表面には、外縁に沿った金属膜185が形成されている。この金属膜185は、圧電振動片100とベース180とを接合する場合、圧電振動片100の裏面の電極(例えば、引出電極126等)による高さのギャップが生じないようにするものである。従って、この金属膜185は、ベース180の表面に形成されることに代えて、圧電振動片100の裏面に形成されてもよい。この金属膜185は、他の電極との電気的な接続はない。なお、金属膜185の幅は、任意に設定される。
次に、圧電デバイス500の製造方法について説明する。なお、圧電振動片100の製造に関しては図3を用いて説明したのでその説明を省略する。圧電振動片100の製造と並行して、リッド170及びベース180が製造される。これらリッド170及びベース180においても、圧電振動片100と同様にそれぞれリッドウェハ、ベースウェハから個々を切り出す多面取りが行われる。
先ず、圧電ウェハWとともに、リッドウェハ及びベースウェハが用意される。各ウェハは、シリコンウェハの他に、ガラスウェハや、圧電ウェハWと同様に水晶結晶体から切り出された水晶板が用いられる。水晶板が用いられた場合は、圧電デバイス500の製造工程において、ウェハ同士を接合する工程やウェハの表面に金属膜を成膜する工程で、各ウェハが加熱されて熱膨張するが、熱膨張率の異なる素材のウェハを用いると熱膨張率の差異によって変形や割れ等が生じる可能性があり、これを回避できる利点がある。
リッドウェハの裏面には、フォトリソグラフィ法及びエッチングによって凹部171が形成される。ベースウェハの表面には、フォトリソグラフィ法及びエッチングによって凹部181や貫通孔が形成される。なお、リッドウェハ、ベースウェハに対する凹部加工は、エッチング等に代えてサンドブラスト等の機械的手法により行われてもよい。さらに、ベースウェハには、貫通電極187、187aが銅メッキや導電性ペーストの充填等により形成され、外部電極186、186a及び接続電極187、187aがメタルマスク等を用いたスパッタリングや真空蒸着によりそれぞれ形成される。
続いて、真空雰囲気下において、リッドウェハと圧電ウェハWとをアライメントした後、リッドウェハを圧電ウェハWの表面に接合材を介して接合させ、同様に、ベースウェハと圧電ウェハWとをアライメントした後、ベースウェハを圧電ウェハWの裏面に接合材を介して接合させる。低融点ガラス等の接合材は、加熱されることにより溶融状態となって塗布され、固化することによりウェハ同士を接合する。なお、圧電ウェハWに対するリッドウェハやベースウェハの接合として、接合材を用いることに限定されず、例えばイオンビーム活性化接合法などの手法により両者を直接接合させてもよい。また、圧電ウェハWの加工の一部を、圧電ウェハWにベースウェハを接合させた後に行ってもよい。続いて、接合されたウェハを、予め設定されたスクライブラインに沿って切断することにより、個々の圧電デバイス500が完成する。
このように、圧電デバイス500によれば、振動特性に優れた圧電振動片100を用いているため、動作信頼性を向上させることができる。なお、圧電デバイス500では、第1実施形態で説明した圧電振動片100を用いたが、これに代えて第2、第3、第4実施形態で説明した圧電振動片200、300、400が用いられてもよい。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、図7では、圧電デバイス500として圧電振動子(水晶振動子)を示しているが、発振器であってもよい。発振器の場合は、ベース180にIC等が搭載され、圧電振動片100の引出電極115等や、ベース180の貫通電極187等がそれぞれIC等に接続される。
W…圧電ウェハ
100、200、300、400…圧電振動片
101…振動部
102…枠部
103…アンカー部
105…基部
106、107、206、207、406、407…振動腕
106a、107a、206a、207a…第1腕部
106b、107b、206b、207b…第2腕部
106c、107c、206c、207c…接続部
111〜114、121〜124、411〜414…励振電極
111a、112a、113a、114a…第1露出部(調整用電極)
111b、112b、113b、114b…第2露出部(調整用電極)
115〜117、125〜127…引出電極
118、119、128、129…接続電極
130a、130b、140a、140b、230a、230b、240a、240b、330a、330b、340a、340b、430a、440a…周波数調整領域
131、141、231、241、331、341、431、441…絶縁膜
131a、131b、141a、141b、231a、231b、241a、241b、331a、331b、341a、341b、431a、441a…開口部
132、133、142、143、232、233、242、243…調整用電極
500…圧電デバイス

Claims (9)

  1. 基部から第1方向に延びる少なくとも一対の振動腕と、
    前記振動腕に形成された励振電極と、
    前記励振電極を被覆する絶縁膜と、を有し、
    前記絶縁膜は、前記振動腕に形成された周波数調整領域を露出させる開口部を備える圧電振動片。
  2. 前記一対の振動腕のそれぞれは、前記第1方向に延びる第1腕部と、前記第1腕部の先端から前記第1方向とは反対方向の第2方向に延びる第2腕部と、を有する請求項1記載の圧電振動片。
  3. 前記開口部は、前記第1腕部に対応した第1開口部と、前記第2腕部に対応した第2開口部と、を有する請求項2記載の圧電振動片。
  4. 前記振動腕の前記周波数調整領域には、前記開口部によって露出される調整用電極が設けられる請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の圧電振動片。
  5. 前記基部及び前記振動腕を囲む枠部を有し、前記基部と前記枠部とを接続するアンカー部を備える請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載に圧電振動片。
  6. 基部から延びる少なくとも一対の振動腕を有する圧電振動片の製造方法であって、
    前記振動腕に形成された励振電極を絶縁膜で被覆する被覆工程と、
    前記振動腕の周波数調整領域を露出させるように、前記絶縁膜に開口部を形成する開口部形成工程と、
    前記開口部を介して前記振動腕に対して周波数調整を行う調整工程と、を含む圧電振動片の製造方法。
  7. 前記振動腕の前記周波数調整領域に調整用電極を形成する工程を含み、
    前記調整工程は、前記開口部を介して前記調整用電極の一部または全部を除去することにより行う請求項6記載の圧電振動片の製造方法。
  8. 前記調整工程の後、前記絶縁膜を除去する除去工程を含む請求項6または請求項7記載の圧電振動片の製造方法。
  9. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の圧電振動片を含む圧電デバイス。
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