JP2015177480A - 圧電振動片の製造方法、圧電振動片、及び圧電デバイス - Google Patents

圧電振動片の製造方法、圧電振動片、及び圧電デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP2015177480A
JP2015177480A JP2014054245A JP2014054245A JP2015177480A JP 2015177480 A JP2015177480 A JP 2015177480A JP 2014054245 A JP2014054245 A JP 2014054245A JP 2014054245 A JP2014054245 A JP 2014054245A JP 2015177480 A JP2015177480 A JP 2015177480A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protective layer
vibrating piece
piezoelectric
piezoelectric vibrating
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014054245A
Other languages
English (en)
Inventor
和将 生駒
Kazumasa Ikoma
和将 生駒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Dempa Kogyo Co Ltd filed Critical Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Priority to JP2014054245A priority Critical patent/JP2015177480A/ja
Publication of JP2015177480A publication Critical patent/JP2015177480A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】スプリアスの影響を低減させることが可能な圧電振動片を低コストで製造可能な圧電振動片の製造方法、振動特性に優れた圧電振動片及び圧電デバイスを提供すること。【解決手段】基板の表面及び裏面の少なくとも一方の中央部に、周辺部より厚い厚肉部を備え、中央部から周辺部までの間に傾斜部が形成される圧電振動片の製造方法であって、表面及び裏面の少なくとも一方に保護層を形成する工程と、保護層上にマスク層を形成する工程と、保護層及びマスク層のうち周辺部に対応する部分を除去する工程と、基板及び保護層をエッチング可能なエッチング液中に基板を浸漬し、エッチング液で保護層の側面をエッチングして基板を順次露出させながら基板をエッチングすることにより傾斜部を形成する工程と、を含む。【選択図】図4

Description

本発明は、圧電振動片の製造方法、圧電振動片、及び圧電デバイスに関する。
携帯端末や携帯電話などの電子機器では、水晶振動子や水晶発振器などの圧電デバイスが搭載されている。このような圧電デバイスは、水晶振動片などの圧電振動片と、リッドと、ベースとから構成される。圧電振動片の一例として、表面及び裏面の少なくとも一方に周辺部より厚い厚肉部を有する構成が知られている(特許文献1参照)。このように厚肉部を形成することにより、振動エネルギーを効率よく閉じ込めることができ、CI値(クリスタルインピーダンス値)を低減させる等の利点がある。このような厚肉部の構成としては、例えば中央部が周辺部に対して段状に突出したメサ部などが知られている。メサ部では、周辺部との段差が大きいほど、振動エネルギーを強く閉じ込めることが可能となる。
メサ部を含む厚肉部は、例えばATカットの水晶ウェハからエッチング加工により形成される。エッチング加工においては、まず水晶材上にレジスト膜を形成し、このレジスト膜を露光及び現像することで、厚肉部に対応する形状のレジスト膜を形成する。そして、このレジスト膜が形成された水晶材に対してエッチングを行うことにより、レジスト膜及び水晶材の露出部分が除去され、厚肉部及び周辺部の形状が形成されることになる。
一方、このようなメサ部が形成された圧電振動片においては、中央部と周辺部との間の段差部分が境界として作用し、スプリアスによる影響を受けやすくなる場合がある。そこで、例えばメサ部を多段に形成し、メサ部1つあたりの段差を小さくすることにより、スプリアスの影響を緩和しようとする構成が提案されている。
特開平4−322508号公報
しかしながら、メサ部を多段に形成する構成では、メサ部の数だけパターニングとエッチングとを繰り返す必要があるため、製造工程が長くなり、製造コストが高くなってしまう。
以上のような事情に鑑み、本発明は、スプリアスの影響を低減させることが可能な圧電振動片を低コストで製造可能な圧電振動片の製造方法、振動特性に優れた圧電振動片及び圧電デバイスを提供することを目的とする。
本発明では、基板の表面及び裏面の少なくとも一方の中央部に、周辺部より厚い厚肉部を備え、中央部から周辺部までの間に傾斜部が形成される圧電振動片の製造方法であって、表面及び裏面の少なくとも一方に保護層を形成する工程と、保護層上にマスク層を形成する工程と、保護層及びマスク層のうち周辺部に対応する部分を除去する工程と、基板及び保護層をエッチング可能なエッチング液中に基板を浸漬し、エッチング液で保護層の側面をエッチングして基板を順次露出させながら基板をエッチングすることにより傾斜部を形成する工程と、を含む。
また、エッチング液は、保護層に対するエッチングレートが基板に対するエッチングレートよりも高いものが用いられてもよい。また、保護層は、NSG、PSG、及びBSGのうち少なくとも1種類が用いられるシリコン酸化物、またはシリコン窒化物を含んでもよい。また、保護層及びマスク層を除去する工程は、マスク層上にレジスト層を形成することと、フォトリソグラフィ法によってレジスト層をパターニングして周辺部に対応する保護層及びマスク層を露出させることと、保護層及びマスク層の露出部分を除去することと、マスク層上に残存するレジスト層を除去すること、とを含んでもよい。
また、本発明では、基板の表面及び裏面の少なくとも一方の中央部に、周辺部より厚い厚肉部を備える圧電振動片であって、中央部と周辺部との間に傾斜部が配置され、傾斜部は、平均粗さが100nm以下の平面を含む。また、基板は、水晶基板が用いられてもよい。
本発明の態様によれば、エッチング液で保護層の側面をエッチングして基板を順次露出させながら基板をエッチングすることにより傾斜部を形成するため、保護層等のパターニング及びエッチングを繰り返すことなく、厚肉部を形成できる。これにより、スプリアスの影響を低減させることが可能な圧電振動片を低コストで製造できる。また、基板の表面及び裏面の少なくとも一方の中央部に、周辺部より厚い厚肉部を備え、中央部と周辺部との間に傾斜部が配置され、傾斜部は、平均粗さが100nm以下の平面を含むため、CI値が高くなるのを抑制できる。これにより、振動特性に優れた圧電振動片を提供できる。
第1実施形態に係る圧電振動片を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図である。 図1の圧電振動片の製造工程を示す図である。 図1の圧電振動片の製造工程を示す図である。 図1の圧電振動片の製造工程を示す図である。 第2実施形態に係る圧電振動片を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線に沿った断面図である。 圧電デバイスの実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C線に沿った断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、以下の実施形態を説明するため、図面においては一部分を大きくまたは強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。また、図面においてハッチングした部分は金属膜を表している。以下の各図において、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ座標系においては、圧電振動片の表面に平行な平面をXZ平面とする。このXZ平面において圧電振動片の長手方向をX方向と表記し、X方向に直交する方向をZ方向と表記する。XZ平面に垂直な方向(圧電振動片の厚さ方向)はY方向と表記する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の方向が+方向であり、矢印の方向とは反対の方向が−方向であるものとして説明する。
<第1実施形態>
(圧電振動片10の構成)
第1実施形態に係る圧電振動片10について、図1を用いて説明する。圧電振動片10には、例えばATカットの水晶振動片が用いられている。ATカットは、水晶振動子や水晶発振器等の圧電デバイスが常温付近で使用されるにあたって良好な周波数特性が得られる等の利点があり、人工水晶の3つの結晶軸である電気軸、機械軸及び光学軸のうち、光学軸に対して結晶軸周りに35°15′だけ傾いた角度で切り出す加工手法である。なお、後述する第2実施形態においても同様である。
圧電振動片10は、図1に示すように、X方向に長辺、Z方向に短辺を有する矩形の板状の部材から形成されている。第1実施形態では、圧電振動片10として、例えば辺比が50以下のものが用いられるが、これには限定されない。圧電振動片10は、振動部11と、被接合部12とを有している。被接合部12は、後述の圧電デバイス100のベース部130等に接合される部分として用いられる。振動部11の表面(+Y側の面)には、厚肉部13が形成されている。また、振動部11の裏面(−Y側の面)には、厚肉部14が形成されている。厚肉部13は、周辺部15よりも+Y軸方向に高く形成されている。また、厚肉部14は、周辺部15よりも−Y軸方向に高く形成されている。なお、周辺部15は、表面及び裏面とも被接合部12と同一平面となっている。
厚肉部13、14は、図1(a)に示すように、Y方向から見たときに矩形状に形成されている。また、厚肉部13、14は、図1(a)及び(b)に示すように、平面状に形成された中央部13a、14aと、この中央部13a、14aからそれぞれ周辺部15との間に配置される傾斜部13b、14bとを有している。中央部13a、14aは、XZ平面に平行に形成される。中央部13a、14aは、Y方向から見たときに矩形状に形成されている。中央部13a、14aのX軸方向及びZ軸方向の寸法は、所定の寸法に設定される。中央部13a、14aのX軸方向又はZ軸方向の寸法については、同一であってもよいし、異なってもよい。また、Y方向から見たときに中央部13aと中央部14aとがX軸方向にずれていてもよい。
傾斜部13b、14bは、例えば平面状に形成されている。傾斜部13b、14bは、一部に曲面を含んでもよい。傾斜部13b、14bは、Y方向から見たときに矩形環状に形成されている。傾斜部13b、14bのX軸方向又はZ軸方向の寸法については、同一であってもよいし、異なってもよい。また、Y方向から見たときに傾斜部13bと傾斜部14bとがX軸方向にずれていてもよい。傾斜部13b、14bの表面は、平均粗さが100nm以下となるように形成されている。
このように、振動部11に厚肉部13、14が形成されることにより、振動部11の厚さを変化させることができる。これにより、振動エネルギーを厚肉部13、14に効率よく閉じ込めることができ、CI値を低減させることができる。また、傾斜部13b、14bの表面の平均粗さが100nm以下となるように形成されているため、CI値がより低減されることになる。なお、厚肉部13、14のうちいずれか一方が設けられない構成であってもよい。
図1(a)及び(b)に示すように、厚肉部13の中央部13aの+Y側の面には、励振電極18が形成されている。励振電極18は、Y方向から見たときに矩形状に形成されている。励振電極18は、中央部13aの領域内に形成されている。一方、厚肉部14の中央部14aの−Y側の面には、励振電極19が形成されている。励振電極19は、Y方向から見たときに矩形状に形成されている。励振電極19は、中央部14aの領域内に形成されている。励振電極18と励振電極19とは、Y方向から見たときに重なった状態となっている。
これら励振電極18と励振電極19との間に所定の電圧が印加されることにより、振動部11は所定の振動数で振動する。なお、励振電極18、19は、上記構成に限定されず、Y方向から見たときに両者が重らなくてもよい。また、例えば、励振電極18は、傾斜部13bの少なくとも一部を覆うような領域まで形成されてもよいし、周辺部15の少なくとも一部を覆うような領域まで形成されてもよい。同様に、励振電極19は、傾斜部14bの少なくとも一部を覆うような領域まで形成されてもよいし、周辺部15の少なくとも一部を覆うような領域まで形成されてもよい。
被接合部12の表面(+Y側の面)には、励振電極18から−X方向に引き出され、−X側かつ−Z側の領域まで引き出された引出電極18aが形成されている。引出電極18aは、被接合部12の側面12aを介して被接合部12の裏面まで引き出されている。引出電極18aは、励振電極18と電気的に接続される。被接合部12の裏面(−Y側の面)には、励振電極19から−X方向に引き出され、−X側かつ+Z側の領域まで引き出された引出電極19aが形成されている。引出電極19aは、励振電極19と電気的に接続される。
励振電極18、19及び引出電極18a、19aは、導電性の金属膜であり、それぞれ一体の金属膜として、同一の膜構成により形成されている。なお、励振電極18、19と引出電極18a、19aとは、膜構成が異なって形成されてもよい。導電性の金属膜は、例えば、圧電振動片である水晶材との密着性を確保するための下地膜としてクロム(Cr)や、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、あるいはニッケルクロム(NiCr)や、ニッケルチタン(NiTi)、ニッケルタングステン(NiW)合金を成膜し、その上に金(Au)や銀(Ag)を成膜した積層構造が採用される。
このように、第1実施形態に係る圧電振動片10によれば、振動部11の中央部13a、14aに、周辺部15より厚い厚肉部13、14を備え、中央部13a、14aと周辺部15との間に傾斜部13b、14bが配置されるため、厚肉部13、14と周辺部15との境界におけるスプリアスの影響を低減させることが可能である。また、傾斜部13b、14bの表面が粗いとCI値が高くなってしまうが、本実施形態では傾斜部13b、14bが平均粗さ100nm以下の平面を含むため、CI値が高くなるのを抑制できる。これにより、振動特性に優れた圧電振動片10を提供できる。
(圧電振動片10の製造方法)
次に、圧電振動片10の製造方法について説明する。
先ず、圧電ウェハAWが用意される。圧電振動片10は、圧電ウェハAWから個々の圧電振動片10を取り出す多面取りが行われる。なお、圧電振動片10の製造工程を図2〜図4に示すが、図中において圧電ウェハAWは、1個の圧電振動片10が形成される領域のみを示し、他の領域については省略している。圧電ウェハAWは、水晶結晶体からATカットにより所定の厚さで切り出され、表面が洗浄される。
次に、図2(a)に示すように、まず圧電ウェハAWの表面(+Y側の面)及び裏面(−Y側の面)において、それぞれ保護層Pを形成する。保護層Pは、シリコン酸化物又はシリコン窒化物を含む。シリコン酸化物としては、例えばNSG、PSG、及びBSGのうち少なくとも1種類が用いられる。この工程では、例えばプラズマCVD法によって保護層Pを形成する。これにより、保護層Pが高密度で形成されることになる。なお、蒸着法など、他の手法で保護層Pを形成してもよい。
保護層Pを形成した後、図2(b)に示すように、該保護層P上にそれぞれマスク層Mを形成する。マスク層Mとしては、保護層Pとの密着性を確保するための下地膜としてクロム(Cr)や、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、あるいはニッケルクロム(NiCr)や、ニッケルチタン(NiTi)、ニッケルタングステン(NiW)合金を成膜し、その上に金(Au)や銀(Ag)を成膜した積層構造が採用される。マスク層Mを形成した後、図2(c)に示すように、該マスク層M上にそれぞれレジスト層Rを形成する。
次に、図3(a)に示すように、圧電ウェハAWの周辺領域S1に対して露光光を照射する。周辺領域S1は、周辺部15に対応する領域である。この場合、例えば周辺領域S1で開口するパターンを持つマスク(不図示)を配置し、マスクを介して周辺領域S1に露光光を照射する。これにより、レジスト層Rの周辺領域S1が露光される。その後、現像処理を行うことで、図3(b)に示すように、レジスト層Rのうち露光された周辺領域S1を除去し、マスク層Mを露出させる。
次に、図3(c)に示すように、マスク層Mのうちレジスト層Rから露出した部分(露出部分Ma)を除去する。この工程では、例えば圧電ウェハAWの全体を第1のエッチング液中に浸漬させる。第1のエッチング液としては、例えばフッ酸系の液体を用いることができる。なお、マスク層Mのうち下地膜の金属と、上層の金属とで異なる種類のエッチング液を用いてもよい。マスク層Mの露出部分Maを除去することにより、保護層Pのうち周辺領域S1に重なる部分(露出部分Pa)が露出する。なお、保護層Pを露出させた後、マスク層M上に残存するレジスト層Rを除去してもよい。
次に、図4(a)に示すように、保護層Pの露出部分Paを除去する。この工程では、例えば圧電ウェハAWの全体を第2のエッチング液中に浸漬させる。第2のエッチング液としては、保護層Pと圧電ウェハAWとの両方をエッチング可能な液体が用いられる。本実施形態では、第2のエッチング液として、例えば保護層Pに対するエッチングレートが圧電ウェハAWに対するエッチングレートよりも高い液体が用いられる。このような液体として、例えばフッ化水素酸とフッ化アンモニウムとの混合水溶液などが挙げられる。保護層Pのうちマスク層Mから露出した部分を除去することにより、圧電ウェハAWの周辺領域S1が露出する。
また、この工程では、保護層Pの露出部分Paが圧電ウェハAW側に除去されていく過程で、露出部分Paとマスク層Mとの境界部分にも第2のエッチング液に浸される。このため、保護層Pは、露出部分Paが圧電ウェハAW側に除去されるとともに、マスク層Mに近接する部分が圧電ウェハAWの周辺領域S1側から中央領域S2側に除去される。したがって、図4(a)に示すように、保護層Pの露出部分Paが除去された状態において、保護層Pの側面Pbは、圧電ウェハAW側からマスク層M側にかけて内側に傾くように形成される。
保護層Pの露出部分Paを除去した後も、引き続き圧電ウェハAWを第2のエッチング液中に浸漬させる。この状態において、圧電ウェハAWの周辺領域S1と、保護層Pの側面Pbとが第2のエッチング液に浸される。本実施形態では、第2のエッチング液として、保護層Pに対するエッチングレートが圧電ウェハAWに対するエッチングレートよりも高い液体が用いられるため、圧電ウェハAWの周辺領域S1が厚さ方向に除去されていくと共に、これよりも速い速度で保護層Pの側面Pbが圧電ウェハAWの中央領域S2側へ向けて除去されていく。このように保護層Pの側面Pbが圧電ウェハAWの中央領域S2側へ向けて除去されると、圧電ウェハAWの露出部分が周辺領域S1から中央領域S2側に広がり、圧電ウェハAWの新たな露出部分が第2のエッチング液に浸される。そして、該圧電ウェハAWの新たな露出部分が厚さ方向に除去されていく。このようにして、保護層Pの側面Pbをエッチングして圧電ウェハAWを順次露出させながら、圧電ウェハAWの周辺部側から中央部側にかけて時間差をつけてエッチングすることにより、図4(b)に示すように、傾斜部13b、14bが形成される。そして、レジスト層R及びマスク層Mで覆われた部分には、中央部13a、14aが形成される。
なお、本実施形態のように保護層PがプラズマCVD法によって形成される場合、保護層Pの密度分布が均一に形成されるため、保護層Pの全体が均一な速度でエッチングされる。これにより、圧電ウェハAWが均一な速度で露出されていくため、圧電ウェハAWの表面全体が均一にエッチングされる。このため、傾斜部13b、14bの表面は、平均粗さが例えば100nm以下となるように滑らかに形成される。
その後、レジスト層R及びマスク層Mを除去し、図4(c)に示すように、圧電ウェハAWの表面及び裏面に金属膜を形成し、所定のパターンにエッチングすることにより、中央部13a、14aに励振電極18、19が形成されると共に、中央部13a、14aから周辺部15にかけて引出電極18a、19a(図4(c)では省略)が形成されて、圧電振動片10が完成する。
このように、第1実施形態に係る圧電振動片10の製造方法によれば、第2のエッチング液で保護層Pの側面Pbをエッチングして圧電ウェハAWを順次露出させながら圧電ウェハAWをエッチングすることにより傾斜部13b、14bを形成するため、保護層P等のパターニング及びエッチングを繰り返すことなく、厚肉部13、14を形成できる。これにより、スプリアスの影響を低減させることが可能な圧電振動片10を低コストで製造できる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る圧電振動片20について説明する。以下の説明において、第1実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。圧電振動片20は、図5に示すように、振動部21と、振動部21を囲んだ枠部30と、振動部21と枠部30とを連結する連結部22とを有し、振動部21と枠部30との間にはY軸方向に貫通する貫通穴31が形成されている。
圧電振動片20は、図5(a)に示すように、振動部21の表面(+Y側の面)に厚肉部23が形成され、裏面(−Y側の面)に厚肉部24が形成されている。厚肉部23は、振動部21の周辺部25より+Y方向に高く形成されている。厚肉部23は、中央部23a及び傾斜部23bを有している。厚肉部24は、振動部21の周辺部25より−Y方向に高く形成されている。厚肉部24は、中央部24a及び傾斜部24bを有している。これら中央部23a及び傾斜部23bや中央部24a及び傾斜部24bは、第1実施形態の中央部13a及び傾斜部13bや中央部14a及び傾斜部14bと同様であるため、説明を省略する。
図5(a)及び(b)に示すように、厚肉部23には、励振電極28が形成され、厚肉部24には、励振電極29が形成されている。これら励振電極28、29は、第1実施形態の励振電極18、19と同様である。引出電極28aは、励振電極28から連結部22及び枠部30の表面(+Y側の面)に−X方向に引き出され、枠部30の表面の−X側かつ−Z側の領域まで形成される。さらに、引出電極28aは、枠部30の内側の側面や連結部22の側面を介して枠部30の裏面(−Y側の面)まで引き出される。引出電極29aは、励振電極29から連結部22及び枠部30の裏面(−Y側の面)に−X方向に引き出され、枠部30の裏面の+X側かつ+Z側の領域まで引き出される。なお、励振電極28、29及び引出電極28a、29aは、第1実施形態の励振電極18、19及び引出電極18a、19aと同様の金属膜が用いられる。
圧電振動片20の製造方法について説明する。枠部30の内側に相当する領域に対して、上記した圧電振動片10の製造方法と同様に、保護層P、マスク層M及びレジスト層Rを圧電ウェハAW上に配置してウェットエッチングを行うことにより、マスク層M及びレジスト層Rをパターニングする。その後、保護層P及び圧電ウェハAWを所定のエッチング液(例えば、第1実施形態における第2のエッチング液)に浸漬させ、保護層Pの側面Pbをエッチングして圧電ウェハAWを順次露出させながら圧電ウェハAWをエッチングすることにより傾斜部23b、24bを形成する。次に、励振電極28、29及び引出電極28a、29aがパターニングされた後、振動部21や連結部22と枠部30との間の圧電ウェハAWがエッチング等により除去されることで貫通孔31が形成され、圧電振動片20が完成する。
このように、第2実施形態によれば、厚肉部23及び厚肉部24は、周辺部25との境界におけるスプリアスの影響を低減させることが可能である。また、保護層Pの側面Pbをエッチングして圧電ウェハAWを順次露出させながら圧電ウェハAWをエッチングすることにより傾斜部23b、24bを形成するため、保護層P等のパターニング及びエッチングを繰り返すことなく、厚肉部23、24を形成できる。これにより、スプリアスの影響を低減させることが可能な圧電振動片20を低コストで製造できる。さらに、また、本実施形態では傾斜部23b、24bが平均粗さ100nm以下の平面を含むため、CI値が高くなるのを抑制できる。
<圧電デバイス>
次に、圧電デバイス100の実施形態について説明する。以下の説明において、上記の実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。なお、図6(a)では、リッド部を透過して表している。この圧電デバイス100は、図6に示すように、圧電振動片10と、圧電振動片10を収容したパッケージ本体110とを有している。パッケージ本体110は、リッド部120とベース部130とを有している。これらリッド部120及びベース部130としては、例えばガラスやシリコンが用いられる。
リッド部120は、図6(b)に示すように、裏面(−Y側の面)の中央部分に凹部121が設けられ、この凹部121を囲むように接合面122が形成されている。なお、凹部121は、圧電振動片10を収容する空間として用いられる。ベース部130は、板状であって、表面(+Y側の面)131に接続電極132、133が形成される。ベース部130の裏面(−Y側の面)には、外部電極134、135が形成される。外部電極134、135は、基板等に実装される際の一対の実装端子として用いられる。ベース130には、Y方向に貫通する貫通電極136、137が形成される。貫通電極136を介して接続電極132と外部電極134とが電気的に接続され、貫通電極137を介して接続電極133と外部電極135とが電気的に接続される。
接続電極132、133及び外部電極134、135は、例えばメタルマスク等を用いたスパッタリングや真空蒸着により導電性の金属膜が成膜されることで形成される。金属膜としては、圧電振動片10の励振電極18等と同様に、例えば、下地膜としてクロム(Cr)や、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、あるいはニッケルクロム(NiCr)や、ニッケルチタン(NiTi)、ニッケルタングステン(NiW)合金を成膜し、その上に金(Au)や銀(Ag)を成膜した積層構造が採用される。貫通電極136、137は、ベース130に設けられた貫通孔を銅メッキ等により充填して形成される。
リッド部120とベース部130とは、接合面122と表面131との間に配置された接合材140によって接合される。圧電振動片10は、導電性接着剤138、139によってベース部130に接合され、図6(b)に示すように、リッド部120の凹部121内に配置される。凹部121内(パッケージ110内)は、例えば真空雰囲気に設定されるが、これに限定されず、窒素などの不活性ガスが封入されてもよい。導電性接着剤138、139としては、シリコン系やポリイミド系の導電性接着剤が用いられる。導電性接着剤138により、引出電極18aと接続電極132とが電気的に接続される。また、導電性接着剤139により、引出電極19aと接続電極133とが電気的に接続される。
このように、圧電デバイス100によれば、振動エネルギーが効率よく閉じ込められ、スプリアスの影響が抑制され、振動特性の高い圧電振動片10が用いられるので、品質の良い圧電デバイスを提供できる。なお、上記実施形態では、第1実施形態の圧電振動片10が用いられているが、これに代えて第2実施形態で説明した圧電振動片20が用いられてもよい。また、リッド部120とベース部130とが接合材140を介して接合されることに限定されず、直接接合されてもよい。
圧電デバイス100の製造方法は、リッド部120を多面取りするリッドウェハと、ベース部130を多面取りするベースウェハとが用いられる。リッドウェハに対して凹部121が加工され、ベースウェハに対して接続電極132等が形成される。次に、ベースウェハの所定箇所に圧電振動片10がそれぞれ導電性接着剤138により保持される。次に、真空雰囲気下でリッドウェハとベースウェハとが接合される。次に、スクライブラインに沿ってダイシングされることにより個々の圧電デバイス100が完成する。
なお、第2実施形態の圧電振動片20を含む圧電デバイスについては、圧電振動片20の枠部30の表面(+Y側の面)にリッド部が接合され、枠部30の裏面(−Y側の面)にベース部が接合されて構成される。その際、枠部30の裏面に形成された引出電極28a、29aがベース部に形成された接続電極とそれぞれ電気的に接続される。圧電振動片20の振動部21は、枠部30に囲まれ、かつリッド部とベース部とで挟まれた空間内に保持される。
以上、実施形態について説明したが、本発明は、上述した説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、厚肉部13、14等は、Y方向から見て矩形状に形成されることに限定されず、円形状、楕円形状、長円形状、または四角以外の多角形状に形成されてもよい。
また、水晶振動片として用いられる水晶材は、ATカットされたものに限定されず、厚みすべり振動により振動するものであればよく、SCカットされたものなどを用いてもよい。また、圧電振動片としては、水晶振動片に限定されず、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムなどを用いたものでもよい。また、上記した実施形態では、圧電デバイスとして水晶振動子(圧電振動子)を示しているが、発振器であってもよい。
AW…圧電ウェハ(基板)
P…保護層
Pa…露出部分
Pb…側面
M…マスク層
Ma…露出部分
R…レジスト層
S1…周辺領域
S2…中央領域
10、20…圧電振動片
11、21…振動部
13、14、23、24…厚肉部
13a、14a、23a、24a…中央部
13b、14b、23b、24b…傾斜部
15、25…周辺部
100…圧電デバイス
120…リッド部
130…ベース部

Claims (7)

  1. 基板の表面及び裏面の少なくとも一方の中央部に、周辺部より厚い厚肉部を備え、前記中央部から前記周辺部までの間に傾斜部が形成される圧電振動片の製造方法であって、
    前記表面及び裏面の少なくとも一方に保護層を形成する工程と、
    前記保護層上にマスク層を形成する工程と、
    前記保護層及び前記マスク層のうち前記周辺部に対応する部分を除去する工程と、
    前記基板及び前記保護層をエッチング可能なエッチング液中に前記基板を浸漬し、前記エッチング液で前記保護層の側面をエッチングして前記基板を順次露出させながら前記基板をエッチングすることにより前記傾斜部を形成する工程と、を含む圧電振動片の製造方法。
  2. 前記エッチング液は、前記保護層に対するエッチングレートが前記基板に対するエッチングレートよりも高いものが用いられる請求項1記載の圧電振動片の製造方法。
  3. 前記保護層は、NSG、PSG、及びBSGのうち少なくとも1種類が用いられるシリコン酸化物、またはシリコン窒化物を含む請求項1または請求項2記載の圧電振動片の製造方法。
  4. 前記保護層及び前記マスク層を除去する工程は、前記マスク層上にレジスト層を形成することと、フォトリソグラフィ法によって前記レジスト層をパターニングして前記周辺部に対応する前記保護層及び前記マスク層を露出させることと、前記保護層及び前記マスク層の露出部分を除去することと、前記マスク層上に残存する前記レジスト層を除去すること、とを含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の圧電振動片の製造方法。
  5. 基板の表面及び裏面の少なくとも一方の中央部に、周辺部より厚い厚肉部を備える圧電振動片であって、
    前記中央部と前記周辺部との間に傾斜部が配置され、
    前記傾斜部は、平均粗さが100nm以下の平面を含む圧電振動片。
  6. 前記基板は、水晶基板が用いられる請求項5記載の圧電振動片。
  7. 請求項5または請求項6記載の圧電振動片を含む圧電デバイス。
JP2014054245A 2014-03-18 2014-03-18 圧電振動片の製造方法、圧電振動片、及び圧電デバイス Pending JP2015177480A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014054245A JP2015177480A (ja) 2014-03-18 2014-03-18 圧電振動片の製造方法、圧電振動片、及び圧電デバイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014054245A JP2015177480A (ja) 2014-03-18 2014-03-18 圧電振動片の製造方法、圧電振動片、及び圧電デバイス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015177480A true JP2015177480A (ja) 2015-10-05

Family

ID=54256200

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014054245A Pending JP2015177480A (ja) 2014-03-18 2014-03-18 圧電振動片の製造方法、圧電振動片、及び圧電デバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015177480A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017183808A (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 京セラ株式会社 水晶素子および水晶デバイス
JP2017192032A (ja) * 2016-04-13 2017-10-19 日本電波工業株式会社 水晶振動子
CN114514338A (zh) * 2019-10-11 2022-05-17 联合精密科技有限公司 金属加工部件及其制造方法、具备该金属加工部件的部件搭载模块

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017183808A (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 京セラ株式会社 水晶素子および水晶デバイス
JP2017192032A (ja) * 2016-04-13 2017-10-19 日本電波工業株式会社 水晶振動子
CN107294507A (zh) * 2016-04-13 2017-10-24 日本电波工业株式会社 晶体振子
CN114514338A (zh) * 2019-10-11 2022-05-17 联合精密科技有限公司 金属加工部件及其制造方法、具备该金属加工部件的部件搭载模块

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5239748B2 (ja) 水晶振動片
JP6133697B2 (ja) 圧電振動片、圧電デバイス、及び圧電デバイスの製造方法
US20150015119A1 (en) Piezoelectric vibrating piece, method for fabricating piezoelectric vibrating piece, piezoelectric device, and method for fabricating piezoelectric device
JP2006203700A (ja) 圧電基板の製造方法、圧電振動素子、圧電振動子、及び圧電発振器
US8987974B2 (en) Piezoelectric device and method for manufacturing the same
JP4292825B2 (ja) 水晶振動片の製造方法
US20130063001A1 (en) Piezoelectric device and method of manufacturing piezoelectric device
US7728491B2 (en) Piezoelectric devices and methods for manufacturing same
JP5054146B2 (ja) 圧電デバイス及びその製造方法
JP2015177480A (ja) 圧電振動片の製造方法、圧電振動片、及び圧電デバイス
US20120068579A1 (en) Method for Manufacturing a Piezoelectric Device and the Same
JP2010136202A (ja) 圧電振動片の製造方法、圧電振動片及び圧電振動子
JP2016032195A (ja) 圧電振動片、圧電振動片の製造方法、及び圧電デバイス
JP2015173408A (ja) 圧電振動片、圧電振動片の製造方法、及び圧電デバイス
JP4636170B2 (ja) 水晶振動片とその製造方法及び水晶振動片を利用した水晶デバイス、ならびに水晶デバイスを利用した携帯電話装置および水晶デバイスを利用した電子機器
US20150035410A1 (en) Piezoelectric vibrating piece, method for fabricating the piezoelectric vibrating piece, piezoelectric device, and method for fabricating the piezoelectric device
US20130214645A1 (en) Piezoelectric device and method for fabricating the same
JP6254799B2 (ja) 圧電デバイスの製造方法
JP2014176071A (ja) 圧電振動片及び圧電デバイス
JP6483199B2 (ja) 圧電デバイス
JP2016174328A (ja) ウェーハの製造方法及びウェーハ
WO2015115388A1 (ja) 圧電デバイス用パッケージ及び圧電デバイス
JP2017060125A (ja) 圧電振動片及び圧電振動子
JP2014192832A (ja) 圧電デバイス
JP2014175900A (ja) 圧電振動片、圧電振動片の製造方法、及び圧電デバイス